JP2014185769A - スラスト玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】レースの耐摩耗性を向上することができるスラスト玉軸受を提供する。
【解決手段】一対のレースと、複数の玉と、保持器とを備え、一対のレースの少なくとも一方に、玉と接する転動溝が少なくとも1つ設けられ、転動溝の半径は、玉の直径の60%以上に設定され、転動溝の深さは、60μm以下に設定され、一対のレース及び複数の玉の少なくとも一方が、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.35質量%以上2.0質量%以下であるとともに、SiとMnとの含有率の質量比(Si/Mn)が5以下で、C含有率が0.3質量%以上1.2質量%以下で、Cr含有率が0.5質量%以上2.0質量%以下で、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を採用することを特徴とするスラスト玉軸受。
【選択図】図2
【解決手段】一対のレースと、複数の玉と、保持器とを備え、一対のレースの少なくとも一方に、玉と接する転動溝が少なくとも1つ設けられ、転動溝の半径は、玉の直径の60%以上に設定され、転動溝の深さは、60μm以下に設定され、一対のレース及び複数の玉の少なくとも一方が、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.35質量%以上2.0質量%以下であるとともに、SiとMnとの含有率の質量比(Si/Mn)が5以下で、C含有率が0.3質量%以上1.2質量%以下で、Cr含有率が0.5質量%以上2.0質量%以下で、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を採用することを特徴とするスラスト玉軸受。
【選択図】図2
Description
本発明は、スラスト玉軸受に関し、より詳細には、冷凍冷蔵庫やエアコンなどの密封型のコンプレッサに使用されるスラスト玉軸受に関する。
冷凍冷蔵庫やエアコンなどの密封型のコンプレッサは、近年の環境対応にも応えるべく騒音の防止や、消費電力の低減化など高い効率化が求められている。その対策の一環として、コンプレッサのシャフトを回転自在に支承する部分に、スラスト玉軸受が使用される。この部分にスラスト玉軸受が使用されることにより、回転特性が向上してコンプレッサの効率が向上する。
従来のスラスト玉軸受としては、複数の玉をレースの周方向に複列に千鳥配置して高剛性とし軸受の長寿命化を図るものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、スラスト玉軸受の一対のレースのうち一方において、転動面側の面を外周に向かって傾斜させ、これにより、一対のレースの着座面に若干の傾きが生じても玉の片当たりを緩和して、低騒音、高効率を図るものが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、玉1個の重量をm[g]、玉の数をZ[個]、玉の転動径をd[mm]、シャフトの最高回転数をn[r/s]、スラスト玉軸受に掛かる重力方向の荷重をFa[N]として、これらの値がFa>2.0×10−3・m・Z・d・nの関係式を満たすことにより、玉の滑りを低減して摩耗を防ぐものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載のスラスト玉軸受では、上下レースの転動面がフラット形状であるため、上下レースに転動溝を有するスラスト玉軸受と比較して摩耗が発生しやすかった。また、スラスト玉軸受が冷凍冷蔵庫に内蔵されるコンプレッサに使用される場合、スラスト玉軸受にかかる荷重はシャフト及び回転子のみで2kg程度であるが、上述したように、上下レースの転動面がフラット形状であるため、接触面積が小さく、高面圧環境となる。さらに、軸受内部の潤滑油に冷媒が混入して、低粘度環境下での運転となるため、油膜が薄くなり、金属接触を起こして、摩耗が発生してしまう可能性が高かった。また、外部使用環境により、異物がレースや転動体間に混入し、異物による早期剥離が生じて、大幅に寿命が低下する場合も想定された。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下、及び異物混入が起こる環境下で使用されたとしても、レースの耐摩耗性を向上することができるスラスト玉軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、一対のレース間に配置され、複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
一対のレースの少なくとも一方に、玉と接する転動溝が少なくとも1つ設けられ、前記転動溝の半径は、前記玉の直径の60%以上に設定され、前記転動溝の深さは、60μm以下に設定され、
一対のレース及び複数の玉の少なくとも一方が、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.35質量%以上2.0質量%以下であるとともに、SiとMnとの含有率の質量比(Si/Mn)が5以下で、C含有率が0.3質量%以上1.2質量%以下で、Cr含有率が0.5質量%以上2.0質量%以下で、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を採用することを特徴とする。
(2)鋼材を所定形状に加工した後に、浸炭窒化又は窒化を含む熱処理が施されて得られ、前記鋼材を採用した前記レース若しくは前記玉において、転動面のSi及びMnを含む窒化物の存在率は、面積比で1.0%以上7.55%以下であるとともに、前記転動面をなす表層部のN含有率は、0.2質量%以上であることを特徴とする。
