以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
[実施例1]
図1は、実施例1の情報収集システムの構成図である。
情報収集システム1は、車両に搭載される車載装置2と、サーバー3とを含む。サーバー3は、車載装置2とは遠隔に配置される。尚、車載装置2は、複数の車両にそれぞれ搭載されることが想定される。以下では、特に言及しない限り、ある任意の1つの車両に搭載された車載装置2に関する説明を行う。また、以下では、特に言及しない限り、"車両"とは、車載装置2が搭載されている車両を表す。
車載装置2は、情報記録ECU(Electronic Control Unit)7と、車載電子機器群8とを含む。情報記録ECU7は、例えばセンターコンソールの下部に設けられる。尚、図1には、補助記憶装置14及び無線送受信部26が情報記録ECU7の構成要素の一部として図示されている。
図2は、情報記録ECU7のハードウェア構成の一例を示す図である。図2には、情報記録ECU7のハードウェア構成に関連付けて、車載電子機器群8が模式的に図示されている。
情報記録ECU7は、バス19で接続されたCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、補助記憶装置14、時計15、及び通信インターフェース17、並びに、通信インターフェース17に接続された有線送受信部25及び無線送受信部26を含む。
補助記憶装置14は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)などである。
時計15は、例えば絶対時(年月日時分秒)を刻む。
有線送受信部25は、CAN(controller area network)やLIN(Local Interconnect Network)などの車両ネットワークを利用して通信可能な送受信部を含む。無線送受信部26は、携帯電話における無線通信網を利用して無線通信可能な送受信部である。尚、以下の説明において、「有線送受信部25を介して」又は「無線送受信部26を介して」とは、説明の冗長を低減するために用いられている表現であり、それぞれ、「通信インターフェース17及び有線送受信部25を介して」又は「通信インターフェース17及び無線送受信部26を介して」という意味である。
尚、情報記録ECU7は、有線送受信部25に加えて、通信インターフェース17に接続される第2無線送受信部(図示せず)を備えてもよい。この場合、第2無線送受信部は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)部、ブルーツース(Bluetooth、登録商標)通信部、Wi−Fi(Wireless-Fidelity)送受信部、赤外線送受信部などを含んでもよい。尚、情報記録ECU7が第2無線送受信部を備える場合、以下の説明において、「有線送受信部25を介して」は、「第2無線送受信部を介して」と適宜読み替えることができる。同様に、通信インターフェース17には、車両ネットワークを介さない通信線が接続されてもよい。この場合、以下の説明において、「有線送受信部25を介して」は、「直接的な通信線を介して」と適宜読み替えることができる。
図3は、車載電子機器群8の構成を示す図である。
車載電子機器群8は、車両に搭載される各種の電子機器(センサ、ECU、アクチュエータ)の集合を表す。図3に示す例では、車載電子機器群8は、各種ECU80、及び各種検出・計測装置81を含む。尚、以下では、一例として、各種検出・計測装置81は、車両位置を測位するGPS(Global Positioning System)受信機を含むものとする。また、以下の説明において「車載電子機器群8の要素」とは、車載電子機器群8に含まれるECUまたは検出・計測装置を意味する。
車載電子機器群8は、情報記録ECU7との間で有線送受信部25を介して双方向の通信が可能な要素を含む。また、情報記録ECU7が第2無線送受信部を備える場合、車載電子機器群8は、情報記録ECU7との間で第2無線送受信部を介して双方向の通信が可能な要素を含んでもよい。
車載電子機器群8は、後述の車両情報を生成する車両情報生成部を実現する。車両情報生成部が、どのECU又はセンサにより実現されるかは、書き込み対象の車両情報(後述)に応じて決まる。例えば、書き込み対象の車両情報が車両の加速度であるときは、車両情報生成部は、車載電子機器群8の加速度センサにより実現できる。また、書き込み対象の車両情報がブレーキECUの制御指令値であるときは、車両情報生成部は、車載電子機器群8のブレーキECUにより実現できる。尚、書き込み対象の車両情報としては、車載画像センサ(カメラ)の画像、車載レーダセンサの検知情報、アクセル信号、駆動装置の制御指令値、各種制御関連のフラグの成立履歴、ダイアグ情報、車載バッテリの状態等であり得る。
図3に示す例では、一例として、各種ECU80は、PCS・ECU80−1、ブレーキECU80−2,...エンジンECU80−Nを含む。各種検出・計測装置81は、前方レーダーセンサ81−1、画像センサ81−2,...加速度センサ81−Mを含む。以下では、ECU80−*とは、ECU80−1〜ECU80−Nのいずれか任意のECUを表す。
図4は、車載電子機器群8に含まれる1つのECU80−*の機能ブロック図である。ECU80−*のハードウェア構成については図示を省略する。ECU80−*の基本的なハードウェア構成(アーキテクチャ)は、図2に示した情報記録ECU7のハードウェア構成に対して、無線送受信部26を備えていない点以外は同一である。また、ECU80−*は、時計15を備えていなくてもよい。尚、ECU80−*から見たとき、車載電子機器群8には、情報記録ECU7が含まれる(ECU80−*自身は含まれない)。
ECU80−*は、車載電子機器群8に含まれる複数のECUのうちの、予め規定された種類の車両挙動に関連する制御を行うECUである。ECU80−1〜ECU80−Nのそれぞれは、それぞれ1種類以上の車両挙動に関連する制御を行う。実施例1では、一例として、ECU80−1〜ECU80−Nのそれぞれは、それぞれ1種類の車両挙動に関連する制御を行うECUであるとする。従って、ECU80−1〜ECU80−N全体による検出対象の車両挙動の種類は、N種類である。検出対象の車両挙動の種類は、1種類しかない場合(即ちN=1の場合)もあり得るが、以下では、特に言及しない限り、検出対象の車両挙動の種類は、2種類以上であるものとして説明する。
車両挙動とは、例えば、車両を制御するために算出される制御値、車両乗員の操作に応じて発生する操作信号等が引き起こす車両の挙動である。車両挙動は、多様であるので、解析目的等に応じて、検出対象の車両挙動の種類が予め規定される。例えば、検出対象の種類の車両挙動は、アクセル信号(0より大きい開度)とブレーキ信号(0より大きいブレーキペダル操作量)が同時に発生すること(以下、「アクセル信号とブレーキ信号の同時発生」と称する)、Nレンジでアクセル開度が中開度以上となること、急制動(雨天時にABSが作動する程度の制動)、緊急制動(急制動よりも緊急な制動)、急旋回といった、特定の操作に起因した車両挙動である。また、検出対象の種類の車両挙動は、特定の条件が満たされたときの特定の制御の作動である。例えば、検出対象の種類の車両挙動は、安全な車両走行を支援する介入制御や警報制御の作動である。介入制御とは、運転者の操作とは無関係に作動する制御であり、例えば、PCSのブレーキ制御、VSC(Vehicle Stability Control)、ABS、TRC(TRaction Control)、LKA(Lane Keeping Assist)などがある。また、警報制御は、PCSの警報、LDA(Lane Departure Alert)、CTA(Cross Traffic Alert)などがある。
図4では、一例として、ECU80−*がPCS・ECU80−1の場合について説明する。
PCS・ECU80−1は、第1指令値生成部810と、第1書き込み要求発生部820と、通知部830とを含む。第1指令値生成部810、第1書き込み要求発生部820及び通知部830は、CPUが、ROMに記憶された1つ以上のプログラムを実行することでそれぞれ実現できる。尚、第1指令値生成部810が生成する指令が、書き込み対象の車両情報(後述の車両挙動データ)を形成する場合は、第1指令値生成部810は「車両情報生成部」を実現する。
第1指令値生成部810は、"PCSの作動"に関連する指令を生成する。具体的には、第1指令値生成部810は、有線送受信部を介して取得できる車載電子機器群8(PCS・ECU80−1以外の要素、以下同じ)からの情報に基づいて、PCSの作動の要否を判定する。例えば、第1指令値生成部810は、前方レーダーセンサ81−1からの検知情報(障害物情報)に基づいて、車両が前方の障害物に衝突するまでの時間、即ちTTC(Time To Collision)を算出する。そして、第1指令値生成部810は、TTCが予め規定された閾値Th1以下となったときに、有線送受信部を介して、自動ブレーキ作動要求(指令)を出力する。この自動ブレーキ作動要求は、ブレーキECU80−2にて受信される。ブレーキECU80−2は、自動ブレーキ作動要求に応答して、指令値を生成し、ブレーキ油圧回路のブレーキアクチュエータ及びバルブ(図示せず)を制御する。即ち、ブレーキECU80−2は、運転者のブレーキ操作量に応じた制御値とは異なる制御値に基づいて、各車輪のホイールシリンダ圧を増加させる。
第1書き込み要求発生部820は、PCSの作動に関して予め規定された記録開始条件が成立したとき、データ書き込み要求を発生させる。第1書き込み要求発生部820は、データ書き込み要求を、有線送受信部を介して、情報記録ECU7に送信する。実施例1では、一例として、第1書き込み要求発生部820は、TTCが予め規定された閾値Th2(>Th1)以下となったときに、データ書き込み要求を情報記録ECU7に送信する。データ書き込み要求は、書き込み対象のデータを情報記録ECU7が特定できる情報と共に送信される。実施例1では、一例として、データ書き込み要求は、車両挙動の種類(PCSの作動)を表す車両挙動種類IDと共に送信される。
通知部830は、第1指令値生成部810がPCSを作動させたとき、車両挙動検出通知を、有線送受信部を介して、情報記録ECU7に送信する。車両挙動検出通知は、PCSの作動(車両挙動)を情報記録ECU7に知らせるための通知である。車両挙動検出通知は、検出された車両挙動の種類を情報記録ECU7が特定できる情報と共に送信される。実施例1では、一例として、車両挙動検出通知は、車両挙動種類IDと共に送信される。
図5は、情報記録ECU7の機能ブロックの一例を示す図である。
情報記録ECU7は、車両挙動記録処理部100−1〜100−Lと、アップロード要求受信部106と、アップロード実行部107と、第2指令値生成部108と、第2書き込み要求発生部109と、第1記憶部110とを含む。各部100−1〜100−L乃至109は、図2に示すCPU11が図2に示すROM13に記憶された1つ以上のプログラムを実行することでそれぞれ実現できる。第1記憶部110は、車載装置2の記憶部であり、補助記憶装置14により実現できる。
車両挙動記録処理部100−1〜100−Lは、検出対象の車両挙動の種類毎に設けられる。実施例1では、車両挙動記録処理部100−1〜100−Lの個数Lは、ECU80−1〜ECU80−Nの個数Nに対して、L=N+1の関係である。即ち、車両挙動記録処理部100−1〜100−Lは、ECU80−1〜ECU80−Nのそれぞれに対して設けられる車両挙動記録処理部100−1〜100−Nと、情報記録ECU7自身に対して設けられる車両挙動記録処理部100−Lとを含む。
車両挙動記録処理部100−1〜100−Lの各機能は、扱う車両挙動の種類が異なるだけであり、実質的に同一である。従って、以下では、特に言及しない限り、車両挙動記録処理部100−1〜100−Lのうちの任意の車両挙動記録処理部100−*について説明する。車両挙動記録処理部100−*は、車両挙動検出部101と、データ記録処理部103と、第1送信信号送信処理部104とを含む。
車両挙動検出部101は、予め規定された種類の車両挙動を検出する。以下では、車両挙動とは、特に言及しない限り、「検出対象の種類の車両挙動」を表す。
車両挙動検出部101は、例えば、有線送受信部25を介して取得できる車載電子機器群8のECU80−*からの車両挙動検出通知に基づいて、車両挙動を検出できる。車両挙動検出通知は、上述のように、車両挙動を情報記録ECU7に知らせるための通知である。
例えば、図3に示す例の場合(車両挙動がPCSの作動の場合)、車両挙動記録処理部100−1の車両挙動検出部101は、PCS・ECU80−1からの車両挙動検出通知に基づいて、車両挙動(PCSの作動)を検出できる。また、検出対象の車両挙動の種類が"アクセル信号とブレーキ信号の同時発生"の場合、車両挙動検出部101は、"アクセル信号とブレーキ信号の同時発生"を検出したECU80−*からの車両挙動検出通知に基づいて、車両挙動を検出できる。但し、車両挙動検出部101は、有線送受信部25を介して取得できる車載電子機器群8の各種検出・計測装置81からの情報(車両挙動検出通知以外の情報)に基づいて、車両挙動を検出してもよい。例えば、車両挙動検出部101は、有線送受信部25を介して取得できるアクセル信号及びブレーキ信号に基づいて、"アクセル信号とブレーキ信号の同時発生"を検出してもよい。
また、車両挙動記録処理部100−Lの車両挙動検出部101は、第2指令値生成部108からの車両挙動検出通知に基づいて、対応する種類の車両挙動を検出する。実施例1では、一例として、車両挙動検出部101は、"乗員保護補助装置(例えばシートベルトプリテンショナ)の作動"を検出する。第2指令値生成部108は、予め規定された作動条件が成立したとき、乗員保護補助装置に作動指令を入力する。このとき、車両挙動検出部101は、第2指令値生成部108からの作動指令を車両挙動検出通知として、乗員保護補助装置の作動(即ち車両挙動)を検出できる。
データ記録処理部103は、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した場合(車両挙動検出通知を受信した場合)に、記録期間T1内の車両情報を第1記憶部110に記録するデータ記録(書き込み)処理を行う。以下では、一例として、データ記録処理部103は、記録期間T1内の複数時点の車両情報を第1記憶部110に記録する。
第1記憶部110における記録領域は、図6に示すように、車両挙動の種類ごとに予め規定される。例えば、図6に示す例では、車両挙動種類IDが"AAA"の車両挙動の種類に対しては、記録領域"RA"が割り当てられ、車両挙動種類IDが"BBB"の車両挙動の種類に対しては、記録領域"RB"が割り当てられ、といった具合である。各記録領域は、対応する記録期間T1内の複数時点の車両情報を記録できる容量を有する。各記録領域には、対応するリングバッファ(図示せず)が設定される。各リングバッファは、RAM12により実現できる。各リングバッファは、対応する記録領域に記録されるべき全車両情報を記憶できる長さ(個数)を有する。
第1記憶部110における各記録領域には、例えば、図7に示すように、車両挙動の成立回数情報を記憶する領域と、車両情報を記憶する領域とを含む。車両挙動の成立回数情報は、車両挙動検出通知を受けるごとにカウントアップされるカウンタ値である(図10参照)。カウンタ値は、車両出荷時からリセットされずに保持される。
書き込み対象として予め規定される車両情報は、車両の状態を表す情報である。ここで、車両の状態とは、車両の運動状態(センサ値や算出値に基づく加速度、速度等)、車両の制御状態(制御の作動指令、指令値など)、車両の走行状態(センサ値や算出値に基づく先行車との距離、走行レーンなど)、車両の操作状態(センサ値に基づくアクセル開度やブレーキ操作量)、車両の環境状態(センサ値に基づく室内温度等)、車両の乗員(運転者を含む)の状態(例えば画像センサから得られる運転者の画像など)等を含む概念である。書き込み対象の車両情報が表す車両の状態は、好ましくは、動的に変化する車両の状態である。これは、時間軸上で変化しない情報を、記録期間T1内の複数時点で記録する必要性は低いためである(即ち、時間軸上で変化しない情報は、ある1時点だけ記録すれば足りるためである)。
書き込み対象の車両情報の種類は、車両挙動の種類ごとに予め規定される。これは、車両挙動の種類によって、解析に有用となる車両情報の種類が異なり得るためである。図8に示す例では、車両挙動種類IDが"AAA"の車両挙動の種類に対しては、書き込み対象の車両情報は、制御信号(制御指令)Aであり、車両挙動種類IDが"BBB"の車両挙動の種類に対しては、書き込み対象の車両情報は、操作信号Bであり、車両挙動種類IDが"CCC"の車両挙動の種類に対しては、書き込み対象の車両情報は、センサ信号Cである。尚、ある1つの車両挙動に対する書き込み対象の車両情報の種類は、2種類以上であってもよい。
記録期間T1(車両情報の書き込み期間)は、車両情報を記録する期間の長さを表す。記録期間T1は、車両挙動の検出時点に応じた所定の期間である。例えば、記録期間T1の長さ及び開始タイミングは、車両挙動の種類毎に予め規定される。これは、車両挙動の種類によって、解析に有用となる車両情報の期間が異なり得るためである。例えば、記録期間T1は、図9に示すように、車両挙動の検出時t2から始まる期間A(t2〜t4)、車両挙動の検出時t2に終了する期間C(t0〜t2)、又は車両挙動の検出時t2の前後を含む期間B(t1〜t3)である。その他、期間Aの変形例として、車両挙動の検出時t2の直後から始まる期間や、期間Cの変形例として、車両挙動の検出時t2の直前に終了する期間もあり得る。記録期間T1の長さについても、車両挙動に関連して予め規定される。
