JP4846470B2 - 動圧軸受装置およびこれを備えたモータ - Google Patents

動圧軸受装置およびこれを備えたモータ Download PDF

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本発明は、軸受隙間に生じる流体(潤滑流体)の動圧作用で軸部材を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置およびこれを備えたモータに関するものである。この動圧軸受装置は、パソコン等に搭載されるファンモータ用の軸受装置の他、広く情報機器用の小型モータ、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等に搭載するスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)などに搭載するポリゴンスキャナモータ用の軸受装置としても使用することができる。
上記各種モータのうち、特にファンモータ用の動圧軸受装置では、羽根を有するロータがラジアル軸受部でラジアル方向に回転自在に支持される。また、羽根で生じる送風作用の反力(推力)が、ステータコイルとロータマグネットとの間に生じる磁力の軸方向成分によって支持され、磁力と推力との差によるスラスト荷重がスラスト軸受部で支持される構造になっている。ファンモータ用の軸受装置では、ラジアル軸受部として動圧軸受が使用され、スラスト軸受部として回転軸の軸端を受け材に接触させたピボット軸受を使用する場合が多い。(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−46057号公報
上記特許文献1で開示された動圧軸受装置では、ラジアル軸受部の動圧発生用の溝を樹脂製スリーブの内周に射出成形で形成しているが、この手法では動圧発生用の溝精度を十分に確保することが難しい。また、スラスト軸受部をピボット軸受で構成しているので、軸受装置の長期使用による摩耗が避けられず、この摩耗が回転精度に悪影響を与えるおそれがある。さらに、ピボット軸受では、モーメント荷重に対する軸受剛性を確保する上でも不利となる。
本発明は、高い軸受性能および耐久寿命を有する動圧軸受装置を低コストに提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる動圧軸受装置は、軸部材と、ラジアル軸受隙間を介して軸部材の外周面と対向する円筒状のラジアル軸受面と、ラジアル軸受面を有し、マスター部材の表面に金属を析出させることにより形成した電鋳部をインサートして射出成形された軸受部材と、軸方向の二箇所に離隔して設けられ、ラジアル軸受隙間に生じた潤滑流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、軸受部材の端面に形成したスラスト軸受面、およびスラスト軸受面に対向するスラスト軸受隙間を備え、スラスト軸受隙間に生じた潤滑流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部と、を有し、電鋳部が、ラジアル軸受面を有するラジアル電鋳部と、ラジアル電鋳部と一体をなし、スラスト軸受面を有するスラスト電鋳部とからなり、ラジアル軸受面およびスラスト軸受面が何れも電鋳部の析出開始面に形成され、かつマスター部材の表面精度に倣った表面精度を備えてることを特徴とするものである。ここでいうラジアル軸受面およびスラスト軸受面は、ラジアル軸受隙間やスラスト軸受隙間に対向する面を意味し、これらの面に動圧溝等の動圧発生部が形成されているか否かは問わない。
上記構成において、軸受部材は、電鋳部をインサートして射出成形されるので、スリーブをハウジングの内周に接着等で固定する場合に比べ、組立工程を簡略化して低コスト化を図ることができる。
また、本発明のように、スラスト軸受部を動圧軸受で構成すれば、これをピボット軸受で構成した場合に問題となる、摩耗による回転精度の低下を回避することができる。また、動圧軸受では、スラスト軸受部がピボット軸受のような点支持ではなく面支持となるので、スラスト軸受部における支持面積を拡大させることができ、かつスラスト軸受部をラジアル軸受部よりも外径側に形成することができる。したがって、モーメント荷重に対する軸受剛性を高めることができる。
電鋳部は、電鋳加工によりマスター部材の表面に析出形成された金属層であり、電解めっき(電気めっき)あるいは無電解めっき(化学めっき)に準ずる手法で形成することができる。電鋳加工の特性上、軸受部材を構成する電鋳部の表面精度は、当該電鋳部を形成する際に用いるマスター部材の表面精度に倣うので、マスター部材の表面精度を高めておけば、電鋳部の表面を高精度に仕上げることができる。本発明では、かかる特性を利用し、軸受部材のラジアル軸受面を電鋳部で形成しているので、特にラジアル軸受部の回転精度を高精度に管理することができる。
スラスト軸受隙間は、例えば、軸部材に設けたフランジ部の端面とスラスト軸受面との間に形成される。このフランジ部に該当するものとして、ロータマグネットの取付け部を有する部材を挙げることができる。この部材は、ロータとも呼ばれ、モータの必須構成部材であるから、この部材を、スラスト軸受隙間を形成するための部材として活用することにより、軸受装置にスラスト軸受隙間の形成を目的として別部材を組込む場合に比べ、部品点数および組立工程を削減して低コスト化を図ることができる。
