JP5238373B2 - 腸間膜脂肪低減剤 - Google Patents

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本発明は、腸間膜脂肪低減剤に関する。
近年、日本において、欧米化された動物性脂肪の多い食事を摂取する機会が多くなり、肥満者が増加している。肥満になると心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の発症リスクが高まるため、肥満を改善して健康な身体を維持することは、予防医学の観点から重要である。
肥満には皮下組織に脂肪が蓄積する皮下脂肪型肥満と、臓器の間に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満の2つの型がある。内臓脂肪組織は、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター(PAI-1)や腫瘍壊死因子(TNF-α)の炎症性サイトカインを活発に分泌している。PAI-1は、動脈硬化の促進に関与し、TNF-αは、インスリン抵抗性を引き起こす。そのため、皮下脂肪型肥満よりも、内臓脂肪型肥満の方が、高血圧、高脂血症、糖尿病などの他の生活習慣病を合併しやすいことが報告されている(非特許文献1)。
また、内臓脂肪組織の量が多くなると、血中のアディポネクチン量が減少する。アディポネクチンは、インスリン感受性増強作用、抗動脈硬化作用などを有する脂肪組織特異的ホルモン因子であり、「低アディポネクチン血症」は、糖尿病や動脈硬化症などの発症において、それらの上流に位置する根幹病態であることが明らかとなっている(非特許文献2)。
また、過栄養や運動不足によって肥大化した脂肪組織から多く分泌されるMCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)は、マクロファージの脂肪組織への浸潤を促し、この浸潤したマクロファージと脂肪組織が相互作用することによって炎症が引き起こされ、インスリン抵抗性の発症へと繋がると考えられている。近年の研究では、脂肪組織によってMCP-1の発現が異なることが明らかとなっており、副睾丸脂肪、腎臓脂肪、皮下脂肪に比べ、腸間膜脂肪からのMCP-1の分泌量が顕著に高いことが示されている(非特許文献3)。このように、同じ内臓脂肪組織であっても、腸間膜脂肪が肥満に起因する炎症反応に重要な働きを示す可能性が示唆されている。
したがって、生活習慣病を中心としたこれらの疾患の症状を予防又は改善するためには、内臓脂肪の蓄積を低減させること、特に腸間膜脂肪の蓄積を低減させることが有効であると考えられる。
腸間膜脂肪を低減させるためには生活習慣の改善、具体的には、食事量の低減と運動量の増加が必要である。しかし、これらを継続して実践するのは難しい。
そこで、日常の食生活で摂取することにより、手軽に腸間膜脂肪を低減し、生活習慣病の予防に役立つ食品素材及びそれを含む飲食品の開発が望まれている。
そのような腸間膜脂肪低減効果を有する食品素材は、既にいくつか報告されており、その代表的なものとして、カテキン(特許文献1)を挙げることができるが、カテキンは強い苦味を有するため、飲食品として日常的に摂取するには、風味上の問題がある。その他の腸間膜脂肪低減効果を有する食品素材としては、コージオリゴ糖(特許文献2)などを例示することができる。
一方、ガラクトオリゴ糖は、一般的には乳糖にβ―ガラクトシダーゼ等の酵素を作用させた時に生成する2〜6糖のオリゴ糖の総称であり、高温下や酸性条件下でも安定であるといった物性的な特徴を生かし、様々な食品に利用されている。
また、ガラクトオリゴ糖には、経口摂取することにより奏される様々な生理活性があることが知られている。例えば、炎症性腸疾患予防・治療効果(特許文献3)、二次胆汁酸低下効果(特許文献4)、血中脂質代謝改善効果(特許文献5)が報告されているが、腸間膜脂肪低減効果については報告されていない。
