JP2005307903A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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弘之 福原
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
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Abstract

【課題】スクロール圧縮機のスラスト摺動面の高い信頼性を実現すること。
【解決手段】可動スクロール3の表面にショットを圧縮空気で吹き付けて形成することにより微少な窪み41が形成され、潤滑油9が貯留され可動スクロール3が運転することにより潤滑油9がスラスト面42ににじみ出るのでかじりや焼き付きの無い高い信頼性を持つスクロール圧縮機となる。
【選択図】図1

Description

本発明は業務用、および非業務用を問わず、各種用途での冷凍空調に使用されているスクロール圧縮機に関するものである。
冷凍空調用の圧縮機としては、圧縮機構の方式がレシプロ式、ローリングピストン式およびスクロール式のものがあり、いずれの方法も家庭用、業務用の冷凍空調分野で使用されている。いずれの方式の圧縮機も、密閉容器内に、圧縮機構部と、その駆動用のシャフト、及び電動機等を収容して構成されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された密閉圧縮機には、空調機用のスクロール圧縮機について動作等が詳細に説明されている。
ここでは、HCFC系冷媒R22を作動ガスに使用している場合のスクロール圧縮機を例にとり、従来の技術を説明する。
図5に従来のスクロール圧縮機の縦断面図を示す。
図5において、密閉容器1の内部には、固定スクロール2aと可動スクロール3とから構成された圧縮機構部2、オルダム継手4を介して可動スクロール3を固定スクロール2aに対して旋回運動させるシャフト5と、固定スクロール2aを固定されシャフト5を回転自在に支持する軸受部材6を設けている。
シャフト5には電動機7の回転子7aが取り付けられており、胴シェル21に焼き嵌め固定された固定子7bとともに軸受部材6の下部に配設されている。
密閉容器1の下方底部には潤滑油9を貯溜する油溜め10が設けられており、シャフト5の貫通穴13の下端より油溜め10の潤滑油9をシャフト5の回転に伴いオイルポンプ17で吸い上げ、ジャーナル軸受6a、偏芯軸受3a、および固定スクロール2aと可動スクロール3などの各摺動面へ供給する。
次に、以上のような構成を有する従来のスクロール圧縮機における、冷媒ガスの圧縮サイクルを説明する。空調機の熱交換器(図示せず)などを循環してきた低圧の冷媒ガスは吸入管11より圧縮機構部2に吸入される。
吸入された冷媒ガスは、固定スクロール2aと可動スクロール3との間に形成された三日月状の圧縮空間(図示せず)に入り、可動スクロール3の旋回運動により三日月状の圧縮空間が外側から中央に向かって次第に縮小することで、冷媒ガスは圧縮され高圧ガスとなり吐出孔12より吐出される。
吐出孔12より吐出された高圧ガスは、一旦密閉容器1内の固定スクロール2aの上方の吐出空間1aへ吐出され、ガス通路14を通じ、電動機7が収容された下部空間1bに流れ、回転子7a内に設けられたガス通路18aから密閉容器1の底部空間1cへ、さらに固定子7bの外周に設けられた通路18bを通じ上方に流れ、通路14とは別に設けられたガス通路15を通じ、固定スクロール2aより上方の空間1cに流れ、吐出管16より、外部の図示しない熱交換器などの空調システムへ吐出される。そして、高圧ガスは該空調システムにおいて空調機の熱交換器などを循環し低圧ガスとなり、再び吸入管11より圧縮機に戻る周知の圧縮サイクルを構成する。
次に、従来のスクロール圧縮機における、各摺動部へ潤滑油9を供給する潤滑油の循環サイクルを説明する。油溜め10からオイルポンプ17で吸い上げられた潤滑油9は、シャフト5の貫通穴13の中を上昇し、偏心軸受3a、ジャーナル軸受6aおよび各摺動部を潤滑、冷却して、ジャーナル軸受6aの下部の油排出口から可動子7a上部へ排出され、可動子7a内の通路18bを通って底部の油溜め10に戻る潤滑油の循環サイクルを形成している。
また、偏心軸受3aを通った潤滑油9の一部も、可動スクロール3の下方のボス部空間21から、オルダム継手4が設置された背圧空間22、そして背圧空間22の圧力を調整する吸入背圧調整弁23を通じて吸入側の圧縮室24に導かれ、可動スクロール3の旋回運動により圧縮された冷媒ガスとともに吐出孔12よりでてガス通路14、18aを通じ、底部の油溜め10に戻る潤滑油の循環サイクルを形成している。この循環サイクルの過程で、オルダム継手4および可動スクロール3、固定スクロール2a等の各摺動部を潤滑、冷却する。
