JP2013257008A - 電食防止転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミナの成長を抑制して、より微細な粒子が分散した転動体を備え、機械的強度や転がり寿命を向上させた電食防止転がり軸受を提供する。
【解決手段】互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する電食防止転がり支持軸受において、前記転動体が、マグネシアをアルミナ全量に対し0.01〜0.2質量%の割合で含有するマグネシア含有アルミナ成分と、ジルコニア成分とを主成分とするマグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックス製であり、かつ、マグネシア含有アルミナ成分が平均粒径5μm未満である電食防止転がり軸受。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばエアコンや電車、風車、工作機械等に組み込まれるインバータモータや、リニアモータのガイド等に好適な転がり軸受に関する。
上記に挙げた装置や機器に組み込まれるインバータモータや、リニアモータのガイドでは、高周波の電流が発生してモータ内の軸受の内外輪や転動体にも流れ込むことがあり、それにより転動面(レース面)に電食が発生することがある。
電食を防止するために様々な提案がなされており、セラミックス製の転動体を用いた転がり軸受を用いることが知られている。しかしながら、セラミックスとして一般的な窒化珪素製転動体を用いた転がり軸受では、音響特性及びトルク性能に改善の余地がある。即ち、窒化珪素製転動体の表面は元々油の濡れ性が悪いために、転がり軸受のトルクを低くするために低粘度の潤滑剤を用いると、転動体の表面に形成される油膜が薄すぎて油膜切れを生じやすくなる。
そのため、低粘度の潤滑剤を用いると、窒化珪素よりも硬度の低い軸受鋼製の軌道面に損傷が生じやすくなる。従って、潤滑剤の供給を定期的に行なうなどのメンテナンスを行なわないと、窒化珪素製転動体を用いた転がり軸受は、高速になると内外輪をなす鋼と転動体をなす窒化珪素に線膨張係数の差により予圧が抜け、隙間が生じる可能性がある。
また、セラミックスとしてアルミナ−ジルコニア系セラミックスも使用されている(特許文献1〜3参照)。ジルコニアは線膨張係数が軸受を構成する鋼に近く、転がり軸受に予圧抜けが生じにくい利点がある。また、ジルコニアは高強度で、高靭性でもある。その一方で、ジルコニアは高価であるため、安価にするためにアルミナを5〜50質量%程度添加したアルミナ−ジルコニア系セラミックスが一般的である。
特開2002−213455号公報 特開平11−280767号公報 特開2002−106570号公報
しかしながら、アルミナ−ジルコニア系セラミックスでは、焼結時にアルミナが成長しやすく、大きな粒子となって存在する。その結果、転動体の表面が摩耗しやすくなって内外輪の軌道面を損傷し、転がり寿命を低下させるおそれがある。
そこで本発明は、アルミナの成長を抑制して、より微細な粒子が分散した転動体を備え、機械的強度や転がり寿命を向上させた電食防止転がり軸受を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する電食防止転がり支持軸受において、前記転動体が、マグネシアをアルミナ全量に対し0.01〜0.2質量%の割合で含有するマグネシア含有アルミナ成分と、ジルコニア成分とを主成分とするマグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックス製であり、かつ、マグネシア含有アルミナ成分が平均粒径5μm未満であることを特徴とする電食防止転がり軸受を提供する。
本発明の電食防止転がり軸受では、特定量のマグネシアによりアルミナの成長が抑制されて平均粒径5μm未満の微粒子となり、微細な内部組織となる。そのため、転動体の機械的強度が増し、転がり寿命が向上する。
本発明に係る電食防止転がり軸受の一実施形態である玉軸受を示す断面図である。 ビーズミル混合機の一例を示す模式図である。 寿命試験におけるスラスト試験法を説明する模式図である。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の電食防止転がり軸受として、例えば図1に断面図で示すような玉軸受を例示することができる。図示される玉軸受は、内輪1の外周面に形成された内輪軌道面1aと、外輪2の内周面に形成された外輪軌道面2aの間に、複数個の転動体である玉3を保持器4で保持し、シール5により、内輪1と外輪2と玉3とで形成される軸受空間6に充填した潤滑剤Gを封止して概略構成されている。尚、符号2bは、外輪2に設けたシール嵌合溝である。本実施形態では、内輪1と外輪2とをSUJ2鋼、SUS鋼、13Cr鋼等の金属製とし、玉3を後述するマグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックスで形成する。このように内輪1や外輪2と玉3とを異種材料の組み合わせにすることにより、低トルク化のために潤滑剤Gの量を減らしたり、低粘度の潤滑剤Gを用いた場合でも内輪1と玉3、外輪2と玉3との凝着を防止することができる。また、玉3が、電気絶縁性であるため、電食を防止することもできる。
