JP2005129556A - 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末の粉砕後、あるいは、磁石粗粉末の粉砕時に燐酸皮膜等で表面被覆した後、磁石粉末の粉砕スラリを加熱乾燥しても、粉末同士の凝集が起こらず、磁気特性が低下しない希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法を提供。
【解決手段】希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の粗粉末を溶媒の存在下に微粉砕した後、得られた磁石合金の微粉末を含む粉砕スラリを、30m/sec以上の回転周速度で回転するアトマイザに供給し、130〜300℃の加熱気流中に噴霧することにより乾燥させることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法;前記方法により製造され、累積体積百分率粒径D50が1〜5μmで、かつ累積体積百分率粒径D20とD70の粒径幅が5μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末などによって提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末の粉砕後、あるいは、磁石粗粉末の粉砕時に燐酸皮膜等で表面被覆した後、磁石粉末の粉砕スラリを加熱乾燥しても、粉末同士の凝集が起こらず、磁気特性が低下しない希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法に関するものである。
Sm−Fe−N合金粉末で代表される希土類−遷移金属−窒素系磁石合金は、高性能でかつ安価な希土類−遷移金属−窒素系磁石材料として知られている。
従来、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金は、希土類金属と遷移金属を溶解して合金を作製する溶解法や、希土類酸化物と遷移金属の原料にアルカリ土類金属を還元剤として配合し、希土類酸化物を金属に還元するとともに遷移金属との合金を合成させる還元拡散法によって製造されている。
しかし、溶解法では、原料として使用する希土類金属が高価であるという理由から、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の製造方法としては、安価な希土類酸化物粉末を原料として利用できる還元拡散法の方が望ましいと考えられている。
このような還元拡散法では、まず希土類酸化物粉末原料、遷移金属粉末原料、および希土類酸化物の還元剤(アルカリ土類金属)を配合した混合物を、非酸化性雰囲気中において加熱焼成して希土類−遷移金属系合金を合成する。その後、得られた希土類−遷移金属系合金を湿式処理して粉末状にした後、この希土類−遷移金属合金粉末を窒化処理することで所望の希土類−遷移金属−窒素系磁石合金を製造している。
さらに、これにより得られた粉末状の希土類−遷移金属−窒素系磁石合金は、ある特定範囲の粒度まで微粉砕処理される。この場合、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金における保磁力の発生機構はニュークリエーション型であることから、磁気特性の一つである減磁曲線の角形性、保磁力を高めるためには、微粉砕された後の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の粒度を揃えることが必要とされている。
磁石粉末の粒度を揃えるため、還元拡散法では、出発原料として、例えば、共沈法で微細水酸化物を作製し、それを焼成した微細な鉄粉や酸化鉄粉を用いている。この微細粉を原料粉末として用いることによって還元拡散法で合金化し窒化した後、粉砕することなく磁石粉末の粒度が比較的揃った高性能磁石粉末を得ていた。しかし、この方法では、微細な鉄粉や酸化鉄粉を用いるために製造コストが高くなるし、合成時に磁石微粉末が凝集しやすくなり、結果として残留磁束密度や減磁曲線の角形性が低下するという欠点があった。
一方、希土類−遷移金属系磁石粗粉末を製造し、これを微粉砕する場合は、通常、アトライター等の粉砕機を用い、鉄系ボールと溶媒、磁石粗粉末を混合し、0.3〜1.0m/sec程度の回転周速度で粉砕を行っていた。
また、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の耐候性を向上させるために、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の表面を燐酸塩皮膜で均一に被覆し、磁石粉末を加熱乾燥することが提案されている(特許文献1参照)。これによって磁気特性の保磁力を高めることができるが、磁石粉末表面に存在する燐酸塩の作用で粉末同士の凝集が激しく起こり、磁気特性(残留磁化)に著しい低下が見られることがあった。また、磁石粉末の粉砕スラリを加熱乾燥後に被覆処理すると、加熱炉内壁に磁石粉末の固着が見られ、この除去にも時間がかかり、生産性を低下させる原因となっていた。
