JP4896428B2 - 流体軸受装置およびこれを有するモータ - Google Patents

流体軸受装置およびこれを有するモータ Download PDF

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Description

本発明は、軸受隙間に存在する潤滑流体で軸部材を相対的に回転自在に支持する流体軸受装置に関するものである。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等に搭載するスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)などに搭載するポリゴンスキャナモータ用、あるいは軸流ファンなどの電気機器に搭載する小型モータ用として好適である。
この種の流体軸受は、ラジアル軸受隙間内の流体に動圧を発生させる動圧発生手段を備えたいわゆる動圧軸受と、動圧発生手段を備えていないいわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)とに大別される。何れの軸受においても、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部が設けられ、スラスト軸受部としてはラジアル軸受部と同様に軸部材を非接触支持するものの他、軸部材の軸端を凸球状とし接触支持するピボット軸受を用いる場合もある。
例えば、ラジアル軸受部とスラスト軸受部とを動圧軸受で構成する場合、軸受部材のラジアル軸受面およびスラスト軸受面に、動圧発生手段として動圧溝を形成する場合がある。ラジアル軸受面の動圧溝は、例えば転造や切削により形成され、スラスト軸受面の動圧溝は、例えばプレス成形で形成される(例えば、特許文献1参照)。
また、スラスト軸受部をピボット軸受で構成する場合、軸受装置内に設置したスラストプレートで軸部材の軸端を接触支持する構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−249464号公報 特開平09−044985号公報
上記特許文献1のように動圧溝の形成を転造加工で行うと、肉の盛り上がりを除去するために切削加工を行う必要があり、これにより切削粉が発生する。このような切削粉は完全に取り除くことが困難であり、流体軸受装置中に切削粉が混入すると回転性能の低下を招く恐れがある。また、転造や切削による動圧溝の形成は、その加工方法の特性上、溝形状にバラツキが生じやすく、高精度かつ均質な溝を量産することが困難である。
また、上記特許文献2のように、スラスト軸受部をピボット軸受で構成した場合には、軸受部材の他にスラストプレートを別部材として設ける必要があることから、部品点数が増加し、部品コストおよび組立コストの高コスト化を招く。
そこで本発明の目的は、高い軸受性能が安定して得られ、かつ部品点数の削減を通じて、低コストに製作できる流体軸受装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明にかかる流体軸受装置は、軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸部材と、軸部材の外周面をラジアル方向で支持するラジアル軸受面と、互いに対向する軸部材の外周面とラジアル軸受面との間に形成されるラジアル軸受隙間と、軸部材の端部をスラスト方向で支持するスラスト軸受面とを有し、ラジアル軸受面に、ラジアル軸受隙間を満たす潤滑流体に動圧を発生させるための動圧発生部が形成された流体軸受装置において、軸受部材が、マスター軸の外周面に形成され、動圧発生部に対応した凹凸形状を有するラジアル軸受面成形部と、マスター軸の一端面に形成したスラスト軸受面成形部とに金属を析出させることにより形成した有底円筒状の電鋳部をインサートした射出成形で形成され、電鋳部のうち、金属の析出開始面である内周面に動圧発生部を有するラジアル軸受面が形成されると共に、ラジアル軸受面およびこれに設けられた動圧発生部がラジアル軸受面成形部の表面精度に倣った表面精度を備え、かつ、電鋳部のうち、金属の析出開始面である内底面にスラスト軸受面が形成されると共に、スラスト軸受面がスラスト軸受面成形部の表面精度に倣った表面精度を備えることを特徴とする。
電鋳部は、マスター軸を電解液中に浸漬させ、マスター軸の表面に金属を電着させることにより形成される。電鋳加工の特性上、電鋳部にはマスター軸の表面形状が精度良く転写され、マスター軸の表面精度に倣った面精度となる。従って、電鋳部にラジアル軸受面およびスラスト軸受面をそれぞれ形成すれば、予めマスター軸の表面精度を高めておくことにより、高い面精度を有するラジアル軸受面およびスラスト軸受面を容易に得ることができる。