具体的には、データ記録処理部103は、例えば図10に示すような流れで、データ記録処理を行う。実施例1では、一例として、書き込み対象の車両情報は1種類であるとする。実施例1では、一例として、記録期間T1は、図9に示すような期間Bに対応する。図10では、車両挙動記録処理部100−1〜100−Lのうちの任意の車両挙動記録処理部100−*のデータ記録処理部103について説明する。
まず、データ記録処理部103は、対応する車両挙動種類IDと共に送信されてくるデータ書き込み要求を受信すると(ステップS400の"YES")、データ記録処理部103は、第1タイマをセットする(ステップS402)。第1タイマは、予め規定された時間T10が経過したときにタイムアウトする。時間T10は、記録期間T1よりも有意に長い。
また、データ記録処理部103は、データ書き込み要求を受信すると(ステップS400の"YES")、データ記録処理を開始する。即ち、データ記録処理部103は、車両挙動の種類に応じた書き込み先の記録領域に係るリングバッファに対して、車両挙動の種類に応じた書き込み対象の車両情報を書き込むデータ記録処理を開始する(ステップS404)。具体的には、データ記録処理部103は、有線送受信部25を介して、車載電子機器群8の特定の要素(書き込み対象の車両情報を生成する要素)から車両情報を取得し始める。例えば、図3に示す例の場合(車両挙動がPCSの作動の場合)、データ記録処理部103は、PCS・ECU80−1からのデータ書き込み要求に応答して、有線送受信部25を介して、前方レーダーセンサ81−1の検知データ(車両情報の一例)を取得し始める。そして、データ記録処理部103は、周期的にサンプリングした車両情報をFIFO(First‐In, First‐Out)形式でリングバッファに書き込む(ステップS404)。尚、サンプリング周期は、車両情報の種類毎に、予め規定される。データ記録処理部103は、第1タイマ(ステップS402参照)または第2タイマ(ステップS410参照)がタイムアウトするまで(ステップS406の"YES")、周期的にサンプリングした車両情報をリングバッファに書き込む(ステップS404)。このようにして、データ記録処理部103が周期的にサンプリングした車両情報をFIFO形式でリングバッファに書き込むと、リングバッファは、記録期間T1に対応する長さ(データ量)の最新の同車両情報を保持する。
データ記録処理部103は、車両情報のサンプリング及び書き込み中に、車両挙動を表す車両挙動検出通知を受信すると(ステップS408の"YES")、第2タイマをセットし(ステップS410)、車両情報のサンプリング及び書き込みを継続する(ステップS404)。第2タイマは、予め規定された時間T20が経過したときにタイムアウトする。時間T20は、記録期間T1に応じて設定される。具体的には、記録期間T1は、図9に示すような期間Bに対応するので、時間T20=t3−t2である。
車両情報のサンプリング及び書き込み中に、第2タイマがタイムアウトすると(ステップS412の"YES")、データ記録処理部103は、車両挙動の成立回数(図7参照)を表すカウンタ値を"1"だけインクリメントする(ステップS414)。そして、データ記録処理部103は、車両情報のサンプリング及び書き込みを終了し、現時点でリングバッファに記憶されている車両情報(記録期間T1内の複数時点の車両情報)を、対応する記録領域に記録(転送)する。
尚、図10に示す例において、記録期間T1が期間Aに対応するときは、第2タイマの時間T20については時間T20=t4−t2である。この場合、車両挙動検出通知が書き込み要求として機能し、これに伴い、第1書き込み要求発生部820及び第2書き込み要求発生部109は省略される。また、この場合、第1タイマは省略され、ステップS402がステップS410で置換され、ステップS412が省略され、ステップS406の判定結果が"NO"であるときはステップS404に戻る(ステップS408に進まず)。また、記録期間T1が期間Cに対応するときは、図10に示す例において、時間T20=0である。この場合は、図10に示す例において、ステップS408の判定結果が"YES"のときは、ステップS414に直接進むこととなる。
尚、データ記録処理部103は、データ書き込み要求の有無とは関係なく、常時(例えばイグニッションスイッチがオンである間)、書き込み対象の車両情報を、有線送受信部25を介して取得(周期的にサンプリング)し、取得した車両情報を、対応するリングバッファに記録する構成(以下、「代替構成」と称する)であってもよい。かかる代替構成では、書き込み要求は不要となり、これに伴い、第1書き込み要求発生部820及び第2書き込み要求発生部109は省略される。また、代替構成では、図10における第1タイマは不要であり、ステップS400、ステップS402、及びステップS412の処理が不要となる。
以下では、上述のようにして第1記憶部110に記録された車両情報のデータを「車両挙動データ」と称する。
第1送信信号送信処理部104は、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した場合に、第1送信信号(送信信号の一例)をサーバー3に送信するための第1送信信号送信処理を行う。尚、第1送信信号送信処理部104については、車両挙動記録処理部100−Lにおいても同様である。第1送信信号送信処理部104は、第1情報取得部1041(情報取得部の一例)及び第1送信信号送信部1042を含む。
第1情報取得部1041は、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した場合に、第1情報を取得する。第1情報は、後述の判定用情報に含まれる情報である。従って、第1情報は、後述する情報取得条件の成否の判定に利用される。第1情報は、車両挙動の検出時に関する情報、及び車両挙動の種類に関する情報の少なくともいずれか1つを含む。車両挙動の検出時に関する情報には、後述の第1項目を表す情報や第2項目を表す情報がある。車両挙動の種類に関する情報には、後述の第3項目を表す情報や第4項目を表す情報がある。
ここで、以下の4つの項目を表す各種情報は、第1情報として後述する情報取得条件の成否の判定に利用できる。尚、以下の(1)〜(4)における"車両挙動"とは、車両挙動検出部101が検出した車両挙動である。
(1)車両挙動の検出時の車両の周辺環境(以下、「第1項目」とも称する)
(2)車両挙動の検出時の車両の状態(以下、「第2項目」とも称する)
(3)車両挙動の種類(以下、「第3項目」とも称する)
(4)車両挙動と同一種類の車両挙動の過去の検出状況(以下、「第4項目」とも称する)
以下、第1項目を表す情報を「第1項目情報」とも称し、第2項目を表す情報を「第2項目情報」とも称し、第3項目を表す情報を「第3項目情報」とも称し、第4項目を表す情報を「第4項目情報」とも称する。
ここでは、順に第1項目情報〜第4項目情報の取得方法(特定方法)の例について説明する。
(1)第1項目情報について、第1情報取得部1041は、時計15から車両挙動の検出時の日時(車両挙動の検出日時)を特定できる。即ち、第1情報取得部1041は、車両挙動検出部101が車両挙動を検出したときに、時計15からの時刻情報を取得する。車両挙動の検出日時は、車両挙動の検出時の車両の周辺環境を表す。例えば、日時は、車両挙動の検出時の車両の周辺環境が夜間であるのか早朝であるのか等の時間帯を表すことができ、日は、夏などの季節も表すことができる。尚、時計15が存在しない場合は、第1情報取得部1041は、有線送受信部25を介して、時計を有する車載電子機器群8の要素から、車両挙動の検出日時を表す情報を取得してもよい。
また、第1情報取得部1041は、有線送受信部25を介して取得できる車載電子機器群8の要素からの情報に基づいて、車両挙動の検出時の車両の位置(車両挙動の検出場所)を特定できる。例えば、第1情報取得部1041は、車両挙動検出部101が車両挙動を検出したときに、GPS受信機から車両の位置情報を取得する。車両挙動の検出場所は、車両挙動の検出時の車両の周辺環境を表す。例えば、車両挙動の検出場所は、車両挙動の検出時の車両の周辺環境が山道であるのか平坦路であるのか等の道路環境を表すことができ、地方や都会、寒冷地、山岳地域などの地域も表すことができる。
また、第1情報取得部1041は、有線送受信部25を介して、車載電子機器群8の要素からの情報に基づいて、車両挙動の検出日時や検出場所以外の周辺環境を特定できる場合がある。日時や場所以外の周辺環境としては、車両挙動の検出時の道路種別(一般道路、高速道路、自動車専用道路など)、車両挙動の検出時の道路勾配(坂道か平坦路かなど)、車両挙動の検出時の他の道路環境(オフロード、路面摩擦係数、山道、交差点、カーブ/直線、前方の信号機の点灯状態、交通量など)、車両挙動の検出時の場所の特徴(駐車場内、コンビニエンスストアの近く、踏切との距離、信号機との距離など)等がある。これらの周辺環境を表す情報(車両挙動の検出日時及び検出場所以外の第1項目情報)は、車載電子機器群8の要素から取得できる場合がある。即ち、車載電子機器群8の構成に依存するが、第1情報取得部1041は、有線送受信部25を介して車載電子機器群8の各種検出・計測装置81や各種ECU80から、車両挙動の検出日時及び検出場所以外の第1項目情報を取得できる場合がある。例えば、第1情報取得部1041は、雨滴を検出するレインセンサからのセンサ値、外部の明るさを検出する照度センサからのセンサ値、外気温センサからのセンサ値、車両位置における道路の勾配を検出する勾配センサ(加速度センサ)からのセンサ値、ナビゲーションECUからの地図情報等に基づいて、車両挙動の検出時の車両の周辺環境(車両挙動の検出日時及び検出場所以外の第1項目情報)を特定できる。
(2)第2項目情報について、第1情報取得部1041は、有線送受信部25を介して車載電子機器群8から取得できる車両情報に基づいて、車両挙動の検出時の車両の状態を特定できる。即ち、第1情報取得部1041は、車両挙動検出部101が車両挙動を検出したときに、車載電子機器群8から予め定められた車両情報を取得することで、車両挙動の検出時の車両の状態を特定できる。
第2項目に係る車両の状態は、上述の車両挙動データを形成する車両情報(以下、区別のために「車両挙動データ用車両情報」と称する)が表す車両の状態と同一の概念である。
例えば、第2項目に係る車両の状態は、総走行距離、イグニッションスイッチのオン回数、イグニッションスイッチのオン時からの経過時間(後述のタイムスタンプ)、タイヤ空気圧の検出値、車載バッテリの積算使用量、車載バッテリの充電状態(SOC:State Of Charge)、車載バッテリの劣化度合い、ギア段、ブレーキ操作量(車両挙動の検出時の瞬時値又はそれまでの平均値)、各種異常信号の発生状況、アクセル開度(瞬時値又は平均値)、ワイパーのON/OFF状態、ヘッドライトのON/OFF状態、ウィンカーのON/OFF状態、ハザードのON/OFF状態等、ACC(Adaptive Cruise Control)のような自動運転中であるか否か、ASL(Adjustable Speed Limiter)のようなスピードリミッタが作動中であるか否か、等である。
また、第2項目に係る車両の状態は、車両の乗員の状態を含む。乗員の状態とは、運転者の状態、運転者以外の乗員の状態等を含む概念である。例えば、乗員の状態とは、乗員の性別、乗員の年齢(例えば高齢者であるか否か)、運転者の脇見の検出の有無(車両挙動の検出時における検出の有無又はそれまでの検出回数)、運転者の居眠りの検出の有無(車両挙動の検出時における検出の有無又はそれまでの検出回数)、運転者の心拍間隔(車両挙動の検出時の瞬時値又はそれまでの平均値)、乗員の数、シートベルト着用の有無、シート位置、リクライニングの状態等である。
ここで、第2項目情報のために取得される車両情報(以下、区別のために「第1情報用車両情報」と称する)は、上述の車両挙動データを形成する車両情報に比べて、データ量が有意に小さい。即ち、車両挙動データを形成する車両情報は、記録期間T1内の複数時点(例えばm個の時点)の車両情報であるが、第1情報用車両情報は、車両挙動検出部101が車両挙動を検出したとき(例えば、1時点、m個より少ない数の時点、又はm個の時点の平均など)の車両情報である。
第2項目情報のために取得される車両情報の種類は、車両挙動の種類毎に、予め定められる。尚、ある種類の車両挙動に対する取得対象の第1情報用車両情報は、同種類の車両挙動に対する書き込み対象の車両挙動データ用車両情報の一部であってもよいし、車両挙動データ用車両情報とは異なる種類の車両情報であってもよい。
(3)第3項目情報については、車両挙動記録処理部100−1〜100−Nの第1情報取得部1041は、有線送受信部25を介して受信できる車両挙動種類ID(ECU80−*から車両挙動検出通知と共に送信される情報)に基づいて、車両挙動の種類を特定できる。即ち、第1情報取得部1041は、車両挙動の検出時に、その旨を知らせる車両挙動検出通知と共に送信される車両挙動種類IDに基づいて、検出された車両挙動の種類を特定できる。
車両挙動記録処理部100−Lの第1情報取得部1041は、第2指令値生成部108からの作動指令に基づいて、車両挙動検出部101が検出した車両挙動の種類を特定できる。これは、第2指令値生成部108からの作動指令が、特定の種類の車両挙動、即ち乗員保護補助装置の作動を引き起こすためである。
(4)第4項目情報について、第1情報取得部1041は、第1記憶部110における記録領域に記憶された成立回数情報(図7参照)を参照することで、車両挙動と同一種類の車両挙動の過去の検出状況を特定できる。尚、記録領域は、上述のように、車両挙動の種類毎に設定されている(図6参照)。
第1送信信号送信部1042は、第1送信信号を、無線送受信部26を介してサーバー3に送信する。実施例1では、第1送信信号は、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した旨を表す挙動検出通知情報と、第1情報取得部1041が取得した第1情報とを含む。第1送信信号は、挙動検出通知情報を含むことで、車両挙動の検出(車両挙動を車両挙動検出部101が検出したこと)をサーバー3に知らせる機能(以下、この機能を「第1機能」と称する)を有する。また、第1送信信号は、第1情報を含むことで、車両挙動検出部101が検出した車両挙動に係る車両挙動データのアップロードの要否をサーバー3が判断する際の判断材料(同車両挙動の検出の有無以外の判断材料)をサーバー3に与える機能(以下、この機能を「第2機能」と称する)を有する。
第1送信信号には、第1項目〜第4項目のうちの、後述する情報取得条件が関連付けられた項目を表す情報が含められる。従って、第1送信信号が、第1項目〜第4項目のうちのいずれの項目を表す情報を含むべきかは、情報取得条件に依存する。この点については、情報取得条件の説明に関連して後述する。
実施例1では、一例として、第1送信信号送信部1042は、図11に示す各種情報を含む第1送信信号を生成し、生成した第1送信信号をサーバー3に送信する。図11に示す第1送信信号は、第1送信信号IDと、車両IDと、第1項目情報としての車両挙動の検出日時及び検出場所と、第3項目情報としての記録領域情報と、第4項目情報としての成立回数情報(図7参照)と、タイムスタンプとを含む。
第1送信信号IDは、送信信号が"第1送信信号"である旨(信号種別)を表す情報であり、挙動検出通知情報である。即ち、第1送信信号IDは、送信信号の種別が"第1送信信号"であることをサーバー3が特定できる情報である。第1送信信号IDは、例えば第1送信信号のヘッダ部に入れられ、車両ID以降の情報は、例えば第1送信信号のデータ部(ペイロード)に入れられる。尚、挙動検出通知情報は、例えば車両挙動を明示する情報(第1送信信号ID以外の情報)であってもよい。
車両IDは、例えば、無線送受信部26に固有な番号(例えば製品番号等)に基づいて生成される。記録領域情報は、今回の第1送信信号に紐付けられる車両挙動データの記録領域を特定するための情報であり、車両挙動種類IDと実質的に同一の情報(第3項目情報)となる。尚、第1送信信号を受信するサーバー3においては、個々の車両挙動は、記録領域情報及び成立回数情報の双方に基づいて特定できる(紐付けできる)。タイムスタンプは、CPU11のクロックごとに加算されるタイムスタンプカウンタの値に基づいて生成される。タイムスタンプは、例えばイグニッションスイッチのオン時からの経過時間を示す。従って、タイムスタンプは、車両挙動の検出時の車両の状態に関する情報(第2項目情報)としても機能しうる。
アップロード要求受信部106は、サーバー3からアップロード要求を受信する。アップロード要求受信部106は、サーバー3から送信されるアップロード要求を、無線送受信部26を介して受信する。アップロード要求は、第1記憶部110に記憶されている車両挙動データをサーバー3に送信するようにサーバー3が情報記録ECU7に要求する信号である。アップロード要求(信号)に含まれる情報は、例えば、図12に示すように、送信信号が"アップロード要求"である旨(信号種別)を表すアップロード要求IDと、読出し対象の記録領域を指定する情報(指定情報)とを含む。
