JP5106974B2 - 軸受部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸を相対回転支持する軸受部材、特に電鋳部を有する軸受部材とその製造方法に関する。
近年、軸受分野においては、電鋳加工により得られた電鋳製品が、その析出母体となるマスター表面に倣って高精度に転写形成された面を有する点に着目し、例えば流体軸受装置など高い軸受面精度が要求される滑り軸受分野に、当該電鋳製品を備えた軸受装置を展開する動きがある。
例えば、特開2003−56552号公報(特許文献1)には、電鋳部をインサート部品として一体に型成形した軸受部材が提案されている。この軸受部材は、電鋳部の成形母体となるマスター軸の非導電性マスキング部以外の領域に電鋳殻である電鋳部を析出形成し、この電鋳部をインサート部品として軸受部材を樹脂で型成形した後、軸受部材の電鋳部をマスター軸から分離することで、分離面となる電鋳部の内周面をそのまま軸受面として使用可能としたことを特徴とするものである。
その一方で、回転精度や静粛性に優れた軸受装置として、例えば焼結金属製の軸受面とこれに対向する軸の外周面との間(軸受隙間)に潤滑油等の流体を満たし、軸の回転に伴い、軸受隙間に形成される流体膜で軸を相対回転自在に支持する流体軸受装置が知られている。
また、更なる回転精度、静粛性の向上を図る目的で、互いに対向する軸受部材の内周面、又は軸の外周面の何れか一方に、軸受隙間に流体の動圧作用を発生させるための動圧溝を設けた、いわゆる動圧軸受装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2003−56552号公報 特開2003−239951号公報
従い、軸受面を電鋳部で形成した軸受部材に、上述の動圧溝を形成すれば、高精度に形成された軸受面と相まって更なる軸受性能の向上が可能と考えられる。ここで、動圧溝を電鋳部の内周面に形成する手段として、例えば、電鋳部を形成するマスターの外周面に予め形成すべき動圧溝の形状に対応した成形部を設けておき、このマスターに電鋳部を析出形成することで、軸受面と共に動圧溝を形成する方法が考えられる。
しかしながら、この方法では、マスターの外周面のうち、動圧溝の形成面が軸受面の形成面よりも小径になるため、マスターを無理抜きする形となり、マスター引抜き時における軸受面の損傷、変形を招き易い。これでは、マスターに倣って高精度に形成された軸受面の面精度を却って低下させる恐れがある。
以上の事情に鑑み、本発明では、電鋳部の内周に設けた軸受面を高精度に保ちつつ、動圧溝を形成可能とした軸受部材、およびその製造方法を提供することを技術的課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、内周に配設される軸を相対回転支持する電鋳部を
備え、電鋳部の内周には、電鋳部と軸との間に流体の動圧作用を発生させるための溝部と、軸受面とが設けられ、軸受面がマスターの軸方向移動でマスターから分離した分離面で形成されると共に、溝部が、マスターの軸方向移動に伴う塑性加工により形成されており、溝部の表面には、塑性加工により生じた塑性流動痕が形成され、この塑性流動痕は、マスターの1回の軸方向移動で形成されたものである軸受部材を提供する。ここで、本発明における電鋳部は、電解めっき加工に準じる方法により形成されたものの他、無電解めっき加工に準じる方法で形成されたものも含む。
このように、本発明では、軸受面をマスターとの分離面で形成すると共に、動圧発生用の溝部を塑性加工により形成するようにしたので、マスターの分離時において、マスターとの分離面で形成された軸受面を傷付け又は変形させたりするのを極力避けることができ、これにより面精度に優れた軸受面を溝部と共に得ることができる。
上記構成の軸受部材を製造するための手段としては、例えば、マスターの外周に電鋳部を析出形成し、マスターを引き抜くなどして電鋳部と分離した後、動圧発生用の溝部を成形するための成形部を設けたピンを電鋳部の内周に押し込むことで形成する方法などが考えられる。しかしながら、この方法を上記構成の軸受部材を製造手段に用いることは現実的ではない。なぜなら、一旦引き抜いたマスターとは別の成形型(ピン)を電鋳部の内周に押し込んで溝部を成形するには、非常に高精度な成形型が必要となるからである。すなわち、軸受面はマスター表面に倣って形成されることから、後加工で押し込み加工を行う成形型がマスターに対して僅かでも精度上の狂いを有すると、軸受面となる領域を押し込むことになり、軸受面の変形が避けられない。軸受面の変形を避けるためには、溝部の成形部を除く領域を小径に製作したものを使用すればよいが、これだと電鋳部に対する押し込み姿勢を適正に維持することは難しい。そのため、軸受面を高精度に維持することは困難である。また、溝部の精度(深さなど)にもばらつきを生じ易い。
