JP2012167667A - ロータリコンプレッサ - Google Patents

ロータリコンプレッサ Download PDF

Info

Publication number
JP2012167667A
JP2012167667A JP2012015603A JP2012015603A JP2012167667A JP 2012167667 A JP2012167667 A JP 2012167667A JP 2012015603 A JP2012015603 A JP 2012015603A JP 2012015603 A JP2012015603 A JP 2012015603A JP 2012167667 A JP2012167667 A JP 2012167667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rotary compressor
cylinder
rotor
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012015603A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Tanabe
晃一 田邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2012015603A priority Critical patent/JP2012167667A/ja
Publication of JP2012167667A publication Critical patent/JP2012167667A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】作動時の摩擦抵抗が小さく、耐摩耗性に優れたロータリコンプレッサを提供する。
【解決手段】円形の内周面14aによってボア14が設けられたシリンダ11と、ボア内周面14aに内接しながら相対回転するロータと、を備えるロータリコンプレッサ10であって、ロータが偏心軸部22に嵌合する転がり軸受12から構成され、偏心軸21の回転に伴って転がり軸受12の外輪32がボア内周面14aに摺接しながら相対回転して加圧室24内の被圧縮流体を圧縮する。また、内輪31と外輪32の少なくとも一方、あるいは転動体33を特定組成で浸炭窒化処理した鋼材製とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロータリコンプレッサに関し、より詳細には、作動時の摩擦抵抗が小さく、耐摩耗性に優れたロータリコンプレッサに関する。
従来、冷媒を圧縮するコンプレッサとして知られるロータリコンプレッサでは、シリンダと、シリンダに形成されたボア内で偏心回転するロータと、ロータに摺接するベーンとを備え、シリンダの両端開放部が側板により閉じられた圧縮室が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の圧縮機は、肉厚の円環部材であるロータが、偏心軸の偏心カム部にすべり嵌合しており、偏心軸が回転すると、ロータがボアの内周面に内接しながら偏心回転する。これによって、ボア、ロータ、およびベーンによって画成される圧縮室が拡縮して、吸入口から冷媒を吸入して圧縮し、吐出口から吐出する。
特開平02−196188号公報
ところで、特許文献1に開示されている圧縮機は、ロータと偏心軸の偏心カム部とがすべり嵌合しているので、嵌合部のすべり摩擦抵抗が比較的大きく、摩擦損失が大きくなるという課題があり、更なる改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、摩擦抵抗が小さく、耐摩耗性に優れたロータリコンプレッサを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)円形の内周面を備えたシリンダと、
前記内周面の中心から偏心した偏心軸部によって、前記シリンダに内接して回転するロータと、
前記シリンダと前記ロータとの間に形成される三日月状の空間を吸入室と加圧室とに仕切る出没可能なベーンと、を備え、冷媒を圧縮するロータリコンプレッサであって、
前記ロータは、前記偏心軸部に外嵌される内輪と、前記シリンダに内接する外輪と、該内外輪間に配置される複数の転動体とを備え、かつ、前記内輪と前記外輪の少なくとも一方がC:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理が施されている鋼材製である転がり軸受によって構成されることを特徴とするロータリコンプレッサ。
(2)円形の内周面を備えたシリンダと、
