JP2013177960A - スラスト玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、レースの耐摩耗性を向上することができるスラスト玉軸受を提供する。
【解決手段】スラスト玉軸受30は、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレース31,32と、一対のレース31,32間に転動自在に配置される複数の玉33と、一対のレース31,32間に配置され、複数の玉33を略等間隔に保持する保持器34と、を備え、一対のレース31,32の転動面31a,32aがフラット形状に形成され、一対のレース31,32及び複数の玉33の一方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用され、一対のレース31,32及び複数の玉33の他方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用される。
【選択図】図2

Description

本発明は、スラスト玉軸受に関し、より詳細には、冷凍冷蔵庫やエアコンなどの密封型のコンプレッサに使用されるスラスト玉軸受に関する。
冷凍冷蔵庫やエアコンなどの密封型のコンプレッサは、近年の環境対応にも応えるべく、消費電力の低減化、騒音の防止など高い効率化が求められている。その対策の一環として、コンプレッサのシャフトを回転自在に支承する部分に、スラスト玉軸受が使用される。この部分にスラスト玉軸受が使用されることにより、回転特性が向上してコンプレッサの効率が向上する。
従来のスラスト玉軸受としては、複数の玉をレースの周方向に複列に千鳥配置して高剛性とし軸受の長寿命化を図るものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、スラスト玉軸受の一対のレースのうち一方において、転動面側の面を外周に向かって傾斜させ、これにより、一対のレースの着座面に若干の傾きが生じても玉の片当たりを緩和して、低騒音、高効率を図るものが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、玉1個の重量をm[g]、玉の数をZ[個]、玉の転動径をd[mm]、シャフトの最高回転数をn[r/s]、スラスト玉軸受に掛かる重力方向の荷重をFa[N]として、これらの値がFa>2.0×10−3・m・Z・d・nの関係式を満たすことにより、玉の滑りを低減して摩耗を防ぐものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平08−320018号公報 特開2008−038691号公報 特開2008−121628号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載のスラスト玉軸受では、上下レースの転動面がフラット形状であるため、上下レースに転動溝を有するスラスト玉軸受と比較して摩耗が発生しやすかった。また、スラスト玉軸受が冷凍冷蔵庫に内蔵されるコンプレッサに使用される場合、スラスト玉軸受にかかる荷重はシャフト及び回転子のみで2kg程度であるが、上述したように、上下レースの転動面がフラット形状であるため、接触面積が小さく、高面圧環境となる。さらに、軸受内部の潤滑油に冷媒が混入して、低粘度環境下での運転となるため、油膜が薄くなり、金属接触を起こして、摩耗が発生してしまう可能性が高かった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、レースの耐摩耗性を向上することができるスラスト玉軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
前記一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、
前記一対のレース及び前記複数の玉の一方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用され、
前記一対のレース及び前記複数の玉の他方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用されることを特徴とするスラスト玉軸受。
(2)前記セラミック材料がアルミナ−ジルコニア系複合材料であることを特徴とする上記(1)記載のスラスト玉軸受。
(3)セラミック材料が、アルミナ成分と、ジルコニア成分またはイットリアを1.5〜5モル%含有するイットリア−ジルコニア成分とを、質量比で、アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=5〜50:50〜95で含むアルミナ−ジルコニア系複合材料であり、かつ、
レースまたは玉の表面において、10〜30μmのジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊の個数が5個/300mm以下であることを特徴とする上記(1)記載のスラスト玉軸受。
(4)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
前記一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、
前記一対のレース及び前記複数の玉の少なくとも一方に、窒化処理による表面硬化層が形成されることを特徴とするスラスト玉軸受。
(5)円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
前記一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、
前記一対のレース及び前記複数の玉の少なくとも一方に、セラミック材料が使用されることを特徴とするスラスト玉軸受。
(6)前記セラミック材料がアルミナ−ジルコニア系複合材料であることを特徴とする上記(5)記載のスラスト玉軸受。
(7)セラミック材料が、アルミナ成分と、ジルコニア成分またはイットリアを1.5〜5モル%含有するイットリア−ジルコニア成分とを、質量比で、アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=5〜50:50〜95で含むアルミナ−ジルコニア系複合材料であり、かつ、
