JP3761718B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ころがり軸受に係り、特に通常のグリースやにオイルが使用できない真空環境、清浄環境および腐食環境等において用いるのに最適な転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報機器として、情報記録ディスクの回転中心に貫通固定されるスピンドル軸といった回転機構であるとか、情報の記録・再生用のヘッドを移動させるスイングアームといった揺動機構が備えられたものがある。このような情報機器においては、例えば、特開平5−135515号公報に記述された情報機器に示すように、揺動機構として備えられたスイングアームにおける揺動支点軸が、2つのラジアル転がり軸受で支持されている。
【0003】
上記転がり軸受においては、次のような不具合があった。すなわち、回転機構あるいは揺動機構のうち、例えば揺動機構としてのスイングアームを支持するために用いる転がり軸受では、スイングアームが所定の角度範囲内で繰り返し揺動する運動であるために、これを支持する転がり軸受ではその転動体が引きずられて滑ることがあり、そのためにいくら転動体と軌道輪との間に潤滑剤を介装させても、潤滑剤の膜切れが起こりやすかった。こうした潤滑剤の膜切れは、転動体と軌道輪とが直接接触して転動体や軌道輪の摩耗を引き起こす原因ともなる。
【0004】
また、介装する潤滑剤内に大きな粒子径のものが混じっていると、転がり軸受から微小なスパイクノイズが発生して、スイングアームの揺動運動のためのトルク特性が不安定になりやすく、記録・再生時のヘッドの位置決め精度が低下する原因となるという不具合があった。
【0005】
さらに、潤滑剤の漏れが起こることがあり、漏れた潤滑剤が、情報記録ディスクの表面に付着して情報記録ディスクの保護膜にとりこまれたりすると、記録・再生の妨げとなるといった不具合があった。
【0006】
これに対して、本願出願人は、特開平8−226446号公報にその例が示されるように、官能基を有する含ふっ素重合体からなる被膜を軸受表面のうちの少なくとも軌道面に形成し、この被膜を潤滑剤として機能させることで上記した各種不具合を解消した転がり軸受を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、官能基を有する含ふっ素重合体からなる被膜を軸受表面のうちの少なくとも軌道面に形成した転がり軸受にも、次のような課題があった。すなわち、被膜を形成する母材(内輪,外輪,転動体,ないし保持器)として、金属やセラミックを用いた場合には、被膜が母材に対して良好な親和性を有していないために、転動体の回転により部分的に被膜(潤滑剤)切れが生じて母材の摩耗が促進され、結果として転がり軸受の耐久性能を悪化させていた。
【0008】
これに対して、母材と被膜原料とに対して超音波振動を加えた状態で上記被膜を形成する(例えば、被膜原料液の貯留槽に対して超音波振動を与えた状態で母材を貯留層に浸漬する)ことで、親和性の低い母材に対して被膜を十分になじませて成膜し、これによって上記不都合を解消することも考えられる。しかしながら、母材に超音波振動を新たに加える分、面倒でかつ効果な装置(超音波振動発生装置)を新たに設ける必要があり、その分、製造コストを上昇させるという課題があった。
【0009】
したがって、本発明においては、転がり軸受の長寿命化を、製造コストの上昇を極力抑えたうえで実現することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のような手段によって、上述した課題の解決を達成している。
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明では、官能基を有する含ふっ素重合体からなる被膜が、軸受表面のうちの少なくとも軌道面に形成された転がり軸受であって、軸受の被膜形成面には、被膜より下層側であって被膜に接する部位に、被膜と被膜形成面との間の親和性を向上させる固体状の下地層が設けられ、前記官能基を有する含ふっ素重合体からなる被膜が前記下地層の上に流動性を有する状態で形成されていることに特徴がある。
【0012】
本発明の請求項2に記載の発明では、請求項1に係る転がり軸受であって、前記下地層は、炭素を主成分とする膜であることに特徴がある。
【0013】
本発明の請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の転がり軸受であって、前記炭素を主成分とする膜がカーボン膜またはダイヤモンドライクカーボン膜であることに特徴がある。本発明の請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の転がり軸受であって、前記下地層は多層構造であることに特徴がある。
【0014】
以上の構成を備えることで本発明は、製造工程を複雑にすることなく、被膜を軌道面に十分になじませた状態で形成することができるという作用がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態にかかるハードディスクドライブ装置の縦断面図、図2は図1の移動ユニットの転がり軸受の半分を拡大した図である。
【0017】