前記内周面の中心から偏心した偏心軸部によって、前記シリンダに内接して回転するロータと、
前記シリンダと前記ロータとの間に形成される三日月状の空間を吸入室と加圧室とに仕切る出没可能なベーンと、を備え、冷媒を圧縮するロータリコンプレッサであって、
前記ロータは、前記偏心軸部に外嵌される内輪と、前記シリンダに内接する外輪と、該内外輪間に配置される複数の転動体とを備え、かつ、前記転動体がC:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理が施されている鋼材製であることを特徴とするロータリコンプレッサ。
(3)前記内外輪が、浸炭窒化処理されているSUJ2製であることを特徴とする上記(2)記載のロータリコンプレッサ。
(4)前記内外輪が、C:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜1.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材製であることを特徴とする上記(2)記載のロータリコンプレッサ。
(5)前記外輪の肉厚は、内輪の肉厚より厚いことを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載のロータリコンプレッサ。
(6)前記転がり軸受は、複列アンギュラ玉軸受であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載のロータリコンプレッサ。
(7)前記複列アンギュラ玉軸受は、接触角が15°〜30°であることを特徴とする上記(6)記載のロータリコンプレッサ。
本発明のロータリコンプレッサによれば、ロータが、偏心軸部に嵌合する転がり軸受から構成され、偏心軸部の回転に伴って、転がり軸受の外輪がシリンダの円形の内周面に内接しながら回転するようにしたので、偏心軸部との嵌合部を、従来の摩擦抵抗の比較的大きなすべり軸受から、摩擦抵抗の小さな転がり軸受とすることができ、摩擦による動力損失を低減させることができる。また、外輪がロータ機能を有し、外輪とロータとが一体化されているので、小型化することかできる。しかも、転がり軸受の外輪及び内輪の少なくとも一方、更には転動体は、C:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理が施されている鋼材製であるので、耐摩耗性に優れ、高圧、高温となる厳しい条件でもロータリコンプレッサが長期間に亘って性能を良好に維持することができる。
また、外輪の半径方向厚さが、内輪の半径方向厚さより大きくなっているので、ロータ機能を有する外輪の剛性が大きく、冷媒を圧縮する際に作用する大きな荷重に耐えることができ、耐久性が高く長寿命となる。
また、転がり軸受が、複列アンギュラ玉軸受であるので、アキシャルガタを小さくして圧縮効率に影響を及ぼすアキシャル隙間を小さくすると共に、玉軸受によって摩擦抵抗を抑制することができる。尚、軸受寿命とアキシャルガタを考慮すると、複列アンギュラ玉軸受の接触角は、15°〜30°に設定するのが好ましい。
本発明に係るロータリコンプレッサの縦断面図である。 図1におけるII−II断面図である。 各転がり軸受の部分断面図である。 各転がり軸受の摩擦トルクを比較するグラフである。 各転がり軸受の軸受寿命を比較するグラフである。 複列アンギュラ玉軸受の接触角と軸受寿命との関係を示すグラフである。 複列アンギュラ玉軸受の接触角とアキシャルすきまとの関係を示すグラフである。 玉及び内外輪の材質を変えたときの軸受寿命を示すグラフである。
以下、本発明に係るロータリコンプレッサの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るロータリコンプレッサの縦断面図、図2は図1におけるII−II断面図である。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、ロータリコンプレッサ10は、シリンダ11と、ロータを構成する転がり軸受である複列アンギュラ玉軸受12と、ベーン13とを備える。シリンダ11には、円形の内周面14aによって形成されるボア14と、半径方向に形成されたスリット状のベーン溝15が設けられており、両側面16、17には、側板18、19が固定されてボア14およびベーン溝15の開放端が塞がれている。ベーン溝15に嵌合するベーン13は、後端が圧縮ばね20によって押圧されてボア14内に出没自在とされている。
複列アンギュラ玉軸受12は、内輪31、外輪32、内外輪31、32の複列の軌道面間に転動自在に配設された複数の転動体である玉33、及び、玉33を円周方向に所定の間隔で保持する保持器34、を有する。
