JP5570244B2 - 腸間膜脂肪低減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、腸間膜脂肪低減剤に関する。
近年、日本において、欧米化された動物性脂肪の多い食事を摂取する機会が多くなり、肥満者が増加している。肥満になると心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の発症リスクが高まるため、肥満を改善して健康な身体を維持することは、予防医学の観点から重要である。
肥満には皮下組織に脂肪が蓄積する皮下脂肪型肥満と、臓器の間に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満の2つの型がある。内臓脂肪組織は、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター(PAI−1)や腫瘍壊死因子(TNF−α)の炎症性サイトカインを活発に分泌している。PAI−1は、動脈硬化の促進に関与し、TNF−αは、インスリン抵抗性を引き起こす。そのため、皮下脂肪型肥満よりも、内臓脂肪型肥満の方が、高血圧、高脂血症、糖尿病などの他の生活習慣病を合併しやすいことが報告されている(非特許文献1)。
また、内臓脂肪組織の量が多くなると、血中のアディポネクチン量が減少する。アディポネクチンは、インスリン感受性増強作用、抗動脈硬化作用などを有する脂肪組織特異的ホルモン因子であり、「低アディポネクチン血症」は、糖尿病や動脈硬化症などの発症において、それらの上流に位置する根幹病態であることが明らかとなっている(非特許文献2)。
また、過栄養や運動不足によって肥大化した脂肪組織から多く分泌されるMCP−1(monocyte chemoattractant protein−1)は、マクロファージの脂肪組織への浸潤を促し、この浸潤したマクロファージと脂肪組織が相互作用することによって炎症が引き起こされ、インスリン抵抗性の発症へと繋がると考えられている。近年の研究では、脂肪組織によってMCP−1の発現が異なることが明らかとなっており、副睾丸脂肪、腎臓脂肪、皮下脂肪に比べ、腸間膜脂肪からのMCP−1の分泌量が顕著に高いことが示されている(非特許文献3)。このように、同じ内臓脂肪組織であっても、腸間膜脂肪が肥満に起因する炎症反応に重要な働きを示す可能性が示唆されている。
したがって、生活習慣病を中心としたこれらの疾患の症状を予防又は改善するためには、内臓脂肪の蓄積を低減させること、特に腸間膜脂肪の蓄積を低減させることが有効であると考えられる。
腸間膜脂肪を低減させるためには生活習慣の改善、具体的には、食事量の低減と運動量の増加が必要である。しかし、これらを継続して実践するのは難しい。
そこで、日常の食生活で摂取することにより、手軽に腸間膜脂肪を低減し、生活習慣病の予防に役立つ食品素材及びそれを含む飲食品並びに医薬の開発が望まれている。
そのような腸間膜脂肪低減効果を有する食品素材は、既にいくつか報告されており、その代表的なものとして、カテキン(特許文献1)を挙げることができるが、カテキンは強い苦味を有するため、飲食品として日常的に摂取するには、風味上の問題がある。その他の腸間膜脂肪低減効果を有する食品素材としては、コージオリゴ糖(特許文献2)などを例示することができる。
一方、ガラクトオリゴ糖は、一般的には乳糖にβ−ガラクトシダーゼ等の酵素を作用させた時に生成するオリゴ糖の総称であり、高温下や酸性条件下でも安定であるといった物性的な特徴を生かし、様々な食品に利用されている。
また、ガラクトオリゴ糖には、経口摂取することにより奏される様々な生理活性があることが知られている。例えば、炎症性腸疾患予防・治療効果(特許文献3)、二次胆汁酸低下効果(特許文献4)、血中脂質代謝改善効果(特許文献5)が報告されている。また、腸間膜脂肪低減効果についても報告されている(特許文献6)。
一方、糖アルコールの一種であるソルビトール及びラクトチールに体脂肪低減効果があることが報告されている(非特許文献4)。
特開2002−326932号公報 特開2005−281188号公報 特開平11−116484号公報 特開平8−40913号公報 特開平1−242529号公報 特開2010−6718号公報
Adiposcience,Vol.3,No.1,24−31(2006) Molecular Medicine,Vol.39,No.4, 416−423(2002) Obesity,Vol.14,No.8,1353−1362(2006) Nutrition Research,Vol.27,No.440−447(2007)