図1において、Aは情報機器としてのハードディスクドライブ装置の全体を示している。図1を参照して当該機器の要素について説明すると、1は前記ハードディスクドライブ装置Aの枠体、2は枠体1の内部に水平姿勢で配設される磁気ディスクや光ディスクなどの情報記録ディスク、3は枠体1に情報記録ディスク2を回転自在に支持するスピンドルユニット、4は情報記録ディスク2に対する情報の記録・再生を行う記録・再生ヘッド、5は記録・再生ヘッド4を情報記録ディスク2の任意のトラックに対して移動させる移動ユニットである。
【0018】
情報記録ディスク2の表面には、保護膜(図示省略)が流動性を有する状態で形成されている。この保護膜は、一般的に、パーフルオロポリエーテル(PFPE)からなる。
【0019】
スピンドルユニット3は、情報記録ディスク1の回転中心から上下に突出する状態に貫通固定されるスピンドル軸6と、このスピンドル軸6の上下突出部分をそれぞれ枠体1に対して回転自在に支持する一対の転がり軸受7,7と、情報記録ディスク2を回転駆動するモータ8とを備えている。
【0020】
モータ8は、スピンドル軸6において枠体1の下方に突出する下端に固定されるロータ(永久磁石)9と、ロータ9の下方に非接触で対向配置されるステータ(コイル)10とで構成されている。ステータ10は、基体11上に枠体1側に弾発付勢するコイルバネなどの弾性体12を介して取り付けられるヨーク13に貼着されている。
【0021】
移動ユニット5は、記録・再生ヘッド4が取り付けられるスイングアーム14と、枠体1に固定されるヘッドキャリッジ軸15と、ヘッドキャリッジ軸15にスイングアーム14を揺動自在に支持する一対の転がり軸受16,16と、スイングアーム14を揺動駆動するモータ17とを備えている。
【0022】
モータ17は、スイングアーム14の下端に固定されるロータ(永久磁石)18と、ロータ18の下方に非接触で対向配置されるステータ(コイル)19とで構成されている。ステータ19は、基体11上に枠体1側に弾発付勢するコイルバネなどの弾性体20を介して取り付けられるヨーク21に貼着されている。
【0023】
上述した移動ユニット5に備える一対の転がり軸受16は、図2に示すように、内輪22と、外輪23と、球状の転動体24と、冠形の保持器25と、シール26とを備える深溝型玉軸受とされている。
【0024】
ここでは、内輪22の外周面、外輪23の内周面、転動体24の表面および保持器25の表面(以下、これらを総称して母材という)に固体状の下地層30が形成されており、さらには、この下地層30の上に、官能基を有する含フッ素重合体からなる被膜31が流動性を有する状態で形成されている。下地層30は、被膜31に対して親和性に富む固体材料から構成されており、下地層30上に被膜31を膜状に付着させやすくなっている。
【0025】
なお、被膜31(下地層30を含む)は、少なくとも内・外輪22,23の軌道面のみに形成すればよい。
【0026】
ここで、内・外輪22,23および転動体24は、金属材料により形成されている。金属材料としては、例えばJIS規格SUJ2などの高炭素クロム軸受鋼などが挙げられる。耐食性が要求される場合には、JIS規格SUS440Cなどのマルテンサイト系ステンレス鋼、例えばJIS規格SUS630などの析出硬化型ステンレス鋼に適当な硬化熱処理を施した金属材などが好ましい。また、軽荷重用途では、例えばJIS規格SUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼とすることができる。なお、転動体24は、セラミックス材により形成することもできる。このセラミックス材としては、焼結助剤として、イットリア(Y23)およびアルミナ(Al23)、その他、適宜、窒化アルミ(AlN)、酸化チタン(TiO2)、スピネル(MgAl24)を用いた窒化けい素(Si34)を主体とするものの他、アルミナ(Al23)や炭化けい素(SiC)、ジルコニア(ZrO2)、窒化アルミ(AlN)などを用いることができる。
【0027】
保持器25は、SPCC材などの軟鋼の他、合成樹脂材料により形成される。この合成樹脂材料としては、一般的なポリアミド樹脂(ナイロン66)の他、耐熱性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称する)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などのふっ素系樹脂やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ナイロン46などのエンジニアリングプラスチックスなども使用できる。保持器の形式としては、図示する冠型の他、波型やもみ抜き型などが任意に使用される。
【0028】
官能基を有する含フッ素重合体からなる被膜31は、前述した情報記録ディスク2の保護膜と同種の成分になっている。この含フッ素重合体としては、フルオロポリエーテル重合体またはポリフルオロアルキル重合体が好ましい。
【0029】
フルオロポリエーテル重合体は、−CX2X−O−という一般式(Xは1〜4の整数)で示される単位を主要構造単位とし、いずれも数平均分子量が1000〜50000の重合体とするものが挙げられる。
【0030】
ポリフルオロアルキル重合体は、下記化学式1に示すものが挙げられる。
【0031】
