JP4687634B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍冷蔵庫等の冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
近年、冷凍冷蔵庫等の冷凍装置に使用される密閉型圧縮機については、消費電力の低減のための高効率化や、低騒音化、並びに高信頼性化が望まれている。
従来、この種の密閉型圧縮機としては、スラストボールベアリングを採用して、効率を向上させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図5は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図6は、分解斜視図である。図5、図6に示すように、密閉容器1内には、固定子2と回転子3からなる電動要素4と、電動要素4によって駆動される圧縮要素5を収容し、密閉容器1内に潤滑油6を貯溜する。シャフト10は、回転子3を固定した主軸部11および主軸部11に対し偏心して形成された偏心軸部12を有する。シリンダブロック14は、略円筒形の圧縮室15と主軸受20を有する。ピストン23は、シリンダブロック14の圧縮室15に往復摺動自在に挿入され、偏心軸部12との間を連結手段24とピストンピン25によって連結されている。
シャフト10の主軸部11と偏心軸部12の間の主軸部11側には主軸部11の軸心と略直角に環状の上ワッシャ着座面27が形成され、主軸受20の上端には主軸受20の軸心と略直角に環状の下ワッシャ着座面28が形成されている。これらの上ワッシャ着座面27と下ワッシャ着座面28の間には、シャフト10を支持するため、ボール30と上ワッシャ31及び下ワッシャ32とからなるスラストボールベアリング35が装着される。上ワッシャ31及び下ワッシャ32は平板で形成されている。スラストボールベアリング35は、シャフト10と回転子3の重力方向の荷重を支持している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素4の回転子3はシャフト10を回転させ、偏心軸部12の回転運動が連結手段24を介してピストン23に伝えられることでピストン23は圧縮室15内を往復運動する。それにより、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室15内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
シャフト10と回転子3の重量はスラストボールベアリング35で支えられると共に、シャフト10の回転時はボール30が上ワッシャ31と下ワッシャ32の間で転がるために回転が滑らかになる。回転時において、上ワッシャ31は上ワッシャ着座面27に密着して上ワッシャ着座面27と同時に回転し、下ワッシャ32は下ワッシャ着座面28に密着して静止している。このスラストボールベアリング35を用いることによって、シャフト10を回転させるトルクはスラストすべり軸受けに比べて小さくなるため、スラスト軸受けでの損失を小さくすることができる。従って、入力が低減して、高効率とすることができる。
特開2005−127305号公報
しかしながら、上記従来の構成では、電源周波数を超える周波数で回転するインバータ圧縮機に同様のスラストボールベアリング35を採用する際において、電源周波数を超える高速回転時に上ワッシャ31や下ワッシャ32に剥離や摩耗の兆候が見られた。
この兆候は回転数が高くなるほど顕著に現れ、また、近年インバータ圧縮機用の電動要素の主流となってきている、小型で回転子が非常に軽量な集中巻き型のものの方が分布巻き型より顕著であることが分かった。その結果、上記従来の構成では、集中巻き型の電動要素を用いて高速運転を行うことができなかった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ボールや上ワッシャ、下ワッシャの摩耗を低減して、低騒音、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、回転子は少なくとも電源周波数を超える運転周波数で回転し、かつ、ボール一個の重量をm[g]、前記ボールの数をZ[個]、前記ボールの軌道径をd[mm]、前記シャフトの回転数をn[r/s]、前記スラストボールベアリングに掛かる重力方向の荷重をFa[N]、係数を2.0×10−3[s・N/(g・mm)]としたとき、これらの値が関係式
Fa>2.0×10−3・m・Z・d・n
の関係を満たすことを特徴とするものであり、電源周波数を超える高速の周波数で運転される場合に、ボールに掛かる荷重が所定の値以上になることで、ボールがワッシャ上ですべりにくくなり、安定して転がるようになるため、ボールやワッシャの摩耗を低減する作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、ボールやワッシャの摩耗を低減するので、低騒音、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記回転子は少なくとも電源周波数を超える運転周波数で回転し、前記圧縮要素は、鉛直方向に延展した主軸部に前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受と、前記シャフトの回転に伴い容積を変化させる圧縮室を備え、前記シャフトおよび前記回転子の重力荷重を支持するスラスト摺動部に複数のボールと前記ボールを保持するホルダー部を備えたスラストボールベアリングを配設し、前記ボール一個の重量をm[g]、前記ボールの数をZ[個]、前記ボールの軌道径をd[mm]、前記シャフトの最高回転数をn[r/s]、前記スラストボールベアリングに掛かる重力方向の荷重をFa[N]、係数を2.0×10−3[s・N/(g・mm)]としたとき、これらの値が