しかしながら、地球環境への問題へ対応から、従来用いられていたR12等のCFC系やR22などのHCFC系冷媒より地球温暖化抑制に適した、高効率で地球温暖化係数の小さいHFC系冷媒(例えば、R410A、またはR32等を、主成分としたHFC系冷媒等)、あるいは地球温暖化係数がさらに小さい自然冷媒(例えば、二酸化炭素(以後CO2と記す)等)を冷媒に用いた機器の利用が進められている。
これらの冷媒の多くは、冷媒の特性上、機器のシステム効率を高めるために、従来冷媒R22等より作動圧力が高くする必要があり、その圧力に応じて摺動部は大きい力を受けながら摺動する。
例えば、図5に示す上記圧縮機の構成の場合、ボス部空間21及び背圧空間22の圧力により可動スクロール3は、固定スクロール2aに押付けられながら旋回運動しているが、その際図7に示すように、固定スクロール2aの圧縮室スラスト面32bと可動スクロール3のラップ端面33a(図中では上面側)、同様に固定スクロール2aのラップ端面32a(図中では下面側)と可動スクロール3の圧縮室スラスト面33bが、上記荷重を受けながら互いに摺動している。
またオルダム継手4のキー部4aと可動スクロール3のキー溝部3bも、上記同様に荷重を受け互いに摺動している。
これらの摺動部では、過酷な運転条件や従来フロンHCFCの代替用冷媒ガス(潤滑作用を有していた塩素がないHFC系冷媒R410A、自然冷媒CO2等)での高差圧の運転条件において、運転時には過大な荷重が発生し摺動部の潤滑油膜が非常に薄くなり、部分的に接触する(境界潤滑に近い)混合潤滑状態となる。この(境界潤滑に近い)混合潤滑状態が続いた場合には、摺動部の表面に摩耗が発生し、信頼性を損なう課題が生じていた。
この課題に対応するため、摺動部の表面に耐摩耗性の高い、材料や表面処理を有する構成が考案、実施されている。
従来、この種の表面処理はPTFEなどの固体潤滑剤に皮膜を形成している(例えば、特許文献2参照)。
図6は、特許文献2に記載された従来の可動スクロールの断面を示すものである。図6に示すように、渦巻き部3aの上部と、鏡板3bの底面に固体潤滑剤30の皮膜が形成されている。
特開2002−161856号公報 特開2002−054585号公報
しかしながら、前記従来の構成では、圧縮ガスの漏洩を少なくするために隙間を詰めた場合、面同士の接触圧力がきつくなり固体潤滑剤30の剥離が発生し、固定スクロール2aと可動スクロール3が固着するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、可動スクロールの表面に微少な窪み形状を配設し保油性を向上し信頼性を向上させたスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、可動スクロール部材の表面に多数の微少な窪みを設けたものである。
これによって、潤滑油の保油性が高くなり、面同士の接触圧力が高くなっても潤滑油が切れることが無いので高い信頼性を実現することが出来る。
また、本発明のスクロール圧縮機は、二酸化炭素ガスを圧縮するスクロール圧縮機で、可動スクロールの部材の表面にスズメッキを施したものである。このことにより、固定スクロールとのなじみ性が良くなり、焼き付きが回避され高い信頼性の圧縮機を提供することができる。
本発明のスクロール圧縮機は、高い信頼性の圧縮機を実現することが出来る。
第1の発明は、鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、ガスの圧縮を行うようにしたスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面に多数の微少な窪みを設けることにより、多数の潤滑油溜まりが表面に形成されるので保油性が高くなり面同士の接触圧力が高くなっても潤滑油が切れることが無いので高い信頼性を実現することが出来る。
第2の発明は、鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、ガスの圧縮を行うようにしたスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面に更に多数の微少な窪みと固体潤滑剤の浸入層を形成することにより、多数の潤滑油溜まりが表面に形成されるので保油性が高くなりさらに、固体潤滑剤の被膜が有るので面同士の接触圧力が高くなった時に、金属接触することが無く保油性も確保されるので、さらに信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