特開2002−326932号公報 特開2005−281188号公報 特開平11−116484号公報 特開平8−40913号公報 特開平1−242529号公報 Adiposcience, Vol.3, No.1, 24-31 (2006) Molecular Medicine, Vol.39, No.4, 416-423 (2002) Obesity. 14(8), 1353-1362 (2006)
本発明の目的は、日常的に手軽に摂取できる腸間膜脂肪低減剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ガラクトオリゴ糖に、内臓脂肪のうちでも特に腸間膜脂肪(組織)に対して低減効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここでいう腸間膜とは、小腸(空腸と回腸)の大部分を支持する、腹壁に付着した二重の腹膜をいい、腸間膜脂肪(組織)とはその周囲に存在する脂肪(組織)をいう。
すなわち、本発明は、ガラクトオリゴ糖を有効成分とする腸間膜脂肪低減剤を提供するものである。
本発明の腸間膜脂肪低減剤は、手軽に飲食可能なガラクトオリゴ糖を有効成分として含み、これをそのまま、あるいは各種の飲食品などに配合して摂取することにより、腸間膜脂肪を低減することができ、腸間膜脂肪の蓄積に起因する生活習慣病の予防又は改善が期待できる。
本発明の腸間膜脂肪低減剤は、ガラクトオリゴ糖を有効成分として含むものである。
本発明で用いるガラクトオリゴ糖は、分子内にガラクトースを一分子以上含む2〜8糖のオリゴ糖であれば特に限定されるものではなく、例えば、一般式:Gal−(Gal)n−Glc(但し、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基、nは1〜6の整数を表す)で表される3糖以上のオリゴ糖;Gal−Galや乳糖の異性体などのガラクトシル2糖などが挙げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、上記オリゴ糖の結合様式についても特に限定されるものではなく、例えばβ1−6、β1−3、β1−4、β1−2、α1−3、α1−6結合などが挙げられる。
上記一般式において、nは1〜4が好ましく、特に1〜2が好ましい。
3糖のガラクトオリゴ糖としては、Galβ1−4Galβ1−4Glc、Galβ1−4Galβ1−3Glc、Galβ1−6Galβ1−4Glcなどが挙げられる。
また、4糖のガラクトオリゴ糖としては、Galβ1−6Galβ1−4Galβ1−4Glcなどが挙げられる。
上記ガラクトオリゴ糖は、如何なる方法で得られたものでもよく、例えば、ガラクトオリゴ糖を含む天然物から単離・精製する方法や、原料に酵素或いは酵素を産生する微生物を作用させる方法により得られたものを使用することができる。また、市販のガラクトオリゴ糖、例えば、ヤクルト薬品工業株式会社製のオリゴメイトS−HP、日新製糖株式会社製のカップオリゴなどを使用することもできる。
本発明で用いるガラクトオリゴ糖を天然物から単離・精製する方法は、何ら限定されるものではなく、常法により単離・精製することができる。ガラクトオリゴ糖を含む天然物の種類は、何ら限定されるものではなく、例えば、哺乳動物の乳汁などが挙げられる。
本発明で用いるガラクトオリゴ糖を、酵素或いは酵素を産生する微生物を作用させて製造する方法は、常法により行うことができ、例えば、原料に直接酵素を作用させる方法や、原料を含んだ培地中で酵素を産生する微生物を培養する方法などが挙げられる。
上記、酵素或いは酵素を産生する微生物を用いてガラクトオリゴ糖を製造する方法において、用いる原料としては、例えば乳糖、ガラクトースなどを含む原料を挙げることができ、乳糖を含む原料が好ましい。
乳糖を含む原料としては、例えば、市販の乳糖、乳汁、粉乳、チーズホエーなどが挙げられる。当該乳汁は、そもそもガラクトオリゴ糖を含むものであるが、乳糖も含むため、酵素を作用させる方法でガラクトオリゴ糖を製造する際の原料として使用してもよい。