このため、Sm−Fe−N合金粉末の表面をフッ素化合物皮膜、ポリシラザン硬化皮膜、酸化ケイ素皮膜、窒化ケイ素皮膜のいずれかで被覆して保護層を形成することによって、耐酸化性を向上させ、かつ微粉末同志の凝集を抑制することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば高磁気特性の合金粉末を得ることができるが、製造時に皮膜厚さをコントロールすることが難しく、製造工程も長くなる場合があり、いずれも所望の磁気特性を有する磁石粉末を得ることが困難であった。
また、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性を改善するために、合金粉末とZnなどの低融点金属粉末を不活性ガス中で熱処理することにより、合金粉末の表面を低融点金属で被覆する方法が提案されている(特許文献3参照)。
そして、低融点金属で被覆された粉末同士が互いに接合し凝集した状態になり性能が低下するのを防ぐために、凝集した被覆凝集粉末を、アトライターにより溶媒中で粉砕したり、酸又はアルカリの溶液で被覆金属を溶かし出して凝集を解くことが開示されている。ところが、この凝集を解く方法はいずれも湿式法であるため、凝集を解いた後の乾燥工程において再凝集を起こすことがあった。
このような状況下、たとえ磁石粉末の表面を燐酸塩皮膜などで被覆しても凝集することがなく、磁気特性を低下させずに希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を得ることができる製造方法が切望されていた。
特開2003−7521号 特開2000−34503号 特開2001−207201号(特許請求の範囲、[0017])
本発明の目的は、このような従来の状況に鑑み、希土類−遷移金属−窒素系磁石粗粉末の粉砕後、あるいは、磁石粗粉末の粉砕時に燐酸塩皮膜等で表面被覆した後、磁石粉末の粉砕スラリを加熱乾燥しても、粉末同士の凝集が起こらず、磁気特性が低下しない希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、その製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、希土類−遷移金属系合金粉末を窒化処理して得た磁石粗粉末を粉砕後、あるいは粉砕時に必要により燐酸塩皮膜等の被覆処理を行った後、磁石微粉末を含有する粉砕スラリを加熱気流雰囲気中に噴霧し、特定条件で乾燥させることにより、磁石微粉末同士の凝集が抑制され、磁化、角形性などの磁気特性が高められた磁石粉末が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の粗粉末を溶媒の存在下に微粉砕した後、得られた磁石合金の微粉末を含む粉砕スラリを、30m/sec以上の回転周速度で回転するアトマイザに供給し、130〜300℃の加熱気流中に噴霧することにより乾燥させることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、磁石合金がSm−Fe−N系合金粉末であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、磁石合金が還元拡散法で製造されたものであることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、磁石合金の粗粉末を粉砕する間、またはその後に、さらに燐酸化合物を添加することを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、アトマイザの回転周速度が30〜70m/secであることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
一方、本発明の第6の発明によれば、第1〜5の発明のいずれかの方法により製造された希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末であって、粒度分布は、累積体積百分率粒径D50が1〜5μmで、かつ累積体積百分率粒径D20とD70の粒径幅が5μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、表面上に、平均5〜100nmの燐酸塩皮膜が均一に被覆していることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末が提供される。
