JP6902817B2 - 深溝玉軸受用保持器および深溝玉軸受 - Google Patents

深溝玉軸受用保持器および深溝玉軸受 Download PDF

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Description

本発明は深溝玉軸受用保持器に関し、特に、自動車用コンプレッサーや自動車用モータにおいて高ミスアライメントかつ希薄潤滑条件で使用される深溝玉軸受の保持器に関する。また、この保持器を備えた深溝玉軸受に関する。
自動車用モータは、小型化の傾向があり、これに伴いハウジング剛性が低くなり大きなミスアライメントが発生しやすくなる。この結果、軸受が早期に損傷する懸念がある。また、コンプレッサーは希薄潤滑条件で使用されるため、コンプレッサー用深溝玉軸受において、高ミスアライメントがかかることにより発生する玉(以下、ボールともいう)の遅れ進みにより、保持器が低寿命化する可能性がある。
従来、希薄潤滑条件または無潤滑条件で使用されても転がり軸受の寿命低下とならないように、少なくとも軌道輪または転動体の表面層が内部よりも表面側で炭素濃度が低く、窒素濃度が高い分布を有する転がり軸受が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−206523号公報
しかしながら、特許文献1に記載の転がり軸受であっても、希薄潤滑条件で使用されるコンプレッサーまたは高ミスアライメントが発生するモータ用途では、保持器の長寿命化が望まれている。
近年、これらの用途だけでなく、環境問題から軸受に使用される潤滑油は低粘度化の傾向にある。深溝玉軸受の場合、過大なミスアライメントが発生すると軸受内の各々のボールの接触角が変わることにより公転速度が変わり、速く回るボール、遅く回るボールで保持器を引っ張り合うという、ボールの遅れ進みと呼ばれる現象が発生する。また、高ミスアライメントに希薄潤滑が重なるとポケットの異常摩耗やボールの遅れ進みによる保持器のスミRを起点とした破損に注意が必要である。
ボールの遅れ進みによる保持器の低寿命化に対する対策としては、例えば保持器の周方向ポケットすきまをボールの遅れ進み量よりも大きくするような保持器形状・寸法の改良がある。しかし、深溝玉軸受でよく使われる鋲加締め波型鉄板保持器は鋲で両側の保持器を固定するため、寸法関係によってはこの改良が成立しない場合がある。また、保持器材質をSUS(ステンレス)にすることで、材質を強化しボールの遅れ進みによるポケット摩耗をしにくくする方法が考えられる。しかし、SUSは硬すぎることから、成形用型の早期摩耗等で保持器の生産性がよくないため、コストアップになってしまう。よって、保持器材質をSUSにするのは、保持器のプレス加工による製作には好ましくないという問題がある。
また、保持器に摺動性に優れた樹脂コーティングを施すことで、希薄潤滑条件または無潤滑条件において上記のような保持器破損を防止して長寿命化を図ることも考えられる。しかし、例えば自動車に使用される部品では、潤滑剤が全く無いという環境は存在せず、樹脂コーティングの種類によっては摺動面で潤滑油をはじく場合がある。無潤滑条件では特に問題とならないが、少しでも潤滑油がある油潤滑条件(具体的には希薄潤滑条件)では、この撥油性によりトルクが増加してしまうおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、高ミスアライメントかつ油潤滑条件で使用される深溝玉軸受において、保持器の長寿命化を実現でき、かつ、トルク増加も抑制できる深溝玉軸受用保持器およびこの保持器を備えた深溝玉軸受を提供することを目的とする。
本発明の深溝玉軸受用保持器は、油潤滑条件で使用される深溝玉軸受において、内輪と外輪との間に介在する複数のボールを保持する深溝玉軸受用の保持器であって、該保持器は、少なくとも上記ボールと摺動する部位に10μm以上の厚さのフッ素樹脂被膜が形成されてなり、上記フッ素樹脂被膜が、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと呼ぶ)とテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPと呼ぶ)を含む焼成フッ素樹脂被膜であることを特徴とする。特に上記保持器が、鋲加締め波型鉄板保持器であることを特徴とする。