第3の発明は、特に、第2の発明の固体潤滑剤を二硫化モリブデンとすることにより、そのすべり性が非常に良好であるため、接触圧力が高くなっても固体潤滑剤が剥離することなく、多数の微少な窪みに保たれた潤滑油と共に潤滑効果が更に高くなるので、信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
第4の発明は、特に、第2の発明の固体潤滑剤をショットピーニング工法で表面に打ちつけることにより、母材表面に固体潤滑剤の薄い皮膜と内部に浸入した層とが形成され、表面の皮膜は薄いので固体潤滑剤を打ち付けることにより形成された多数の微少な窪み形状はほとんどそのまま維持されるので、固体潤滑剤の持つ滑り性と窪みの持つ保油性の効果が発揮され、非常に信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
第5の発明は、鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、ガスの圧縮を行うようにしたスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面に多数の微少な窪みを設け、さらにその表層に固体潤滑剤の皮膜を成膜することにより、固体潤滑剤が剥離しても多数の潤滑油溜まりが表面に形成されるので保油性が高くなり面同士の接触圧力が高くなっても潤滑油が切れることが無いので高い信頼性を実現することが出来る。また、固体潤滑剤が剥離することを前提に、数マイクロメートルの厚さで薄く塗布した場合でも、多数の微少な窪みの中に固体潤滑剤が残留し、油と固体潤滑剤の溜まり部分となるので接触面への潤滑油と固体潤滑剤の供給が途切れることなく行われるので、高い信頼性を確保することが出来る。
第6の発明は、特に第5の発明の固体潤滑剤を二硫化モリブデンとすることにより、そのすべり性が非常に良好であるため、接触圧力が高くなっても固体潤滑剤が剥離することなく、多数の微少な窪みに保たれた潤滑油と共に潤滑効果が更に高くなるので、信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
第7の発明は、特に第5の発明でショットピーニングで多数の微少な窪みを形成した後、更に、二硫化モリブデンをショットピーニング工法で打ち付けた表面は多数の微少な窪み形状はそのまま維持され、さらに、固体潤滑剤の浸入層の持つ滑り性と窪みの持つ保油性の効果が発揮され、非常に信頼性の高い圧縮機を提供することが出来る。
第8の発明は、特に第5の発明でショットピーニングで多数の微少な窪みを形成した後、更に、二硫化モリブデンを浸漬または噴霧で成膜するので、接触面の二硫化モリブデンが剥離した場合でも多数の微少な窪みの中には二硫化モリブデンが残存するので、窪みに保油された油と主に焼き付くことのない、高い信頼性の圧縮機を実現することが出来る。
第9の発明は、鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、二酸化炭素ガスの圧縮を行い、PAG、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼン、または鉱油の少なくとも1種類を潤滑油として使用するスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面にスズメッキを施したものである。このスズメッキを施すことにより、固定スクロールとの接触面のなじみ性が向上し、焼き付く事無く、運転を継続することが出来るようになり、高い信頼性を確保することが出来る。
第10の発明は、特に第1乃至第8の発明で、潤滑油がPAG、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼン、または鉱油を使用したスクロール圧縮機である。微少な多数の窪みとこれらの固体潤滑剤の効果から、高い信頼性をもったスクロール圧縮機を提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスクロール圧縮機の可動スクロールの表面の断面を示すものである。
図1において、可動スクロール3の表面には多数の微少な窪み41が形成されている。これは、40μmから200μmの直径を有する粒状の例えば、鉄、ガラス等の物質をショットピーニングを使用して、圧縮空気で可動スクロール3に吹き付けることにより形成される。微少な窪み41の大きさは、直径が10μmから30μmで、深さが1μmから3μmである。
以上のように構成された表面の多数の微少な窪み41について、以下その動作、作用を説明する。
