JP2016194025A - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度のポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムを容易に製造し得る方法を提供すること。【解決手段】本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、有機溶媒にポリイミド前駆体が溶解してなる溶液を流延して流延膜を形成し;前記流延膜を1分以上60分以下の時間にわたり大気雰囲気中室温下に静置し;その後、前記流延膜中の前記ポリイミド前駆体をイミド化する、工程を含む。静置後の前記流延膜を、ポリイミド前駆体の凝固溶媒中に浸漬し、該凝固溶液中から引き上げた該流延膜を加熱して該ポリイミド前駆体をイミド化するか、又は該流延膜を化学イミド化して、該ポリイミド前駆体をイミド化して、ポリイミド多孔質フィルムを得る工程を含むことが好適である。【選択図】図1

Description

本発明はポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムの製造方法に関する。
ポリイミド多孔質フィルムの製造方法に関する従来の技術としては、例えば特許文献1ないし3に記載のものが知られている。同文献に記載の技術では、ポリアミック酸ワニスのキャストフィルムに多孔質フィルムを積層した後、貧溶媒に浸漬し、それによって得られたポリアミック酸膜を熱処理することでポリイミド多孔質フィルムを製造している。特許文献2にも、特許文献1に類似の技術が記載されている。特許文献3に記載の技術では、鏡面研磨を施したステンレス製の20cm角の基板上に、ポリアミック酸の溶液を引き伸ばし塗布し;該ポリアミック酸溶液の表面に保護溶媒層としてN−メチルピロリドンを塗布し1分間静置した後に、基板全体をメタノール浴中に投入し;それによって得られたポリアミック酸膜を熱処理する;工程でポリイミド多孔質フィルムを製造している。
また、多孔質構造を有さないポリイミドフィルムは、ポリアミック酸ワニスのキャストフィルムを加熱又は化学的にイミド化することにより得られることが知られている。
特開平11−310658号公報 特開2003−138057号公報 特開2011−1434号公報
特許文献1ないし3に記載の技術においては、ポリアミック酸の溶液をキャストしてキャスト膜を形成している。キャスト法による従来のポリイミド多孔質フィルムの製造方法は、キャスト膜を凝固溶媒に浸漬する時間などをパラメータとして用いて製造条件を決定していた。しかし、より高強度な多孔質膜や、物性のばらつきが少ない多孔質膜を得るためには、従来のキャスト法による製膜では不十分であった。
したがって本発明の課題はポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムの製造方法の改良にあり、更に詳しくは高強度で且つ均質性の高いポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムを製造し得る方法を提供することにある。
前記の課題を解決すべく本発明者は、キャスト法特有の高分子溶液での製膜過程に着目して鋭意検討を推し進めた結果、高強度のポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムを得るためには、高分子の自己組織化力を利用することが有効であることを知見した。本発明は、この知見に基づきなされたものであり、有機溶媒にポリイミド前駆体が溶解してなる溶液を流延して流延膜を形成し、
前記流延膜を1分以上60分以下の時間にわたり大気雰囲気中室温下に静置し、
その後、前記流延膜中の前記ポリイミド前駆体をイミド化する、工程を含むポリイミドフィルムの製造方法を提供することにより、前記の課題を解決したものである。
本発明によれば、高強度で且つ均質性の高いポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムを容易に製造することができる。
図1(a)及び(b)は、実施例1で得られたポリイミド多孔質フィルムの表面及び断面の走査型電子顕微鏡像である。 図2(a)及び(b)は、比較例1で得られたポリイミド多孔質フィルムの表面及び断面の走査型電子顕微鏡像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。以下の説明では、ポリイミドフィルムの一つであるポリイミド多孔質フィルムを例にとり、その好適な製造方法を述べる。本発明は、ポリイミド前駆体を原料とし、この原料からポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムを製造する方法に係るものである。ポリイミド前駆体とは、テトラカルボン酸成分とジアミン成分、好ましくは芳香族ジアミン成分とを重合して得られたポリアミック酸又はそれを部分的にイミド化したものであり、熱イミド化又は化学イミド化によって閉環してポリイミド樹脂とすることができるもののことである。ポリイミドとは、イミド化率(IR測定法)が約70%以上、好適には約90%以上の耐熱性ポリマーのことである。
ポリイミド前駆体の原料の一つであるテトラカルボン酸成分としては、好適にはビフェニルテトラカルボン酸成分が挙げられる。ビフェニルテトラカルボン酸成分としては、例えば3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもある)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある)が好ましく用いられる。またs−BPDAとa−BPDAとを混合して用いることもできる。