アップロード実行部107は、アップロード要求をアップロード要求受信部106が受信した場合に、第1記憶部110から車両挙動データを読み出し、読み出した車両挙動データをサーバー3に送信する。例えば、図12に示すアップロード要求を受信した場合、アップロード実行部107は、第1記憶部110における読出し対象の記憶領域に記憶されている車両挙動データを読み出し、読み出した車両挙動データを、無線送受信部26を介してサーバー3に送信する。アップロード実行部107は、先に第1送信信号送信部1042が送信した第1送信信号と、今回アップロードする車両挙動データとをサーバー3が紐付できる態様で、車両挙動データをサーバー3に送信する。例えば、アップロード実行部107は、図13に示す各種情報ないしデータを含むアップロードデータを生成し、サーバー3に送信する。図13に示すアップロードデータは、送信信号(送信データ)が"アップロードデータ"である旨(信号種別)を表すアップロードIDと、車両IDと、読み出した記録領域の記録領域情報及び成立回数情報と、車両挙動データとを含む。この場合、サーバー3においては、車両ID、記録領域情報及び成立回数情報に基づいて、先に第1送信信号送信部1042が送信した第1送信信号と、アップロードデータとを紐付けできる。
第2指令値生成部108は、PCS・ECU80−1の第1指令値生成部810と同様、予め規定された種類の車両挙動に関連する指令を生成する。但し、第2指令値生成部108は、ECU80−1〜ECU80−Nとは異なる種類の車両挙動に関連する指令を生成する。実施例1では、第2指令値生成部108は、上述のように、乗員保護補助装置の作動に関連する制御を行う。例えば、第2指令値生成部108は、有線送受信部25を介して取得する情報(例えば、車両前部に設けられる加速度センサ81−Mからの情報)に基づいて、車両の前突を検知したときに乗員保護補助装置に作動指令(指令の例)を入力する。
第2書き込み要求発生部109は、乗員保護補助装置の作動に関して予め規定された記録開始条件が成立したとき、データ記録処理部103に書き込み要求を入力する。実施例1では、一例として、第2指令値生成部108は、PCS・ECU80−1から車両挙動検出通知(PCS作動通知)を受信したときに、データ記録処理部103に書き込み要求を入力する。
この場合も、車両挙動記録処理部100−Lのデータ記録処理部103は、第1書き込み要求発生部820からのデータ書き込み要求の場合と同様、第2書き込み要求発生部109からのデータ書き込み要求に応答して、同様のデータ記録(書き込み)処理を行う。即ち、データ記録処理部103は、乗員保護補助装置の作動に関連する記録期間T1の車両情報を、第1記憶部110に記録する。実施例1では、一例として、乗員保護補助装置の作動に関して予め規定された記録期間T1は、予め規定された閾値Th1(PCS作動閾値)よりも長く、乗員保護補助装置の作動に関して予め規定された車両情報は、前方レーダーセンサ81−1の検知データ、車速データ及び加速度データである。この場合、データ記録処理部103は、第2指令値生成部108からの書き込み要求に応答して、前方レーダーセンサ81−1の検知データ及び車速データ等の各種車両情報を取得し、記録期間T1内の複数時点の同車両情報を、車両挙動データとして第1記憶部110に記録(保護)する。
尚、図5に示す例では、情報記録ECU7は、第2指令値生成部108及び第2書き込み要求発生部109を備えている。このため、第2指令値生成部108が生成する指令が、書き込み対象の車両情報(車両挙動データ)を形成する場合は、第2指令値生成部108は「車両情報生成部」を実現できる。
次に、図14を参照して、サーバー3の機能について説明する。尚、サーバー3のハードウェア構成については図示を省略する。サーバー3の基本的なアーキテクチャ(構成)は、図2に示した情報記録ECU7の構成に対して、実質的に同一であり、処理能力及び記憶容量が強化されている点が異なる。
図14は、サーバー3の機能ブロック図である。
サーバー3は、第1送信信号受信部301と、判定処理部302と、アップロード要求部303と、車両挙動データ受信部304と、第2記憶部308と、車両挙動データ蓄積部309と、車両基本情報記憶部310とを含む。各部301乃至304は、CPUが、ROMに記憶された1つ以上のプログラムを実行することでそれぞれ実現できる。第2記憶部308は、サーバー3の記憶部であり、補助記憶装置(例えばEEPROMやHDD)により実現できる。車両挙動データ蓄積部309及び車両基本情報記憶部310は、補助記憶装置(例えばHDD)により実現できる。
第1送信信号受信部301は、情報記録ECU7(第1送信信号送信処理部104)から送信される第1送信信号を受信する。具体的には、第1送信信号受信部301は、第1送信信号(図11)を受信する。第1送信信号受信部301により受信された第1送信信号に含まれる特定の情報は、車両挙動データ蓄積部309に記憶される。実施例1では、特定の情報は、車両挙動の検出日時及び検出場所を表す情報であり、以下、単に「車両挙動検出日時/場所情報」と称する。
判定処理部302は、判定用情報取得部3020と、判定部3024とを含む。
判定用情報取得部3020は、判定用情報を取得する。判定用情報は、情報取得条件の成否を判定する際に用いる情報である。実施例1では、判定用情報は、第1情報を含むものとする。また、実施例1では、判定用情報は、第1情報に加えて、第2情報を選択的に含む場合も想定する。第1情報は、上述した通りである。第2情報は後述する。
判定用情報取得部3020は、第1情報取得部3021と、第2情報取得部3022とを含む。
第1情報取得部3021は、第1情報を取得する。実施例1では、第1情報取得部3021は、第1送信信号受信部301が受信した第1送信信号から、第1情報を取得する。従って、実施例1では、第1情報取得部3021が取得する第1情報は、第1情報取得部1041が取得する第1情報と同じである。
第2情報取得部3022は、第2情報を取得する。第2情報取得部3022は、第2情報が判定用情報に含まれる場合に、第2情報を取得する。第2情報は、車両挙動に影響する車両の構成に関する情報を含む。"車両挙動に影響する車両の構成"とは、車両挙動の有無に影響する車両の構成、車両挙動の頻度に影響する車両の構成、車両挙動の態様に影響する車両の構成等を含む概念である。
車両挙動に影響する車両の構成に関する情報は、例えば、同車両の車名ないし車種名、同車両の装備ないし仕様(例えば、ブレーキ構成、パワートレーン構成、制御仕様など)、同車両の車型(SUV、セダン、ミニバン、スポーツ、クーペ、軽自動車等)、同車両のサイズ、同車両の重量、同車両の車高、同車両の重心位置等を表す情報である。例えば、装備ないし仕様は、基本的に車両挙動に影響する。重量、車高及び重心位置は、検出対象の種類の車両挙動に依存するが、検出対象の種類の車両挙動に影響する場合がある。例えば、検出対象の種類の車両挙動が"車両がロールオーバーに至る直前でロールオーバーせずに中立状態に戻ること(以下、単に「ロールオーバー直前挙動」と称する)"の場合、かかる車両挙動には、車両の車高や重心位置が影響している。また、例えば、主にSUVなどの特定の車型に特有の装備が、特定の種類の車両挙動に影響しているときは、車型を表す情報は、車両挙動に影響する車両の構成に関する情報となる。車両の車名ないし車種名は、車両の装備、車型、重量等を特定できる情報であり、車両挙動に影響する車両の構成に関する情報となる。尚、車載装置2が搭載される対象の車両の車名が1つだけであるとき、車両の製造時期、仕向け先、メーカーオプションの内容、バージョン名、パッケージ名等を表す情報は、車両挙動に影響する車両の構成を特定できる情報である。他方、車載装置2が搭載される対象の車両の車名が2つ以上あるとき、車両の製造時期等を表す情報は、例えば車名を表す情報に対する補助情報、即ち、車両の構成を更に詳細に(精度良く)特定するための補助情報として、用いることができる。第2情報取得部3022は、第2情報を、後述する車両基本情報記憶部310から取得できる。
判定部3024は、第1送信信号受信部301が第1送信信号を受信した場合に、情報取得条件を第2記憶部308から読み出し、判定用情報取得部3020が取得した判定用情報に基づいて、情報取得条件の成否を判定する。
情報取得条件は、複数の車両挙動のうちから、その車両挙動データをサーバー3にアップロードする車両挙動を選別する機能を有する。
情報取得条件は、判定用情報に基づいて判定されるように予め規定される。換言すると、判定用情報は、情報取得条件に依存して決まる。例えば、情報取得条件が第1情報及び第2情報に基づいて判定されるように予め規定される場合は、判定用情報は、第1情報及び第2情報を含む。他方、情報取得条件が第1情報及び第2情報のうちの第1情報のみに基づいて判定されるように予め規定される場合は、判定用情報は、第1情報及び第2情報のうちの第1情報のみを含む。実施例1では、情報取得条件は、第1情報及び第2情報のうちの、少なくとも第1情報に基づいて判定されるように予め規定されるものとする。即ち、情報取得条件は、車両挙動の検出時に関する情報、及び車両挙動の種類に関する情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて判定されるように予め規定されるものとする。
尚、車両挙動の検出時に関する情報、及び車両挙動の種類に関する情報は、例えば、上述した第1項目〜第4項目を表す情報である。従って、情報取得条件が、車両挙動の検出時に関する情報に基づいて判定されるように予め規定される場合、同情報取得条件は、車両挙動の検出時の車両の周辺環境(第1項目)及び車両挙動の検出時の車両の状態(第2項目)、のうちの1つ以上の項目に関連付けて予め規定されることになる。また、情報取得条件が、車両挙動の種類に関する情報に基づいて判定されるように予め規定される場合、同情報取得条件は、車両挙動の種類(第3項目)及び車両挙動と同一種類の車両挙動の過去の検出状況(第4項目)のうちの1つ以上の項目に関連付けて予め規定されることになる。情報取得条件の具体例は後述する。
判定処理部302は、情報取得条件が成立したと判定した場合は、情報取得条件成立フラグを"1"にセットする。情報取得条件成立フラグの初期値は、"0"である。他方、判定処理部302は、情報取得条件が成立しないと判定した場合は、情報取得条件成立フラグを"0"に維持する。
アップロード要求部303は、情報取得条件が成立したと判定処理部302が判定した場合(情報取得条件成立フラグが"1"である場合)に、アップロード要求を情報記録ECU7に送信する。アップロード要求は、アップロード要求対象の車両挙動データ(どの第1送信信号に係る車両挙動データに対するアップロード要求であるか)を情報記録ECU7が特定できるように生成される。例えば、第1記憶部110における車両挙動データの記憶領域を指定する情報が含まれる(図12参照)。尚、アップロード要求部303は、アップロード要求対象の車両挙動データの記憶領域を、例えば、第1送信信号に含まれる記録領域情報に基づいて特定できる(図11)。
車両挙動データ受信部304は、情報記録ECU7(アップロード実行部107)から送信される車両挙動データを受信する。車両挙動データ受信部304は、受信した車両挙動データを車両挙動データ蓄積部309に記憶する。このとき、車両挙動データ受信部304は、受信した車両挙動データを、第1送信信号受信部301が受信した第1送信信号に含まれる車両挙動検出日時/場所情報と共に、車両挙動データ蓄積部309に記憶する。尚、車両挙動データと第1送信信号に含まれる車両挙動検出日時/場所情報との紐付けは、上述のように、第1送信信号及びアップロードデータに共通に含まれる情報(車両ID、記録領域情報及び成立回数情報)に基づいて実現できる。
第2記憶部308は、情報取得条件を記憶する。情報取得条件は、例えば、同情報取得条件を規定するプログラムの形態で、第2記憶部308に記憶できる。
車両挙動データ蓄積部309には、車両挙動データ受信部304が受信した車両挙動データが蓄積される。例えば、車両挙動データは、図15に示すように、車両ID、車両挙動検出日時/場所情報等と共に蓄積される。図15に示す例では、車両挙動データは、個々の車両挙動ごとにID(データID)が付与されている。尚、図15において、"**"は、何らかの情報が入っていることを表す。また、図15に示すような車両挙動データの蓄積データは、車両挙動の種類毎に存在する。
車両基本情報記憶部310には、例えば図16に示すように、車両に関する各種情報(以下、「車両基本情報」と称する)が記憶される。車両基本情報は、例えば、車両のデータ記録仕様(車両挙動データの記録機能に関する世代情報、車両挙動データの変換方法など)、車両のその他の仕様(車両の構成に関する仕様)、車両の仕向け先、車両の修理/事故履歴、車両のラインオフ時期、車名、車型、車両の販売店、車両のオーナの変遷、車両の主たるユーザ等に関する。また、車両のその他の仕様(車両の構成に関する仕様)は、例えば、メーカーオプションの内容、ディーゼルエンジンなどのエンジンの種類や排気量、トランスミッションの種類、ハイブリット車か否か、電気自動車か否か等である。また、車両基本情報は、車両の乗員を表す情報を含んでよい。車両の乗員を表す情報は、例えば、家族構成、運転技能、運転経歴・特性(優良等)、車両の普段の利用地域、車庫の位置(住所)、運転の癖(例えば、アクセルペダルとブレーキペダルの双方を同時に踏みやすいなど)、運転の好み(例えば、エコ運転を好む、スポーツモードを好む等)を表す情報を含んでよい。これらの各種項目に係る情報は、動的に変化する情報でないため、例えば初回の車載装置2との通信時に、サーバー3は、上述したアップロード要求と同じ要領で、同情報を車載装置2に要求する。この要求を受けて、車載装置2は、同情報を読み出して、サーバー3にアップロードする。そして、サーバー3は、車載装置2からアップロードされた同情報を、車両IDと紐付けて車両基本情報記憶部310内に蓄積する。或いは、車両基本情報記憶部310内の情報は、車両のユーザ又はディーラー若しくはメーカーから別のルート(車載装置2からのアップロードとは別の方法)で入手可能な情報に基づいて、生成又は追加されてもよい。また、車両基本情報記憶部310内の各種項目に係る情報は、定期的に適宜更新される。尚、図16に示す例では、車両基本情報は、データ記録仕様、車両仕様及び販売店を表す情報が含まれている。尚、図16において、"**"は、何らかの情報が入っていることを表す。
次に、図17を参照して、情報収集システム1における動作例について説明する。
図17は、情報記録ECU7及びサーバー3における処理の関係を示す概略フローチャートである。
図17において、ラインL1及びL2は、時間軸であり、情報記録ECU7及びサーバー3からそれぞれ下方向に延在する。下方向が時間の進み方向に対応する。ラインL1及びL2における途中の省略マークは、一連の処理の時間的な区切りを示す。尚、一連の処理は、必ずしも略同時に実行される必要はない。例えば、ステップS510の処理のタイミングとステップS511の処理のタイミングとの間には、有意な時間差があってもよい。また、ラインL1及びL2で表す時間軸は、それぞれの時間軸上の処理順を示す程度の概略的なものであり、例えばラインL1及びL2における"エンド"が時間軸上の同じ位置に図示されているが、これは、情報記録ECU7及びサーバー3における各処理が同時に終了することを意味するものではない。また、ラインL2上においてステップS606で"NO"となった場合と、ステップS612の処理を経た場合とで、同じ"エンド"に向かうが、これらの"エンド"が同時であることを意味しない。即ち、ステップS606で"NO"となった場合は、直ちに終了し、ステップS606で"YES"となった場合は、ステップS612の処理が終了したときに終了する(これは、後述の同様の図32及び図36についても同様である)。
図17に示す例では、まず、車載装置2の情報記録ECU7の車両挙動検出部101が、検出対象の種類の車両挙動を検出する(ステップS502)。車両挙動検出部101が、車両挙動を検出すると、情報記録ECU7のデータ記録処理部103がデータ記録(書き込み)処理を行う(ステップS504)。また、車両挙動検出部101が、車両挙動を検出すると、情報記録ECU7の第1送信信号送信処理部104の第1情報取得部1041が第1情報を取得し(ステップS506)、第1送信信号送信処理部104の第1送信信号送信部1042が第1送信信号をサーバー3に送信する(ステップS508)。このようにして送信された第1送信信号は、サーバー3の第1送信信号受信部301により受信される(ステップS602)。
サーバー3の第1送信信号受信部301が第1送信信号を受信すると(ステップS602)、サーバー3の判定処理部302が、情報取得条件を第2記憶部308から読み出し、判定用情報取得部3020が取得した判定用情報に基づいて情報取得条件の成否の判定処理を行う(ステップS604)。情報取得条件の成否の判定処理の例は後述する。情報取得条件の成否の判定処理の結果、情報取得条件成立フラグが"1"である場合(ステップS606のYES)、アップロード要求部303がアップロード要求を情報記録ECU7に送信する(ステップS608)。このようにして送信されたアップロード要求は、情報記録ECU7のアップロード要求受信部106により受信される(ステップS510)。他方、情報取得条件の成否の判定処理の結果、情報取得条件成立フラグが"1"でない場合(ステップS606のNO)、アップロード要求部303はアップロード要求を情報記録ECU7に送信しない。この場合、サーバー3は、今回受信した第1送信信号に係る処理を終了し、新たな第1送信信号の受信待ち状態となる。即ち、この場合、アップロード要求部303は、今回受信した第1送信信号に係る車両挙動データのアップロード要求を行わないので、同車両挙動データが車両挙動データ蓄積部309に蓄積されることはない。
