JP2007162883A - 軸受装置 - Google Patents

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哲也 山本
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Abstract

【課題】高いシール性能を発揮し得る軸受装置を提供する。
【解決手段】電鋳部4と樹脂部5とからなる軸受部材3の、一端開口側の内周に、軸受外部側に向けて漸次拡径するテーパ面6を形成する。軸2を軸受部材3の内周に挿入することで、電鋳部4の内周面4aと軸2の外周面2aとの間に軸受すき間7が形成される。また、内周面4aと共に軸受部材3の内周面を構成するテーパ面6と軸2の外周面2aとの間に、軸受外部側に向けて径方向寸法を漸次拡大させたテーパ状のシール空間8が形成される。軸受すき間7を含む軸受内部空間(図1中散点模様で示す領域)は潤滑油で満たされ、潤滑油の油面は、常にシール空間8内に維持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内周に電鋳部を設けた軸受部材を有する軸受装置に関する。
この種の軸受装置は、電鋳部の成形母体となるマスター表面に析出した面がマスター表面の面精度に倣って高精度に形成可能であることを利用して、この電鋳部の析出面で軸受面を構成した軸受装置として好適に用いられている。
例えば、特開2003−56552号公報(特許文献1)には、電鋳部をインサート部品として一体に型成形した軸受部材および軸受装置が提案されている。この軸受装置は、電鋳部の成形母体となるマスター軸の非導電性マスキング部以外の領域に電鋳殻である円筒状の電鋳部を電鋳加工で形成し、この電鋳部をインサート部品として軸受部材を樹脂で型成形した後、軸受部材の電鋳部をマスター軸から分離することで、分離面となる電鋳部の内周面をそのまま軸受面として使用可能としたことを特徴とするものである。
特開2003−56552号公報
この種の軸受装置は、例えばHDD等のディスク駆動装置をはじめとする情報機器用のスピンドルモータに組み込まれて使用されるが、その場合には、要求される高い回転精度や軸受剛性に対応するため、軸受内部に潤滑油等を充満させた状態で使用されることが多い。その一方で、軸受装置を上記用途に用いる場合には、高速回転下で使用されるのが通常であるから、軸受あるいは軸受周辺の清浄度を保証するため、軸受装置のシール性能を高める必要が生じる。
本発明の課題は、高いシール性能を発揮し得る軸受装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、内周に軸受面を有する電鋳部および電鋳部と一体に形成される型成形部とを有する軸受部材と、軸受部材の内周に挿入され、軸受面との間に軸受すき間を形成する軸とを備えたものにおいて、軸受すき間と軸受外部側で連通し、かつ軸受外部側に向けて半径方向寸法を漸次拡大したテーパ状のシール空間をさらに備えたことを特徴とする軸受部材を提供する。
かかる構成によれば、軸受内部空間に潤滑油を充満させて使用する場合、何らかの理由で、軸受内部の潤滑油が軸受外部に漏れ出そうとすると、軸受すき間より軸受外部側に位置するテーパ状シール空間にある潤滑油は、毛細間力により径方向寸法が縮小する方向(軸受内部方向)に引き込み力を受ける。これにより、軸受装置の使用時、潤滑油の漏れ出しを防いで高い清浄度を確保することができる。
また、上記構成によれば、対向する軸の外周面との間に、軸受面と軸の外周面との間の径方向隙間より大容積の空間(シール空間)が形成される。これにより、かかるシール空間を一種の油溜りとして使用することができ、潤沢な流体を軸受隙間に安定して供給することができる。特にこの種の軸受装置においては、どうしても焼結金属製の軸受部材を備えた軸受装置と比べて補油性能に劣る部分は否めないが、上述のようにテーパ面を設けることにより、この問題を解決することができる。従って、軸受面を電鋳部で形成することによる軸受面の形状精度の向上と保油量の増大とを両立することで、高い軸受性能を長期に亘って安定的に発揮することができる。
