JP5228812B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍冷蔵庫等の冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
近年、冷凍冷蔵庫等の冷凍装置に使用される密閉型圧縮機については、消費電力の低減のための高効率化や、低騒音化、並びに高信頼性化が望まれている。
従来、この種の密閉型圧縮機としては、スラストボールベアリングを採用して、効率を向上させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図9は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図10は、従来の密閉型圧縮機の分解斜視図である。
図9および図10に示すように、密閉容器1内には、固定子2と回転子3からなる電動要素4と、電動要素4によって駆動される圧縮要素5を収容し、密閉容器1内に潤滑油6を貯溜する。シャフト10は、回転子3を固定した主軸部11および主軸部11に対し偏心して形成された偏心軸部12を有する。シリンダブロック14は、略円筒形の圧縮室15と主軸受20を有する。
ピストン23は、シリンダブロック14の圧縮室15に往復摺動自在に挿入され、偏心軸部12との間を連結手段24とピストンピン25によって連結されている。
シャフト10の主軸部11と偏心軸部12の間の主軸部11側には主軸部11の軸心と略直角に環状の上レース着座面27が形成され、主軸受20の上端には主軸受20の軸心と略直角に環状の下レース着座面28が形成されている。これらの上レース着座面27と下レース着座面28の間には、シャフト10を支持するため、ボール30と上レース31及び下レース32とからなるスラストボールベアリング35が装着される。上レース31及び下レース32は平板で形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素4の回転子3はシャフト10を回転させ、偏心軸部12の回転運動が連結手段24を介してピストン23に伝えられることでピストン23は圧縮室15内を往復運動する。それにより、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室15内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
シャフト10と回転子3の重量はスラストボールベアリング35で支えられるとともに、シャフト10の回転時はボール30が上レース31と下レース32の間で転がるために回転が滑らかになる。
回転時において、上レース31は上レース着座面27に密着して上レース着座面27と同時に回転し、下レース32は下レース着座面28に密着して静止している。このスラストボールベアリング35を用いることによって、シャフト10を回転させるトルクはスラストすべり軸受に比べて小さくなるため、スラスト軸受での損失を小さくすることができる。従って、入力が低減して、高効率とすることができる。
特開2005−127305号公報
しかしながら、上記従来の構成では、同じ設計仕様のものにおいて騒音や効率がばらつくことが有った。そこで、特に騒音の大きい密閉型圧縮機を解体して調査したところ、上レース31や下レース32の一部に剥離現象が発生する兆候が見られた。
これは、圧縮工程において圧縮荷重をピストン23が受けると、連結手段24とピストンピン25によって連結されたシャフト10の偏心軸部12にも圧縮荷重がかかるため、シャフト10は主軸部11とシリンダブロック14の主軸受20とのクリアランス内で傾く。
そのため、上レース31と下レース32とが平行にならず、ボール30が入る隙間に不均一が生じるために各ボール30に均等に荷重がかからず隙間の狭い部分を通過するボール30に荷重が集中し、ボール30、上レース31及び下レース32に過度な繰り返し応力がかかって疲労による剥離などの損傷が生じ、騒音や効率、さらには信頼性が低下する可能性があるということが判明したのである。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ボールの片当たりを緩和して、低騒音、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、下レースが着座するスラスト面は、転走するボールの軌道よりも主軸受の軸心側にのみ配設されたことを特徴とするものであり、圧縮工程において圧縮荷重がピストンにかかり、シャフトが傾いた際、シャフトの傾きにならって下レースも傾くことで、ボールの軌道における上レースと下レースの隙間がほぼ均一に保たれるために特定のボールに荷重が集中することなく、各ボールに荷重が分散されてボールの片当たりを緩和する作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、下レースが着座するスラスト面は、転走するボールの軌道よりも主軸受の軸心側にのみ配設させたことにより、各ボールに荷重が分散されてボールの片当たりが緩和されるので、低騒音、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結する連結手段と、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を軸支する主軸受と、前記主軸受に設けられ前記主軸受の軸心と略直角に設けられたスラスト面に配設されたスラストボールベアリングを備え、前記スラストボールベアリングは、ホルダー部に保持された複数のボールと、前記ボールの上下にそれぞれ配設された上レースと下レースとを備え、前記下レースが着座する前記スラスト面は、転走する前記ボールの軌道よりも前記主軸受の軸心側にのみ配設されたことを特徴とするもので、圧縮工程において圧縮荷重をピストンが受け、連結手段によって連結されたシャフトの偏心軸部にも圧縮荷重がかかり、シャフトが主軸部とシリンダブロックの主軸受とのクリアランス内で傾いた際、シャフトの傾きにならって下レースも傾くことで、ボールの軌道における上レースと下レースの隙間がほぼ均一に保たれるために特定のボールに荷重が集中することなく、各ボールに荷重が分散されてボールの片当たりを緩和するため、低騒音、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、スラスト面は、転走するボールのピッチ円の直径よりも外径が小さいスラストレースで形成されたものであり、スラスト面の高い面粗度が容易に得られるので、シリンダブロックの加工時間が短縮できるなど、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに生産性が高い。