この際用いる酵素としては、ガラクトオリゴ糖を得ることができる酵素であれば特に限定されるものではなく、例えば、原料中の乳糖を加水分解し、分解により生じたガラクトースを乳糖やグルコースに転移させることができる酵素、具体的にはβ―ガラクトシダーゼやα―ガラクトシダーゼなどが挙げられる。これらの酵素は、単独で或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、2種以上の酵素を用いる場合には、同時に又は順次作用させてもよい。ガラクトオリゴ糖の製造において、前記酵素を作用させる条件は、特に限定されるものではないが、一般的には、原料濃度は10〜70%、pHは3〜8、酵素濃度は0.01〜100units/ml、温度は20〜70℃、反応時間は2時間〜3日間が適当である。
なお、前記した酵素は、市販されているものを好適に使用することができるが、酵素を生合成する哺乳動物や植物の組織、または酵素を産生する微生物の菌体または培養上清等から常法に従って得られるものも好適に利用することができる。中でも微生物の菌体または培養上清から得られる酵素は、酵素活性が高いものが多いため、これを用いることが好ましい。また、後述の通り、酵素を産生する微生物は、そのまま直接培養することにより、所望の酵素反応を達成することが出来るなどの利点を有するため、有用である。
ここで、ガラクトオリゴ糖製造用の酵素を産生する微生物としては、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ブルガリクス、クリベロマイセス・フラギリス、クリベロマイセス・ラクチス、アスペルギルス・オリゼ、ペニシリウム・ムルチカラ、リゾプス・オリゼ、バチルス・サーキュランス、クリプトコッカス・ローレンティ、スポロボロマイセス・シンギュラリス、サッカロミセス・フラギリス、リポマイセス・リポファ、ステリグマトマイセス・エリビエアエ、ロドトルラ・ミヌタ及びシロバシディウム・マグナムなどが挙げられ、特に、スポロボロマイセス・シンギュラリス及びクリベロマイセス・ラクチスが好ましい。
これらの微生物から酵素を製造するには、用いる微生物に適した条件で培養を行い、目的に応じて、得られる菌体またはその培養上清から常法に従って、酵素を単離・生成すればよい。例えば、培養により得た菌体を超音波または界面活性剤により破砕し、不溶物を除去する方法、若しくは、クロマトグラフィーを用いて精製する方法を挙げることができる。
また、前記した酵素を産生する微生物は、原料を含む培地中で直接培養することもできる。この場合の培養条件は、特に制限されるものではなく、用いる微生物の培養に適した条件で行えばよいが、一般的には、原料濃度は10〜70%、pHは3〜8、温度は20〜70℃、培養時間は2時間〜3日間が適当である。
また、培養方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、液体培地に微生物を添加し、培養する方法や微生物を担体に固定し、固定化増殖菌体として培養する方法を挙げることができる。
本発明の腸間膜脂肪低減剤は、上記方法に代表される常法に従って得られたガラクトオリゴ糖を含む糖液、または市販のガラクトオリゴ糖をそのまま用いることができるが、より優れた効果を得るため公知の精製手段を用いて糖液などに含まれる単糖および未反応乳糖などを除去し、ガラクトオリゴ糖の含有率を高めたものを用いることが好ましい。当該精製手段としては、特に制限されるものではなく、例えば活性炭カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーまたはゲル濾過クロマトグラフィーや微生物などを適宜単独で又は組み合わせて行えばよい。
上記精製されたガラクトオリゴ糖において、ガラクトオリゴ糖の含有率は特に制限されるものではないが、より優れた効果を得るためには含有率90%以上、特に95%以上が好ましい。
また、上記一般式:Gal−(Gal)n−Glc(但し、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基、nは1〜6の整数を表す)においてnが1〜2であるオリゴ糖の含有率は特に制限されるものではないが、糖組成中、85質量%以上、より90質量%以上、特に95質量%以上含有していることが好ましい。
また、3糖のガラクトオリゴ糖の含有率も特に制限されるものではないが、糖組成中、60質量%以上、より70質量%以上、特に75質量%以上含有することが好ましい。このときの4糖のガラクトオリゴ糖の含有率も特に制限されるものではないが、糖組成中、40質量%未満、より30質量%未満、特に20質量%未満含有することが好ましい。
