JP2017011276A - 希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末及びボンド磁石 - Google Patents

希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末及びボンド磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】磁石粉末が特定の粒度範囲に微粉砕され、表面に強固な燐酸塩皮膜が形成されることで、磁気特性が向上し耐酸化安定性にも優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末及び磁石粗粉末を含むボンド磁石を提供する。
【解決手段】希土類元素を23.0〜25.0質量%、Nを3.0〜3.6質量%含み、残りが実質的に遷移金属元素である希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末において、該磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜2μmで、1μm以下の粒度の割合が20〜48%であり、かつ、表面に、P含有量が元素換算で1質量%以下の燐酸塩皮膜が形成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末及びボンド磁石に関し、より詳しくは、磁石粉末が特定の粒度範囲に微粉砕され、表面に強固な燐酸塩皮膜が形成されることで、磁気特性が向上し耐酸化安定性にも優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末、また、該磁石粗粉末を含むボンド磁石に関するものである。
SmFeNで代表される希土類−遷移金属−窒素系磁石は、高性能でかつ安価な希土類−遷移金属−窒素系磁石として知られている。
従来、この希土類−遷移金属−窒素系磁石は、希土類金属と遷移金属を溶解して合金を作製する溶解法や、希土類酸化物と遷移金属からなる原料にアルカリ土類金属を還元剤として配合し、高温で希土類酸化物を金属に還元するとともに遷移金属と合金化する還元拡散法によって製造されている。しかし、溶解法では、原料として使用する希土類金属が高価であるため経済的ではなく、安価な希土類酸化物粉末を原料として利用できる還元拡散法が望ましい方法であると考えられている。
すなわち、還元拡散法では、先ず希土類酸化物粉末原料、遷移金属粉末原料、および上記希土類酸化物の還元剤であるアルカリ土類金属を配合した混合物を、非酸化性雰囲気中で焼成して希土類−遷移金属系合金を合成する。その後、得られた希土類−遷移金属系合金を水素吸蔵させてから湿式処理して粉末状にした後、この粉末状の希土類−遷移金属合金を窒化処理する方法もしくは窒化処理と湿式処理の順番を入れ替えた方法により、所望の希土類−遷移金属−窒素系磁石が製造される。
この様にして得られた粉末状の希土類−遷移金属−窒素系磁石は、特定の粒度になるまで微粉砕処理される。この場合、希土類−遷移金属−窒素系磁石は、保磁力の発生機構がニュークリエーション型であることから、磁気特性の一つである減磁曲線の角型性、保磁力を高めるには、微粉砕された後の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の粒度を揃えることが必要とされている。
磁石粉末の粒度を揃えるために、出発原料として微細な鉄粉や酸化鉄粉が用いられているが、例えば、特許文献1および特許文献2には、共沈法で微細水酸化物を作製してから焼成して得られた微細粉末を原料粉末とし、還元拡散法で合金化して窒化することで、粉砕することなく高性能磁石粉末を製造していた。
しかしながら、この方法では、微細な鉄粉や酸化鉄粉を用いるために製造コストが高く、かつ合成時に磁石の微細粉末が凝集しやすくなり、結果として、残留磁束密度や減磁曲線の角形性が低下するという欠点を有していた。
一方、希土類−遷移金属系磁石粉末を粉砕する場合は、例えば、特許文献3には、不活性ガス雰囲気を保持したハンマーミル、ディスクミル、振動ミル、アトライタ、ジェットミル、あるいはボールミルで効率的に行うことができるといった記載があり、実施例1では湿式ボールミルと乾式ジェットミル粉砕を行って微粉砕し、平均粒径2.0〜3.0μmの磁粉が得られている。しかし、まだ粉末の平均粒径が大きく、所望とする磁気特性が得られたとはいえない。
また、アトライタ等の粉砕機を用い、鉄系ボールと溶媒、磁石粉末を混合し、0.3〜1.0m/s程度の回転周速度で粉砕を行った場合には、サブミクロンの微粉末が発生し粒度分布が広がってしまう傾向にあった。このため、希土類−遷移金属系磁石粉末に凝集が起こり、最終的に得られる希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の磁気特性の低下が起こっていた。
このため、例えば、特許文献4では、SmFeN合金粒子を微粉砕する際、または微粉砕後の分級の際に、磁石粒子の温度を300〜650℃に保つようにして磁石粒子の凝集を防ぐ方法が提案されている。また、特許文献5では、SmFeN合金粒子の表面をフッ素化合物皮膜、ポリシラザン硬化皮膜、酸化ケイ素皮膜、窒化ケイ素皮膜のいずれかで被覆して保護層を形成することによって、耐酸化性を向上させ、微粉同士の凝集を抑制した高磁気特性の合金粉末が提案されている。
さらに、特許文献6では、希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を粉砕中に、特定量の燐酸化合物を含む有機溶剤で特定時間接触処理して、粉砕により生じる新生面に、メカノケミカル的な作用で燐酸塩皮膜を形成させ、微粉化された該鉄系磁石粉の表面の80%以上を平均5〜100nmの厚さで均一に被覆することが提案されている。
しかしながら、特許文献4,5の方法では、製造時に温度調整や皮膜条件などをコントロ−ルすることが難しく、製造工程も長くなり、また、特許文献6の方法では燐酸化合物を含む有機溶剤との接触時間が短く、バラツキが大きくなりやすいなどの問題があり、いずれも所望の磁気特性を有する磁石粉末を得ることが困難であった。
そこで本出願人は、先に上記課題を解決する方法として、磁石粉末を特定の粒度分布に揃えることで凝集度が低くなり、磁気特性が向上した希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、また、磁石粉末を特定の装置・条件で粉砕することによって効率的に製造する方法を提案した(特許文献7参照)。
この方法では、希土類−遷移金属−窒素系磁石の粗粉末を媒体攪拌ミルの粉砕機に入れ、次いで、粉砕機の中で金属ボール又はセラミックスボールの粉砕媒体とともに回転させ、その際、粉砕機の回転周速度を10〜20m/sとすることにより、希土類−遷移金属−窒素系磁石の粗粉末を特定時間で微粉砕している。これにより磁石粉末の平均粒径(D50)が2〜4μmとなり、従来法と比較すると磁気特性は向上したものの、まだ保磁力、角形性などに改善の余地が残されていた。