本発明において、軸受部材は、電鋳部をインサートした射出成形で形成される。具体的には、電鋳部を形成したマスター軸(電鋳軸)をインサート部品として樹脂材料や金属材料で射出成形することにより形成され、これにより、電鋳部とこれを被覆するモールド部とが一体成形されるので、その後、電鋳部とマスター軸とを分離すれば、成形品を流体軸受装置用の軸受部材としてそのまま使用することができる。この際、ラジアル軸受面を構成する部材やスラスト軸受面を構成する部材(スラストプレート等)を、圧入や接着等の手段で本体に組み込む必要がないので、工程数の削減を通じて軸受装置の低コスト化を図ることができる。
射出成形の材料としては、樹脂材料の他、金属材料、セラミック等が使用可能である。金属材料を用いる場合には、例えばマグネシウム合金等の低融点金属の射出成形、金属粉末とバインダの混合物を射出成形した後、脱脂、焼結するいわゆるMIM成形等が利用可能である。セラミックを用いる場合には、例えばセラミック粉末とバインダの混合物を射出成形した後、脱脂、焼結するいわゆるCIM成形等が利用可能である。一般的に樹脂材料を使用した場合には、成形性に優れると共に軽量であるという特徴が得られ、金属材料を使用した場合には、剛性、導電性、および耐熱性等に優れるという特徴が得られる。また、セラミックを使用した場合には、金属材料よりも軽く、剛性、耐熱性等に優れるとという特徴が得られる。
この軸受装置において、軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部としては、真円軸受および動圧軸受の何れもが使用可能である。真円軸受では、軸受部材内周のラジアル軸受面および軸部材の外周面の双方が断面真円状に形成され、動圧軸受では、ラジアル軸受面および軸部材の外周面のうち、何れか一方の面に、動圧発生部が形成される。動圧発生部としては、複数の動圧溝を有するもの、および複数の円弧面を有するものが代表的であり、本発明では何れの動圧発生部も使用することができる。
ラジアル軸受部を真円軸受で構成する場合、マスター軸は断面真円形状に形成される。これにより軸受部材のラジアル軸受面(電鋳部の内周面)が真円形状に成形されるので、マスター軸と電鋳部の分離後、真円状の軸部材を軸受部材の内周に挿入することにより、真円状のラジアル軸受面と、これに対向する断面真円状の軸部材外周との間に真円軸受のラジアル軸受隙間が形成される。
ラジアル軸受部を動圧軸受で構成する場合であって、特に軸受部材内周のラジアル軸受面に動圧発生部を形成する場合、マスター軸の外周面には、動圧発生部の形状に対応した凹凸形状のラジアル軸受面成形部が形成される。これにより、成形部の形状が軸受部材内周の電鋳部に正確に転写されるため、高精度な動圧発生部を、従来のように切削粉を発生させることなく、容易かつ低コストに形成することができる。動圧発生部の形成後に電鋳部とマスター軸とを分離し、さらに断面真円状の軸部材を軸受部材の内周に挿入すれば、断面非真円状のラジアル軸受面と、これに対向する真円状の軸部材外周面との間に動圧軸受のラジアル軸受隙間が形成される。
ラジアル軸受部を動圧軸受で構成する場合であって、特に軸部材の外周面に動圧発生部を形成する場合、マスター軸は断面真円状に形成される。これにより軸受部材のラジアル軸受面が断面真円状に成形されるので、マスター軸と電鋳部の分離後、別工程で外周に動圧発生部を形成した軸部材を軸受部材の内周に挿入することにより、真円状のラジアル軸受面と、これに対向する非真円状の軸部材外周との間に動圧軸受のラジアル軸受隙間が形成される。
上記流体軸受装置には、軸部材をスラスト方向で支持するスラスト軸受部が設けられる。スラスト軸受部としては、スラスト軸受面で、軸部材をスラスト方向に接触支持するピボット軸受の他、スラスト軸受面と、これに対向する軸部材の端面との間のスラスト軸受隙間に生じた流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持する動圧軸受を使用することもできる。動圧軸受は、例えばスラスト軸受面およびこれに対向する軸部材の端面の何れか一方に複数の動圧溝を形成することによって構成することができる。
スラスト軸受部を動圧軸受で形成する場合であって、スラスト軸受面に動圧溝を形成する場合、上記のラジアル軸受面を形成する場合と同様に、マスター軸の軸端に動圧溝形状に対応した凹凸形状のスラスト軸受面成形部を形成しておけば、電鋳加工によりスラスト軸受面の動圧溝を精度良く成形することができる。一方、軸部材の端面に動圧溝を形成する場合、軸端を平坦面としたマスター軸で電鋳加工を行い、スラスト軸受面を動圧発生部のない平坦面状に成形する。そして、電鋳部とマスター軸の分離後、予め別工程で端面に動圧溝を形成した軸部材を軸受部材の内周に挿入することにより、動圧軸受を構成する。
軸部材としては、電鋳部の成形時に使用したマスター軸をそのまま使用する他、マスター軸と別部材を使用することもできる。
