JP4896430B2 - 軸受装置および軸受装置を用いたモータ - Google Patents

軸受装置および軸受装置を用いたモータ Download PDF

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本発明は、軸受面を電鋳で形成した軸受を用いた軸受装置、及び軸受装置を用いたモータに関する。
滑り軸受(以下、単に「軸受」と称する)は、軸部材との間の相対的な回転、摺動、もしくは摺動回転を支持する用途に広く用いられている。この種の軸受では、その軸受面精度が軸受性能を大きく左右するので、良好な軸受面精度を得るため、従来から多種多様の提案がなされている。
例えば、特開2003−56552号公報や特開2003−56569号公報では、軸受面精度を向上するために電鋳部を樹脂でインサートモールドした軸受(電鋳軸受)が提案されている。両公報に記載の発明は、何れもマスター軸の不必要な部分をマスキングして、マスク部以外に電鋳殻である円筒状の電鋳部を形成し、この電鋳部の外周に射出成形により樹脂を充填して軸受を成形した後、軸受をマスター軸から分離するものである。
特開2003−56552号公報 特開2003−56569号公報
ところで、特許文献1、特許文献2ともに電鋳部のモールドを樹脂で形成しているため樹脂の特性から、軸受の用途や使用環境に制約が課される。例えば、強度、耐熱性、あるいは導電性が求められる用途においては、樹脂を使用する限り、その対応には限度があった。
本発明は、軸受面を電鋳で形成した軸受の、主として強度、耐熱性、導電性を改善することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の軸受は、内周に軸受面を有し、マスター軸表面に析出した金属で形成された厚さ10μm〜200μmの電鋳部と、電鋳部を射出成形にてモールドすることにより形成されたモールド部とを備え、軸受面が、電鋳部のうち、マスター軸の表面に析出し始めた面で形成され、かつ射出成形材料として溶融金属使用されていることを特徴とするものである。
上記課題を解決するために本発明の軸受装置は、内周に軸受面を有し、マスター軸表面に析出した金属で形成された厚さ10μm〜200μmの電鋳部と、電鋳部を射出成形にてモールドすることにより形成されたモールド部とを備え、電鋳部のうち、マスター軸の表面に析出し始めた面で軸受面が形成されると共に、析出終了側の面がモールド部に接しており、射出成形材料として導電性の溶融金属が使用され、かつ射出成形後に電鋳部がマスター軸から分離された軸受と、軸受の軸受面で支持される軸部材と、軸受のモールド部を保持するブラケットとを有し、電鋳部からモールド部を経てブラケットに至る導電経路を有することを特徴とするものである。
また、電鋳部を保持するモールド部を金属材料より形成するため、従来に比べてモールド部の強度、耐熱性が著しく改善できる。また、導電性も向上させることができ、電鋳部からモールド部を経てブラケットに至る導電経路を形成して、軸受周辺部のディスク等に帯電した静電気を速やかに接地側に放電できる。さらに、電鋳部とモールド部とが何れも金属で形成されるので、金属と樹脂の密着に比べ、界面での密着性が高まり両者間で高い固着力を得ることができる。
前記電鋳部にはフランジを設けることが望ましい。特にフランジを有する電鋳部を、フランジを含めて金属でモールド(インサート成形)すると、電鋳部と一体のフランジと、これに密着するモールド部との間で軸方向への抜け止め、あるいは回転方向への回り止めがなされるので、電鋳部とモールド部との間でより一層高い固着力を得ることができる。
電鋳部のフランジは、電鋳部を塑性変形させることで形成することができる。例えば、電鋳加工で使用するマスター軸の外周に密着した電鋳部の端面を軸方向に加圧すれば、被加圧部はマスター軸と密着した内径側へは変形することができないため、電鋳部の端部が外径側に塑性変形し、これにより外向きのフランジが容易に成形可能となる。
特に電鋳部を射出成形にてモールドする際、金型の型締めで電鋳部を部分的に塑性変形させれば、フランジの形成後、そのままキャビティに金属を射出することにより軸受をインサート成形することができ、フランジを形成するための特段の加工を要することなく、低コストに軸受を製作することが可能となる。
軸部材としては、電鋳部の成形時に使用したマスター軸を使用する他、マスター軸と別部材を使用することもできる。