情報記録ECU7のアップロード要求受信部106がアップロード要求を受信すると(ステップS510)、アップロード実行部107は、第1記憶部110から車両挙動データを読み出し(ステップS511)、読み出した車両挙動データをサーバー3に送信する(ステップS512)。このようにして車両挙動データがサーバー3にアップロードされる。
サーバー3の車両挙動データ受信部304が車両挙動データを受信すると(ステップS610)、車両挙動データ受信部304が、車両挙動データを車両挙動データ蓄積部309に記憶(蓄積)する(ステップS612)。
以上の図1乃至図17に示す実施例1によれば、以下のように効果が奏される。
実施例1によれば、上述のように、車両挙動検出部101が検出対象の種類の車両挙動を検出したときに、必ずその車両挙動データがサーバーにアップロードされるのではなく、先ず、第1送信信号がサーバーに送信される。そして、サーバー3において、情報取得条件の成否が判定され、判定処理部302により情報取得条件が成立したと判定された場合に、車両挙動データがサーバー3にアップロードされる。従って、実施例1によれば、情報取得条件が満たされた場合に車両挙動データがサーバー3にアップロードされるので、車両挙動の検出時に必ずその車両挙動データをサーバー3へアップロードする構成に比べて、情報収集システム1全体としての通信負荷の低減を図ることができる。例えば、実施例1によれば、情報取得条件を成立させない第1送信信号が取得された車両挙動に関しては、第1送信信号だけがサーバーに送信され、車両挙動データがサーバーにアップロードされることがないので、同車両挙動に関して第1送信信号及び車両挙動データの双方がサーバーにアップロードされる場合に比べて、通信負荷を低減できる。
また、実施例1によれば、情報取得条件は、車両挙動の検出時に関する情報、及び車両挙動の種類に関する情報のうちの少なくともいずれか1つを含む判定用情報、又は、車両挙動に影響する車両の構成に関する情報を更に含む判定用情報、に基づいて判定されるように予め規定される。
ここで、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動の検出時の車両の周辺環境に依存することが多い。例えば、車両挙動が"ABSの作動"の場合、雨天時のABSの作動は、想定される通常の作動であるため、そのときの車両挙動データが有用とならない場合があり得る。他方、晴天時のABSの作動の場合、事故回避のための緊急制動に伴うABSの作動の可能性が高く、そのときの車両挙動データが有用となり得る。
また、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動の検出時の車両の状態に依存することが多い。例えば、車両挙動が"PCSの警報の作動"の場合、運転者が脇見や居眠りしていない状態の車両挙動データの方が、運転者が脇見や居眠りしている状態の車両挙動データよりも、有用となり得る。これは、運転者が脇見や居眠りしている状態でのPCSの警報の作動は、想定される通常の作動であるためである。
また、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動の種類に依存することが多い。ある種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用となるが、他の種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用とならない場合があり得るためである。例えば、ある種類の車両挙動が"PCSの作動"である場合、他の種類の車両挙動"急制動"よりも検出される頻度が有意に低い。このため、"PCSの作動"は、どのような環境下で検出された場合でもその車両挙動データが解析に有用となり得る。他方、"急制動"に係る車両挙動データについては、"PCSの作動"や"緊急制動"に関する車両挙動データを取得できるのであれば、"急制動"に関する車両挙動データは有用でなくなる場合もあり得る。
また、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動の同一種類の車両挙動の過去の検出状況に依存することが多い。車両挙動が"ABSの作動"の場合、比較的高頻度で検出されるため、想定される検出回数よりも多く検出されている場合や、想定される検出頻度よりも高い頻度で検出されている場合だけ、車両挙動データが解析に有用となる場合があり得るためである。
更に、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動をもたらす車両の構成に依存することが多い。例えば、車両挙動が"ロールオーバー直前挙動"の場合、その車両挙動データの有用性は、車両の構成(例えば、車高が比較的高いSUVであるか、車高が通常のセダンであるか等)によって、異なる場合がある。また、例えば、車両挙動が"PCSの作動"の場合、PCSの作動に係る車両挙動データの有用性は、車両の仕様(例えば、前方監視するセンサが、レーダセンサのみか、画像センサのみか、或いは、それらの組み合わせか)によって、異なる場合があり得る。
この点、実施例1によれば、情報取得条件は、上述のような判定用情報に基づいて判定されるように予め規定されるので、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が高くなり、車両挙動の解析効率を高めることができる。
また、実施例1によれば、情報取得条件は、サーバー3の第2記憶部308に記憶される。従って、実施例1によれば、情報取得条件をサーバーで一元的に管理できるので、同情報取得条件が車両毎に付与される場合に比べて、情報取得条件の事後的な変更にも機動的に対応できる。例えば、ある車両挙動についてその車両挙動データが常に解析に有用と考えられていた車両挙動であっても、事後的に、特定の環境下で検出されたときだけ解析に有用であると考え直される場合もあり得る。或いは逆に、ある車両挙動についてその車両挙動データが常に解析に不要と考えられていた車両挙動であっても、事後的に、特定の環境下で検出されたときだけ解析に有用であると考え直される場合もあり得る。かかる場合には、サーバー3の第2記憶部308に記憶された情報取得条件(例えば同情報取得条件を規定したプログラム)を書き換えるだけで、かかる事後的な見直しに対応できる。
また、実施例1によれば、判定用情報は、第1情報を含み、第1情報は、車両挙動の検出時に関する情報、及び車両挙動の種類に関する情報のうちの少なくともいずれか1つを含む。第1情報は、車両の走行中又は車両の起動毎に変化する可能性がある情報である。従って、サーバー3は、車両以外の情報源から、かかる情報を取得するのは困難である。この点、実施例1によれば、サーバー3の判定用情報取得部3020は、第1送信信号から、判定用情報に含まれる第1情報を取得できる。従って、かかる第1情報をサーバー3が車載装置2から取得することで、サーバー3は、比較的高い精度の第1情報に基づいて情報取得条件の成否を判定できる。この結果、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が更に高くなり、車両挙動の解析効率を更に高めることができる。
また、実施例1によれば、車両挙動データ蓄積部309に、第1送信信号に含まれる車両挙動検出日時/場所情報が車両挙動データと紐付して蓄積されるので、車両挙動データを解析する際に、車両挙動検出日時/場所情報を有効に用いることができ、車両挙動の解析効率を更に高めることができる。例えば、車両挙動(例えばPCSの作動)に車両の周辺環境がどのように影響したか、又は、どのような車両の周辺環境が特定の車両挙動を誘発させやすいかなど、多面的な解析が可能となる。
次に、情報取得条件の幾つかの例について、判定処理部302による判定方法の例と併せて説明する。
以下の情報取得条件の幾つかの例では、特に言及しない限り、情報取得条件は、(1)車両挙動の検出時の車両の周辺環境(第1項目)、(2)車両挙動の検出時の車両の状態(第2項目)、(3)車両挙動の種類(第3項目)、及び(4)車両挙動と同一種類の車両挙動の過去の検出状況(第4項目)、のうちの1つ以上の項目に関連付けて予め規定されるものとする。
この場合、第1送信信号が、第1項目〜第4項目のうちのいずれの項目を表す情報を含むべきかは、情報取得条件が第1項目〜第4項目のうちのどの項目に関連付けられているかに依存する。即ち、第1送信信号は、情報取得条件が関連付けられた項目を表す情報を少なくとも含めばよい。例えば、情報取得条件が第1項目〜第4項目のうちの第1項目に関連付けられる場合は、第1送信信号は、第1項目情報を少なくとも含めばよい。また、情報取得条件が第1項目〜第4項目のうちの第1項目及び第4項目に関連付けられる場合は、第1送信信号は、第1項目情報及び第4項目情報を少なくとも含めばよい。
[情報取得条件の第1例]
図18は、情報取得条件の第1例の説明図である。
情報取得条件は、第1項目〜第4項目のいずれかに係る各種条件の"AND"、"OR"等の論理条件として予め規定される。図18に示す例では、情報取得条件は、(1)条件A0が満たされた場合、(2)条件A1が満たされた場合、(3)条件A2且つ条件A3が満たされた場合、(4)条件A4〜A6が全て満たされた場合等に、満たされる。このとき、例えば、条件A0は、例えば車両挙動の種類が特定の種類であること、といったように、第3項目に関連付けて予め規定される。条件A1は、車両挙動の検出時の運転者が高齢者であること、といったように、第2項目に関連付けて予め規定される。また、条件A2は、周辺環境が高速道路以外であること、といったように、第1項目に関連付けて予め規定され、条件A3は、条件A1と同様、第2項目に関連付けて予め規定される。また、条件A4は、条件A0と同様、第3項目に関連付けて予め規定される。条件A5は、条件A2と同様、第1項目に関連付けて予め規定される。また、条件A6は、過去の検出回数が予め規定された閾値以上であること、といったように、第4項目に関連付けて予め規定される。
このように情報取得条件は、検出対象の種類の車両挙動の特性を考慮しつつ、第1項目〜第4項目の係る各種条件の"AND"、"OR"等の論理条件として予め規定できるので、情報取得条件の規定の自由度が高くなる。この結果、解析者が解析に有用と考える車両挙動データをサーバー3が取得できる可能性が高くなる。
尚、図18に示す例では、情報取得条件は、第1項目〜第4項目のいずれかに係る各種条件の"AND"、"OR"等の論理条件として予め規定されるが、追加的に他の項目に係る条件を加えた論理条件として予め規定されてもよい。かかる他の項目は、例えば、車両の販売店のような項目であり、車両基本情報記憶部310に記憶された車両基本情報に係る各種項目(上述済み)を用いることができる。
[情報取得条件の第2例〜第5例]
次に、情報取得条件の他の例(第2例〜第5例)について説明する。
以下の第2例〜第5例では、一例として、情報取得条件は、周辺環境(第1項目)に関連付けて予め規定される条件(以下、「第1取得条件」と称する)(所定の取得条件の一例)、及び車両挙動の種類(第3項目)にのみ関連付けて予め規定される条件(以下、「第2取得条件」と称する)の少なくともいずれか一方を含むものとする。
また、以下の第2例〜第5例では、一例として、第1取得条件、及び第2取得条件は、情報取得条件を満たすために満たされるべき条件を表す。例えば、それが満たされるだけで情報取得条件が満たされなくなる条件(即ち、いわゆる禁止条件)は、その"裏"で規定されているものとする。例えば、周辺環境が雨天である場合に情報取得条件が満たされなくなるとき、第1取得条件は、"周辺環境が雨天でないこと"となる。
ここで、検出対象の車両挙動が1種類だけであるとき、情報取得条件は、第2取得条件を含まない。但し、検出対象の車両挙動が2種類以上であるときでも、例えばこれらの各種の車両挙動が同様の特性を有する場合など、情報取得条件が第2取得条件を含まない場合もあり得る。また、検出対象の車両挙動が2種類以上であるとき、第1取得条件は、検出対象の車両挙動の種類毎に設けられる。但し、検出対象の車両挙動が2種類以上であるとき、例えばこれらの各種の車両挙動が同様の特性を有する場合など、第1取得条件は、車両挙動の種類毎に同じ態様で予め規定される場合はあり得る。
また、検出対象の車両挙動が2種類以上であるとき、情報取得条件は、第1取得条件を含まない場合もあり得る。また、検出対象の車両挙動が2種類以上であるとき、情報取得条件は、第1取得条件と第2取得条件の双方を含む場合もあり得る。この場合、例えば、第2取得条件を満たさない種類の車両挙動に対して、第1取得条件が種類毎に設定される(図25参照)。
ここでは、情報取得条件は、第1項目及び第3項目のうちの少なくともいずれか一方に関連付けて予め規定されることを想定するので、第1送信信号は、第1項目情報及び第3項目情報のうちの第1項目情報のみを含む第1パターンと、第1項目情報及び第3項目情報のうちの第3項目情報のみを含む第2パターンと、第1項目情報及び第3項目情報の双方を含む第3パターンの3通りの第3パターンとが想定される。いずれのパターンが用いられるかは、情報取得条件に依存する。
例えば、情報取得条件が、第1取得条件及び第2取得条件のうちの第1取得条件のみを含む場合、第1パターンが用いられる。また、情報取得条件が、第1取得条件及び第2取得条件のうちの第2取得条件のみを含む場合、第2パターンが用いられる。但し、これらの場合でも、第2記憶部308に記憶される情報取得条件の事後的な変更の自由度を高めるために、第3パターンを用いる方が望ましい。また、情報取得条件が、第1取得条件及び第2取得条件の双方を含む場合、第3パターンが用いられる。
[情報取得条件の第2例]
図19は、情報取得条件が第1取得条件を含むときの例を示す図である。図19において、印○は、情報取得条件が成立することを表す(以下の図21等においても同様)。図19に示す情報取得条件は、第1取得条件が成立した場合に成立する。また、図19に示す例では、第1取得条件は、周辺環境が特定の季節Aであるときや、周辺環境が特定の場所Bであるときに、満たされることを表す。尚、場所Bとは、ある範囲を持つ地域を表す。
図19に示す第1取得条件は、検出対象の車両挙動が1種類だけである場合や、検出対象の車両挙動が2種類以上あるが、全てが同様の性質の車両挙動である場合等、好適となる。
図20は、図19に示す情報取得条件を用いるときの判定処理部302の処理の例を示すフローチャートである。即ち、図20は、図17のステップS604の処理として実行される処理の例を示す。
尚、図19に示す情報取得条件は、第1取得条件を含むので、以下の図20の説明では、前提として、第1送信信号は、第1項目情報及び第3項目情報のうちの第1項目情報のみを含む第1パターン、又は、第1項目情報及び第3項目情報の双方を含む第3パターンのいずれかであるとする。
また、図19に示す第1取得条件は、車両挙動の検出日時(季節)及び検出場所のそれぞれに関して規定されているので、以下の図20の説明では、第1項目情報は、車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報の双方を含み、それ以外は含まないものとする。即ち、以下の図20の説明では、第1項目情報は、車両挙動の検出日時及び検出場所における天気情報のような、車両挙動の検出時の車両の周辺環境を直接的に表す他の情報を含まないこととする。かかる場合は、第1項目情報の情報量が少なくなる点、第1情報取得部1041の処理負荷が低減される点、及び車載電子機器群8に含まれるべき各種検出・計測装置81の種類の制約が小さくなる点(例えば、車載電子機器群8が少なくともGPS受信機を備えればよい点)、で有利となる。
ステップS900では、判定処理部302の判定用情報取得部3020の第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1項目情報(車両挙動の検出時の車両の周辺環境を表す情報)を取得する。即ち、第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1情報を取得する。
ステップS902では、判定処理部302の判定部3024は、ステップS900で取得した第1情報が表す周辺環境に基づいて、図19に示す情報取得条件(第1取得条件)の成否を判定する。具体的には、判定処理部302は、ステップS900で取得した第1情報が表す周辺環境が特定の季節A又は特定の場所Bであるとき、第1取得条件が成立したと判定する。この場合、ステップS904に進む。他方、判定処理部302は、ステップS900で取得した第1情報が表す周辺環境が特定の季節A及び特定の場所Bのいずれでもないとき、第1取得条件が成立しないと判定する。この場合、ステップS906に進む。
ステップS904では、判定処理部302の判定部3024は、情報取得条件成立フラグを"1"にセットして処理を終了する。
ステップS906では、判定処理部302の判定部3024は、情報取得条件成立フラグを"0"にセット(維持)して処理を終了する。
ところで、上述のように、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動の検出時の車両の周辺環境に依存することが多い。従って、情報取得条件の第2例によれば、解析者が解析に有用と考える周辺環境下で検出された車両挙動に関する車両挙動データをサーバー3が取得できる可能性が高くなる。
尚、図19及び図20に示す例では、第1取得条件は、周辺環境が特定の季節Aであるとき、又は、周辺環境が特定の場所Bであるときに、満たされるが、これに限られない。例えば、第1取得条件は、周辺環境が特定の季節Aであり、且つ、周辺環境が特定の場所Bであるときに、満たされてもよい。