本発明によれば、希土類−遷移金属−窒素系合金磁石の微粉末が分散された状態で乾燥されるので、凝集していない希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を提供することができ、該磁石粉末を用いれば磁石用樹脂コンパウンド、およびそれを成形したボンド磁石の磁気特性も向上させることができることから、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法、得られる磁石粉末について詳細に説明する。
1.希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法
本発明は、(1)還元拡散法などにより希土類−遷移金属−窒素系の磁石合金を製造し、(2)この磁石合金(粗粉末)を溶媒存在下に微粉砕した後、(3)得られた粉砕スラリを特定速度で回転するアトマイザに供給し、特定温度条件にある加熱気流中に噴霧して乾燥させることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法である。なお、粉砕の間に、あるいは粉砕後に燐酸化合物を添加し、磁石粉末に燐酸塩皮膜を形成することができる。
(1)希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の製造
希土類−遷移金属−窒素系磁石合金は、例えば特開平2−57663号公報に記載の溶解鋳造法、あるいは特許第1702544号公報や特開平9−157803号公報に記載された還元拡散法により、希土類元素−鉄系合金粉末を製造し、その後これを窒化することによって製造できる。本発明においては還元拡散法によることが好ましい。
次に、還元拡散法によって希土類−遷移金属−窒化系磁石合金を製造する工程について詳しく説明する。
まず、希土類酸化物粉末、遷移金属粉末、及び還元剤を配合し、原料混合物を調製する。必要により、その他の原料粉末を配合しても良い。
希土類酸化物粉末としては、Yを含むランタノイド元素のいずれか1種または2種以上の酸化物であり、例えば、Y、La、Ce、Pr、Nd、及びSmの群から選ばれる少なくとも一種以上の酸化物が挙げられる。これらの少なくとも一種と、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbの群から選ばれる少なくとも一種の酸化物を組合せれば、磁気特性を高めることができる。特に、Pr、Nd、又はSmの酸化物を用いると、磁石の磁気特性が極めて高くなる。希土類元素の含有量は、希土類−遷移金属系合金中で、14〜27wt%であることが磁気特性の点で望ましい。
遷移金属粉末としては、鉄、コバルト、マンガン或いはニッケルなどが挙げられるが、磁気特性上、鉄が好ましい。鉄は、希土類−遷移金属系合金粉末の必須成分であるが、磁気特性を損なうことなく温度特性や耐食性を改善する目的で、その一部をCoまたはNiの一種以上で置換してもよい。目標製品の粒度に近い粒度分布のものを用いることができるが、例えば、10〜100μmの粒径であることが好ましい。原料として用いる遷移金属粉末は、一般にアトマイズ法、電解法等により製造される。
還元剤としては、Li及び/又はCa、あるいはこれらの元素とNa、K、Rb、Cs、Mg、Sr又はBaから選ばれる少なくとも一種からなるアルカリ金属又はアルカリ土類金属元素が使用できる。これらアルカリ金属又はアルカリ土類金属元素を合金粉末の結晶相内部に0.001〜0.1wt%含有させることで、窒化処理に要する時間を短くすることができる。上記還元剤の粒度は、5mm以下の粒状になっていることが好ましい。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属元素の含有量が0.001wt%未満では処理効果が小さく、0.1wt%を超えると希土類−鉄−窒素系磁石合金の磁気特性、特に磁化が低下するので好ましくない。
これら還元剤を使用する際、その投入量、還元剤と希土類酸化物の粉体性状、各種原料粉末の混合状態、還元拡散反応の温度と時間を注意深く制御する。なお、上記還元剤の中では、取り扱いの安全性とコストの点から金属Li又はCaが好ましく、特にCaが好ましい。
また、その他の原料粉末としては、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Sb、Ge、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Si、又はCが挙げられ、その少なくとも一種以上を含有させることで、結晶構造が安定化し、窒化後の磁気特性を向上させることができる。ただし、その含有量が多すぎると、磁気特性、特に飽和磁化が低下するため12wt%以下であることが望ましい。