シール空間は、軸の外周に設けられたテーパ面とこれに対向する軸受部材の内周面とで構成する他、電鋳部の内周に設けられたテーパ面とこれに対向する軸の外周面とで構成したり、若しくは型成形部の内周に設けられたテーパ面とこれに対向する軸の外周面とで構成することもできる。特に後者の場合(軸受部材の側にテーパ面を設ける場合)には、テーパ面を、電鋳加工で電鋳部と一体かつ同時に、あるいは型成形加工で型成形部と一体かつ同時に形成することができる。そのため、テーパ面を電鋳部や型成形部と別体に形成する場合と比べて加工工程を簡略化して、かかる製造コストを低減することができる。
以上のように、本発明によれば、高いシール性能を発揮し得る軸受装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る軸受装置1の断面図を示す。同図において、軸受装置1は、軸2と、軸2を内周に挿入可能な軸受部材3とを備える。このうち軸受部材3は、電鋳部4と、電鋳部4と一体に形成される型成形部としての樹脂部5とからなり、電鋳部4をインサート部品として樹脂材料で一体に射出成形される。
軸受部材3は一端を開口した形状(有底筒状)をなし、一端開口側の内周には、軸受外部側に向けて漸次拡径するテーパ面6が形成される。テーパ面6は、この実施形態では電鋳部4で形成される。詳しくは、一端が外部開放側に向けて漸次拡径した形状をなす電鋳部4の拡径部分の内周面が、テーパ面6となる。従って、図1に示すように、軸2を軸受部材3の内周に挿入した状態では、電鋳部4の内周面4aと軸2の外周面2aとの間に軸受すき間7が形成される。また、内周面4aと共に軸受部材3の内周面を構成するテーパ面6と軸2の外周面2aとの間に、軸受外部側に向けて径方向寸法を漸次拡大させたテーパ状のシール空間8が形成される。
軸受すき間7を含む軸受内部空間(図1中散点模様で示す領域)は潤滑油で満たされ、潤滑油の油面は、常にシール空間8内に維持される。なお、図1に示す軸受すき間7およびシール空間8は、軸2や軸受部材3の径方向寸法に比べれば何れも微小であるが、同図では、形状の理解を容易にするため、軸受すき間7のすき間幅およびシール空間8のすき間幅を、軸2の径方向寸法に比べて大きく(誇張して)描いている。
上記構成の軸受装置1において、軸2の相対回転時、軸受すき間7に満たされた潤滑油が油膜を形成し、かかる油膜を介して軸2が軸受部材3に対してラジアル方向に相対回転自在に支持される。同時に、軸2の一端側(閉塞側)に設けられた球状面2bがこれに対向する電鋳部4の内底面4bに潤滑油を介して接触支持され、これにより軸2が軸受部材3に対してスラスト方向に相対回転自在に支持される。
この際、シール空間8が軸受すき間7の大気開放側に隣接して形成されているため、油面付近の潤滑油は常にシール空間8内において生じる毛細管力により径方向寸法が縮小する方向(軸受すき間7方向)への引き込み力を受ける。これにより、潤滑油が軸受すき間7から軸受外部に漏れ出すのを防いで、潤滑油を軸受内部に保持することができる。
また、軸受装置1の開口側に、軸受外部側に向けて径方向寸法が漸次拡径するシール空間8を設けることで、軸受内部の保油量が増大するので、かかる潤滑油を軸受すき間7に安定して供給することができる。具体的に、シール空間8の容積Vsが、軸受すき間7の容積Vbの5倍以上であれば、高いシール性能を発揮しつつも充分な量の潤滑油を軸受内部に確保することができる。Vs/Vbが小さ過ぎると{(Vs/Vb)<5であれば}、軸受内部に必要量の潤滑油を確保することが困難となるためである。
以下、軸受装置1の製造工程の一例を、軸受部材3の製造工程を中心に説明する。
軸受部材3は、電鋳加工で使用するマスター9の外表面を絶縁性材料でマスキングする工程、マスキングを施したマスター9に電鋳加工を行って電鋳部4を形成する工程、電鋳部4を有するマスター9をインサート部品として軸受部材3の型成形(インサート成形)を行う工程、電鋳部4とマスター9とを分離する工程とを経て製造される。