レースまたは玉の表面において、10〜30μmのジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊の個数が5個/300mm以下であることを特徴とする上記(5)記載のスラスト玉軸受。
(8)冷凍冷蔵庫又はエアコンに内蔵されるコンプレッサに使用されることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のスラスト玉軸受。
本発明のスラスト玉軸受によれば、一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、一対のレース及び複数の玉の一方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用され、一対のレース及び複数の玉の他方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用されるため、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、レースの耐摩耗性を向上することができる。これにより、スラスト玉軸受の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサの信頼性を向上することができる。
また、本発明のスラスト玉軸受によれば、一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、一対のレース及び複数の玉の少なくとも一方に、窒化処理による表面硬化層が形成されるため、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、レースの耐摩耗性を向上することができる。これにより、スラスト玉軸受の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサの信頼性を向上することができる。
また、本発明のスラスト玉軸受によれば、一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、一対のレース及び複数の玉の少なくとも一方に、セラミック材料が使用されるため、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、レースの耐摩耗性を向上することができる。これにより、スラスト玉軸受の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサの信頼性を向上することができる。また、セラミック材料を使用するため、電食防止することができる。
更に、セラミック材料として特定のアルミナ−ジルコニア系複合材料を用いると、油膜が形成されやすくなり、金属接触を防いで摩耗低減・焼付き低減により効果的になる。
本発明に係るスラスト玉軸受の一実施形態が使用されたコンプレッサを説明する断面図である。 図1に示すスラスト玉軸受を説明する拡大断面図である。
以下、本発明に係るスラスト玉軸受の一実施形態が使用されたコンプレッサについて、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態のコンプレッサ10は、図1に示すように、密閉容器11を有し、その内部に駆動系などが配置される構造である。密閉容器11の内部には、固定子12及び回転子13を有する回転駆動部14、回転駆動部14の動作により圧縮又は膨張する冷媒(例えば、冷媒ガスなど)などが設けられている。なお、コンプレッサ10は、冷凍冷蔵庫やエアコンなどに内蔵されている。
回転子13は、圧入により一体化された状態でシャフト15に連結される。シャフト15は、回転子13が固定される主軸部16と、主軸部16の上端部に形成される鍔部17と、鍔部17の上面に形成され、主軸部16に対し偏心して配置される偏心軸部18と、を有する。
シャフト15の上部片側位置には、シリンダブロック20が設けられる。シリンダブロック20は、略円筒形の圧縮室21を有する。この圧縮室21にピストン22が往復自在に嵌挿される。また、ピストン22は、偏心軸部18との間を連結部材23により連結されている。
そして、シャフト15の主軸部16は、主軸受19に対して上下方向に沿って挿通されている。また、シャフト15の鍔部17の下面と主軸受19の上面との間にはスラスト玉軸受30が配置されている。これらにより、シャフト15が回転自在に支承されると共に、シャフト15と回転子13の重力方向の荷重(自重)が支持される。
スラスト玉軸受30は、図2に示すように、円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される上下一対の上下レース31,32と、上下レース31,32間に転動自在に配置される複数の玉33と、上下レース31,32間に配置され、複数の玉33を略等間隔に保持する保持器34と、を備え、主軸部16に遊嵌されている。なお、本実施形態では、上下レース31,32及び複数の玉33は金属製である。また、潤滑成分が混合された冷媒が、上下レース31,32間の軸受空間を循環経路としている。
上下レース31,32は、円環状の平板でそれぞれ形成されており、上下レース31,32の複数の玉33と接する転動面31a,32aは、フラット形状に形成されている。そして、上下一対のレース31,32及び複数の玉33には、窒化処理による表面硬化層が形成されている。なお、窒化処理は、上下レース31,32及び複数の玉33の表面を、例えば、ベンジンで洗浄し、その後、窒素化合物などと熱反応処理させて、その表面に化合物反応膜を形成することにより行なわれる。
以上説明したように、本実施形態のスラスト玉軸受30によれば、上下レース31,32の転動面31a,32aがフラット形状に形成され、上下レース31,32及び複数の玉33に、窒化処理による表面硬化層が形成されるため、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、上下レース31,32の耐摩耗性を向上することができる。これにより、スラスト玉軸受30の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサ10の信頼性を向上することができる。
なお、本実施形態の第1変形例として、上下レース31,32及び複数の玉33は、金属製ではなく、セラミック材料からなるようにしてもよい。