本発明の目的は、日常的に手軽に摂取できる腸間膜脂肪低減剤を提供することである。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、還元ガラクトオリゴ糖に、内臓脂肪のうちでも特に腸間膜脂肪(組織)に対して低減効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここでいう腸間膜とは、小腸(空腸と回腸)の大部分を支持する、腹壁に付着した二重の腹膜をいい、腸間膜脂肪(組織)とは腸間膜に蓄積する脂肪(組織)をいう。
すなわち、本発明は、還元ガラクトオリゴ糖を有効成分とする腸間膜脂肪低減剤を提供するものである。
本発明の腸間膜脂肪低減剤は、手軽に飲食可能な還元ガラクトオリゴ糖を有効成分として含み、これをそのまま、あるいは各種の飲食品や医薬などに配合して摂取することにより、腸間膜脂肪を低減することができ、腸間膜脂肪の蓄積に起因する生活習慣病の予防又は改善が期待できる。
本発明の腸間膜脂肪低減剤は、還元ガラクトオリゴ糖を有効成分として含むものである。
本発明に用いられる還元ガラクトオリゴ糖は、ガラクトオリゴ糖を水素添加することにより得ることが出来る。ガラクトオリゴ糖は、乳糖を原料とした場合、一般的には乳糖やグルコース等が混在したガラクトオリゴ糖含有糖として得られるため、本発明におけるガラクトオリゴ糖には、ガラクトオリゴ糖含有糖も含むものとする。また、本発明の還元ガラクトオリゴ糖には、乳糖やグルコースの糖アルコールであるラクチトールやソルビトール等が混在した還元ガラクトオリゴ糖含有糖も含むものとする。
水素添加手段としては、特に限定されないが、高圧接触還元法や水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を添加する薬剤法が用いられる。高圧接触還元法においては、例えば触媒としてスポンジニッケルを用いて水素添加する方法がより好ましい。より詳細には、30〜80%(w/v)のガラクトオリゴ糖に対して0.02〜5重量%のスポンジニッケル触媒の存在下で、100〜200℃で、水素圧2〜15MPaで1〜5時間水素添加するのが好ましい。水素添加反応終了後は、活性炭処理、イオン交換処理等により精製して用いるのが好ましい。
原料として用いるガラクトオリゴ糖は、分子内にガラクトースを一分子以上含む2〜8糖のオリゴ糖であれば特に限定されるものではなく、例えば、一般式:Gal−(Gal)n−Glc(但し、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基、nは1〜6の整数を表す)で表される3糖以上のオリゴ糖;Gal−Galや乳糖の異性体などのガラクトシル2糖などが挙げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、上記オリゴ糖の結合様式についても特に限定されるものではなく、例えばβ1−6、β1−3、β1−4、β1−2、α1−3、α1−6結合などが挙げられる。
上記一般式において、nは1〜4が好ましく、特に1〜2が好ましい。
3糖のガラクトオリゴ糖としては、Galβ1−4Galβ1−4Glc、Galβ1−4Galβ1−3Glc、Galβ1−6Galβ1−4Glcなどが挙げられる。
また、4糖のガラクトオリゴ糖としては、Galβ1−6Galβ1−4Galβ1−4Glcなどが挙げられる。
上記ガラクトオリゴ糖は、如何なる方法で得られたものでもよく、例えば、ガラクトオリゴ糖を含む天然物から単離・精製する方法や、原料に酵素或いは酵素を産生する微生物を作用させる方法により得られたものを使用することができる。また、市販のガラクトオリゴ糖、例えば、ヤクルト薬品工業株式会社製のオリゴメイトS−HP、オリゴメイト55N、日新製糖株式会社製のカップオリゴなどを使用することもできる。
ガラクトオリゴ糖を天然物から単離・精製する方法は、何ら限定されるものではなく、常法により単離・精製することができる。ガラクトオリゴ糖を含む天然物の種類は、何ら限定されるものではなく、例えば、哺乳動物の乳汁などが挙げられる。
ガラクトオリゴ糖を、酵素或いは酵素を産生する微生物を作用させて製造する方法は、常法により行うことができ、例えば、原料に直接酵素を作用させる方法や、原料を含んだ培地中で酵素を産生する微生物を培養する方法などが挙げられる。
上記、酵素或いは酵素を産生する微生物を用いてガラクトオリゴ糖を製造する方法において、用いる原料としては、例えば乳糖、ガラクトースなどを含む原料を挙げることができ、乳糖を含む原料が好ましい。
乳糖を含む原料としては、例えば、市販の乳糖、乳汁、粉乳、チーズホエーなどが挙げられる。当該乳汁は、そもそもガラクトオリゴ糖を含むものであるが、乳糖も含むため、酵素を作用させる方法でガラクトオリゴ糖を製造する際の原料として使用してもよい。