そこで、本発明では、内周に配設される軸を相対回転支持する電鋳部を備え、電鋳部の内周に、電鋳部と軸との間に流体の動圧作用を発生させるための溝部を設けた軸受部材の製造方法であって、電鋳部を析出形成するための電鋳加工をマスターに設けると共に、溝部を成形するための成形部をマスターのマスキング部に設け、このマスターで電鋳部を形成し、成形部が電鋳部に接近する向きにマスターを引き抜くことで、電鋳部とマスターの電鋳加工面とを分離して電鋳部の内周に分離面を形成すると共に分離面の一部を成形部で塑性変形させ、溝部を形成する軸受部材の製造方法を提供する。
この方法は、上記構成の軸受部材を製造するための一手段として使用可能であり、電鋳部を形成するのに必須となるマスターを動圧発生部の成形に利用することを技術的な特徴とするものである。すなわち、軸受面の形成と、溝部の塑性加工とを同一の部材(マスター兼成形型)で行うため、良好な精度、特に先に形成された軸受面との同軸度を良好に保った状態で溝部を成形することができる。従って、軸受面を高精度に保ったままで、動圧発生用の溝部をその精度にばらつきが生じるのを極力抑えて成形することができる。
また、一旦引き抜いたマスターとは別に溝部の成形型を挿入する(押し込む)場合、通常、成形精度を確保する観点から、一端を駆動部に連結した状態で成形型の挿入(押し込み)が行われる。そのため、電鋳部の軸方向一端から押し込んで成形した後、再び挿入した側から引き抜く必要が生じる。これでは、成形型に同じ加工ライン上を往復させることになるため、加工精度の低下(特に復路時における加工ラインのずれ)が避けられない。これに対して、本発明に係る方法であれば、マスターに設けた成形部が電鋳部の内周面(マスターとの分離面)を通過する向きに引き抜くだけで、すなわち一方向への塑性加工で溝部を成形することができるため、上述の問題は生じない。従い、この方法によれば、軸受面と共に溝部も高精度に形成することが可能となる。
もちろん、この方法によれば、通常、必須工程となるマスターの引き抜き(電鋳部との
分離)でもって溝部を成形することができるので、別工程を追加せずに済み、これにより溝部の形成を低コストに行うことができる。
形成可能な溝部としては、マスターの引き抜きにより形成可能である限り種々の形態が考えられる。例えば、軸方向に延びる複数の溝を円周方向まわりに配列してなるステップ状や、互いに傾斜角の異なる傾斜溝を軸方向で対称的にかつ円周方向まわりに複数配列してなるいわゆるへリングボーン状の溝部が形成可能である。
このように、本発明に係る方法であれば、種々の形態をなす動圧発生用の溝部が電鋳部の内周に形成可能であるが、かかる方法を採る場合には、以下の手段を講じておくのが好ましい。すなわち、分離面を矯正するための矯正部をさらに設けたマスターで電鋳部を形成した後、マスターの1回の引き抜き動作により、まず成形部で分離面に溝部を形成し、次いで、矯正部で残りの分離面を矯正するようにするのが好ましい。
マスターとの分離面は軸受面として機能することから高い面精度が要求されるところ、上述のように塑性加工で溝部を形成することでその周囲に盛上がり等の変形が残ることがあっては、面精度の低下につながる恐れがあり好ましくない。そこで、上述の如く、溝部を成形した後、引き抜きにより、成形部と同じくマスターに形成された矯正部で残りの分離面を矯正するようにすれば、マスターの電鋳部形成面と同軸を保った状態で分離面の矯正を行うことができる。よって、塑性加工により分離面に生じた変形を矯正により除去しつつも、高い面精度を有する軸受面を形成することができる。
また、この方法によれば、マスター外周に形成した電鋳部を分離する工程、マスターとの分離面に溝部を形成する工程、および、溝部が形成された分離面を矯正する工程を、マスターの1度の引き抜き動作で実施することができる。そのため、各加工精度が高いことはもちろん、別途の工程を追加する必要もないため、生産面、経済面でも好適である。
