JP2001221232A - 樹脂製スラスト軸受の製造方法 - Google Patents

樹脂製スラスト軸受の製造方法

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JP2001221232A JP2000027128A JP2000027128A JP2001221232A JP 2001221232 A JP2001221232 A JP 2001221232A JP 2000027128 A JP2000027128 A JP 2000027128A JP 2000027128 A JP2000027128 A JP 2000027128A JP 2001221232 A JP2001221232 A JP 2001221232A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製スラスト軸受1の摺動面2に傾斜面部
3や段差部等の凹部を比較的容易に形成することがで
き、もって樹脂製スラスト軸受1を比較的容易に精度良
く製造することが可能な樹脂製スラスト軸受1の製造方
法を提供する。 【解決手段】 摺動面2に傾斜面部3または段差部等の
凹部を有する樹脂製スラスト軸受1の製造方法におい
て、摺動面2を平面状に成形するとともに非摺動面5に
肉盗み部6を成形し、非摺動面5における肉盗み部6の
成形位置は摺動面2における凹部を形成しない部分に対
応する位置であり、成形後における樹脂材料の成形収縮
を利用して摺動面2に凹部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製品の成形方
法に係り、特に、樹脂製スラスト軸受の製造方法に関す
るものである。この樹脂製スラスト軸受は例えば、自動
車等車両における回転軸のスラスト軸受部に利用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、図5(A)に示す樹脂製スラ
スト軸受51が知られており、この樹脂製スラスト軸受
51の摺動面52には、作動時の動圧効果を得ることを
目的として、同図(B)に示す傾斜面部53や、同図
(C)に示す段差部54等の凹部が所要数放射状に設け
られている。同図(B)の傾斜面部53は摺動面52に
対して所定角度θ傾斜した底面53aを備えた凹部であ
り、この傾斜面部53を設けた軸受は「テーパードラン
ド軸受」と称されることがある。また、同図(C)の段
差部54は摺動面52に対して平行な底面54aを備え
た凹部であり、この段差部54を設けた軸受は「ステッ
プドランド軸受」と称されることがある。これらの傾斜
面部53や段差部54等の凹部は、大きな動圧効果を得
るために、その大きさを微小なものとして形成されてい
る。
【0003】しかしながら、従来の金型成形による樹脂
製スラスト軸受51の製造方法においては、成形品であ
る樹脂製スラスト軸受51にこれらの傾斜面部53や段
差部54等の凹部を成形するために、金型(図示せず)
の成形キャビティの内面に予めこれらの傾斜面部53や
段差部54等の凹部に対応して凸部を形成し、この凸部
を形成した金型を使用して樹脂製スラスト軸受51を成
形している。凸部は凹部に対応してその大きさが微小な
ものであり、この微小な大きさの凸部を精度良くキャビ
ティの内面に形成しなければならない。
【0004】したがって、上記従来技術によると、金型
のキャビティの内面に微小な大きさの凸部を形成しなけ
ればならないために、金型の製作が極めて難しく、よっ
て樹脂製スラスト軸受51を精度良く製造するのが困難
であると云う不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みて、樹脂製スラスト軸受の摺動面に傾斜面部や段差部
等の凹部を比較的容易に形成することができ、もって樹