特許第4590920号公報 特許第4737161号公報 特開2003−272943号公報(段落0009、実施例1) 特開平5−175022号公報 特開2000−34503号公報 特許第3882545号公報 特許第4063005号公報
本発明の目的は、このような従来の状況に鑑み、磁石粉末が特定の粒度範囲に微粉砕され、表面に強固な燐酸塩皮膜が形成されることで、磁気特性が向上し耐酸化安定性にも優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末、及び該磁石粗粉末を含むボンド磁石を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、還元拡散法で製造された希土類−遷移金属系合金粉末を窒化後、この磁石粗粉末を燐酸含有有機媒体と共に媒体攪拌ミル中、特定の条件で微粉砕して、粉末の平均粒径(D50)が1〜2μm、かつ1μm以下の粒度が20〜48質量%となるように粉砕することで、表面に燐酸塩皮膜が形成され、乾燥後に徐酸化することで表面が強固な燐酸塩皮膜となることによって、磁気特性が改善され、保磁力、残留磁束密度、残留磁束密度の90%に対応する磁場および角形性のいずれも高く、耐酸化安定性にも優れた磁石微粉末を容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、希土類元素を23.0〜25.0質量%、Nを3.0〜3.6質量%含み、残りが実質的に遷移金属元素である希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末において、
該磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜2μmで、1μm以下の粒度の割合が20〜48%であり、かつ表面に、P含有量が元素換算で1質量%以下の燐酸塩皮膜が形成されていることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記磁石微粉末は、2.1〜3μmの粒度の割合が5〜20%であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、前記磁石微粉末は、3μmを超える粒度の割合が10%以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が提供される。
一方、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記磁石微粉末は、1μm以下の粒度の割合が23〜46%であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、前記磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜1.8μmであることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜1.6μmであることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム組成物から選ばれるいずれかを含むボンド磁石が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、さらに、希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末以外の異方性磁石粉末、あるいは等方性磁石粉末を含むことを特徴とするボンド磁石が提供される。
本発明によれば、平均粒径が1〜2μmで、1μm以下の粒度の割合が20〜48%という微細で粒径が揃った希土類−遷移金属−窒素系合金粉末を提供することができ、かかる合金粉末は、保磁力、角形性、残留磁束密度および残留磁束密度の90%に対応する磁場がいずれも高く、耐酸化安定性にも優れた磁石微粉末である。
この磁気特性や耐酸化安定性が改善された磁石微粉末は、特定量の磁石粗粉末を燐酸とともに媒体攪拌ミルなどの粉砕機に入れ、回転数1000rpm以上の条件で特定時間粉砕することで、比較的低コストで安定的に該磁石合金粉末を生産できることからその工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及び該磁石粗粉末を含むボンド磁石について詳細に説明する。
1.希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末
本発明に係る希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、微粉砕された磁石粉末の粒度が特定範囲に揃えられて、優れた磁気特性と表面の酸化安定性を有している磁石粉末である。磁石粉末は、希土類元素を含む遷移金属−窒素系磁石合金の粉末であり、例えば、希土類−鉄−窒素系の各種磁石粉末等を使用できる。
希土類元素には、Sm、Gd、Tb、Ceの内、少なくとも一種、あるいは、さらにPr、Nd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの内、一種以上を含むものが好ましい。中でもSmが含まれる場合、本発明の効果を著しく発揮させることが可能となる。希土類元素は、単独若しくは混合物として使用でき、その含有量は、23.0〜25.0質量%とすることが好ましい。希土類元素の含有量が23.0質量%よりも少ないと、合金中に軟磁性相であるα−Feが多く存在するようになって高い保磁力が得にくくなり、25.0質量%を超えると主相となる合金相の体積が減少してしまい飽和磁化が低下するため好ましくない。好ましい含有量は、23.2〜24.8質量%である。
遷移金属には、Feのほかに、Co、Ni、Mnが一般的に用いられている。これらの中では、特に、Feを70質量%以上含有するものが好ましい。さらに、磁気特性を損なうことなく磁石の温度特性を改善する目的で、Feの一部をCoで置換することが好ましい。
遷移金属が、70質量%より少ないと磁化が低くなり好ましくないが、80質量%を超えると希土類元素の割合が少なくなり過ぎ、高い保磁力が得られず好ましくない。
遷移金属の組成範囲が70〜76質量%であれば、保磁力と磁化のバランスのとれた材料となり、特に好ましい。
また、保磁力の向上、生産性の向上並びに低コスト化のために、Ca、Cr、Nb、Mo、Sb、Ge、Zr、V、Si、Al、Ta、Ti、Zn又はCu等から選ばれた一種以上の元素(M元素)を添加してもよい。この場合、M元素の添加量は、遷移金属全重量に対して7質量%以下とすることが望ましい。また、不可避的不純物としてCあるいはB等が5質量%以下含有されていてもよい。