また、スラスト軸受隙間は、軸部材を、例えば異なる2つの外径寸法を有する異径軸とし、径寸法の異なる2つの外周面を繋ぐ段差面と軸受部材のスラスト軸受面との間に形成することもできる。この場合、軸部材の外周面と段差面とが、それぞれラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間とに面する構成となるため、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間の間の直角度を容易かつ高精度に管理することができ、回転精度を高めることが可能となる。またこの場合、例えば軸部材の外周面と軸受部材との間に、軸受内部に充満された潤滑流体、例えば潤滑油の漏れ出しを防止するためのシール空間を設けることもできる。
軸受部材のスラスト軸受面には、スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させる動圧発生部を形成することができる。この場合、動圧発生部は、軸受部材の射出成形と同時に型成形することができるので、別途動圧発生部を形成する手間を省いて動圧軸受装置のさらなる低コスト化を図ることができる。
動圧発生部は、スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させることができるものであれば、特にその形態は問わず、例えば、ヘリングボーン状、スパイラル状、または放射状等に形成された複数の動圧溝を有するもの等が使用可能である。
ラジアル軸受面のみを電鋳部に形成する他、スラスト軸受面を電鋳部に形成することもできる。この場合、電鋳部は、ラジアル軸受面を有するラジアル電鋳部と、ラジアル電鋳部と一体または別体をなし、スラスト軸受面を有するスラスト電鋳部とで構成される。このようにスラスト軸受面も電鋳部に形成することにより、上記電鋳加工の特性から、スラスト軸受部でも高い回転精度を得ることができる。
以上の構成を有する動圧軸受装置は、ロータマグネットとステータコイルとを有するモータに好ましく用いることができる。このモータは、動圧軸受装置が上記の特性を有することから、特にファンモータとしての使用に適する。ファンモータとして使用する場合、例えば、羽根で生じる送風作用の反力(推力)と軸方向反対向きの磁力をロータマグネットとステータコイルとの間に作用させ、これら反力と磁力との差によるスラスト荷重をスラスト軸受部で支持する構造とすることができる。推力と逆方向の磁力は、ロータマグネットの外径側に配置したバックヨーク(磁性体)とロータマグネットの間に生じる磁気吸引力で与えることもできる。
以上のように本発明の構成によれば、部品点数および組立工数の削減により動圧軸受装置を低コスト化することができる。また、高い軸受性能および耐久寿命を有する動圧軸受装置およびモータを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだファンモータの一構成例を概念的に示している。このファンモータは、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2と共に回転する羽根と、軸部材2に固定されたロータ(フランジ部)9と、例えば半径方向(ラジアル方向)のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5とを備えるものであり、一般的にはラジアルギャップ型ファンモータと称される。ステータコイル4は動圧軸受装置1の軸受部材7に取付けられ、ロータマグネット5はロータ9に取付けられている。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力で羽根が回転する。なお、ファンモータの形態として、ステータコイル4とロータマグネット5とを軸方向(アキシャル方向)のギャップを介して対向させる、いわゆるアキシャルギャップ型ファンモータとすることもできる(図示省略)。
羽根の回転中は、その送風作用の反力として軸部材2に図中の矢印Y方向の推力が作用する。ステータコイル4とロータマグネット5との間には、この推力を打ち消す方向の磁力(斥力)を作用させており、この推力と磁力の大きさの差により生じたスラスト荷重が動圧軸受装置1のスラスト軸受部Tで支持される。軸部材2に作用するラジアル荷重は、動圧軸受装置1のラジアル軸受部R1、R2によって支持される。
図2は、本発明の構成を有する動圧軸受装置1の一例を示している。この動圧軸受装置1は、軸部材2と、内周に軸部材2を挿入した軸受部材7とを主な構成要素として備えている。
軸受部材7は、電鋳部10をインサートして成形された樹脂材料の射出成形品で、電鋳加工で形成された電鋳部10と樹脂材料からなるモールド部11とで構成される。樹脂材料は、射出成形可能な材料であれば非晶性樹脂・結晶性樹脂を問わず使用可能で、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等が、また結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が使用可能である。樹脂材料には、必要に応じて強化材(繊維状、粉末状等の形態は問わない)や潤滑剤、導電材等の各種充填材が一種または二種以上配合される。
なお、モールド部11は金属材料で形成することもできる。金属材料としては、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この場合、樹脂材料を使用する場合に比べて、強度、耐熱性、または導電性等をより向上させることができる。この他、金属粉とバインダーの混合物で射出成形した後、脱脂・焼結するいわゆるMIM成形を採用することもできる。さらにこの他、セラミックで射出成形することもできる。