Fa>2.0×10−3・m・Z・d・n
の関係式を満たすことを特徴とするもので、電源周波数を超える高速の周波数で運転される場合に、ボール
に掛かる荷重を一定の値以上になるようにして、ボールがワッシャ上ですべりにくく、安定して転がるようになるため、ボールやワッシャの摩耗が低減し、低騒音、高効率で高信頼性の密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、電動要素は固定子のコアに設けたティース部に巻き線を集中巻きした集中巻き型の電動要素であるものであり、固定子の巻き線が分布巻のものと比べて電動要素が小型、軽量であり、回転子も軽量であるため、一般にスラストボールベアリングに掛かる荷重は小さく、従来構成のままではボールが滑る条件になりやすいが、請求項1に記載の発明によりボールのすべりを防ぐ限界設計ができるので、請求項1に記載の発明の効果に加えて、小型、軽量化することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、ボールの数が6以上10以下であるものであり、ボールの数を比較的少なくしてボール1個に掛かる荷重を増やすことによってボールのすべりを容易に低減することができる。一方、ボールの数を少なくし過ぎると、圧縮荷重によりシャフトが傾きスラストボールベアリングの一部のボールのみで荷重を受ける場合に特定のボールのみに荷重が集中してしまうため、シャフト1回転360度のうち圧縮荷重が掛かる回転角度、すなわち300度から360度の約60度において圧縮荷重を受ける側に常に複数のボールがある必要があり、ボール6個はその最低数である。従って、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、容易にボールのすべりを低減でき、かつ複数のボールに圧縮による荷重が分散されてボールの片当たりを緩和することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、回転子に鉛直下向きの磁気吸引力を作用させたものであり、磁気吸引力による荷重がボールに掛かるため、回転子やシャフトの軽量化に伴いボールに掛かる重力荷重が小さい場合や、更に高周波数でシャフトが回転する場合でも、ボールが滑ることなく安定して転がる。従って、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、更に小型、軽量化や高速回転化が可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、潤滑油の粘度がVG3〜VG8であるもので、摺動部での損失を低減できるため、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに高効率にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、要部断面図である。図3は、同実施の形態における密閉型圧縮機のスラストボールベアリングの分解斜視図である。図4は、同実施の形態におけるスラストボールベアリングの必要最小荷重の特性図である。
図1から図3において、密閉容器101内には、固定子102と回転子103からなる電動要素104と、電動要素104によって駆動される圧縮要素105を収容し、密閉容器101内に潤滑油106を貯溜する。シャフト110は、回転子103を固定した主軸部111と、主軸部111の上部に配設され主軸部111に対し偏心して形成された偏心軸部112とを有する。偏心軸部112の先端には回転のアンバランスを打ち消し、振動を小さくするためのクランクウェイト113が固定されている。
シリンダブロック114は、略円筒形の圧縮室116を有し、主軸部111を軸支する主軸受120が固定されている。ピストン126は、シリンダブロック114の圧縮室116に往復摺動自在に挿入され、偏心軸部112との間を連結手段127とピストンピン128によって連結されている。
シャフト110の主軸部111と偏心軸部112の間の主軸部111側には主軸部111の軸心と略直角に上ワッシャ着座面131が環状に形成され、主軸受120の上端には主軸受120の軸心と略直角に下ワッシャ着座面132が環状に形成されている。これらの上ワッシャ着座面131と下ワッシャ着座面132の間には、シャフト110を支持するため、複数のボール135と、ボール135を保持するホルダー部136と、ボール135の上下に各々配設される上ワッシャ138及び下ワッシャ139とからなるスラストボールベアリング140が装着されている。スラストボールベアリング140は、シャフト110、回転子103及びクランクウェイト113の重力方向の荷重を支持している。ホルダー部136は樹脂で成型され、ボール135を保持する穴の内面はボール135に沿った球面状になっており、ボール135との間にわずかな隙間が形成されてボール135が回転しやすくなっている。
ボール135の一個の重量をm[g]、ボール135の数をZ[個]、ボール135の軌道径をd[mm]、シャフト110の最高回転数をn[r/s]、スラストボールベアリング140に掛かる重力方向の荷重をFa[N]としたとき、これらの値が関係式