まず、この表面の多数の微少な窪み41に潤滑油9が供給されると窪み41は潤滑油9を貯留し、可動スクロール3が旋回運動を開始すると、固定スクロール2aまたは軸受14と接触するスラスト面42では潤滑油が相対的な動きに引かれて、スラスト面42ににじみ出て行く事により、潤滑がスムーズとなり、高い信頼性を実現することが出来る。潤滑油9はにじみ出ると同時に、冷媒と共に吸入された際に窪み41に貯留されるので、スラスト面42への供給が続けられることになり、高い信頼性を確保することが出来る。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態におけるスクロール圧縮機の可動スクロールの表面の断面を示すものである。
図2において、可動スクロール3の表面には多数の更に微少な窪み51が形成されており、さらに、深さが1〜30マイクロメートルの固体潤滑剤の侵入層52が形成されており、固体潤滑剤の侵入層52はスラスト面53の表面にも形成されている。これは、粒径が20μmから200μmの固体潤滑剤である二硫化モリブデンを造粒したものをショットピーニングを使用して圧縮空気で可動スクロール3に吹き付けることにより形成される。更に微少な窪み51の大きさは、直径が2μmから10μmで、深さが0.2μmから1.5μmである。
以上のように構成された表面の多数の更に微少な窪み51について、以下その動作、作用を説明する。
まず、この表面の多数の更に微少な窪み51に潤滑油9が供給されると窪み51は潤滑油9を貯留し、可動スクロール3が旋回運動を開始すると、固定スクロール2aまたは軸受14と接触するスラスト面53では潤滑油9が相対的な動きに引かれて、スラスト面53ににじみ出て行く事により、スラスト面53の潤滑がスムーズとなり、高い信頼性を実現することが出来る。さらに、運転直後に潤滑油9が相対的な運動に引かれてスラスト面53ににじみ出る前や潤滑油9が洗い流されるような運転状態の時でも二硫化モリブデンの侵入層52が相手スラスト面と接触することにより、スラスト面の表面及び侵入層に有る二硫化モリブデンの固体潤滑作用で、さらに高い信頼性を実現することとなる。潤滑油9はにじみ出ると同時に、冷媒と共に吸入された際に窪み51に貯留されるので、スラスト面53への供給が続けられることになり、さらに高い信頼性を確保することが出来る。
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態におけるスクロール圧縮機の可動スクロールの表面の断面を示すものである。
図3において、可動スクロール3の表面には多数の微少な窪み61が形成されている。これは、40μmから200μmの直径を有する粒状の例えば、鉄、ガラス等の物質をショットピーニングを使用して、圧縮空気で可動スクロール3に吹き付けることにより形成される。さらにその上に二硫化モリブデンを主剤とする固体潤滑被膜62を1〜3ミクロンの厚さで塗布、焼き付けしたものである。ここで、塗布とは浸漬、噴霧の手段を含むものである。また、ここで焼き付けとは、固体潤滑被膜62を固着させるための意味である。微少な窪み61の大きさは、直径が5μmから30μmで、深さが0.2μmから2μmである。
以上のように構成された表面の多数の微少な窪み61について、以下その動作、作用を説明する。
まず、この表面の多数の微少な窪み61に潤滑油9が供給されると窪み61は潤滑油9を貯留し、一部は固体潤滑剤の被膜62に含油される。可動スクロール3が旋回運動を開始すると、固定スクロール2aや軸受14と接触するスラスト面63では潤滑油9が相対的な動きに引かれて、スラスト面63ににじみ出て行く事により、スラスト面63の潤滑がスムーズとなり、高い信頼性を実現することが出来る。更に、動き始めや、潤滑油9が洗い流されるような運転状態の時でも潤滑油9を含んだ固体潤滑剤の皮膜62が相手スラスト面と接触摺動することにより、固体潤滑剤の固体潤滑作用と潤滑油9の潤滑作用とで、高い信頼性を確保することが出来る。潤滑油9はにじみ出ると同時に、冷媒と共に吸入された際に窪み61と固体潤滑被膜62に貯留されるので、スラスト面63への供給が続けられることになり、高い信頼性を確保することが出来る。
(実施の形態4)
図4において、二酸化炭素を圧縮するスクロール圧縮機に於いて、可動スクロール3の固定スクロール2aと摺動する表面には金属粉体スズを圧縮空気で吹き付けることによりスズメッキ層72と共に微少な窪み71が形成されている。ここで、具体的な形成方法は前述の実施の形態2と同様の方法である。
以上のように構成されたスズメッキ層72について、以下その動作、作用を説明する。