軸部材としてマスター軸を使用する場合、マスター軸の一端に、スラスト軸受面を成形する成形部を形成すると共に、他端に、スラスト軸受部を構成する軸受構成部を形成することもできる。この場合、電鋳加工時に、成形部でスラスト軸受面を成形し、マスター軸と電鋳部の分離後にマスター軸を反転させて軸受部材の内周に挿入すれば、マスター軸の軸受構成部と電鋳部のスラスト軸受面との間でスラスト軸受部を構成することができる。マスター軸の軸受構成部としては、例えば、端面に複数の動圧溝を形成する構成、端面を平坦面とする構成、あるいは軸端を球面状に形成する構成が考えられる。前二者の場合、マスター軸の軸受構成部とスラスト軸受面とで動圧軸受が構成され、後者の場合、軸受構成部とスラスト軸受面とでピボット軸受が構成される。
以上の構成を有する流体軸受装置は、例えばHDD等のディスク装置用のスピンドルモータに好ましく使用することができ、このモータは低コストである上に、回転精度が良好で、かつ耐久性も高いという特徴を備える。
以上のように本発明の構成を有する流体軸受装置は、長期間安定した軸受性能を発揮できると共に、部品点数および組立工数の削減を通じて低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本発明の構成を有する軸受部材8は、マスター軸12を製作する工程(図2(a)参照)、マスター軸12の所要箇所をマスキングする工程(図2(b)参照)、非マスク部Nに電鋳加工を行って電鋳軸11を形成する工程(図2(c)参照)、電鋳軸11の電鋳部10を樹脂等でモールドして軸受部材8を形成する工程(図5参照)、および電鋳部10とマスター軸12とを分離する工程を経て製作される。
図2(a)に示すマスター軸12は、導電性材料、例えば焼入処理を施したステンレス鋼で形成される。もちろん電鋳部10の成形性が良好であれば、ステンレス鋼以外の金属材料、例えばニッケルクロム鋼その他のニッケル合金やクロム合金なども使用することができる。セラミック等の非金属材料でも、導電処理を施すことにより(例えば、表面に導電性の金属被膜を形成することにより)使用可能となる。
図2(b)に示すマスキング工程では、マスター軸12の外周面上方および上端面にマスキング13(散点模様で示す)が施される。このマスキングが施された部分(マスク部M)には、後述する電鋳加工時に電鋳金属が電着せず、電鋳部10は形成されない。一方、マスター軸12のマスク部Mを除く外周面および下端面にはマスキングが施されず、これらマスキングが施されない部分(非マスク部N)は、電鋳加工時に電鋳部10の内周面(ラジアル軸受面A)および内底面(スラスト軸受面B)を成形する成形部となる。なお、マスキング13用の被覆材としては、非導電性、および電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が使用可能である。また、マスキング前には、マスター軸12の表面に電鋳部10との間の摩擦力を減じるための表面処理、例えばフッ素系の樹脂コーティングを予め施しておくのが望ましい。
図2(a)および(b)に示すように、マスター軸12の非マスク部Nのうち、マスター軸12の外周面には、ラジアル軸受面Aの動圧溝パターンに対応した凹凸形状を有するラジアル軸受面成形部N1が形成される。ラジアル軸受面Aとラジアル軸受面成形部N1の凹凸態様は正反対であり、ラジアル軸受面Aの凸となる部分がラジアル軸受面成形部N1では凹部12a1、12a2となる。図示例では、ラジアル軸受面成形部N1として、へリングボーン形状の動圧溝パターンに対応した場合を例示しているが、これをスパイラル形状の動圧溝パターンに対応した形状に形成することもできる。
同様に非マスク部Nのうち、マスター軸12の下側端面12cの一部環状領域には、図3に示すように、後述するスラスト軸受面Bの動圧溝パターンに対応した凹凸形状を有するスラスト軸受面成形部N2が形成される。このスラスト軸受面成形部N2でも、凹凸態様はスラスト軸受面Bと正反対になっている。図示例では、スラスト軸受面成形部N2として、スパイラル形状の動圧溝パターンに対応した場合を例示しているが、これをヘリングボーン形状の動圧溝パターンに対応した形状に形成することもできる。
図2(c)に示す電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター軸12を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター軸12の表面に析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、動圧軸受の軸受面に求められる硬度、疲れ強さ等の物理的性質や、化学的性質に応じて適宜選択される。電鋳部10の厚みは、これが厚すぎるとマスター軸12からの剥離性が低下し、薄すぎると電鋳部10の耐久性低下等につながるので、求められる軸受性能や軸受サイズ、さらには用途等に応じて最適な厚みに設定される。