脂製スラスト軸受を比較的容易に精度良く製造すること
が可能な樹脂製スラスト軸受の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1による樹脂製スラスト軸受の製造
方法は、摺動面に傾斜面部または段差部等の凹部を有す
る樹脂製スラスト軸受の製造方法において、前記摺動面
を平面状に成形するとともに非摺動面に肉盗み部を成形
し、前記非摺動面における前記肉盗み部の成形位置は前
記摺動面における前記凹部を形成しない部分に対応する
位置であり、成形後における樹脂材料の成形収縮を利用
して前記摺動面に前記凹部を形成することを特徴とする
ものである。
【0007】また、本発明の請求項2による樹脂製スラ
スト軸受の製造方法は、摺動面に通油溝を有するととも
に前記通油溝の一方の縁に沿って傾斜面部または段差部
等の凹部を有する樹脂製スラスト軸受の製造方法におい
て、前記摺動面に前記通油溝を成形するとともに非摺動
面に肉盗み部を成形し、前記非摺動面における前記肉盗
み部の成形位置は前記摺動面における前記通油溝の溝幅
方向非対称の位置に対応する位置であり、成形後におけ
る樹脂材料の成形収縮を利用して前記摺動面に前記凹部
を形成することを特徴とするものである。
【0008】樹脂製スラスト軸受の成形材料である樹脂
材料には一般に、その肉厚が薄い部分よりも肉厚が厚い
部分の方が成形後における成形収縮量が大きいと云う特
性があり、本発明はこの特性を有効に利用して、樹脂製
スラスト軸受の摺動面に傾斜面部や段差部等を凹部を形
成する。
【0009】本発明の提供する技術は、摺動特性向上を
目的とした微小傾斜や段差を有する片面のみ摺動の樹脂
製スラスト軸受において、摺動面側のキャビティは平面
のままで、非摺動面側に肉盗みを設け、軸方向の樹脂肉
厚を変化させた形状で金型成形することにより、摺動面
に微小な傾斜や段差を生成する樹脂製軸受に関するもの
であり、また、内周もしくは外周面と通ずる通油溝を設
けた軸受において、非摺動面側に通油溝に対し非対称と
なるように肉盗みを設けることにより、通油溝に対し一
定方向のみに微小傾斜や段差を生成する樹脂製軸受に関
するものである。
【0010】上記したように、金型に微小な傾斜や段差
を設けることは困難であることから本発明では、摺動面
側の金型は平面のままとし、微小な傾斜や段差(凹み)
を設けたい部分の肉厚が厚くなるように、非摺動面側か
ら肉盗みを設けた形状とすることにより、肉厚が薄い部
分よりも厚い部分で成形収縮量が大きくなる樹脂の成形
収縮の性質を利用して、摺動面に微小の凹部を発生させ
る。したがって、本発明では、樹脂の成形収縮を利用し
ていることから、摺動面側の金型に微小傾斜や段差を設
けるよりも、比較的ラフな精度で肉盗みを設けることで
微小な傾斜や段差(凹み)を生成することが可能とな
る。
【0011】また、本発明によれば、肉厚の差の大きさ
および肉厚変化の勾配を変えることにより、摺動面上に
生成される段差(凹み)の深さや傾斜角度を変化させる
ことが可能であり、非摺動面側に設ける肉盗みの形状を
スパイラル溝やヘリングボーン溝形状にすることによ
り、複雑な溝形状品でも容易に微小な傾斜や段差(凹
み)が生成可能となる。
【0012】また、内周もしくは外周面より摺動面に設
けた通油溝に対し非対称位置に肉盗みを配置させること
により、摺動面溝に対し一定方向側にのみ傾斜や段差を
容易に作成することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にし
たがって説明する。
【0014】第一実施例・・・当該実施例に係る軸受の
製造方法は、図1(A)に示す樹脂製スラスト軸受1を
製造するものであり、この樹脂製スラスト軸受1の摺動
面2には、作動時の動圧効果を得る動圧溝として、傾斜
面部3または段差部4等の凹部が所要数放射状に設けら
