JP2016186721A - 車載通信装置、無線通信装置及び意思伝達システム - Google Patents

車載通信装置、無線通信装置及び意思伝達システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016186721A
JP2016186721A JP2015066721A JP2015066721A JP2016186721A JP 2016186721 A JP2016186721 A JP 2016186721A JP 2015066721 A JP2015066721 A JP 2015066721A JP 2015066721 A JP2015066721 A JP 2015066721A JP 2016186721 A JP2016186721 A JP 2016186721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
response
information
intention
margin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015066721A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6477135B2 (ja
Inventor
真幹 安藤
Masaki Ando
真幹 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2015066721A priority Critical patent/JP6477135B2/ja
Publication of JP2016186721A publication Critical patent/JP2016186721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6477135B2 publication Critical patent/JP6477135B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】周囲の移動体(例えば各種車両、歩行者など)から発信される情報を受信可能な自車両とその周囲の移動体との事故発生を効率的に抑止する。
【解決手段】C車43は、所定の送信タイミングで特定のメッセージを無線送信する。A車41は、当該A車41の運転者による特定の挙動の実行意思を検知する実行意思検知部を備える。また、A車41は、C車43から無線送信された特定のメッセージを受信すると、C車43へ、実行意思検知部により検知された実行意思を示す意思情報を含む応答メッセージを送信する。C車43は、A車41から送信された応答メッセージを受信すると、その応答メッセージに含まれている意思情報に基づいて、その意思情報に応じた所定の応答対応処理を実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に搭載される車載通信装置、移動体に搭載される無線通信装置、及びこれら車載通信装置及び無線通信装置を備えた意思伝達システムに関する。
車車間通信によって複数の車両間でデータ通信を行うことにより、安全性の向上を図ったりドライバ(運転者)の運転を支援したりする技術が、種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
車車間通信の具体的利用例として、ある車両Aからその車両Aの存在をブロードキャストによって周囲の車両B,C,D・・・へ一斉同報することで、周囲の車両B,C,D・・・に車両Aの存在を知らしめるような利用例が知られている。このような利用例によれば、周囲の車両B,C,Dのドライバは、近くに車両Aが存在していることを認識でき、その車両Aに対する注意を払いながら運転を行うことができる。
特開2009−239583号公報 特開2009−265999号公報
しかし、単に車両Aから周囲車両へブロードキャストするだけでは、車両Aの周囲の車両B,C,Dは車両Aの存在を認識できるものの、ブロードキャスト元である車両Aのドライバは、周囲にそのブロードキャストを受信した他車両が存在しているのかどうかわかりにくい。そのため、車両Aのドライバに対しては必ずしも適切なサポートがなされているとは言えず、全体として、安全性向上のためのさらなる改善の余地が残されている。
この問題は、車両から周囲車両へブロードキャストが行われるケースに限らず、車両以外の移動対象(例えば自転車、歩行者など)が有している通信装置からブロードキャストが行われるようなケースにおいても同様である。例えば歩行者が所持している通信装置が周囲にブロードキャストを行うことで、歩行者の周囲に存在している車両のドライバは歩行者の存在を認識できるが、ブロードキャスト元である歩行者は、ブロードキャストを受信した車両が周囲に存在しているのかどうかわかりにくい。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、周囲の移動体(例えば車両、歩行者など)から発信される情報を受信可能な自車両とその周囲の移動体との事故発生を効率的に抑止することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の車載通信装置は、車両に搭載され、実行意思検知部と、通知受信判断部と、応答送信部とを備える。
実行意思検知部は、当該車両の運転者による特定の挙動の実行意思を検知する。通知受信判断部は、当該車両以外の他の少なくとも1つの移動体のうち少なくとも1つから特定のメッセージを受信したか否か判断する。応答送信部は、通知受信判断部により特定のメッセージを受信したと判断した場合に、その移動体へ、実行意思検知部により検知された実行意思を示す意思情報を含む応答メッセージを送信する。
このように構成された車載通信装置によれば、移動体から特定のメッセージを受信すると、その移動体に対して応答メッセージを返す。そして、その応答メッセージには、当該車両の運転者による、特定の挙動の実行意思を示す意思情報が、含まれる。そのため、移動体においては、当該車両の運転者が何をしようとしているのかを認識することができる。また、当該車両の運転者も、移動体からの特定のメッセージによって、移動体の存在を認識することができる。これにより、当該車両と他の移動体との事故発生を効率的に抑止することができる。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の無線通信装置は、移動体に搭載され、メッセージ送信部と、応答受信部と、応答対応部とを備える。メッセージ送信部は、所定の送信タイミングで特定のメッセージを外部へ無線送信する。応答受信部は、その特定のメッセージを受信した外部の車両から送信される、その車両の運転者による特定の挙動の実行意思を示す意思情報を含む応答メッセージを受信する。応答対応部は、応答受信部により受信された応答メッセージに含まれている意思情報に基づいて、その意思情報に応じた所定の応答対応処理を実行する。
このように構成された無線通信装置によれば、周囲に特定のメッセージを送信することで、周囲の車両に対して自身の存在を認識させることができる。また、自身も、特定のメッセージに対する外部の車両からの応答メッセージを受信することで、その車両の運転者が何をしようとしているのかを認識することができる。これにより、当該車両と他の移動体との事故発生を効率的に抑止することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態の車載通信システムの概略構成を示すブロック図である。 通信メッセージのフォーマット例を示す説明図である。 挙動応答処理及び周囲報知処理のフローチャートである。 第1の意思伝達シーンを示す説明図である。 第2の意思伝達シーンを示す説明図である。 第3の意思伝達シーンを示す説明図である。 第4の意思伝達シーンを示す説明図である。 第5の意思伝達シーンを示す説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態の意思伝達システムは、移動体と、その移動体から所定のタイミングで発信される特定の情報(以下「移動体情報」と言う)を受信してその移動体情報に対する応答メッセージを発信元の移動体へ送信することが可能に構成された車両とを含む。
移動体情報には、後述するように、移動体の位置や動きを示す情報が含まれる。応答メッセージにも、その応答メッセージを送信する車両の位置や動きを示す情報が含まれる他、その車両において特定の運転動作が予測された場合にはその予測された運転動作を示す情報も含まれる。この運転動作を示す情報は、換言すれば、ドライバがこれから車両をどのように動作させようとしているのかを示す情報、即ちドライバの意思を示す情報である。そのため、この運転動作を示す情報を、以下、「ドライバ意思情報」とも言う。
本実施形態では、移動体からの移動体情報の発信は、周期的或いは特定のタイミングで、宛先を指定しないいわゆるブロードキャストにより行われる。そのため、以下の説明では、移動体情報の発信元の移動体を「ブロードキャスト元」とも言い、そのブロードキャスト元から発信される移動体情報を受信して応答メッセージを返すことが可能な車両を「応答元車両」とも言う。なお、応答元車両からの応答メッセージの送信は、本実施形態では、送信先としてブロードキャスト元を指定したいわゆるユニキャストによって行われる。
本実施形態の意思伝達システムは、移動体(ブロードキャスト元)が移動体情報をブロードキャストすることで、周囲の車両がその移動体の存在や動きを認識することができるように構成されている。さらに、ブロードキャスト元からの移動体情報を受信した車両が、応答元車両として、ブロードキャスト元に対して応答メッセージを返すことができるように構成されている。このような構成により、移動体と応答元車両との間で互いに意思疎通、情報共有を図ることができ、両者間の事故発生を効果的に抑止することができる。