内輪31は偏心軸21の偏心軸部22に外嵌されており、偏心軸21が回転すると、複列アンギュラ玉軸受の外輪(ロータ)32が、ボア14の内周面14aに一箇所で内接しながら偏心回転する。また、圧縮ばね20によって外輪32の外周面32aに押圧されるベーン13は、外輪32の偏心回転に追従してベーン溝15内を摺動する。
ボア14の内周面14aと、外輪32の外周面32aとの間に形成される三日月状の空間Sは、ベーン13によって吸入室23と加圧室24とに仕切られている。偏心軸21の回転に伴って、これら各室23,24は拡縮され、シリンダ11に設けられた吸入口25から冷媒を吸入して圧縮し、吐出口26から吐出する。
ここで、ロータとして機能する外輪32には、冷媒などの被圧縮流体を圧縮する際に大きな荷重が作用する。このため、外輪32の肉厚[(外輪外径−外輪内径)/2]をho、内輪31の肉厚[(内輪外径−内輪内径)/2]をhiとすると、ho/hi>1.5とすることで、シリンダのボアと高い圧力で接触する外輪32の剛性を高めることができる。
また、高い接触圧でボア内周面14aと摺接する外輪32の外周面32aは、耐摩耗性を向上させるため、表面硬度HRC58〜65、中心線平均粗さ1.6s以下の面粗度としている。
玉33としては、耐食性、寸法安定性、耐摩耗性を向上するため、セラミックによって形成されている。
また、保持器34としては、鉄系保持器と比較して摩耗が少なく、耐冷媒、耐油性に優れる直鎖形ポリフェニレンサルファイド材を使用した樹脂製保持器とすることで、耐久性を向上することができる。
また、ロータ圧縮部は、高圧、高温となり、更に転がり軸受12の潤滑油には冷媒が混入して潤滑油粘度が10cst以下となる虞があるなど、極めて厳しい条件となる。このため、転がり軸受12の内輪31および外輪32を、C:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理が施されている鋼材製(以下「特定の鋼材」という)とする。
このような特定の鋼材は、例えば、C含有率が1.01質量%で、Si含有率が0.56質量%で、Mn含有率が1.10質量%で、Cr含有率が1.10質量%で、残部鉄及び不可避不純物の鋼を浸炭窒化処理して得られ、その表面に炭素量が1.0〜1.8重量%、窒素量が0.05〜0.6%で固溶している。尚、特定の鋼材の代表的なものにSUJ3等の高炭素クロム鋼等が挙げられる。
内輪31および外輪32を作製するには、例えば、特定の鋼材を旋削加工して所定形状に加工した後、混合ガス(Rxガス+プロパンガス+アンモニアガス)を導入した炉内において820〜900℃で2〜10時間加熱保持することによる浸炭窒化と、油焼入れと、160〜270℃で2時間加熱保持することによる焼戻しとを施せばよい。好ましくは、転がり表面層の残留オーステナイト量(γvol%)が20〜45体積%、且つ、平均粒径が0.5〜1.5μmの微細炭化物又は炭窒化物の分散強化により、転がり表面硬さ(Hv)が残留オーステナイト量に対して、
−4.7×(γvol%)+920≦Hv≦−4・7×(γvol%)+1020
の連続的範囲にある材料である。
また、寸法安定化処理を施してもよく、高温焼戻しで組織を安定化することにより、処理後の残留オーステナイト量を6%容量以下とし、これにより高温使用下(使用温度限界は150℃)での寸法変化を無くすことができる。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、内輪31及び外輪32を特定の鋼材製としたが、特定の鋼材で玉33を構成することもできる。また、同様の寸法安定化処理を施してもよい。
その際、内輪31及び外輪32の材質は不問であり、一般的なSUJ2製としたときでも、特定の鋼材による上記効果により、耐久性が向上する。また、SUJ2に浸炭窒化処理を施した材料は、SUJ2よりも耐久性が高まり好ましい。更には、特定の鋼材製とすることにより、内外輪に係る上記効果が相乗的に発現するためより好ましい。
特に、内輪31及び外輪32を、C:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜1.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材(以下「クロムマンガン添加鋼」という)とすることが好ましい。このようなクロムマンガン添加鋼を用いることにより、特に異物混入下における長寿命化を図ることができる。
また、内輪31及び外輪32をC:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:0.1〜2.0質量%、Cr:0.1〜2.0質量%、Mo:0.1〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材製とすることにより、耐摩耗性が向上する。