この軸受装置を有するモータは、回転精度が良好で、かつ対衝撃性、耐熱性に富むものとなる。また、軸受周辺部に帯電した静電気を軸受を介して速やかに接地側に放電することができ、高い動作安定性を得ることができる。
本発明によれば、高い回転精度、あるいは摺動精度を有する軸受装置が低コストに得られる。また、軸受の周辺部(例えばディスク)に帯電した静電気を、軸受を介して速やかに設置側に放電することができ、周辺機器との間でのスパークの発生を防止することができる。また、軸受の剛性、および耐熱性を高めることができるので、高負荷、高温等の過酷な環境下でも電鋳軸受の使用が可能となり、電鋳軸受の用途拡大に寄与することができる。
本発明の実施の形態1を図1〜図8を参考に説明する。
図1に示す本発明の軸受5は、マスター軸2の所要個所をマスキングする工程(図3参照)、非マスク部に電鋳加工を行って電鋳軸1を形成する工程(図4参照)、電鋳軸1の電鋳部4を金属材料からなる射出成形でモールドする工程(図6および図7参照)、および電鋳部4とマスター軸2とを分離する工程を経て製作される。
なお、以下の説明において、「回転用の軸受」とは、軸との間の相対回転を支持するための軸受5を意味し、軸受5が回転側となるか固定側となるかを問わない。「摺動用の軸受」とは、軸との間の相対的な直線運動を支持するための軸受5を意味し、同様に軸受5が移動側となるか固定側となるかを問わない。「回転摺動用の軸受」とは、前記二つの軸受の機能を併せ持つもので、軸との間の回転運動および直線運動の双方を支持するための軸受5を意味する。
前記マスター軸2は、導電性材料、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で、ストレートな横断面円形の軸として製作される。もちろんステンレス鋼に限定されるものでなく、剛性などの機械的強度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、電鋳部4の加工性および分離性など、軸受の機能上あるいは軸受製作の都合上求められる特性に適合した材料、さらには熱処理方法が選択される。セラミック等の非金属材料でも、導電処理を施すことにより(例えば表面に導電性の金属被膜を形成することにより)使用可能となる。なお、マスター軸2の表面には、電鋳部4との間の摩擦力を減じるための表面処理、例えばフッ素系の樹脂コーティングを施すのが望ましい。
マスター軸2は、むく軸の他、中空軸や中空部に樹脂を充填した中実軸であっても良い。また、回転用の軸受では、マスター軸の横断面は基本的に円形に形成されるが、摺動用の軸受の場合は横断面は任意形状にすることができ、円形の他に多角形状や非真円形状とすることもできる。また、摺動用の軸受では、基本的にマスター軸2の横断面形状は軸方向で一定であるが、回転用の軸受や回転摺動用の軸受では、軸の全長にわたって一定の横断面形状ではない形態をとることもある。
マスター軸2の外周面精度は、後述する軸受隙間の精度を直接左右するので、真円度、円筒度、表面粗さ等の軸受機能上重要となる表面精度を予め高精度に仕上げておく必要がある。例えば回転用の軸受では、軸受面との接触回避の観点から真円度が重視されるので、マスター軸2の外周面はできるだけ真円度を高めておくのが望ましい。本発明者らが検証したところ、マスター軸2の外周面の真円度が、後述する軸受隙間の平均幅(半径寸法)の8割以下にまで仕上げられていると、軸受面との接触を抑え、良好な回転精度を得られることが判明した。従って、例えば軸受隙間の平均幅を2μmに設定する場合、マスター軸外周面は1.6μm以下の真円度に仕上げるのが望ましい。
マスター軸2の外周面には、図3に示すように、電鋳部4の形成予定部を除き、マスキングが施される。マスキング用の被覆材3としては、非導電性、および電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター軸2を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター軸2の表面に析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、軸受の軸受面に求められる硬度、疲れ強さ等の物理的性質、化学的性質に応じて適宜選択される。電鋳部4の厚みは、これが厚すぎるとマスター軸2からの剥離性が低下し、薄すぎると軸受面の耐久性低下等につながるので、求められる軸受性能や軸受サイズ、さらには用途等に応じて最適な厚みに設定される。例えば軸径1mm〜6mmの回転用の軸受では、10μm〜200μmの厚さとするのが好ましい。