れている。この傾斜面部3または段差部4等の凹部は放
射状の溝として設けられているが、これに代えて、同図
(B)に示すようにヘリングボーン溝として設けられた
り、またはスパイラル溝(図示せず)として設けられた
りする場合があり、その正面形状(軸方向から見た形
状)は特に限定されるものではない。
【0015】全体として円環状を呈する樹脂製軸受1の
摺動面2に傾斜面部3を形成する場合には、その工程が
以下のようになる。尚、上記したように傾斜面部3は摺
動面2に対して所定角度θ傾斜した底面3a(図2参
照)を備えた凹部であり、傾斜面部3を設けた軸受は
「テーパードランド軸受」と称されることがある。
【0016】すなわち先ず、当該軸受1を所定の樹脂を
成形材料として金型を使用して成形するが、このとき、
図2(A)に示すように、当該軸受1の軸方向一方の端
面である摺動面2を軸直角の平面状に成形するととも
に、軸方向他方の端面である非摺動面(反摺動面または
裏面とも称する)5に傾斜面部3に対応して肉盗み部6
を成形し、当該軸受1の厚さ(軸方向長さ)に部分部分
で差を付ける(d<d )。非摺動面5に肉盗み部6
を成形し、よって厚さdを比較的小さく設定するのは
摺動面2に傾斜面部3を形成しない部分であり、反対
に、非摺動面5に肉盗み部6を成形せず、よって厚さd
を比較的大きく設定するのは摺動面2に傾斜面部3を
形成する部分である。互いに隣り合う肉盗み部6の間の
部分は肉盗み部6に対して相対に突出する突出部7とさ
れ、この突出部7は端面7aおよび周方向両側の側面7
b,7cを有している。端面7aはこれを、摺動面2と
平行であり、かつ所定の幅(周方向長さ)を備えるよう
に成形する。一方の側面7bはこれを摺動面2と直交す
るように成形する。他方の側面7cはこれを、傾斜面部
3の底面3aに所定角度θの傾斜を付けるために、傾斜
面状に成形する。
【0017】そして、このように成形した軸受1を金型
から取り出して所定時間室温で放置したり冷却したりす
ると、樹脂材料に成型後の熱収縮が発生し、これによ
り、図2(B)に示すように、非摺動面5における肉盗
み部6および突出部7による凹凸形状に対応して摺動面
2に所定形状を備えた傾斜面部3が形成される。傾斜面
部3の底面3aは摺動面2に対して所定角度θ傾斜した
傾斜面状に形成され、この底面3aの深い方の幅方向端
部から摺動面2にかけての側面3bも、その深さが徐々
に浅くなるように形成される。
【0018】傾斜面部3の正面形状は、肉盗み部6また
は突出部7の正面形状により変更可能であり、傾斜面部
3の幅は、互いに隣り合う肉盗み部6の間隔または突出
部7の幅により変更可能である。また、傾斜面部3の深
さ(軸方向長さ)は肉盗み部6の深さまたは突出部7の
高さまたは上記厚さの差により変更可能であり、傾斜面
部3の底面3aの傾斜角度θは突出部7の他方の側面7
cの傾斜角度により変更可能である。
【0019】したがって、何れにしろ上記工程を備えた
製造方法によれば、金型のキャビティの内面に上記従来
技術のように傾斜面部形成用の微小な凸部を形成する必
要がなく、この傾斜面部形成用の凸部に代えて金型のキ
ャビティの内面に形成する肉盗み部形成用の凸部はその
ボリュームが傾斜面部形成用の凸部よりも圧倒的に大き
いものであるために、この分、凸部形成に関して寸法精
度を実質緩和することが許容される。したがって、金型
の製作が容易化されるとともに軸受1の摺動面2に傾斜
面部3を比較的容易に形成することが可能となり、摺動
面2に傾斜面部3を備えた樹脂製スラスト軸受1を比較
的容易に精度良く製造することが可能となる。
【0020】第二実施例・・・また、全体として円環状
を呈する樹脂製軸受1の摺動面2に段差部4を形成する
場合には、その工程が以下のようになる。尚、上記した
ように段差部4は摺動面2に対して平行な底面4a(図
3参照)を備えた凹部であり、段差部4を設けた軸受は