更には、内輪31及び外輪32に用いた鋼材に対し、焼戻し処理して寸法安定性を高めた鋼材を用いることもできる。尚、焼戻し温度としては、通常の焼戻し温度領域である160〜180℃より高い温度、例えば180〜350℃とすることで鋼材の高温耐久性も向上する。
なお、転がり軸受としては、任意の構成が適用可能であるが、複列アンギュラ玉軸受が好ましい。このようなロータ(転がり軸受)に要求される機能としては、低トルク、長寿命と共に、圧縮効率に影響を及ぼすラジアルガタおよびアキシャルガタの低減が挙げられ、これらの総ての条件を満足する転がり軸受が選定される必要があるが、本発明のように材質を規定することにより、これらの条件を満足することができる。
なお、複列アンギュラ玉軸受を適用する場合には、内輪2つ割れタイプとすることで、多数の玉33を組み込むことができ、軸受寿命を更に延ばすことが可能となる。
また、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、本実施形態では、ロータは内輪、外輪、および玉を備える複列アンギュラ玉軸受としたが、偏心軸部の外周面に軌道面を形成して内輪のない構造とすることもでき、これにより更に小型化が可能となる。
<試験1>
ロータリコンプレッサのロータとして用いるのに好適な転がり軸受として、図3に示すように、深溝玉軸受12a、複列アンギュラ玉軸受12、および、ニードル軸受12bを用意して、それぞれについて各性能を比較検討した。
(摩擦トルク)
軸受サイズとしては、各転がり軸受12a、12、12bとも、所定のロータリコンプレッサに組込み可能な内径20mm×外径37mm×幅12mmとし、各外輪31a,31,31b及び各内輪32a,32,32bの肉厚を、外輪の肉厚ho/内輪の肉厚hi>1.5とし、ラジアル荷重40kgf、回転数3000rpmの条件で摩擦トルクの比較を行った。目標摩擦トルクとしては、摩擦トルクが小さい深溝玉軸受12aの1.2倍以内とした。
図4に示すように、摩擦トルクは、深溝玉軸受12a<複列アンギュラ玉軸受12<ニードル軸受12bの順で大きくなり、複列アンギュラ玉軸受12の摩擦トルクは深溝玉軸受12aの摩擦トルクの略1.1倍、ニードル軸受12bの摩擦トルクは深溝玉軸受12aの摩擦トルクの略3.6倍であった。従って、ニードル軸受12cは目標摩擦トルクを満足することができない。
(軸受寿命)
次に、上記軸受サイズの深溝玉軸受12a(基本定格荷重Cr=4800N)、複列アンギュラ玉軸受12(基本定格荷重Cr=7450N)、ニードル軸受12b(基本定格荷重Cr=10300N)について、ラジアル荷重40kgf、回転数3000rpmの使用条件でL10(信頼度90%の基本定格寿命)を算出した。目標時間は30000時間とした。
図5に示すように、L10は、深溝玉軸受12a<複列アンギュラ玉軸受12<ニードル軸受12bの順で寿命が長くなり、深溝玉軸受12aのL10は略10000時間、複列アンギュラ玉軸受12のL10は略36000時間、ニードル軸受12cのL10は略50000時間であり、摩擦トルクが一番小さな深溝玉軸受12aは、目標時間である30000時間を満足することができなかった。
上記の検討結果から、摩擦トルク(深溝玉軸受の摩擦トルクの1.2倍以内)、および軸受寿命(目標時間は30000時間)を同時に満足する転がり軸受として、複列アンギュラ玉軸受12が挙げられる。
(接触角)
次に複列アンギュラ玉軸受12を対象として接触角について検討した。複列アンギュラ玉軸受12の基本定格寿命は、図6に示すように、接触角に反比例して次第に短くなることが分かっており、基本定格寿命30000時間を満足するためには、接触角30°以下とするのが望ましい。
一方、アキシャル隙間は、ロータリコンプレッサの圧縮効率に直接影響を及ぼすので、極力小さいことが望ましい。例えば、内径20mm、普通すきま最大20μmの深溝玉軸受のアキシャル隙間は100μm程度であり、圧縮効率に悪影響を及ぼす虞があり、この50%(50μm)のアキシャル隙間とすることが望ましい。
接触角とアキシャル隙間との関係は、図7に示すように、接触角が大きくなるほど小さくなることが分かっている。図7からアキシャル隙間を50μm以下とするには、接触角は15°以上となる。従って、軸受寿命30000時間以上、且つアキシャル隙間50μm以下を満足する複列アンギュラ玉軸受12の接触角としては、15°〜30°であり、好ましくは20°である。