以上の工程を経ることにより、図2(c)に示すように、マスター軸12の外周面12aと下側端面12cの非マスク部Nに有底円筒状の電鋳部10を被着した電鋳軸11が形成される。このとき、図4に示すように、電鋳部10の内周面10aには、マスター軸12の外周面12aのラジアル軸受面成形部N1の形状が転写され、複数の動圧溝8a1、8a2を有するラジアル軸受面Aが軸方向に離隔して形成される。また、電鋳部10の内底面10cには、マスター軸12の下側端面12cのスラスト軸受面成形部N2の形状が転写され、複数の動圧溝を有するスラスト軸受面Bが形成される(図示省略)。
次に、電鋳軸11は、例えば図5に示すモールド工程に移送され、電鋳軸11をインサート部品として、樹脂材料による射出成形(インサート成形)が行われる。
モールド工程では、電鋳軸11は、その軸方向を型締め方向(図面上下方向)と平行にして、上型15、および下型16からなる金型内部に供給される。下型16には、マスター軸12の外径寸法に適合した位置決め穴18が形成され、この位置決め穴18に前工程から移送した電鋳軸11の上端(マスク部M)を挿入して電鋳軸11の位置決めがなされる。そして、可動型(本実施形態では上型15)を固定型(本実施形態では下型16)に接近させて型締めした後、ゲート21を介してキャビティ17に樹脂材料を射出し、電鋳部10の全体を樹脂材料でモールドする。樹脂材料としては、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂等の高機能結晶性ポリマーが使用可能である。樹脂材料には、必要に応じて強化材(繊維状、粉末状等の形態は問わない)や潤滑剤等の各種充填材が配合される。
なお、射出する材料としては金属材料も使用することもでき、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この場合、樹脂材料を使用する場合に比べて、強度、耐熱性、または導電性等を向上させることができる。この他、MIM成形を採用することもできる。また、上記樹脂材料や金属材料以外にも、例えばセラミックを使用することもでき、例えば、セラミック粉末とバインダの混合物を射出成形した後、脱脂、焼結するいわゆるCIM成形等が利用可能である。この場合、金属材料よりも軽く、かつ樹脂材料よりも剛性、耐熱性等に優れるとという特徴が得られる。
樹脂材料の固化後、型開きを行うと、図4に示すように、マスター軸12および電鋳部10からなる電鋳軸11と、モールド部14とが一体となった成形品が得られる。
この成形品は、その後分離工程に移送され、電鋳部10およびモールド部14が一体化したもの(軸受部材8)と、マスター軸12とに分離される。
ところで、一般に電鋳部が薄肉円筒状の場合、マスター軸と分離する前の電鋳部には、マスター軸から剥がれる方向に変位するのを妨げる向きの応力(残留応力)が蓄積される。この残留応力は、例えば電鋳軸に衝撃を与えることにより解放され、この応力解放に伴って、電鋳部が拡径してマスター軸の表面から剥離する。これに伴い、電鋳部の内周面とマスター軸の外周面との間に微小隙間が形成されるので、両者を分離することが可能となる。
分離工程では、この原理を利用して軸受部材8とマスター軸12の分離が行われる。具体的には、電鋳軸11あるいは軸受部材8に衝撃を与え、電鋳部10のラジアル軸受面Aを半径方向に拡径させて、ラジアル軸受面Aとマスター軸12外周のラジアル軸受面成形部N1との間に隙間(動圧溝深さ以上の隙間が望ましい)を形成する。この隙間形成により、ラジアル軸受面Aとラジアル軸受面成形部N1との間の軸方向の凹凸係合が解消される。一方、スラスト軸受面Bとマスター軸12のスラスト軸受面成形部N2との間には軸方向の凹凸係合は生じない。従って、衝撃を与えて電鋳部10をマスター軸12の表面から剥離させた後、マスター軸12を軸方向に引き抜くことにより、ラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bを傷つけることなく、マスター軸12と軸受部材8とを分離することが可能となる。なお、ラジアル軸受面Aの拡径量は、例えば電鋳部10の円筒部分の肉厚を変えることによって制御することができる。
応力解放だけでは電鋳部の内周面10aで十分な拡径量を確保できない場合、電鋳部10とマスター軸12とを加熱又は冷却し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによってマスター軸12と軸受部材8とを分離することもできる。
マスター軸12と分離した軸受部材8は、図7に示すように、側部8bおよび底部8cを一体に有する有底筒状をなす。特に、本実施形態では、電鋳部10の上端もモールド部14で覆っているので、電鋳部10の抜け止めを行うことができる。この被覆部分の内周面はテーパ面状に形成され、後述するように軸受装置の組立後は、このテーパ面14aと軸部材2の外周面との間でシール空間が構成される。