上記希土類酸化物粉末原料と、その粒径が10μm〜100μmの範囲に粒度調整された遷移金属粉末原料および、その他原料粉末を秤量して混合し、さらに希土類元素を還元するのに十分な量の上記還元剤を添加・混合した後、この混合物を非酸化性雰囲気(酸素が実質的に存在しない雰囲気)中において、還元剤が溶融する温度以上で、かつ、目的とする希土類−遷移金属系合金が溶融しない温度まで昇温保持して加熱焼成する。これにより、上記希土類酸化物を希土類元素に還元すると共に、還元時の発熱温度を用いて希土類元素が遷移金属に拡散した希土類−遷移金属系合金を合成することができる。
Caの融点は、838℃(沸点は1480℃)であるので、加熱処理は、1000〜1200℃程度の温度範囲とし、5〜15時間かけて加熱する。この条件であれば、還元剤は溶解するが蒸気にはならないため効率的に処理できる。
次に、この希土類−遷移金属系合金を室温まで冷却する。還元拡散法で得られた希土類−遷移金属系合金を含む反応生成物(焙焼物)は、真空引き後、特定条件で水素処理を行うこともできる。冷却した焙焼物を純水中に投じ、水素イオン濃度(pH)が10以下となるまで攪拌とデカンテーションとを繰り返す。そして、pHがおよそ5となるまで水中に酢酸を添加し、この状態で攪拌を行う。その後、得られた希土類−遷移金属系合金を乾燥して粉末状にする。
希土類−遷移金属系合金粉末は、その窒化率を良好にするために、通常106μm程度以下の粒子を用いることが望ましい。窒化処理では、合金粉(粒子)の大小によって窒化の程度が異なり、粒径が106μm程度を超える大きな粒子を用いると窒化が進まず、粒子内部が未窒化のまま残留してしまい、磁石化したときには磁化、保磁力の低下につながるからである。したがって、希土類−遷移金属系合金粉末に未崩壊の塊が残っている場合には、更に粉砕することが必要である。一方、粒径が30μmよりも小さいものでは、窒化が進行しすぎて求める結晶相が壊れアモルファス化してしまい、磁石化したときには保磁力の低下につながるので粉砕しない。
窒化のための雰囲気は、窒素又はアンモニアを含む雰囲気であり、アンモニアは水素との混合ガスとして用いることが好ましい。アンモニアと水素との混合割合は、特に限定されないが、10〜70:30〜90、好ましくは30〜60:40〜70とする。この範囲を外れ、アンモニアが少なすぎると窒化の効率が低下する。
窒化処理は、300〜650℃、好ましくは350〜600℃の温度で行う。300℃未満では窒化反応に時間がかかり、650℃を超えると磁気特性に影響が出るため好ましくない。窒化に要する処理時間は特に制限されないが、5〜10時間でよい。
(2)磁石粗粉末の微粉砕
その後、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の粗粉末を、例えばアトライター、ビーズミル、媒体攪拌ミル等の粉砕機を用いて微粉砕する。
アトライターを用いる場合、磁石粗粉末は、鉄系ボールなどの粉砕メディア(直径2〜10mm)と溶媒中で混合し、0.3〜3.0m/sec程度の回転周速度で粉砕を行う。微粉砕に媒体撹拌ミルを用いる場合、粉砕メディア(窒化珪素ボールやジルコニアボールなど)の直径は0.3〜3mm程度のものを用い、回転周速度を5〜50m/secとして5〜30分間粉砕すればよい。
有機溶剤としては、特に制限はなく、通常はエタノールまたはイソプロピルアルコール等のアルコール類、ケトン類、へキサンなどの低級炭化水素類、トルエンなどの芳香族類、またはこれらの混合物が用いられる。このうち、特にイソプロピルアルコールが好ましい。
この工程では、希土類−遷移金属系磁石粉末を溶媒とともにビーズミル、媒体攪拌ミル等によって粉砕する際に、燐酸化合物を添加することができる。
本発明において、燐酸塩皮膜で均一に被覆された磁石粉末を製造するためには、例えば、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金粉末を、燐酸化合物の存在下に有機溶剤中で粉砕する。この方法によれば、アトライター等によって磁石合金の粗粉末を粉砕する際に燐酸化合物を添加することにより、粉砕によって凝集粒子に新生面が生じても瞬時に溶媒中の燐酸化合物と反応し、粒子表面に安定な燐酸塩皮膜が形成される。また、その後、粉砕された磁石微粉末がその磁力によって凝集しても、接触面はすでに安定化されており、解砕により腐食が生じることはない。
ここで、磁石粉末の表面を保護するために必要な燐酸塩皮膜の厚さは、通常、平均で5〜100nmが好ましい。燐酸塩皮膜の平均厚さが5nm未満であると十分な耐候性が得られず、また、100nmを越えると磁気特性が低下すると共にボンド磁石を作製する際コンパウンドの混練性や成形性が低下する。
希土類−遷移金属−窒素系磁石合金では、燐酸化合物による被覆処理によって構成元素それぞれの燐酸塩を生じ得るが、希土類元素は鉄に比べて著しく卑であり、燐酸化合物の添加量や粉砕条件によっては、希土類元素が優先的に溶出して燐酸塩を形成する場合がある。この場合も、燐酸塩皮膜によって磁石粉末の耐熱性は高められるが、耐候性の観点からは皮膜中の燐酸鉄の含有量が多い方が望ましい。