以上の検討結果を総合すると、ロータリコンプレッサ10のロータとして好ましい転がり軸受としては、接触角20°の複列アンギュラ玉軸受12が挙げられ、外輪の肉厚ho/内輪の肉厚hi>1.5、アキシャル隙間50μm以下を満足する、例えば、内径20mm×外径37mm×幅12mmの転がり軸受が選定される。これによって軸受寿命30000時間が確保される。
<試験B>
試験軸受として複列アンギュラ玉軸受を用意し、内外輪及び玉を全てSUJ2製としたもの(軸受A)、内外輪をSUJ2製とし、玉をSUJ3製としたもの(軸受B)、内外輪を浸炭窒化処理したSUJ2製とし、玉をSUJ3製としたもの(軸受C)、内外輪をクロムマンガン添加鋼製とし、玉をSUJ3製としたもの(軸受D)とし、軸受寿命を比較した。
結果を図8に示すが、軸受Aの軸受寿命を1とする相対値で示してある。図示されるように、玉を特定の鋼材製にすることにより、軸受寿命が延びているのが分かる。特に、内外輪を浸炭窒化処理したSUJ2製(軸受C)や、クロムマンガン添加鋼製(軸受D)とすることにより、軸受寿命が格段に延びている。
10 ロータリコンプレッサ
11 シリンダ
12 複列アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
13 ベーン
14 ボア
14a 内周面
21 偏心軸
22 偏心軸部
23 吸入室
24 加圧室
31 内輪
32 外輪
33 玉(転動体)
34 保持器
ho 外輪の肉厚
hi 内輪の肉厚
S 三日月状の空間

Claims (7)

  1. 円形の内周面を備えたシリンダと、
    前記内周面の中心から偏心した偏心軸部によって、前記シリンダに内接して回転するロータと、
    前記シリンダと前記ロータとの間に形成される三日月状の空間を吸入室と加圧室とに仕切る出没可能なベーンと、を備え、冷媒を圧縮するロータリコンプレッサであって、
    前記ロータは、前記偏心軸部に外嵌される内輪と、前記シリンダに内接する外輪と、該内外輪間に配置される複数の転動体とを備え、かつ、前記内輪と前記外輪の少なくとも一方がC:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理が施されている鋼材製である転がり軸受によって構成されることを特徴とするロータリコンプレッサ。
  2. 円形の内周面を備えたシリンダと、
    前記内周面の中心から偏心した偏心軸部によって、前記シリンダに内接して回転するロータと、
    前記シリンダと前記ロータとの間に形成される三日月状の空間を吸入室と加圧室とに仕切る出没可能なベーンと、を備え、冷媒を圧縮するロータリコンプレッサであって、
    前記ロータは、前記偏心軸部に外嵌される内輪と、前記シリンダに内接する外輪と、該内外輪間に配置される複数の転動体とを備え、かつ、前記転動体がC:0.6〜1.2質量%、Si:0.1〜1.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなり、浸炭窒化処理が施されている鋼材製であることを特徴とするロータリコンプレッサ。
  3. 前記内外輪が、浸炭窒化処理されているSUJ2製であることを特徴とする請求項2記載のロータリコンプレッサ。
  4. 前記内外輪が、C:0.1〜0.6質量%、Si:0.1〜1.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cr:0.2〜2.0質量%を含み、残部がFe及び不可避不純物からなる鋼材製であることを特徴とする請求項2記載のロータリコンプレッサ。
  5. 前記外輪の肉厚は、内輪の肉厚より厚いことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のロータリコンプレッサ。
  6. 前記転がり軸受は、複列アンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のロータリコンプレッサ。
  7. 前記複列アンギュラ玉軸受は、接触角が15°〜30°であることを特徴とする請求項6記載のロータリコンプレッサ。
JP2012015603A 2011-01-28 2012-01-27 ロータリコンプレッサ Pending JP2012167667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012015603A JP2012167667A (ja) 2011-01-28 2012-01-27 ロータリコンプレッサ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011016143 2011-01-28
JP2011016143 2011-01-28