例えば図4に例示するように、走行車線37を車両42(B車)及び車両43(C車)が走行していて追越車線36を車両41(A車)が走行している場合、これら三者によって意思伝達システムが構成される。例えば、B車42及びC車43がブロードキャスト元となり、A車41が応答元車両となり得る。逆に、例えば、A車41がブロードキャスト元となってB車42及びC車43の少なくとも一方が応答元車両ともなり得る。
ブロードキャスト元になり得る移動体は、自動車に限定されない。例えば、自動二輪車や自転車、歩行者などが、移動体情報を発信可能な無線通信機を搭載或いは所持していれば、自動二輪車や自転車、歩行者なども(厳密にはそれらが搭載或いは所持している無線通信機が)ブロードキャスト元となり得る。
そして、意思伝達システムを構成するブロードキャスト元及び応答元車両のうち、少なくとも応答元車両となり得る車両には、図1に示すような車載通信システム1が搭載されている。なお、図1に示す車載通信システム1は、応答元車両としての機能を実現できるだけでなく、ブロードキャスト元としての機能も実現可能に構成されている。
図1に示す本実施形態の車載通信システム1は、走行用の動力源として内燃機関及び電動モータの少なくとも一方を備えた自動車に搭載されている。本実施形態の車載通信システム1は、図1に示すように、車車間通信機2と、車間情報取得装置3と、HMI処理装置4と、データ処理装置5と、ディスプレイ6と、スピーカ7とを備えている。
車車間通信機2は、自車両以外の他の移動体が有する無線通信機と狭域無線通信(狭域網通信)を行うための無線通信機である。自車両以外の他の移動体も車車間通信機2を備えている場合には、当然ながら、自車両の車車間通信機2とその移動体の車車間通信機2とで無線通信を行うことができる。その場合、双方共に、ブロードキャスト元としても応答元車両としても機能できる。
本実施形態の車車間通信機2は、他の移動体の無線通信機と行う無線通信の通信方式として、700MHz帯高度道路交通システム標準規格(ARIB STD T−109)の方式が採用されている。即ち、車車間通信機2は、基本的には、ARIB STD T−109で規格化されている基本フォーマットに準拠したデータフレームを用いたデータ通信を行う。
図2に、車車間通信機2による無線通信で送受信され通信メッセージのフォーマットの一例を示す。図2に示すように、通信メッセージは、複数の領域を有し、領域毎に、少なくとも1つのデータフレームが格納される。領域は、大きく分けて共通領域と自由領域とがある。共通領域には、各種情報のデータフレームが予め割り当てられている。共通領域に含まれる必須の情報には、共通領域管理情報、時刻情報、位置情報、車両状態情報、及び車両属性情報などがある。
共通領域管理情報には、例えば、当該通信メッセージのID(メッセージID)や、当該通信メッセージの送信元のID(車両ID)などが含まれる。時刻情報には、現在時刻を示す情報(例えば時、分、秒まで)が含まれる。位置情報には、例えば、現在位置の緯度や経度などが含まれる。車両状態情報には、例えば、車速、車両方位角、加速度、シフトポジション、操舵角などが含まれる。車両属性情報には、例えば、車両サイズ種別、車両用途種別、車幅、車長などが含まれる。
よって、車載通信システム1がブロードキャスト元として機能する際には、上記共通領域の情報を少なくとも含む通信メッセージが移動体情報としてブロードキャストされることになる。そのため、周囲の車両へ、自身の位置や動きに関する情報を含む各種情報を伝達することができる。
なお、既述の通り、本実施形態では、自動車以外の移動体(例えば自動二輪車や自転車、歩行者など)も、ブロードキャスト元の移動体となり得る。その場合、その移動体に無線通信機が搭載され、その無線通信機が、応答元車両に搭載されている無線通信機(即ち図1の車車間通信機2)と無線通信を行うことになる。よって、移動体が自動車以外である場合には、図2に示した通信メッセージ中の「車両」との表記部分は、「移動体」と読み替えればよい。
つまり、例えば、自転車に無線通信機が搭載されているか或いは自転車に乗っている人が無線通信機を所持していて、その無線通信機が図2のフォーマットの通信メッセージを移動体情報としてブロードキャストする場合は、例えば、図2中の車両状態情報は移動体状態情報となる。この場合、移動体状態情報としては、移動体の移動速度や移動方向、加速度などが考えられる。また、例えば図2中の共通領域管理情報に含まれる車両IDは、移動体のIDを示す移動体IDとなる。またその場合、例えば図2中の車両属性情報は、移動体属性情報となる。この場合、移動体属性情報としては、移動体の大きさや用途などを示す情報が考えられる。
一方、通信メッセージにおける自由領域は、ユーザが自由に利用できる領域であって、必要に応じて任意の情報を割り当てることができる。本実施形態では、ブロードキャスト元から発信される移動体情報においては、基本的には自由領域は用いられず、主に共通領域が用いられる。これに対し、ブロードキャスト元からの移動体情報に対する、応答元車両からの応答メッセージには、既述のドライバ意思情報を含む、共通領域において規定されていない各種の拡張情報が含まれる。これらの拡張情報は、自由領域に割り当てられる。応答元車両は、自由領域を用いて、応答メッセージを含む各種の拡張情報を送信することができる。
本実施形態では、自由領域に割り当てられる拡張情報として、図2に示すように、応答識別情報、ドライバ識別情報、及びドライバ意思情報などがある。応答識別情報は、応答メッセージの送信先(即ち移動体情報のブロードキャスト元)を特定するための情報であり、ブロードキャスト元から受信した移動体情報に含まれていたメッセージID及び車両IDのうち少なくとも一方を含む。この応答識別情報は、応答メッセージの送信先を示す宛先情報でもある。つまり、応答元車両は、移動体からブロードキャストにて移動体情報を受信した場合、その移動体情報に対する応答メッセージの送信は、宛先としてその移動体情報を指定したユニキャストによって行う。応答メッセージを受信した移動体は、応答メッセージに含まれている応答識別情報から、自身に対する応答メッセージなのか否かを判断することができる。
自由領域に割り当てられるドライバ識別情報は、応答元車両のドライバに関する情報であり、例えば、ドライバの年齢や性別、運転技量などに関する情報が考えられる。
自由領域に割り当てられるドライバ意思情報は、既述の通り、ドライバがこれから何をしようとしているのか、即ちドライバの運転意思を示す情報である。ドライバ意思情報として伝達可能なドライバの意思としては、例えば、図2に例示するように、直進の意思、右折の意思、左折の意思、車線変更の意思、発進の意思、停止の意思、進入の意思、退出の意思、加速の意思、減速の意思、などがある。また、応答元車両が緊急車両の場合には、緊急車両が接近していることを示す情報も、ドライバ意思情報として含めることができる。
応答元車両は、ブロードキャスト元から移動体情報を受信した場合、その移動体情報に含まれている各種情報(具体的には通信メッセージ中の共通領域の情報)に基づいて、メッセージID、ブロードキャスト元の車両の車両ID、位置情報、車両状態情報、車両属性情報などを認識することができる。そして、そのブロードキャスト元を宛先に指定して応答メッセージを返すことができる。
ブロードキャスト元は、外部から応答メッセージを受信した場合、その応答メッセージにおいて拡張情報として含まれている応答識別情報に基づき、自身宛の応答メッセージなのか否かを判断できる。その判断の結果、自身宛の応答メッセージであった場合には、さらに、その応答メッセージが、どのタイミングでブロードキャストした移動体情報に対する応答メッセージなのかについても判断することができる。
また、応答メッセージに含まれている各種情報に基づいて、応答元車両に関する基本的な情報(車両ID、位置情報、車両状態情報、車両属性情報など)を認識することができる。さらに、ブロードキャスト元は、応答メッセージに含まれている拡張情報に基づいて、応答元車両のドライバに関するドライバ識別情報や、そのドライバの意思を示すドライバ意思情報なども取得することができる。これにより、応答元車両のドライバがどのような人なのか、またそのドライバがこれから応答元車両をどのように動かそうとしているのか、などを認識することができる。
図1に戻り、車載通信システム1の説明を続ける。
車間情報取得装置3は、自車両と周囲の移動体との相対的位置関係に関する各種情報(以下「車間情報」という)を取得するための装置である。車間情報取得装置3により取得可能な車間情報には、移動体との距離(車間距離)、移動体の方向、移動体の速度(自車に対する相対速度)などがある。車間情報取得装置3は、自車両周囲に存在する自動車、自動二輪車、自転車、歩行者などの様々な移動体を対象として、移動体ごとに個別に、車間情報を取得することができる。
車間情報取得装置3による車間情報の取得のために、当該車両には、前方カメラ11と、後方カメラ12と、右側方カメラ13と、左側方カメラ14と、レーダセンサ15とが搭載されている。
前方カメラ11は、車両の前方(走行方向)を撮影するための画像センサであり、例えば車室内前方側の天井近傍(フロントウィンドウの中央上部近傍)において、車両前方を撮影できるように設けられている。後方カメラ12は、車両の後方(後進方向)を撮影するための画像センサであり、例えば車室内後方側の天井近傍(リヤウィンドウの中央上部近傍)において、車両後方を撮影できるように設けられている。右側方カメラ13は、車両の右側(走行方向に向かって右側)を撮影するための画像センサであり、例えば車室内右側の天井近傍或いは車体の右側面における所定位置(例えば右ドアミラー取付位置)近傍において、車両右側を撮影できるように設けられている。左側方カメラ14は、車両の左側(走行方向に向かって左側)を撮影するための画像センサであり、例えば車室内左側の天井近傍或いは車体の左側面における所定位置(例えば左ドアミラー取付位置)近傍において、車両左側を撮影できるように設けられている。