さらに、窒素Nは磁気特性の観点から3.0〜3.6質量%とすることが好ましい。窒素が3.0質量%未満では9eサイトに窒素が埋まりきらないため高い磁気特性が得られず、窒素が3.6質量%より多く入ってしまうと結晶構造が壊れ磁気特性が下がってしまう。窒素Nの好ましい含有量は、3.2〜3.5質量%である。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜2μmであり、かつ1μm以下の粒度の割合が20〜48%のものである。平均粒径(D50)が前記範囲を外れると、1μm以下の粒度の割合が20〜48%であっても所望とする磁気特性が得られない。また、2.1〜3μmの粒度が、6〜20%であることがより好ましい。なお、3μmを超える粒度のものは、10%以下であることが好ましい。
平均粒径(D50)、1μm以下の粒度、2.1〜3μmの粒度の割合は、HELOS粒度分布測定装置を用いて測定した値である。HELOS粒度分布測定装置は、粒度分布を測定する際に、被測定粉末に一定の圧力の窒素を噴射させて凝集した粉末を解凝して測定するものである。そして、このときの窒素圧を分散力と呼んでいる。ここで、平均粒径(D50)、1μm以下の粒度、2.1〜3μmの粒度は、いずれも窒素圧力を3.0×10Paで噴射して測定したものである。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末は、表面に燐酸塩の皮膜が形成されている。P含有量は、元素換算で1質量%以下である。1質量%を越えると、所望とする磁気特性、特に保磁力が得られない。好ましい含有量は、0.7質量%以下である。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、1μm以下の粒度の割合が20〜48%と微細な粒子も多いが、平均粒径(D50)が1〜2μmであり粒度が2μmを超えるものが少なく、粒が揃っているので凝集が極めて少ない。
本発明において好ましい平均粒径(D50)は、1〜1.8μmであり、より好ましい平均粒径(D50)は、1〜1.6μmである。また、1μm以下の粒度の割合は、23〜46%がより好ましい。
本発明の磁石微粉末は、保磁力iHcが1100kA/m以上、残留磁束密度Brが1.1T以上、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkが570kA/m以上、角形性Hk/iHcが0.52以上という優れた磁気特性を有するものである。また、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末は、表面に強固な燐酸塩の皮膜が形成されているために、耐酸化安定性が高く、空気中あるいは塩水中に長時間接触しても磁気特性の低下が小さい。好ましいのは、保磁力iHcが1140kA/m以上、残留磁束密度Brが1.1T以上、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkが610kA/m以上、角形性Hk/iHcが0.54以上の磁石微粉末である。
2.磁石粉末の製造方法
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、還元拡散法によって希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末を製造した後、燐酸とともに特定の粉砕装置・条件で微粉砕して、乾燥後に徐酸化し、平均粒径と1μm以下の粒度の割合が特定範囲の微粉末となるように粒度を揃えることによって製造される。
(1)希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の調製
原料の希土類粉末としては、希土類酸化物粉末が使用される。希土類酸化物粉末の粒径は、特に制限されないが、反応性、作業性等の面から10μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、希土類酸化物粉末は、粒径0.1〜10μmの粉末が希土類酸化物粉末全体の80質量%以上を占める粉末を用いるようにする。粒径が1μm未満の粉末が多くなると、製造中に粉末が舞い上がり取り扱いにくくなる。また、10μmを越えるものが多くなると、還元拡散法で、希土類元素が拡散していない遷移金属(鉄部)が多くなる。
原料として用いる遷移金属粉末の鉄粉末は、一般的にアトマイズ法、電解法等により製造されるが、粉末状のものであれば、その製法は限定されない。遷移金属、希土類元素、また、保磁力の向上、生産性の向上並びに低コスト化のために添加する元素は、前記の通りである。還元剤としては、Caなどのアルカリ土類金属が用いられる。上記還元剤の粒度は、5mm以下の塊状になっていることが好ましい。
上記希土類元素を含む希土類酸化物粉末原料と、その粒径が1μm〜100μmの範囲に粒度調整された遷移金属粉末原料および、その他原料粉末を秤量して反応容器に入れて混合し、さらに希土類元素を還元するのに十分な量の還元剤を添加し混合する。
上記原料混合物の入った反応容器を還元拡散炉に移し、非酸化性雰囲気中、例えば、アルゴンを流しながら還元拡散炉で上記還元剤が溶融状態になる温度まで昇温し加熱焼成して、焙焼物とする。
加熱焼成は1000〜1250℃程度の温度として、所定の時間、例えば4〜10時間処理することが好ましい。還元剤として上記のようにCaを選定した場合、Caの融点が838℃、沸点が1480℃であるため、1000〜1250℃の温度範囲内であれば還元剤は溶解するが、蒸気にはならずに処理することができる。
この加熱焼成により、上記混合物中の希土類酸化物が希土類元素に還元されるとともに、該希土類元素が鉄粉中に拡散され、希土類−遷移金属系合金(希土類−鉄母合金)が合成される。
この還元拡散反応が起きる際、原料混合物が圧縮されていると、圧縮されていない場合に比較して、原料混合物が炉内の底部、すなわち高温部で、温度分布の小さい範囲に配置され、均一に熱がかかることにより場所による反応のばらつきが小さくなり、よって組成ばらつきが小さい還元物が得られ、ひいては磁気特性の優れた合金粉末が得られることになる。さらに原料混合物が圧縮されていることにより各原料粒子間の距離が短いため熱伝導がよく、短時間で還元拡散反応が起こり昇温時間も短くなる。還元拡散時間が長すぎると、蒸気圧の高い希土類元素は高温部で揮発し、低温部に濃縮し組成がばらつく原因になる。したがって、このように短時間で還元拡散反応できることは特性を向上させる大きな要因となる。
次に、この希土類−遷移金属系合金に対して水素吸蔵を行う。希土類−遷移金属系合金は、まず雰囲気温度が500℃以下となるように冷却する。500℃を越えると消費エネルギーが大きくなり、しかも、目的の希土類−鉄母合金が分解したり、副反応生成物が生じたりすることがあるからである。反応生成物に水素を吸蔵させることは室温でも十分行うことができる。反応生成物が水素を吸蔵すると自己発熱を起こし、材料温度が上昇するため、500℃を越えないように留意する。