本発明の深溝玉軸受は、内輪と、外輪と、上記内輪と上記外輪との間に介在する複数のボールと、上記複数のボールを保持する保持器と、を備え、上記保持器として本発明の深溝玉軸受用保持器を用いることを特徴とする。また、上記内輪および上記外輪のうち少なくとも一方の軌道輪の少なくとも軌道面に、上記焼成フッ素樹脂被膜が形成されていることを特徴とする。また、本発明の深溝玉軸受は、コンプレッサーの密閉容器内で使用されることを特徴とする。
本発明の深溝玉軸受用保持器は、少なくともボールと摺動する部位に所定厚さ以上のフッ素樹脂被膜が形成され、このフッ素樹脂被膜がフッ素樹脂としてPTFEとFEPを含む焼成フッ素樹脂被膜であるので、高ミスアライメントかつ油潤滑条件で使用されても破損しない。また、フッ素樹脂被膜においてPTFEのみでなくFEPを含めることで、希薄潤滑下でのなじみ性に優れ、起動トルクや摩擦係数の増加を抑制できる。
本発明の深溝玉軸受は、上記深溝玉軸受用保持器を備えてなるので、高ミスアライメントかつ希薄潤滑条件で使用されても、保持器の長寿命化を実現でき、かつ、トルク増加も抑制できる。このため、コンプレッサーの密閉容器内で使用される軸受として好適に利用できる。
本発明の一実施例に係る深溝玉軸受の断面図である。 図1に示す保持器の拡大斜視図である。 他の深溝玉軸受の断面図である。 スクロール型コンプレッサーの断面図である。
本発明の深溝玉軸受用保持器は、油潤滑条件で使用される深溝玉軸受において用いられる保持器である。具体的には、希薄潤滑条件で使用される深溝玉軸受の保持器である。ここで、本発明における希薄潤滑条件とは、軌道輪とボールとの転がり接触部における潤滑油の油膜形成が十分にできないような条件である。例えば、該接触部が境界潤滑状態となるような条件での使用が挙げられる。また、例えば、接触する2つの構成部材間の表面の突起接触の程度を表すパラメータである膜厚比Λが1.2以下になるような条件での使用が挙げられる。より厳しくは、膜厚比Λが1.0以下になるような条件での使用が挙げられる。この膜厚比Λは、油膜パラメータともよばれ、転がり接触する2物体の接触面に形成される潤滑油膜の最小膜厚hと接触面の合成二乗平均平方根粗さσの比h/σである。σは該2物体の二乗平均平方根粗さをそれぞれσ、σとしたとき、√(σ +σ )で表される。
本発明の深溝玉軸受を図1〜図3に基づいて説明する。図1は保持器のポケット内面にフッ素樹脂被膜を形成した深溝玉軸受の断面図を、図2は図1の保持器の拡大図を、図3は内・外輪軌道面にフッ素樹脂被膜を形成した深溝玉軸受の断面図をそれぞれ示す。なお、以下の説明において、深溝玉軸受の中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」と呼ぶ。
図1に示すように、深溝玉軸受1は、外周に内輪軌道面2aを有する内輪2と、内周に外輪軌道面3aを有する外輪3と、内輪軌道面2aと外輪軌道面3aとの間を転動する複数のボール4と、を備えている。ボール4は、保持器5により周方向に一定間隔で保持されている。
ボール4と摺動する保持器5の摺動面にフッ素樹脂被膜6が成膜されている。図2に示すように、保持器5は、鋲加締め波型鉄板保持器であり、後述の鉄系材料を用いてプレス成形した2つの部材5a、5aを組み合わせて鋲5bで加締めることで製作されている。保持器5には、転動体であるボール4を保持する保持器ポケット5cが形成されている。保持器ポケット5cの内周面(以下、ポケット面と呼ぶ)がボールとの摺動面であり、少なくともこのポケット面にフッ素樹脂被膜6が形成されている。なお、フッ素樹脂被膜6は、軌道輪(内輪2または外輪3)との摺動面およびボール4との摺動面から選ばれる少なくとも一つの摺動面に形成してあればよい。また、保持器5の摺動面に加えて、図1および図2で示した内輪軌道面2a、外輪軌道面3aにも併せてフッ素樹脂被膜6が成膜されていてもよい。
図3は、内・外輪2,3の少なくとも軌道面にフッ素樹脂被膜6が形成されている深溝玉軸受1の例であり、図3(a)の深溝玉軸受1では、内輪2の外周面(内輪軌道面2aを含む)にフッ素樹脂被膜6が形成されており、図3(b)の深溝玉軸受1では、外輪3の内周面(外輪軌道面3aを含む)にフッ素樹脂被膜6が形成されている。このフッ素樹脂被膜6を内・外輪2,3に形成する場合は、少なくともその軌道面に形成してあればよい。よって、各図に示すように内輪外周面全体、外輪外周面全体に形成する、または、内・外輪の全体にフッ素樹脂被膜が形成されていてもよい。また、内・外輪の少なくとも一方の軌道輪にフッ素樹脂被膜が形成されていてもよい。