レーダセンサ15は、例えばミリ波帯のレーダ波を車両外部へ送信し、そのレーダ波が物体に反射された反射波を受信することにより、その反射波に基づいて、車両外部の物体までの距離や方位(角度)を計算する機能を備えている。レーダセンサ15の搭載位置や搭載数は特に限定されるものではない。また、4つのカメラ11〜14によって車間情報を十分に測定できるならば、レーダセンサ15を搭載しなくてもよい。逆に、複数のレーダセンサ15によって車間情報を十分に測定できるならば、カメラは搭載せずにレーダセンサ15のみ複数設けてもよい。
車間情報取得装置3は、各カメラ11〜14による撮影結果、及びレーダセンサ15による検出結果のうち少なくとも1つに基づいて、距離、方向、速度などの各種演算を行うことで、車間情報を取得する。そして、その取得した車間情報を、データ処理装置5へ出力する。なお、カメラによる撮影画像に基づいて外部対象物の距離や方向、相対速度などを算出する方法はいくつか提案されていて既に公知であるため、ここでは説明を省略する。レーダセンサ15による外部対象物の距離や方向、相対速度などの算出方法についても同様である。
また、当該車両には、ドライバ識別部21と、ドライバモニタ22と、操舵検出部23と、ブレーキ動作検出部24と、アクセル動作検出部25と、ウィンカー動作検出部26と、経路情報取得部27とが搭載されている。
ドライバ識別部21は、ドライバ(運転者)の識別を行い、その識別結果をドライバ識別情報としてHMI処理装置4へ出力する。ドライバ識別部21により識別可能なドライバ識別情報の種類やその識別方法などは適宜決めることができる。例えば、ドライバの年齢や性別、運転技量、癖などを、種々の方法で取得・識別できるようにしてもよい。運転技量や癖などは、例えば、ドライブレコーダやデジタルタコメータを搭載してこれらの情報に基づいて運転特性を学習し、その学習結果から識別するようにしてもよい。
ドライバ識別部21により得られたドライバ識別情報は、既述の通り、他の移動体からブロードキャストされた移動体情報に対する応答メッセージの一部として、そのブロードキャスト元へ送信される。
ドライバモニタ22は、ドライバを撮影するために搭載されている画像センサである。ドライバモニタ22は、例えば車室内においてインストルメントパネルの前面側における所定の部位に、主にドライバの上半身を撮影できるように搭載されている。ドライバモニタ22による撮影データ(以下「ドライバ撮影データ」ともいう)は、HMI処理装置4へ出力される。
操舵検出部23は、車両の操舵輪の操舵角や操舵角の変化量などを検出し、その検出結果を操舵角情報としてHMI処理装置4へ出力する。
ブレーキ動作検出部24は、ブレーキ(制動装置)の動作状態を検出する。具体的には、ドライバによるブレーキペダルの操作量やその変化量などを検出し、その検出結果をブレーキ動作情報としてHMI処理装置4へ出力する。
アクセル動作検出部25は、ドライバによるアクセルペダルの操作状態を検出する。具体的には、アクセルペダルの操作量やその変化量などを検出し、その検出結果をアクセル動作情報としてHMI処理装置4へ出力する。
ウィンカー動作検出部26は、ウィンカーの動作状態を検出し、その検出結果をウィンカー動作情報としてHMI処理装置4へ出力する。
経路情報取得部27は、不図示のカーナビゲーションシステムから、自車両の走行経路に関する情報を取得して、その情報(経路情報)をHMI処理装置4へ出力する。カーナビゲーションシステムは、GPS(Global Positioning System )による自車両の位置の検出、マップマッチング、経路探索や経路案内を実行する。ドライバなどのカーナビゲーションシステムのユーザが所望の行き先(目的地)を指定すると、その目的地までの経路が探索され、その探索結果が表示される。ユーザが所望の探索結果を確定させ、経路案内を開始させると、その後、その確定された経路に沿った、目的地までの経路案内が開始される。経路情報取得部27は、カーナビゲーションシステムにおいて目的地までの経路が確定され、その目的地までの経路案内が実行されている間、カーナビゲーションシステムからその経路情報を取得してHMI処理装置4へ出力する。
HMI(Human Machine Interface )処理装置4は、ドライバ識別部21、ドライバモニタ22、操舵検出部23、ブレーキ動作検出部24、アクセル動作検出部25、ウィンカー動作検出部26、及び経路情報取得部27から入力される各種情報を取得し、データ処理装置5へ出力する。
また、HMI処理装置4は、データ処理装置5へ出力した各種情報に基づいてデータ処理装置5において実行された各種処理の結果を取得し、その取得した処理結果に基づいて、その処理結果をディスプレイ6に表示させたり、処理結果を音声にてスピーカ7から出力させたりする。後述する注意喚起アラートの出力(図3のS350)は、HMI処理装置4が、データ処理装置5からの指示に従ってディスプレイ6及びスピーカ7の少なくとも一方を制御することにより実現される。
また、当該車両には、共通領域情報取得部16が備えられている。共通領域情報取得部16は、自車両における各種情報のうち、車車間通信機2を介して送信する通信メッセージにおいて共通領域に割り当てられている、時刻情報、位置情報、及び車両状態情報などを取得する。そして、取得した各情報を、データ処理装置5へ出力する。
共通領域情報取得部16が上記各情報をどこからどのように取得するかについては適宜決めることができる。例えば時刻情報については、共通領域情報取得部16或いは他の構成部材が、RTC(リアルタイムクロック)などの、現在時刻情報を出力するデバイスを備えていれば、そのRTCから取得することができる。また例えば、位置情報(現在位置の緯度や経度など)については、既述のナビゲーションシステムから取得することができる。また例えば、車両状態情報(車速、車両方位角、加速度、シフトポジション、操舵角など)については、それぞれその情報を検出するための各種のセンサから取得することができる。
なお、共通領域管理情報の1つである車両IDは、データ処理装置5に予め記憶されている。車両属性情報としての車両サイズ種別、車両用途種別、車幅、車長なども、データ処理装置5に予め記憶されている。また、共通領域管理情報の1つであるメッセージIDは、通信メッセージを送信する際に、データ処理装置5或いは車車間通信機2によって所定のID付与ルールに従って付与される。なお、共通領域管理情報や車両属性情報は、データ処理装置5以外の他の装置等に記憶されていてもよい。
データ処理装置5は、CPU、ROM、RAM、I/O、などを有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。また、例えばフラッシュメモリなどの、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリも備えている。データ処理装置5においては、CPUが、ROM又は不揮発性メモリに記憶されている各種プログラムを実行することで、データ処理装置5が備える各種機能が実現される。CPUが実行するプログラムには、後述する挙動応答処理及び周囲報知処理((図3)の各プログラムが含まれる。
データ処理装置5は、車車間通信機2を制御し、車車間通信機2を介して外部へ各種通信メッセージを送信したり、車車間通信機2を介して外部から各種通信メッセージを受信したりする。
また、データ処理装置5は、共通領域情報取得部16を制御し、共通領域情報取得部16から、時刻情報、位置情報、及び車両状態情報などを取得する。
また、データ処理装置5は、車間情報取得装置3を制御し、自車両周囲の移動体の有無を判断する。また、自車両周囲に移動体が存在している場合は、移動体ごとの車間情報、即ち各移動体との距離(車間距離)、自車両からの方位、速度(相対速度)などに関する情報を、車間情報取得装置3から取得する。
また、データ処理装置5は、HMI処理装置4を制御し、HMI処理装置4から、ドライバ識別情報、ドライバ撮影データ、操舵角情報、ブレーキ動作情報、アクセル動作情報、ウィンカー動作情報、及び経路情報を取得する。
共通領域情報取得部16から取得される上記各情報、車間情報取得装置3から取得される車間情報、及びHMI処理装置4から取得される上記各種情報は、いずれも、後述する挙動応答処理や周囲報知処理((図3)において適宜用いられる。
次に、データ処理装置5が実行(詳しくはデータ処理装置5内のCPUが実行)する挙動応答処理及び周囲報知処理について、図3を用いて説明する。
データ処理装置5は、挙動応答処理及び周囲報知処理を、それぞれ、所定の周期で繰り返し実行する。各々の周期は同じであってもよいし異なってもよい。また、これら2つの処理をどのように並列処理するかについては適宜決めることができる。
なお、周囲報知処理は、車両を(詳しくはデータ処理装置5を)ブロードキャスト元として機能させるための処理である。即ち、周囲報知処理が実行されることで、車両はブロードキャスト元として機能することができる。また、挙動応答処理は、車両を応答元車両として機能させるための処理である。即ち、挙動応答処理が実行されることで、車両は応答元車両として機能することができる。
本実施形態では、説明の簡素化及び分かりやすさのため、車載通信システム1を搭載している2台の車両が徐々に接近している状況を想定し、そのうち一方の車両においては周囲報知処理が実行され、他方の車両においては挙動応答処理が実行されているものとして説明する。また、周囲報知処理が実行されている一方の車両、即ち移動体情報をブロードキャストする移動体を「発信側」とも称し、挙動応答処理が実行されている他方の車両、即ち応答メッセージを返す側を、発信側に対して各種の有用な情報を提供するという意味で「サービス対象」とも称する。