以上の工程を経ることにより、図4に示すように、マスター軸2外周の一部領域に円筒状の電鋳部4を被着した電鋳軸1が製作される。なお、マスキング用の被覆材3が薄い場合、電鋳部4の両端は被覆材3側に迫り出し、内周面にテーパ状の面取り部4aが形成される場合もある。
電鋳軸1は、図6および図7に示すモールド工程に移送され、電鋳部4およびマスター軸2をインサート部品として金属材料でインサート成形が行われる。
このモールド工程では、電鋳軸1は、図6に示すようにその軸方向を型締め方向(図面上下方向)と平行にして、上型6、および下型7からなる金型内部に供給される。下型7には、マスター軸2の外径寸法に適合した位置決め穴9が形成され、この位置決め穴9に前工程から移送した電鋳軸1の下端を挿入して電鋳軸1の位置決めがなされる。
この位置決め状態では、電鋳軸1のうち電鋳部4の下端面が下型7の成形面と係合し、電鋳部4の上端が金型のパーティングラインP.L.よりも相手型(本実施形態では上型6)の側に突出している。位置決め穴9の深さL3は、マスター軸2の下端と電鋳部4の下端との間の距離L4よりも大きく(L3>L4)、従って、型締め前の状態では、マスター軸2の下端面は位置決め穴9の底から浮上した状態にある。この浮上量を調整することで、電鋳部4の下端に形成するフランジの塑性変形量を変更することができる。
前記上型6には、位置決め穴9と同軸にガイド穴10が形成されている。このガイド穴10の深さL5は、図7に示す型締め時において、マスター軸2の上端がガイド穴10の底に突き当たらない程度であれば足りる(なお、マスター軸2の下端は位置決め穴9の底に突き当たる)。
以上の金型において、可動型(本実施形態でいえば上型6)を固定型(本実施形態では下型7)に接近させて型締めすると、先ずマスター軸2の上端がガイド穴10に挿入されてマスター軸2の芯出しが行われ、さらに上型6の成形面に電鋳部4の上側端面が当接する。さらなる上型6の接近で電鋳軸1の全体が下方に押し込まれ、下型7の成形面と当接した電鋳部4の下端部、および上型6の成形面と当接した電鋳部4の上端部がそれぞれ外径側に塑性変形し、図7に示すように電鋳部4の軸方向両端にフランジ11(図5参照)が形成される。金型構造を変更することにより、電鋳部4の軸方向一端にのみフランジ11を形成することも可能である。
型締め完了後、スプール12、ランナー13、およびゲート14を介してキャビティ8に金属材料を射出し、インサート成形を行う。
金属射出成形には溶融金属射出成形と金属粉末射出成形とがあり、本発明ではその何れも採用することができる。前者は、金属チップや塊を溶融または半溶融状態にした上で金型に流入させて成形する技術であり、特にマグネシュウム合金やアルミニュウム合金等の低融点金属を用いれば溶解設備が小型化できる。また、後者は、金属粉末とバインダーを混合・混練して金型に流入させて成型した後、これを金型から取り出して脱脂し、さらに焼結する技術で、一般にMIM(Metal Injection Molding)と呼ばれている。このMIMの場合、マグネシュウム合金やアルミニュウム合金等の低融点金属に限らず、銅系合金、鉄系合金あるいは銅鉄系合金などの他の金属材料を軸受の用途に応じて広く選択することができる。
型開き後、脱型した成形品は、図5で示すように、マスター軸2、電鋳部4、およびモールド部15が一体となった構造を有する。この成形品は、その後分離工程に移送され、電鋳部4およびモールド部15からなる軸受5と、マスター軸2とに分離される。この分離工程は、例えばマスター軸2やモールド部15に衝撃を加えたり、あるいは電鋳部4とマスター軸2とを加熱し(冷却してもよい)、両者間に熱膨張量差を生じさせることによって行われる。
これらの操作により電鋳金属組織中の拡径方向の残留応力が解放されるため、電鋳部4の内径が拡径し、マスター軸2の外周面との間に、半径寸法で1μm〜数十μm程度の微小隙間が形成される。この微小隙間は軸受隙間として機能するので、一体化した電鋳部4とモールド部15とで、マスター軸2を相対的に回転自在または摺動自在に支持する軸受5(図1参照)が構成される。この軸受5において、電鋳部4の内周面は、マスター軸2の相対的な回転もしくは摺動を支持する軸受面4bとして機能する。