軸受材料として一般的なセラミック材料である窒化珪素は、針状結晶が絡み合った微細結晶であり、その粒径は最大径で30〜50μmで、アスペクト比2程度である。また、アルミナ−ジルコニア系セラミックスではアルミナが成長しやすく、通常5〜8μm程度の大径粒子となる。そのため、長時間軸受を稼動すると、玉3の表面の結晶粒が摩耗・脱落するなどして、軌道面1a,2aが損傷しやすくなる。
そこで、本発明では、アルミナに特定量のマグネシアを添加することにより、アルミナの成長を抑制し、マグネシア含有アルミナ成分を平均粒径5μm未満、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下の微粒子とする。マグネシア含有アルミナ成分におけるマグネシア含有量は、アルミナ全量に対し0.01〜0.2質量%であり、好ましくは0.02〜0.09質量%である。マグネシア含有量が0.01質量%未満では、アルミナの成長を抑制する効果が十分ではなくなる。一方、マグネシア含有量が0.2質量%超では、アルミナの成長を抑えることができるものの、マグネシアが偏析するようになり、機械的強度が低下して寿命が短くなる。
また、マグネシア含有アルミナ成分とジルコニア成分との比率は、質量比で、マグネシア含有アルミナ成分:ジルコニア成分=5〜50:50〜95であることが好ましく、10〜30:70〜90であることがより好ましく、20:80であることが最も好ましい。
焼結から室温まで冷却される際の体積収縮の差から、マグネシア含有アルミナ成分は圧縮するのに対し、ジルコニア成分は引張応力が付与され、残留応力の分布の違いから亀裂が迂回して進展する。亀裂は強度の弱いマグネシア含有アルミナ成分を進展するが、ジルコニア成分の相転移(正方晶→単斜晶)によるマグネシア含有アルミナ成分への圧縮応力が負荷され、亀裂進展が防止される。特に、ジルコニア成分が70質量%未満では、相転移によるマグネシア含有アルミナ成分への圧縮応力の負荷の効果が発現され難く、強度が低下する。また、ジルコニア成分が90質量%を超えると、粒子成長・凝集が起きやすくなり、異常成長したジルコニア成分により強度が低下する。
また、ジルコニア成分は、イットリアを1.5モル%以上5モル%以下の割合で含むことがより好ましい。ジルコニア成分にイットリアを添加し固溶させると、構造中に酸素空孔が形成され、立方晶及び正方晶が室温でも安定、または準安定となり強度が向上するが、そのときのジルコニア成分中のイットリア含有量の適正量が1.5〜5モル%である。イットリア含有量が1.5モル%未満では正方晶からなる焼結体が得られず、5モル%以上では正方晶が減少して立方晶が主体となるため、転移による高強度化が得られない。
玉3を作製するには、マグネシアを上記割合で含有するアルミナ原料粉末(マグネシア含有アルミナ原料粉末)を用意する。このマグネシア含有アルミナ原料粉末は、例えば、マグネシア粉末をアルミナ粉末に添加し、混合することにより得られる。
次いで、マグネシア含有アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末とを、それぞれ上記の成分比となるように混合し、混合物を球形に成形した後、成形物を脱脂して焼結し、HIP処理すればよい。その際、より緻密にするために、各原料粉末に含まれる不純物は少ない方が好ましく、特にSiO、Fe、NaOを極力減少させることにより、焼結性を向上させて緻密化に有効となる。更に、不純物に起因する早期剥離も抑えることができる。具体的には、SiO、Fe、NaOの含有量はそれぞれ0.3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。含有量が0.3質量%を超えると運転時に転動体表面から粒子の微小な脱落が起こり易くなり、転動体表面の粗さの低下、脱落した粒子による軌道面の微細な損傷が発生し、振動が大きくなり音響寿命を短くするおそれがある。また、転動体の疲労寿命も不純物が起点となり早期剥離を引き起こす原因にもなる。
尚、成形方法は圧縮成形が一般的であり、焼結後に素材(素球)を研削、研磨して所定の球形状に調整する。また、HIP処理は通常の条件で行うことができる。焼結条件も、一般的なアルミナ−ジルコニア系セラミックスの焼結条件と同等で構わない。
また、マグネシア含有アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末とが均一に混合せず、それぞれの焼結粒子が偏析すると、転がり疲労寿命が低下するようになる。偏析を防止する方法として均一に混合するだけでなく、強く粉砕する機能を持った混合を実施する必要があり、ボールミル混合機も可能であるが、粉砕メディアがφ1mm以下のジルコニア系のビ−ズを使用したビ−ズミル混合機が最も有効である。図2はビーズミル混合機の一例を示す模式図であるが、中央に撹拌羽根を配した容器に、マグネシア含有アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末と、水またはアルコールとを、ビーズとともに投入し、撹拌羽根を回転させることにより、粉砕・混合させる。尚、回転速度は最大で3000rpmまで可能であり、混合中は容器内に冷却用水を流通させる。これに対しボ−ルミル混合機では、粉砕メディアがφ10mm以上であり、また構造上、回転速度は400〜1000rpm程度であり、粉砕効率はビ−ズミル混合機の方が遥かに高い。