また、テトラカルボン酸成分としては、s−BPDA及び/又はa−BPDAに代えて、又はそれらに加えて、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン,ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル若しくはビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル又はそれらの酸二無水物を用いることもできる。これらのテトラカルボン酸成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリイミド前駆体の原料のもう一つであるジアミン成分としては、例えば、H2N−R(R1)m−A−(R2)nR’−NH2で示されるジアミン化合物、特に芳香族ジアミン化合物を用いることが好ましい。式中、R及びR’は直接結合あるいは二価の芳香族環を表す。R1及びR2は、水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子などの置換基を表す。Aは、直接結合、O、S、CO、SO2、SO、CH2又はC(CH32などの二価の基を表す。m及びnはそれぞれ独立に1以上4以下の整数を表す。
ジアミン成分が芳香族ジアミンである場合、その具体的な化合物としては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、DADEと略記することもある)、3,3’−ジメチル −4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミン(以下p−PDAと略記することもある)などが挙げられる。これらの芳香族ジアミンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジアミン成分としては、前記の芳香族ジアミンに代えて、又はそれに加えて、ジアミノピリジンを用いることもできる。ジアミノピリジンの具体例としては、2,6−ジアミノピリジン、3,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン及び3,4−ジアミノピリジンなどが挙げられる。これらのジアミノピリジンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記のテトラカルボン酸成分及びジアミン成分を原料としてポリイミド前駆体を得るには、例えばこれらの成分の溶解が可能な有機溶媒中にこれらの成分を溶解させて重合を行えばよい。有機溶媒としては、例えばパラクロロフェノール、N−メチルピロリドン、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノール及びクレゾールなどが挙げられる。これらの有機溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合溶媒を用いることが好ましい。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分との反応は、両者をほぼ等モルの割合で有機溶媒に溶解させることで行われる。反応温度は好ましくは80℃以下であり、更に好ましくは0℃以上60℃以下である。重合を80℃超の温度で行った場合には、部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆体が製造される場合が多い。生成したポリイミド前駆体の分子量は、極限粘度数で表して0.6以上4.5以下であることが好ましく、1.0以上4.5以下であることが更に好ましい。この範囲の分子量を有するポリイミド前駆体を用いることで、後述する流延膜中でのポリイミド前駆体の高分子鎖を、首尾よく自己組織化させることができる。
前記の極限粘度数は、30℃において、N−メチルピロリドン/水混合溶媒を用い、ウベローデ粘度計によって測定される。
ポリイミド前駆体溶液におけるポリイミド前駆体の濃度は、1質量%以上60質量%以下、特に3質量%以上40質量%以下であることが、後述する流延膜の静置工程において、流延膜中のポリイミド前駆体の高分子鎖の自己組織化が促進される点から好ましい。ポリイミド前駆体の濃度を1質量%以上にすることで高分子鎖どうしの絡み合いが極端に少なくなることが防止され、膜の強度低下を効果的に防止することができる。また、ポリイミド前駆体の濃度を60質量%以下にすることで、物理ゲル化に起因する高分子鎖の運動性の低下及び高分子鎖の自己組織化の阻害を効果的に防止することができる。溶液中に含まれるポリイミド前駆体の濃度は、流延したポリイミド前駆体溶液の質量とポリイミド多孔質フィルム化後の質量から、脱水反応による水の離脱分を考慮して算出することで測定される。
またポリイミド前駆体溶液は、25℃における粘度が0.1ポイズ以上10000ポイズ以下であることが好ましく、1ポイズ以上1000ポイズ以下であることが更に好ましい。ポリイミド前駆体溶液の粘度は、東機産業製VISCOMETER TV-25 TypeH粘度計を用いて25℃で測定される。