この軸受隙間は、電鋳加工の特性から、クリアランスが極めて小さく、かつ高精度であるという特徴を有する。従って、マスター軸2をそのまま軸部材として使用し、これを軸受5の内周に挿入することにより、高い回転精度および摺動性を有する軸受装置の提供が可能となる。なお、軸部材としてマスター軸2を使用する必要は必ずしもなく、マスター軸を別途製作した軸部材と置き換えて軸受装置を構成することもできる。この場合、一度マスター軸を製作すれば、これを繰返し転用することができるので、マスター軸2の製作コストを抑え、軸受装置のさらなる低コスト化を図ることが可能となる。
また、金属材料の射出成形でモールド部15を形成するため、モールド部15は剛性、耐熱性が増し、導電性が良好になるので、モールド部15の取付位置や配置位置の制約が少なくなるため、軸受5としての適用範囲を増やせ、用途が広がる。
また、電鋳部4にフランジ11を一体に形成し、このフランジ11を含めて金属でモールドしているので、モールド部15に対する電鋳部の抜け止めおよび回り止めを行うことが可能となる。
また、図6および図7に示す実施形態のように、電鋳部4を塑性変形させてフランジ11を形成する場合、図1に示すように、その外周面16の形状は、ランダムな凹凸を有する非真円形状となるので、高い回り止め効果が得られる。なお、図1では、外周面16の凹凸が理解の容易化のために誇張して描かれている。
なお、この軸受装置は無給油で使用する他、軸受隙間に油等の潤滑剤を供給して使用することもできる。
ところで、上述のように、塑性変形でフランジ11を形成する場合、電鋳部4に作用する金型からの加圧力が大きすぎると、その時の衝撃により、マスター軸2に密着した電鋳部4の内周面がマスター軸2の外周面から剥離するおそれがある。電鋳部4が剥離すると、その瞬間に電鋳部4が拡径してマスター軸2との間に隙間が形成されため、その後の射出成形時には、射出圧力によって電鋳部4の内周面がランダムに縮径し、軸受面4bの精度低下を招くおそれがある。かかる事態を防止するには、射出成形前における電鋳部4のマスター軸2からの剥離防止に努める必要があり、これは電鋳部4の塑性変形量の上限を管理することで達成できると考えられる。
かかる観点から検討したところ、塑性変形後における電鋳部4(図5に実線で示す)の軸方向の長さをL1とし、塑性変形前における電鋳部4(図5に破線で示す)の軸方向の長さをL2とした時、電鋳部4の軸方向長さの変化A=L2−L1が、塑性変形後の電鋳部4の軸方向の長さL1の50%以内(望ましくは20%以内)であれば、塑性変形による射出成形前の電鋳部4の剥離を防止できることが判明した。その一方、A=0ではフランジ11が形成できない。従って、
0<A/L1≦0.5
を満たすように、L1、L2を定めるのが望ましい。
以上の説明では、塑性変形によってフランジ11を形成する場合を例示したが、塑性変形以外の方法でフランジ11を形成することもできる。例えば図8に示すように、マスター軸2を段付き軸状に形成しておけば、これを電鋳工程にて電解溶液中に浸漬すると、一般にマスター軸2の角部2aでは他の平面部分に比べて金属粒子の析出量が多くなるため、電鋳条件によっては、電鋳の終了後にこの角部2aに図示のような傾斜状のフランジ11を形成することができる。
従って、その後、このフランジ11を含めて電鋳部を射出成形でモールドすれば(二点鎖線で示す)、同様に抜け止め、あるいは回り止めとしての効果を得ることができる。
次に、以上に説明した軸受装置をモータ21の回転軸の支持に適用し、その一実施形態を図9に基いて説明する。
図示例のモータ21は、HDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータである。このモータ21の軸受装置は、軸部材22をラジアル方向に回転自在に支持するラジアル軸受部Rと、スラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部Tとを有する。ラジアル軸受部Rは、軸部材22を軸受5の内周に挿入して構成され、スラスト軸受Tは、軸部材22の凸球面状の軸端を、軸受5の端面に対向させたスラストプレート23で接触支持することによって構成される。軸受5は、以上の説明で述べたとおり、電鋳部4を射出成形によりモールドして形成され、電鋳部4の軸方向両端にはそれぞれフランジ11が形成されている。
そして、モータ21は、この軸受装置以外にも、軸部材を装着したロータ(ディスクハブ)24と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル25およびロータマグネット26とを備えている。ステータコイル25は、ブラケット27の外周に取付けられ、ロータマグネット26はディスクハブ24の内周に取付けられている。ディスクハブ24には、磁気ディスクDが一又は複数枚保持されている。