尚、玉3におけるジルコニア成分もより微細な微粒子であることが好ましい。特許第3910310号公報に記載されているように、10μm以上の粒子が存在すると寿命に悪影響が及ぶようになるからである。
また、玉3の表面において、ジルコニア塊が少ないことが好ましく、10〜30μmのジルコニア塊が5個/300mm以下であることがより好ましく、3個/300mm以下であることが更に好ましい。ジルコニア塊が起点となって剥離し、転がり寿命を低下させる。特に、100μmレベルの塊が存在すると転がり寿命の低下が顕著になる。尚、塊は断面が円形ではないため、塊の大きさは長径部の長さとする。
潤滑剤Gは、潤滑油でもよいし、潤滑油を基油とするグリースでもよい。また、潤滑油または基油も、鉱油や炭化水素油のように極性基を持たない無極性油でもよく、エステル油のように極性基を有する極性油であってもよい。例えば、無極性油のポリα−オレフィン油は酸化安定性に優れ、耐フレッチング性を有し、更にシール5の腐食を抑える作用がある。一方、極性油のエステル油は、潤滑性能や耐熱性に優れるため、高速回転用の転がり軸受に適している。例えば、モータ用に使用されるグリース組成物では、エステル油を基油にした場合には増ちょう剤には金属石けんを用い、ポリα−オレフィン油を基油にした場合にはウレア化合物を増ちょう剤に用いるのが一般的であるが、音響性能からは金属石けんがウレア化合物よりも優れており、音響性能を重視する場合には基油にエステル油が用いられる。
また、低トルクを実現するために、潤滑油または基油は低粘度であることが好ましく、40℃における動粘度が80mm/s以下のものを用いることができる。玉3の表面は、材料に由来して極性物質の吸着力が大きい。そのため、潤滑油または基油に極性油を用いることにより、より低粘度のものを使用できる。
一般に、アルミナ−ジルコニア系セラミックスは、高温安定相の正方晶(t−ZrO)を室温で準安定化させたものであり、高靱性や高強度を有することが知られている。これは、亀裂先端でのt−ZrOから低温安定相の単斜晶(m−ZrO)への応力誘起マルテンサイト型相転移の際の体積膨張により、クラックの進展が妨げられるためであると考えられている。しかしながら、アルミナ−ジルコニア系セラミックスは、空気中で200℃付近の高温に長時間晒されると、強度の劣化が生じるという問題が知られている。これは、ジルコニアと水との化学反応によりZr−O−Zr結合が切断され、t−ZrOの応力腐食反応によって相転移が促され、それに伴う体積膨張により微小なクラックが生成されるためであると考えられている。また、この現象は、水だけではなく、アンモニア等の極性を有する溶媒により加速されることが分かっている。そのため、局所的に高温、高圧となる摩擦環境下では、極性を有する油分子の表面への吸着は相転移を促進させて表面強度を低下させ、玉3の表面を容易に摩耗する。
このように、アルミナ−ジルコニア系セラミックスからなる玉3では、極性分子の表面への吸着は、潤滑効果と摩耗促進効果の二面性を有しており、本発明においても高温・高圧下で使用される場合には、無極性油を用いることが好ましい。
また、低トルク化のためには潤滑剤Gの充填量も少ないことが好ましく、軸受空間6の20体積%以下であっても十分な潤滑を確保できる。
更に、玉3を形成するマグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックスのヤング率は215〜280GPaであり、内輪1及び外輪2を形成する金属材料、一般的には軸受鋼のヤング率(208GPa)やSUJ2のヤング率(207GPa)よりも小さいことから、耐圧痕性も向上する。これに対し窒化珪素のヤング率は250〜330GPaであり、軸受鋼やSUJ2のヤング率よりも大きいことから、耐圧痕性に劣る。
加えて、マグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックスは、密度が4.5g/cm(アルミナ成分:ジルコニア成分=50:50)〜6g/cm(アルミナ成分:ジルコニア成分=5:95)であり、軸受鋼の密度(7.8g/cm)よりも小さい。そのため、軸受回転時の玉3の慣性力が小さく保持器4との衝突音が小さくなる。また、保持器4として鉄製保持器を用いた場合には、保持器4の摩耗が少なく、鉄粉による音響劣化も少なくなる。これに対し窒化珪素の密度は3.22g/cmであることから、窒化珪素製の玉では保持器4との衝突音及び鉄製保持器を使用したときの摩耗が玉よりも少なくなるが、軸受組立時の転動体補給の際に飛び出してしまう不具合がある。