上記構成の軸受部材、あるいは上記方法で製造された軸受部材は、非常に高精度の軸受面および動圧発生用の溝部を有するので、例えばこの軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸とを備え、軸の相対回転に伴い、電鋳部と軸との間に流体の動圧作用を発生させることで軸を非接触支持する動圧軸受装置として好適に提供することができる。
以上のように、本発明によれば、電鋳部を備えた軸受部材において、電鋳部の内周に設けた軸受面を高精度に保ちつつ、動圧発生用の溝部を形成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1の断面図を示す。同図において、動圧軸受装置1は、軸部材2と、軸部材2を内周に挿入可能な軸受部材3とを備える。このうち軸受部材3は、電鋳部4と、電鋳部4を内側に保持する保持部5とからなる。この実施形態では、保持部5は、電鋳部4をインサート部品として樹脂材料で一体に成形される。
軸受部材3の内周面6は、この実施形態では電鋳部4の内周面のみで構成される。この内周面は、内周に挿入される軸部材2を回転支持するための軸受面7と、軸受面7と対向する軸部材2の外周面2aとの間に潤滑油の動圧作用を生じるための動圧発生用の溝部8とを有する。この実施形態では、溝部8は、図2に示すように、複数の軸方向に延びる溝8aを円周方向等間隔に配列してなるもので、各軸方向溝8a、8a間に軸受面7が介在している。よって、軸受面7の内径寸法は、軸方向溝8aの底部の内径寸法より小さく、軸受面7とこの面に対向する軸部材2の外周面2aとの間が軸受隙間9となる。軸受隙間9を含む動圧軸受装置1の内部空間には潤滑油が満たされ、これにより動圧軸受装置1が完成する。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2が軸受部材3に対して回転すると、溝部8を構成する軸方向溝8a内の潤滑油が隣接する軸受隙間9に向けて流れ込む。この際、軸受面7と軸方向溝8aとの段差部で潤滑油の動圧作用が大きくなり、これにより軸受隙間9の油膜圧力が向上する。このような軸方向溝8aの動圧作用により、軸部材2が回転自在に非接触支持される。
以下、軸受部材3の製造工程の一例を、図3および図4に基づき説明する。
軸受部材3は、例えばマスター10の所定表面に電鋳部4を析出形成する工程(電鋳加工工程)、電鋳部4を一体に有するマスター10をインサート部品として軸受部材3の型成形を行う工程(インサート成形工程)、電鋳部4とマスター10とを分離する工程(分離工程)とを経て製造される。
電鋳部4の成形母体となるマスター10は、電鋳部4を析出形成するための電鋳加工面11と、電鋳加工面11とは別に形成され、後述するマスター10と電鋳部4との分離時に溝部8を形成する成形部12とを有する。この実施形態では、電鋳加工面11は、径一定の断面輪郭真円形状をなす。また、成形部12は、マスター10の円周方向まわりに配設される複数の突起部12aからなる。ここで、突起部12aの突出高さは、形成すべき軸方向溝8a(図2を参照)の溝深さに対応して設定される。
上記構成のマスター10は、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で形成されるが、形成すべき成形部12の加工性やその加工精度等を考慮して、あるいは電鋳加工面11の面精度等も考慮して材料やその表面処理を定めるのがよい。例えばクロム系合金やニッケル系合金などは、マスキング性、導電性、耐薬品性を有するため使用可能である。
マスター10の外表面のうち、成形部12を含み、かつ電鋳加工面11を除く領域には予めマスキング加工が施される。この実施形態では、図3(a)に示すように、電鋳加工面11の軸方向両側に非導電性のマスキング部13、14が形成される。なお、マスキング部13、14の形成材料には、非導電性をはじめ、電解質溶液に対する耐食性を有する材料が選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター10を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター10の表面のうち、マスキング部13、14を除く領域(電鋳加工面11)に電解析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させることも可能である。析出金属の種類は、軸受の軸受面に求められる硬度、あるいは潤滑油に対する耐性(耐油性)など、必要とされる特性に応じて適宜選択される。