水素吸蔵では、還元拡散処理を行った後、冷却した反応生成物を炉内に入れたまま、還元拡散処理で用いた不活性ガスを水素雰囲気ガスに置換し、この水素を含む雰囲気ガスで加圧するか、あるいは流しながら一定時間吸蔵処理することにより行う。この時、次工程の窒化処理に悪影響を与えない範囲で加熱しても構わない。水素ガスの置換は、炉内にある不活性ガスを脱気し、真空に引いてから水素ガスを導入した方が短時間で水素ガスに完全に置換できるので好ましい。この時の真空度は、大気圧に対して−30kPa以下が好ましく、−100kPa以下がさらに好ましい。
アルゴンガスは、水素ガスよりも比重が大きいため反応生成物の底部まで完全に水素ガスで置換しきれないと、水素吸蔵が効果的に行えず、水素吸蔵後も大きな塊のまま存在することがあるから、注意を要する。
次に、水素を含む雰囲気ガスで置換後、水素の吸蔵を促進するために炉内の圧力を大気圧に対して+5kPa以上に加圧しておくことが好ましい。加圧は大気圧に対して+10〜50kPaがより好ましい。加圧した状態で放置し、反応生成物が水素を吸蔵していくと、初期加圧圧力から徐々に低下していくことで水素吸蔵が進行していくことが確認できる。
焙焼物では、主相であるSmFe17相の周りにSmリッチ相で覆われている状態が通常である。上記水素吸蔵を行うことにより、水素がSmリッチ相等の結晶格子内に入ることで、Smリッチ相は主相よりも膨張率が大きいために、Smリッチ相と主相の粒界から割れて崩壊する。また、強固に凝集している反応生成物の周りにある未反応還元剤や酸化カルシウム等が水素と反応して、凝集がほぐれて崩壊していく。
取り出した崩壊物の粒径が10mm以下、好ましくは1mm以下になるように反応温度と時間を設定することが好ましい。崩壊物の粒径が10mmを越える状態では、窒化処理工程で均一な窒化が困難になり、磁気特性の角形が低下してしまい、水素吸蔵の効果がない。
このように、水素吸蔵させた反応生成物は、該水素処理後、容器から取り出した時点で既に崩壊しており、引き続き行われる窒化工程での崩壊性も向上している。そのため、生成した主相であるSmFe17相磁性粉末の凝集が小さく、崩壊して、該磁性粉末の表面が活性となっており、その後の窒化処理において該磁性粉末合金内の窒素の分布が均一になり、結果として、微粉砕して得られる希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の減磁曲線の角形性が良好なものとなる。
また、水素吸蔵で崩壊した後、窒化処理して得られる希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末は、窒素の分布が均一となるので、磁気特性を低下させる希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が少なくなるので収率が高くなる。
その後、水素を吸蔵した焙焼物を純水中に投じ、水素イオン濃度pHが10以下となるまで、攪拌とデカンテーションとを繰り返す。そして、pHがおよそ5となるまで水中に酢酸を添加し、この状態で攪拌を行う。
その後、得られた希土類−遷移金属系合金を乾燥して粉末状にした後、この粉末状の希土類−遷移金属合金を窒化処理して希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末が製造される。
窒化処理では、希土類−鉄母合金粉末を装入した反応容器を予め窒素ガス又はアンモニア、あるいはアンモニア−水素混合ガスのいずれかを含む含窒素雰囲気とした後、加熱を行う。
窒化ガスには、窒素、またはアンモニアを用いることが好ましい。特に、アンモニアは希土類−鉄合金粉末を窒化しやすく、短時間で窒化できるため好ましい。本発明では、窒化ガスが少なくともアンモニアと水素とを含有していることが好ましく、反応をコントロールするためにアルゴン、窒素、ヘリウムなどを混合することができる。アンモニア−水素混合ガスを用いるとアンモニアだけ窒化した場合と比較し、アンモニア分圧が下がり、表面付近が過窒化になりづらく粉末内部まで均一に窒化できる。窒化ガスの量は、磁石粉末中の窒素量が3.0〜3.6質量%となるに十分な量であることが好ましい。
全気流圧力に対するアンモニアの比(アンモニア分圧)は、0.3〜0.7、好ましくは0.4〜0.6となるようにする。アンモニア分圧がこの範囲であると、母合金の窒化が進み、十分に磁石粉末の飽和磁化と保磁力を向上できる。
窒化反応を行う反応装置は、特に限定されず、横型、縦型の管状炉、回転式反応炉、密閉式反応炉などが挙げられる。何れの装置においても、本発明の希土類−遷移金属−窒素磁石粉末を調製することが可能であるが、特に窒素組成分布の揃った粉体を得るためにはキルンのような回転式反応炉を用いるのが好ましい。
窒化処理は、希土類−鉄母合金粉末を含窒素雰囲気中で、例えば、200〜700℃に加熱する。加熱温度は、300〜600℃が好ましく、さらに好ましくは350〜550℃とする。200℃未満では母合金の窒化速度が遅くなり、700℃を超える温度では希土類の窒化物と鉄とに分解してしまうので好ましくない。加熱時間は、例えば2〜10時間とし、5〜10時間とするのが好ましく、より好ましくは7〜10時間とする。
粒子の大きさは特に制限されないが、窒化を効率よく行うためには、通常80μm程度以下の希土類−鉄母合金粉末を用いる。粒子は、凝集・融着部を実質的に含まない平均粒径1〜50μmの粉末であればなお好ましい。このため、希土類−鉄母合金粉末の凝集・融着部をなくすために、必要により解砕しておくことが好ましく、粒径の大きな希土類−鉄系合金粉末をさらに微粉砕(解砕を含む)して製造してもよい。粒径が80μmよりも粗いと粒子内を均一に窒化することが行いづらくなり、磁気特性が低くなってしまう。なお、粒径が1μmよりも細かいと発火や表面酸化し易く取り扱いが難しくなるとされている。
ここで、前記の通り水素吸蔵工程、水中デカンテーション工程と窒化処理工程の順番としたが、処理すべき焙焼物の種類や粒径によっては、先に窒化処理工程を行ってから水素吸蔵工程、あるいは水中デカンテーション工程を行うようにしてもよい。
(2)磁石粉末の微粉砕化
得られた希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末は、媒体攪拌ミルの粉砕機に入れ、燐酸を含む有機溶媒中で粉砕媒体によって微粉砕する。磁石粗粉末を、その平均粒径(D50)が1〜2μm、かつ1μm以下の粒度の割合が20〜48%となるように微粉砕することで、優れた磁気特性の磁石微粉末を製造することができる。
本発明で磁石粉末を微粉砕するには、粉砕装置の種類によって特に限定されるわけではないが、中でも、粉末の組成や粒子径を均一にしやすい点で媒体攪拌ミルによる粉砕方法が好適である。