ステータコイル25に通電すると、ステータコイル25とロータマグネット26との間の電磁力でロータマグネット26が回転し、それによって、ディスクハブ24及び軸部材22が一体となって回転する。
このモータ21の軸部材22としては、マスター軸2のみならず、マスター軸2と置換した別部材の何れもが使用可能である。また、図9では、スラスト軸受部Tをピボット軸受で構成した場合を例示しているが、この他にも、動圧溝等の動圧発生手段で軸部材22をスラスト方向に非接触支持する動圧軸受も使用可能である。
本発明の軸受装置は、以上の例示に限らず、モータの回転軸支持用として広く適用可能である。この軸受装置は、上記のとおりラジアル軸受部Rにおいて高精度の軸受隙間(ラジアル軸受隙間)を備えるので、上記HDD等の磁気ディスク駆動用のスピンドルモータを初めとして、高回転精度が要求される情報機器用の小型モータ、例えば光ディスクや光磁気ディスク等のディスク駆動用のスピンドルモータ、あるいはレーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転運動の支持用として特に適合するものである。
この種のディスク駆動装置では、空気との摩擦によってディスクDに静電気が帯電し、これが磁気ヘッド等の周辺機器に瞬間的に放電されて、周辺機器に悪影響を与える可能性がある。特にスラストプレート23が樹脂性である場合、あるは、スラスト軸受部Tが動圧軸受で構成されている場合に特にこの傾向が顕著となる。これに対し、本発明にかかる軸受5は、上記の通り良好な導電性を有するので、ディスクDに帯電した静電気は、軸部材2→電鋳部4→モールド部15→ブラケット27という経路を経て速やかに接地側に放電される。従って、ディスクDへの帯電を抑えることができ、ディスクと周辺機器との間でスパークの発生を防止することができる。
本発明の軸受の斜視図である。 本発明の電鋳軸の製造工程を示すマスター軸の斜視図である。 図2のマスター軸にマスキングをした状態を示す斜視図である。 本発明の電鋳軸の斜視図である。 本発明のマスター軸を備えた状態の樹脂軸受の断面図である。 射出成形金型に電鋳軸を取付けた状態を説明する模式図である。 射出成形金型によりフランジの形成を説明する模式図である。 本発明の軸受の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2のモータ構造を示す模式図である。
符号の説明
1 電鋳軸
2 マスター軸
2a 角部
3 被覆材
4 電鋳部
4a 面取り部
4b 軸受面
5 軸受
6 上型
7 下型
8 キャビティ
9 位置決め穴
10 ガイド穴
11 フランジ
12 スプール
13 ランナー
14 ゲート
15 モールド部
16 外周面
21 モータ
22 軸部材
23 スラスト軸受
24 ロータ(ディスクハブ)
25 ステータ
26 ロータマグネット
27 ブラケット

Claims (6)

  1. 内周に軸受面を有し、マスター軸表面に析出した金属で形成された厚さ10μm〜200μmの電鋳部と、電鋳部を射出成形にてモールドすることにより形成されたモールド部とを備え、電鋳部のうち、マスター軸の表面に析出し始めた面で軸受面が形成されると共に、析出終了側の面がモールド部に接しており、射出成形材料として導電性の溶融金属が使用され、かつ射出成形後に電鋳部がマスター軸から分離された軸受と、
    軸受の軸受面で支持される軸部材と、
    軸受のモールド部を保持するブラケットとを有し、
    電鋳部からモールド部を経てブラケットに至る導電経路を有する軸受装置。
  2. 前記電鋳部にフランジを形成したことを特徴とする請求項1記載の軸受装置
  3. 前記フランジが、電鋳部の塑性変形によって形成されたことを特徴とする請求項2に記載の軸受装置
  4. 前記軸部材が、電鋳部の成形時に使用したマスター軸であることを特徴とする請求項に記載の軸受装置。
  5. 前記軸部材が、電鋳部の成形時に使用したマスター軸と別部材であることを特徴とする請求項記載の軸受装置。
  6. 請求項の何れかに記載した軸受装置を備えるモータ。
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