以上のようにしてマスター10に電鋳加工を施すことで、図3(b)に示すように、マスター10表面の電鋳加工面11に電鋳部4が析出形成される。この段階で、電鋳部4の内周面は、マスター10の電鋳加工面11に倣った形状、ここでは断面真円形状に形成されている。
次に、電鋳部4を一体に形成したマスター10を、軸受部材3をインサート成形する成形型内に供給配置し、当該成形型内にて保持部5を電鋳部4と一体に樹脂で成形する(インサート成形工程)。これにより、図3(c)に示すように、樹脂製の保持部5が、電鋳部4およびマスター10と一体に形成される。
なお、樹脂材料としては、例えばLCP、PPS、PEEK、POM、PA等の結晶性樹脂樹脂、あるいは、PPSU、PES、PEI、PAI等の非晶性樹脂が好適に使用可能である。もちろんこれらは一例にすぎず、軸受の用途や使用環境に適合した樹脂材料が任意に選択可能である。必要に応じて、上記あるいは上記以外の樹脂を複数混合したものを使用することもできる。あるいは、強化材(繊維状、粉末状等の形態は問わない)や潤滑剤、導電化剤等の各種充填材を加えることで、特性の改善を図ることもできる。
型開き後、マスター10と電鋳部4、および保持部5が一体となった成形品を成形型から離型する。この成形品は、この後の分離工程で電鋳部4および保持部5との一体品と、マスター10とに分離される。また、当該分離作業に伴い、電鋳部4の内周に溝部8が形成される。
分離工程では、例えばマスター10あるいは電鋳部4と保持部5との一体品に衝撃を加えることで、電鋳部4の内周面をマスター10の外周面(電鋳加工面11)から剥離(分離)させる。これにより、マスター10が軸受部材3(電鋳部4)から引き抜かれる。
この際、図4(a)中の矢印の向きで示すように、マスター10を、電鋳部4のマスター10との分離面15を成形部12が通過する向きに引き抜くことで、成形部12(突起部12a)が電鋳部4の分離面15の一部を塑性変形させる。この実施形態であれば、マスター10を回転させることなく、上述の向きに引き抜くことで、図4(b)に示すように、突起部12aによる塑性変形で複数の軸方向溝8aが電鋳部4に形成される。この場合、電鋳部4の内周面(分離面15)のうち、突起部12aによる塑性変形を受けなかった箇所が、軸受面7として残る。
なお、電鋳部4の分離手段としては、上記手段以外に、例えば電鋳部4とマスター10とを加熱(又は冷却)し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによる方法、あるいは両手段(衝撃と加熱)を併用する手段等が使用可能である。また、この実施形態では、図3(c)および図4(a)に示すように、保持部5の型成形後、マスターの分離工程前にマスキング部13、14を除去しているが、特にこのタイミングで除去する必要はない。電鋳加工後、分離工程の前であれば、任意の段階でマスキング部13、14を除去することが可能である。あるいは、その厚みが非常に小さく、後述の溝部8の形成に悪影響を及ぼさないのであれば、マスキング部13、14を特に除去しなくても構わない。後述する他の実施形態についても同様である。
上述の如く形成された軸受部材3の内周に、引き抜いたマスター10とは別に作成した軸部材2を挿入することで、図1に示す動圧軸受装置1が完成する。
このように、成形部12が電鋳部4の分離面15を通過する向きに電鋳部4からマスター10を引き抜いて、分離面15の一部に溝部8を成形するようにすれば、溝部8の塑性加工と軸受面7の形成とを、同一の部材(マスター10)で行うことができる。これにより、先の電鋳加工で形成された軸受面7との同軸度を良好に保った状態で溝部8を成形することができる。従って、マスター10の電鋳加工面11に倣って形成された軸受面7を高精度に保ったままで、溝部8を精度よく成形することができる。
また、この方法であれば、電鋳部4の内周面(マスター10との分離面15)を成形部12が通過する向きにマスター10を引き抜くだけで、すなわち1回の塑性加工でもって溝部8を成形することができるため、後加工で溝部8を塑性加工により成形する場合と比べて高精度に溝部8を成形することができる。