媒体攪拌ミルは、有機溶媒と磁石粗粉末を混合して形成されたスラリーを微粉砕するものであり、例えば、ボール、ビーズ等の粉砕媒体を充填したミルを、攪拌棒、回転ディスク等によって強制的に攪拌することにより、粉砕を行う装置が挙げられる。
有機溶媒を装置内に入れておき、これに磁石粗粉末を加えてから装置を回転させてもよいし、予め有機溶媒と磁石粉末を混合機によりプレミキシングしてスラリーを形成しておき、これをポンプにより媒体攪拌ミルに送って粉砕処理してもよい。本発明では、後述する、金属ボールの粉砕媒体で粉砕処理しておく予備粉砕を行うのが好ましい。
有機溶媒としては、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、メタノール、ヘキサン等のいずれかを使用できるが、特にイソプロピルアルコールを用いた場合、好ましい磁石微粉末を得ることができる。
この媒体攪拌ミル内では、有機溶媒によって磁石粉末とボールがスラリー状態となって攪拌による攪拌作用を受ける。そして、磁石粉末同士あるいはボールとの摩擦により、磁石粉末はさらに細かく粉砕される。
このとき有機溶媒には、表面安定化剤として燐酸やその化合物を添加することが必要である。燐酸としては、特に制限はなく、市販されている通常の燐酸、例えば、85%濃度の燐酸水溶液を使用することができる。また、燐酸化合物として、燐酸鉄、燐酸銅、燐酸コバルト、燐酸亜鉛、燐酸鉛などを挙げることができる。
燐酸などを添加することで、磁石微粉末が粉砕されるとともに燐酸塩の被膜が形成される。燐酸の添加量は、磁石微粉末への被膜が平均1〜20nm程度となる量が好ましく、所望とする磁気特性の観点から磁石微粉末中の元素換算でのP含有量は1質量%以下とする。
所望とする粉末粒度や処理量に応じて、媒体攪拌ミル1台で循環処理したり、あるいは複数台を設置して連続処理を行うこともできる。媒体攪拌ミルを複数設置する場合、ミルの型式や運転条件(メディア径、主軸回転数、吐出量等)を変化させてもよい。
一方、媒体攪拌ミルの一種であるビーズミルは、本発明で使用する小さな粒径の磁石粉末の粉砕に適したミルであり、バッチ法または連続法で操作される典型的なビーズミルであれば特に限定されず、垂直流動もしくは水平流動を支持するように設計された任意の装置を採用することができる。
ビーズミルは、典型的には、シリカサンド、ガラスビーズ、セラミックス粉砕媒体または鋼球を粉砕媒体として使用する粉砕機である。微粉砕された磁石粉末からの粉砕媒体の分離は、粉砕媒体と磁石粉末との間に存在する沈降速度、粒子の大きさ、もしくは両パラメータ間の差に基づいて行うことができる。ビーズミルの中には、他の媒体攪拌ミルと同様に有機溶媒を供給する。セラミックス粉砕媒体には、ジルコニア、窒化珪素、アルミナなどが例示される。
上記粒度の磁石微粉末を得るためには、希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末を、媒体攪拌ミルの粉砕機の中に、セラミックスボールなどの粉砕媒体とともに入れて粉砕すればよいが、その際、粉砕媒体のボール径を0.1〜1mmとし、また、粉砕機の回転数を1000rpm以上として粉砕することが必要である。粉砕媒体のボール径が0.1mmより小さいと、粉砕能力が落ちたり、ハンドリングの問題があり、1mmを越えると所望とする粒径まで粉砕できない。さらに、回転数が1000rpm未満では粉砕時間が極端に長くかかり、また目詰まりし易くなり好ましくない。回転数は、1000〜1500rpmとするのが好ましい。
また、ボール充填率は、粉砕機の種類や粉砕能力などによっても異なるが容積の40〜70%とすることが好ましい。媒体攪拌ミルの運転時間(粉砕時間)は、磁石粉末の投入量にもよるが、1200分(20時間)以下とし、360分(6時間)〜1080分(18時間)とすることが好ましい。
媒体攪拌ミルは、比較的粉砕機の容積が小さいため、他の粉砕装置と比較すると、比較的高価で且つ消費電力も高い装置であるといえるが、これにより微粉砕処理を行っても不必要な微粒子を発生することなく、生成した粒子が凝集状態になったり、生成後に凝集する等の二次凝集の発生をも防止することができ、効率的な運転が可能となる。
なお、粉砕時間が6時間未満では3μmを超える粒子が増えることがあり、20時間を越えると1μm以下の粒子が48質量%を越えることがあるので好ましくない。粉砕時間は、磁石粗粉末の投入量や磁石粗粉末の濃度によって適宜調整することが望ましく、磁石粗粉末の投入量50kg以内の時は、360〜960分であることがより好ましい。
本発明では、上記粉砕を行う前に、粉砕媒体としてボール径が1mmを超え5mm以下の金属ボールで粉砕(予備粉砕)することが好ましい。この段階で磁石粉末の平均粒径(D50)が20μm以下になるように処理しておくと次の微粉砕が効率的になるからである。
金属ボールとしては、例えばボール径が1mmを超え5mm以下のSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)が使用される。
磁石粗粉末の濃度は、高すぎると粉砕効率が悪いので通常30質量%以下とする。このときの粉砕時間は、磁石粗粉末の投入量や磁石粗粉末の濃度によって適宜調整する。すなわち、磁石粗粉末の投入量が50kg以内の時は、60〜900分であることが好ましい。粉砕時間が、60分未満では、粉砕が不十分で後のセラミック粉砕媒体攪拌ミルの負荷が大きくなり、900分を超えると、本発明の特有な粒度分布を有する磁石粉末が得られにくくなる。ただ、磁石粗粉末の投入量が50kgを超え150kg以下の時は、前記と同様の理由によって粉砕時間が60〜1260分であることが好ましい。
(3)乾燥、徐酸化
粉砕された磁石粉末を含むスラリーは、引き続き、有機溶媒から磁石粉末を分離し乾燥する。乾燥条件は、特に制限されるわけではないが、磁石粉末を乾燥機に入れ、真空中あるいは不活性ガス雰囲気下に130℃以上、160℃以下で30〜480分間加熱するのが好ましい。
その後、引き続き徐酸化を行う。徐酸化は、燐酸塩皮膜の耐酸化性を補う処理であり、その条件は制限されないが、15%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気下で、0.5〜5時間かけて行うことが好ましい。例えば空気に窒素ガスを混合したガスなどが使用できる。混合ガス中の酸素濃度が15%を超えたり、処理時間が0.5時間未満であると、表面の酸化が進みすぎて磁気特性に悪影響を与える場合がある。
上記の方法により、平均粒径(D50)が1〜2μm、かつ1μm以下の粒度の割合が20〜48%であり、保磁力iHc、残留磁束密度Br、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hk、角形性Hk/iHcが高く、表面の耐酸化性に優れた希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末を製造することが可能となる。