Fa>2.0×10−3・m・Z・d・n
の関係を満たすように構成されている。ここで、「2.0×10 −3 」は、係数であり、その単位は、[s・N/(g・mm)]である。具体的にはmは0.13[g]、Zは6[個]、dは24[mm]、nは80[r/s]、Faは7.0[N]であり、2.0×10−3・m・Z・d・nの値を計算すると3.0[N]となり、Faよりも小さくなっている。
電動要素104は固定子102のコアに設けたティース部に巻き線を集中巻きした集中巻き型の電動要素である。また、電動要素104はインバータ制御により複数の回転数で運転することができ、最高回転数は前述したように80[r/s]となっている。
回転子103のコアは固定子102のコアに対して鉛直上向きにずらして設置しており、このずれにより、運転時において回転子103に鉛直下向きの磁気吸引力が作用する。このため、スラストボールベアリング140にはシャフト110や回転子103等の重力による荷重に加えて、磁気吸引力による荷重もさらに作用する。
本密閉型圧縮機に使用される冷媒は、オゾン破壊係数がゼロのR134aやR600aに代表される温暖化係数の低い自然冷媒である炭化水素系冷媒等であり、それぞれ相溶性の高い潤滑油と組み合わせてあり、潤滑油106の粘度はVG5である。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素104の回転子103はシャフト110を回転させ、偏心軸部112の回転運動が連結手段127を介してピストン126に伝えられることでピストン126は圧縮室116内を往復運動する。それにより、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室116内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
シャフト110、クランクウェイト113並びに回転子103の重量はスラストボールベアリング140で支えられると共に、シャフト110の回転時はボール135が上ワッシャ138と下ワッシャ139の間で転がるために回転が滑らかになる。このスラストボールベアリング140を用いることによって、シャフト110を回転させるトルクはスラストすべり軸受けに比べて小さくなるため、スラスト軸受けでの損失を小さくすることができる。従って、入力が低減して、高効率とすることができる。
このとき、上ワッシャ138は上ワッシャ着座面131に密着して上ワッシャ着座面131と同時に回転し、下ワッシャ139は下ワッシャ着座面132に密着して静止している。
一般に、回転しているスラストボールベアリングのボールには、遠心力を初めとした力が働き、これらの影響は高速回転になるほど大きくなる。その結果、上述した力がボールのころがり抵抗の値を上回り、ワッシャ上で局部的に滑ると推定した。
従って所定の値以上の荷重を与えてやることによって上記すべりを抑えることが可能となると考えられたが、遠心力を初めとした力は回転数nの二乗に比例するため、必要最小荷重Fは例えば70[r/s]を越えてくるようなものにおいては10[N]に近い数値となり、この値はシャフトや回転子等の重量を大きく上回るため、別途ウエイトを付加するといった対応が必要であると思われた。
特にインバータ圧縮機に用いられる電動要素については、近年集中巻き型が主流であり、分布巻き型のものより小型で回転子が非常に軽量であるため、必要最小荷重を確保することは更に困難であり、高速運転を行うインバータ圧縮機にスラストボールベアリングを適用することは困難であると思われた。
しかしながら発明者らは多くの実験結果から、上記した理論的に必要となる与荷重より遥かに小さい所定の荷重を与えることで上ワッシャ138や下ワッシャ139に剥離や摩耗の兆候をほとんど起さないことを見出し、その限界を明確にすることができたものである。
図4にスラストボールベアリングの必要最小荷重の特性を示す。図4において横軸が回転周波数、縦軸が荷重で、理論的な計算による必要最小荷重と、本発明による試験結果から得られた必要最小荷重について、同一条件での結果を示している。
理論的な計算式での必要最小荷重は、回転数の二乗に比例するため、回転数の増加とともに必要最小荷重が顕著に大きくなっていき、60[r/s]を超える領域において7[N]を超える。すなわち、本実施例において、シャフト110や回転子103等の重量によりスラストボールベアリング140へ掛かる荷重(7[N])は、理論的な計算式ではボールに滑りが生じるNG領域に入る。
一方、スラストボールベアリングに掛かる荷重と回転数を変化させた実験の結果を図4にプロットしている。ここで、OKとは実験後のボールやワッシャに傷つきや剥離等の摩耗の兆候が無いものであり、NGとは実験後のボールやワッシャに傷つきや剥離等の摩耗の兆候があるものである。また、図4における実験において電動要素の磁気吸引力による荷重は与えておらず、よって図4の結果には重力によりスラストボールベアリングにかかる荷重のみが示されている。これらの実験結果によると、80[r/s]等の高速回転域においても必要最小荷重は理論的な計算式よりかなり小さく、さらに回転数とともに顕著に大きくなるような傾向は見られない。
この理由として、本実施の形態のようなホルダー部136のボール135を保持する穴が球形状の場合、回転数が大きくなりボール135の回転が速くなると、ホルダー部136とボール135との間にある潤滑油106のくさび効果により油膜が形成しやすくなり、ボール135とホルダー部136との摩擦係数が小さくなってボール135が転がりやすくなるためであると推測している。