また、電鋳加工面11が真円形状をなすマスター10で電鋳加工を行う場合と、マスター10の電鋳加工面11に予め成形部12を形成したもので電鋳加工を行う場合とでは、その表面積が異なる。すなわち、真円形状のほうが、当該真円形状に成形部12に対応した凹凸(ここでは凸部)を設けたものよりも表面積を小さくすることができるので、結果的にマスター10と電鋳部4との剥離を容易に(比較的小さい負荷で)行うことができる。この場合、電鋳加工面11を真円形状とすれば、凹凸を設ける場合と比べて表面積も小さく、かつ無理抜きにもならないためマスター10自体の磨耗も小さくて済む。
もちろん、この方法によれば、通常、必須となるマスター10の引き抜き(電鋳部4との分離)でもって溝部8を成形することができるので、別工程を追加せずに済み、これにより溝部8の成形を低コストに行うことができる。
なお、成形部12による電鋳部4の塑性変形は、成形部12の形状、この実施形態であればその引き抜き方向への正射影に倣って生じる。そのため、予め、成形すべき溝部8の形状に応じて成形部12の形状を定め、かつこれを用いることで(マスター10を引き抜くことで)、所望形状の動圧発生用の溝部8(ここではステップ状)を形成することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の範囲内において種々の変形が可能である。以下、その例を説明する。
例えば、上記実施形態では、動圧発生用の溝部8として、複数の軸方向溝8aを円周方向まわりに配列した、いわゆるステップ状の動圧溝を形成した場合を説明したが、もちろんこれ以外の形状をなす溝部8についても成形可能である。その一例として、へリングボーン状の動圧溝を成形する場合を図5に基づき説明する。
図5(a)は、分離前における、マスター10と電鋳部4との一体品を示している。ここで、当該一体品は、上記実施形態と同様、真円形状の電鋳加工面11に筒状の電鋳部4を析出形成し、かつその外周に樹脂製の保持部5をインサート成形で形成したものである。この場合、マスター10には、へリングボーン形状をなす溝部8に対応する形態の成形部12を設けたものが使用される。
この状態から、例えばマスター10あるいは電鋳部4と保持部5との一体品に衝撃を加え、電鋳部4の内周面をマスター10の電鋳加工面11から分離させることで、マスター10を電鋳部4(軸受部材3)から引き抜く。この際、図5(a)中の矢印で示す向きに、すなわち、電鋳部4のマスター10との分離面15を成形部12が通過する向きにマスター10を引き抜くことで、成形部12(突起部12b)が電鋳部4の分離面15の一部を塑性変形させる。この実施形態であれば、マスター10を1方向に回転させつつ、上述の向きに引き抜くことで、図4(b)に示すように、複数の傾斜状溝8bが突起部12bによる塑性変形でもって互いに平行に形成される。また、この実施形態では、マスター10を1方向に回転させつつ、所定距離だけ引き抜いた(電鋳部4に対して相対移動させた)後、その回転方向を変えてマスター10の引き抜きを続行する。かかる作業により、電鋳部4の内周には、互いに傾斜角の異なる傾斜状溝8b,8cが軸方向に連続して形成され、いわゆるへリングボーン状の動圧溝を形成する。この図示例では同作業をもう一度繰り返すことで、へリングボーン状の動圧溝を軸方向に並列配置した形態の溝部8が形成される。
また、突起部12bによる塑性変形で複数の傾斜状溝8b,8cが電鋳部4に形成されると共に、電鋳部4の分離面15のうち、突起部12bによる塑性変形を受けなかった箇所が、軸受面7として残る。
このようにしてマスター10との分離を図ることで、先の電鋳加工で形成された軸受面7との同軸度を良好に保った状態で溝部8を成形することができる。従って、マスター10の外周面(電鋳加工面11)に倣って形成された軸受面7を高精度に保ったままで、溝部8を精度よく成形することができる。
また、この方法であれば、電鋳部4の内周面(マスター10との分離面15)を成形部12が通過する向きにマスター10を引き抜くだけで、すなわち1回の塑性加工で溝部8を成形することができるため、後加工で溝部8を塑性加工により成形する場合と比べて高精度に溝部8を成形することができる。
この場合も、各傾斜状溝8b,8cの溝幅や溝深さは、成形部12を構成する突起部12bの形状により調整可能である。また、傾斜状溝8b,8cの傾斜角についても、マスター10の軸方向への引き抜き速度と、回転速度とで任意に調整することができる。もちろん、上記例示の形態以外の溝部8についても、マスター10に対応する形状の成形部12を設けることで形成することができる。