また、図19及び図20に示す例では、上述のように簡易な情報取得条件を実現しているが、情報取得条件は、図18を参照して上述したように、他の条件を含んでもよい。かかる場合、例えば、ステップS902の判定結果が"YES"である場合に、当該他の条件の成否が判定される。
[情報取得条件の第3例]
図21は、情報取得条件が第1取得条件を含むときの他の例を示す図である。
図21に示す例では、第1取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられる。図21に情報取得条件は、車両挙動の種類に対応する第2取得条件が成立した場合には成立する。図21に示す例では、車両挙動の種類"車両挙動種類A"に対応する第1取得条件は、"日時条件A(例えば、冬以外であること)"である。また、車両挙動の種類"車両挙動種類B"に対応する第1取得条件は、"場所条件A(例えば、山岳地域でないこと)"である。同様に、車両挙動の種類"車両挙動種類C"に対応する第1取得条件は、"場所条件B(例えば、郊外地域であること)"である。
図21に示す第1取得条件は、検出対象の車両挙動が2種類以上あり、異なる性質の車両挙動の種類が存在する場合等において、好適となる。
図22は、図21に示す情報取得条件を用いるときの判定処理部302の処理の例を示すフローチャートである。即ち、図22は、図17のステップS604の処理として実行される処理の他の例を示す。
尚、図21に示す情報取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられた第1取得条件を含むので、以下の図22の説明では、前提として、第1送信信号は、第1項目情報及び第3項目情報の双方を含む第3パターンであるとする。また、図21に示す第1取得条件は、車両挙動の検出日時及び検出場所のそれぞれに関して規定されているので、以下の図22の説明では、第1項目情報は、車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報の双方を含み、それ以外は含まないものとする。
ステップS1100では、判定処理部302の判定用情報取得部3020の第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1項目情報(車両挙動の検出時の車両の周辺環境を表す情報)を取得する。即ち、第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1情報を取得する。
ステップS1102では、判定処理部302の判定用情報取得部3020の第1情報取得部3021は、第1送信信号から第3項目情報(車両挙動の種類を表す情報)を取得する。即ち、第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1情報を取得する。
ステップS1104では、判定処理部302の判定部3024は、ステップS1100で判定用情報取得部3020が取得した周辺環境を表す情報(第1情報)と、ステップS1102で判定用情報取得部3020が取得した車両挙動の種類を表す情報(第1情報)とに基づいて、図21に示す情報取得条件のうちの、車両挙動の種類に対応する第1取得条件の成否を判定する。具体的には、判定処理部302の判定部3024は、ステップS1102で取得した第1情報が表す車両挙動の種類に対応する第1取得条件の成否を、ステップS1100で取得した第1情報が表す周辺環境に基づいて判定する。第1取得条件が成立したと判定した場合は、ステップS1106に進み、それ以外の場合は、ステップS1108に進む。
ステップS1106では、判定処理部302の判定部3024は、情報取得条件成立フラグを"1"にセットして処理を終了する。
ステップS1108では、判定処理部302の判定部3024は、情報取得条件成立フラグを"0"にセット(維持)して処理を終了する。
ところで、上述のように、どのような周辺環境下で検出した場合にその車両挙動データが解析に有用になるかは、車両挙動の種類に依存する場合が多い。これは、車両挙動の性質(特性)は、その種類に応じて異なるためである。この点、情報取得条件の第3例によれば、第1取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられるので、検出対象の車両挙動の種類が多様化した場合でも、車両挙動の種類毎に、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバー3が取得できる可能性が高くなる。
尚、図21及び図22に示す例では、上述のように簡易な情報取得条件を実現しているが、情報取得条件は、図18を参照して上述したように、他の条件(例えば、タイヤ空気圧の検出値が予め規定された閾値以上であること)を含んでもよい。かかる場合、例えば、ステップS1104の判定結果が"YES"である場合に、当該他の条件の成否が判定される。
[情報取得条件の第4例]
図23は、情報取得条件が第2取得条件を含むときの例を示す図である。図23に示す情報取得条件は、第2取得条件が成立した場合に成立する。図23に示す例では、第2取得条件は、車両挙動の種類が特定の車両挙動種類A、車両挙動種類B又は車両挙動種類Cであるときに、満たされることを表す。図23に示す第2取得条件は、検出対象の車両挙動が3種類以上あることが前提となる。
図24は、図23に示す情報取得条件を用いるときの判定処理部302の処理の例を示すフローチャートである。即ち、図24は、図17のステップS604の処理として実行される処理の他の例を示す。
尚、図23に示す情報取得条件は、第2取得条件を含むので、以下の図23の説明では、前提として、第1送信信号は、第1項目情報及び第3項目情報のうちの第3項目情報のみを含む第2パターン、又は、第1項目情報及び第3項目情報の双方を含む第3パターンのいずれかであるとする。
ステップS1300では、判定処理部302の判定用情報取得部3020の第1情報取得部3021は、第1送信信号から第3項目情報(車両挙動の種類を表す情報)を取得する。即ち、第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1情報を取得する。
ステップS1302では、判定処理部302の判定部3024は、ステップS1300で取得した第1情報が表す車両挙動の種類に基づいて、図23に示す情報取得条件(第2取得条件)の成否を判定する。具体的には、判定処理部302は、ステップS1300で取得した第1情報が表す車両挙動の種類が車両挙動種類A、車両挙動種類B又は車両挙動種類Cであるとき、第2取得条件が成立したと判定する。この場合、ステップS1304に進む。他方、判定処理部302の判定部3024は、ステップS1300で取得した第1情報が表す車両挙動の種類が車両挙動種類A、車両挙動種類B及び車両挙動種類Cのいずれでもないとき、第2取得条件が成立しないと判定する。この場合、ステップS1306に進む。
ステップS1304では、判定処理部302の判定部3024は、情報取得条件成立フラグを"1"にセットして処理を終了する。
ステップS1306では、判定処理部302の判定部3024は、情報取得条件成立フラグを"0"にセット(維持)して処理を終了する。
ところで、上述のように、ある種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用となるが、他の種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用とならない場合があり得る。この点、情報取得条件の第4例によれば、情報取得条件は、第1情報が表す車両挙動の種類が第2取得条件を満たす場合に、成立するので、解析者が解析に有用と考える種類の車両挙動に係る車両挙動データをサーバーが取得できる可能性が高くなる。
尚、図23及び図24に示す例では、上述のように簡易な情報取得条件を実現しているが、情報取得条件は、図18を参照して上述したように、他の条件を含んでもよい。かかる場合、例えば、ステップS1302の判定結果が"YES"である場合に、当該他の条件の成否が判定される。
例えば、他の条件としては、上述した第4項目に関連付けられた取得条件であることができる。例えば、第4項目に関連付けられた取得条件は、「同種類の車両挙動の過去の検出回数が予め規定された閾値以上であること」である。この場合、判定用情報取得部3020の第1情報取得部3021は、ステップS1300で取得した判定用情報が表す種類の車両挙動の過去の検出回数を表す情報(第1情報)を取得し、判定処理部302は、該第1情報が表す検出回数が予め規定された閾値以上であるか否かを判定する。判定用情報取得部3020は、ステップS1300で取得した第1情報が表す種類の車両挙動の過去の検出回数を表す情報(第1情報)を、第1送信信号(即ち、第1送信信号に含まれる成立回数情報)から取得できる。かかる他の条件は、その種類の車両挙動が比較的多く検出されたときだけ同種類の車両挙動データが解析に有用となる場合に好適となる。
例えば、他の条件は、例えば車両挙動種類Aが"PCSの作動"であるとき、「前方監視するセンサが、レーダセンサと画像センサとの組み合わせであること」である。この場合、判定用情報取得部3020の第2情報取得部3022は、車両の仕様を表す情報(第2情報)を車両基本情報記憶部310から取得し、判定処理部302は、該第2情報が表す仕様に基づいて、前方監視に用いられるセンサが、レーダセンサと画像センサとの組み合わせであるか否かを判定する。かかる他の条件は、その種類の車両挙動が、特定の車両構成における車両で検出されたときだけ同種類の車両挙動データが解析に有用となる場合に好適となる。
[情報取得条件の第5例]
情報取得条件の第5例は、上述した情報取得条件の第3例と情報取得条件の第4例との組み合わせに対応する。具体的には、情報取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられる第1取得条件と、第2取得条件とを含む。そして、情報取得条件は、第1取得条件又は第2取得条件が成立した場合には成立する。
図25は、情報取得条件の第5例を用いるときの判定処理部302の処理の例を示すフローチャートである。即ち、図25は、図17のステップS604の処理として実行される処理の他の例を示す。
尚、情報取得条件の第5例は、第1取得条件及び第2取得条件を含むので、以下の図25の説明では、前提として、第1送信信号は、第1項目情報及び第3項目情報の双方を含む第3パターンであるとする。以下の図25の説明では、第1項目情報は、車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報の双方を含み、それ以外は含まないものとする。
ステップS1500及びステップS1502の各処理は、図24を参照して説明したステップS1300及びステップS1302の各処理とそれぞれ同一であり、説明を省略する。同様に、ステップS1504及びステップS1512の各処理は、図24を参照して説明したステップS1304及びステップS1306の各処理とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
ステップS1506では、判定処理部302の判定部3024は、ステップS1500で取得した第1情報が表す車両挙動の種類について、第1取得条件が予め規定されているか否かを判定する。判定結果が"YES"の場合は、ステップS1508に進み、それ以外の場合は、ステップS1512に進む。
ステップS1508及びステップS1510の各処理は、図22を参照して説明したステップS1100及びステップS1104の各処理とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
このような情報取得条件の第5例によれば、情報取得条件を規定する際の自由度が高くなる。この結果、検出対象の車両挙動の種類が更に多様化した場合でも、車両挙動の種類毎に、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバー3が取得できる可能性が高くなる。
尚、図25に示す例では、上述のように簡易な情報取得条件を実現しているが、情報取得条件は、図18を参照して上述したように、他の条件(例えば、同種類の車両挙動の過去の検出回数が予め規定された閾値以上であること)を含んでもよい。かかる場合、例えば、ステップS1504の前に、当該他の条件の成否が判定される。
[実施例2]
以下の実施例2は、上述した実施例1に対して、サーバー3がサーバー3Aで置換された点が異なるだけである。以下では、サーバー3Aの構成について主に説明する。
サーバー3Aの基本的なハードウェア構成は、図2に示した情報記録ECU7の構成に対して、実質的に同一であり、処理能力及び記憶容量が強化されている点が異なる。
図26は、サーバー3Aの機能ブロック図である。サーバー3Aは、図14を参照して説明した上述の実施例1のサーバー3に対して、判定処理部302が判定処理部302Aで置換された点が異なる。他の構成は、同一であってよく、図14と同一の参照符号を付して説明を省略する。判定処理部302Aは、CPUが、ROMに記憶された1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
判定処理部302Aは、上述した実施例1に対して、判定用情報取得部3020が、判定用情報取得部3020Aで置換され、且つ、判定部3024が判定部3024Aで置換された点が異なる。判定用情報取得部3020Aは、判定用情報取得部3020に対して、環境情報取得部3023が追加された点が異なる。
実施例2において、情報記録ECU7及びサーバー3Aは、図17に示した処理フローに従って、それぞれの処理を行うが、ステップS604の処理内容だけが後述のように異なる。
実施例2においては、前提として、第1送信信号には第1項目情報が含まれるが、第1項目情報は、車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報の双方を含み、それ以外は含まないものとする。
環境情報取得部3023は、第1情報取得部3021が取得できないようなより詳しい第1情報を取得する。
具体的には、環境情報取得部3023は、第1送信信号に含まれる第1項目情報に基づいて、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における車両の周辺環境を表す環境情報(第1情報の一例)を取得する。環境情報取得部3023が取得する環境情報は、車両挙動の検出日時及び検出場所自体を表す情報ではなく、車両挙動の検出日時及び検出場所以外の、車両の周辺環境を表す情報であることが有用である。環境情報取得部3023は、車載装置2以外から、環境情報を取得する。例えば、環境情報取得部3023は、詳細な天気情報の時系列データ(例えば雲の動きを示す時系列データや、各場所の温度、降雨量、積雪量等の時系列データ)を提供するサーバーや、詳細な地図情報(道路勾配やカーブ曲率、カント、交差点の見通しなど)を提供するサーバー、信号機の点灯状態の時系列データを提供するサーバー、交通量の時系列データを提供するサーバー等から、環境情報を取得する。環境情報取得部3023が取得した環境情報は、後述のように、第1取得条件の成否の判定に有効に利用できる。
判定部3024Aは、判定用情報取得部3020Aが取得した判定用情報に基づいて、情報取得条件の成否を判定する。判定用情報取得部3020Aが取得した判定用情報は、環境情報取得部3023が取得した環境情報を含む。ここで、環境情報取得部3023は、第1送信信号に含まれる第1項目情報には含まれない環境情報を取得する。従って、実施例2で用いられる情報取得条件は、第1取得条件について、上述した実施例1で用いられうる第1取得条件よりも、多面的且つ詳細に予め規定することができる。
図27は、実施例2で用いられる情報取得条件の一例を示す図である。
実施例2で用いられる情報取得条件は、少なくとも第1取得条件を含む。図27に示す例では、第1取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられる。また、実施例2で用いられる第1取得条件は、上述した実施例1で用いられうる第1取得条件(図21参照)よりも、多面的且つ詳細に予め規定される。例えば、図27に示す例では、車両挙動の種類"車両挙動種類A"に対応する第1取得条件は、"天気条件A(例えば、車両挙動の検出日時及び検出場所において雨及び雪が降っていないこと)"である。また、車両挙動の種類"車両挙動種類B"に対応する第1取得条件は、"道路勾配条件A(例えば、車両挙動の場所付近の平均の道路勾配が予め規定された閾値以下であること)"である。同様に、車両挙動の種類"車両挙動種類C"に対応する第1取得条件は、"交通量条件B(例えば、車両挙動の検出日時及び検出場所における交通量が予め規定された閾値以下であること)"である。
図28は、図27に示す情報取得条件を用いるときの判定処理部302Aの処理の例を示すフローチャートである。即ち、図28は、図17に示したステップS604の処理の例を示す。
尚、図27に示す情報取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられた第1取得条件を含むので、以下の図28の説明では、前提として、第1送信信号は、第1項目情報及び第3項目情報の双方を含む第3パターンであるとする。また、図27に示す第1取得条件は、車両挙動の検出日時及び検出場所のそれぞれに関する詳細な周辺環境に関して規定されているので、以下の図28の説明では、第1項目情報は、車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報の双方を含むが、それ以外は含まないものとする。