マスター軸12と分離した軸部材8の内周には、図7に示すように、マスター軸12とは別に製作した軸部材2が挿入され、これにより流体軸受装置(流体動圧軸受装置)1が構成される。軸部材2は、ステンレス鋼等の耐摩耗性に富む金属材料からなり、外周面2aは動圧溝のない真円状、下端面2bは動圧溝のない平坦面状に形成される。軸部材2の外径寸法は、ラジアル軸受面Aの動圧溝間領域(動圧溝を区画する凸の部分)の内径寸法よりも僅かに小径であり、これにより二つのラジアル軸受面Aと軸部材2の外周面との間に1μm〜数十μm程度のラジアル軸受隙間(図示せず)が形成される。
また、軸部材2を軸受部材8の内周に挿入することにより、モールド部14の上端開口部のテーパ面14aと軸部材2の外周面2aとの間にテーパ状のシール空間Sが形成される。軸部材2の挿入後、シール空間Sで密封された流体軸受装置1の内部空間には、潤滑流体としての例えば潤滑油が充満され、この状態で潤滑油の油面はシール空間Sの範囲内に維持される。シール空間Sは、上方を拡大させたテーパ状空間とする他、同幅の円筒状空間とすることもできる。また、シールを構成するテーパ面14aをモールド部14と別部材で構成することもできる。
流体軸受装置1は以上のように構成され、軸部材2と軸受部材8の相対回転時(例えば軸部材2の回転時)には、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、その圧力によって軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが形成される。
また、軸受部材8のスラスト軸受面Bは、軸部材2の下側端面2bとスラスト軸受隙間を介して対向する。軸部材2の回転に伴い、スラスト軸受隙間にも潤滑油の動圧が発生し、その圧力によって軸部材2がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部Tが形成される。
以上に説明したように、本発明の流体軸受装置1では、電鋳部10にラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bの双方が形成され、かつ軸受部材8が各電鋳部10をインサートした射出成形で形成されている。そのため、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部Tの構成を簡略化すると共に、部品点数および組立工数を減じることができ、軸受装置1の低コスト化を図ることができる。また、ラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bは、電鋳加工されているから、高精度の動圧溝成形を行うことができ、高い軸受性能が得られる。しかも軸受面A、Bの成形に伴って切削粉が発生することもなく、コンタミの問題も解消される。
また、一度製作したマスター軸12は繰り返し使用することができ、かつ成形後のラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bはマスター軸の成形部N1、N2の表面形状に倣った形状となる。従って、個体間で動圧溝精度のバラツキの少ない軸受部材8を得ることができ、高回転精度を有する流体軸受装置1が安定して量産可能となる。
なお、電鋳加工の特性上、電鋳部10の外表面は粗面に形成されるため、インサート成形時にはモールド部14を構成する樹脂材料が電鋳部10外表面の微小な凹凸に入り込み、アンカー効果を発揮する。そのため、電鋳部10とモールド部14との間に強固な固着力が発揮され、電鋳部10とモールド部14との間で確実に回り止めおよび抜け止めがなされる。従って、耐衝撃性に富む高強度の軸受部材8が提供可能となる。
回り止めおよび抜け止め効果が不十分な場合、図8に示すように電鋳部10にフランジ20を一体形成し、これをモールド部14に内蔵させれば、回り止めおよび抜け止め効果をより一層高めることができる。
図示例では、フランジ20がラジアル軸受面Aとスラスト軸受面Bとの角部に傾斜状に形成されているが、この種のフランジ20は電鋳加工中に形成することが可能である。すなわち、電解質溶液中に図示の形態のマスター軸12を浸漬すると、通常、マスター軸12の下端角部12dでは、他の部分と比較して金属粒子の析出量が多くなるため、図8に示す傾斜状のフランジ20が成長する。そのため、このフランジ20付きの電鋳軸11をそのまま樹脂材料でモールドすれば、フランジ20を回り止めおよび抜け止めとして用いることが可能となる。
なお、このフランジ20は、電鋳部10を塑性変形させることにより形成することもできる。この場合、フランジ20の形成位置は特に問わず、例えば電鋳部10の上端を外径側に塑性変形させてフランジ20を形成してもよい。