電鋳部4の成形母体となるマスター9は軸状をなし、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で断面輪郭真円状に形成される。この実施形態では、マスター9は異径形状をなし、図2に示すように、小径部10および大径部11と、小径部10と大径部11との間に形成されるテーパ部12とを一体に有する形状に形成される。マスター9の材料としては、ステンレス鋼以外にも、例えばクロム系合金やニッケル系合金など、マスキング性、導電性、耐薬品性を有するものであれば金属、非金属を問わず任意に選択可能である。なお、ここでは、異径形状のマスター9を削り出しや鍛造等による単一素材で形成した場合を説明したが、2以上の素材を組合わせてマスター9を形成することも可能である。例えば、径一定の軸状素材の大径部11対応領域およびテーパ部12対応領域に、相当厚みのコーティング(例えばセラミックコーティング)等を施すことによっても上記形状のマスター9を形成することができる。
マスター9は、むく軸(中実軸)の他、中空軸あるいは中空部に樹脂を充填した中実軸であってもよい。また、マスター9の外周面精度、特に軸受面となる電鋳部4の内周面4aに対応する小径部10の外周面10aは、内周面4aの面精度を直接左右するので、なるべく高精度に仕上げておくことが望ましい。
マスター9の外表面のうち、図2に示すように、電鋳部4の形成予定領域を除く領域(大径部11の外周面11a領域)にはマスキング加工が施され、かかる領域にマスキング部13が被覆形成される。マスキング部13形成用の被覆材としては、絶縁性、および電解質溶液に対する耐食性を有する材料が選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター9を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター9の外表面のうち、マスキング部13を除く領域(小径部10の外周面10a、端面10bおよびテーパ部12の外周面12a)に電解析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させることも可能である。析出金属の種類は、軸受部材3の軸受面に求められる硬度、あるいは潤滑油に対する耐性(耐油性)など、必要とされる特性に応じて適宜選択される。
以上の工程を経ることにより、図3に示すように、マスター9表面のマスキング部13形成領域以外の領域に電鋳部4を形成した電鋳軸14が製作される。この段階で、電鋳軸14は、マスター9の外表面の軸方向一端領域に有底円筒状の電鋳部4を形成した形態をなす。また、電鋳部4の軸方向下端(大径部11側)内周には、テーパ部12の外周面12a形状に倣って、大径部11側に向けて漸次拡径するテーパ面6が形成される。なお、電鋳部4の厚みは、これが薄すぎると軸受面(内周面4a)の耐久性低下等につながり、厚すぎるとマスター9からの剥離性が低下する可能性があるので、求められる軸受性能や軸受サイズ、さらには用途等に応じて最適な厚み、例えば10μm〜200μmの範囲に設定される。
上記工程を経て製作された電鋳軸14は、軸受部材3をインサート成形する成形型内にインサート部品として供給配置される。
図4は、軸受部材3のインサート成形工程を概念的に示すもので、可動型15、および固定型16からなる金型には、ランナ17およびゲート18と、キャビティ19とが設けられる。ゲート18は、この実施形態では、同図に示す点状ゲート(1点ゲート)であり、成形金型の、樹脂部5の一端面中央に対応する位置に設けられる。ゲート18のゲート面積は、充填する溶融樹脂の粘度や成形品の形状に合わせて適切な値に設定される。
上記構成の金型において、電鋳軸14を位置決め配置した状態で可動型15を固定型16に接近させて型締めする。次に、型締めした状態で、スプルー(図示は省略する)、ランナ17、およびゲート18を介してキャビティ19内に溶融樹脂Pを射出・充填し、樹脂部5を電鋳軸14と一体に成形する。これにより、樹脂部5が、金型15、16内に設けられたキャビティ19に即した形状に成形される。
溶融樹脂Pとしては、例えば液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等の結晶性樹脂、あるいは、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)等の非晶性樹脂がベース樹脂として使用可能である。もちろんこれらは一例にすぎず、軸受の用途や使用環境に適合した樹脂材料が任意に選択可能である。必要に応じて強化材(繊維状、粉末状等の形態は問わない)や潤滑剤、導電化剤等の各種充填材を加えてもよい。