フッ素樹脂被膜6の成膜対象となる保持器5は、鉄系材料からなる。この鉄系材料としては、保持器材として一般的に用いられる任意の材料を使用でき、例えば、打ち抜き保持器用冷間圧延鋼板(SPCC;JIS G 3141等)、ステンレス鋼(SUS440C等;JIS G 4303)、もみ抜き保持器用炭素鋼(JIS G4051)、もみ抜き保持器用高力黄銅鋳物(JIS H 5102等)などが挙げられる。また、他の軸受合金を採用することもできる。
フッ素樹脂被膜6の成膜対象となる軸受部材である内輪2および外輪3は、鉄系材料からなる。この鉄系材料としては、軸受部材として一般的に用いられる任意の鋼材等を使用でき、例えば、高炭素クロム軸受鋼(SUJ1、SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5等;JIS G 4805)、浸炭鋼(SCr420、SCM420等;JIS G 4053)、ステンレス鋼(SUS440C等;JIS G 4303)、高速度鋼(M50等)、冷間圧延鋼等が挙げられる。
フッ素樹脂被膜6は、フッ素樹脂としてPTFEとFEPを含む。特に耐熱性に優れることから、PTFEをベースとしてFEPを一部含む被膜であることが好ましい。また、他のフッ素樹脂を一部含んでもよい。このようなフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、PFAという)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルが挙げられる。最も好ましくは、フッ素樹脂被膜をPTFEとFEPのみから構成する。
フッ素樹脂被膜がPTFEのみからなる場合、無潤滑ではなく潤滑油が僅かに存在する希薄潤滑条件では、潤滑油をはじいてトルク増加等に繋がるおそれがある。本発明では、後述の実施例に示すとおり、PTFEのみでなくFEPを含めることで、希薄潤滑下でのなじみ性に優れ、油膜厚さを薄くでき、トルクや摩擦係数の増加を抑制できる。
フッ素樹脂被膜6は、被膜が形成される保持器等の表面をショットブラスト等を用いて粗面化し、その後、石油ベンジン等の有機溶剤内に浸漬させ脱脂を行ない、プライマー液塗布処理した後、フッ素樹脂塗布液を用いて形成される。プライマー液としてはフッ素樹脂と芳香族アミドイミド樹脂等の耐熱性樹脂とを非イオン界面活性剤、無機顔料、N−メチル−2−ピロリドン等の水に任意に混合する非プロトン系極性溶剤を含む水に分散させた水分散液が挙げられる。また、フッ素樹脂塗布液は、PTFE樹脂粒子およびFEP樹脂粒子を均一分散させた水分散液である。
フッ素樹脂被膜6は、保持器等の表面にプライマー液を薄く塗布乾燥後、フッ素樹脂塗布液を塗布乾燥することで形成される。塗布方法としてはスプレー法、ディッピング法、刷毛塗り法等、被膜を形成できるものであれば使用できる。フッ素樹脂被膜6の表面粗さ、塗布形状をできるだけ小さくし、被膜厚さの均一性を考慮するとスプレー法が好ましい。フッ素樹脂被膜の乾燥条件としては、例えば90℃×30分程度の乾燥が好ましい。
フッ素樹脂被膜6は、乾燥後、焼成する。焼成することで保持器等の表面への密着性が向上する。その結果、破損時間が大幅に長くなる。焼成条件としては、加熱炉内、空気中でフッ素樹脂の融点以上の温度、好ましくは(融点(Tm)+30℃)〜(融点(Tm)+100℃)、5〜40分の範囲内で、フッ素樹脂被膜を焼成する。本発明ではPTFEに合わせて、好ましくは380℃の加熱炉内で30分間焼成する。
フッ素樹脂被膜6の被膜厚さは10μm以上とする。好ましくは15μm以上である。フッ素樹脂被膜6の被膜厚さが10μm未満(例えば5μm)であると、使用条件によっては、後述する耐久試験において示すように破損時間が短くなる。なお、上限については特に限定されないが、被膜形成時のクラック発生や運転中に被膜が剥離して潤滑状態が悪化するおそれ等を考慮し、フッ素樹脂被膜6は、20μm以下が好ましい。すなわち、フッ素樹脂被膜6の被膜厚さを15μm以上20μm以下とすることで、潤滑状態を維持しつつ、トルク増加を防ぐ適切な油膜厚さに設定することができる。
本実施形態の深溝玉軸受1は、コンプレッサー用深溝玉軸受、自動車電装・補機用深溝玉軸受として、コンプレッサー用深溝玉軸受、ファンカップリング装置用深溝玉軸受、自動車用オルタネータ用深溝玉軸受およびアイドラプーリ用深溝玉軸受等に用いることができる。
本実施形態の深溝玉軸受が用いられるコンプレッサーの一例を図4に示す。図4はスクロール型コンプレッサーの断面図である。スクロール型コンプレッサー7は、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに適した電動型コンプレッサーである。コンプレッサー7のハウジング8内には、図中右方において圧縮機構9が配設され、また、図中左側において圧縮機構9を駆動する電動モータ10が配設されている。さらに、ハウジング8内には、ステーター10aが設けられている。電動モータ10では、ステーター10aによって作られる回転磁界によりローター10bの中心軸に固定されている回転駆動軸11が回転する。回転駆動軸11は、深溝玉軸受12、13を介して回転可能に支持されている。圧縮機構9側と電動モータ10側とは隔壁14により仕切られており、深溝玉軸受13はこの隔壁14に固定されている。
圧縮機構9は、固定スクロール15とこれに対向配置された可動スクロール16とを有するスクロール型で、固定スクロール15は、円板状の基板15aと、基板15aから図中左方に向かって立設された渦巻状の渦巻壁15bとから構成されている。また、可動スクロール16は、円板状の基板16aと、この基板16aから図中右方に向かって立設された渦巻状の渦巻壁16bとから構成され、基板16aの背面中央に設けられた嵌合凹部17に、回転駆動軸11の軸心に対して偏心して設けられた偏心軸18が回転駆動軸11の軸心を中心として公転運動可能に設けられている。
固定スクロール15と可動スクロール16とは、それぞれの渦巻壁15b、16bを互いに噛み合わせ、固定スクロール15の基板15aおよび渦巻壁15bと、可動スクロール16の基板16aおよび渦巻壁16bとによって囲まれた空間によって圧縮室19が形成されている。冷媒は、吸入口20から圧縮室19に導入されて、固定スクロール15の背後の略中央に形成された吐出孔21を介して吐出口22より圧縮されて吐出される。吐出された冷媒は図示を省略した冷凍サイクルへ圧送される。
このスクロール型コンプレッサーにおいて、深溝玉軸受12、13は、冷媒および冷凍機油共存下で使用される。冷媒および冷凍機油は、ハウジング8内において濃度変動が大きく、また、軸受のグリース成分等が共存すると冷凍サイクル内での吐出弁を詰まらせる場合がある。そのため、グリース封入軸受の使用は困難であり、スクロール型コンプレッサーの機構上、ミスアライメントが発生しやすくなるため、保持器のポケットの異常摩耗やボールの遅れ進みが発生しやすくなったりする場合がある。
保持器、特に鋲加締め波型鉄板保持器の場合、上記保持器を長寿命化する方法として、(1)保持器の板厚を厚くする、(2)塩浴軟窒化処理により表面硬度を高める、(3)上記(1)および上記(2)を組み合わせる、(4)保持器材質をSUS(ステンレス)化する方法等がある。上記(4)の方法が最も優れているが、軸受の使用環境の悪化や、保持器の成形型の早期摩耗等で保持器の生産性がよくない等の問題がある。
フッ素樹脂被膜は、冷媒および冷凍機油に対する耐薬品性、潤滑性に優れ、また、焼成することで基材との密着性にも優れている。このため、容器内に密閉されているハーメチックコンプレッサー用深溝玉軸受の摺動部位の表面被膜として最適である。本発明の深溝玉軸は、スクロール型コンプレッサー以外に、ロータリー型コンプレッサー、レシプロ型コンプレッサー、斜板型コンプレッサー等に使用することができる。
実施例1
表1に記載の材質(厚さ1mmのSPCC)の金属平板表面にフッ素樹脂被膜を形成した。このフッ素樹脂被膜は、フッ素樹脂としてPTFEとFEPを含むものであり、塗布形成後に90℃の恒温槽内で30分間乾燥し、380℃の加熱炉内で30分間焼成した。このフッ素樹脂被膜が形成された金属平板を用いて、フッ素樹脂被膜がポケット内面になるようにして、図2に示す鋲加締め波型鉄板保持器を作製した。この保持器を用いて、略同一ラジアルすきまを有する深溝玉軸(6206C3)を作製した。
得られた深溝玉軸を用いて、以下に示す条件で耐久試験を行なった。結果を表1に示す。なお、破損時間は、各試験個数の平均値を算出して、比較例1を100とした比で表した。また、保持器の破損個所は、図2に示す、AがスミR部、Bが鋲穴部、Cがポケット頂部である。
<耐久試験条件>
回転速度:3000RPM
モーメント荷重:19.6N・m
潤滑:潤滑剤が全く存在しない完全脱脂の状態
試験個数:各3個
比較例1および比較例2
比較例1は保持器のポケット面にフッ素樹脂被膜がされていない標準深溝玉軸受(6206C3)、比較例2は保持器の材料をSUS(ステンレス)に代える以外は比較例1と同一の深溝玉軸受である。
比較例3〜比較例6
比較例3〜比較例6は、表1に示す構成の相違以外は、実施例1と同一の深溝玉軸受である。比較例3〜比較例6は、実施例1と同様の基材に対して、フッ素樹脂がPTFEのみであるフッ素樹脂被膜を形成して保持器を作製している。また、これら比較例内で焼成の有無と膜厚が異なる。
Figure 0006902817
表1に示すように、フッ素樹脂被膜を10μm以上(具体的には、15μm)形成することで、これを形成しない場合や5μmである場合と比較して、破損時間で表した耐久性が顕著に向上した。また、膜厚や焼成の条件が同じであれば、フッ素樹脂被膜としてPTFEにFEPを含む場合であっても、同様に顕著に耐久性を向上させることができた。
実施例2および比較例7
実施例1と同一のフッ素樹脂被膜を形成した金属平板の試験片を実施例2とし、比較例3と同一のフッ素樹脂被膜を形成した金属平板の試験片を比較例7とし、これらを用いて以下に示す条件で摩擦抵抗試験を行なった。結果を表2に示す。
<摩擦係数測定条件>
装置:新東科学製表面測定機:トライボギア14FW
相手材:5mmφ SUS球
荷重:1kg
摩耗速度:2400mm/min
摩耗距離:10mm往復摩耗
往復回数:10000回
温度:室温
無潤滑環境:潤滑剤が全く存在しない完全脱脂の状態
オイル環境:防錆油塗布(希薄潤滑:油膜パラメータΛ1.0)
Figure 0006902817
表2に示すように、比較例7のPTFE樹脂被膜は、オイルが存在する環境下では無潤滑環境と比較して大きく摩擦係数が増加するのに対して、実施例2のPTFE・FEP樹脂被膜は、オイルが存在する環境下においても低摩擦係数を維持できた。
実施例3および比較例8
実施例1と同様に作製した深溝玉軸受を実施例3とし、比較例3と同様に作製した深溝玉軸受を比較例8とし、これらを用いて以下に示す条件で軸受起動トルク試験を行なった。結果を表3に示す。
<軸受起動トルク試験条件>
試験軸受:6206
潤滑:防錆油塗布(希薄潤滑:油膜パラメータΛ1.0)
温度:室温
試験個数:5個(表の値は5個の平均値)
Figure 0006902817
表3に示すように、希薄潤滑条件では、PTFE樹脂被膜を形成した比較例8の軸受よりも、PTFE・FEP樹脂被膜を形成した実施例3の軸受の方が、起動トルクが低い結果となった。
本発明の深溝玉軸受は、高ミスアライメントかつ油潤滑条件で使用されても、保持器の長寿命化を実現でき、かつ、トルク増加も抑制できるので、過酷な雰囲気で使用される軸受として広く利用できる。
1、12、13 深溝玉軸受
2 内輪
3 外輪
4 ボール
5 保持器
6 フッ素樹脂被膜
7 スクロール型コンプレッサー
8 ハウジング
9 圧縮機構
10 電動モータ
11 回転駆動軸
14 隔壁
15 固定スクロール
16 可動スクロール
17 嵌合凹部
18 偏心軸
19 圧縮室
20 吸入口
21 吐出孔
22 吐出口

Claims (5)

  1. 希薄潤滑条件で使用される深溝玉軸受において、内輪と外輪との間に介在する複数のボールを保持する深溝玉軸受用の保持器であって、
    前記保持器は、少なくとも前記ボールと摺動する部位に10μm以上の厚さのフッ素樹脂被膜が形成されてなり、
    前記フッ素樹脂被膜が、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を含む焼成フッ素樹脂被膜であることを特徴とする深溝玉軸受用保持器。
  2. 前記保持器が、鋲加締め波型鉄板保持器であることを特徴とする請求項1記載の深溝玉軸受用保持器。
  3. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数のボールと、前記複数のボールを保持する保持器と、を備え、
    前記保持器が、請求項1または請求項2記載の深溝玉軸受用保持器であることを特徴とする深溝玉軸受。
  4. 前記内輪および前記外輪のうち少なくとも一方の軌道輪の少なくとも軌道面に、前記焼成フッ素樹脂被膜が形成されていることを特徴とする請求項3記載の深溝玉軸受。
  5. 前記深溝玉軸受が、コンプレッサーの密閉容器内で使用されることを特徴とする請求項3または請求項4記載の深溝玉軸受。
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