以上の説明では、ラジアル軸受部R1、R2で動圧溝を軸方向で対称に形成する場合を例示しているが、これを軸方向で非対称に形成することもできる。図9(軸受部材8から軸部材2を抜いた状態を示す)は、その一例を示すものであり、上方のラジアル軸受部R1で動圧溝8a1を軸方向中心(上下の傾斜溝間領域の軸方向中心)に対して軸方向非対称に形成し、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1を下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくしたものである。下方のラジアル軸受部R2は、動圧溝8a2が軸方向対称に形成され、その上下領域の軸方向寸法はそれぞれ上記軸方向寸法X2と等しくなっている。この場合、軸部材2の回転時には、動圧溝による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は下側の対称形の動圧溝8a2に比べ、上側の動圧溝8a1で相対的に大きくなる。そのため、ラジアル軸受隙間内では下向きの潤滑油の流れが生じ、これによりスラスト軸受部Tに潤沢な潤滑油を供給することが可能となる。
また、以上の説明では、ラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bを一体形成された電鋳部10に形成する場合を例示しているが、電鋳部10を二以上に分割し、両軸受面A、Bをそれぞれ別体の電鋳部に形成することもできる。
次に、以上に説明した流体軸受装置1を組み込んだモータの一例を図面に基づいて説明する。
図6は情報機器用スピンドルモータの一構成例を示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する流体軸受装置1と、軸部材2に装着されたロータ(ディスクハブ)3と、半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取り付けられる。流体軸受装置1の軸受部材8は、ブラケット6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一または複数枚保持される。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それによってディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
本発明の構成は、上記の流体軸受装置1に限らず、以下示す形態の流体軸受装置にも好ましく用いることができる。以下、図面に基づきその構成を説明するが、図7に示す流体軸受装置1と同一の構成および機能が共通する部材には共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
図10は、流体軸受装置1の他の実施形態を示すものである。この流体軸受装置1において、動圧発生部となる動圧溝8a1、8a1は、軸部材2の外周面2aおよび軸部材2の下側端面2bに形成され(下側端面2bに形成した動圧溝の図示は省略している)、軸受部材8のラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bは何れも動圧溝のない断面真円状および平坦面状に形成される。この場合、マスター軸12の外周面12aおよび下側端面12cは、動圧溝のない断面真円状および平坦面状に形成される。このマスター軸12を用いて上述の電鋳加工およびモールド工程を行い、さらにマスター軸12を軸受部材8から分離してラジアル軸受面Aおよびスラスト軸受面Bを成形した後、軸受部材8の内周にマスター軸12とは別部材の軸部材2を挿入する。軸部材2の外周面2aおよび下端面2bには予め機械加工やエッチング等の手法で動圧溝を形成しておく。
図11は、流体軸受装置1の他の実施形態を示すものである。この流体軸受装置1では、図7および図9に示す実施形態と異なり、スラスト軸受部Tがピボット軸受で構成され、ラジアル軸受部R1、R2がそれぞれ動圧発生部を有しない真円軸受で構成されている。軸部材2の下端には、凸状の球面2cが形成されており、この球面2cを平坦面状のスラスト軸受面Bで接触支持することによりピボット軸受からなるスラスト軸受部Tが構成される。また、軸部材2の外周面2aは動圧溝のない断面真円状であり、この外周面2aとこれに対向する断面真円状のラジアル軸受面Aとで真円軸受が構成される。この場合、ラジアル軸受部R1、R2およびスラスト軸受部Tのうち、何れか一方を図7および図9に示す動圧軸受に置き換えることもできる。