この際用いる酵素としては、ガラクトオリゴ糖を得ることができる酵素であれば特に限定されるものではなく、例えば、原料中の乳糖を加水分解し、分解により生じたガラクトースを乳糖やグルコースに転移させることができる酵素、具体的にはβ−ガラクトシダーゼやα−ガラクトシダーゼなどが挙げられる。これらの酵素は、単独で或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、2種以上の酵素を用いる場合には、同時に又は順次作用させてもよい。ガラクトオリゴ糖の製造において、前記酵素を作用させる条件は、特に限定されるものではないが、一般的には、原料濃度は10〜70%、pHは3〜8、酵素濃度は0.01〜100units/mL、温度は20〜70℃、反応時間は2時間〜3日間が適当である。
なお、前記した酵素は、市販されているものを好適に使用することができるが、酵素を生合成する哺乳動物や植物の組織、又は酵素を産生する微生物の菌体又は培養上清等から常法に従って得られるものも好適に利用することができる。中でも微生物の菌体又は培養上清から得られる酵素は、酵素活性が高いものが多いため、これを用いることが好ましい。また、後述の通り、酵素を産生する微生物は、そのまま直接培養することにより、所望の酵素反応を達成することが出来るなどの利点を有するため、有用である。
ここで、ガラクトオリゴ糖製造用の酵素を産生する微生物としては、例えば、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ブルガリクス、クリベロマイセス・フラギリス、クリベロマイセス・ラクチス、アスペルギルス・オリゼ、ペニシリウム・ムルチカラ、リゾプス・オリゼ、バチルス・サーキュランス、クリプトコッカス・ローレンティ、スポロボロマイセス・シンギュラリス、サッカロミセス・フラギリス、リポマイセス・リポファ、ステリグマトマイセス・エリビエアエ、ロドトルラ・ミヌタ及びシロバシディウム・マグナムなどが挙げられ、特に、スポロボロマイセス・シンギュラリス及びクリベロマイセス・ラクチスが好ましい。
これらの微生物から酵素を製造するには、用いる微生物に適した条件で培養を行い、目的に応じて、得られる菌体又はその培養上清から常法に従って、酵素を単離・生成すればよい。例えば、培養により得た菌体を超音波又は界面活性剤により破砕し、不溶物を除去する方法、若しくは、クロマトグラフィーを用いて精製する方法を挙げることができる。
また、前記した酵素を産生する微生物は、原料を含む培地中で直接培養することもできる。この場合の培養条件は、特に制限されるものではなく、用いる微生物の培養に適した条件で行えばよいが、一般的には、原料濃度は10〜70%、pHは3〜8、温度は20〜70℃、培養時間は2時間〜3日間が適当である。
また、培養方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、液体培地に微生物を添加し、培養する方法や微生物を担体に固定し、固定化増殖菌体として培養する方法を挙げることができる。
ガラクトオリゴ糖を水素添加して得られた還元ガラクトオリゴ糖の重合度別組成は、原料ガラクトオリゴ糖の重合度別組成と同様である。還元ガラクトオリゴ糖の組成としては、単糖0〜40質量%、2糖0〜50質量%、3糖15〜80質量%、4糖以上2〜30質量%であるのが好ましく、単糖25〜35質量%、2糖23〜33質量%、3糖30〜40質量%、4糖以上2〜12質量%であるのが特に好ましい。これらの含有率は、すべて固形分あたりの含有率である。
後記実施例に示すように、還元ガラクトオリゴ糖は、ラットを用いた実験において、内臓脂肪のうち腸間膜脂肪組織を有意に減少させたことから、当該還元ガラクトオリゴ糖は、腸間膜脂肪低減剤として使用することができる。
ここで、近年の研究の結果、腸間膜脂肪の蓄積は、アディポネクチンの分泌を減少させ、PAI−1の産生を亢進することが明らかとなった。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される、抗動脈硬化、抗炎症、抗糖尿病、抗高血圧作用を持つ生理活性物質である。一方、PAI−1は、アディポネクチンと同様に脂肪細胞から分泌される、血栓や血管病変を進展させる生理活性物質である。
また、前記背景技術に示すとおり、近年の研究では、脂肪組織によってMCP−1(monocyte chemoattractant protein−1)の発現が異なることが明らかとなっており、副睾丸脂肪、腎臓脂肪、皮下脂肪に比べ、腸間膜脂肪からのMCP−1の分泌量が顕著に高いことが示されている(非特許文献3)。このMCP−1は、組織内で炎症を引き起こしたり、インスリン抵抗性の発症に関与していると考えられている。このように、同じ内臓脂肪組織であっても、腸間膜脂肪が肥満に起因する炎症反応及び当該炎症によって引き起こされるインスリン抵抗性の発症に重要な働きを示す可能性が示唆されている。このような背景から、内臓脂肪のなかでも特に腸間膜脂肪の蓄積抑制がインスリン抵抗性の抑制に繋がるのではないかと期待されている。