本変形例によれば、上下レース31,32及び複数の玉33にセラミック材料が使用されるため、冷媒などの混入により潤滑油の油膜が薄くなり、金属接触が起こる環境下で使用されたとしても、上下レース31,32の耐摩耗性を向上することができる。これにより、スラスト玉軸受30の長寿命化を図ることができるので、コンプレッサ10の信頼性を向上することができる。また、セラミック材料を使用するため、電食防止することができる。
上記において、上下レース31,32や玉33を形成するセラミック材料として、アルミナ成分と、ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分とを、質量比で、アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=5〜50:50〜95で含むアルミナ−ジルコニア系複合材料であることが好ましい。更に、アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=10〜30:70〜90であることがより好ましく、20:80であることが最も好ましい。特に、ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分が70質量%未満では、相転移によるアルミナ焼結粒子への圧縮応力の負荷の効果が発現され難く、強度が低下する。また、ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分が90質量%を超えると,粒子成長・凝集が起きやすくなり、異常成長したジルコニア焼結粒子やイットリア−ジルコニア焼結粒子により強度が低下する。
また、イットリア−ジルコニア成分において、イットリアを1.5モル%以上5モル%以下の割合で含み、イットリアの含有量は3モル%であることがより好ましい。ジルコニアにイットリアを添加し固溶させると、構造中に酸素空孔が形成され、立方晶及び正方晶が室温でも安定、または準安定となり強度が向上するが、そのときのジルコニア中のイットリア含有量の適正量が1.5〜5モル%である。イットリア含有量が1.5モル%未満では正方晶からなる焼結体が得られず、5モル%以上では正方晶が減少して立方晶が主体となるため、転移による高強度化が得られない。
アルミナ−ジルコニア系複合材料を製造するには、アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末またはイットリア−ジルコニア原料粉末とを、それぞれ上記の成分比となるように混合し、混合物を所定形状に成形した後、成形物を脱脂して焼結し、HIP処理すればよい。その際、より緻密にするために、各原料粉末に含まれる不純物は少ない方が好ましく、特にSiO、Fe、NaOを極力減少させることにより、焼結性を向上させて緻密化に有効となる。更に、不純物に起因する早期剥離も抑えることができる。具体的には、SiO、Fe、NaOの含有量はそれぞれ0.3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。含有量が0.3質量%を超えると運転時に転動体表面から粒子の微小な脱落が起こり易くなり、転動体表面の粗さの低下、脱落した粒子による軌道面の微細な損傷が発生し、振動が大きくなり音響寿命を短くするおそれがある。また、転動体の疲労寿命も不純物が起点となり早期剥離を引き起こす原因にもなる。
また、アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末またはイットリア−ジルコニア原料粉末とが均一に混合せず、それぞれの焼結粒子が偏析すると、転がり疲労寿命が低下するようになる。特に、100μmを超える焼結粒子が存在すると顕著になる。偏析を防止する方法として均一に混合するだけでなく、強く粉砕する機能を持った混合を実施する必要があり、ボールミル混合機も可能であるが、粉砕メディアがφ1mm以下のジルコニア系のビ−ズを使用したビ−ズミル混合機が最も有効である。
得られるアルミナ−ジルコニア系複合材料において、アルミナ焼結粒子、ジルコニア焼結粒子またはイットリア−ジルコニア焼結粒子は、何れも平均粒径が2μm以下の微細粒子であることが好ましく、1μm以下の微細粒子であることがより好ましい。焼結を行うと粒子はある程度成長し、10μm以上の粒子が存在すると寿命に悪影響が及ぶようになるが、複合化させることで粒子成長・凝集が抑制される効果が発現して粒径は単体のものより小さくなる。
また、長時間軸受を稼動すると、上下レース31,32や玉33の表面の結晶粒が摩耗・脱落するため、これらの表面において、ジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊が少ないことが好ましく、10〜30μmのジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊が5個/300mm以下であることがより好ましく、3個/300mm以下であることが更に好ましい。ジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊が起点となって剥離し、転がり寿命を低下させる。特に、100μmレベルの塊が存在すると転がり寿命の低下が顕著になる。尚、塊は断面が円形ではないため、塊の大きさは長径部の長さとする。
また、アルミナ−ジルコニア系複合材料のヤング率は215〜280GPaが好ましい。このようなヤング率にすることにより、上下レース31,32や玉33の耐摩耗性が向上する。
更には、アルミナ−ジルコニア系複合材料は、密度が4.5g/cm(アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=50:50)〜6g/cm(アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=5:95)であることが好ましい。この密度は、軸受鋼の密度(7.8g/cm)よりも小さため、玉33をアルミナ−ジルコニア系複合材料で形成すると、軸受回転時の玉333の慣性力が小さく保持器34との衝突音が小さくなる。