あるいは、動圧発生用の溝部を軸方向に離隔して形成する場合には、電鋳部4の内周に、軸受面7に比べて大径となる部分(いわゆる中逃げ部)を設けておき、この電鋳部4に上述の方法で塑性加工を施すことで、軸方向に離隔して複数の溝部8(へリングボーン形状など)を形成することができる。
なお、上述の如く、特定の方向にマスター10を引き抜くことによる塑性加工で溝部8を成形したかどうかは、溝部8、具体的には個々の軸方向溝8aや傾斜状溝8b,8cの表面の塑性流動痕を拡大して見ることで判断可能である。後加工で溝部8を成形した場合には、どうしても往復加工になるため、かかる溝表面の塑性流動痕は特定の方向に定まらず煩雑に刻まれる。これに対して、一度の引き抜きで加工する場合であれば、特定の1方向を示す塑性流動痕(擦り痕)が残るため、判別が可能となる。
また、他の実施形態として、例えば図6に示す方法を挙げることができる。この方法は、予め、マスター10として、電鋳加工面11と溝部8の成形部12に加えて、溝部8が形成された電鋳部4の内周面(軸受面7)を矯正するための矯正部16を設けたものを使用して行うものである。具体的には、電鋳加工面11上に形成した電鋳部4をマスター10の引き抜きにより分離する。この引き抜きの際、電鋳加工面11の引き抜き方向後方に位置する成形部12の突起12aにより電鋳部4の内周面に溝部8を形成する。そして、マスター10の引き抜きを続行することで、成形部12よりもマスター10の引き抜き方向後方に位置する矯正部16で電鋳部4の内周面、ここでは軸受面7を加圧し、軸受面7を矯正する。
このように、マスター10の電鋳加工面11と同軸の矯正部13で溝部8を形成した状態の軸受面7を矯正することで、溝部8の塑性加工により軸受面7に生じた盛上がり等の変形を除去して、高い面精度を有する軸受面7を形成することができる。なお、この図示例では、矯正部16による軸受面7の矯正効果を確実に得るため、矯正部16の外径を電鋳加工面11の外径より僅かに大きくした(例えば数μm)ものを使用している。
もちろん、矯正部16の外径を電鋳加工面11の外径と同一としてもよく、あるいは、成形部12による電鋳部4の塑性変形を適当に調整する目的で、成形部12と矯正部16との間に、図示は省略するが、例えば環状の小径部を設けたものをマスターとして使用することも可能である。
また、以上の実施形態では、マスター10の電鋳部4からの引き抜きを、保持部(樹脂部)5のインサート成形後で、かつ成形金型から成形品を離型した後に行う場合を説明したが、インサート成形後で、成形金型からの離型と同時にマスター10の引き抜きを行うようにしても構わない。具体的には、成形後に型開きを行った際、成形品が残る側(通常、マスターを保持する可動型の側)に設けたイジェクト用の押し出しピンを作動させることで、保持部(樹脂部)5を型外へと押し出す。この際、電鋳部4が成形部12(例えば突起部12a)を通過するよう、マスター10を保持した状態で電鋳部4と保持部5との一体品を金型から押し出すことで、電鋳部4の内周に溝部8を成形することができる。この方法によれば、保持部5のインサート成形工程とマスター10との分離工程とを1工程で行うことができ、非常に効率的かつ経済的である。
なお、以上のように、マスター10の引き抜きと同時に溝部8を成形する場合、電鋳部4と保持部(樹脂部)5との抜けを考慮して行う必要がある。そのため、例えば、電鋳加工時の電極(特に陽極)の形状や配置態様を工夫する等して電鋳部4の外周面形状を抜止めに適した形状(例えば段付き形状やテーパ形状)にする、電鋳加工時の電流値を適宜増大することで電鋳部の外周面を粗面化する、機械的加工で粗面化する、などの手段を講じておくのが好ましい。もちろん、保持部5の形状を工夫する(例えば、軸方向両端で、内径寸法が電鋳部4の外径寸法より小さくなる形状に成形する)ことで抜止めを図ることも可能である。
また、以上の実施形態では、保持部5を樹脂で形成した場合を説明したが、溶融金属を型内で固化させることで、あるいは、別体としての保持部5を電鋳部4の外側に固定することで一体化しても構わない。
また、以上の実施形態では、軸受部材3の一端開口側に特段のシール手段を設けない場合を例示したが、これに限ることなく任意のシール手段が配設可能である。例えば、成形部12を設けた側とは反対の側にテーパ面を設けたマスター10を用いて電鋳部4を形成し、電鋳部4の内周面に形成されたテーパ面でもって軸部材2の外周面2aとの間にシール空間を形成することもできる。あるいは、成形金型(で形成されるキャビティ)の形状等を工夫して、保持部5の内周面と軸部材2の外周面2aとの間にシール空間を形成することもできる。