これは、燐酸鉄は希土類元素の燐酸塩に比べて耐候性に優れており、また、希土類元素が優先的に溶出するような条件では、磁石粉表面のFe濃度が高くなり、磁石粉末の磁気的性質が変化する可能性があるからである。このため、燐酸添加量、混合時間等を最適化することにより、燐酸塩中のFe/希土類元素(元素比)を8以上に調整する。燐酸塩中のFe/希土類元素(元素比)が8未満では皮膜の安定性が低下する。
ところで、燐酸塩皮膜の形成に用いる燐酸化合物としては、特に制限はなく、市販されている通常の燐酸、例えば、85%濃度の燐酸水溶液を使用することができる。また、燐酸化合物の添加方法は、特に限定されず、例えば、アトライター等で磁石合金の粗粉末を粉砕する際、溶媒(有機溶剤)に燐酸化合物を添加すればよい。燐酸化合物は、最終的に所望の燐酸濃度になれば良く、粉砕開始前に一度に添加しても粉砕中に徐々に添加しても良い。
また、燐酸化合物の添加量は、粉砕後の磁石粉末の粒径、表面積等に関係するので一概には言えないが、通常は、粉砕する磁石合金粉末に対して0.1mol/kg以上2mol/kg未満で、より好ましくは0.15〜1.5mol/kg、さらに好ましくは0.2〜0.4mol/kgである。0.1mol/kg未満であると磁石粉末の表面処理が十分に行なわれないために耐候性が改善されず、また大気中で乾燥させると酸化・発熱して磁気特性が極端に低下する。2mol/kgを超えると磁石粉末との反応が激しく起こって磁石粉末が溶解する。
一方、本発明において、磁石合金粉末を粉砕する際に燐酸化合物を適量添加すると、磁石粉表面にメカノケミカル的な作用で皮膜が形成されるため、磁石粉末を不活性ガスの加熱気流中に噴出するという条件以外に特別な条件を必要とせず、乾燥時間の短縮が可能となる。また、得られた磁石粉末の保磁力は、80℃相対湿度90%の環境下に24時間曝しても殆ど変化せず、大幅な耐候性の改善が達成される。
磁石粉末は、その表面が平均5〜100nmの燐酸塩皮膜で均一に被覆されていると、安定化され耐候性が向上するので、これを樹脂と混合してボンド磁石を作製する場合、混合に伴う剪断力により粒子の凝集の一部が解砕されても、皮膜のない新生面は生じず、得られたボンド磁石は極めて高い耐候性を示す。ここで、均一に被覆されている、とは磁石粉表面の80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上が燐酸皮膜で覆われていることをいう。
これにより希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、その累積体積百分率粒径D50が1〜5μmとなり、累積体積百分率粒径D20とD70の粒径幅、すなわち(D20−D70)粒径幅が5μm以下の粒度分布となる。このように粒度を揃えることで、上記したとおり凝集を抑制し、磁気特性の低下を抑制することができる。
ここで、累積体積百分率粒径D50は、レーザー方式粒度分布測定装置(HELOS社製)を用いて測定された累積グラフにおいて、50体積%の時の粒径を表している。同様に、D20、D70は、累積グラフにおいて各々20体積%の時の粒径、70体積%の時の粒径を表している。
(3)加熱乾燥
本発明では、上記のように、希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の粗粉末を粉砕する間に、あるいは、粉砕後に、必要により燐酸塩皮膜等を表面に均一に被覆処理した後、磁石粉末の粉砕スラリを、加熱気流中に噴霧し乾燥させる。
すなわち、希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の粉砕スラリ、あるいは、その表面が燐酸塩皮膜で被覆された磁石粉末の粉砕スラリは、乾燥装置に供給し加熱気流中に噴霧することによって、磁石粉末が溶媒に分散したまま乾燥させる。
乾燥装置(乾燥機)は、特に限定されるわけではないが、上部が円筒体で下部が逆円錐体の形状をした本体と、その下流に配置されるサイクロンと、バッグフィルターなどから構成されたものが好適である。本体の上部には、粉砕スラリを受け入れるディスク状の回転体(アトマイザ)が天板上に載置され、そのアトマイザの外周部には、加熱気流を導入する配管が接続されている。さらに、バッグフィルターの下流には、加熱気流を冷却し、廃熱を活用するための熱交換器(エコノマイザ)、熱媒体の冷却機などが設置されている。
乾燥装置には、まず電気ヒータで加熱した加熱気流(窒素ガスなど)を配管から本体上部のアトマイザに供給する。