型開き後、マスター9、電鋳部4、および樹脂部5が一体となった成形品を金型15、16から脱型する。この成形品は、その後の分離工程で電鋳部4と樹脂部5とからなる軸受部材3と、マスター9とに分離される。なお、マスキング部13は、分離工程までの段階で予め除去してもよいが、分離工程に至るまでの工程中、特に支障がないのであれば、マスター9上に形成したままであってもよい。
分離工程では、例えばマスター9あるいは電鋳部4に衝撃を加えることで、電鋳部4の内周面4aおよびテーパ面6をマスター9の外表面(外周面10a、12a、および端面10b)から剥離させる。これにより、マスター9が軸受部材3(電鋳部4)から引抜かれ、完成品としての軸受部材3が得られる。
なお、電鋳部4の分離手段としては、上記手段以外に、例えば電鋳部4とマスター9とを加熱(又は冷却)し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによる方法、あるいは両手段(衝撃と加熱)を併用する手段等が使用可能である。
上述の如く形成された軸受部材3の内周に、引抜いたマスター9とは別に作成した軸2を挿入することで、図1に示す軸受装置1が完成する。
このように、小径部10の外周面10aと大径部11の外周面11aとをテーパ部12の外周面12aを介してつなげた形状のマスター9を用いて電鋳加工を行うことで、テーパ面6を一体に形成した電鋳部4(軸受部材3)を得ることができる。従って、テーパ面6を設けるための工程を追加することなく、テーパ面6を電鋳部4とを同時かつ一体に形成することができ、経済的である。
また、この実施形態に係る軸受装置1であれば、電鋳部4の内周面4aが高精度に形成されるので、軸2の外周面2aとの間に形成される軸受すき間7を小さく(数μm程度)設定することができる。そのため、例えばシール空間8の容積比(Vs/Vb)は確保しつつも、その容積Vsの絶対値が比較的小さくなるようテーパ面6の傾斜角を緩やかに設けることで、高いシール性能と軸受性能とを両立した軸受装置1を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、軸受部材3の軸方向一方の開口部内周に、テーパ面6を形成した場合を例示したが、軸方向両端を開口して、双方の開口部内周に、それぞれ軸受外部側に向けて漸次拡径するテーパ面を設けることも可能である。図5は、本発明の他の実施形態に係る軸受装置21を例示したものである。同図において、軸受装置21は、軸22と、軸22を内周に挿入可能な軸受部材23とを備える。軸受部材23は、電鋳部24と、電鋳部24と一体に形成される型成形部としての樹脂部25とからなる。軸受部材23は、その軸方向両端で開口し、双方の開口部内周には、それぞれ軸受外部側に向けて漸次拡径するテーパ面26、27が形成されている。テーパ面26、27はそれぞれ対向する軸22の外周面22aとの間に、軸受外部側に向けて径方向寸法を漸次拡大させたテーパ状のシール空間28、29を形成する。電鋳部24の内周面24aと、対向する軸22の外周面22aとの間には軸受すき間30が形成されており、上述のシール空間28、29とそれぞれ軸受外部側で連通している。
この場合、一方のテーパ面26は、例えば図2に示す形状のマスター9を使用して電鋳部24と一体に形成することができる。また、他方のテーパ面27は、例えば図4に示す金型15、16の一方(例えば可動型15)の側に、テーパ面27に対応した形状の成形部を設け、かかる金型を使用して樹脂部25の成形と同時にテーパ面27を成形することが可能である。もちろん、テーパ面26、27を何れも樹脂部25の成形と共に金型で成形することも可能である。同様に、図1に示す軸受装置1のテーパ面6を樹脂部5の成形と共に金型で成形することも可能である。
また、シール空間8の形状、サイズ等は、これを成形するマスター9の表面形状や金型15、16の成形面形状によって適宜調整することができる。例えば、図示は省略するが、小径部10とテーパ部12との間に段差を介設したマスター9を使用することで、シール容積を増大させたシール空間を形成することもできる。この場合、シール空間の容積は主に、マスター9の段差幅(段差端面の径方向幅)で調整可能であるから、軸受内部への引き込み力のみを考慮してテーパ面6の傾斜角を設定することができ、設計の自由度が高まる。もちろん、径方向寸法が一定のシール空間や、テーパ面6、26、27と傾斜角を異ならせたシール空間をーパ状のシール空間8、28、29に連続して設けることも可能である。また、シール空間の形成位置も、軸受すき間7と軸受外部側で連通する限り、任意に設定可能である。
