JP2016190801A - 難消化性グルカンを含有する血中中性脂肪上昇抑制剤および血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤 - Google Patents

難消化性グルカンを含有する血中中性脂肪上昇抑制剤および血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤 Download PDF

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Hiroyuki Bito
寛之 尾藤
宏和 平井
Hirokazu Hirai
宏和 平井
徳寿 濱口
Noritoshi Hamaguchi
徳寿 濱口
敏寛 山本
Toshihiro Yamamoto
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Abstract

【課題】簡便・安価な製法で製造可能な新規な血中中性脂肪上昇抑制剤および血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤の提供。【解決手段】DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる血中中性脂肪上昇抑制剤;血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤;前記剤を含有する医薬品、医薬部外品、飲食品、または飼料。DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる肥満症、動脈硬化、生活習慣病、メタボリックシンドローム、脂質異常症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中または脂肪肝の予防剤または治療剤。【選択図】図3

Description

本発明は、難消化性グルカンを含有する血中中性脂肪上昇抑制剤、血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤に関する。
近年、食生活の欧米化に伴う過度のカロリー摂取や運動不足、更には過度のアルコール摂取等を要因として血中の中性脂肪値が基準値を上回る人が増加している。血中中性脂肪が高くなると動脈硬化を引き起こし、その結果、心筋梗塞や狭心症、脳卒中といった病気に罹る可能性が高くなる。また、血中中性脂肪が高くなることで肝硬変や肝臓がんのリスクも上昇する。
生活習慣病等に罹患するリスクを低減し健康を維持・増進するためには、食生活の改善や運動に加え、血中中性脂肪の上昇を抑制することも効果的である。種々の血中中性脂肪の上昇抑制効果を有する化合物あるいは材料が提案されており、例えば、難消化性デキストリン(特許文献1)、茶葉抽出残渣(特許文献2)、セルロースとリグニンが植物体中の結合状態を維持している可食性食物繊維(特許文献3)、アカザ科フダンソウ属植物抽出物の低極性成分(特許文献4)、ゴマ種子からの油脂製造工程で発生するガム質・オリを低級アルコールで分画して得られる糖脂質分画物(特許文献5)、テトラヒドロクルクミン類(特許文献6)、リン含量が760ppm以上である馬鈴薯澱粉・澱粉粕(特許文献7)、特殊な多分岐構造を有するα-グルカン(特許文献8)、大麦の葉の加工物(特許文献9)などが血中中性脂肪上昇抑制剤としての機能を有することが報告されている。
また、血中のレムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP−C)も血管に付着することにより動脈硬化を促すことが知られており、様々な疾病のリスクを上昇させるものである。血中レムナント様リポ蛋白コレステロールの上昇を抑制するものとして、例えば、特許文献10には発芽した米を有効成分として含有する食品が提案されている。
しかしながら、いずれの素材も特定の原料から抽出精製作業が必要であったり、加工処理が必要であったり、製造に特殊な酵素が必要であったりと、供給安定性や製造コストの点で問題があった。さらに、血中中性脂肪上昇抑制剤や血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤の選択肢を広げる意味でも、新たな素材の開発が望まれていた。
一方、特許文献11には、活性炭を触媒として原料糖質を加熱することを特徴とする糖縮合物(水溶性食物繊維)の製造方法が開示されている。当該製法により、DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合することで簡便・安価な製法で新たな水溶性食物繊維素材が製造されている。しかしながら、特許文献11には、この水溶性食物繊維素材の血中中性脂肪上昇抑制作用や血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制作用については一切開示されていない。
特開平05−255404号 特開平06−287145号 特開平06−340532号 特開平07−69911号 特開平07−118159号 特開2003−2827号 特開2007−1925号 特開2010−100583号 特開2012−121840号 特開2006−158343号 特開2013−76044号
本発明は、新たな血中中性脂肪上昇抑制剤や血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤を提供することを目的とする。
本願発明者らは、DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンが生体内で血中中性脂肪上昇抑制作用および血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制作用を有することを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる、血中中性脂肪上昇抑制剤。