加熱気流は、フィルタ、電気ヒータを通過して乾燥装置に導入され、本体内の雰囲気ガスとなる。雰囲気ガスが酸素を多量に含んでいると、後処理で微粉末が燃焼してしまうおそれがあるため、加熱気流として窒素あるいは不活性ガスを用いることが好ましい。生産コストを勘案すると特に窒素が好ましく、酸素の含有濃度は5%以下が望ましく、3%以下がさらに好ましい。加熱気流の風量は、装置本体の大きさ、粉砕スラリの処理量などにより異なるが、例えば50〜200Nm/h、好ましくは70〜150Nm/hとされる。
次に、モーターによってアトマイザを回転させ、本体上部よりスラリをポンプからアトマイザ内に供給する。スラリは、アトマイザに落下するとアトマイザ側面に形成された隙間から加熱気流の熱風中に噴出され、分散しながら熱風によって加熱乾燥される。乾燥した磁石粉末は、装置本体の内壁に衝突し、その衝撃で凝集が解かれる。落下した微粉末はサイクロンで回収され、気化した溶媒はコンデンサで冷却され液体として回収される。
加熱気流の温度は、130℃以上300℃以下とする必要がある。好ましい温度は150℃〜250℃である。温度が130℃未満ではスラリの分離・分散が安定化せず、燐酸化合物で処理された磁石粉末の場合、燐酸塩として粉末表面に定着しにくいために磁石化したとき保磁力が低くなってしまう。また、300℃を超えると磁石粉末が熱的なダメージを受けるため磁気特性が低下してしまう。
アトマイザ(ディスク)の回転周速度は、装置の種類、大きさやその他の条件にもよるが、30m/sec以上、特に30〜70m/secとすることが好ましい。30m/sec未満では、磁石粉末に対して十分な分散力を与えられないために解凝効果が改善されず、また乾燥不足となるので好ましくない。一方、回転周速度が70m/secを超えても分散状態に大きな変化がなく、装置によっては能力限界に近づき定常的な運転を行うことが難しくなる。
粉砕スラリの乾燥には、従来、スラリを攪拌しながら減圧加熱する方式の攪拌式乾燥機、静置式の電気炉などが用いられているが、攪拌式の乾燥機では磁石粉末が装置の側壁などに押し付けられ、固着するため後処理を必要とする。また、静置式の乾燥機では磁石粉末の自重で表面の燐酸塩同士が接触し凝集してしまう。しかしながら、本発明ではアトマイザを有する噴霧式の乾燥機を用いてスラリを噴霧するので、磁石粉末を完全に乾燥でき、その後、粉末が相互に接触しても従来のような固着や凝集は起こらない。
2.希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、上記の方法により得られ、希土類元素、遷移金属及び窒素を主構成成分とし、所望により該磁石粉末の表面に燐酸塩皮膜を有するものである。
希土類元素には、Sm、Gd、Tb、Ceの内少なくとも一種あるいは、さらにPr、Nd、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの内一種以上を含むものが好ましい。中でもSmを含むものは著しく大きな磁気特性を発揮しうる。遷移金属には、Fe、Co、Ni、Mnが用いられる。好ましくはFeを用いることができ、さらに磁気特性を損なうことなく磁石の温度特性を改善する目的でFeの一部をCoで置換してもよい。
希土類元素−鉄−窒素系磁石粉末の代表的な磁石粉末としては、24〜25重量%のSm、3〜4重量%のN、残部がFe(一部をCoで置換しても良い)の組成としたものがある。また、保磁力の向上、生産性の向上並びに低コスト化のために、Mn、Ca、Cr、Nb、Mo、Sb、Ge、Zr、V、Si、Al、Ta、Cu等の一種以上を含有してもよい。この場合、含有量は、遷移金属全重量に対して7重量%以下とすることが望ましい。また、不可避的金属不純物としてC、B等が5重量%以下含有されていても良い。上記範囲をはずれると磁気特性が低下してしまう。
本発明の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末、あるいは、その表面が平均5〜100nmの燐酸塩皮膜で均一に被覆された磁石粉末の粒度分布は、前記の微粉砕によって、累積体積百分率粒径D50が1〜5μm、特に2〜4μmであり、かつ(D20−D70)粒径幅、すなわち累積体積百分率粒径D20とD70の粒径幅が5μm以下、好ましくは4μm以下となり、その後の乾燥処理を経てもその粒度分布が変わることはない。
平均粒径D50が1μm未満では凝集を抑制できず、一方、5μmを超えると、磁気特性が低下するだけではなく、ボンド磁石を成形する際、成形性が悪化する。また、粒度分布(D20−D70)粒径幅が5μmを超えると、凝集を抑制できなくなるので好ましくない。