(3)レースの転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRABとし、前記玉の転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRCとした時に、0≦γRAB及び0≦γRC≦50を満たすとともに、γRAB−15≦γRC≦γRAB+15を満たすことを特徴とする。
(4)双方のレースは高炭素クロム鋼、炭素工具鋼、セラミックの中のいずれか一つからなることを特徴とする。
(5)転動溝は、レースがプレス加工されるときに同時に形成されることを特徴とする。
(6)本発明のスラスト玉軸受は、冷凍冷蔵庫又はエアコンに内蔵されるコンプレッサに使用されることを特徴とする。
(1)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、一対のレース間に配置され、複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
一対のレースの少なくとも一方に、玉と接する転動溝が少なくとも1つ設けられ、前記転動溝の半径は、前記玉の直径の60%以上に設定され、前記転動溝の深さは、60μm以下に設定され、
一対のレース及び複数の玉の少なくとも一方が、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.35質量%以上2.0質量%以下であるとともに、SiとMnとの含有率の質量比(Si/Mn)が5以下で、C含有率が0.3質量%以上1.2質量%以下で、Cr含有率が0.5質量%以上2.0質量%以下で、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を採用することを特徴とする。
(2)鋼材を所定形状に加工した後に、浸炭窒化又は窒化を含む熱処理が施されて得られ、前記鋼材を採用した前記レース若しくは前記玉において、転動面のSi及びMnを含む窒化物の存在率は、面積比で1.0%以上7.55%以下であるとともに、前記転動面をなす表層部のN含有率は、0.2質量%以上であることを特徴とする。
(3)レースの転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRABとし、前記玉の転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRCとした時に、0≦γRAB及び0≦γRC≦50を満たすとともに、γRAB−15≦γRC≦γRAB+15を満たすことを特徴とする。
(4)双方のレースは高炭素クロム鋼、炭素工具鋼、セラミックの中のいずれか一つからなることを特徴とする。
(5)転動溝は、レースがプレス加工されるときに同時に形成されることを特徴とする。
(6)本発明のスラスト玉軸受は、冷凍冷蔵庫又はエアコンに内蔵されるコンプレッサに使用されることを特徴とする。
本発明のスラスト玉軸受は、少なくとも一方のレースに所定な深さの転動溝を有するものであり、玉の転動位置が転動溝によって規制される為、玉に案内される保持器がシャフトに接触することを抑制できる。
更に、一対のレース及び/若しくは複数の玉は、所定な材質を採用することで、その耐摩耗性を向上することができるとともに、転動面同士の、油膜不足を起因とした金属摩耗や、異物の混入による早期剥離も抑制できる。これにより、スラスト玉軸受の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサの信頼性を向上することができる。
更に、一対のレース及び/若しくは複数の玉は、所定な材質を採用することで、その耐摩耗性を向上することができるとともに、転動面同士の、油膜不足を起因とした金属摩耗や、異物の混入による早期剥離も抑制できる。これにより、スラスト玉軸受の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサの信頼性を向上することができる。
以下、本発明に係るスラスト玉軸受の一実施形態が使用されたコンプレッサについて、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態のコンプレッサ10は、図1に示すように、密閉容器11を有し、その内部に駆動系などが配置される構造である。密閉容器11の内部には、固定子12及び回転子13を有する回転駆動部14、回転駆動部14の動作により圧縮又は膨張する冷媒(例えば、冷媒ガスなど)などが設けられている。なお、コンプレッサ10は、冷凍冷蔵庫やエアコンなどに内蔵されている。
回転子13は、圧入により一体化された状態でシャフト15に連結される。シャフト15は、回転子13が固定される主軸部16と、主軸部16の上端部に形成される鍔部17と、鍔部17の上面に形成され、主軸部16に対し偏心して配置される偏心軸部18と、を有する。
シャフト15の上部片側位置には、シリンダブロック20が設けられる。シリンダブロック20は、略円筒形の圧縮室21を有する。この圧縮室21にピストン22が往復自在に嵌挿される。また、ピストン22は、偏心軸部18との間を連結部材23により連結されている。
そして、シャフト15の主軸部16は、主軸受19に対して上下方向に沿って挿通されている。また、シャフト15の鍔部17の下面と主軸受19の上面との間にはスラスト玉軸受30が配置されている。これらにより、シャフト15が回転自在に支承されると共に、シャフト15と回転子13の重力方向の荷重(自重)が支持される。
スラスト玉軸受30は、図2に示すように、円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される上下一対の上下レース31,32と、上下レース31,32間に転動自在に配置される複数の玉33と、上下レース31,32間に配置され、複数の玉33を略等間隔に保持する保持器34と、を備え、主軸部16に遊嵌されている。なお、本実施形態では、潤滑成分が混合された冷媒が、上下レース31,32間の軸受空間を循環経路としている。