すなわち、保磁力iHcが1100kA/m以上、残留磁束密度Brが1.1T以上、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkが570kA/m以上、角形性Hk/iHcが0.52以上という優れた磁気特性を有する希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末を製造することができる。そして、前記粉砕条件を最適化すれば、保磁力iHcが1150kA/m以上、残留磁束密度Brが1.15T以上、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkが700kA/m以上、角形性Hk/iHcが0.58以上とさらに優れた磁気特性を有するものも得ることができる。
なお、この方法で製造された希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末には、公知のリン酸、各種カップリング剤などによって表面処理を施すことができ、これによって、耐酸化性、熱安定性などをさらに向上させることが可能となる。
また、これら処理を施した磁石粉末に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム組成物などを配合して射出成形、押出し成形などを行えば、樹脂結合型磁石すなわちボンド磁石を容易に製造することができる。
ボンド磁石の製造の際、希土類−遷移金属−窒素系磁石には、フェライト、アルニコなど、各種の磁石粉末を混合してもよく、異方性磁石粉末だけでなく、等方性磁石粉末も対象となるが、異方性磁場(HA)が、4000kA/m以上の磁石粉末が好ましい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)磁石微粉末の磁気特性
日本ボンド磁石工業協会、ボンド磁石試験方法ガイドブック、BM−2002、BM−2005に準じて、得られた磁石粉末の磁気特性を測定した。磁気特性として、保磁力iHcが1100kA/m以上、残留磁束密度Brが1.1T以上、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkが570kA/m以上、角形性Hk/iHcが0.52以上であれば磁石微粉末の磁気特性が充分であると判定できる。
(2)平均粒径(D50)、1μm以下の粒度、2.1〜3μmの粒度の割合
いずれも、HELOS粒度分布測定装置(SYMPATEC GmbH社製、商品名:レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS&RODOS)を用いて、被測定粉末に3.0×10Paの圧力の窒素を噴射させて、凝集した磁石粉末を解凝して測定した。
(実施例1)
磁石原料粉末として、粒径10〜70μmの粉末が全体の94%を占める鉄粉末(Fe純度99%)77.63kg、粒径0.1〜10μmの粉末が全体の96%を占める酸化サマリウム粉末(Sm純度99.5%)31.73kg、および粒状金属カルシウム(Ca純度99%)12.75kgとをVブレンダーを用いて混合した。得られた混合物を円筒形のステンレス容器に入れ、アルゴンガス雰囲気下、1180℃で6時間加熱処理を施した。
次いで、焙焼物を冷却して水素を吸蔵させた後、純水中に投じたところ、崩壊してスラリーが得られた。水素イオン濃度pHが10以下となるまで、攪拌とデカンテーションとを繰り返し行った後、pHが5となるまで水中に酢酸を添加し、この状態で10分間攪拌を行った。その後、脱酢酸洗浄として純水中で洗浄を行い、乾燥して粉末を得た。
次に、アンモニア分圧が0.5のアンモニア−水素混合ガス雰囲気下で昇温し、440℃で500分保持し、その後、同温度で窒素ガスに切り替えて30分保持して冷却し磁石粗粉末を得た。磁石粗粉末の粒径は平均20μmであった。
得られた磁石粗粉末50kg、85%燐酸1326gおよびイソプロピルアルコール125kgを、直径3/16インチのSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)が150kg充填された媒体攪拌ミルに入れて、180分予備粉砕を行った。その後、得られたスラリーを、直径0.5mmのSiビーズが3.71kg充填された媒体攪拌ミル(ビーズミル)に入れ、循環流量50L/min、ローター回転数1400rpmとして、ビーズミルでの粉砕時間を520分とした。回収したスラリーの一部をサンプリングして真空乾燥機により150℃で2時間保持して乾燥した後、窒素を20L/min、空気を4L/minで供給し、3時間かけて表面徐酸化して磁石微粉末aを得た。この磁石微粉末aは大気に晒しても安定であり、また微粉末a中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.60質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。
得られた磁石微粉末aに分散力を作用させて、HELOS Particle Size Analysisで平均粒径(D50)と1μm以下の粒度、2.1〜3μmの粒度の割合を測定するとともに、磁気特性を測定し、磁気特性のうち、保磁力iHc、残留磁束密度Br、残留磁束密度Brの90%に対応する磁場Hkを測定し、その結果を表1に示す。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。
(実施例2)
実施例1において、ビーズミルでの粉砕時間を448分とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末bを得た。この磁石微粉末bは大気に晒しても安定であり、また微粉末b中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.62質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ビーズミルでの粉砕時間を564分とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末cを得た。この磁石微粉末cは大気に晒しても安定であり、また微粉末c中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.63質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、ビーズミルでの粉砕時間を640分とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末dを得た。この磁石微粉末dは大気に晒しても安定であり、また微粉末d中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.62質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、ローター回転数を1200rpmとし、ビーズミルでの粉砕時間を1200分とした以外は、実施例1と同様にして磁石粉末eを得た。