本発明の方法で製造された希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末は、加熱気流中に噴霧し乾燥して得られ、分散性を高め凝集が抑制されているため、磁気特性の一つである減磁曲線の残留磁束密度(Br)、角形性(Hk)、保磁力(iHc)の高い希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を製造することが可能となる。該磁石粉末は、残留磁束密度が1.3T(13kG)以上、角形性が480kA/m(6kOe)以上、保磁力が800kA/m(10kOe)以上という優れた磁気特性を有するものである。
なお、上記の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末を用いて希土類ボンド磁石を製造するときには、その求められる磁気特性に合わせてフェライト磁石粉、アルニコ磁石粉等、通常、ボンド磁石の原料となる各種の磁石粉末を混合しても良い。異方性磁石だけでなく、等方性磁石粉末も混合できるが、異方性磁場(HA)が4.0MA/m(50kOe)以上の磁石粉末を用いることが好ましい。
次に、実施例、比較例を用いて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、得られた合金粉末の磁気特性、粒度分布は次に示す方法で測定した。
(i)磁気測定
合金粉末の磁気特性は、日本ボンド磁石工業協会、ボンド磁石試験方法ガイドブック、BM−2002、BM−2005に準じて測定した。磁石合金粉末の比重を7.67g/cmとし、振動試料型磁力計を用いて、残留磁束密度:Br(T)、角形性:Hk(A/m)、保磁力:iHc(A/m)を測定した。
なお、合金粉末の磁気特性として、残留磁束密度が1.3T(13kG)以上、角形性が320kA/m(4kOe)以上、保磁力が800kA/m(10kOe)以上あれば十分な性能を有するものといえる。
(ii)粒度分布
合金粉末の累積体積百分率粒径D50、累積体積百分率粒径D20とD70の粒径幅、すなわち(D20−D70)粒径幅は、HELOS Particle Size Analysisで測定した。Hkおよび(D20−D70)粒径幅の大小は、粒度分布のシャープさと相関があり、これにより粒度分布のシャープさの度合が判断できる。
(実施例1〜9)
<還元拡散処理>
純度99.9%で粒度約50μm以下の電解鉄1.53kgと、純度99%で平均粒径43μmの酸化サマリウム粉末(Sm)0.75kgと、純度95.0%の粒状金属カルシウム0.3kgとをVブレンダーを用いて混合した。
得られた混合物を円筒形のステンレス容器に入れ、アルゴンガス雰囲気下、950℃で8時間かけて加熱処理を施した。次いで、焙焼物を冷却してビーカー中の純水中に投じ、水素イオン濃度pHが10以下となるまで攪拌とデカンテーションとを繰り返した。pHが5となるまで水中に酢酸を添加し(以下「酸性水溶液pH値」という)、この状態で10分間攪拌を行った。攪拌はガラス製スクリューをモーターで回転して行った。最後に水分を除去し、乾燥して合金粉末を得た。
次に、炉内を流量100ml/minの純窒素雰囲気とし、均熱部に上記合金粉末を配置し、昇温速度10℃/minで485℃まで上昇し、24時間保持し、磁石合金の粗粉末を得た。
<燐酸被覆処理>
得られた磁石合金の粗粉末10kgを、φ0.5mm窒化珪素ボール4kg、10kgのイソプロピルアルコール(溶媒)が入った媒体攪拌ミルに装入した。溶媒中に、85%燐酸水溶液(商品名 燐酸、関東化学株式会社製)を合金粉末1kgに対して0.2mol/kg(231g)添加した。媒体攪拌ミルを回転周速度10m/secで、10分間運転し、磁石合金を微粉砕した。
<加熱乾燥>
粉砕スラリを加熱気流(窒素)が導入されているアトマイザーディスク(φ72、2穴)付き乾燥装置内へ20リットル/時間で送液して、アトマイザーディスクから回転周速度30〜70m/secで噴霧させた。加熱気流(酸素含有濃度3%)を風量97Nm/時間で供給し、130〜300℃で乾燥することにより、Sm−Fe−N合金の微粉末を得た。
得られた合金粉末の磁気特性、粒度分布を測定し、結果を表1に示す。
Figure 2005129556
(比較例1)
実施例1と同様にしてSm−Fe−N合金粉末を得た。
この合金粉末10kgをアトライタ(回転周速度2m/sec)に装入し、φ4mm鉄クロム系ボール4kg、イソプロピルアルコール10kg中で、10分間微粉砕した。なお、溶媒には85%燐酸水溶液(商品名 燐酸、関東化学株式会社製)を合金粉末1kgに対して0.2mol/kg(92.4g)添加しておいた。
粉砕スラリをヘンシェルミキサ FM20C/I型(三井鉱山株式会社製)で減圧加熱乾燥(150℃、1時間)処理を行った。実施例1と同様の評価をして、その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にしてSm−Fe−N合金粉末を得た。