まず、サービス対象の車両においてデータ処理装置5が実行する挙動応答処理について、図3を用いて説明する。データ処理装置5は、図3の挙動応答処理を開始すると、S110で、ドライバの挙動意思を検知する。
具体的には、HMI処理装置4から、ドライバ撮影データ、操舵角情報、ブレーキ動作情報、アクセル動作情報、ウィンカー動作情報、及び経路情報を取得する。そして、取得した各情報に基づいて、ドライバに何らかの挙動を行おうとする意思があるのか否かを判断する。
例えば、追い越し車線を走行中にウィンカーレバーが操作されてウィンカーが左方向の指示動作を行っている場合には、左側の車線(走行車線)への車線変更をしようとする意思があると判断できる。また例えば、交差点の手前において、ドライバ撮影データに基づいてドライバの視線が右方向に移っていることが検知され、且つ操舵角情報に基づいてハンドルが右方向に回転され始めている(つまり右方向への操舵が開始されている)ことが検知された場合は、右折の意思があると判断できる。また例えば、一時停止線の手前で停止中、アクセル動作情報に基づいてアクセルが踏み込まれたことが検知された場合は、車両を発進させようとする意思があると判断できる。逆に、走行中に一時停止線の手前でブレーキペダルが踏まれたことが検知された場合は、車両を一時停止させようとする意思があると判断できる。また例えば、経路情報に基づき、設定されている経路に沿って走行するためにはまもなく左折をする必要がある場合は、仮にドライバが何ら挙動変更の意思表示をしていなくても、左折の意思があると判断(推測)することができる。
このように、S110では、HMI処理装置4から取得した各種情報に基づいて、例えば直進の意思、右折の意思、左折の意思、車線変更の意思、発進の意思、停止の意思、進入の意思、退出の意思、加速の意思、減速の意思、などの、ドライバによる各種の挙動の意思を検知する。
S120では、外部から移動体情報を受信したか否か判断する。移動体情報を受信していない場合は(S120:NO)、S140に進む。
移動体情報を受信した場合は(S120:YES)、S130に進む。S130では、移動体情報の送信元(即ち発信側の移動体)へ、ドライバ意思情報を含む応答メッセージを送信する。ここで送信されるドライバ意思情報は、S110で検知されたドライバの挙動意思を示す情報である。S110で検知されたドライバの挙動意思を応答メッセージに含めて発信側へ送信することで、発信側の移動体に、自車の位置や速度などの基本的情報に加えて自車の挙動意思を伝えることができる。
S140では、自車周囲の特定範囲内に他の移動体が存在しているか否か判断する。換言すれば、S150で余裕度を演算する際の対象とすべき移動体が存在しているか否か 判断する。
自車両周囲に存在する各種の移動体のうちどの移動体を余裕度の演算対象とするかについては、状況に応じて異なる。具体的に、本実施形態では、後述するように、自車両と他の移動体との間で想定されるシーンとして、第1の意思伝達シーンから第5の意思伝達シーンまでの5種類のシーンを例に挙げて説明している。そして、余裕度の演算対象となる移動体は、そのシーン毎に異なる。換言すれば、余裕度の演算対象となる移動体は、自車のドライバの挙動意思毎に異なる。
例えば、ドライバに左側への車線変更の意思がある場合は、余裕度の演算対象の移動体は、左側車線に存在している他の移動体(特に自車の直前及び直後に存在している移動体)となる。また例えば、ドライバに右折の意思がある場合は、余裕度の演算対象の移動体は、対向車線に存在している他の移動体となる。また例えば、ドライバに、交差点手前の一時停止線で一時停車している状態から発進させようとする意思がある場合は、余裕度の演算対象の移動体は、交差する車線に存在している他の移動体(特に交差点に向かって移動している移動体のうち車線毎に最も交差点に近い移動体)となる。また例えば、ドライバに、交差点において左折の意思がある場合は、余裕度の演算対象の移動体は、交差する車線に存在している他の移動体(特に左折後の方向と同方向に向かって交差点へ進入しつつある他の移動体のうち最も交差点に近い移動体)、或いは自車の左側において自車と同方向へ移動している他の移動体(例えば自動二輪車や自転車)となる。
S140で、特定範囲内に他の移動体(即ち余裕度の演算対象の移動体)がないと判断した場合は(S140:NO)、S180に進む。特定範囲内に他の移動体があると判断した場合は(S140:YES)、S150に進む。
S150では、自車のドライバの挙動意思に対する余裕度を算出する。ここでいう余裕度とは、ドライバがある挙動の意思を示している場合に、その挙動を行う余裕がどの程度あるかを示す度合いである。例えば車線変更の意思が検知されている場合、余裕度とは、どの程度の余裕をもって車線変更ができるかを示す度合いとなる。
余裕度の算出方法について、図4に示す第1の意思伝達シーンを例に挙げて説明する。図4に示す第1の意思伝達シーンは、追越車線36を走行中のサービス対象の車両(A車)41が左側へ(即ち走行車線37へ)車線変更しようとしているシーンである。走行車線37には、他の移動体として、B車42及びC車43が走行している。このうちB車42はA車41よりも前方に位置しており、C車43はA車よりも後方に位置している。また、A車41において挙動応答処理が実行されていて、B車42及びC車において周囲報知処理が実行されているものとする。
この場合、発信側の移動体としてのB車42及びC車43からそれぞれ移動体情報がブロードキャストされ、A車41がそれら各移動体情報を取得する。そして、それら移動体情報に対し、A車41からB車42及びC車43に対してそれぞれ応答メッセージが送信される。
これにより、B車42及びC車43は、それぞれ、周囲にA車41が存在していること、そのA車41がこれからどのような挙動をしようとしているのか、A車41のドライバはどのような人なのか、などといった、A車41に関する各種情報を取得することができる。
一方、A車41においては、挙動応答処理におけるS150の処理で、余裕度を算出するが、この場合、余裕度の演算対象となる移動体は、これから行おうとする挙動、即ち左側への車線変更の際に、自車(A車41)と衝突する可能性のある、B車42及びC車43となる。なお、追越車線36には、自車前方に他の車両44も走行しているが、この車両44は、自車が車線変更する仮定で衝突する可能性は低いため、余裕度の算出対象外としている。ただし、車線変更の途中で(即ち自車がまだ追越車線36上に存在している間に)、車両44との距離が接近する可能性もあるため、車両44についても余裕度の算出対象に加えてもよい。
余裕度の算出においては、まず、B車42との距離(B車距離L1)及びC車43との距離(C車距離L2)を取得する。これら各距離L1,L2は、車間情報取得装置3から取得することができる。なお、B車42及びC車43から受信した各移動体情報に含まれている位置情報と、自車の位置情報とに基づいて、B車42及びC車43との距離を算出してもよい。
さらに、B車42の速度(B車速度V1)及びC車43の速度(C車速度V2)を取得する。これら各速度V1,V2も、車間情報取得装置3から取得することができる。なお、B車42及びC車43から受信した各移動体情報に含まれている速度情報に基づいて、各速度V1,V2を取得するようにしてもよい。
そして、取得した各距離L1,L2及び各速度V1,V2に基づいて、左側への車線変更に対する余裕度を算出する。左側への車線変更に対する余裕度を算出するためには、まず、B車42に対する個別余裕度(対B車余裕度)とC車43に対する個別余裕度(対C車余裕度)とを算出する。
対B車余裕度は、さらに、自車(A車41)とB車42との速度差によって、対B車余裕度Baと対B車余裕度Bbに分けられる。対B車余裕度Baは、B車速度V1が自車の速度V0以上の場合の個別余裕度であり、対B車余裕度Bbは、B車速度V1が自車の速度V0未満の場合の個別余裕度である。
対C車余裕度についても、自車(A車41)とC車43との速度差によって、対C車余裕度Caと対C車余裕度Cbに分けられる。対C車余裕度Caは、自車の速度V0がC車速度V2以上の場合の個別余裕度であり、対C車余裕度Cbは、自車の速度V0がC車速度V2未満の場合の個別余裕度である。
各個別余裕度Ba,Bb,Ca,Cbは、それぞれ、次の式(1)〜式(4)により算出される。
Ca(V0≧V2時)=L2/V2+(V0−V2)*Z …(1)
Cb(V0<V2時)=L2/V2−(V2−V0)*Z …(2)
Ba(V1≧V0時)=L1/V0+(V1−V0)*Z …(3)
Bb(V1<V0時)=L1/V0−(V0−V1)*Z …(4)
なお、上記式(1)〜(4)中の「Z」は、挙動開始後(本例では車線変更開始後)の時間であり、適宜決めることができるが、本実施形態では例えば3秒に設定されている。
これら各個別余裕度Ba,Bb,Ca,Cbについて共通して言えることは、距離が長いほど余裕度が高くなること、及び距離の変化率(増加率)が大きいほど余裕度が高くなることである。
上記各個別余裕度Ba,Bb,Ca,CbのうちS150で実際に算出される個別余裕度は、自車速度V0と、B車速度V1及びC車速度V2との差によって異なる。例えばV0≧V2且つV0>V1の場合は、S150では、対B車余裕度Bb及び対C車余裕度Caが算出されることになる。即ち、S150で算出される個別余裕度は、「Ba&Ca」、「Ba&Cb」、「Bb&Ca」、「Bb&Cb」の4パターンのうち何れかとなる。
そして、最終的にS150で余裕度として算出する値は、対応するパターンの2つの値のうち小さい方の値となる。例えばV0≧V2且つV0>V1の場合、個別余裕度は既述の通り「Bb&Ca」が算出される。そして、これらBb,Caのうち、小さい値が、最終的に余裕度として算出、確定される。
S150で余裕度を算出・確定した後、S160では、その算出した余裕度が一定レベル以上であるか否か判断する。この一定レベルは適宜決めることができる。