この磁石微粉末eは大気に晒しても安定であり、また微粉末e中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.63質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、予備粉砕を行わず、ローター回転数を1000rpmとし、ビーズミルでの粉砕時間を960分とした以外は、実施例1と同様にして磁石粉末fを得た。この磁石微粉末fは大気に晒しても安定であり、また微粉末f中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.61質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、直径0.1mmのSiビーズを用いた以外は、実施例1と同様にして磁石粉末gを得た。この磁石微粉末gは大気に晒しても安定であり、また微粉末g中のSmは23.3質量%で、Nは3.5質量%で、Pは0.63質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、Siビーズの代わりにZrOビーズを用いた以外は、実施例1と同様にして磁石粉末hを得た。この磁石微粉末hは大気に晒しても安定であり、また微粉末h中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.62質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、ビーズミルでの粉砕時間を500分とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末iを得た。この磁石微粉末iは大気に晒しても安定であり、また微粉末i中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.66質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、ビーズミルでの粉砕時間を397分とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末jを得た。この磁石微粉末jは大気に晒しても安定であり、また微粉末j中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.64質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1において、ビーズミルでの粉砕時間を570分とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末kを得た。この磁石微粉末kは大気に晒しても安定であり、また微粉末k中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.58質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。なお、3μmを超える粒度のものは、7%以下であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、平均粒径(D50)が0.98μmとなるまで粉砕した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末lを得た。この磁石微粉末lは大気に晒しても安定であり、また微粉末l中のSmは23.4質量%で、Nは3.5質量%で、Pは0.58質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、平均粒径(D50)が2.58μmとなるまで粉砕した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末mを得た。この磁石微粉末mは大気に晒しても安定であり、また微粉末m中のSmは23.3質量%で、Nは3.5質量%で、Pは0.70質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、平均粒径(D50)が3.61μmとなるまで粉砕した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末nを得た。この磁石微粉末nは大気に晒しても安定であり、また微粉末n中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.70質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、直径0.05mmのSiビーズを用いた以外は、実施例1と同様にして行ったところ、スクリーンの目詰まりによって粉砕を中断した。
(比較例5)
実施例1において、ローター回転数800rpmとした以外は、実施例1と同様にして行ったところ、1200分を越えても所望の平均粒径まで粉砕できず中断した。
(比較例6)
実施例1において、磁石粉末の平均粒径(D50)が2.08μmとなるまで粉砕した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末oを得た。この磁石微粉末oは大気に晒しても安定であり、また微粉末o中のSmは23.4質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.66質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例1において、燐酸濃度を高めて2566g添加した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末pを得た。この磁石微粉末pは大気に晒しても安定であり、また微粉末p中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは1.20質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例8)