更に、マグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックスは白色に近い。そのため、玉3の表面に発生した傷を容易に視認できる。
また、玉精度は、真球度0.08で、表面粗さ0.012μm以下(G3レベルともいう)〜真球度0.13で、表面粗さ0.02μm以下(G5レベルともいう)にすることが好ましい。これは、G5レベルを超えると、音響特性に影響を及ぼすからである。
一方、内輪1及び外輪2はSUJ2鋼、SUS鋼、13Cr鋼等の金属製であるため安価であり、しかも音響寿命においても有利である。また、少なくとも軌道面1a,2a、好ましくは全表面に浸炭窒化処理等の硬化処理を施すことにより、耐摩耗性が向上して好ましい。
また、保持器4は金属製でもよいが、軸受全体の軽量化や、玉3との衝突音を低減するために、ポリアミドやポリアセタール、PPS等の耐熱性の樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状補強材を配合してなる樹脂組成物を成形したものが好ましい。
尚、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、例として深溝玉軸受を挙げて説明したが、それ以外にもアンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受にも適用でき、それぞれの転動体を上記のマグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックスで形成する。
以下に試験例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものはない。
(曲げ試験)
マグネシア含有量が異なるマグネシア含有アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末とを、マグネシア含有アルミナ成分:ジルコニア成分=20:80となるように、図2に示すビーズミル混合機を用い、水にて湿式混合した後、JIS R6101に規定される曲げ試験用の試験片形状に成形し、焼結して試験片を作製して曲げ強度を測定した。また、各試験片の断面をSEMにて観察(倍率20000倍)してアルミナ成分の粒径を測定し、平均粒径を算出した。
マグネシア含有量に対応するマグネシア含有アルミナ成分の平均粒径、並びに曲げ強度の測定結果を表1に示す。
Figure 2013257008
(寿命試験)
マグネシア含有量が異なるマグネシア含有アルミナ原料粉末と、ジルコニア原料粉末とを、マグネシア含有アルミナ成分:ジルコニア成分=20:80となるように、図2に示すビーズミル混合機を用い、水にて湿式混合した後、球状に成形して焼結し、表面を研磨して玉精度をG3〜G5レベルに調整してボール試験片を作製した。また、各ボール試験片の断面をSEMにて観察(倍率20000倍)してアルミナ成分の粒径を測定し、平均粒径を算出した。そして、内輪及び外輪をSUJ2鋼製とし、ボール試験片を組み込んで試験軸受とした。
下記の条件にてスラスト試験を行った。尚、試験装置は図3に示すように、軸受を油浴中に浸漬した状態で回転させ、回転中の振動値を求めるとともに、一定時間毎に分解してボール試験片表面の剥離が確認された時点を寿命とした。そして、測定した実寿命と、51305軸受の計算寿命L10との比(寿命比)を求めた。マグネシア含有量に対応するマグネシア含有アルミナ成分の平均粒径、並びに寿命比の測定結果を表2に示す。
・荷重:450kgf
・ボール試験片の直径:3/8インチ
・玉数:3球
・回転数:1000rpm
・軸受:51305(内輪及び外輪はSUJ2)
・潤滑油:RO68
Figure 2013257008
上位の曲げ試験及び寿命試験から、アルミナ成分のマグネシア含有量が0.01〜0.2質量%の範囲では、平均粒径が5μm未満の微粒子となり、曲げ強度が高く、長寿命になることがわかる。マグネシア含有量が0.01質量%未満では、アルミナの成長を抑制する効果が十分ではなくなり、マグネシア含有量が0.2質量%超では、アルミナの成長を抑えることができるものの、マグネシアが偏析するようになり、機械的強度が低下して寿命が短くなる。
1 内輪
2 外輪
3 玉
4 保持器
5 シール
6 軸受空間
G 潤滑剤

Claims (1)

  1. 互いに対向配置された軌道面を備えた第1部材及び第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配置された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材及び第2部材の一方が他方に対して相対移動する電食防止転がり軸受において、
    前記転動体が、マグネシアをアルミナ全量に対し0.01〜0.2質量%の割合で含有するマグネシア含有アルミナ成分と、ジルコニア成分とを主成分とするマグネシア含有アルミナ−ジルコニア系セラミックス製であり、かつ、マグネシア含有アルミナ成分が平均粒径5μm未満であることを特徴とする電食防止転がり軸受。
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