また、以上の実施形態では、電鋳部4と一体に形成される型成形部を樹脂の射出成形で形成(樹脂部5を形成)した場合を例示したが、型成形される限り、他の材質、例えば金属の型成形(モールド成形)などで型成形部を形成することも可能である。この他にも例えば金属粉末を圧粉成形(型成形)した後焼結することで形成される焼結金属で型成形部を形成することもできる。
また、以上の実施形態では、シール空間8を、軸受部材3の側(電鋳部4の内周や樹脂部5の内周)に設けられたテーパ面6とこれに対向する軸2の外周面2aとで構成した場合を説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、軸受すき間7と軸受外部側で連通し、かつ軸受外部側に向けて半径方向寸法を漸次拡大したテーパ状のシール空間8が形成されていればよい。例えば図示は省略するが、軸2の外周面2aに軸受外部側に向けて漸次縮径するテーパ面を設け、このテーパ面と対向する軸受部材3の内周面との間に、テーパ状のシール空間が形成されていても構わない。
また、以上の実施形態では、軸受すき間7に形成される軸受として流体潤滑軸受を構成した場合を説明したが、この他に、流体の動圧上昇作用を生じるための動圧発生部を内周面4aに設けることで、いわゆる動圧軸受を構成することもできる。その場合、例えば図示は省略するが、軸方向に対して傾斜した複数の溝(動圧溝)をへリングボーン形状に配列した領域を形成することもできる。あるいは、同じく図示は省略するが、内周面4aに複数の円弧面を形成し、これら円弧面と、円弧面に対向する軸2の真円状外周面2aとの間の径方向すき間を周方向に向けてくさび状に縮小させた、いわゆる多円弧軸受を構成することもできる。また、これらラジアル方向の動圧発生部は、軸受部材3の内周面(電鋳部4の内周面4a)の側に設ける他、軸2の外周面2aの側に設けることも可能である。
また、以上の実施形態では、軸受装置1の内部に充満し、軸受すき間7に潤滑膜を形成する流体として、潤滑油を例示したが、これに限ることなく、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
また、本発明に係る軸受装置は、上述の通り、高いシール性能を有するので、高回転精度に加えて、高レベルの清浄度が要求される情報機器用の小型モータ、例えば例えばHDD等の磁気ディスク駆動用のスピンドルモータや光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ、あるいはレーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ用の軸受としても好適に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る軸受装置の断面図である。 マスキング部を形成したマスターの斜視図である。 電鋳軸の斜視図である。 軸受部材の型成形工程を概念的に示す図である。 他の実施形態に係る軸受装置の断面図である。
符号の説明
1 軸受装置
2 軸
3 軸受部材
4 電鋳部
5 樹脂部
6 テーパ面
7 軸受すき間
8 シール空間
9 マスター
12 テーパ部
13 マスキング部
14 電鋳軸
19 キャビティ

Claims (3)

  1. 内周に軸受面を有する電鋳部および電鋳部と一体に形成される型成形部とを有する軸受部材と、軸受部材の内周に挿入され、軸受面との間に軸受すき間を形成する軸とを備えた軸受装置において、
    軸受すき間と軸受外部側で連通し、かつ軸受外部側に向けて半径方向寸法を漸次拡大したテーパ状のシール空間をさらに備えたことを特徴とする軸受装置。
  2. シール空間が、電鋳部の内周に設けられたテーパ面とこれに対向する軸の外周面とで構成されている請求項1記載の軸受装置。
  3. シール空間が、型成形部の内周に設けられたテーパ面とこれに対向する軸の外周面とで構成されている請求項1記載の軸受装置。
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