ポリイミド前駆体溶液には、繊維、粉末、織物などの充填材を配合してもよい。例えば炭素繊維、ガラス繊維、窒化珪素繊維、金属繊維、黒鉛粉末、窒化珪素、窒化硼素、石英、炭素繊維布などを配合することができる。これらの充填材は、ポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムの形成を阻害しない範囲で、適宜の量で配合することができる。
このようにして調製されたポリイミド前駆体溶液を用い流延法によって流延膜を形成する。流延膜の形成には、基台となる平滑面の表面にポリイミド前駆体溶液をフィルム状に流延する方法、可動式のベルト上にポリイミド前駆体溶液を流延する方法、ポリイミド前駆体溶液をTダイから押し出す方法などを用いることができる。流延膜の形成時の雰囲気に特に制限はなく、一般には大気雰囲気中で行うことができる。形成時の温度は5℃以上40℃以下、特に15℃以上30℃以下に設定することが、流延膜中のポリイミド前駆体の分子鎖の自己組織化を促進させる点から好ましい。
流延膜の厚みは、目的とするポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムの厚みや、ポリイミド前駆体溶液の濃度等に応じて適宜調整することができる。一般には1μm以上1000μm以下、特に3μm以上500μm以下の厚みで流延膜を形成すれば、満足すべき特性を有するポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムを得ることができる。
このようにして得られた流延膜は、所定の時間にわたって静置される。ここで言う静置とは、流延膜に対して外力を加えず、且つ流延膜を移動させずに、静止した状態を保つことである。したがって、流延膜を等速運動させたり、加速度を加えた不等速運動をさせたり、あるいは遠心力が生じるような円運動をさせたりする場合は静置に含まれない。流延膜を所定の時間にわたって静置することで、ポリイミド前駆体の高分子鎖が比較的運動しやすい状態に維持される。その間に、ポリイミド前駆体の高分子鎖の自己組織化が進行する。その結果、強度が高く、且つ均質性の高いポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムが得られる。特に、ポリイミド前駆体の高分子鎖は、その構造に起因して剛直なものであることから、互いに凝集しやすい高い自己組織化能を備えているので、所定の時間にわたって流延膜を静置することで、高度に自己組織化された構造が発現しやすい。これとは対照的に、流延膜の形成直後に、次作業である高分子鎖の運動を固定化する工程を行うと、高分子鎖の凝集構造が不均質なままで固定化が進行してしまうので、ポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムの強度の低下や多孔質構造の不均一さが生じやすくなってしまう。流延法を用いてポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムを製造していたこれまでの技術(例えば上述した特許文献1ないし3)では、製造効率等の観点から、流延膜を形成した直後に次工程を行っており、流延膜の形成後に所定の時間にわたって該流延膜を静置することは行われていなかった。
流延膜に含まれるポリイミド前駆体の高分子鎖の自己組織化を十分に発現させる観点から、該流延膜を静置しておく時間は1分以上であることが好ましく、2分以上であることが更に好ましく、3分以上であることが一層好ましい。高分子鎖の自己組織化は所定の時間が経過した時点で実質的に飽和するので、この観点から静置時間の上限値は60分以下であることが好ましく、30分以下であることが更に好ましく、20分以下であることが一層好ましい。
流延膜を静置する雰囲気に特に制限はなく、経済性等を考慮すると大気雰囲気中で静置することが好ましい。静置状態での雰囲気の温度は5℃以上60℃以下、特に15℃以上30℃以下に設定することが、流延膜中のポリイミド前駆体の分子鎖の自己組織化を促進させる点から好ましい。大気雰囲気で流延膜を静置する場合、雰囲気の湿度は高分子鎖の自己組織化の促進の観点から、5%RH以上70%RH以下であることが好ましく、5%RH以上50%RH以下であることが更に好ましい。
流延膜を静置させている間は、ポリイミド前駆体の高分子鎖の自己組織化が妨げられないようにする観点から、外部からの積極的な加熱や、外部からエネルギー線の積極的な照射は控えることが好ましい。例えば各種の加熱手段を用いた流延膜の加熱や、紫外線、赤外線、マイクロ波及び電子線等のエネルギー線の照射は控えることが好ましい。
このようにして流延膜を所定の時間にわたって静置した後、該流延膜をポリイミド前駆体の良溶媒中に浸漬する。良溶媒への浸漬によって流延膜の多孔質化が進行する。良溶媒としては、例えばパラクロロフェノール、N−メチルピロリドン、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノール及びクレゾールなどが挙げられる。特にN−メチルピロリドンを用いることが好ましい。これらの良溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
流延膜の良溶媒中への浸漬は、その時間が短すぎると多孔質化が十分に進行せず、逆に時間が長すぎると流延膜の溶解が進行してしまう。この観点から、流延膜の良溶媒への浸漬時間は、0.05分以上5分以下であることが好ましく、0.05分以上3分以下であることが更に好ましい。流延膜を浸漬した状態での良溶媒の温度は、5℃以上60℃以下、特に5℃以上40℃以下に設定することが、流延膜を首尾よく多孔質化し得る点から好ましい。流延膜を良溶媒中へ浸漬している間は、該良溶媒を攪拌してもよく、あるいは非攪拌状態にしておいてもよい。