JP2012015603A JP2012167667A (ja) 2011-01-28 2012-01-27 ロータリコンプレッサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012167667A true JP2012167667A (ja) 2012-09-06

Family

ID=46972028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012015603A Pending JP2012167667A (ja) 2011-01-28 2012-01-27 ロータリコンプレッサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012167667A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102943757A (zh) * 2012-10-23 2013-02-27 即墨市振华电机厂 摆动转子压缩机
WO2020075218A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 三菱電機株式会社 圧縮機及びその圧縮機を備えた冷凍装置
CN115090877A (zh) * 2019-06-26 2022-09-23 Lg电子株式会社 旋转式压缩机的制造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102943757A (zh) * 2012-10-23 2013-02-27 即墨市振华电机厂 摆动转子压缩机
WO2020075218A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 三菱電機株式会社 圧縮機及びその圧縮機を備えた冷凍装置
TWI709721B (zh) * 2018-10-09 2020-11-11 日商三菱電機股份有限公司 壓縮機以及具備該壓縮機之冷凍裝置
JPWO2020075218A1 (ja) * 2018-10-09 2021-09-02 三菱電機株式会社 圧縮機及びその圧縮機を備えた冷凍装置
EP3865785A4 (en) * 2018-10-09 2021-10-27 Mitsubishi Electric Corporation COMPRESSOR AND REFRIGERATION DEVICE INCLUDING A COMPRESSOR
CN115090877A (zh) * 2019-06-26 2022-09-23 Lg电子株式会社 旋转式压缩机的制造方法
CN115090877B (zh) * 2019-06-26 2023-10-27 Lg电子株式会社 旋转式压缩机的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1925680A2 (en) Multi-row thrust roller bearing
JP4661801B2 (ja) スクロール型圧縮機およびその製造方法
JP5199728B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2009180327A (ja) スラストころ軸受
JPWO2003071142A1 (ja) コンプレッサ用プーリの回転支持装置
JP5609152B2 (ja) ロータリコンプレッサ
JP2000054973A (ja) ロータリコンプレッサ
JP2012167667A (ja) ロータリコンプレッサ
JP2004225743A (ja) 転がり支持装置
CN108397392A (zh) 压缩机及其泵体组件
JP2009150415A (ja) スラストころ軸受
JP4069839B2 (ja) 摺動装置とその製造法及び冷媒圧縮機
JP2009150507A (ja) スラストころ軸受
JP2009150508A (ja) スラストころ軸受
JP2003156050A (ja) スラストニードル軸受
JP3722599B2 (ja) 回転式圧縮機
CN112112804B (zh) 旋转式压缩机
JP2014185769A (ja) スラスト玉軸受
JP2009168066A (ja) スラストころ軸受
JPS6361378B2 (ja)
KR20090095376A (ko) 로터리 압축기
JP3363913B2 (ja) 摺動部材
JP2014129868A (ja) スラスト玉軸受
CN101684809A (zh) 旋转压缩机
JP2005273471A (ja) 転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140210