また、前述の官能基は、金属に対して比較的親和性の高いもの(例えばエポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、スルフォン基またはエステル基など)が好ましく、例えば下記化学式2,3に示すものが挙げられる。このような含フッ素重合体は、単独で用いるか、または2種以上を併用して用いてもよい。その場合は、より耐摩耗性の優れた薄膜が得られるように、組み合わされた基が互いに反応して重合体をより高分子量化させるように配慮するのが望ましい。
【0032】
【化1】
Figure 0003761718
【0033】
【化2】
Figure 0003761718
【0034】
【化3】
Figure 0003761718
【0035】
被膜31として、より詳しくは、パーフルオロポリエーテル(PFPE)あるいはその誘導体との混合物、具体的に例えばアウジモンド社製の商品名 FOMBLIN-Z-DOL2000,FOMBLIN-Z-DOL4000,FOMBLIN-Z-DEAL4000,FOMBLIN-Z-DIAC,等が好適に用いられる。これら例示したものは、いずれも濃度が濃く、金属に対する親和性がきわめて悪いので、そのままでは膜状に付着させることが困難である。そこで、被膜31を母材(内輪22の外周面、外輪23の内周面、転動体24の表面および保持器25の表面)に確実に付着するために、上記母材の表面に予め下地層30が形成されている。
【0036】
下地層30は前述したように、被膜31と上記母材との間の親和性を向上させるものであって、被膜31に対して親和性に富む固体材料から構成されている。このような性質を備えた下地層30としては、炭素を主成分とする膜があり、本実施の形態では、カーボン膜から下地層30を構成している。なお、下地層30としては、カーボン膜のほか、ダイヤモンドライクカーボン膜でもよい。
【0037】
次に、上述した下地層30および被膜31の形成方法の一例を説明する。
【0038】
まず、被膜31および母材(内輪22の外周面、外輪23の内周面、転動体24の表面および保持器25の表面)に対してカーボン膜からなる下地層30を形成する。形成する下地層30の膜厚は1μm以下が適当である。このような下地層30は、例えばスパッタリングにより形成する。
【0039】
次に、官能基を有する含フッ素重合体からなる被膜31を得るための溶液を用意し、この溶液中に下地層30形成済の内・外輪22,23、転動体24および保持器25をそれぞれ個別に浸漬するか、あるいはそれらを組み立てた状態での転がり軸受16を浸漬して数回回転させることにより、内輪22、外輪23、転動体24および保持器25に被膜31を付着させる(被膜付着処理)。このとき、被膜31の下層に位置する下地層30は、被膜31に対して親和性を有しているため、被膜31は下地層30に対してなじみよく成膜される。
【0040】
ここで被膜用として用意した溶液は、例えばFOMBLIN Z DOLのうちFOMBLIN Z DOL2000(分子量が2000のもの)を適当な希釈溶媒(ふっ素系溶剤SV90D)でフォムブリン濃度を0.25〜1.0 mass%にまで希釈したものである。
【0041】
前記液状膜を付着した転がり軸受16の全体を摂氏40〜50度で約3分間加熱し、液状膜に含む溶媒を除去する(乾燥処理)。
【0042】
この後、軸受使用環境での雰囲気温度を考慮して、例えば摂氏120〜180度で15〜60分間、加熱する(仕上げ乾燥処理)。
【0043】
この転がり軸受16の構造および製造方法では、被膜31の下側に、この被膜31との親和性に富む下地層30を形成するという、比較的簡単でかつ高価な装置を必要としない工程を付け加えるだけで、被膜31を母材に十分になじませることができる。そのため、被膜31をなじませるために新たに付加する工程(下地層30形成工程)による製造コストの上昇は必要最低限となる。
【0044】
また、被膜31をその下層に対して十分になじませた状態で成膜しているので、母材の摩耗を促進する転動体24の回転による部分的に被膜切れが生じにくくなっている。また、かりに部分的な被膜切れが生じたとしても、転動体24と軌道面との間には、下地層30が介装されているので、転動体24が軌道面に直接接することがなくなり、転動体24および軌道面は摩耗しにくくなっている。
【0045】
さらには、母材の最外層に位置する被膜31は転動体24の転動動作により母材から遊離すると塵となり、清浄環境下での軸受使用においては都合が悪い。しかしながら、この転がり軸受16では、下地層30を設けることで被膜31を母材になじみやすくした結果、十分なる潤滑を得ることができる被膜31の膜厚を薄くすることができた。そのため、被膜31の膜厚が薄くなる分、発塵要因が減少して環境汚染を起こしにくくなっている。
【0046】
なお、下地層30や被膜31を局部的に形成する場合には、不要箇所をマスキングしたうえで下地層30や被膜31を形成すれば、下地層30や被膜31を不要箇所に形成することなく局部的に形成することができる。
【0047】
また、前記被膜付着処理や被膜乾燥処理は必要に応じて数回繰り返すようにしてもよく、最終的には、被膜31の膜厚を例えば0.2μm以下に設定する。但し、使用溶液の性状、薄膜形成方法や生成後の膜厚などは、適宜に設定すればよい。
【0048】
以上のようにすれば、転がり軸受16の構成要素において互いに接触する部位に被膜31を好適な膜厚で形成することができて、しかも、前述したように溶媒を除去しておけば、転がり軸受16の動作時の不要な発塵がなくなる。また、被膜31の膜厚をきわめて薄く設定することができるから、油成分による発塵もほとんどなくなる。
【0049】
上記被膜31は、含ふっ素重合体の官能基が被付着面(転がり軸受の表面)に強固に付着するため、流動性を有しているものの、膜切れや発塵がしにくいものであるとともに、摩擦抵抗がきわめて小さいものである。しかも、被膜31は、情報記録ディスク2に付着している保護膜(図示省略)と同種の成分であり、これら被膜31や保護膜は、従来のふっ素系グリースのように不均一な粒子径の増稠剤や、増稠剤の均一分散用のイオンが含まれていない。
【0050】
そのため、記録・再生ヘッド4支持用の転がり軸受16の動作がきわめて円滑になって従来のような微小なスパイクノイズが発生することがなくなるなど、トルク特性が安定することになり、結果的に記録・再生ヘッド4の位置決め精度が向上することになる。また、仮に、被膜31からの発塵成分が情報記録ディスク2の保護膜にとりこまれたとしても、情報記憶ディスク2の保護膜と被膜31の発塵成分とが同種の成分であるから、情報記録ディスク2の情報記録・再生の妨げにならない。
【0051】
なお、上述した実施の形態では、下地層30を単層構造としていたが、図3に示すように、下側層30aと上側層30bとを積層した多層構造の下地層30’としても良い。この場合には、付着力の向上および耐摩耗性の向上という新たな効果が得られる。さらには、下地層30は3層以上の複層構造としてもよい。
【0052】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0053】
(1) 本発明の転がり軸受は、上述した実施の形態で説明したハードディスクドライブ装置に組み込まれるものの他にも、精密回転機構を有する装置に組み込まれる転がり軸受にも実施することができる。
【0054】
(2) 上記実施の形態では、移動ユニット5のスイングアーム支持用の転がり軸受16として深溝型玉軸受を引用しているが、その他、種々な形式の転がり軸受にも実施することができる。
【0055】
(3) 上記実施の形態では、移動ユニット5のスイングアーム支持用の転がり軸受16に下地層30と被膜31とを形成しているが、スピンドルユニット3の転がり軸受7にも同様に下地層30と被膜31とを形成してもよい。この場合、情報記録ディスク2の回転精度の向上に貢献できる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、面倒で高価な装置を用いることなく、被膜を軌道面に十分になじませた状態で成膜することができるので、転がり軸受の長寿命化を、製造コストの上昇を極力抑えたうえで実現することができた。
【0057】
また、被膜をなじみやすくした状態で成膜できるので、十分なる潤滑を得ることができる被膜の膜厚を薄くすることができた。そのため、被膜の膜厚を薄くできる分、発塵要因が減少して環境汚染が起こりにくくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る転がり軸受を組み込んだハードディスクドライブ装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態の転がり軸受の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の変形例の転がり軸受の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
A ハードディスクドライブ装置 1 枠体
2 情報記憶ディスク 3 スピンドルユニット
4 記録・再生ヘッド 5 移動ユニット
6 スピンドル軸 7 転がり軸受
8 モータ 9 ロータ
10 ステータ(モータ8) 11 基体
12 弾性体(ヨーク13) 13 ヨーク
14 スイングアーム 15 ヘッドキャリッジ軸
16 転がり軸受 17 モータ
18 ロータ 19 ステータ
20 弾性体 21 ヨーク
22 内輪 23 外輪
24 転動体 25 保持器
26 シール 30 下地層
30’ 下地層 30a 下側層
30b 上側層 31 被膜

Claims (4)

  1. 官能基を有する含ふっ素重合体からなる被膜が、軸受表面のうちの少なくとも軌道面に形成された転がり軸受であって、
    軸受の被膜形成面には、被膜より下層側であって被膜に接する部位に、被膜と被膜形成面との間の親和性を向上させる固体状の下地層が設けられ、前記官能基を有する含ふっ素重合体からなる被膜が前記下地層の上に流動性を有する状態で形成されていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1記載の転がり軸受であって、
    前記下地層は炭素を主成分とする膜であることを特徴とする転がり軸受。
  3. 請求項2に記載の転がり軸受であって、
    前記炭素を主成分とする膜がカーボン膜またはダイヤモンドライクカーボン膜であることを特徴とする転がり軸受。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の転がり軸受であって、
    前記下地層は多層構造であることを特徴とする転がり軸受。
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