JP2014095437A - スラスト玉軸受及びその製造方法 - Google Patents

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洋 坂本
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Abstract

【課題】冷媒が混入して低粘度潤滑になり、十分な油膜が形成されないような環境下でも摩耗が少なく、長寿命のスラスト玉軸受を安価に提供することにある。
【解決手段】スラスト玉軸受は、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、一対のレース間に配置され、複数の玉を略等間隔に保持する保持器とを備えており、一対のレースの転送面が親油処理されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スラスト玉軸受及びその製造方法に関する。
冷凍冷蔵庫やエアコン等の密封型のコンプレッサは、近年の環境対応にも応えるべく、消費電力の低減化、騒音の防止等高い効率化が求められている。その対策の一環として、コンプレッサのシャフトを回転自在に支承する部分に、スラスト玉軸受が使用される。この部分にスラスト玉軸受が使用されることにより、回転特性が向上してコンプレッサの効率が向上する。
しかしながら、スラスト玉軸受に係る荷重は、シャフト自重及びロータ自重のみで、合わせて2kg程度であるが、接触面積が小さいため高面圧環境となることが多い。また、コンプレッサでは冷媒が循環しており、この冷媒がスラスト玉軸受の潤滑油に混入して潤滑油が低粘度となる。そのため、油膜の形成が不十分で金属接触が起こり易くなり、摩耗が発生しやすい。
摩耗防止のために、スラスト玉軸受のレースの転送面に有機金属化合物反応膜(特許文献1参照)や、ダイヤモンドライクカーボン膜(特許文献2参照)を形成することも考えられているが、膜形成に複雑な工程や成膜装置が必要となり、コスト上の問題がある。
特開2005−344935号公報 特開2003−21444号公報
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒が混入して低粘度潤滑になり、十分な油膜が形成されないような環境下でも摩耗が少なく、長寿命のスラスト玉軸受を安価に提供することにある。
本発明の上記目的は、下記のスラスト玉軸受及びその製造方法により達成される。
(1)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
前記レースの転送面が親油処理されていることを特徴とするスラスト玉軸受。
(2)冷媒を圧縮・膨張させる方式のコンプレッサに使用されることを特徴とする上記(1)記載のスラスト玉軸受。
(3)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受の製造方法であって、
親油性処理剤を含有する溶液に前記レースを浸漬、もしくは前記レースの転送面に親油性処理剤を含有する溶液を塗布し、乾燥する工程を備えることを特徴とするスラスト玉軸受の製造方法。
本発明のスラスト軸受では、レースの転送面に親油性の被膜を形成したため、潤滑油に冷媒が混入して十分な油膜が形成されないような潤滑下でも潤滑油の保持能力が高まり、摩耗発生を抑えて長寿命化を図ることができる。
また、親油性の被膜の形成も、親油性処理剤を含有する溶液にレースを浸漬したり、前記溶液をレースの転動面に塗布するだけでよいため、工程も簡易であり、特別な装置も不要であることから、安価に製造することができる。
スラスト玉軸受を備えるコンプレッサを示す断面図である。 図1に示すスラスト玉軸受を示す拡大断面図である。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1はスラスト玉軸受を備えるコンプレッサを示す断面図であるが、コンプレッサ10は、密閉容器11を有し、その内部に駆動系等が配置される構造である。密閉容器11の内部には、固定子12及び回転子13を有する回転駆動部14、回転駆動部14の動作により圧縮又は膨張する冷媒(例えば、冷媒ガス等)等が設けられている。なお、コンプレッサ10は、冷凍冷蔵庫やエアコン等に内蔵されている。
回転子13は、圧入により一体化された状態でシャフト15に連結される。シャフト15は、回転子13が固定される主軸部16と、主軸部16の上端部に形成される鍔部17と、鍔部17の上面に形成され、主軸部16に対し偏心して配置される偏心軸部18と、を有する。
シャフト15の上部片側位置には、シリンダブロック20が設けられる。シリンダブロック20は、略円筒形の圧縮室21を有する。この圧縮室21にピストン22が往復自在に嵌挿される。また、ピストン22は、偏心軸部18との間を連結部材23により連結されている。
そして、シャフト15の主軸部16は、主軸受19に対して上下方向に沿って挿通されている。また、シャフト15の鍔部17の下面と主軸受19の上面との間にはスラスト玉軸受30が配置されている。これらにより、シャフト15が回転自在に支承されると共に、シャフト15と回転子13の重力方向の荷重(自重)が支持される。
スラスト玉軸受30は、図2に示すように、円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される上下一対の上下レース31,32と、上下レース31,32間に転動自在に配置される複数の玉33と、上下レース31,32間に配置され、複数の玉33を略等間隔に保持する保持器34と、を備え、主軸部16に遊嵌されている。また、潤滑成分が混合された冷媒が、上下レース31,32間の軸受空間を循環する。尚、冷媒はオゾン破壊係数がゼロのR134a等の代替フロン系冷媒や、R600a等の炭化水素系冷媒が好ましく、潤滑成分にはこれらの冷媒と相溶性の高い潤滑油が用いられる。
上下レース31,32は、円環状の平板でそれぞれ形成されており、上下レース31,32の複数の玉33と接する転動面31a,32aは、フラット形状に形成されている。そして、本発明では、上下一対のレース31,32の転送面31a,32aが親油処理されている。