余裕度が一定レベル以上の場合は(160:YES)、S180に進む。S180では、ドライバに対し、目視での最終確認を指示する。例えば、音声による最終確認指示をスピーカ7から出力させることが考えられる。
S160で、余裕度が一定レベル未満の場合は(S160:NO)、S170に進む。S170では、ドライバへ、注意メッセージを出力する。この注意メッセージも、例えば、音声によるメッセージをスピーカ7から出力させることが考えられる。注意メッセージは、ドライバの意思通りの挙動を行うための余裕が十分にないことをドライバに認識させるためのメッセージである。注意メッセージの具体的内容は、余裕度のレベルによっても異なる。余裕度が比較的高い場合は、例えば「左後方から車両が接近していますので注意しながら車線変更して下さい」などといった注意メッセージが考えられる。一方、余裕度が非常に低い場合は、例えば「左後方の車両と衝突する危険がありますので車線変更は控えて下さい」などといった注意メッセージが考えられる。S170の処理後は、S110に戻る。
次に、発信側の車両においてデータ処理装置5が実行する周囲報知処理について、図3を用いて説明する。
データ処理装置5は、図3の周囲報知処理を開始すると、S310で、周辺に他の車両が存在しているか否かを検知する。この検知方法としては種々の方法を採用できる。例えば、車間情報取得装置3によって取得された車間情報に基づき、自車を中心とした所定の半径の範囲内に他の車両が存在しているか否かを検知するようにしてもよい。また例えば、車車間通信機2を介して得られる他車両の情報、或いは他の情報伝達ルート(例えば不図示の路車間通信機を介したルート)を介して得られる他車両の情報などに基づいて、自車との距離が所定距離以内の他の車両が存在しているか否かを検知するようにしてもよい。
周辺に他の車両が存在していない場合は(S310:NO)、この周囲報知処理を終了する。周辺に他の車両が存在していることを検知した場合は(S310:YES)、S320で、移動体情報をブロードキャストにて送信する。具体的には、図2に示したフォーマットの通信メッセージを車車間通信機2から送信させる。
なお、S310の処理は必ずしも必要ではなく、S310の処理を省いてS320の処理を実行するようにしてもよい。つまり、周辺に他の車両が存在しているか否かにかかわらず移動体情報を周期的にブロードキャストするようにしてもよい。逆に、S310とは異なる判断方法を用いて、移動体情報の送信タイミングを決定するようにしてもよい。
S330では、S320で送信した移動体情報に対する応答メッセージを他の車両から受信したか否か判断する。既述の通り、応答メッセージには応答識別情報が含まれており、この応答識別情報から、自身に対する応答メッセージなのか否か、さらにはどのタイミングで送信した移動体情報に対する応答メッセージなのかを判断することができる。
S330で、自身に対する応答メッセージを受信していない場合は(S330:NO)、この周囲報知処理を終了する。自身に対する応答メッセージを受信した場合は(S330:YES)、S340で、注意喚起アラートを出力する。ここでは、発信側も車載通信システム1を搭載した自動車であるという想定で説明しているため、S340の注意喚起アラート出力は、ディスプレイ6を介した画像による視覚的な報知、及びスピーカ7を介した音声による聴覚的な報知、のうち少なくとも一方となる。
具体的には、まず、受信した応答メッセージに含まれている共通領域の情報に基づいて、自車に対する応答元車両の相対的位置や相対速度などを把握する。さらに、応答メッセージに含まれているドライバ意思情報に基づいて、応答元車両のドライバがこれからどのような挙動をしようとしているのかを把握する。そして、それら把握した情報に基づいて、応答元車両が当該発信側の移動体に対して影響を及ぼす可能性がある場合には、それら把握した情報に応じた注意喚起アラートを出力する。
例えば、応答元車両が自車の右前方を走行していてその応答元車両が自車の前方へ車線変更しようとしているとする。そのような場合、その応答元車両は自車に対して影響を及ぼす(例えば衝突する)可能性があると考えられる。よって、その場合は、注意喚起アラートとして、例えば「右側Lメートル前方の車両が車線変更しようとしています」といった情報をディスプレイ6に表示させたりスピーカ7から音声出力させたりすることで、自車のドライバに対して注意を喚起する。
また例えば、応答元車両が対向車線を走行していて、その応答元車両が自車の前方側の交差点で右折しようとしているとする。そのような場合、その応答元車両は自車に対して影響を及ぼす(例えば正面衝突する)可能性があると考えられる。よって、その場合は、注意喚起アラートとして、例えば「Lメートル前方の交差点で右折しようとしている対向車がいます」といった情報をディスプレイ6に表示させたりスピーカ7から音声出力させたりすることで、自車のドライバに対して注意を喚起する。
なお、応答元車両が当該発信側の移動体に対して影響を及ぼす可能性があるか否かを何に基づいて判断するかについては適宜決めることができる。例えば、当該発信側の移動体に衝突する可能性が一定程度以上ある場合に「影響を及ぼす」可能性があると判断するようにしてもよい。例えば、後方或いは側方から近付いてきている車両、自車の走行方向に入ってこようとしている車両などは、当該発信側の移動体に対して「影響を及ぼす」可能性があると判断できる。なお、注意喚起アラートを出力する際、注意喚起アラートに加えて、或いは注意喚起アラートの1つとして、応答元車両のドライバに関する情報(年齢、性別、運転技量など)についても適宜報知するようにしてもよい。応答元車両のドライバに関する情報は、応答メッセージに含まれているドライバ識別情報から取得することができる。応答元車両のドライバに関する情報を報知することで、発信側の移動体において、応答元車両のドライバに応じた適切な対応が可能となる。
なお、周囲報知処理は、自動車に限らず、自動二輪車、自転車、歩行者などの各種の移動体が有する無線通信機においても実行させることができる。即ち、各種の移動体において、周囲の車両に対して移動体情報をブロードキャストでき、且つ、周囲の車両から応答メッセージを受信して注意喚起アラートを出力させることができる。
ここで、図4に例示した第1の意思伝達シーン以外の、他のシーンの具体例を、図5〜図8を用いて説明する。
図5は、第2の意思伝達シーンを示す。第2の意思伝達シーンは、サービス対象の車両が交差点を右折しようとするシーンである。具体的に、図5に示すように、サービス対象のA車55が速度V0で車線51を交差点53に向かって走行している。一方、対向車線である車線52においては、この車線52のうち追越車線52aをB車56が交差点53に向かって速度V1で走行しており、走行車線52bをC車57が交差点53に向かって速度V2で走行している。
この場合、B車56及びC車57が発信側となって周囲報知処理を実行(即ち移動体情報をブロードキャスト)し、A車がそれらB車56及びC車57からの各移動体情報に対してそれぞれ応答メッセージを返すことで、A車55の左折時におけるA車55とB車56の衝突、及びA車55とC車57との衝突を効果的に抑止できる。即ち、B車56及びC車57は、ブロードキャストした移動体情報に対してA車55から応答メッセージを受信することで、対向車線側に右折しようとしている他の車両(A車55)が存在していることを認識することができる。
一方、A車55においても、B車56及びC車57からの各移動体情報に基づいて、対向車線側のB車56及びC車57の存在を認識できる。また、A車55においては、挙動応答処理のS150の処理において、余裕度が算出されるが、この場合、余裕度の演算対象となる移動体は、これから行おうとする挙動、即ち右折の際に、自車(A車55)と衝突する可能性のある、B車56及びC車57となる。
そこで、A車55は、B車速度V1及びB車距離L11を取得すると共に、C車速度V2及びC車距離L21を取得する。そして、取得した各情報に基づき、B車56に対する個別余裕度及びC車57に対する個別余裕度を算出する。例えば、距離が長いほど余裕度が高くなるよう、且つ距離の変化率が大きいほど余裕度が高くなるよう(逆に言えば距離の短縮率が大きいほど余裕度が低くなるよう)な算出方法を予め決めておいて、その算出方法に従って算出することができる。そして、算出した各個別余裕度のうち最も小さい値を、最終的な余裕度として確定する。そして、その確定した余裕度に応じた表示或いはメッセージを出力することで、A車55のドライバは、所望の挙動を実行に移すにあたり、状況に応じた適切な対応をとることができる。
その結果、A車55が交差点53で右折しようとする際の、A車55と対向車線側の各車両56,57との衝突事故を効果的に抑制することができる。
次に、図6は、第3の意思伝達シーンを示す。第3の意思伝達シーンは、サービス対象の車両が交差点手前の一時停止線で一時停止した後、再発進しようとするシーンである。具体的に、図6に示すように、サービス対象のA車75が車線71を交差点73に向かって走行してきて、交差点73の手前にある一時停止線で一時停止している。よってこの場合のA車75の速度V0は0である。一方、A車75が走行している車線71と交差する車線72においては、B車76が交差点73に向かって速度V1で走行している。よってこのシーンでは、A車75とB車76が、交差点73における交錯予想地点73a或いはその近傍で衝突する可能性がある。
この場合、B車76が発信側となって周囲報知処理を実行(即ち移動体情報をブロードキャスト)し、A車75がB車76からの各移動体情報に対して応答メッセージを返すことで、A車55の再発進時におけるA車75とB車76の衝突を効果的に抑止できる。即ち、B車76は、ブロードキャストした移動体情報に対してA車75から応答メッセージを受信することで、A車75の存在、及びそのA車75が一時停止状態から再発進しようとしていることを認識することができる。