図11に示す実施形態の場合、軸部材2として、図7および図9に示す実施形態と同様に、マスター軸12と別部材を使用する他、マスター軸12そのものを使用することもできる。この場合、図12に示すように、マスター軸12の一端(図面では上端)にスラスト軸受面Bを成形する平坦面状のスラスト軸受面成形部N2が形成され、マスター軸12の他端(図面では下端)にスラスト軸受部Tを構成する凸球面状の軸受構成部2cが形成される。電鋳加工時には、図11に示すマスター軸12のスラスト軸受面成形部N2に電鋳部10を形成する一方、軸受構成部2cにはマスキングを施して電鋳軸11を形成する。次いで、この電鋳軸11をインサート成形し、軸受部材8とマスター軸12を分離した後、マスター軸12を上下反転させて軸受構成部となる球面2cを軸受部材8の内周に挿入し、球面2cをスラスト軸受面Bに接触させて、ピボット軸受からなるスラスト軸受部Tを構成する。これにより、マスター軸12を電鋳部10の成形用治具として、および軸受装置1の構成要素として併用することが可能となる。
この方法を図7および図9に示す実施形態にも適用することにより、軸部材2としてマスター軸12をそのまま使用することが可能となる。この場合、マスター軸12の一端面に平坦面が形成され、他端面に動圧溝(もしくは動圧溝の成形型)が形成される。マスター軸12の両端面のうち、何れか一方がスラスト軸受面Bの成形部となり、他方がスラスト軸受部Tを構成する軸受構成部となる。
図7および図9に示す実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により流体動圧を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、いわゆる多円弧軸受やステップ軸受を採用しても良い。
図13は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受部材8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域が、3つの円弧面33で構成されている(いわゆる3円弧軸受)。3つの円弧面33の曲率中心は、それぞれ、軸受部材8(軸部材2)の軸中心Oから等距離オフセットされている。3つの円弧面33で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の両方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小したくさび状隙間35である。そのため、軸受部材8と軸部材2とが相対回転すると、その相対回転の方向に応じて、ラジアル軸受隙間内の潤滑油がくさび状隙間35の最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑油の動圧作用によって、軸受部材8と軸部材2とが非接触支持される。なお、3つの円弧面33相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝を形成しても良い。
図14は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の他の例を示している。この例においても、軸受部材8の内周面8aのラジアル軸受面Aとなる領域が、3つの円弧面33で構成されているが(いわゆる3円弧軸受)、3つの円弧面33で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の一方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小したくさび状隙間35である。このような構成の多円弧軸受は、テーパ軸受と称されることもある。また、3つの円弧面33相互間の境界部に、分離溝34と称される、一段深い軸方向溝が形成されている。そのため、軸受部材8と軸部材2とが所定方向に相対回転すると、ラジアル軸受隙間内の潤滑油がくさび状隙間35の最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑油の動圧作用によって、軸受部材8と軸部材2とが非接触支持される。
図15は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の他の例を示している。この例では、図8に示す構成において、3つの円弧面33の最小隙間側の所定領域θが、それぞれ、軸受部材8(軸部材2)の軸中心Oを曲率中心とする同心の円弧で構成されている。従って、各所定領域θにおいて、ラジアル軸受隙間(最小隙間)は一定になる。このような構成の多円弧軸受は、テーパ・フラット軸受と称されることもある。
図16は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方をステップ軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受部材8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域に、複数の軸方向溝形状の動圧溝36が円周方向所定間隔に設けられている。