そのため、保持器34は金属製でもよいが、玉33との衝突音を低減するために、ポリアミドやポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性の樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状補強材を配合してなる樹脂組成物を成形したものが好ましい。また、保持器34を樹脂組成物製にすることにより、軸受全体の軽量化を図ることもできる。
また、上記のスラスト玉軸受30には、潤滑のための潤滑剤が充填される。潤滑剤は、潤滑油でもよいし、潤滑油を基油とするグリースでもよい。潤滑油または基油も、鉱油や炭化水素油のように極性基を持たない無極性油でもよく、エステル油のように極性基を有する極性油であってもよい。例えば、無極性油のポリα−オレフィン油は酸化安定性に優れ、耐フレッチング性を有し、更にシール5の腐食を抑える作用がある。一方、極性油のエステル油は、潤滑性能や耐熱性に優れるため、高速回転用の転がり軸受に適している。例えば、モータ用に使用されるグリース組成物では、エステル油を基油にした場合には増ちょう剤には金属石けんを用い、ポリα−オレフィン油を基油にした場合はウレア化合物を増ちょう剤に用いるのが一般的であるが、音響性能からは金属石けんがウレア化合物よりも優れており、音響性能を重視する場合には基油にエステル油が用いられる。
また、低トルクを実現するために、潤滑油または基油は低粘度であることが好ましく、40℃における動粘度が80mm/s以下のものを用いることができる。アルミナ−ジルコニア系複合材料は、極性物質の吸着力が大きい。そのため、潤滑油または基油に極性油を用いることにより、より低粘度のものを使用できる。
また、低トルク化のためには潤滑剤の充填量も少ないことが好ましく、軸受空間の20体積%以下であっても十分な潤滑を確保できる。
本発明は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上下レースに窒化処理による表面硬化層が形成され、玉にセラミック材料が使用されてもよい。また、上下レースにセラミック材料が使用され、玉に窒化処理による表面硬化層が形成されてもよい。さらに、上下レース及び玉の一方に、窒化処理による表面硬化層を形成、又は、セラミック材料を使用してもよい。
10 コンプレッサ
30 スラスト玉軸受
31 上レース
31a 転動面
32 下レース
32a 転動面
33 玉
34 保持器

Claims (8)

  1. 円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
    前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
    前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
    前記一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、
    前記一対のレース及び前記複数の玉の一方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用され、
    前記一対のレース及び前記複数の玉の他方に、窒化処理による表面硬化層が形成され、又は、セラミック材料が使用されることを特徴とするスラスト玉軸受。
  2. 前記セラミック材料がアルミナ−ジルコニア系複合材料であることを特徴とする請求項1記載のスラスト玉軸受。
  3. セラミック材料が、アルミナ成分と、ジルコニア成分またはイットリアを1.5〜5モル%含有するイットリア−ジルコニア成分とを、質量比で、アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=5〜50:50〜95で含むアルミナ−ジルコニア系複合材料であり、かつ、
    レースまたは玉の表面において、10〜30μmのジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊の個数が5個/300mm以下であることを特徴とする請求項1記載のスラスト玉軸受。
  4. 円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
    前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
    前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
    前記一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、
    前記一対のレース及び前記複数の玉の少なくとも一方に、窒化処理による表面硬化層が形成されることを特徴とするスラスト玉軸受。
  5. 円環状に形成され、互いに軸方向で離間して平行配置される一対のレースと、
    前記一対のレース間に転動自在に配置される複数の玉と、
    前記一対のレース間に配置され、前記複数の玉を略等間隔に保持する保持器と、を備えるスラスト玉軸受であって、
    前記一対のレースの転動面がフラット形状に形成され、
    前記一対のレース及び前記複数の玉の少なくとも一方に、セラミック材料が使用されることを特徴とするスラスト玉軸受。
  6. 前記セラミック材料がアルミナ−ジルコニア系複合材料であることを特徴とする請求項5記載のスラスト玉軸受。
  7. セラミック材料が、アルミナ成分と、ジルコニア成分またはイットリアを1.5〜5モル%含有するイットリア−ジルコニア成分とを、質量比で、アルミナ成分:ジルコニア成分またはイットリア−ジルコニア成分=5〜50:50〜95で含むアルミナ−ジルコニア系複合材料であり、かつ、
    レースまたは玉の表面において、10〜30μmのジルコニア塊またはイットリア−ジルコニア塊の個数が5個/300mm以下であることを特徴とする請求項5記載のスラスト玉軸受。
  8. 冷凍冷蔵庫又はエアコンに内蔵されるコンプレッサに使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスラスト玉軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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