(2) 難消化性グルカンが、活性炭の存在下で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、(1)に記載の血中中性脂肪上昇抑制剤。
(3) 難消化性グルカンが、100〜300℃で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、(1)または(2)に記載の血中中性脂肪上昇抑制剤。
(4) DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる、血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤。
(5) 難消化性グルカンが、活性炭の存在下で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、(4)に記載の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤。
(6) 難消化性グルカンが、100〜300℃で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、(4)または(5)に記載の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤。
(7) (1)〜(3)のいずれか一項記載の血中中性脂肪上昇抑制剤または(4)〜(6)のいずれか一項記載の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤を含有する医薬品、医薬部外品、飲食品、または飼料。
(8) DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる、肥満症、動脈硬化、生活習慣病、メタボリックシンドローム、脂質異常症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中または脂肪肝の予防剤または治療剤。
本発明によれば、難消化性グルカンを使用することで、安価で安定的に供給可能な新規の血中中性脂肪上昇抑制剤や血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤を提供できる点で有利である。
試験デザインの概要を示す図である。 対照食品摂取群、低用量群および高用量群における、負荷食摂取前から摂取後6時間の血中中性脂肪値(mg/dL)の変化量(ΔTG)の経時的変化を示す図である。 対照食品摂取群、低用量群および高用量群における、負荷食摂取前から摂取後6時間の血中中性脂肪値(mg/dL)変化量(ΔTG)のAUC(ΔTG AUC)を示す図である。 対照食品摂取群、低用量群および高用量群における、負荷食摂取前から摂取後6時間の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール値(mg/dL)の変化量(ΔRLP−C)の経時的変化を示す図である。 対照食品摂取群、低用量群および高用量群における、負荷食摂取前から摂取後6時間の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール値(mg/dL)変化量(ΔRLP−C)のAUC(ΔRLP−C AUC)を示す図である。
本発明による血中中性脂肪上昇抑制剤は、DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる血中中性脂肪上昇抑制剤である。
本発明において「難消化性グルカン」は、難消化性のグルカン(グルコースポリマー)を意味し、DE70〜100の澱粉分解物を、加熱処理により縮合反応させることで得られる糖縮合物として得ることができる。難消化性グルカンは、水溶性食物繊維画分を豊富に有している。
難消化性グルカンの原料となる澱粉分解物としては、DEが70〜100である澱粉分解物を使用することができる。澱粉分解物のDEが70を下回ると、分解が不十分であるために得られる難消化性グルカンに澱粉由来の構造が多く残存してしまい、体内酵素により分解され易く容易に吸収されてしまう傾向があり、血中中性脂肪上昇抑制作用の点で好ましくない。ここで、「DE(Dextrose Equivalent)」とは、澱粉分解物の分解度合いの指標であり、試料中の還元糖をブドウ糖として固形分に対する百分率で示した値である。澱粉分解物は、DEが75〜100であることが好ましく、80〜100であることがより好ましい。本発明に用いられる「DE70〜100の澱粉分解物」は、DEが所定の範囲を満たす澱粉分解物であればよく、例えば、マルトオリゴ糖、水飴、粉飴、グルコース等が挙げられる。その性状も特に制限はなく、結晶品(無水ぶどう糖結晶、含水ぶどう糖結晶等)、液状品(液状ぶどう糖、水飴等)、非結晶粉末品(粉飴等)のいずれでも良いが、ハンドリングや製造コストを考慮すると液状品を用いることが好ましい。特に、グルコースの精製工程で生じる副産物である「ハイドロール」と呼ばれるグルコースシラップの使用は、リサイクルや原料コスト削減の観点から極めて有利である。
本発明において「加熱縮合」は、澱粉分解物を加熱条件下において縮合させることをいい、加熱縮合方法は当業者に周知である。加熱縮合における加熱条件は、縮合反応により水溶性食物繊維が豊富な難消化性グルカン(糖縮合物)が得られれば特に制限はなく、当業者であれば加熱条件を適宜決定することができるが、得られる難消化性グルカン(糖縮合物)の食物繊維含量が70%以上となるように加熱することが好ましく、例えば、100℃〜300℃で1〜180分間、より好ましくは、150℃〜250℃で1〜180分間加熱処理することで製造できる。