また、Galβ1−4Galβ1−4Glcは、糖組成中、15質量%以上、より25質量%以上、特に35質量%以上含有することが好ましい。これらの含有率は、すべて固形分あたりの含有率である。
後記実施例に示すように、ガラクトオリゴ糖は、マウスを用いた実験において体重の増減や摂取熱量の増減がほとんど認められず、また内臓脂肪のうち腸間膜脂肪組織を有意に減少させたことから、内臓脂肪の中でも特に腸間膜脂肪組織を減少させることができるので、当該ガラクトオリゴ糖は、腸間膜脂肪低減剤として使用することができる。
ここで、近年の研究の結果、腸間膜脂肪の蓄積は、アディポネクチンの分泌を減少させ、PAI-1の産生を亢進することが明らかとなった。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される、抗動脈硬化、抗炎症、抗糖尿病、抗高血圧作用を持つ生理活性物質である。一方、PAI-1は、アディポネクチンと同様に脂肪細胞から分泌される、血栓や血管病変を進展させる生理活性物質である。
また、前記背景技術に示すとおり、近年の研究では、脂肪組織によってMCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)の発現が異なることが明らかとなっており、副睾丸脂肪、腎臓脂肪、皮下脂肪に比べ、腸間膜脂肪からのMCP-1の分泌量が顕著に高いことが示されている(非特許文献3)。このMCP-1は、組織内で炎症を引き起こしたり、インスリン抵抗性の発症に関与していると考えられている。このように、同じ内臓脂肪組織であっても、腸間膜脂肪が肥満に起因する炎症反応及び当該炎症によって引き起こされるインスリン抵抗性の発症に重要な働きを示す可能性が示唆されている。このような背景から、内臓脂肪のなかでも特に腸間膜脂肪の蓄積抑制がインスリン抵抗性の抑制に繋がるのではないかと期待されているのである。
したがって、本発明の腸間膜脂肪低減剤は、腸間膜脂肪の低減作用又は腸間膜脂肪の蓄積抑制作用を有するので、アディポネクチンの減少やPAI-1の産生上昇を抑制すること、またインスリン抵抗性を抑制することが期待でき、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を予防又は改善することができ、さらに肥満とこれ以外の糖尿病などが重複し、動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞)を起こすリスクが高い状態であるメタボリックシンドローム(代謝異常症候群、マルチプルリスクファクター症候群、内臓脂肪蓄積症候群)の予防や改善などに大きな効果を奏することが期待される。
また、本発明のガラクトオリゴ糖は、元々食品として使用されているので、安全性、嗜好性共に問題はなく、単独で直接経口摂取してもよい。また、ガラクトオリゴ糖に必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被膜剤、乳化剤、分散剤、溶剤安定化剤などを適宜添加して、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤、シロップ剤などの経口製剤などに製造して使用しても良い。
さらに、本発明のガラクトオリゴ糖を既存の飲食品、例えば、パン、チューインガム、クッキー、チョコレート、菓子、シリアル、ジャム、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー、ジュース、コーヒー、ココア、乳酸菌飲料などに添加することも可能であり、通常の固形食品の摂取が困難な人のための流動食にも添加することが可能である。
本発明の内臓脂肪低減剤を経口投与する場合の投与量に制限はないが、1回の投与量としてガラクトオリゴ糖0.1〜10g、1日当たりの総投与量としてガラクトオリゴ糖0.1〜20gが好ましい。また、本発明の腸間膜脂肪低減剤は、一度に1日の必要量の全量を摂取してもよいし、数回に分けて摂取してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1:ガラクトオリゴ糖の製造