したがって、本発明の腸間膜脂肪低減剤は、腸間膜脂肪の低減作用又は腸間膜脂肪の蓄積抑制作用を有するので、アディポネクチンの減少やPAI−1の産生上昇を抑制すること、またインスリン抵抗性を抑制することが期待でき、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を予防又は改善することができ、さらに肥満とこれ以外の糖尿病などが重複し、動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞)を起こすリスクが高い状態であるメタボリックシンドローム(代謝異常症候群、マルチプルリスクファクター症候群、内臓脂肪蓄積症候群)の予防や改善などに大きな効果を奏することが期待される。
また、本発明の腸間膜脂肪低減剤には、他の成分を配合してもよく、例えば乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌等を配合するのが、腸間膜脂肪低減効果をさらに向上させる点で好ましい。ここで、ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・カテヌラタム、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラタム、ビフィドバクテリウム・アンギュラタム等が挙げられる。これらのビフィドバクテリウム属細菌は、還元ガラクトオリゴ糖1g(乾物重量)に対し、生菌数で102〜1012(CFU)配合するのが好ましい。
また、還元ガラクトオリゴ糖は、安全性、嗜好性共に問題はなく、単独で直接経口摂取してもよい。また、還元ガラクトオリゴ糖に必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被膜剤、乳化剤、分散剤、溶剤安定化剤などを適宜添加して、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤、シロップ剤などの経口製剤などに製造して使用しても良い。
さらに、還元ガラクトオリゴ糖を既存の飲食品、例えば、パン、チューインガム、クッキー、チョコレート、菓子、シリアル、ジャム、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー、ジュース、コーヒー、ココア、乳酸菌飲料などに添加することも可能であり、通常の固形食品の摂取が困難な人のための流動食にも添加することが可能である。
本発明の腸間膜脂肪低減剤を経口投与する場合の投与量に制限はないが、1回の投与量として還元ガラクトオリゴ糖0.1〜10g、1日当たりの総投与量として還元ガラクトオリゴ糖0.1〜20gが好ましい。また、本発明の腸間膜脂肪低減剤は、一度に1日の必要量の全量を摂取してもよいし、数回に分けて摂取してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1:還元ガラクトオリゴ糖の製造
オリゴメイト55N(ヤクルト薬品工業)のBrixを50に調整したもの27kgにスポンジニッケル触媒を2.5%添加し、撹拌しながら120〜130℃まで昇温し、水素圧を7〜8MPaまで上げて水素化を完了させた。スポンジニッケル触媒を除去した後に、常法に従って、活性炭、ケイソウ土ろ過、イオン交換樹脂による精製を行ない、Brix30の還元ガラクトオリゴ糖液糖(ラクチトール、ソルビトール、ガラクチトールを含む)を得た。なお、反応後の反応液に残存する還元糖の量(ベルトラント法、ガラクトース換算)は、反応前の30.3%から0.05%にまで低下していたことから、水素添加反応が十分に進行していることを確認した。
得られた還元ガラクトオリゴ糖及び原料ガラクトオリゴ糖の糖組成を表1に示す。
Figure 0005570244
実施例1
A.方法
(1)被検試料
ガラクトオリゴ糖としてオリゴメイト55N(ヤクルト薬品工業株式会社)をイオン交換樹脂が充填されたクロマト分離装置に供して3糖以上画分を分画し、これを凍結乾燥したもの(GOS、糖組成:3糖77.6%、4糖19.2%、5糖以上1%)を、還元ガラクトオリゴ糖として上記製造例1で得られたもの(OM−OH)を用いた。
(2)動物実験
使用動物
Wistarラット(Jcl:Wistar、雄、6週齢、日本クレア株式会社)を使用した。
被験飼料
AIN−93Mをベースとして、脂肪のエネルギー比が40%になるようにコーンスターチをラードに置換した高脂肪食を基本飼料(Cont)とした(表2)。これに、GOS、OM−OHを、それぞれ5%となるようにコーンスターチと置換して配合した。
実験スケジュール
入荷後7日間はMF固形飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)の自由摂取による馴化飼育を行なった。馴化飼育終了後、体重がほぼ一定になるように3群(1群3匹)に分け、被験飼料を32日間投与した。飼料と水は自由摂取とし、体重は週に1回、飼料摂取量は週に3回測定した。