ステップS1800では、判定処理部302Aの判定用情報取得部3020Aの第1情報取得部3021は、第1送信信号から第3項目情報(車両挙動の種類を表す情報)を取得する。即ち、第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1情報を取得する。
ステップS1801では、判定処理部302Aの判定用情報取得部3020Aの第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1項目情報(車両挙動の検出日時及び検出場所を表す情報)を取得する。即ち、第1情報取得部3021は、第1送信信号から第1情報を取得する。
ステップS1802では、判定処理部302Aの判定用情報取得部3020Aの環境情報取得部3023は、第1項目情報及び第3項目情報に基づいて、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における車両の周辺環境を表す環境情報を取得する。例えば、ステップS1800で取得した第3項目情報が表す車両挙動の種類に対応する第1取得条件が、車両挙動の検出日時及び検出場所の双方が影響する周辺環境(例えば、天気や交通量)に関連付けられている場合、環境情報取得部3023は、車両挙動の検出日時及び検出場所の双方における車両の周辺環境を表す環境情報を取得する。他方、ステップS1800で取得した第3項目情報が表す車両挙動の種類に対応する第1取得条件が、車両挙動の検出日時及び検出場所の一方が影響する周辺環境(例えば、道路勾配)に関連付けられている場合、環境情報取得部3023は、車両挙動の検出場所における車両の周辺環境を表す環境情報を取得する。
ステップS1804では、判定処理部302Aの判定部3024Aは、ステップS1802で得た環境情報とに基づいて、図27に示す情報取得条件のうちの、車両挙動の種類に対応する第1取得条件の成否を判定する。具体的には、判定部3024Aは、ステップS1800で取得した第3項目情報が表す車両挙動の種類に対応する第1取得条件の成否を、ステップS1802で得た環境情報に基づいて判定する。第1取得条件が成立したと判定した場合は、ステップS1806に進み、それ以外の場合は、ステップS1808に進む。
ステップS1806及びステップS1808の各処理は、図22を参照して説明したステップS1106及びステップS1108の各処理とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
実施例2によれば、上述した実施例1による効果に加えて、以下のような効果が奏される。実施例2では、サーバー3Aの環境情報取得部3023は、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における車両の周辺環境を表す環境情報を取得する。サーバー3Aは、車載装置2に比べて情報処理能力が高く、情報取得能力も高い。従って、サーバー3Aは、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における車両の周辺環境を、多面的且つ詳細に特定できる。これにより、第1取得条件は、多面的且つ詳細な車両の周辺環境に関連付けて予め規定できる。この結果、解析者が解析に有用と考える特定の車両周辺環境下で車両挙動が検出されたときの車両挙動データをサーバー3Aが取得できる可能性が更に高くなる。
例えば、上述のように、"ABSの作動"を検出対象の車両挙動の1種類としたとき、その車両挙動データが解析に有用となるのは、雨や雪が降っている環境下で検出されたときではなく、例えば晴れている環境下で検出されたときであり得る。この場合、例えば"ABSの作動"に係る第1取得条件として、"天気が雨又は雪以外であること"といった条件とすることで、解析者が解析に有用と考える周辺環境下で検出されたABSの作動に関する車両挙動データをサーバー3Aが取得できる可能性が高くなる。また、同様に、"緊急制動"を検出対象の車両挙動の1種類としたとき、その車両挙動データが解析に有用となるのは、冬で雨が降っている環境であり得る。この場合、例えば緊急制動に係る第1取得条件として、"冬で雨が降っていること"といった条件とすることで、解析者が解析に有用と考える周辺環境下で検出された緊急制動に関する車両挙動データをサーバー3Aが取得できる可能性が高くなる。
尚、実施例2では、車両挙動の検出日時及び検出場所の双方が影響する周辺環境(例えば、天気や交通量)に関連付けられた第1取得条件を含む情報取得条件を想定したので、第1項目情報は、車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報の双方を含むが、これに限られない。例えば、情報取得条件に含まれる第1取得条件に依存して、第1項目情報は、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの一方を表す情報のみを含んでもよい。例えば、"道路勾配が上り勾配であること"という第1取得条件は、第1項目情報が車両挙動の検出日時を表す情報を含まない場合であっても、車両挙動の検出場所における車両の周辺環境を表す環境情報に基づいて判定できる。また、"天気が雨又は雪以外であること"という第1取得条件は、第1項目情報が車両挙動の検出場所を含まない場合であっても、環境情報取得部3023が取得した車両挙動の検出日時の天気(環境情報)が全国的に晴れ又は曇りの天気を表すときは、同第1取得条件が満たされたと判定できる。
尚、上述した実施例2においては、図27に示す情報取得条件に代えて、他の情報取得条件を用いることも可能である。例えば、図19に示す情報取得条件における第1取得条件を、より多面的且つ詳細に予め規定した第1取得条件を用いることも可能である。例えば、図19に示す情報取得条件における「周辺環境が特定の季節Aである」が、「天気が雨又は雪以外であること」で置換され、図19に示す情報取得条件における「周辺環境が特定の場所Bであること」が、「車両挙動の場所付近の平均の道路勾配が予め規定された閾値以下であること」で置換されてもよい。かかる第1取得条件を用いる場合には、必ずしも、第1送信信号から第3項目情報(車両挙動の種類を表す情報)を取得する必要はない。
[実施例3]
以下の実施例3は、上述した実施例1に対して、車載装置2が車載装置2Aで置換された点が異なるだけである。以下では、車載装置2Aの構成について主に説明する。以下の実施例3の説明においては、上述した実施例1と同一の要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図29は、車載装置2Aの構成図を示す。車載装置2Aは、情報記録ECU7Aと、車載電子機器群8と、通信モジュール9とを含む。通信モジュール9は、例えばラゲージコンパートメントルーム内や助手席側フロアパネル前部に設けられる。通信モジュール9のアンテナ(図示せず)は、例えばルーフ中央部やウインドシールドガラス上部に取り付けられる。
情報記録ECU7Aの基本的なハードウェア構成は、図2に示した情報記録ECU7のハードウェア構成に対して、無線送受信部26を備えていない点以外は同一である。また、情報記録ECU7Aは、時計15を備えていなくてもよい。
通信モジュール9の基本的なハードウェア構成は、図2に示した情報記録ECU7のハードウェア構成と同一である。
図30は、情報記録ECU7A及び通信モジュール9の各機能ブロックを示す図である。
情報記録ECU7Aは、車両挙動記録処理部100A−1〜100A−Lと、車両挙動データ読出部1071と、第2指令値生成部108と、第2書き込み要求発生部109と、第1記憶部110とを含む。車両挙動記録処理部100A−1〜100A−L及び車両挙動データ読出部1071は、CPUが、ROMに記憶された1つ以上のプログラムを実行することでそれぞれ実現できる。
車両挙動記録処理部100A−1〜100A−Lは、検出対象の車両挙動の種類毎に設けられる。車両挙動記録処理部100A−1〜100A−Lの各機能は、扱う車両挙動の種類が異なるだけであり、実質的に同一である。従って、以下では、特に言及しない限り、車両挙動記録処理部100A−1〜100A−Lのうちの任意の車両挙動記録処理部100A−*について説明する。車両挙動記録処理部100A−*は、上述した実施例1による車両挙動記録処理部100−*に対して、第1送信信号送信処理部104が省略され、通知部120が追加された点が異なる。
通知部120は、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した場合(車両挙動検出通知を受信した場合)に、その旨を通信モジュール9に通知する。実施例3では、一例として、通知部120は、車両挙動種類IDと、車両挙動の成立回数(図7参照)を表すカウンタ値(カウントアップ後)とを含む通知情報を、有線送受信部を介して通信モジュール9に送信する。
車両挙動データ読出部1071は、車両挙動データ読出要求部1072からの読出し要求に応答して、第1記憶部110における読出し対象の記録領域から車両挙動データを読み出す。車両挙動データの読出し方法自体は、上述した実施例1におけるアップロード実行部107による同方法と同じである。そして、車両挙動データ読出部1071は、読み出した車両挙動データを、有線送受信部を介して通信モジュール9に送信する。
通信モジュール9は、送信処理部140−1〜140−Lと、アップロード要求受信部106と、車両挙動データ読出要求部1072と、車両挙動データ送信部1073と、記憶部128とを含む。送信処理部140−1〜140−L、アップロード要求受信部106、車両挙動データ読出要求部1072、及び車両挙動データ送信部1073は、CPUが、ROMに記憶された1つ以上のプログラムを実行することでそれぞれ実現できる。記憶部128は、補助記憶装置(例えばEEPROM)により実現できる。尚、実施例3においては、車両挙動データ読出部1071、車両挙動データ読出要求部1072、及び車両挙動データ送信部1073が、アップロード実行部107Aを形成する。
送信処理部140−1〜140−Lは、検出対象の車両挙動の種類毎に設けられる。送信処理部140−1〜140−Lの各機能は、扱う車両挙動の種類が異なるだけであり、実質的に同一である。従って、以下では、特に言及しない限り、送信処理部140−1〜140−Lのうちの任意の送信処理部140−*について説明する。送信処理部140−*は、第1送信信号送信処理部104Aと、通知処理部1044とを含む。
第1送信信号送信処理部104Aは、通知処理部1044からの実行指令に応答して、第1送信信号送信処理を実行する。第1送信信号送信処理自体は、上述した実施例1における同処理と同じである。尚、通知処理部1044からの実行指令は、後述のように、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した場合(それに伴う通知部120からの通知情報に基づいて通知処理部1044が車両挙動の検出を確認した場合)に、生成される。
車両挙動データ読出要求部1072は、サーバー3からアップロード要求を受信した場合に、情報記録ECU7Aに読出し要求を行う。実施例3では、一例として、車両挙動データ読出要求部1072は、アップロード要求を、有線送受信部を介して情報記録ECU7Aに送信(転送)する。
車両挙動データ送信部1073は、情報記録ECU7Aから、読出し要求に応じた車両挙動データを受信した場合に、受信した車両挙動データを、無線送受信部を介して、サーバー3に送信する。車両挙動データの送信方法自体は、上述した実施例1におけるアップロード実行部107による同方法と同じである。
通知処理部1044は、情報記録ECU7Aの通知部120からの通知に応答して、車両挙動の検出を確認する。例えば、通知処理部1044は、通知部120からの通知情報に基づいて、通知情報に含まれるカウンタ値と、記憶部128に記憶されるカウンタ値(対応する車両挙動種類IDに係る成立回数を表すカウンタ値)とを比較する。通知情報に含まれるカウンタ値が記憶部128に記憶されるカウンタ値よりも"1"だけ大きいときは、通知処理部1044は、第1送信信号送信処理部104Aに第1送信信号送信処理の実行指令を入力する。この際、通知処理部1044は、記憶部128に記憶されるカウンタ値を"1"だけインクリメントする。
記憶部128は、例えば、図31に示すように、車両挙動種類ID毎に、車両挙動の成立回数を表すカウンタ値が記憶される。図31に示す例では、例えば、車両挙動種類IDが"AAA"の車両挙動の種類に係るカウンタ値が"1"であることを表す。
図32は、車載装置2A及びサーバー3における処理の関係を示す概略フローチャートである。
図32において、ラインL1、L2及びL3は、時間軸であり、情報記録ECU7A、サーバー3及び通信モジュール9からそれぞれ下方向に延在する。下方向が時間の進み方向に対応する。ラインL1、L2及びL3における途中の省略マークは、一連の処理の時間的な区切りを示す。
図32に示す例では、まず、車載装置2Aの情報記録ECU7Aの車両挙動検出部101が、検出対象の種類の車両挙動を検出する(ステップS502)。車両挙動検出部101が、車両挙動を検出すると、情報記録ECU7Aのデータ記録処理部103がデータ記録(書き込み)処理を行う(ステップS504)。また、車両挙動検出部101が、車両挙動を検出すると、情報記録ECU7Aの通知部120が通信モジュール9に通知情報を送信する(ステップS505)。このようにして送信された通知情報は、通信モジュール9により受信される(ステップS2101)。
通信モジュール9が通知情報を受信すると(ステップS2101)、通信モジュール9の通知処理部1044が、通知情報に基づいて、車両挙動の検出を確認する(ステップS2102)。そして、通信モジュール9の第1情報取得部1041が第1情報を取得し(ステップS2104)、通信モジュール9の第1送信信号送信部1042が第1送信信号をサーバー3に送信する(ステップS2106)。このようにして送信された第1送信信号は、サーバー3の第1送信信号受信部301により受信される(ステップS602)。
サーバー3の処理は、図17で説明した通りである。サーバー3から送信されたアップロード要求は、通信モジュール9により受信される(ステップS2108)。
通信モジュール9がアップロード要求を受信すると(ステップS2108)、通信モジュール9の車両挙動データ読出要求部1072が、読出し要求を情報記録ECU7Aに送信する(ステップS2110)。このようにして送信された読出し要求は、情報記録ECU7Aにより受信される(ステップS510)。
情報記録ECU7Aが読出し要求を受信すると(ステップS510)、情報記録ECU7Aの車両挙動データ読出部1071が、第1記憶部110から車両挙動データを読み出し(ステップS511)、読み出した車両挙動データを通信モジュール9に送信する(ステップS512)。このようにして送信された車両挙動データは通信モジュール9に受信される(ステップS2112)。
通信モジュール9が車両挙動データを受信すると(ステップS2112)、通信モジュール9の車両挙動データ送信部1073が、車両挙動データをサーバー3に送信する(ステップS2114)。このようにして車両挙動データがサーバー3にアップロードされる。
実施例3によれば、上述した実施例1による効果に加えて、以下のような効果が奏される。実施例3では、通信モジュール9が第1送信信号送信処理を実行するので、上述した実施例1の情報記録ECU7の処理負荷に比べて、情報記録ECU7Aの処理負荷を低減できる。
尚、実施例3においては、上述した実施例1の情報記録ECU7と同様、情報記録ECU7Aが、車載電子機器群8のECU80−1〜ECU80−Nのそれぞれにおいて発生する車両挙動検出通知を受信して、データ記録(書き込み)処理等を行っているが、これに限られない。例えば、変形例として、車載電子機器群8のECU80−1〜ECU80−Nの一部又は全てにおいて、それぞれ、自身でデータ記録(書き込み)処理等を行ってもよい。即ち、ECU80−1〜ECU80−Nの一部又は全ては、情報記録ECU7Aのデータ記録処理部103、通知部120、車両挙動データ読出部1071及び第1記憶部110のそれぞれに相当する各部を有してもよい。尚、ECU80−1〜ECU80−Nの全ては、情報記録ECU7Aの車両挙動検出部101の機能自体は既に有している。これは、ECU80−1〜ECU80−Nからの車両挙動検出通知は、車両挙動の検出を前提とするためである。かかる変形例によれば、データ記録処理部103を実現するECU80−*が少なくとも1つ存在するので、複数種類の検出対象の車両挙動に係る車両挙動データのアップロードに必要な全体としての処理負荷を、情報記録ECU7を含む複数のECU(第1制御ユニットの一例)間で分散できる。
[実施例4]
以下の実施例4は、上述した実施例1に対して、車載装置2が車載装置2Bで置換され、且つ、サーバー3がサーバー3Bで置換された点が異なる。以下の実施例4の説明においては、上述した実施例1と同一の要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
車載装置2B(図示せず)は、上述した実施例1の車載装置2に対して、情報記録ECU7が情報記録ECU7Bで置換された点が異なる。情報記録ECU7Bの基本的なハードウェア構成は、図2に示した情報記録ECU7のハードウェア構成に対して同一である。
図33は、情報記録ECU7Bの機能ブロック図を示す。
情報記録ECU7Bの機能ブロックは、図5に示した情報記録ECU7の機能ブロックに対して、車両挙動記録処理部100−1〜100−Lが、車両挙動記録処理部100B−1〜100B−Lで置換された点が異なる。車両挙動記録処理部100B−1〜100B−Lの各機能は、扱う車両挙動の種類が異なるだけであり、実質的に同一である。従って、以下では、特に言及しない限り、車両挙動記録処理部100B−1〜100B−Lのうちの任意の車両挙動記録処理部100B−*について説明する。