「ステップドランド軸受」と称されることがある。
【0021】すなわち先ず、当該軸受1を所定の樹脂を
成形材料として金型を使用して成形するが、このとき、
図3(A)に示すように、当該軸受1の軸方向一方の端
面である摺動面2を軸直角の平面状に成形するととも
に、軸方向他方の端面である非摺動面(反摺動面または
裏面とも称する)5に段差部4に対応して肉盗み部6を
成形し、当該軸受1の厚さ(軸方向長さ)に部分部分で
差を付ける(d<d)。非摺動面5に肉盗み部6を
成形し、よって厚さdを比較的小さく設定するのは摺
動面2に段差部4を形成しない部分であり、反対に、非
摺動面5に肉盗み部6を成形せず、よって厚さdを比
較的大きく設定するのは摺動面2に段差部4を形成する
部分である。互いに隣り合う肉盗み部6の間の部分は肉
盗み部6に対して相対に突出する突出部7とされ、この
突出部7は端面7aおよび周方向両側の側面7b,7c
を有している。端面7aはこれを、摺動面2と平行であ
り、かつ所定の幅(周方向長さ)を備えるように成形す
る。一方の側面7bはこれを摺動面2と直交するように
成形する。他方の側面7cはこれも摺動面2と直交する
ように成形する。
【0022】そして、このように成形した軸受1を金型
から取り出して所定時間室温で放置したり冷却したりす
ると、樹脂材料に成型後の熱収縮が発生し、これによ
り、図3(B)に示すように、非摺動面5における肉盗
み部6および突出部7による凹凸形状に対応して摺動面
2に所定形状を備えた段差部4が形成される。段差部4
の底面4aは摺動面2と平行に形成され、この底面3a
から摺動面2にかけての両側面4b,4cはそれぞれ、
その深さが徐々に浅くなるように形成される。
【0023】段差部4の正面形状は、肉盗み部6または
突出部7の正面形状により変更可能であり、段差部4の
幅は、互いに隣り合う肉盗み部6の間隔または突出部7
の幅により変更可能である。また、段差部4の深さ(軸
方向長さ)は肉盗み部6の深さまたは突出部7の高さま
たは上記厚さの差により変更可能である。
【0024】したがって、何れにしろ上記工程を備えた
製造方法によれば、金型のキャビティの内面に上記従来
技術のように段差部形成用の微小な凸部を形成する必要
がなく、この段差部形成用の凸部に代えて金型のキャビ
ティの内面に形成する肉盗み部形成用の凸部はそのボリ
ュームが段差部形成用の凸部よりも圧倒的に大きいもの
であるために、この分、凸部形成に関して寸法精度を実
質緩和することが許容される。したがって、金型の製作
が容易化されるとともに軸受1の摺動面2に段差部4を
比較的容易に形成することが可能となり、摺動面2に段
差部4を備えた樹脂製スラスト軸受1を比較的容易に精
度良く製造することが可能となる。
【0025】第三実施例・・・図4(A)に示すよう
に、樹脂製スラスト軸受1には、その摺動面2に潤滑油
供給用の通油溝8を所要数放射状に設けるとともに、こ
の通油溝8の周方向一方の縁に沿ってそれぞれ通油溝8
よりも深さの浅い段差部4を設けたものがあり、このよ
うに全体として円環状を呈する樹脂製軸受1の摺動面2
に通油溝8および段差部4を形成する場合には、その工
程が以下のようになる。
【0026】すなわち先ず、当該軸受1を所定の樹脂を
成形材料として金型を使用して成形するが、このとき、
図4(B)に点線で示すように、当該軸受1の軸方向一
方の端面である摺動面2を軸直角の平面状に成形し、こ
の摺動面2に通油溝8を所要数放射状に成形するととも
に、軸方向他方の端面である非摺動面(反摺動面または
裏面とも称する)5に段差部4に対応して肉盗み部6を
成形し、当該軸受1の厚さ(軸方向長さ)に部分部分で
差を付ける。非摺動面5に肉盗み部6を成形して厚さを
比較的小さく設定するのは、摺動面2に段差部4を形成
しない部分であり、反対に、非摺動面5に肉盗み部6を
成形せずに厚さを比較的大きく設定するのは、摺動面2
に段差部4を形成する部分である。互いに隣り合う肉盗
み部6の間の部分は肉盗み部6に対して相対に突出する
突出部7とされ、この突出部7は端面部7aおよび周方
向両側の側面7b,7cを有している。端面部7aはこ
れを、摺動面2と平行であり、かつ所定の幅(周方向長
さ)を備えるように成形する。一方の側面7bはこれを
摺動面2と直交するように成形する。他方の側面7cは
これを、段差部4の側面4bに所定角度の傾斜を付ける
ために、傾斜面状に成形する。段差部4が通油溝8の周
方向一方の縁に片寄って形成されるため、肉盗み部6お
よび突出部7の周方向成形位置は通油溝8の溝幅方向非
対称の位置とされる。
【0027】そして、このように成形した軸受1を金型
から取り出して所定時間室温で放置したり冷却したりす
ると、樹脂材料に成型後の熱収縮が発生し、これによ
り、図4(B)に実線で示すように、非摺動面5におけ
る肉盗み部6および突出部7による凹凸形状に対応して
摺動面2における通油溝8の周方向一方の縁に所定形状
を備えた段差部4が形成される。段差部4の底面4aは
摺動面2と平行に形成され、この底面4aから摺動面2
にかけての側面4bは、その深さが徐々に浅くなるよう
に形成される。
【0028】段差部4の正面形状は、肉盗み部6または
突出部7の正面形状により変更可能であり、段差部4の
幅は、互いに隣り合う肉盗み部6の間隔または突出部7
の幅により変更可能である。また、段差部4の深さ(軸
方向長さ)は肉盗み部6の深さまたは突出部7の高さま
たは上記厚さの差により変更可能である。
【0029】したがって、何れにしろ上記工程を備えた
製造方法によれば、金型のキャビティの内面に上記従来
技術のように段差部形成用の微小な凸部を形成する必要
がなく、この段差部形成用の凸部に代えて金型のキャビ
ティの内面に形成する肉盗み部形成用の凸部はそのボリ
ュームが段差部形成用の凸部よりも圧倒的に大きいもの
であるために、この分、凸部形成に関して寸法精度を実
質緩和することが許容される。したがって、金型の製作
が容易化されるとともに通油溝8を備えた軸受1の摺動
面2に段差部4を比較的容易に形成することが可能とな
り、摺動面2に通油溝8および段差部4を備えた樹脂製
スラスト軸受1を比較的容易に精度良く製造することが
可能となる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0031】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1による軸受の製造方法においては、摺動面に傾
斜面部または段差部等の凹部を有する樹脂製スラスト軸
受を製造する方法において、摺動面を平面状に成形する
とともに非摺動面に肉盗み部を成形し、成形後における
樹脂の成形収縮を利用して摺動面に凹部を形成するよう
にしたために、金型のキャビティ内面に従来技術のよう
に凹部形成用の微小な凸部を形成する必要がなく、この
凹部形成用の凸部に代えて金型のキャビティ内面に形成
する肉盗み部形成用の凸部のボリュームが凹部形成用の
凸部よりも圧倒的に大きいために、この分、凸部形成に
関しての寸法精度を実質的に緩和することが許容され
る。したがって、金型の製作が容易化されるとともに樹
脂製スラスト軸受の摺動面に傾斜面部または段差部等の
凹部を比較的容易に形成することができ、摺動面に傾斜
面部または段差部等の凹部を備えた樹脂製スラスト軸受
を比較的容易に精度良く製造することができる。また、
金型の製作が容易化されれば低コストを実現することが
でき、樹脂製軸受に肉盗み部を設けることにより、材料
費の低減および軽量化を実現することもできる。
【0032】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
による軸受の製造方法においては、摺動面に通油溝を有