流延膜の良溶媒中へ所定時間にわたって浸漬させた後、該流延膜を良溶媒中から引き上げ、次いで該流延膜をポリイミド前駆体の凝固溶媒中に浸漬する。凝固溶媒は一般にポリイミド前駆体の貧溶媒である。具体的には、メタノールやエタノールなどの低級一価アルコール及びアセトンなどの極性有機溶媒、並びに水などを凝固溶媒として用いることができる。これらの凝固溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特にメタノール、エタノール及び水から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物を用いることが好ましく、とりわけメタノールを用いることが好ましい。
流延膜の凝固溶媒中への浸漬時間は、0.1分以上60分以下、特に0.2分以上30分以下であることが、流延膜の多孔質化の点から好ましい。流延膜を浸漬した状態での凝固溶媒の温度は、−30℃以上70℃以下、特に0℃以上60℃以下、とりわけ10℃以上50℃以下に設定することが、流延膜を首尾よく多孔質化し得る点から好ましい。流延膜を凝固溶媒中へ浸漬している間は、該凝固溶媒を攪拌してもよく、あるいは非攪拌状態にしておいてもよい。
このようにして多孔質化された流延膜は、凝固溶媒中から引き上げられ、次工程である加熱処理に付される。熱処理は、多孔質化された流延膜を、大気雰囲気中で好ましくは280℃以上500℃以下の温度範囲で加熱することで行われる。この温度範囲での加熱によってポリイミド前駆体の閉環反応が十分に進行してイミド化が起こる。加熱時に膜の熱収縮が生じないようにすることを目的として、流延膜をピン、チャック又はピンチロール等を用いて固定することが好ましい。加熱時間は、5分以上60分以下とすることが好ましい。
以上の工程によってポリイミドフィルム、特にポリイミド多孔質フィルムが得られる。このポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムは、高分子鎖の自己組織化が高度に発達したものなので、高強度のものとなり、また均質性の高いものとなる。その結果、このポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムは、低熱膨張率のものとなる。また、均質性が高いことに起因して孔径のばらつきが小さくなるので、透過対象物に対して高透過速度を示すものとなる。これらの特徴を有するポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムは、例えば各種のフィルターや電池用セパレータとして用いることができる。あるいは、ゲル等の高分子材料を孔内に充填してなる、細孔フィリング膜として用いることもできる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態は、ポリイミドフィルムの製造方法の好ましい一実施形態であるポリイミド多孔質フィルムの製造方法に係るものであったが、本発明は多孔質構造を有さないポリイミドフィルムの製造にも適用することができる。多孔質構造を有さないポリイミドフィルムの製造方法においては、上述したポリイミド多孔質フィルムの製造方法の工程におけるポリイミド前駆体の流延膜の良溶媒中への浸漬工程や、それに引き続く該流延膜の凝固溶媒中への浸漬工程は、必要に応じて行わなくてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
テトラカルボン酸成分として、乾燥したs−BPDAを用いた。ジアミン成分として、昇華精製したDADEを用いた。これらをN−メチルピロリドン中に溶解させて重合を行い、ポリイミド前駆体溶液を得た。このとき、s−BPDAに対するDADEのモルを比0.994〜1.000の間で調整した。反応温度は40℃に設定し、反応時間は6時間とした。得られたポリイミド前駆体溶液は、ポリイミド前駆体の濃度が10%、溶液粘度が2620P、極限粘度数が3.25であった。
研磨した水平状態のステンレス板上にポリイミド前駆体溶液を厚みが均一になるように流延して流延膜を形成した。周囲環境は大気雰囲気中25℃・30%RHとした。流延は膜の厚みが150μm程度になるように行った。形成された流延膜を、引き続き大気雰囲気中25℃・30%RHにおいて静置した。静置時間は10分間とした。
静置後の流延膜を、25℃に保たれたN−メチルピロリドン良溶媒浴中に浸漬した。浸漬は2分間行った。浸漬中、N−メチルピロリドンは非攪拌状態としておいた。
次いで流延膜をN−メチルピロリドン中から引き上げ、25℃に保たれたメタノール凝固浴中に浸漬した。浸漬は2分間行った。浸漬中、メタノールは非攪拌状態としておいた。
次いで流延膜をメタノール凝固浴中から引き上げ、自然乾燥させた後にピンテンターへ固定した。この固定状態で、大気雰囲気中300℃で30分間にわたり熱処理を行い、ポリイミド前駆体をイミド化した。このようにしてポリイミド多孔質フィルムを製造した。得られたポリイミド多孔質フィルムの表面及び断面の走査型電子顕微鏡像を図1に示す。
〔実施例2及び3〕
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液の流延膜を、以下の表1に示す時間にわたり静置した。それ以外は実施例1と同様にしてポリイミド多孔質フィルムを製造した。
〔実施例4〕