車両挙動記録処理部100B−*は、上述した実施例1による車両挙動記録処理部100−*に対して、第1送信信号送信処理部104が、第1送信信号送信処理部104Bで置換された点が異なる。第1送信信号送信処理部104Bは、上述した実施例1による第1送信信号送信処理部104に対して、第1情報取得部1041を備えておらず、且つ、第1送信信号送信部1042が第1送信信号送信部1042Bで置換された点が異なる。第1送信信号送信処理部104Bは、CPUが、ROMに記憶された1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
第1送信信号送信処理部104Bは、車両挙動を車両挙動検出部101が検出した場合に、第1送信信号を送信する。
実施例4における第1送信信号は、第1情報を含まない点が、上述した実施例1における第1送信信号(第1情報を含む第1送信信号)と異なる。即ち、実施例4における第1送信信号は、挙動検出通知情報及び第1情報のうちの、挙動検出通知情報のみを含む。
実施例4では、一例として、第1送信信号送信処理部104Bは、図34に示すような第1送信信号を生成し、生成した第1送信信号をサーバー3に送信する。図34に示す第1送信信号は、送信信号が"第1送信信号"である旨(信号種別)を表す第1送信信号IDと、車両IDとを含む。尚、この場合も、第1送信信号IDが挙動検出通知情報として第1機能(車両挙動を検出したことをサーバー3Bに知らせる機能)を果たすことになる。
図35は、サーバー3Bの機能ブロック図である。
サーバー3Bの機能ブロックは、図14に示したサーバー3の機能ブロックに対して、判定処理部302が判定処理部302Bで置換された点が異なる。尚、第2記憶部308については、上述した実施例1と同様、情報取得条件を記憶するが、実施例4における情報取得条件の内容は、後述のように、上述した実施例1における同内容と異なり得る。
判定処理部302Bは、第1送信信号受信部301が第1送信信号を受信した場合に、情報取得条件の成否を判定する判定処理を行う。情報取得条件は、判定用情報に基づいて判定されるように予め規定される。実施例4では、一例として、判定用情報は、(1)車両挙動の検出時の車両の周辺環境を表す情報、及び(2)第2情報(車両挙動に影響する車両の構成を表す情報)のうちの少なくともいずれか1つを含む。
判定処理部302Bは、判定用情報取得部3020Bと、判定部3024Bとを含む。
判定用情報取得部3020Bは、判定用情報を取得する。判定用情報取得部3020Bは、第1情報取得部3021Bと、第2情報取得部3022とを含む。
実施例4では、上述のように、第1送信信号は、第1情報を含まないので、第1情報取得部3021Bは、第1送信信号から第1情報を取得できない。従って、実施例4においては、判定用情報取得部3020Bが取得する判定用情報は、第1送信信号から直接的に得た第1情報を含むことはない。
第1情報取得部3021Bは、第1送信信号以外の情報源から、第1情報を取得する。この例について後述する。尚、実施例4において、判定用情報が第1情報を含まない場合(図39参照)、第1情報取得部3021Bは省略されてもよい。
図36は、情報記録ECU7B及びサーバー3Bにおける処理の関係を示す概略フローチャートである。図36に示す処理フローは、上述した実施例1で説明した図17に示した処理フローに対して、ステップS506(情報記録ECU7Bにおける第1情報の取得)が省略される点が異なり、また、ステップS604の処理内容が後述のように異なる。
図37は、判定処理部302Bの処理の例を示すフローチャートである。即ち、図37は、図36のステップS604の処理として実行される処理の例を示す。図37は、一例として、図19に示した情報取得条件を用いるときの判定処理部302Bの処理を示す。
以下の図37の説明では、前提として、車両基本情報記憶部310に記憶された車両基本情報は、車両の普段の利用地域、車庫の位置等のような、車両の現在位置を推定できるような情報を含んでいるものとする。尚、車両の普段の利用地域等を表す情報は、例えば、車両から定期的に受信できる位置情報や、初期登録時の登録内容等に基づいて生成される。
ステップS3600では、判定処理部302Bの判定用情報取得部3020Bの第1情報取得部3021Bは、現在の日時を表す情報(第1情報)を取得する。現在の日時を表す情報は、例えばサーバー3Bが備える時計(図示せず)から取得できる。
ステップS3602では、判定処理部302Bの判定用情報取得部3020Bの第1情報取得部3021Bは、車両基本情報記憶部310に記憶された車両基本情報に基づいて、車両の現在の位置情報(第1情報)を取得する。例えば、第1情報取得部3021Bは、第1送信信号に含まれる車両IDに基づいて車両を特定し、車両基本情報記憶部310に記憶された同車両に係る車両基本情報に基づいて、同車両の普段の利用地域内の任意の位置、又は、同車両の車庫の位置を、同車両の現在位置とみなす。
ステップS3604では、判定処理部302Bの判定部3024Bは、ステップS3600及びステップS3602で第1情報取得部3021Bが取得した第1情報(現在の日時及び車両の現在位置を表す情報)に基づいて、図19に示す第1取得条件の成否を判定する。例えば、判定処理部302Bの判定部3024Bは、ステップS3600で取得した第1情報が表す現在の日時が特定の季節Aに対応するとき、又は、ステップS3602で取得した第1情報が表す車両の現在位置が特定の場所B又はその周辺の地域であるとき、第1取得条件が成立したと判定する。この場合、ステップS3606に進む。他方、第1取得条件が成立しないと判定処理部302Bが判定した場合、ステップS3608に進む。
ステップS3606では、判定処理部302Bの判定部3024Bは、情報取得条件成立フラグを"1"にセットして処理を終了する。
ステップS3608では、判定処理部302Bの判定部3024Bは、情報取得条件成立フラグを"0"にセット(維持)して処理を終了する。
尚、図19に示した情報取得条件に代えて、同情報取得条件から場所に関連付けられた第1取得条件を除いた情報取得条件を用いる場合、図37に示す例において、ステップS3602は省略されてもよい。この場合、車両基本情報記憶部310内の車両基本情報の参照は不要となる。
また、図37に示す例では、ステップS3600の処理は、第1送信信号受信部301が第1送信信号を受信した場合に実行されるが(図17のステップS604参照)、ステップS3600の処理は、第1送信信号受信部301が第1送信信号を受信するよりも前に(例えば定期的に)実行されてもよい。即ち、現在の日時を表す情報の取得タイミングは、必ずしも、第1送信信号の受信タイミングよりも後である必要はない。これは、第1取得条件が、季節などの比較的急に変化しない項目に関連付けられている場合に特に当てはまる。
また、実施例4においては、情報取得条件は、上述した第2項目に関連付けられた取得条件を含むこともできる場合がある。例えば、第2項目に関連付けられた取得条件は、「出荷時(またはラインオフ時)からの経過時間が、予め規定された閾値以上であること」であることができる。この場合、判定用情報取得部3020Bの第1情報取得部3021Bは、出荷時からの経過時間を表す情報(第2項目情報の例)を、現在の日時(ステップS3600参照)と、車両基本情報記憶部310内の車両基本情報に含まれうる車両のラインオフ時期(または初回通信時の日時)を表す情報とから、取得(特定)できる。
また、実施例4においては、検出対象の車両挙動が1種類だけである場合、情報取得条件は、上述した第4項目に関連付けられた取得条件を含むこともできる。例えば、第4項目に関連付けられた取得条件は、「同種類の車両挙動の過去の検出回数が予め規定された閾値以上であること」である。この場合、判定用情報取得部3020Bの第1情報取得部3021Bは、第1送信信号の受信の毎にカウントアップするカウンタ値を設定し、該カウンタ値に基づいて、車両挙動の過去の検出回数を表す情報(第4項目情報の例)を取得できる。
図38は、情報取得条件の他の例を示す図である。
図38に示す情報取得条件は、車両挙動に影響する車両の構成に関する情報に基づいて判定されるように予め規定される条件(以下、「第3取得条件」と称する)を含む。図38に示す例では、情報取得条件は、車両の車型に関連付けて予め規定される第3取得条件を含む。図38に示す例では、第3取得条件は、車両の車型が特定の車型XXA、車型XXB又は車型XXCであるときに、満たされることを表す。
尚、図38に示すような第3取得条件は、車型が影響する種類の車両挙動、例えば"ロールオーバー直前挙動"に対して好適となる。ロールオーバーのような車両挙動には、車両の車高や重心位置が影響しうるためである。
図39は、図38に示す情報取得条件を用いるときの判定処理部302Bの処理の例を示すフローチャートである。即ち、図39は、図36のステップS604の処理として実行される処理の例を示す。
以下の図39の説明では、前提として、車両基本情報記憶部310に記憶された車両基本情報は、車両の車型を特定できる情報を含んでいるものとする。車両の車型を特定できる情報は、例えば車両の車型を表す情報であるが、車両の車型を特定(推定)できる他の情報(車両のサイズや重量を表す情報)であってもよい。
ステップS3800では、判定処理部302Bの判定用情報取得部3020Bの第2情報取得部3022は、第1送信信号に基づいて、車両の車型を表す情報(第2情報)を取得する。例えば、判定処理部302Bは、第1送信信号と共に受信した車両IDと、車両基本情報記憶部310に記憶された車両基本情報とに基づいて、車両の車型を特定できる。
ステップS3802では、判定処理部302Bの判定部3024Bは、ステップS3800で判定部3024Bが取得した第2情報(車両の車型を表す情報)に基づいて、図38に示す情報取得条件(第3取得条件)の成否を判定する。具体的には、判定処理部302Bの判定部3024Bは、ステップS3800で取得した第2情報が表す車両の車型が車型XXA、車型XXB又は車型XXCであるとき、第3取得条件が成立したと判定する。この場合、ステップS3804に進む。他方、判定処理部302Bの判定部3024Bは、ステップS3800で取得した第2情報が表す車両の車型が車型XXA、車型XXB及び車型XXCのいずれでもないとき、第3取得条件が成立しないと判定する。この場合、ステップS3806に進む。
ステップS3804及びステップS3806の各処理は、図37を参照して説明したステップS3606及びステップS3608の各処理とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
実施例4によれば、上述した実施例1と同様、車両挙動検出部101が検出対象の種類の車両挙動を検出したときに、必ずその車両挙動データがサーバーにアップロードされるのではなく、先ず、第1送信信号がサーバーに送信される。従って、情報収集システム全体としての通信負荷の低減を図ることができる。また、実施例4によれば、上述した実施例1と同様、情報取得条件は、上述のような判定用情報に基づいて判定されるように予め規定できるので、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が高くなり、車両挙動の解析効率を高めることができる。また、実施例4によれば、上述した実施例1と同様、情報取得条件をサーバー3Bで一元的に管理できるので、同情報取得条件が車両毎に付与される場合に比べて、情報取得条件の事後的な変更にも機動的に対応できる。
また、実施例4によれば、第1送信信号が第1情報を含まないので、上述した実施例1に比べて、情報記録ECU7Bにおける第1送信信号送信処理を簡素化でき、情報記録ECU7Bの処理負荷を低減できる。また、実施例4によれば、上述した実施例1に比べて、第1送信信号の情報量を低減でき、第1送信信号に係る通信負荷を低減できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例3において、サーバー3に代えて、実施例2によるサーバー3Aが使用されてもよい。また、同様に、上述した実施例4において、サーバー3Bが環境情報取得部3023を備えることで、実施例2と同様の更なる効果を得ることも可能である。この場合、環境情報取得部3023は、サーバー3Bが取得できる現在の日時(ステップS3600参照)及びサーバー3Bが取得できる車両の現在の位置(ステップS3602参照)における環境情報を取得すればよい。また、上述した実施例3は、上述した実施例4とも組み合わせが可能である。即ち、上述した実施例3において、車載装置2Aの通信モジュール9において第1送信信号送信処理部104Aを第1送信信号送信処理部104Bで置換し、且つ、サーバー3をサーバー3Bで置換してもよい。
また、上述した実施例1〜3においては、第1送信信号に含まれうる車両挙動の検出場所を表す情報は、GPS受信機からの情報に基づいて生成されているが、これに限られない。即ち、車両位置の特定方法は他の方法であってもよい。例えば、車両位置は、無線送受信部26が取得可能な複数の基地局との距離情報に基づいて算出されてもよい。
また、上述した実施例1〜4において、判定用情報が第2情報を含まない場合、第2情報取得部3022は省略されてもよい。
また、上述した実施例1〜3において、サーバー3又は3Aは、車両挙動の検出日時を表す情報を自身で取得してもよい。例えば、サーバー3又は3Aの判定用情報取得部3020の第1情報取得部3021は、第1送信信号受信部301が第1送信信号を受信したときの日時を取得し、該日時を、車両挙動の検出日時とみなしてもよい(上述した実施例4のステップS3600参照)。この場合、第1送信信号に車両挙動の検出日時を表す情報を含ませる必要性が低減される。
また、上述した実施例1〜3において、第1送信信号は、第1情報を含むが、第1送信信号は、上述した実施例4のように、第1情報を含まなくてもよい(図34参照)。以下、このような第1情報を含まない第1送信信号を、単に「先の第1送信信号」と称する。この場合、第1送信信号送信処理部104(又は104A、以下同様)は、"先の第1送信信号"の送信後に必ず、第1情報取得部1041により取得された第1情報を含む第1送信信号(以下、単に「後の第1送信信号」と称する)をサーバー3(3A)に送信すればよい。このとき、第1送信信号送信処理部104(104A)は、サーバー3(3A)が"先の第1送信信号"と"後の第1送信信号"とを紐付けることができる態様で、"後の第1送信信号"をサーバー3(3A)に送信する。或いは、第1送信信号送信処理部104(104A)は、まず、"先の第1送信信号"をサーバー3(3A)に送信し、その後、サーバー3(3A)から要求に応じて、"後の第1送信信号"をサーバー3(3A)に送信してもよい。かかる構成では、サーバー3(3A)は、"先の第1送信信号"を受信した場合に、上述した実施例4のような方法で、第1段階の情報取得条件の成否を判定でき、次いで、必要に応じて"後の第1送信信号"を要求する。車載装置2(2A)は、かかる要求に応じて、"後の第1送信信号"をサーバー3(3A)に送信する。そして、サーバー3(3A)は、受信した"後の第1送信信号"に含まれる第1情報に基づいて、第2段階の情報取得条件の成否を判定できる。かかる構成によれば、サーバー3(3A)は、"先の第1送信信号"を受信した場合に、自身で取得できる判定用情報に基づいて、第1段階の情報取得条件の成否を判定することで、不要な"後の第1送信信号"の送信を抑制できる。また、サーバー3(3A)は、必要に応じて(例えば、自身で取得できる判定用情報では、第1段階の情報取得条件の成否を精度良く判定できない場合など)、"後の第1送信信号"を要求し、該要求により得た"後の第1送信信号"から取得できる第1情報に基づいて、情報取得条件の判定を行うこともできる。
また、上述した実施例2では、サーバー3Aが環境情報取得部3023を備えるので、サーバー3Aの判定部3024は、図27に示すような情報取得条件(多面的且つ詳細な車両の周辺環境に関連付けて予め規定された第1取得条件)の成否を判定できる。しかしながら、上述した実施例1においても、第1送信信号に含まれる第1項目情報が、車両挙動の検出日時及び検出場所以外の周辺環境を特定できる情報(上述済み)を含む場合には、かかる第1項目情報を第1送信信号から判定用情報取得部3020Aの第1情報取得部3021が取得することで、図27に示すような情報取得条件(多面的且つ詳細な車両の周辺環境に関連付けて予め規定された第1取得条件)の成否を判定することは可能である。
また、上述した実施例1〜4において、車載装置2(2A,2B)が、第2情報を取得し、第2情報を含む第2送信信号を、第1送信信号に紐付けできる態様でサーバー3(3A,3B)に送信してもよい。この場合、第2情報取得部3022は、第2送信信号から第2情報を取得できる。或いは、車載装置2(2A,2B)が、第2情報を取得し、第1送信信号に第2情報を含ませてサーバー3(3A,3B)に送信してもよい。この場合、第2情報取得部3022は、第1送信信号から第2情報を取得できる。
また、上述した実施例1〜4において、情報記録ECU7(7A、7B)は、第2指令値生成部108、第2書き込み要求発生部109、及び車両挙動記録処理部100−L(100A−L、100−BL)を備えていなくてもよい。即ち、情報記録ECU7(7A、7B)は、車両挙動に関連する制御機能を持たず、各ECU80−*からの書き込み要求に応じて、対応する車両情報を取得し、対応する記憶領域に記録する構成であってもよい。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下を開示する。