乳糖を含む培地中で、スポロボロマイセス・シンギュラリスを培養し、スポロボロマイセス・シンギュラリス由来のβ―ガラクトシダーゼと乳糖とを反応させた。その後、クリベロマイセス・ラクチス由来のβ-ガラクトシダーゼを添加し、酵素反応を行った。酵素反応が十分行われた後、加温により酵素を失活させ、ガラクトオリゴ糖を含有する糖液を得た。その糖液をイオン交換樹脂が充填されたクロマト分離装置に供し、3糖以上画分を分画し(含有率97.8%)、これを凍結乾燥したものを以下の実施例に供した。
この画分の主要な糖組成は、3糖77.6%、4糖19.2%、5糖以上1%であった。
3糖の主成分は、Galβ1−4Galβ1−4Glc(41.7%)であり、他にGalβ1−4Galβ1−3Glc(10.2%)やGalβ1−6Galβ1−4Glc(11.3%)を含んでいた。
4糖の主成分は、Galβ1−6Galβ1−4Galβ1−4Glc(10.9%)であった。これらの含有率は、すべて固形分あたりの含有率である。
実施例1:ガラクトオリゴ糖のマウス腸間膜脂肪に対する低減効果の検討
ICRマウス(JC1:ICR、メス、3週齢、日本クレア株式会社)をMF食(オリエンタル酵母工業株式会社)で1週間予備飼育した後、平均体重がほぼ同一になるように3群に分け、表1に示す実験飼料を自由摂取で12週間投与した。
マウスの飼育は床敷きを入れたプラスチックケージで個別飼いとし、明暗サイクル12時間、室温23±3℃、湿度50±10%の環境下で行った。ガラクトオリゴ糖は、製造例1で製造したものを用いた。
投与期間中は、体重を1週間おきに、摂餌量を2、3日おきに測定した。摂取熱量を正確に測定するため、9週目に3日間、金網を敷いたプラスチックケージにマウスを移し、摂餌量を測定した。
投与期間終了後、マウスを解剖し、内臓脂肪の一種である腸間膜脂肪重量を測定した。
結果を図1〜4に示す。また、体重に占める腸間膜脂肪重量の割合を図5に示した。
実験開始前の体重は、対照群21.7±1.3g(平均値±標準偏差、以下同じとする)、ガラクトオリゴ糖1%群21.6±0.9g、ガラクトオリゴ糖2%群21.7±1.3gであり、実験終了後の体重は、対照群44.5±7.2g、ガラクトオリゴ糖1%群39.5±5.1g、ガラクトオリゴ糖2%群45.7±8.2gであった。また、一日当たりの平均摂取熱量は、対照群15.0±2.2kcal、ガラクトオリゴ糖1%群13.5±1.4kcal、ガラクトオリゴ糖2%群15.5±2.4kcalであった。これらに統計的に有意な差はなかった。
一方、実験終了時の腸間膜脂肪重量は、対照群0.94±0.3g、ガラクトオリゴ糖1%群0.62±0.1g、ガラクトオリゴ糖2%群0.43±0.2gであり、体重に占める腸間膜脂肪重量は、対照群は2.1±0.6%、ガラクトオリゴ糖1%群1.61±0.5%、ガラクトオリゴ糖2%群0.91±0.3%であり、ガラクトオリゴ糖投与で有意に低下した。
以上のことから、ガラクトオリゴ糖は、体重を減少させることなく、腸間膜脂肪を低減させることが明らかとなった。
Figure 0005238373
実験開始時の体重。 実験終了時の体重。 一日当たりの平均摂取熱量。 腸間膜脂肪重量。a,b 異なる記号をもつものは有意差有り(Tukeyの多重比較、P < 0.05) 体重に占める腸間膜脂肪重量の割合。a,b 異なる記号をもつものは有意差有り(Tukeyの多重比較、P < 0.05)

Claims (2)

  1. Galβ1−4Galβ1−4Glc、Galβ1−4Galβ1−3Glc、Galβ1−6Galβ1−4Glc及びGalβ1−6Galβ1−4Galβ1−4Glcを含むガラクトオリゴ糖組成物(但し、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基を表す)を有効成分とする腸間膜脂肪低減剤。
  2. ガラクトオリゴ糖組成物が、乳糖を含む原料に酵素又は酵素を産生する微生物を作用させて得られるものである、請求項1に記載の腸間膜脂肪低減剤。
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