一方、A車75においても、B車56からの移動体情報に基づいて、交差する車線72を交差点73に向かって走行中のB車76の存在を認識できる。また、A車75においては、挙動応答処理のS150の処理において、余裕度が算出されるが、この場合、余裕度の演算対象となる移動体は、これから行おうとする挙動、即ち再発進して交差点73へ進入する際に、自車(A車75)と衝突する可能性のあるB車76となる。
そこで、A車75は、B車速度V1及びB車距離L31を取得する。そして、取得した各情報に基づき、B車56に対する個別余裕度を算出する。例えば、距離が長いほど余裕度が高くなるよう、且つ距離短縮率が大きいほど余裕度が低くなるような算出方法を予め決めておいて、その算出方法に従って算出することができる。そして、算出した個別余裕度のうち最も小さい値を、最終的な余裕度として確定する。図6の例では、個別余裕度の算出対象の車両は、B車76のみである。そのため、B車76を対象として算出した個別余裕度が、そのまま、最終的な余裕度として確定される。そして、その確定した余裕度に応じた表示或いはメッセージを出力することで、A車75のドライバは、所望の挙動を実行に移すにあたり、状況に応じた適切な対応をとることができる。
その結果、A車75が再発進して交差点73に進入しようとする際の、A車75とB車76との衝突事故を効果的に抑制することができる。
次に、図7は、第4の意思伝達シーンを示す。第4の意思伝達シーンは、サービス対象の車両が交差点を左折しようとしているシーンである。具体的に、図7に示すように、サービス対象のA車65が車線61を交差点63に向かって走行している。一方、A車65が走行している車線61と同じ車線を、A車65の左後ろ側(路側側)で、A車65と同じ方向に向かって速度V1で走行している自動二輪車66がある。よってこのシーンでは、A車65が交差点63を左折する際に、自動二輪車66と接触する可能性がある。
この場合、自動二輪車66が発信側となって周囲報知処理を実行(即ち移動体情報をブロードキャスト)し、A車65が自動二輪車66からの移動体情報に対して応答メッセージを返すことで、A車65の左折時におけるA車65と自動二輪車66の接触を効果的に抑止できる。即ち、自動二輪車66は、ブロードキャストした移動体情報に対してA車65から応答メッセージを受信することで、A車65の存在、及びそのA車65が交差点63を左折しようとしていることを認識することができる。
一方、A車65においても、自動二輪車66からの移動体情報に基づいて、自車後方において自動二輪車66が自車と同じ方向へ走行していることを認識できる。また、A車65においては、挙動応答処理のS150の処理において、余裕度が算出されるが、この場合、余裕度の演算対象となる移動体は、これから行おうとする挙動、即ち左折する際に自車(A車65)と衝突する可能性のある自動二輪車66となる。
そこで、A車65は、二輪車速度V1及び二輪車距離L21を取得する。そして、取得した各情報に基づき、自動二輪車66に対する個別余裕度を算出する。例えば、距離が長いほど余裕度が高くなるよう、且つ距離短縮率が大きいほど余裕度が低くなるような算出方法を予め決めておいて、その算出方法に従って算出することができる。そして、算出した個別余裕度のうち最も小さい値を、最終的な余裕度として確定する。図7の例では、個別余裕度の算出対象の車両は、自動二輪車66のみである。そのため、自動二輪車66を対象として算出した個別余裕度が、そのまま、最終的な余裕度として確定される。そして、その確定した余裕度に応じた表示或いはメッセージを出力することで、A車65のドライバは、所望の挙動を実行に移すにあたり、状況に応じた適切な対応をとることができる。
その結果、A車65が交差点63を左折しようとする際の、A車65と自動二輪車66との接触事故を効果的に抑制することができる。
次に、図8は、第5の意思伝達シーンを示す。第5の意思伝達シーンは、緊急車両の周囲にサービス対象の車両が複数存在しているシーンである。具体的に、図8に示すように、ある道路81における一方の方向の車線81aを緊急車両90が走行している。一方、緊急車両90が走行している車線と同じ車線81aを他の車両91,92が走行しており、対向車線では他の車両93が走行している。さらに、道路81において緊急車両90の進行方向で交差している他の道路82においても、他の車両94,95,96が走行している。さらに、その他の周辺道路83,84にも、他の車両97,98が走行している。よって、緊急車両90の進路によっては、これら他の車両91〜98が緊急車両90の走行に影響を及ぼすおそれがある。
この場合、緊急車両90が発信側となって周囲報知処理を実行(即ち移動体情報をブロードキャスト)し、周囲の他の車両91〜98が緊急車両90からの移動体情報に対して応答メッセージを返すことで、緊急車両90を迅速に目的地へ到達させることができる。即ち、緊急車両90は、ブロードキャストした移動体情報に対して周囲の各車両91〜98から応答メッセージを受信することで、周囲に各車両91〜98が存在していること、及びそれら各車両91〜98の位置や進行方向などを具体的に認識することができる。
一方、周囲の各車両91〜98においても、緊急車両90からの移動体情報に基づいて、自車周辺を緊急車両90が走行していることを認識できる。また、各車両91〜98においては、それぞれ、挙動応答処理のS150の処理において、余裕度が算出されるが、この場合、余裕度の演算対象となる移動体は、自車が影響を及ぼす可能性がある緊急車両90となる。
そこで、各車両91〜98は、緊急車両90との距離や緊急車両90の速度を取得する。そして、取得した各情報に基づき、緊急車両90に対する個別余裕度を算出する。例えば、距離が長いほど余裕度が高くなるよう、且つ距離短縮率が大きいほど余裕度が低くなるような算出方法を予め決めておいて、その算出方法に従って算出することができる。そして、算出した個別余裕度のうち最も小さい値を、最終的な余裕度として確定する。図8の例では、個別余裕度の算出対象の車両は、緊急車両90のみである。そのため、緊急車両90を対象として算出した個別余裕度が、そのまま、最終的な余裕度として確定される。そして、その確定した余裕度に応じた表示或いはメッセージを出力することで、各車両91〜98の各ドライバは、所望の挙動を実行に移すにあたり、状況に応じた適切な対応をとることができる。例えば、緊急車両90が後方から迫っている場合には、交通法規に応じた退避等の適切な行動をドライバに促すことで、安全性を維持しつつ緊急車両90をスムーズに先行通過させることができる。
その結果、緊急車両90が目的地へ向かって走行する際の、緊急車両90と他の各車両91〜98との衝突事故や、他の各車両91〜98が緊急車両90の走行の妨げになってしまうことなどを、効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の意思伝達システムでは、発信側としての移動体が、周囲報知処理(図3)を実行することで、自身に関する移動体情報を周囲車両へブロードキャストする。そして、そのブロードキャストされた移動体情報を受信した車両は、応答元車両として、その移動体情報の発信元へ、応答メッセージを返す。その際、応答メッセージにドライバ意思情報を含めて返すことで、発信元の移動体は、応答元車両がこれからどのような挙動をとろうとしているのかを認識することができる。
つまり、事故に遭遇する可能性のある当事者同士で互いの情報を共有し合い、お互い、事故を起こすことなくスムーズに走行できるようにするための気づきを相手側に与えることができる。これにより、発信側の移動体と応答元車両との衝突、接触その他の事故を効果的に抑制することができ、双方ともにスムーズに走行することができる。このことは、ひいては、突発的な渋滞の抑制にもつながる。そのため、経済効果や、二酸化炭素排出量の削減効果なども期待できる。
また、本実施形態では、応答元車両は、単に発信側に対して応答メッセージを返すだけでなく、ドライバがこれから行おうとしている挙動に対する余裕度を算出する(S150)。そして、その余裕度に応じた所定の処理を実行する(S170又はS180)。これにより、応答元車両のドライバは、これから行おうとする挙動をどの程度の余裕を持って行えるのかを認識することができ、その挙動を実行に移すにあたって余裕度に応じた適切な対応をとることができる。
また、余裕度の算出が、自車周囲の移動体との距離、その移動体の速度、その移動体との距離の変化率、のうち少なくとも1つを用いて行われる。具体的に、移動体との距離が長いほど余裕度が高めに算出され、距離の変化率が大きいほど余裕度が高めに算出される。なお、本実施形態では、移動体の速度、及び移動体との距離の変化率の双方を用いて余裕度が算出されるが、これは必須ではなく、この両者のうち何れか一方のみを用いて余裕度を算出するようにしてもよい。
上記のように余裕度を算出することで、応答元車両は、周囲の移動体の相対位置や相対速度に応じた適切な余裕度を算出することができ、その余裕度に応じた適切な挙動対応処理を実行することができる。即ち、余裕度が低い場合にはそれに適した注意メッセージを出力することで(S170)、ドライバに対して注意を促すことができる。逆に、余裕度が高い場合にはそれに適した報知を行うことで(S180)、ドライバに対し、安全性をより高めながらより確実な挙動の遂行を促すことができる。
また、本実施形態では、発信側からの移動体情報の発信がブロードキャストによって行われるのに対し、応答元車両からの応答メッセージの送信は、受信した移動体情報の発信元の移動体を宛先に指定したいわゆるユニキャストによって行われる。そのため、通信トラフィックの無駄な増加を抑制でき、当該意思伝達システムの機能を効率的に実現することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