本発明において「加熱縮合」は、無触媒条件下で行ってもよいが、縮合反応の反応効率の点から触媒存在下で行うことが好ましい。前記触媒としては糖縮合反応を触媒するものであれば特に制限はないが、無機酸(塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(クエン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酢酸等)、鉱物性物質(珪藻土、活性白土、酸性白土、ベントナイト、カオリナイト、タルク等)および活性炭(水蒸気炭、塩化亜鉛炭、スルホン化活性炭、酸化活性炭等)を用いることができる。得られる水溶性食物繊維素材の着色や安全性、更には味・臭いを考慮すると、触媒として活性炭を用いることが好ましい。また、前記各触媒は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いる難消化性グルカンは、上記手法で得られた糖縮合物をそのまま用いても良く、あるいは、難消化性グルカンの各種処理物を用いても良い。難消化性グルカン処理物としては、例えば、難消化性グルカン酵素処理物、難消化性グルカン分画処理物、難消化性グルカン還元処理物が挙げられる。
本発明において「難消化性グルカン酵素処理物」は、糖縮合物を糖質分解酵素で酵素処理して得ることができる。当該処理により難消化性グルカン中の消化性部位を分解することができるため、食物繊維含量を高める事ができる。
本発明に用いられる「糖質分解酵素」は、糖質に作用し加水分解反応を触媒する酵素であり、特に制限はないが、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ(アミログルコシダーゼ)、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、α−グルコシダーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−マンノシダーゼ、β−フルクトシダーゼ、セロビアーゼ、ゲンチオビアーゼ等を挙げることができ、前記酵素を単独で用いてもよく、複数の酵素を組み合わせて用いてもよい。難消化性グルカンへの分解作用からα−アミラーゼ、グルコアミラーゼが好ましく、両酵素のいずれかを単独で作用させてもよいが、α−アミラーゼおよびグルコアミラーゼを共に作用させるのが特に好ましい。
本発明において「酵素処理」の処理条件は、酵素処理により糖縮合物の易消化性部分が消化される条件であれば特に制限はなく、当業者であれば酵素処理条件を適宜決定することができるが、酵素処理によりグルコース含量が1%以上、より好ましくは2%以上増加するように処理するのが好ましく、例えば、20〜120℃で30分間〜48時間、より好ましくは、50〜100℃で30分間〜48時間酵素処理することができる。
本発明において「難消化性グルカン分画処理物」は、難消化性グルカン酵素処理物を二糖以下の画分が15%以下となるように分画処理して得ることができる。言い換えれば「難消化性グルカン分画処理物」は三糖以上の糖類を85%を超えて有するものである。ここで「%」は、固形分に対する質量%を意味する。
本発明において「分画処理」は、二糖以下の画分を15%以下にすることができるものであれば特に制限はなく、その分離方法は当業者に周知の手段を利用することができる。
前記分画処理は、例えば、膜分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、カーボン−セライトカラムクロマトグラフィー、強酸性陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、エタノール沈殿、溶媒沈殿など当業者に周知の糖質の精製方法を使用することができる。前記分画処理は、二糖以下の画分が10%以下となるよう行うのが好ましく、5%以下となることが特に好ましい。
本発明において「難消化性グルカン還元処理物」は、難消化性グルカンを還元処理して得ることができる。本発明において「還元処理」は、糖の還元末端のグルコシル基のアルデヒド基を水酸基に還元する処理をいう。還元処理方法は当業者に周知であり、例えば、ヒドリド還元剤を用いる方法、プロトン性溶媒中の金属を用いる方法、電解還元方法、接触水素化反応方法等が挙げられる。本発明においては、少量の糖アルコールを調製する場合にはヒドリド還元剤を用いる方法が簡便且つ特殊な装置を必要とせず便利であり、一方で、工業的に大規模に実施する場合には、経済性に優れ、副生成物も少ないという点から、接触水素化反応を用いる方法が好ましい。「接触水素化反応」とは、触媒の存在下、不飽和有機化合物の二重結合部に水素を添加する反応であり、一般に水添反応とも言われている。
本発明における「還元処理」を具体的に説明すると、難消化性グルカンを水に溶解し、そこにラネーニッケル触媒を適量加え、水素ガスを添加し、高温条件下で還元する。次に、脱色・脱イオン処理して、難消化性グルカン還元処理物を得ることができる。
本発明において「血中中性脂肪上昇抑制剤」とは、脂肪分を含有する食品の摂食時・摂食後における、血中中性脂肪値の上昇を抑制する製剤を意味する。好ましくは、高脂肪負荷食(より好ましくは脂肪量20g以上、特に好ましくは脂肪量30g以上、最も好ましくは脂肪量40g以上の高脂肪負荷食)摂食時・摂食後の血中中性脂肪上昇抑制用の製剤とすることができる。本発明の血中中性脂肪上昇抑制剤は、肥満症の予防や治療用に用いることができる。更に、動脈硬化、生活習慣病、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)、脂質異常症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、脂肪肝等の疾病の予防や治療用に用いることができる。すなわち、本発明に示した難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物は、肥満症、動脈硬化、生活習慣病、メタボリックシンドローム、脂質異常症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中または脂肪肝の予防剤または治療剤として利用することもできる。