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、スラスト面に下レースの回転を規制する回転規制手段を設けたもので、下レースがボールの転走に伴って回転するのを防ぐことで、ボールが回転せずにすべることを抑止するので、ボールや上レースや下レースが損傷することを防止できるため、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、さらに信頼性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、回転規制手段は、下レースの外周部に設けられた半径方向に突出した下レース突起部と、スラスト面に設けられ前記下レース突起部を係止する軸受切り欠き部を備えたもので、ボールが回転せずにすべることを抑止するので、請求項3に記載の発明の効果を、さらに安定して得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、回転規制手段は、スラスト面の外周部に設けられた軸受突起部と、下レースの外周部に設けられ前記軸受突起部に係止される下レース切り欠き部を備えたもので、ボールが回転せずにすべることを抑止するので、請求項3に記載の発明の効果を、さらに安定して得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、スラストボールベアリングのボールの表面硬度は、上レースおよび下レースの表面硬度よりも高くしたもので、ボールが上レースおよび下レースの軌道面より先に摩耗することを防止することができるので、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに信頼性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、潤滑油の粘度がVG3〜VG8であるもので、摺動部での損失を低減できるため、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに高効率にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図、図3は同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図、図4は同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図である。
図1から図4において、密閉容器101内には潤滑油102が貯溜され、固定子103と回転子104からなる電動要素105と、電動要素105によって駆動される圧縮要素106が収容される。シャフト110は、回転子104を固定した主軸部111と、主軸部111の上部に配設され主軸部111に対し偏心して形成された偏心軸部112とを有する。
シリンダブロック114は、略円筒形の圧縮室116を有し、主軸部111を軸支する主軸受120が固定されている。ピストン126は、シリンダブロック114の圧縮室116に往復摺動自在に挿入され、偏心軸部112との間を連結手段128によって連結されている。
シリンダブロック114の主軸受120の上端には主軸受120の軸心と略直角にスラスト面130が環状に形成されている。このスラスト面130に、シャフト110を支持するため、複数のボール134と、ボール134を保持するホルダー部133と、ボール134の上下に各々配設される上レース135及び下レース136とからなるスラストボールベアリング132が装着されている。
下レース136が着座するスラスト面130は、転走するボール134のピッチ円146よりもシリンダブロック114の主軸受120の軸心側にのみ配置されている。ピッチ円146とは、ボール134の重心の転送する軌跡であり、その直径は図2においてφD1である。
すなわち、転走するボール134の重心位置の垂直方向下方には、スラスト面130が存在していない構成である。
下レース136は外周部に半径方向に突出した下レース突起部150を備え、シリンダブロック114のスラスト面130は、下レース136の下レース突起部150が嵌合する軸受切り欠き部151を備えている。
下レース136の下レース突起部150とシリンダブロック114のスラスト面130の軸受切り欠き部151は嵌合して組み立てられ、回転規制手段145を構成している。
ボール134は、耐摩耗性の高い浸炭焼き入れされた軸受鋼で形成され、表面硬度はHRC60〜70の範囲内である。
また、上レース135および下レース136は耐摩耗性の高い熱処理された炭素鋼で形成され、表面硬度はHRC58〜68の範囲内である。ボール134の表面硬度は上レース135および下レース136の表面硬度よりもわずかに高く設定されている。
また、本密閉型圧縮機に使用される冷媒は、オゾン破壊係数がゼロのR134aやR600aに代表される温暖化係数の低い自然冷媒である炭化水素系冷媒等であり、それぞれ相溶性の高い潤滑油102と組み合わせてある。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素105の回転子104はシャフト110を回転させ、偏心軸部112の回転運動が連結手段128を介してピストン126に伝えられることでピストン126は圧縮室116内を往復運動する。それにより、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室116内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
シャフト110と回転子104の重量はスラストボールベアリング132で支えられるとともに、シャフト110の回転時はボール134が上レース135と下レース136の間で転がるために回転が滑らかになる。
このスラストボールベアリング132を用いることによって、シャフト110を回転させるトルクはスラストすべり軸受に比べて小さくなるため、スラスト軸受での損失を小さくすることができる。従って、入力が低減し高効率化を実現することができる。