(1)本発明は、図4〜図8に例示した各シーンに限らず、複数の車両が存在するあらゆるシーン、或いは車両と他の移動体が存在するあらゆるシーンに対して適用可能である。即ち、ある車両Aと、その車両以外の他の車両或いは自動二輪車、自転車、歩行者などの他の移動体Bとが存在している場合、移動体Bが移動体情報をブロードキャストし、それに対して車両Aが移動体Bへ応答メッセージ(ドライバ意思情報を含む)を返すことで、車両A及び移動体Bの双方が相手側の情報を認識でき、それぞれ適切な対応をとることができる。
(2)車間情報を取得するためのセンサとして、上記実施形態では、4つのカメラ11〜14とレーダセンサ15を例示したが、必ずしもこれら全てが必要というわけではない。これら各カメラ11〜14及びレーダセンサ15のうち何れか1つ又は複数を搭載してもよいし、これらとは全く別のセンサを設けてもよい。周囲に存在する移動体を対象とした車間情報を必要に応じて適切に測定できる限り、具体的にどのようなセンサをいくつ、どこに搭載するかについては、適宜決めることができる。
(3)余裕度の算出方法は、上記実施形態で説明した方法(例えば上記式(1)〜(4)を用いた方法)に限定されない。ドライバがこれから行おうとしている挙動に対し、それをどの程度の余裕を持って行えるかを適切にドライバに提供できる限り、具体的にどのようにして余裕度を算出するのかについては適宜決めることができる。また、算出した余裕度に基づいてどのようなメッセージをドライバへ伝えるかについても、余裕度に応じた適切な対応をドライバが採ることができる限り、適宜決めることができる。
(4)車車間通信機2の無線通信方式が、700MHz帯高度道路交通システム標準規格(ARIB STD T−109)の方式であることは、あくまでも一例である。車車間通信機2の無線通信方式は他の方式であってもよい。つまり、自車両と他の移動体(他車両、自転車、歩行者等)との間で必要なデータ通信ができる限り、種々の無線通信方式を採用することができる。
(5)移動体情報の発信方式は、ブロードキャストに限定されない。ユニキャストでもよいし、マルチキャストでもよい。応答元車両からの応答メッセージの送信方式も、ユニキャストに限定されない。
(6)その他、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…車載通信システム、2…車車間通信機、3…車間情報取得装置、4…HMI処理装置、5…データ処理装置、6…ディスプレイ、7…スピーカ、11…前方カメラ、12…後方カメラ、13…右側方カメラ、14…左側方カメラ、15…レーダセンサ、16…共通領域情報取得部、21…ドライバ識別部、22…ドライバモニタ、23…操舵検出部、24…ブレーキ動作検出部、25…アクセル動作検出部、26…ウィンカー動作検出部、27…経路情報取得部、36…追越車線、37…走行車線、41〜44,55〜57,65,75,76,91〜98…車両、66…自動二輪車、90…緊急車両。

Claims (9)

  1. 車両(41,55,65,75,91〜98)に搭載される車載通信装置であって、
    前記車両の運転者による特定の挙動の実行意思を検知する実行意思検知部(5,S110)と、
    前記車両以外の他の少なくとも1つの移動体(42,43,56,57,66,72,90)のうち少なくとも1つから特定のメッセージを受信したか否か判断する通知受信判断部(5,S120)と、
    前記通知受信判断部により前記特定のメッセージを受信したと判断した場合に、前記移動体へ、前記実行意思検知部により検知された前記実行意思を示す意思情報を含む応答メッセージを送信する応答送信部(5,2,S130)と、
    を備えることを特徴とする車載通信装置(1)。
  2. 請求項1に記載の車載通信装置であって、
    前記通知受信判断部により前記特定のメッセージを受信したと判断した場合に、前記実行意思検知部により検知された前記実行意思が示す前記特定の挙動を前記車両の運転者がどの程度の余裕を持って実行することができるかを示す余裕度を算出する余裕度算出部(5,S150)と、
    前記余裕度算出部により算出された余裕度に基づき、前記特定の挙動に対応した所定の挙動対応処理を実行する挙動対応部(4〜7,S160〜S180)と、
    を備えることを特徴とする車載通信装置。
  3. 請求項2に記載の車載通信装置であって、
    前記車両の周囲に前記少なくとも1つの移動体が存在している場合に、その少なくとも1つの移動体のうち、前記車両に対して前記特定の挙動に対応した位置関係にある少なくとも1つの移動体を評価対象移動体として、その評価対象移動体毎に、前記車両とその評価対象移動体との距離及びその評価対象移動体の速度のうち少なくとも一方を示す移動体状態を検出する移動体状態検出部(3,5,S150)を備え、
    前記余裕度算出部は、前記評価対象移動体毎の、前記移動体状態検出部により検出された前記移動体状態に基づいて、前記余裕度を算出する
    ことを特徴とする車載通信装置。
  4. 請求項3に記載の車載通信装置であって、
    前記余裕度算出部は、前記評価対象移動体毎の、前記移動体状態検出部により検出された前記移動体状態に基づいて、前記評価対象移動体との距離が長いほど前記余裕度が高くなるよう、且つ前記評価対象移動体との距離の変化率が大きいほど前記余裕度が高くなるように、前記余裕度を算出する
    ことを特徴とする車載通信装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車載通信装置であって、
    前記車両に設けられて運転者により操作される操作対象物に対する前記運転者の操作状態、及び前記運転者自身の挙動のうち少なくとも一方である運転状態情報を取得する運転状態取得部(22〜26)を備え、
    前記実行意思検知部は、前記運転状態取得部により取得された前記運転状態情報に基づいて前記実行意思を検知する
    ことを特徴とする車載通信装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車載通信装置であって、
    前記応答送信部は、前記特定のメッセージに対する前記応答メッセージを、その特定のメッセージの発信元の前記移動体を宛先に指定して送信する
    ことを特徴とする車載通信装置。
  7. 移動体(42,43,56,57,66,72,90)に搭載される無線通信装置であって、
    所定の送信タイミングで特定のメッセージを外部へ無線送信するメッセージ送信部(5,2,S320)と、
    その特定のメッセージを受信した外部の車両から送信される、前記車両の運転者による特定の挙動の実行意思を示す意思情報を含む応答メッセージを受信する応答受信部(5,2,S330)と、
    前記応答受信部により受信された応答メッセージに含まれている前記意思情報に基づいて、その意思情報に応じた所定の応答対応処理を実行する応答対応部(5,S340)と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置(1)。
  8. 請求項7に記載の無線通信装置であって、
    前記応答対応処理は、前記意思情報が示す、前記車両の運転者による前記特定の挙動について、その特定の挙動を示す情報を報知する処理である
    ことを特徴とする無線通信装置。
  9. 車両に搭載された車載通信装置と、
    前記車両とは異なる少なくとも1つの移動体に搭載された無線通信装置と、
    を備えた意思伝達システムであって、
    前記車載通信装置は、
    前記車両の運転者による特定の挙動の実行意思を検知する実行意思検知部と、
    前記少なくとも1つの移動体のうち少なくとも1つから特定のメッセージを受信したか否か判断する通知受信判断部と、
    前記通知受信判断部により前記特定のメッセージを受信したと判断した場合に、前記移動体へ、前記実行意思検知部により検知された前記実行意思を示す意思情報を含む応答メッセージを送信する応答送信部と、
    を備え、
    前記無線通信装置は、
    所定の送信タイミングで前記特定のメッセージを無線送信するメッセージ送信部と、
    その特定のメッセージが前記車両によって受信された場合にその車両から送信される前記応答メッセージを受信する応答受信部と、
    前記応答受信部により受信された応答メッセージに含まれている前記意思情報に基づいて、その意思情報に応じた所定の応答対応処理を実行する応答対応部と、
    を備えることを特徴とする意思伝達システム。
JP2015066721A 2015-03-27 2015-03-27 車載通信装置及び意思伝達システム Expired - Fee Related JP6477135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015066721A JP6477135B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 車載通信装置及び意思伝達システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015066721A JP6477135B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 車載通信装置及び意思伝達システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016186721A true JP2016186721A (ja) 2016-10-27