解剖は午前9:30−12:30の間に、非絶食下で塩化ペントバルビタールによる麻酔下で実施した。解剖時には、腸間膜脂肪、精巣周囲脂肪、及び腎周囲脂肪を摘出して重量を測定した。
Figure 0005570244
(3)統計解析
実験結果は平均値±標準誤差で示した。
B.結果
(1)成長結果
成長結果を表3に示した。GOSとOM−OH投与群の間で、終体重、飼料摂取量、摂取熱量ともに大きな差はみられなかった。
Figure 0005570244
(2)内臓脂肪重量
内臓脂肪重量の結果を表4に示した。
Figure 0005570244
表4から明らかなようにガラクトオリゴ糖(GOS)よりも還元ガラクトオリゴ糖(OM−OH)の方が腸間膜脂肪低減効果が強いことが判明した。
実施例2
A.方法
(1)被検試料
還元ガラクトオリゴ糖として上記製造例1で得られたもの(OM−OH)を、ソルビトールとして特級試薬(D−ソルビトール、シグマアルドリッチジャパン株式会社)を、ラクチトールとして特級試薬(ラクチトール一水和物、和光純薬工業株式会社)を、ビフィドバクテリウム属細菌としてビフィドバクテリウム・ブレーベ(BbrY)粉末、(ビフィズス菌末FDP;約1.0×1011CFU/g、ヤクルト薬品工業株式会社)を用いた。
(2)動物実験
使用動物
Wistarラット(Jcl:Wistar、雄、6週齢、日本クレア株式会社)を使用した。
被験飼料
実施例1と同様に、AIN−93Mをベースとして、脂肪エネルギー比が40%になるようにコーンスターチをラードに置換した高脂肪食に、BbrYを加えた粉末飼料を基本食(Cont)とした。また、これにOM−OH、及びソルビトールとラクチトールの混合物(SL)(構成比=11:7;OM−OH中における構成比と同様)を、それぞれ5%となるようにコーンスターチに置換して配合した(表5)。飼料は給餌器を使用して給餌し、ビフィズス菌生菌数を108〜109CFU/g dietの範囲に維持できる3日以内に飼料交換を実施した。
実験スケジュール
入荷後7日間はMF固形飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)の自由摂取による馴化飼育を行なった。馴化飼育終了後、体重がほぼ一定になるように3群(1群8匹)に分け、被験飼料を5週間投与した。体重は週に1回、飼料摂取量は週に3回測定した。
解剖は、3時間の絶食の後、ソムノペンチル(ペントバルビタールナトリウム45.4mg/kg body weight i.p.)による麻酔下で実施した。腸間膜脂肪、精巣周囲脂肪、及び腎周囲脂肪を摘出して重量を測定した。
Figure 0005570244
(3)統計解析
実験結果は平均値±標準偏差で示した。パラメトリックTukey多重比較にて統計処理を行ない、危険率5%未満において有意差ありと判定した。統計解析には、SAS Version 8.2(SAS Institute Inc.)を使用した。
B.結果
(1)内臓脂肪重量
内臓脂肪重量の結果を表6に示した。
Figure 0005570244
表6より、還元ガラクトオリゴ糖(OM−OH)はソルビトールとラクチトールの混合物(SL)よりも腸間膜脂肪低減効果が強かった。
これらの結果から、還元ガラクトオリゴ糖は、ソルビトールやラクチトール、さらにガラクトオリゴ糖に比べて強い腸間膜脂肪低減効果を示した。
また、表6に示した還元ガラクトオリゴ糖(OM−OH)の腸間膜脂肪低減効果は、実施例1の腸間膜脂肪低減効果(表4)よりも強いことから、ビフィズス菌と組み合わせることにより、還元ガラクトオリゴ糖の腸間膜脂肪低減効果はさらに強まることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. Galβ1−4Galβ1−4Glc、Galβ1−4Galβ1−3Glc、Galβ1−6Galβ1−4Glc、Galβ1−6Galβ1−4Galβ1−4Glcのいずれか(但し、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基を表す)を含むガラクトオリゴ糖を水素添加することにより得られる還元ガラクトオリゴ糖を有効成分とする腸間膜脂肪低減剤。
  2. 3糖を15〜80質量%、4糖以上を2〜30質量%含む還元ガラクトオリゴ糖を有効成分とする請求項記載の腸間膜脂肪低減剤。
  3. 還元ガラクトオリゴ糖の糖組成が、単糖25〜35質量%、2糖23〜33質量%、3糖30〜40質量%、4糖以上2〜12質量%である請求項1又は2記載の腸間膜脂肪低減剤。
  4. さらに、乳酸菌、又はビフィドバクテリウム属細菌を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の腸間膜脂肪低減剤。
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