これらの実験結果と理論的な考え方を統合させて、本発明の必要最小荷重の関係式
Fa>2.0×10−3・m・Z・d・n
を導き出したものである。
従って、本実施の形態の密閉型圧縮機は、電源周波数を超える高速の周波数で運転される場合に、ボール135に掛かる荷重を本発明の計算式で算出される値以上になるようにしており、ボール135が上ワッシャ138や下ワッシャ139上ですべりにくく、安定して転がるようになるため、ボール135、上ワッシャ138及び下ワッシャ139の摩耗を低減して、低騒音、高効率で高信頼性にすることができる。
また、電動要素104は固定子102のコアに設けたティース部に巻き線を集中巻きした集中巻き型の電動要素であり、固定子102の巻き線が分布巻のものと比べて電動要素104が小型、軽量であり、回転子103も軽量であるため、スラストボールベアリング140に掛かる荷重は小さく、従来構成のままではボール135が滑る条件になりやすいが、本発明の計算式によりボール135のすべりを防ぐ限界設計ができるので、更に、小型、軽量化することができる。
更に、ボール135の数が6であり、ボール135の数を比較的少なくしてボール1個に掛かる荷重を増やすことによってボール135のすべりを容易に低減することができる。また、ボール135は60度間隔で配置されているため、圧縮荷重によりシャフト110が傾いた場合でも常に複数のボール135で荷重を支えることができ、荷重が分散されてボール135の片当たりを緩和することができる。
また、回転子103のコアを固定子102のコアに対して鉛直上向きにずらして設置しているために回転子103に鉛直下向きの磁気吸引力が働き、磁気吸引力による荷重がボール135に掛かるため、更にボール135が滑ることを安定して防ぐことができる。また、回転子103の取り付け位置が多少ばらついても反重力方向の磁気吸引力が働きボール135に掛かる荷重が減少する、といったことを防ぐことができる。
また、潤滑油106の粘度はVG5と低粘度であるため、摺動部での粘性抵抗が小さく、損失を低減できるのでさらに高効率にすることができる。
なお、本実施の形態において、軸受構成はシャフト110を主軸受120のみで軸支する片持ち軸受構成としたが、主軸受と副軸受の2つの軸受で軸支する両持ち軸受構成で、スラストボールベアリングを副軸受の上部に設けた構成であっても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態において、圧縮方式は往復式を例示して説明したが、回転式やスクロール式の圧縮方式であっても、同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、ボールの滑りが低減されて摩耗を防ぎ、低騒音、高効率、高信頼性が可能となるので、エアーコンディショナーや冷凍冷蔵装置の密閉型圧縮機の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の要部断面図 同実施の形態におけるスラストボールベアリングの分解斜視図 同実施の形態におけるスラストボールベアリングの必要最小荷重の特性図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機の分解斜視図
符号の説明
101 密閉容器
102 固定子
103 回転子
104 電動要素
105 圧縮要素
106 潤滑油
110 シャフト
111 主軸部
116 圧縮室
120 主軸受
135 ボール
136 ホルダー部
140 スラストボールベアリング

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記回転子は少なくとも電源周波数を超える運転周波数で回転し、前記圧縮要素は、鉛直方向に延展した主軸部に前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受と、前記シャフトの回転に伴い容積を変化させる圧縮室を備え、前記シャフトや前記回転子の重力方向の荷重を支持するスラスト摺動部に複数のボールと前記ボールを保持するホルダー部を備えたスラストボールベアリングを配設し、前記ボール一個の重量をm[g]、前記ボールの数をZ[個]、前記ボールの軌道径をd[mm]、前記シャフトの最高回転数をn[r/s]、前記スラストボールベアリングに掛かる重力方向の荷重をFa[N]、係数を2.0×10 −3 [s・N/(g・mm)]としたとき、これらの値が
    Fa>2.0×10−3・m・Z・d・n
    の関係式を満たした密閉型圧縮機。
  2. 電動要素は固定子のコアに設けたティース部に巻き線を集中巻きした集中巻き型の電動要素である請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. ボールの数が6以上10以下である請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 回転子に鉛直下向きの磁気吸引力を作用させた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 潤滑油の粘度がVG3〜VG8である請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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