良溶媒浴としてNMPの代わりにDMAcを用いる以外は実施例1と同様の操作によりポリイミド多孔質フィルムを製造した。
〔実施例5〕
凝固浴としてメタノールの代わりにイオン交換水を用いる以外は実施例1と同様の操作によりポリイミド多孔質フィルムを製造した。
〔実施例6〕
実施例1で作製したポリイミド前駆体溶液を、研磨した水平状態のステンレス板上にポリイミド前駆体溶液を厚みが均一になるように流延して流延膜を形成した。周囲環境は大気雰囲気中25℃・30%RHとした。流延は膜の厚みが150μm程度になるように行った。形成された流延膜を、引き続き大気雰囲気中25℃・30%RHにおいて静置した。静置時間は10分間とした。
静置後の流延膜を、120℃30分間乾燥させた後にピンテンターへ固定した。この固定状態で、大気雰囲気中300℃で30分間にわたり熱処理を行い、ポリイミド前駆体をイミド化した。このようにしてポリイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィルムは多孔質構造を有さないものである。
〔比較例1〕
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液の流延膜を形成し、3秒間静置後に該流延膜をN−メチルピロリドン中へ浸漬した。それ以外は実施例1と同様にしてポリイミド多孔質フィルムを製造した。得られたポリイミド多孔質フィルムの表面及び断面の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
〔比較例2〕
比較例1において、ポリイミド前駆体溶液の流延膜を、18秒にわたり静置した以外は比較例1と同様にしてポリイミド多孔質フィルムを製造した。
〔比較例3〕
凝固浴にイオン交換水を用いた以外は比較例2と同様にしてポリイミド多孔質フィルムを製造した。
〔比較例4〕
実施例6において、流延膜の静置時間を18秒とした以外は実施例6と同様にしてポリイミドフィルムを製造した。このポリイミドフィルムは多孔質構造を有さないものである。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムについて、以下の方法で引張破断強度及び線膨張係数を測定した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔厚み〕
厚みは、東京精密社製 高精度デジタル測長器MINIAX PH-13及び同社表示ユニットDH-150を用いて測定した。20点を計測し、平均値と標準偏差を求めた。
〔引張強度〕
幅10mmの試験片をテンシロン引張試験装置に取り付けて行った。チャック間距離は200mmとした。引張速度は50mm/minとした。サンプルの空隙率や厚みの依存性を除くために、引張強度は荷重−歪み曲線において破断時に記録された荷重を試験片幅で割った値をもって引張強度とした。測定は5個の試験片の平均値とした。
〔線膨張係数〕
線膨張係数は、サンプルをTMA装置(引張りモード、2g荷重、試料長10mm、20℃/分、50〜200℃)で測定して求めた。測定は3個の試験片の平均値とした。
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られたポリイミドフィルム及びポリイミド多孔質フィルムは、各比較例に比べて引張強度が高く、また、線膨張係数が小さく、且つ厚みの変動幅が小さく均質性が高いことが判る。また、図1と図2との対比から明らかなとおり、実施例1で得られたポリイミド多孔質フィルムは、比較例1に比べて孔径が大きく、且つ均一な孔径を有していることが判る。

Claims (5)

  1. 有機溶媒にポリイミド前駆体が溶解してなる溶液を流延して流延膜を形成し、
    前記流延膜を1分以上60分以下の時間にわたり大気雰囲気中室温下に静置し、
    その後、前記流延膜中の前記ポリイミド前駆体をイミド化する、工程を含むポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 静置した前記流延膜を、ポリイミド前駆体の凝固溶媒中に浸漬し、
    前記凝固溶液中から引き上げた前記流延膜を加熱して前記ポリイミド前駆体をイミド化するか、又は該流延膜を化学イミド化して、該ポリイミド前駆体をイミド化して、ポリイミド多孔質フィルムを得る工程を更に含む請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 静置後の前記流延膜を、ポリイミド前駆体の良溶媒中に浸漬し、該良溶媒中から引き上げ、その後に前記凝固溶媒中に浸漬する工程を更に含む請求項2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記良溶媒としてN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルホルムアミドから選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合溶媒を用いる請求項3に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 前記凝固溶媒としてメタノール、エタノール及び水から選ばれるいずれか1種又は2種以上の混合物を用いることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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