この合金粉末10kgを媒体攪拌ミル(回転周速度10m/sec)に装入し、φ0.5mmジルコニアボール4kg、イソプロピルアルコール10kg中で、10分間微粉砕した。なお、溶媒には85%燐酸水溶液(商品名 燐酸、関東化学株式会社製)を合金粉末1kgに対して0.2mol/kg(92.4g)添加しておいた。
粉砕スラリをヘンシェルミキサ FM20C/I型(三井鉱山株式会社製)で減圧加熱乾燥(150℃、1時間)処理を行った。実施例1と同様の評価をして、その結果を表1に示す。
(比較例3〜10)
実施例1と同様にしてSm−Fe−N合金粉末を得た。
得られた合金粉末10kgを媒体攪拌ミル(回転周速度10m/sec)に装入し、φ0.5mm窒化珪素ボール4kg、イソプロピルアルコール10kg中で、10分間微粉砕した。溶媒には85%燐酸水溶液(商品名 燐酸、関東化学株式会社製)を合金粉末1kgに対して0.2mol/kg(231g)添加しておいた。
粉砕スラリを実施例1と同じアトマイザーディスク(φ72、2穴)付き装置内へ20リットル/時間で送液して、回転周速度20m/sec、又は30〜70m/secで噴霧させ、加熱気流(窒素)を風量97Nm/時間で供給し、100℃、250℃又は350℃で乾燥した。実施例1と同様の評価をして、その結果を表1に示す。
以上の結果から、実施例1〜9は、粗粉砕した磁石粉末を本発明の条件で加熱気流中に噴霧して乾燥しているために、粒度分布が揃い、磁石特性に優れた磁石粉末が得られた。
しかし、比較例1、2では本発明とは異なり減圧加熱式の装置によって乾燥したために、磁石粉末に凝集が起こり、結果として磁気特性が低下した。また、加熱気流中に噴霧したとしても、本発明の条件を外れ低温で処理した比較例3、4、5では、乾燥時の安定化不足で磁気特性の保磁力が低くなった。また、比較例6、7、8では本発明の条件を外れ高温で乾燥処理したため、磁石粉末に酸化劣化が起こり磁気特性の角形、保磁力が低下した。また、比較例9、10の条件では磁石粉末が乾燥不足であり、湿ったままの状態で回収されてしまい、磁気特性を測定することができなかった。

Claims (7)

  1. 希土類−遷移金属−窒素系磁石合金の粗粉末を溶媒の存在下に微粉砕した後、得られた磁石合金の微粉末を含む粉砕スラリを、30m/sec以上の回転周速度で回転するアトマイザに供給し、130〜300℃の加熱気流中に噴霧することにより乾燥させることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  2. 磁石合金がSm−Fe−N系合金粉末であることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  3. 磁石合金が還元拡散法で製造されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  4. 磁石合金の粗粉末を微粉砕する間、またはその後に、さらに燐酸化合物を添加することを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  5. アトマイザの回転周速度が30〜70m/secであることを特徴とする請求項1に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの方法により製造された希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末であって、
    粒度分布は、累積体積百分率粒径D50が1〜5μmで、かつ累積体積百分率粒径D20とD70の粒径幅が5μm以下であることを特徴とする希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
  7. 表面上に、平均5〜100nmの燐酸塩皮膜が均一に被覆していることを特徴とする請求項6に記載の希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末。
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JP2014022294A (ja) * 2012-07-20 2014-02-03 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法
JP2014099368A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法
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JP7364158B2 (ja) 2019-12-26 2023-10-18 国立大学法人東北大学 希土類鉄窒素系磁性粉末、ボンド磁石用コンパウンド、ボンド磁石及び希土類鉄窒素系磁性粉末の製造方法

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