親油処理としては、親油性を有する被膜(以下「親油性被膜」)40を形成することが簡便で好ましい。具体的には、親油性処理剤を含有する溶液にレース31,32を浸漬して乾燥したり、親油性処理剤を含有する溶液をレース31,32の転送面31a,32aに塗布して乾燥する。親油性処理剤としては、片末端に、カルボキシル基のような金属に吸着する官能基を有する脂肪酸(イソステアリン酸)や、炭化水素基を有するシランカップリング剤(ステアリルトリメトキシシラン等)等が好適である。また、有機溶剤は親油性処理剤を溶解できるものであれば制限はなく、ヘキサン等の炭化水素系溶剤を好適に使用することができる。尚、親油性処理剤の濃度は、親油性や被膜強度を確保するために、2〜5質量%が好ましい。
片末端に存在する官能基やシラノール基(−Si−OH)を、レース31,32の転送面31a,32aの表面に存在している水酸基に化学吸着あるいはカップリング反応(脱水縮合)させることにより、親油性処理剤の残基である炭化水素基が配向し、炭化水素が主構造である潤滑油の濡れ性を向上させることができ、その結果として転送面31a,32aにおける潤滑油の保持能力が高まる。そのため、冷媒が混入して潤滑油が低粘度になっても十分な膜厚の油膜を確保することができるようになる。
レース31,32の材質としては、上記したような親油性処理剤との化学的な結合が可能なものであれば制限はなく、従来から使用されている炭素工具鋼や高炭素クロム鋼、酸化物系のセラミックス、表面を窒化処理した鋼等を用いることができる。具体的には、下記に示す鋼材が好ましい。
例えば、C:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理された鋼材製とすることができる。この鋼材は、例えば、C含有率が1.01質量%で、Si含有率が0.56質量%で、Mn含有率が1.10質量%で、Cr含有率が1.10質量%で、残部鉄及び不可避不純物の鋼を浸炭窒化処理して得られ、その表面に炭素量が1.0〜1.8重量%、窒素量が0.05〜0.6%で固溶している。尚、この鋼材の代表的なものにSUJ3等の高炭素クロム鋼等が挙げられる。
また、SUJ2に浸炭窒化処理を施して耐久性を高めた鋼材を用いることもできる。
また、C:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜1.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材とすることもできる。このような鋼材は、特に異物混入下における長寿命化を図ることができる。
また、C:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:0.1〜2.0質量%、Cr:0.1〜2.0質量%、Mo:0.1〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材も用いることができ、特に耐摩耗性が向上する。
玉33の材質には制限はなく、金属やセラミック材料を用いることができる。また、金属材料の場合、表面に窒化処理等の表面硬化層を形成してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1,2及び比較例1)
炭素工具鋼SK85製で、レースの内径が17mm、外径が29mm、幅が1mmであるスラスト軸受を用意し、実施例1ではイソステアリン酸4質量%含有ヘキサンをレース面に塗布して親油処理した。また、実施例2ではステアリルトリメトキシシラン3.5質量%含有ヘキサンをレース面に塗布して親油処理した。更に、比較例1では親油処理することなく、そのまま用いた。そして、SUJ2製で、直径3.175mmの玉(12個)及びポリアミド66製の保持器とともに試験軸受を組み立て、下記の耐久試験に供した。
(耐久試験)
試験軸受を下記条件にて回転させ、耐摩耗性能及び耐焼付性能を評価した。
・回転数:3500rpm
・温度:常温
・荷重:1.0kg(2箇所)、2.5kg(2箇所)
・潤滑油:タービン油(VG10DTE)を希釈液(白灯油(ケロシン))にて濃度50%に希釈;希釈することにより潤滑の厳しい条件を再現
・時間:168時間
結果を表1に示すが、168時間回転後も摩耗や焼付きが発生しない場合を「発生無し」、回転に不具合を生じるレベルの摩耗や焼付きが見られる場合を「発生有り」とした。表1から、親油処理することにより耐久性能が向上することがわかる。
Figure 2014095437
10 コンプレッサ
30 スラスト玉軸受
31 上レース
31a 転送面
32 下レース
32a 転送面
33 玉
34 保持器
40 親油性被膜

Claims (3)

  1. 円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
    前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
    前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
    前記レースの転送面が親油処理されていることを特徴とするスラスト玉軸受。
  2. 冷媒を圧縮・膨張させる方式のコンプレッサに使用されることを特徴とする請求項1記載のスラスト玉軸受。
  3. 円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
    前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
    前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受の製造方法であって、
    親油性処理剤を含有する溶液に前記レースを浸漬、もしくは前記レースの転送面に親油性処理剤を含有する溶液を塗布し、乾燥する工程を備えることを特徴とするスラスト玉軸受の製造方法。




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