まず、スズメッキ層72は相手スラスト軸受との接触を潤滑油9と一緒に行うことにより、スラスト面73の初期のなじみ性が高くなり、高い信頼性を実現することが出来る。更に、ショットブラスト工法で金属粉体スズを吹き付けているため、表面は微少な多数の窪み71が形成されているため、さらに潤滑油9の保油性が高まり、二酸化炭素ガスの圧縮を行い、PAG、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼン、または鉱油の少なくとも1種類を潤滑油として使用するスクロール圧縮機の信頼性を更に高めることが出来る。
なお、前述の実施の形態において、窪みの形状は段付き軸受け、およびテーパードランド軸受けの形状となっているものでも良い。
以上のように、本発明にかかるスクロール部材の表面処理は、表面の多数の微少な窪みによる潤滑油の貯留と相対運動によるにじみ出しが可能となるので、潤滑油が供給されるあらゆる摺動面を持つ機構部品の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の可動スクロール表面の断面図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の可動スクロール表面の断面図 本発明の実施の形態3におけるスクロール圧縮機の可動スクロール表面の断面図 本発明の実施の形態4におけるスクロール圧縮機の可動スクロール表面の断面図 従来のスクロール圧縮機の縦断面図 従来のスクロール圧縮機における可動スクロールの縦断面図 従来のスクロール圧縮機におけるスクロールの要部縦断面図
符号の説明
3 可動スクロール
9 潤滑油
41、61 微少な窪み
42、53、63、73 スラスト面
51、71 更に微少な窪み
52 固体潤滑剤の侵入層
62 固体潤滑剤の皮膜
72 スズメッキ層

Claims (10)

  1. 鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、ガスの圧縮を行うようにしたスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面に多数の微少な窪みを設けたスクロール圧縮機。
  2. 鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、ガスの圧縮を行うようにしたスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面に更に多数の微少な窪みと固体潤滑剤の浸入層を形成したスクロール圧縮機。
  3. 固体潤滑剤が二硫化モリブデンを主剤とした請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 固体潤滑剤をショットピーニングで打付けた請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  5. 鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、ガスの圧縮を行うようにしたスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面に多数の微少な窪みを設け、その表層に固体潤滑剤の被膜を成膜したスクロール圧縮機。
  6. 固体潤滑剤が二硫化モリブデンを主剤とした請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  7. 固体潤滑剤をショットピーニングで打付けた請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  8. 固体潤滑剤を浸漬または噴霧で成膜した請求項5に記載のスクロール圧縮機。
  9. 鏡板上に渦巻き部を有する固定スクロール部材と鏡板上に渦巻き部を有する可動スクロール部材を、前記両スクロール部材の渦巻き部がお互いに噛み合わせた状態で配設し前記両スクロール部材間に圧縮室を形成し、前記可動スクロール部材を前記固定スクロール部材の周りで公転させることにより前記圧縮室を渦巻き部の外周側から中心部に移動させて、二酸化炭素ガスの圧縮を行い、PAG、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼン、または鉱油の少なくとも1種類を潤滑油として使用するスクロール圧縮機において、前記可動スクロール部材の表面にスズメッキを施したスクロール圧縮機。
  10. 二酸化炭素を圧縮し、潤滑油がPAG、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼン、または鉱油の少なくとも1種類を使用する請求項1乃至8に記載のスクロール圧縮機。
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