上下レース31,32は、円環状の平板でそれぞれ形成されており、上下レース31,32の玉33と接する面には、転動溝31a,32aがそれぞれ形成されている。そして、この転動溝31a,32aの半径(曲率)Rは玉の直径Dの60%以上に設定されると共に、転動溝31a,32aの深さHは60μm以下に設定されている。また、転動溝31a,32aは、上下レース31,32がプレス加工されるときに同時に形成される。
以上説明したように、本実施形態のスラスト玉軸受30によれば、上下レース31,32に、玉33と接する転動溝31a,32aがそれぞれ設けられ、転動溝31a,32aの半径Rが玉33の直径Dの60%以上に設定され、転動溝31a,32aの深さHが60μm以下に設定されるため、玉33の転動位置が転動溝31a,32aによって規制され、玉33に案内される保持器34がシャフト15に接触するのを防止することができる。これにより、玉33とレース31,32との間の滑りを防止して、レース31,32の摩耗を防止することができるので、スラスト玉軸受30の長寿命化を図ることができる。
そして、本実施形態では、上下レース31,32、複数の玉33のいずれも、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.35質量%以上2.0質量%以下であるとともに、SiとMnとの含有率の質量比(Si/Mn)が5以下で、C含有率が0.3質量%以上1.2質量%以下で、Cr含有率が0.5質量%以上2.0質量%以下で、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を素材として採用する。
また、上述の組成を有する鋼材は、所定形状に加工した後に、浸炭窒化又は窒化を含む熱処理が施されることが好ましい。これにより、上記鋼材を採用したレースと玉の転動面は、そのSi及びMnを含む窒化物の存在率が、面積比で1.0%以上7.55%以下であるとともに、転動面をなす表層部のN含有率が、0.2質量%以上であることが好ましい。更に、転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRABとし、転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRCとした時に、0≦γRAB及び0≦γRC≦50を満たすとともに、γRAB−15≦γRC≦γRAB+15を満たすことが好ましい。
なお、コストを考慮すると、複数の玉33だけは上記の鋼材を使用し、上下レース31,32を軸受鋼等の一般的な素材を使用することができる。
また、使用条件により、上下レース31,32は、炭素工具鋼、高炭素クロム鋼、若しくはセラミックも使用することもできる。高炭素クロム鋼に関しては、異物混入と耐摩耗性向上の観点から、SUJ3や、浸炭窒化処理を施したSUJ2、クロムマンガン添加鋼(内輪31及び外輪32を、C:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜1.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材)、若しくは内輪31及び外輪32をC:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:0.1〜2.0質量%、Cr:0.1〜2.0質量%、Mo:0.1〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を選定することができる。なお、セラミックに関して、異物混入防止と耐摩耗性向上の観点から、炭化物系セラミックのタングステンカ−バイト、酸化物系のアルミナ、窒化物系の窒化ケイ素を選定することができる。
(実施例及び参考例、比較例)
まず、高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)からなる素材に旋削加工を施して所定形状に加工した。次に、これに、混合ガス(Rxガス+プロパンガス+アンモニアガス)を導入した炉内において820〜900℃で2〜10時間加熱保持することによる浸炭窒化と、油焼入れと、160〜270℃で2時間加熱保持することによる焼戻しとを施した。次に、これに研磨及びラッピングによる鏡面仕上げ加工を施すことにより、試験体を作製した。
まず、高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)からなる素材に旋削加工を施して所定形状に加工した。次に、これに、混合ガス(Rxガス+プロパンガス+アンモニアガス)を導入した炉内において820〜900℃で2〜10時間加熱保持することによる浸炭窒化と、油焼入れと、160〜270℃で2時間加熱保持することによる焼戻しとを施した。次に、これに研磨及びラッピングによる鏡面仕上げ加工を施すことにより、試験体を作製した。
なお、SUJ3からなる素材は、C含有率が1.01質量%で、Si含有率が0.56質量%で、Mn含有率が1.10質量%で、Cr含有率が1.10質量%の鋼である。このとき、浸炭窒化の条件を変えることにより、表1に
示すように、熱処理後における試験体の表面をなす表層部のN含有率を調節した。なお、得られた試験体において、表層部の硬さはHv750〜820とし、表層部の残留オーステナイト量は20〜30体積%とした。
示すように、熱処理後における試験体の表面をなす表層部のN含有率を調節した。なお、得られた試験体において、表層部の硬さはHv750〜820とし、表層部の残留オーステナイト量は20〜30体積%とした。