以上の各例における多円弧軸受は、いわゆる3円弧軸受であるが、これに限らず、いわゆる4円弧軸受、5円弧軸受、さらに6円弧以上の数の円弧面で構成された多円弧軸受を採用しても良い。また、ラジアル軸受部をステップ軸受や多円弧軸受で構成する場合、ラジアル軸受部R1、R2のように、2つのラジアル軸受部を軸方向に離隔して設けた構成とする他、軸受部材8の内周面8aの上下領域に亘って1つのラジアル軸受部を設けた構成としても良い。
さらに、スラスト軸受部Tとして、スパイラル形状の動圧溝により潤滑油の動圧作用を発生させる構成を例示したが、スラスト軸受面となる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、いわゆる波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる(図示省略)。
また、以上の実施形態では、流体軸受装置1の内部に充満する潤滑流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧を発生させることができる流体、例えば磁性流体の他、空気等の気体等を使用することもできる。
本発明にかかる軸受部材の斜視図である。 (a)図はマスター軸の斜視図、(b)図はマスター軸にマスキングを施した状態を示す斜視図、(c)図は電鋳軸の斜視図である。 マスター軸の軸端を示す平面図である。 インサート成形直後の軸受部材の断面図である。 モールド工程を示す断面図である。 本発明の構成を有するスピンドルモータの一例を示す拡大断面図である。 本発明の構成を有する流体軸受装置の一実施形態を示す断面図である。 軸受部材の一部拡大断面図である。 軸受部材の縦断面図である。 流体軸受装置の他の形態を示す断面図である。 流体軸受装置の他の形態を示す断面図である。 軸部材として使用するマスター軸の正面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。
符号の説明
1 流体軸受装置
2 軸部材
8 軸受部材
8a1、8a2 動圧溝
10 電鋳部
11 電鋳軸
12 マスター軸
13 マスキング
14 モールド部
20 フランジ
A ラジアル軸受面
B スラスト軸受面
M マスク部
N 非マスク部
N1 ラジアル軸受面成形部
N2 スラスト軸受面成形部
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
S シール空間
T スラスト軸受部

Claims (7)

  1. 軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸部材と、軸部材の外周面をラジアル方向で支持するラジアル軸受面と、互いに対向する軸部材の外周面とラジアル軸受面との間に形成されるラジアル軸受隙間と、軸部材の端部をスラスト方向で支持するスラスト軸受面とを有し、ラジアル軸受面に、ラジアル軸受隙間を満たす潤滑流体に動圧を発生させるための動圧発生部が形成された流体軸受装置において、
    軸受部材が、マスター軸の外周面に形成され、前記動圧発生部に対応した凹凸形状を有するラジアル軸受面成形部と、マスター軸の一端面に形成されたスラスト軸受面成形部とに金属を析出させることにより形成した有底円筒状の電鋳部をインサートした射出成形で形成され、
    電鋳部のうち、金属の析出開始面である内周面に前記動圧発生部を有するラジアル軸受面が形成されると共に、ラジアル軸受面およびこれに設けられた動圧発生部が前記ラジアル軸受面成形部の表面精度に倣った表面精度を備え、かつ、電鋳部のうち、金属の析出開始面である内底面にスラスト軸受面が形成されると共に、スラスト軸受面が前記スラスト軸受面成形部の表面精度に倣った表面精度を備えることを特徴とする流体軸受装置。
  2. スラスト軸受面で、軸部材をスラスト方向に接触支持することを特徴とする請求項1記載の流体軸受装置。
  3. スラスト軸受面およびこれに対向する軸部材の端面のうち、何れか一方に複数の動圧溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の流体軸受装置。
  4. 軸部材が、マスター軸と別部材であることを特徴とする請求項1記載の流体軸受装置。
  5. 軸部材が、マスター軸であることを特徴とする請求項1記載の流体軸受装置。
  6. マスター軸の一端に、前記スラスト軸受面成形部が形成されると共に、他端に、スラスト軸受部を構成するための軸受構成部が形成されていることを特徴とする請求項記載の流体軸受装置。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載された流体軸受装置を有するモータ。
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