次に、圧縮工程において圧縮荷重をピストン126が受けると、連結手段128によって連結されたシャフト110の偏心軸部112にも圧縮荷重がかかる。その際、シャフト110の主軸部111とシリンダブロック114の主軸受120とのクリアランスの寸法でシャフト110は自由度があるので、偏心軸部112が反圧縮方向に傾き得る。
偏心軸部112が反圧縮方向に傾いた際、上レース135、ボール134、下レース136と荷重が作用するが、下レース136が着座するスラスト面130は、転走するボール134のピッチ円146よりもシリンダブロック114の主軸受120の軸心側にのみ配置されているので、シャフト110の傾きにならって、下レース136も傾くことで、スラストボールベアリング132全体が比較的容易に傾くことができる。
それにより、ボール134の軌道において上レース135と下レース136の隙間はほぼ一定となるため、シャフト110と回転子104の重量はボール134にほぼ均等にかかり、ボール134の片当たりが無く、滑らかに回転するので、ボール134、上レース135及び下レース136に過度な繰り返し応力がかかって疲労による剥離などの損傷が生じるのを防止するので、高い信頼性を得ることができる。
次に、図3に示すように、下レース136の下レース突起部150とシリンダブロック114のスラスト面130の軸受切り欠き部151は嵌合して組み立てられ、回転規制手段145を構成することにより、下レース136の回転を防ぐことで、下レース136とシリンダブロック114のスラスト面130とが摺動し擦れることが無くなり、接触部に摩耗が発生することがない。
特に、比較的硬度が低く摩耗が発生しやすいスラスト面130において、摩耗を防止することができる。
また、潤滑油の粘度はVG3〜VG8と低粘度であるため、摺動部での損失を低減でき、さらに高効率にすることができる。
なお、本実施の形態において、図3に示すように、下レース136の下レース突起部150とシリンダブロック114のスラスト面130の軸受切り欠き部151は嵌合して組み立てられ、回転規制手段145を設けている。
しかし、他の回転規制手段として、図4に示すように、下レース136の下レース切り欠き部156と、シリンダブロック114のスラスト面130の軸受突起部155とを嵌合して組み立て、回転規制手段170を構成しても同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図、図6は、同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図、図7は同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図、図8は同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図である。
図5から図8において、密閉容器201内には潤滑油202が貯溜され、固定子203と回転子204からなる電動要素205と、電動要素205によって駆動される圧縮要素206が収容される。シャフト210は、回転子204を固定した主軸部211と、主軸部211の上部に配設され主軸部211に対し偏心して形成された偏心軸部212とを有する。
シリンダブロック214は、略円筒形の圧縮室216を有し、主軸部211を軸支する主軸受220が固定されている。ピストン226は、シリンダブロック214の圧縮室216に往復摺動自在に挿入され、偏心軸部212との間を連結手段228によって連結されている。
シリンダブロック214の主軸受220の上端には主軸受220の軸心と略直角にスラストレース240からなるスラスト面230が環状に形成されている。このスラスト面230に、シャフト210を支持するため、複数のボール234と、ボール234を保持するホルダー部233と、ボール234の上下に各々配設される上レース235及び下レース236とからなるスラストボールベアリング232が装着されている。
下レース236が着座するスラストレース240の外径(φD)は、転走するボール234のピッチ円246の直径よりも小さく構成されている。ピッチ円246とは、ボール234の重心の転送する軌跡であり、その直径は図6においてφD2である。
下レース236は外周部に半径方向に突出した下レース突起部250を備え、シリンダブロック214のスラスト面230は、下レース236の下レース突起部250が嵌合する軸受切り欠き部251を備えている。
下レース236の下レース突起部250とシリンダブロック214のスラスト面230の軸受切り欠き部251は嵌合して組み立てられ、回転規制手段245を構成している。
ボール234は、耐摩耗性の高い浸炭焼き入れされた軸受鋼で形成され、表面硬度はHRC60〜70の範囲内である。また、上レース235および下レース236は耐摩耗性の高い熱処理された炭素鋼で形成され、表面硬度はHRC58〜68の範囲内である。ボール234の表面硬度は上レース235および下レース236の表面硬度よりもわずかに高く設定されている。
また、本密閉型圧縮機に使用される冷媒は、オゾン破壊係数がゼロのR134aやR600aに代表される温暖化係数の低い自然冷媒である炭化水素系冷媒等であり、それぞれ相溶性の高い潤滑油202と組み合わせてある。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素205の回転子204はシャフト210を回転させ、偏心軸部212の回転運動が連結手段228を介してピストン226に伝えられることでピストン226は圧縮室216内を往復運動する。それにより、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室216内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
シャフト210と回転子204の重量はスラストボールベアリング232で支えられるとともに、シャフト210の回転時はボール234が上レース235と下レース236の間で転がるために回転が滑らかになる。このスラストボールベアリング232を用いることによって、シャフト210を回転させるトルクはスラストすべり軸受に比べて小さくなるため、スラスト軸受での損失を小さくすることができる。従って、入力が低減して、高効率を実現することができる。