するとともに通油溝の一方の縁に沿って傾斜面部または
段差部等の凹部を有する樹脂製スラスト軸受を製造する
方法において、摺動面に通油溝を成形するとともに非摺
動面に肉盗み部を成形し、成形後における樹脂の成形収
縮を利用して摺動面に凹部を形成するようにしたため
に、金型のキャビティ内面に従来技術のように凹部形成
用の微小な凸部を形成する必要がなく、この凹部形成用
の凸部に代えて金型のキャビティ内面に形成する肉盗み
部形成用の凸部のボリュームが凹部形成用の凸部よりも
圧倒的に大きいために、この分、凸部形成に関しての寸
法精度を実質的に緩和することが許容される。したがっ
て、金型の製作が容易化されるとともに通油溝を備えた
樹脂製スラスト軸受の摺動面に傾斜面部または段差部等
の凹部を比較的容易に形成することができ、摺動面に通
油溝ならびに傾斜面部または段差部等の凹部を備えた樹
脂製スラスト軸受を比較的容易に精度良く製造すること
ができる。また、金型の製作が容易化されれば低コスト
を実現することができ、樹脂製軸受に肉盗み部を設ける
ことにより、材料費の低減および軽量化を実現すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第一または第二実施例に係る
製造方法により製造される樹脂製スラスト軸受の一例を
示す正面図、(B)は他の例を示す正面図
【図2】本発明の第一実施例に係る製造方法の工程説明
図であって、(A)は成形収縮前の状態を示す軸受の要
部断面図、(B)は成形収縮後の状態を示す軸受の要部
断面図
【図3】本発明の第二実施例に係る製造方法の工程説明
図であって、(A)は成形収縮前の状態を示す軸受の要
部断面図、(B)は成形収縮後の状態を示す軸受の要部
断面図
【図4】(A)は本発明の第三実施例に係る製造方法に
より製造される樹脂製スラスト軸受の一例を示す正面
図、(B)は同実施例に係る製造方法の工程説明図であ
って軸受の要部断面図
【図5】(A)は樹脂製スラスト軸受の正面図、(B)
は傾斜面部の拡大断面図、(C)は段差部の拡大断面図
【符号の説明】
1 樹脂製スラスト軸受 2 摺動面 3 傾斜面部 3a,4a 底面 3b,4b,4c,7b,7c 側面 4 段差部 5 非摺動面 6 肉盗み部 7 突出部 7a 端面 8 通油溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動面(2)に傾斜面部(3)または段
    差部(4)等の凹部を有する樹脂製スラスト軸受(1)
    の製造方法において、 前記摺動面(2)を平面状に成形するとともに非摺動面
    (5)に肉盗み部(6)を成形し、前記非摺動面(5)
    における前記肉盗み部(6)の成形位置は前記摺動面
    (2)における前記凹部を形成しない部分に対応する位
    置であり、成形後における樹脂材料の成形収縮を利用し
    て前記摺動面(2)に前記凹部を形成することを特徴と
    する樹脂製スラスト軸受の製造方法。
  2. 【請求項2】 摺動面(2)に通油溝(8)を有すると
    ともに前記通油溝(8)の一方の縁に沿って傾斜面部
    (3)または段差部(4)等の凹部を有する樹脂製スラ
    スト軸受(1)の製造方法において、 前記摺動面(2)に前記通油溝(8)を成形するととも
    に非摺動面(5)に肉盗み部(6)を成形し、前記非摺
    動面(5)における前記肉盗み部(6)の成形位置は前
    記摺動面(2)における前記通油溝(8)の溝幅方向非
    対称の位置に対応する位置であり、成形後における樹脂
    材料の成形収縮を利用して前記摺動面(2)に前記凹部
    を形成することを特徴とする樹脂製スラスト軸受の製造
    方法。
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