上述のように試験体を材料として実施例と参考例の玉を作製する。これに対して、比較例1の玉は炭素工具鋼SK85製のものである。
なお、実施例、参考例及び比較例のスラスト軸受は、いずれもレースの内径が17mm、外径が29mm、幅が1mmで、直径3.175mmの玉(12個)、ポリアミド66製の保持器を有するものであり、一対のレースが炭素工具鋼SK85製で作製される。次に実施例と比較例の軸受の耐久試験について説明する。
(耐久試験)
試験軸受を下記条件にて回転させ、耐摩耗性能及び耐焼付性能を評価した。
・回転数:3500rpm
・温度:常温
・荷重:1.0kg(2箇所)、2.5kg(2箇所)
・潤滑油:タービン油(VG10DTE)を希釈液(白灯油(ケロシン))にて濃度50%に希釈;希釈することにより潤滑の厳しい条件を再現。
・時間:100時間
試験軸受を下記条件にて回転させ、耐摩耗性能及び耐焼付性能を評価した。
・回転数:3500rpm
・温度:常温
・荷重:1.0kg(2箇所)、2.5kg(2箇所)
・潤滑油:タービン油(VG10DTE)を希釈液(白灯油(ケロシン))にて濃度50%に希釈;希釈することにより潤滑の厳しい条件を再現。
・時間:100時間
結果を表1に示すが、100時間回転後も摩耗や焼付きが発生しない場合を「発生無し」、回転に不具合を生じるレベルの摩耗や焼付きが見られる場合を「発生有り」とした。また、130時間回転後も摩耗や焼付きが発生しない場合を「耐久性良い」とした。表1から、参考例の玉軸受は100時間経過後に摩耗や焼付きが発生しないが、本発明の玉軸受はさらに良い耐久性があることを確認できた。
本実施形態のスラスト玉軸受30によれば、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、上下レース31,32の耐摩耗性を向上することができる。これにより、スラスト玉軸受30の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサ10の信頼性を向上することができる。
また、本実施形態のスラスト玉軸受30によれば、転動溝31a,32aは、レース31,32がプレス加工されるときに同時に形成されるため、製造コストの上昇を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、転動溝が一列である場合を例示したが、これに限定されず、軌道溝は二列以上の複列であってもよい。また、上記実施形態では、上下レースの両方に転動溝が形成される場合を例示したが、これに限定されず、上下レースの一方のみに転動溝が形成されていてもよい。
10 コンプレッサ
30 スラスト玉軸受
31 上レース
31a 転動溝
32 下レース
32a 転動溝
33 玉
34 保持器
R 転動溝の半径
H 転動溝の深さ
D 玉の直径
30 スラスト玉軸受
31 上レース
31a 転動溝
32 下レース
32a 転動溝
33 玉
34 保持器
R 転動溝の半径
H 転動溝の深さ
D 玉の直径
Claims (6)
- 円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
前記一対のレースの少なくとも一方に、前記玉と接する転動溝が少なくとも1つ設けられ、前記転動溝の半径は、前記玉の直径の60%以上に設定され、前記転動溝の深さは、60μm以下に設定され、
前記一対のレース及び前記複数の玉の少なくとも一方が、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.35質量%以上2.0質量%以下であるとともに、SiとMnとの含有率の質量比(Si/Mn)が5以下で、C含有率が0.3質量%以上1.2質量%以下で、Cr含有率が0.5質量%以上2.0質量%以下で、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材を採用することを特徴とするスラスト玉軸受。 - 前記鋼材を所定形状に加工した後に、浸炭窒化又は窒化を含む熱処理が施されて得られ、前記鋼材を採用した前記レース若しくは前記玉において、その転動面のSi及びMnを含む窒化物の存在率は、面積比で1.0%以上7.55%以下であるとともに、前記転動面をなす表層部のN含有率は、0.2質量%以上であることを特徴とする請求項1のスラスト玉軸受。
- 前記レースの転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRABとし、前記玉の転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγRCとした時に、0≦γRAB及び0≦γRC≦50を満たすとともに、γRAB−15≦γRC≦γRAB+15を満たすことを特徴とする請求項1又は2のスラスト玉軸受。
- 双方の前記レースは高炭素クロム鋼、炭素工具鋼、セラミックの中のいずれか一つからなることを特徴とする請求項1に記載のスラスト玉軸受。
- 前記転動溝は、前記レースがプレス加工されるときに同時に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスラスト玉軸受。
- 冷凍冷蔵庫又はエアコンに内蔵されるコンプレッサに使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスラスト玉軸受。
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---|---|---|---|---|
CN105908106A (zh) * | 2016-06-23 | 2016-08-31 | 王莹 | 一种高强耐磨氧化物基金属陶瓷轴承及其制备方法 |
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