JP6477135B2 JP6477135B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=57203730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015066721A Expired - Fee Related JP6477135B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 車載通信装置及び意思伝達システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6477135B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107016878A (zh) * 2017-03-28 2017-08-04 中国人民解放军装甲兵工程学院 一种车联网系统
JP2018081367A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 富士通株式会社 情報処理装置、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法
WO2018211881A1 (ja) * 2017-05-18 2018-11-22 カルソニックカンセイ株式会社 情報制御装置
KR101972273B1 (ko) * 2018-09-07 2019-04-24 강릉원주대학교산학협력단 차량 탑승자의 모바일 디바이스를 이용한 커넥티드 카 서비스 지원 방법 및 장치
WO2019131388A1 (ja) * 2017-12-27 2019-07-04 日本電気通信システム株式会社 運転支援装置、運転支援システム、運転支援方法、及び、運転支援プログラムが格納された記録媒体
JP2020123159A (ja) * 2019-01-30 2020-08-13 サイレックス・テクノロジー株式会社 通信装置、通信方法及びプログラム
JP2023095187A (ja) * 2021-12-24 2023-07-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 通信装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005339117A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Nissan Motor Co Ltd 運転支援装置
JP2007048042A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Nissan Motor Co Ltd 走行支援装置および走行支援方法
JP2009078735A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Hitachi Ltd 走行支援装置
JP2014115732A (ja) * 2012-12-06 2014-06-26 Denso Corp 相互認識通知システム、および相互認識通知装置
JP2014134897A (ja) * 2013-01-08 2014-07-24 Denso Corp 車両用意思疎通装置、及びそれを用いた車両用コミュニケーションシステム
US20140297103A1 (en) * 2013-03-28 2014-10-02 Caterpillar Inc. Machine system having overtaking functionality

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005339117A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Nissan Motor Co Ltd 運転支援装置
JP2007048042A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Nissan Motor Co Ltd 走行支援装置および走行支援方法
JP2009078735A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Hitachi Ltd 走行支援装置
JP2014115732A (ja) * 2012-12-06 2014-06-26 Denso Corp 相互認識通知システム、および相互認識通知装置
JP2014134897A (ja) * 2013-01-08 2014-07-24 Denso Corp 車両用意思疎通装置、及びそれを用いた車両用コミュニケーションシステム
US20140297103A1 (en) * 2013-03-28 2014-10-02 Caterpillar Inc. Machine system having overtaking functionality

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018081367A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 富士通株式会社 情報処理装置、無線通信システム、無線通信プログラム及び無線通信方法
CN107016878A (zh) * 2017-03-28 2017-08-04 中国人民解放军装甲兵工程学院 一种车联网系统
US10930250B2 (en) 2017-05-18 2021-02-23 Marelli Corporation Information control apparatus
JP2018195139A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 カルソニックカンセイ株式会社 情報制御装置
WO2018211881A1 (ja) * 2017-05-18 2018-11-22 カルソニックカンセイ株式会社 情報制御装置
WO2019131388A1 (ja) * 2017-12-27 2019-07-04 日本電気通信システム株式会社 運転支援装置、運転支援システム、運転支援方法、及び、運転支援プログラムが格納された記録媒体
CN111557026A (zh) * 2017-12-27 2020-08-18 日本电气通信系统株式会社 驾驶辅助装置、驾驶辅助系统、驾驶辅助方法以及存储有驾驶辅助程序的记录介质
JPWO2019131388A1 (ja) * 2017-12-27 2020-12-17 日本電気通信システム株式会社 運転支援装置、運転支援システム、運転支援方法、及び、運転支援プログラム
KR101972273B1 (ko) * 2018-09-07 2019-04-24 강릉원주대학교산학협력단 차량 탑승자의 모바일 디바이스를 이용한 커넥티드 카 서비스 지원 방법 및 장치
JP2020123159A (ja) * 2019-01-30 2020-08-13 サイレックス・テクノロジー株式会社 通信装置、通信方法及びプログラム
JP7108311B2 (ja) 2019-01-30 2022-07-28 サイレックス・テクノロジー株式会社 通信装置、通信方法及びプログラム
JP2023095187A (ja) * 2021-12-24 2023-07-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 通信装置
JP7345118B2 (ja) 2021-12-24 2023-09-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6477135B2 (ja) 2019-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6477135B2 (ja) 車載通信装置及び意思伝達システム
JP6662828B2 (ja) 運転支援システム、運転支援装置および運転支援方法
JP6133345B2 (ja) 車両用衝突回避支援装置
CN108025767B (zh) 用于为安全超车提供驾驶辅助的系统和方法
CN110481566B (zh) 辅助主车的驾驶的设备和方法
US10068480B2 (en) Driving support apparatus
US9987986B2 (en) Driving support device
KR101399026B1 (ko) 차선 변경 시 위험 알림 시스템 및 그 방법
JP6168025B2 (ja) 車両用交差点関連警報装置
JP2016126400A (ja) 車両用衝突回避支援装置及び車両の衝突回避支援方法
KR20150029471A (ko) 차량의 추월 위험 경고 장치 및 방법
JP2016002892A (ja) 車両の走行制御装置
JP2008210051A (ja) 車両用運転支援システム
JP6520687B2 (ja) 運転支援装置
JP5804676B2 (ja) 運転支援装置
JP2004310280A (ja) 車両発進支援装置
CN112652163A (zh) 用于给出与违反交叉路口的交通信号的车辆有关的警告的装置和方法
JP2017010463A (ja) 車両情報提供装置
CN111161551A (zh) 用于检测、警报和响应紧急车辆的设备、系统和方法
JP2015149006A (ja) 車両用通信装置、車両用通信装置プログラム、車両用通信方法
JP6019575B2 (ja) 車両運転支援装置及び車両運転支援方法
JP2015143929A (ja) 車両用通信装置、車両用通信プログラム、車両用通信方法、車両用通信システム
JP2017182409A (ja) 運転支援装置、運転支援システム及び運転支援プログラム
JP2004341893A (ja) 車載システム
JP2007223517A (ja) 車両用ハンズフリーシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6477135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees