JP2016176382A - 摺動部材及びその製造方法、並びに圧縮機 - Google Patents

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【課題】従来に比べて摺動特性を向上させた摺動部材及びその製造方法、並びに、圧縮機としての圧縮特性及び信頼性を向上させた圧縮機を提供することを目的とする。【解決手段】摺動部材(10)は、基材(13)と、基材(13)の表面に形成された固体潤滑膜(15)と、固体潤滑膜(15)を貫通して基材(13)にまで形成された孔(14)と、を有する。本発明における摺動部材(10)を圧縮機に適用することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、相手側部材と相対的に摺動する摺動部材及びその製造方法、並びに、空調機、冷凍機、及び給湯機等に用いられる圧縮機に関する。
以下に示す特許文献1には、冷媒粒体を圧縮するための圧縮機構を構成する鉄系摺動部品の発明が開示されている。
特許文献1では、冷媒ガスで希釈された潤滑油下での耐摩耗性確保、及び機械信頼性の向上を狙って、鉄系摺動部品の素地表面に酸窒化層を形成し、さらにその上層に四三酸化鉄を主成分とする多孔質酸化鉄被膜を形成する摺動部材の構成が提案されている。
図10は、特許文献1に開示された図1に示す摺動物品をもとに図示した摺動部材の部分断面図である。
図10に示す摺動部材90は、基材91の表面に凹凸構造層92が形成されている。
図10に示すような摺動部材90の構成により、特許文献1では、油膜保持機能に優れる等としている。
特開平9−228972号公報
しかしながら、図10に示す摺動部材90の構成では、回転時のどのような環境下においても、油膜切れを防止するには至らなかった。特に、低速回転時や回転始動時には、摺動部材90と相対的に摺動する相手側部材との間で油膜切れが生じて、摺動特性が悪化する問題があった。
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、従来に比べて摺動特性を向上させた摺動部材及びその製造方法、並びに、圧縮機としての圧縮特性及び信頼性を向上させた圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の摺動部材は、基材と、前記基材の表面に形成された固体潤滑膜と、前記固体潤滑膜を貫通して前記基材にまで形成された孔と、を有することを特徴とする。
この構成により、固体潤滑性及び潤滑油保持性を発揮することができ、低速回転時や始動時の油膜切れ状態を抑制でき、仮に一時期、油膜切れ状態が生じたとしても、摺動特性を向上させることができる。
また本発明では従来に比べて効果的に、前記孔を、潤滑油溜めとして機能させることができる。
また本発明では、前記孔を含む前記基材の部分は、前記基材の表面を酸化処理した表面改質層であることが好ましい。このように、基材の表面部分だけを表面改質して孔を形成することができる。
また本発明では、記表面改質層が、酸化アルミニウムあるいは、酸化鉄であることが好ましい。
また本発明では、前記固体潤滑膜が、四フッ化エチレン樹脂、及び/又はポリイミド樹脂を含む樹脂であることが好ましい。
また本発明の圧縮機は、上記のいずれかに記載された摺動部材を有し、前記摺動部材の前記固体潤滑膜の表面が相手側部材と相対的に摺動する摺動面であることを特徴とする。これにより、摺動特性を向上させることができ、圧縮機としての圧縮特性及び信頼性を向上させることができる。
本発明の摺動部材の製造方法は、基材の表面に固体潤滑膜を形成する工程、前記固体潤滑膜を貫通し前記基材にまで形成された孔を設ける工程、を有することを特徴とする。
また本発明の摺動部材の製造方法は、前記基材の表面に凹部を形成する工程、前記凹部内に昇華物を埋設する工程、前記前記基材上に固体潤滑剤を塗膜する工程、前記昇華物を昇華させ、前記昇華物が前記固体潤滑剤を突き破り、前記基材に形成された凹部と貫通する孔を有する固体潤滑膜を形成する工程、を有することを特徴とする。
これにより、基材と、基材の表面に形成された固体潤滑膜と、固体潤滑膜を貫通して前記基材にまで形成された孔と、を有する摺動部材を簡単且つ適切に形成することができる。
本発明では、前記昇華物が水、及び/又は二酸化炭素であることが好ましい。
本発明の摺動部材によれば、固体潤滑性及び潤滑油保持性を発揮することができ、低速回転時や始動時等の油膜切れ状態を抑制でき、摺動特性を向上させることができる。
また本発明の圧縮機によれば、摺動特性を向上させることができ、圧縮特性及び信頼性を向上させることができる。
本実施の形態に係る摺動部材を備えた圧縮機の部分断面図である。 図1に示す圧縮機を構成する圧縮機構部をA−A線から切断し矢印方向から見たときの部分断面図である。 本実施の形態に係る摺動部材を示す断面概略図である。 本実施の形態に係る摺動部材の摺動時の状態を説明するための説明図である。 本実施の形態に係る摺動部材の製造方法を説明するための工程図である。 図5の次に行われる工程を示す摺動部材の製造方法の工程図である。 図6の次に行われる工程を示す摺動部材の製造方法の工程図である。 図7の次に行われる工程を示す摺動部材の製造方法の工程図である。 図8の次に行われる工程を示す摺動部材の製造方法の工程図である。 特許文献1に開示された図1に示す摺動部品をもとに図示した摺動部材の部分断面図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1は、本実施の形態に係る摺動部材を備えた圧縮機の部分断面図である。図2は、図1に示す圧縮機を構成する圧縮機構部をA−A線から切断し矢印方向から見たときの部分断面図である。
図1に示す圧縮機は、ロータリー圧縮機等と呼ばれるものであり、シリンダ内を偏心したローラを回転させて、冷媒の吸入と圧縮とを行うものである。
図1では、上記した冷媒の吸入と圧縮とを行う圧縮機構部30を図示している。図1に示すように、圧縮機構部30は、シリンダ31、上部ベアリング32、下部ベアリング33、ローラ34、クランクシャフト35、クランクシャフトのピン部36、及びベーン37(図2参照)より構成される。クランクシャフトのピン部36は、ローラ34にモーター(不図示)の回転運動を伝達し、ローラ34がシリンダ31内で偏心回転することで(図2参照)、シリンダ31に保持されたベーン37で区切ったシリンダ31内の部分で冷媒ガスを圧縮する。
ローラ34はシリンダ31に収納され、図2に示すように、シリンダ31にはベーン溝38が形成されている。ベーンの先端部37aは、ローラ34の外周円に接触している。ベーン37とベーン溝38においては一方向、又は往復の摺動をする。
ローラ34とシリンダ31、及びローラ34とベーン37の先端部37aとが摺動する。ここでローラ34は回転側であり、シリンダ31及びベーン37は固定側である。本実施の形態における「摺動部材」とは、回転側と固定側の別を問わない。即ち、以下に説明する摺動部材は、回転側であるローラ34であり、あるいは、ローラ34に対して相対的に摺動するシリンダ31やベーン37であってもよい。以下、本実施の形態に係る摺動部材について説明する。
図3は、本実施の形態に係る摺動部材を示す断面概略図である。図3に示すように、摺動部材10は、基材13と、基材13の表面に形成された固体潤滑膜15と、固体潤滑膜15を貫通して基材13にまで形成された孔14と、を有する。
図3に示すように、固体潤滑膜15の表面が摺動面17を構成している。摺動面17には複数の孔14が現れており、各孔14は有底構造である。即ち、各孔14は基材13の途中まで形成される。
摺動部材10が例えばローラ34を構成している場合、摺動部材10の基材13はローラ34の表面部分を構成する基材である。即ちローラ34の表面に固体潤滑膜15が形成され、固体潤滑膜15を貫通して基材13にまで形成された孔14を有する構造となっている。
固体潤滑膜15は、その表面である摺動面17が、基材13の表面に比べて、相対的に摺動する相手側部材の表面に対して摺動性に優れた材質で形成されている。また固体潤滑膜15は、基材13との間の密着性に優れた材質であることが好ましい。また固体潤滑膜15は基材13よりも軟質であることが好ましい。
固体潤滑膜15の膜厚については特に限定するものでないが、膜厚が薄すぎると固体潤滑性が低く、また膜厚が厚すぎると、基材13との密着性が低下し固体潤滑膜15が剥がれやすい等の問題が生じる。例えば固体潤滑膜15の膜厚は、10μm程度である。
孔14は、固体潤滑膜15を貫通し基材13の途中まで形成されており、孔14を深く形成することができる。例えば孔14の深さ寸法は、20〜30μm程度である。
図4は、本実施の形態に係る摺動部材の摺動時の状態を説明するための説明図である。本実施の形態に係る摺動部材10においては、固体潤滑膜15を貫通し基材13にまで形成された孔14内に潤滑油18を保持することができる。即ち、孔14を潤滑油溜めとして機能させることができる。圧縮機の運転時において、潤滑油18を孔14の開口側から、摺動部材10と相手側部材との間に流入させることができる。
本実施の形態では、上記したように、基材13の表面に固体潤滑膜15を形成し、固体潤滑膜15を貫通し基材13にまで形成された孔14を備える。このように摺動面17側に固体潤滑膜15を設けたことで、固体潤滑性を高めることができる。また孔14は固体潤滑膜15だけに形成されたものでなく、固体潤滑膜15を貫通し基材13にまで到達した深い溝を構成している。このため潤滑油保持性を向上させることができる。この結果、摺動部材10の回転時、潤滑油18が孔14に保持された状態を適切に維持でき、油膜切れによる境界潤滑状態の発生を防ぐことができる。境界潤滑状態とは、摺動部材と相手側部材とが直接接触した状態のことを指す。特に、低速回転時や始動回転時、従来では油膜切れが生じやすくなっていたが、本実施の形態では、回転状態や摺動部材10に対する負荷状態がどのようであろうとも、油膜切れを抑制しやすくなり、潤滑油18を介した部材間の摺動を適切に維持することができる。また、摺動部材10と相手側部材との間を満たす潤滑油18が少ない状態、あるいは仮に潤滑油18が一時期、切れた状態(特に、低速回転時や始動回転時に生じやすい)であっても固体潤滑膜15による固体潤滑性が高いため従来に比べて摩擦係数を小さくすることが可能である。
以上のように、本実施の形態の摺動部材10によれば、固体潤滑性及び潤滑油保持性を発揮することができ、低速回転時や始動時の油膜切れ状態を抑制でき、摺動特性を向上させることができる。
したがって本実施の形態における摺動部材10を圧縮機に用いることで、摺動特性を向上させることができ、圧縮特性及び信頼性を向上させることができる。
次に、本実施の形態に係る摺動部材10の各材質や具体的形状について詳細に説明する。
本実施の形態では、孔14を含む基材13の部分が、基材13の表面を酸化処理した表面改質層23であることが好適である。このように基材13のうち表面部分だけを表面改質して多孔質化することができる。
基材13の材質としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウムや鉄等の金属である。したがって表面改質層23は、酸化アルミニウムや酸化鉄等で形成される。なお多孔質化の観点から、酸化アルミニウムとしては、アルミニウムの陽極酸化被膜等が好ましく、酸化鉄としては、四三酸化鉄を主成分とする酸化鉄被膜等が好ましい。
図3に示すように基材13に形成された孔14の一部(ここで「孔14の一部」とは、後述の製造方法では凹部24として説明されている)は表面側から内部に向かうほど先細る形状となっているが、このような形状に限定するものでない。ただし上記した表面改質によれば、先細る形状が形成されやすくなる。
固体潤滑膜15は、基材13の表面に密着して形成されている。
固体潤滑膜15の材質としては、例えば、四フッ化エチレン(PTFE)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、及びポリイミド(PI)樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の樹脂であることが好ましい。コスト面、固体潤滑性、及び基材13との密着性の観点から、四フッ化エチレン(PTFE)樹脂、及び/又はポリイミド(PI)樹脂を含む樹脂であることがより好ましい。
孔14は、固体潤滑膜15の部分を貫通しているが、後述するように、昇華物の昇華を利用することで貫通させることができる。
ただし孔14の形成方法を限定するものでなく、例えばエッチングにより、固体潤滑膜15を貫通し基材13にまで形成された孔14を形成することも可能である。
また孔14の形状は一様でなく、ばらつきがあってもよい。特に、上記のように基材13を表面改質した場合、各孔14の形状はばらつきやすくなる。表面改質により同時に多数の孔14を形成でき、潤滑油保持性の高い孔構造を得ることができる。
上述のような本実施の形態に係る摺動部材10は、以下のように製造することができる。図5から図9に示す図面を用いて説明する。各図は部分断面図である。
図5に示す工程では、基材13の表面を表面改質して凹部(有底の孔)24を形成している。表面改質は例えば酸化処理にて実施される。この酸化処理に伴い粒状物が膨張及び成長することで、これら粒状物間が凹部24となって現れる。
基材13は、アルミニウムや鉄等の金属製であり、したがって、上記の酸化処理による表面改質により、アルミニウムの陽極酸化被膜や、四三酸化鉄を主成分とする酸化鉄被膜からなる、多数の凹部24を有する表面改質層23が形成される。
表面改質の方法については特に限定するものでないが、以下に一例を挙げる。例えば基材13が鉄であるとき、数%の空気を含むアンモニアガス中で、加熱処理を施して硬質の酸窒化被膜を形成させる。さらに酸窒化被膜の最表面を、スチーム処理することで、多孔質の四三酸化鉄を主成分とするとする酸化鉄被膜を隆起形成することができる。これにより多数の凹部24を有する表面改質層23を得ることができる。
また、例えば陽極酸化法を用いて表面改質層23を形成することができる。具体的には、例えば、アルミニウムの基材13を陽極として硫酸等の電解液中に浸漬し、これに対向配置される白金電極を陰極として通電する。これにより、アルミニウムの陽極酸化被膜を表面改質層23として形成できる。酸化アルミニウムや酸化鉄等からなる表面改質層23の厚みは、20〜30μmであることが好ましい。
次に図6に示すように、表面改質された基材13の表面に、低温の昇華物19を添加する。温度及び圧力が管理できる環境下において、基材13の表面に形成された多数の凹部24に昇華物19を浸透させた後、温度及び圧力を適正に制御して凹部24の内部に昇華物19を固化させる。昇華物19には、水や二酸化炭素等を用いることが好ましい。なお、水と二酸化炭素の一方を昇華物19として用いたり、両方を昇華物19として用いることができる。水や二酸化炭素を昇華物19として用いることで低温の昇華物を実現できるとともに、簡単に入手することができ製造コストの低減を図ることができる。また昇華物19を適切に昇華させることができ、昇華物19の残骸が凹部24内に残らないようにすることができる。
次に図7に示すように、基材13表面に付着した昇華物19を除去し、基材13を表出させる。このとき、一部の昇華物19は、凹部24内に充填された状態で保持される。これにより、基材13表面に固体潤滑膜15が付着しやすくなる。
次に基材13表面に固体潤滑膜15を塗膜形成する。まず、図8に示すように、凹部24内に昇華物19を浸透固化した基材13の表面に対して、噴射ノズル22を所定間隔離した状態で対向させる。そして、噴射ノズル22を基材13の表面に沿って移動させながら、高温で液化されたミスト状の固体潤滑剤21を噴射ノズル22から噴霧する。固体潤滑剤21としては、上記の通り、四フッ化エチレン(PTFE)樹脂、及び/又はポリイミド(PI)樹脂等を含む樹脂であることが好ましい。