(態様1)
車両に搭載される車載装置と、前記車両とは遠隔に配置され、前記車載装置との間の双方向の通信が可能なサーバーと、を含む情報収集システムにおいて、
前記車載装置は、
第1記憶部と、
車両挙動を検出する車両挙動検出部と、
車両情報を生成する車両情報生成部と、
前記車両挙動を前記車両挙動検出部が検出した場合に、車両挙動データを前記第1記憶部に記録するデータ記録処理部と、
前記車両挙動を前記車両挙動検出部が検出した場合に、第1送信信号を前記サーバーに送信する第1送信信号送信処理部と、
前記サーバーからアップロード要求を受信するアップロード要求受信部と、
前記アップロード要求を前記アップロード要求受信部が受信した場合に、前記車両挙動データを前記サーバーに送信するアップロード実行部と、を備え、
前記サーバーは、
前記第1送信信号を受信する第1送信信号受信部と、
前記車両挙動の検出時に関する情報、前記車両挙動の種類に関する情報、及び前記車両挙動に影響する前記車両の構成に関する情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む判定用情報に基づいて判定されるように予め規定された情報取得条件を記憶する第2記憶部と、
前記判定用情報を取得する判定用情報取得部と、
前記第1送信信号を受信した場合に、前記判定用情報に基づいて、前記情報取得条件が成立したか否かを判定する判定部と、
前記情報取得条件が成立したと判定した場合に、前記アップロード要求を前記車載装置に送信するアップロード要求部と、
前記アップロード実行部から送信される前記車両挙動データを受信する車両挙動データ受信部と、を備える、
情報収集システム。
(態様2)
前記判定用情報は、第1情報を含み、
前記第1情報は、前記車両挙動の検出時に関する情報、及び前記車両挙動の種類に関する情報のうちの少なくともいずれか1つを含み、
前記第1送信信号送信処理部は、前記車両挙動を前記車両挙動検出部が検出した場合に、前記第1情報を取得する第1情報取得部を含み、
前記第1送信信号は、前記第1情報取得部が取得した前記第1情報を更に含み、
前記判定用情報取得部は、前記第1送信信号受信部が受信した前記第1送信信号から、前記判定用情報に含まれる前記第1情報を取得する、態様1に記載の情報収集システム。
態様2(第2態様)において、判定用情報は第1情報を含む。第1情報は、車両挙動の検出時に関する情報、及び車両挙動の種類に関する情報のうちの少なくともいずれか1つを含む。車両挙動の検出時の車両の周辺環境を表す情報は、車両の走行中又は車両の起動毎に変化する可能性がある。例えば、車両挙動の検出時の車両の周辺環境の情報は、車両走行中に動的に変化しうる。また、"ABSの作動"や"急制動"といった車両挙動の種類を表す情報も、車両走行中に変化しうる。このように第1情報は、車両の走行中又は車両の起動毎に変化しうるが故に、かかる第1情報を含む判定用情報に基づいて情報取得条件の成否を判定するサーバーには、精度の高い同情報を送信することが有用となる。この点、第2態様によれば、車両挙動を車両挙動検出部が検出した場合に車載装置の第1情報取得部が第1情報を取得し、第1送信信号は、車載装置の第1情報取得部が取得した第1情報を更に含むので、サーバーは、精度の高い第1情報を第1送信信号から取得できる。そして、サーバーの判定部は、第1送信信号から取得した第1情報に基づいて情報取得条件の成否を判定することができる。この結果、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が高くなり、車両挙動の解析効率を高めることができる。
(態様3)
前記第1情報は、(1)前記車両挙動の検出時の前記車両の周辺環境を表す情報、(2)前記車両挙動の検出時の前記車両の状態を表す情報、(3)前記車両挙動の種類を表す情報、及び(4)前記車両挙動と同一種類の前記車両挙動の過去の検出状況を表す情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む、態様2に記載の情報収集システム。
態様3(第3態様)において、第1情報は、(1)車両挙動の検出時の車両の周辺環境(以下、「第1項目」とも称する)、(2)車両挙動の検出時の車両の状態(第2項目)、(3)車両挙動の種類(第3項目)、及び(4)車両挙動と同一種類の車両挙動の過去の検出状況(第4項目)、のうちの少なくとも1つに関する。ここで、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、第1項目〜第4項目のうちの任意の1つに依存することが多い。例えば、ある車両挙動について、特定の周辺環境下で検出された車両挙動の車両挙動データだけが解析に有用となる場合があり得る。また、ある車両挙動について、特定の車両の状態(例えば減速状態)であるときに検出された車両挙動の車両挙動データだけが解析に有用となる場合があり得る。また、ある種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用となるが、他の種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用とならない場合もあり得る。ある種類の車両挙動については、過去の検出回数が多い(又は頻度が高い)場合に限ってその車両挙動データを解析することが有用となる場合もある。この点、第3態様によれば、情報取得条件は、第1項目〜第4項目のうちの1つ以上の項目に関連付けて予め規定されるので、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が高くなり、車両挙動の解析効率を高めることができる。
(態様4)
前記情報取得条件は、前記周辺環境に関連付けて予め規定された第1取得条件を含み、
前記第1情報は、前記周辺環境を表す情報を含み、
前記情報取得条件は、前記第1情報が表す前記周辺環境が前記第1取得条件を満たす場合に、成立する、態様3に記載の情報収集システム。
態様4(第4態様)において、情報取得条件は、周辺環境に関連付けて予め規定される第1取得条件を含む。ここで、ある車両挙動について、その車両挙動データが解析に有用となるか否かは、該車両挙動の検出時の車両の周辺環境に依存することが多い。この点、第4態様によれば、判定用情報取得部が取得する第1情報は、周辺環境を表す情報を含み、情報取得条件は、第1取得条件を含むので、解析者が解析に有用と考える周辺環境下で検出された車両挙動に関する車両挙動データをサーバーが取得できる可能性が高くなる。
(態様5)
前記車両挙動は、複数種類あり、
前記車両挙動検出部、前記データ記録処理部、及び前記第1送信信号送信処理部は、前記車両挙動の種類毎に設けられ、
前記第1取得条件は、前記車両挙動の種類毎に設けられ、
前記第1情報は、前記車両挙動の種類を表す情報を更に含み、
前記情報取得条件は、前記第1情報が表す前記周辺環境が、前記第1情報が表す前記車両挙動の種類に対応する前記第1取得条件を満たす場合に、成立する、態様4に記載の情報収集システム。
態様5(第5態様)において、第1取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられる。尚、車両挙動の種類毎とは、種類が異なれば必ず第1取得条件が異なることを意味するものではない。ここで、どのような周辺環境下で検出された場合にその車両挙動データが解析に有用になるかは、車両挙動の種類に依存する場合が多い。これは、車両挙動の性質(特性)は、その種類に応じて異なるためである。例えば、車両挙動の1種類の一例としての"ABSの作動"については、雨天時のABSの作動は、想定される通常の作動であるため、そのときの車両挙動データが有用とならない場合があり得る。他方、車両挙動の1種類の他の一例としての"緊急制動"については、例えば冬の雨天時の緊急制動は、車輪のスリップを引き起こしやすく、そのときの車両挙動データが有用となり得る。この点、第5態様によれば、判定用情報取得部が取得する第1情報は、車両挙動の種類を表す情報を更に含み、第1取得条件は、車両挙動の種類毎に設けられるので、車両挙動の種類が多様化した場合でも、車両挙動の種類毎に、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が高くなる。
(態様6)
前記周辺環境を表す情報は、前記車両挙動の検出日時を表す情報及び検出場所を表す情報のうちの少なくともいずれか一方を含む、態様4又は5に記載の情報収集システム。
態様6(第6態様)において、車両挙動の検出日時及び検出場所のいずれも、その車両挙動が検出されたときの車両周辺環境を表すことができる。例えば、日時は、車両周辺環境が夜間であるのか早朝であるのか等を表すことができ、夏などの季節も表すことができる。また、場所は、車両周辺環境が山道であるのか平坦路であるのか等を表すことができ、地方や都会などの地域も表すことができる。この点、第6態様によれば、判定用情報取得部が取得する第1情報は、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方を表す情報を含むので、第1取得条件は、車両挙動の検出日時や検出場所のうちの少なくともいずれか一方に関連付けて予め規定できる。例えば、第1取得条件は、特定の地域で車両挙動が検出されたときに満たされるように、定めることができる。或いは、第1取得条件は、特定の期間中に車両挙動が検出されたときに満たされるように、定めることができる。この結果、解析者が解析に有用と考える特定の地域で又は特定の期間中に検出された車両挙動に関する車両挙動データをサーバーが取得できる可能性が更に高くなる。
また、車両挙動の検出日時の情報は、車載装置が取得する方が、サーバーが取得するよりも精度が高い。これは、サーバーは、車載装置からの情報なしには、車両挙動を直接的に検出できないためである。従って、サーバーの判定用情報取得部が、かかる車両挙動の検出日時の情報を車載装置から取得する場合は、サーバーで利用する車両挙動の検出日時の情報の精度(車両挙動の実際の検出日時に対する一致度)を高めることができる。また、車両挙動の検出場所の情報は、サーバーで精度良く特定するのは難しい。従って、サーバーの判定用情報取得部が、かかる車両挙動の検出場所の情報を車載装置から取得する場合は、車両挙動の検出場所を精度良く(車両挙動の実際の検出場所に対する高い一致度で)特定できる。この結果、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が更に高くなる。
(態様7)
前記車両挙動は、複数種類あり、
前記車両挙動検出部、前記データ記録処理部、及び前記第1送信信号送信処理部は、前記車両挙動の種類毎に設けられ、
前記情報取得条件は、前記車両挙動の種類にのみ関連付けて予め規定された第2取得条件を含み、
前記第1情報は、前記車両挙動の種類を表す情報を含み、
前記情報取得条件は、前記第1情報が表す前記車両挙動の種類が前記第2取得条件を満たす場合に、成立する、態様3に記載の情報収集システム。
態様7(第7態様)において、情報取得条件は、車両挙動の種類にのみ関連付けて予め規定される第2取得条件を含む。ここで、ある種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用となるが、他の種類の車両挙動については、その車両挙動データが解析に有用とならない場合もある。例えば、車両挙動の種類の一例としての"PCSの作動"は、車両挙動の種類の他の一例としての"急制動"よりも検出される頻度が有意に低い。このため、"PCSの作動"は、どのような環境下で検出された場合でもその車両挙動データが解析に有用となり得る。他方、"急制動"に係る車両挙動データについては、"PCSの作動"や"緊急制動"に関する車両挙動データを取得できるのであれば、"急制動"に関する車両挙動データは有用でなくなる場合もあり得る。この点、第7態様によれば、判定用情報取得部が取得する第1情報は、車両挙動の種類を表す情報を含み、情報取得条件は第2取得条件を含むので、解析者が解析に有用と考える種類の車両挙動に係る車両挙動データをサーバーが取得できる可能性が高くなる。
(態様8)
前記情報取得条件は、前記車両挙動の種類にのみ関連付けて予め規定された第2取得条件を含み、
前記情報取得条件は、前記第1情報が表す前記車両挙動の種類が前記第2取得条件を満たす場合、又は、前記第1情報が表す前記周辺環境が、前記第1情報が表す前記車両挙動の種類に対応する前記第1取得条件を満たす場合に、成立する、態様5に記載の情報収集システム。
態様8(第8態様)において、情報取得条件は、上述した第1取得条件又は第2取得条件のいずれかが満たされた場合に成立する。第1取得条件は、車両挙動の種類毎に、周辺環境に関連付けて予め規定され、また、第2取得条件は、車両挙動の種類にのみ関連付けて予め規定される。これにより、情報取得条件を規定する際の自由度が高くなる。この結果、車両挙動の種類が更に多様化した場合でも、車両挙動の種類毎に、解析者が解析に有用と考える車両挙動データだけをサーバーが取得できる可能性が高くなる。
(態様9)
前記判定用情報取得部は、前記周辺環境を表す情報に基づいて、前記車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における前記車両の周辺環境を表す環境情報を取得する環境情報取得部を更に備え、
前記判定部は、前記環境情報取得部が取得した前記環境情報に基づいて、前記第1取得条件の成否を判定する、態様6に記載の情報収集システム。
態様9(第9態様)において、サーバーの環境情報取得部は、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における車両の周辺環境を表す環境情報を取得する。サーバーは、一般的に車載装置に比べて情報処理能力が高く、情報取得能力も高い。従って、サーバーは、車両挙動の検出日時及び検出場所のうちの少なくともいずれか一方における車両の周辺環境を、多面的且つ詳細に特定できる。例えば、サーバーは、天気や路面勾配、交通量といった環境情報を取得できる。このため、第1取得条件は、多面的且つ詳細な車両の周辺環境に関連付けて予め規定できる。この結果、解析者が解析に有用と考える特定の車両周辺環境下で車両挙動が検出されたときの車両挙動データをサーバーが取得できる可能性が更に高くなる。
(態様10)
前記車載装置は、前記車両の走行を支援する介入制御(運転者の操作に応じた制御値とは異なる制御値で行われる制御)又は警報制御を行う制御部を含み、
前記車両挙動は、前記介入制御又は警報制御の作動を含む、態様1〜9のうちのいずれか1項に記載の情報収集システム。
態様10(第10態様)によれば、介入制御の作動又は警報制御の作動に係る車両挙動データの解析の効率化を図ることができる。
(態様11)
前記車載装置は、
予め規定されたパラメータを検出又は計測する検出/計測装置と、
前記車両を制御する複数の制御ユニットと、
前記複数の制御ユニットとの間の双方向の通信、及び前記サーバーとの間の双方向の通信が可能な通信モジュールと、を含み、
前記車両挙動検出部、前記データ記録処理部及び前記制御部は、前記複数の制御ユニットのうちの少なくともいずれか1つの予め定められた第1制御ユニットにより実現され、
前記第1記憶部は、前記第1制御ユニットに設けられ、
前記車両情報生成部は、前記複数の制御ユニットのうちの少なくともいずれか1つ、又は、前記検出/計測装置により実現され、
前記第1送信信号送信処理部及び前記アップロード要求受信部は、前記通信モジュールにより実現され、
前記アップロード実行部は、前記通信モジュール及び前記第1制御ユニットにより実現される、態様10に記載の情報収集システム。
態様11(第11態様)において、通信モジュールは、データ記録処理部を実現する制御ユニットとは別に設けられ、第1送信信号送信処理部及びアップロード要求受信部を実現する。これにより、データ記録処理部を実現する制御ユニットの処理負荷を低減できる。また、データ記録処理部を実現する第1制御ユニットが複数存在する場合には、複数種類の車両挙動に係る車両挙動データのアップロードのための全体としての処理負荷を、これらの複数の第1制御ユニット間で分散できる。
(態様12)
車両に搭載される車載装置と、前記車両とは遠隔に配置され、前記車載装置との間の双方向の通信が可能なサーバーとを含む情報収集システムにおける情報収集方法であって、
前記車載装置が、車両挙動を検出し、
前記車載装置が、前記車両の状態を表す車両情報を生成し、
前記車載装置が、前記車両挙動を検出した場合に、前記車両挙動の検出時点に応じた所定の期間内の前記車両情報を、車両挙動データとして前記車載装置の第1記憶部に記録し、
前記車載装置が、前記車両挙動を検出した場合に、前記車両挙動を検出した旨を表す挙動検出通知情報を含む第1送信信号を前記サーバーに送信し、
前記車両挙動の検出時に関する情報、前記車両挙動の種類に関する情報、及び前記車両挙動に影響する前記車両の構成に関する情報、のうちの少なくともいずれか1つを含む判定用情報に基づいて判定されるように予め規定された情報取得条件が記憶された前記サーバーが、前記判定用情報を取得し、
前記サーバーが、前記第1送信信号を受信した場合に、取得した前記判定用情報に基づいて、前記情報取得条件が成立したか否かを判定し、
前記サーバーが、前記情報取得条件が成立したと判定した場合に、アップロード要求を前記車載装置に送信し、
前記車載装置が、前記アップロード要求を受信した場合に、前記第1記憶部に記録された前記車両挙動データを前記サーバーに送信する、
ことを含む、情報収集方法。