本発明による血中中性脂肪上昇抑制剤は、難消化性グルカンを含有していればよく、難消化性グルカン単独でも、その他の成分と混合したものであっても良い。例えば、大麦の葉の加工物、茶葉抽出残渣、難消化性デキストリン等の公知の血中中性脂肪上昇抑制剤や他の薬理作用を有する物質と混合したものであっても良い。
本発明による血中中性脂肪上昇抑制剤は、必要に応じて、有効成分である難消化性グルカンに対し薬学的に許容される基材や担体を添加して製剤化することができる。本発明による血中中性脂肪上昇抑制剤は、例えば、経口投与される製剤であり、錠剤、顆粒剤、散剤、液剤、粉末、顆粒、カプセル剤等の形態で提供することができる。このような製剤化は、通常、医薬の製造に用いられる方法に従って、製造することができる。本発明によれば、本発明による血中中性脂肪上昇抑制剤を医薬品または医薬部外品に含有させて使用することができる。
本発明の血中中性脂肪上昇抑制剤は、また、飲食品に添加して提供することもできる。添加する飲食品の種類に特に制限はなく、例えば、日常的に食する飲食品、健康食品(特定保健用食品、栄養機能食品、栄養補助食品等)、機能性食品、病者用食品等として提供することができる。その形態としては、飲食物、錠剤、液剤、カプセル(軟カプセル、硬カプセル)、粉末、顆粒、スティック、ゼリーなどが挙げられる。このような飲食品は、通常、食品の製造に用いられる方法に従って製造することができる。なお、「特定保健用食品」とは、機能等を表示して食品の製造または販売等を行う場合に、保健上の観点から法上の何らかの制限を受けることがある食品をいう。
更に、本発明の血中中性脂肪上昇抑制剤は、飼育・養殖動物(家畜、家禽、魚類等)やペット・愛玩動物の飼料に含有させて提供することができる。
本発明による血中中性脂肪上昇抑制剤の使用量は、特に制限されず、適宜設定することができる。例えば、難消化性グルカンまたはその処理物が、食物繊維量として、1日あたり1〜30g、好ましくは、3〜10g摂取されるように設定することができる。
本発明によれば、DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を血中中性脂肪上昇抑制剤として含有する医薬品、医薬部外品、飲食品および飼料が提供される。難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物の含有量も特に制限はなく製品形態によりその含有量も様々であるが、例えば医薬品に含有させる場合は0.1〜30質量%、医薬部外品に含有させる場合は0.1〜30質量%、飲食品に含有させる場合は0.1〜10質量%、飼料に含有させる場合は0.1〜20質量%とすることができる。
本発明に示した難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物は、レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤としても効果を発揮することができる。本発明において「レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤」とは、脂肪分を含有する食品(より好ましくは脂肪量20g以上、特に好ましくは脂肪量30g以上、最も好ましくは脂肪量40g以上の高脂肪負荷食)の摂食時・摂食後における、血中のレムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP−C)の上昇を抑制する製剤を意味する。本発明のレムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤は、当然ながら前記の血中中性脂肪上昇抑制剤と同様の製法で調製し、同様の用量、用法、用途等で用いることができる。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例:難消化性グルカンの血中中性脂肪上昇抑制作用およびレムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制作用の確認試験
試験食品
試験食品の処方を表1に示した。
Figure 2016190801
試験食品の栄養成分を表2に示した。
Figure 2016190801
難消化性グルカンとしては、フィットファイバー#80(日本食品化工株式会社製)をα-アミラーゼ及びグルコアミラーゼによる酵素処理の後、脱色・精製・濃縮・樹脂分画・乾燥して得られた粉末を使用した。フィットファイバー#80は、DE87(レーンエイノン法で測定)の澱粉分解物を、特開2013−76044号に記載の方法に従って、活性炭を触媒として加熱縮合させて得られる糖縮合物である。
マルトデキストリンとしては、パインデックス#2(松谷化学工業株式会社製)を使用した。なお、マルトデキストリンは、難消化性グルカンと同等の着色となるように着色料(カラメル)を用いて色調を調整した。
被験者の選択基準
1)20歳以上、65歳未満の男女
2)スクリーニング検査の結果、空腹時血中中性脂質値が120〜200mg/dLであった者。
3)アルコール多量常飲者でない者(負荷試験実施2日前からの禁酒が可能な者)。
4)試験の目的・内容について十分な説明を受け、同意能力があり、よく理解した上で自発的に参加を志願し、書面で試験参加に同意した者。
試験のデザイン
試験デザインを図1に示した。被験者はスクリーニング検査を受けた後、2週間の前観察期が与えられた。その後、被験者は、各負荷試験の前日夕方より試験施設で指定した夕食を摂取し、同施設で前泊した。負荷試験当日は試験食品摂取1時間前に血圧、脈拍数を測定し、採血及び問診を行った。その後、高脂肪負荷食(脂肪量40g)とともに試験食品を摂取し、摂取後2、3、4、6時間後に採血を実施した。被験者数は各群20名で実施した。
なお、試験食品は、1包を100mlの水に溶かしたものを、表3に示した高脂肪負荷食(脂肪量40.3g)と水200mlと同時に20分以内に摂取し、試験食品摂取後に沈殿があったら再度水を注いですべて摂取した。
Figure 2016190801
検査及び調査
負荷試験に各項目を測定し、検査数値を比較して有効性を確認した。
評価項目と評価基準は以下の通りとした。
血中中性脂肪(TG;triglyceride)値の経時的変化及び血中濃度曲線下面積(AUC;area under the curve)
血中レムナント様リポ蛋白(RLP;remnant like particle)コレステロール値の経時的変化及び血中濃度曲線下面積(AUC)
有効性に関する解析(1)
血中中性脂肪及びレムナント様リポ蛋白コレステロールの測定項目について測定値の変化量を用いて対照食品群と低用量群、高用量群を下記手順で比較した。
1)基本統計解量(平均値、標準誤差)を算出する。
2)負荷食摂取前、摂取後2、3、4、6時間におけるΔTGおよびΔRLP−コレステロールについてDunnett検定を実施した。ここでΔは負荷食摂取前の測定値を0とした時の変化量を示す。
有効性に関する解析(2)
食後中性脂肪(TG)値の血中濃度曲線下面積(AUC)、レムナント様リポ蛋白(RLP)コレステロール値の血中濃度曲線下面積(AUC)を算出し、対照食品群と低用量群、高用量群を下記手順で比較した。
1)Trapezoidal method(台形法)によりAUCを算出する。
2)基本統計解量(平均値、標準偏差)を算出する。
3)ΔTG AUC、ΔRLP−コレステロール AUCについてDunnett検定を実施した。ここでΔは負荷食摂取前の測定値を0とした時の変化量を示す。
試験結果
血中ΔTG及びΔRLP−コレステロール値の経時的変化、ΔAUCについて解析を行い、対照食品群と低用量群、高用量群の変化量をそれぞれ図2、図3、図4及び図5に示した。
ΔTGの経時変化については、高用量群において、対照食品群と比較して摂取後4、6時間で有意に低い値を示した(Dunnett検定: p <0.05)(図2)。また、ΔTG AUCについても、高用量群において、対照食品群と比較して有意に低い値を示した(Dunnett検定: p <0.05)(図3)。
ΔRLP−コレステロールの経時変化については、高用量群において、対照食品群と比較して摂取後6時間で有意に低い値を示した(Dunnett検定: p <0.05)(図4)。また、ΔRLP−コレステロール AUCについても、高用量群において、対照食品群と比較して有意に高い値を示した(Dunnett検定: p <0.05)(図5)。
以上のことから、本発明による難消化性グルカンは血中中性脂肪上昇抑制作用および血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制作用を有しており、血中中性脂肪上昇抑制剤や血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤として有用であることが示された。

Claims (8)

  1. DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる、血中中性脂肪上昇抑制剤。
  2. 難消化性グルカンが、活性炭の存在下で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、請求項1に記載の血中中性脂肪上昇抑制剤。
  3. 難消化性グルカンが、100〜300℃で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、請求項1または2に記載の血中中性脂肪上昇抑制剤。
  4. DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる、血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤。
  5. 難消化性グルカンが、活性炭の存在下で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、請求項4に記載の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤。
  6. 難消化性グルカンが、100〜300℃で加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる、請求項4または5に記載の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項記載の血中中性脂肪上昇抑制剤または請求項4〜6のいずれか一項記載の血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤を含有する医薬品、医薬部外品、飲食品、または飼料。
  8. DE70〜100の澱粉分解物を加熱縮合させて得られた糖縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含んでなる、肥満症、動脈硬化、生活習慣病、メタボリックシンドローム、脂質異常症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中または脂肪肝の予防剤または治療剤。
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JP2015070874A Pending JP2016190801A (ja) 2015-03-31 2015-03-31 難消化性グルカンを含有する血中中性脂肪上昇抑制剤および血中レムナント様リポ蛋白コレステロール上昇抑制剤

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