図8のように、噴霧されたミスト状の固体潤滑剤21は、基材13上に付着する。図8では基材13の表面に付着した固体潤滑材を符号20で示した。固体潤滑剤20が基材13の表面に達すると同時に基材13(表面改質層23)に対し熱が与えられ、その熱が基材13の凹部24内に固化された昇華物19に伝熱する。このときの加熱温度は約100℃以下とすることができる。加えて、基材13表面に付着した固体潤滑剤20に含まれる樹脂の熱が急激に昇華物19に伝熱される。これにより、図9に示すように昇華物19が急激に気体に昇華し、基材13の凹部24内から基材13上に塗膜された固体潤滑剤20を突き破って噴出し、固体潤滑剤20に基材13に形成された凹部24と連続する貫通孔16が形成される。さらに、この状態から環境温度を樹脂被膜の焼成温度まで上昇させ、固体潤滑剤20の被膜を形成する。低温の昇華物19はこの焼成段階で全て昇華され乾燥されて無くなる。これにより、基材13の表面に固体潤滑膜15が形成され、固体潤滑膜15を貫通して基材13にまで通じる孔14(図9に示す凹部24と貫通孔16とを合わせた有底の孔)を有する摺動部材10(図3参照)を簡単且つ適切に製造することができる。
上記の方法に代えて、基材13に固体潤滑膜15を重ねて形成し、固体潤滑膜15を貫通して基材13にまで達する孔14をエッチング等の既存の方法を用いて形成することができる。
なお、上記したように基材13に対する表面改質処理、及び昇華物を用いた固体潤滑膜への貫通処理により、簡単且つ適切に固体潤滑膜15を貫通して基材13にまで形成された多数の孔14を形成することができる。
上記では、摺動部材10を、圧縮機に適用したが、圧縮機以外であっても、電子部品や自動車部品等の摺動部品として用いることができる。摺動部材と相手側部材との間に潤滑油を介在させる構成のものに特に適している。
本発明の摺動部材は、潤滑油保持性と固体潤滑性に優れるため、相手側部材との間での摺動特性を良好にでき、特に潤滑油を用いる摺動機構に好ましく適用される。特に、冷媒ガスを圧縮する機構の摺動面に、潤滑油保持性と固体潤滑性を合わせ持たせることができ、摺動特性を向上させることができるため、圧縮機の製造に適している。
10 摺動部材
13 基材
14 孔
15 固体潤滑膜
17 摺動面
18 潤滑油
19 昇華物
20、21 固体潤滑剤
22 噴射ノズル
23 表面改質層
24 凹部
30 圧縮機構部
31 シリンダ
34 ローラ
35 クランクシャフト
37 ベーン

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材の表面に形成された固体潤滑膜と、前記固体潤滑膜を貫通して前記基材にまで形成された孔と、を有することを特徴とする摺動部材。
  2. 前記孔は、潤滑油溜めとして機能することを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記孔を含む前記基材の部分は、前記基材の表面を酸化処理した表面改質層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摺動部材。
  4. 前記表面改質層が、酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項3に記載の摺動部材。
  5. 前記表面改質層が、酸化鉄であることを特徴とする請求項3に記載の摺動部材。
  6. 前記固体潤滑膜が、四フッ化エチレン樹脂、及び/又はポリイミド樹脂を含む樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の摺動部材。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載された摺動部材を有し、前記摺動部材の前記固体潤滑膜の表面が相手側部材と相対的に摺動する摺動面であることを特徴とする圧縮機。
  8. 基材の表面に固体潤滑膜を形成する工程、
    前記固体潤滑膜を貫通し前記基材にまで形成された孔を設ける工程、
    を有することを特徴とする摺動部材の製造方法。
  9. 基材の表面に凹部を形成する工程、
    前記凹部内に昇華物を埋設する工程、
    前記基材上に固体潤滑剤を塗膜する工程、
    前記昇華物を昇華させ、前記昇華物が前記固体潤滑剤を突き破り、前記基材に形成された凹部と貫通する孔を有する固体潤滑膜を形成する工程、
    を有することを特徴とする摺動部材の製造方法。
  10. 前記昇華物が水、及び/又は二酸化炭素であることを特徴とする請求項9に記載の摺動部材の製造方法。
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