また、以上の実施形態では、動圧軸受装置1の内部に充満し、軸受隙間9に動圧作用を生じる流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも、例えば空気等の気体や、磁性流体等の流動性を有する潤滑剤、あるいは潤滑グリース等を使用することもできる。
本発明に係る軸受部材3は、以上の例示に限らず、駆動機構の回転軸支持用に広く適用可能である。また、その中でも、この軸受部材3を備えた動圧軸受装置1は、上記のとおり、高精度の軸受面7と動圧発生用の溝部8とを兼備することから、例えば上記HDD等の磁気ディスク駆動用のスピンドルモータをはじめ、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下であっても高い回転精度、さらには高い静粛性が要求される情報機器用の小型モータ用として好適に使用することができる。
また、上記実施形態では、軸受部材3で軸部材2を非接触に回転支持する場合を例示したが、何れを回転側としても構わない。上述の適用例でいえば、軸部材2をモータの回転側(ディスクハブ)に固定し、一体に回転させるようにしても構わないし、軸受部材3を回転側に固定し、一体に回転させるようにしても構わない。
本発明の一実施形態に係る軸受部材を備えた動圧軸受装置の断面図である。 図1に示す動圧軸受装置のA−A断面図である。 (a)マスキングを施したマスターの斜視図、(b)外周に電鋳部を形成したマスターの斜視図、および(c)樹脂部と電鋳部とを一体に有するマスターの斜視図である。 動圧発生用の溝部の成形工程を概念的に示す図で、(a)マスターを引き抜く前、および(b)マスターを引き抜いた後の電鋳部を示す一部断面図である。 他の実施形態に係る溝部の成形工程を概念的に示す図で、(a)マスターを引き抜く前、および(b)マスターを引き抜いた後の電鋳部を示す一部断面図である。 他の実施形態に係る溝部の成形工程を概念的に示す図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
3 軸受部材
4 電鋳部
7 軸受面
8 溝部
8a 軸方向溝
8b,8c 傾斜状溝
10 マスター
12 成形部
12a,12b 突起部
13、14 マスキング部
15 分離面
16 矯正部

Claims (4)

  1. 内周に配設される軸を相対回転支持する電鋳部を備え、
    電鋳部の内周には、電鋳部と軸との間に流体の動圧作用を発生させるための溝部と、軸受面とが設けられ、
    軸受面がマスターの軸方向移動でマスターから分離した分離面で形成されると共に、溝部が、マスターの軸方向移動に伴う塑性加工により形成されており、
    溝部の表面には、前記塑性加工により生じた塑性流動痕が形成され、この塑性流動痕は、マスターの1回の軸方向移動で形成されたものである軸受部材。
  2. 内周に配設される軸を相対回転支持する電鋳部を備え、電鋳部の内周に、電鋳部と軸との間に流体の動圧作用を発生させるための溝部を設けた軸受部材の製造方法であって、
    電鋳部を析出形成するための電鋳加工をマスターに設けると共に、溝部を成形するための成形部をマスターのマスキング部に設け
    このマスターで電鋳部を形成し、成形部が電鋳部に接近する向きにマスターを引き抜くことで、電鋳部とマスターの電鋳加工面とを分離して電鋳部の内周に分離面を形成すると共に、分離面の一部を成形部で塑性変形させ、溝部を形成する軸受部材の製造方法。
  3. 分離面を矯正するための矯正部をさらに設けたマスターで電鋳部を形成した後、マスターの1回の引き抜き動作により、まず成形部で分離面に溝部を形成し、次いで、矯正部で残りの分離面を矯正する請求項2記載の軸受部材の製造方法。
  4. 請求項1記載の軸受部材、あるいは請求項2又は3記載の方法で製造された軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸とを備え、軸の相対回転に伴い、電鋳部と軸との間に流体の動圧作用を発生させることで軸を非接触支持する動圧軸受装置。
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