次に、圧縮工程において圧縮荷重をピストン226が受けると、連結手段228によって連結されたシャフト210の偏心軸部212にも圧縮荷重がかかる。その際、シャフト210の主軸部211とシリンダブロック214の主軸受220とのクリアランスの寸法でシャフト210は自由度があるので、偏心軸部212が反圧縮方向に傾き得る。
偏心軸部212が反圧縮方向に傾いた際、上レース235、ボール234、下レース236と荷重が作用するが、下レース236が着座するスラストレース240からなるスラスト面230は、転走するボール234のピッチ円246よりもシリンダブロック214の主軸受220の軸心側にのみ配置されているので、シャフト210の傾きにならって、下レース236も傾くことで、スラストボールベアリング232全体が比較的容易に傾くことができる。
それにより、ボール234の軌道において上レース235と下レース236の隙間はほぼ一定となるため、シャフト210と回転子204の重量はボール234にほぼ均等にかかり、ボール234の片当たりが無く、滑らかに回転するので、ボール234、上レース235及び下レース236に過度な繰り返し応力がかかって疲労による剥離などの損傷が生じるのを防止するので、高い信頼性を得ることができる。
さらに、スラストレース240を用いることで、シリンダブロック214の加工精度を高める必要がないので、加工効率が上昇し高い生産性が得られる。
次に、図7に示すように、下レース236の下レース突起部250とシリンダブロック214のスラスト面230の軸受切り欠き部251は嵌合して組み立てられ、回転規制手段245を構成することにより、下レース236の回転を防ぐことで、下レース236とシリンダブロック214のスラスト面230とが摺動し擦れることが無くなり、接触部に摩耗が発生することがない。
また、潤滑油の粘度はVG3〜VG8と低粘度であるため、摺動部での損失を低減でき、さらに高効率にすることができる。
なお、本実施の形態において、図7に示すように、下レース236の下レース突起部250とシリンダブロック214のスラスト面230の軸受切り欠き部251は嵌合して組み立てられ、回転規制手段245を設けている。
しかし、他の回転規制手段として、図8に示すように、下レース236の下レース切り欠き部256と、シリンダブロック214のスラスト面230の軸受突起部255とを嵌合して組み立て、回転規制手段270を構成しても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、ボールの片当たりが緩和されて低騒音、高効率、高信頼性が可能となるので、エアーコンディショナーや冷凍冷蔵装置の密閉型圧縮機の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図 同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図 同実施の形態における密閉型圧縮機の分解斜視図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機の分解斜視図
符号の説明
101,201 密閉容器
102,202 潤滑油
103,203 固定子
104,204 回転子
105,205 電動要素
106,206 圧縮要素
110,210 シャフト
111,211 主軸部
112,212 偏心軸部
114,214 シリンダブロック
116,216 圧縮室
120,220 主軸受
126,226 ピストン
128,228 連結手段
130,230 スラスト面
132,232 スラストボールベアリング
133,233 ホルダー部
134,234 ボール
135,235 上レース
136,236 下レース
145,170,245,270 回転規制手段
146,246 ピッチ円
150,250 下レース突起部
151,251 軸受切り欠き部
155,255 軸受突起部
156、256 下レース切り欠き部
240 スラストレース

Claims (7)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結する連結手段と、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を軸支する主軸受と、前記主軸受に設けられ前記主軸受の軸心と略直角に設けられたスラスト面に配設されたスラストボールベアリングを備え、前記スラストボールベアリングは、ホルダー部に保持された複数のボールと、前記ボールの上下にそれぞれ配設された上レースと下レースとを備え、前記下レースが着座する前記スラスト面は、転走する前記ボールの軌道よりも前記主軸受の軸心側にのみ配設されたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. スラスト面は、転走するボールのピッチ円の直径よりも外径が小さいスラストレースで形成された請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. スラスト面に下レースの回転を規制する回転規制手段を設けた請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 回転規制手段は、下レースの外周部に設けられた半径方向に突出した下レース突起部と、スラスト面に設けられ前記下レース突起部を係止する軸受切り欠き部を備えた請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 回転規制手段は、スラスト面の外周部に設けられた軸受突起部と、下レースの外周部に設けられ前記軸受突起部に係止される下レース切り欠き部を備えた請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  6. スラストボールベアリングのボールの表面硬度は、上レースおよび下レースの表面硬度よりも高い請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 潤滑油の粘度がVG3〜VG8である請求項1から6のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
JP2008285139A 2008-10-27 2008-11-06 密閉型圧縮機 Expired - Fee Related JP5228812B2 (ja)

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