比較例7において、燐酸濃度をさらに高めて2994g添加した以外は、実施例1と同様にして磁石粉末qを得た。この磁石微粉末qは大気に晒しても安定であり、また微粉末q中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは1.40質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1において、媒体攪拌ミルで予備粉砕を780分行った後、得られたスラリーを、Siビーズを充填した媒体攪拌ミルに入れ、ビーズミルで420分粉砕した以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末rを得た。この磁石微粉末rは大気に晒しても安定であり、また微粉末r中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.60質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例12において、予備粉砕後、得られたスラリーをSiビーズ3.71kg充填した媒体攪拌ミルに入れ、ローター回転数を1500rpmに高めて、ビーズミルで420分粉砕とした以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末sを得た。この磁石微粉末sは大気に晒しても安定であり、また微粉末s中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.61質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例13において、真空乾燥後の磁石微粉末表面の徐酸化において、雰囲気ガスの供給量をN22L/min、空気2L/minに変更した以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末tを得た。この磁石微粉末tは大気に晒しても安定であり、また微粉末t中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.62質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例15)
実施例13において、燐酸濃度を低下させ85%燐酸1084g添加した以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末uを得た。この磁石微粉末uは大気に晒しても安定であり、また微粉末u中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.42質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例1において、磁石粗粉末を80kg、85%燐酸1734g、イソプロピルアルコール200kgとし、媒体攪拌ミルで900分予備粉砕した後、得られたスラリーをビーズミルに入れローター回転数を1500rpmに高めて、480分粉砕した以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末vを得た。この磁石微粉末vは大気に晒しても安定であり、また微粉末u中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.42質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
(比較例9)
実施例1において、燐酸を添加せず、かつ乾燥後の徐酸化を行わなかった以外は、実施例1と同様にして行ったところ、得られた磁石微粉末wを大気に晒した瞬間に部分的に発火した。
(実施例17)
実施例15において、真空乾燥後の磁石微粉末表面の徐酸化を行う際に、雰囲気ガスの供給量を窒素22L/min、空気2L/minに変更した以外は、実施例1と同様にして磁石微粉末xを得た。この磁石微粉末xは大気に晒しても安定であり、また微粉末x中のSmは23.3質量%で、Nは3.4質量%で、Pは0.40質量%(残部FeおよびCaやHなど不可避的不純物)であった。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
Figure 2017011276
「評価」
以上の結果から、実施例1〜17は、表1に示すとおり、磁石合金粉末の平均粒径(D50)や1μm以下の粒度の割合およびP含有量が本発明の範囲内であるために、磁気特性に優れている。
これに対して、比較例1〜3、6は、平均粒径(D50)や1μm以下の粒度の割合が本発明から外れているために、磁気特性も低下することが分かる。また、比較例4は、ボール径が小さい粉砕媒体を用いたために、スクリ−ンの目詰まりが生じ、比較例5は、ローター回転数が小さかったために、1200分を越えても所望の粒径まで粉砕できなかった。さらに、比較例7〜9は、燐酸を添加しないか、燐酸添加量が多過ぎたために、P含有量が本発明から外れ、耐酸化性が得られないか、保磁力iHcが950kA/m未満と低いことが分かる。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末は、民生用あるいは産業用の各種機器に組み込まれるボンド磁石の原料として使用できる。

Claims (8)

  1. 希土類元素を23.0〜25.0質量%、Nを3.0〜3.6質量%含み、残りが実質的に遷移金属元素である希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末において、
    該磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜2μmで、1μm以下の粒度の割合が20〜48%であり、かつ表面に、P含有量が元素換算で1質量%以下の燐酸塩皮膜が形成されていることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末。
  2. 前記磁石微粉末は、2.1〜3μmの粒度の割合が5〜20%であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末。
  3. 前記磁石微粉末は、3μmを超える粒度の割合が10%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末。
  4. 前記磁石微粉末は、1μm以下の粒度の割合が23〜46%であることを特徴とする請求項3に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末。
  5. 前記磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜1.8μmであることを特徴とする請求項4に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末。
  6. 前記磁石微粉末は、平均粒径(D50)が1〜1.6μmであることを特徴とする請求項5に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム組成物から選ばれるいずれかを含むボンド磁石。
  8. さらに、希土類−遷移金属−窒素系磁石微粉末以外の異方性磁石粉末、あるいは等方性磁石粉末を含むことを特徴とする請求項7に記載のボンド磁石。
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