モールド部11は、内周に電鋳部10を有する有底円筒状のスリーブ部11aと、スリーブ部11aの下方から外径側に延びる略円盤状のベース部11bと、ベース部11bの外径端から上方に延びる円筒部11cとで構成され、各部11a〜11cは、界面のない一体品として形成されている。スリーブ部11aの外周面にはステータコイル4の取付け部11dが設けられ、この取付け部11dにステータコイル4が例えば接着等の手段で取付けられる。このモールド部11は、その上端開口を除いて密閉した構造で、ファンモータの各構成部品を収容するケーシングとしての機能も果たしている。ベース部11bがファンモータの底部を、円筒部11cがファンモータの側部を構成する。
電鋳部10は、ラジアル軸受隙間に対向するラジアル軸受面Aを有する。本実施形態において、ラジアル軸受面Aには、図3(b)に示すように、動圧発生部として、例えばヘリングボーン形状に配列された複数の動圧溝Aa1、Aa2が上下2箇所に離隔形成されている。上側の動圧溝Aa1は、軸方向中心(上下の傾斜溝間領域の軸方向中心)に対して軸方向非対称に形成され、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。一方、下側の動圧溝Aa2は軸方向対称に形成され、その上下領域の軸方向寸法はそれぞれ上記軸方向寸法X2と等しくなっている。この場合、軸部材2の回転時には、動圧溝による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は下側の対称形の動圧溝Aa2に比べ、上側の動圧溝Aa1で相対的に大きくなる。
また、軸受部材7(モールド部11)の上側端面7bの全面又は一部の環状領域にはスラスト軸受隙間に対向するスラスト軸受面Bが形成され、当該スラスト軸受面Bには、図3(a)に示すようなスパイラル形状に配列した複数の動圧溝Baが形成されている。
軸部材2は、例えばステンレス鋼等の金属材料で中実軸状に形成される。軸部材2の外周面2aは、凹凸のない断面真円状に形成されている。また、軸部材2の下側端面は、凹凸のない平坦面状に形成されている。
軸部材2の上端には、フランジ部として、例えば外周面に羽根を有するロータ9が固定される。ロータ9の円筒状部分9bの内周面にはロータマグネット5が取付けられる。ロータ9は、例えば、軸部材2をインサートして樹脂で射出成形することにより軸部材2と一体に形成することができる。ロータ9が軸部材2と一体回転可能である限り、ロータ9の形状や取付け方法は任意であり、例えば接着や圧入で軸部材2に固定することもできる。また金属材料でロータ9を形成することもできる。
ロータ9を構成する円盤部9aの下側端面のうち、内径側の一部径方向領域には軸受部材7の上側端面7bに設けられたスラスト軸受面Bと軸方向に対向するスラスト受け面9a1が形成される。軸部材2の回転時には、スラスト軸受面Bとスラスト受け面9a1との間に、後述するスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間が形成される。
動圧軸受装置1は以上のように構成され、軸受部材7の内部空間には、潤滑流体として、例えば潤滑油が充満される。
上記構成の動圧軸受装置1において、軸部材2が回転すると、軸受部材7を構成する電鋳部10に形成されたラジアル軸受面Aは軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。軸部材2の回転に伴って、ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、その圧力によって軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1のラジアル軸受部R1と第2のラジアル軸受部R2とが形成される。
また、軸部材2が回転すると、軸受部材7の上側端面7bに形成されたスラスト軸受面Bはロータ9のスラスト受け面9a1とスラスト軸受隙間を介して対向する。軸部材2の回転に伴って、スラスト軸受隙間にも潤滑油の動圧が発生し、その圧力によって軸部材2がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部Tが形成される。
以上に示すように、本発明では、スラスト軸受部Tを動圧軸受で構成したので、ピボット軸受でスラスト軸受部Tを構成した場合に問題となる、摩耗による回転精度の低下を回避することができる。また、スラスト軸受部Tを動圧軸受で構成したことにより、スラスト軸受部Tがピボット軸受のような点支持ではなく面支持となるので、スラスト軸受部Tにおける支持面積が拡大し、かつスラスト軸受部Tをラジアル軸受部R1、R2よりも外径側に形成することができる。したがって、モーメント荷重に対する軸受剛性を高めることができる。
次に、上記動圧軸受装置1の製造工程を、軸受部材7の製造工程を中心に図面に基づいて説明する。
図4(a)〜(c)は、上記動圧軸受装置1における軸受部材7の製造工程の一部を示すものである。詳述すると、図4(a)はマスター部材12を製作する工程(マスター部材製作工程)、図4(b)はマスター部材12の所要箇所をマスキングする工程(マスキング工程)、図4(c)は電鋳加工により電鋳部材14を形成する工程(電鋳加工工程)を示すものである。これらの工程を経た後、電鋳部材14の電鋳部10を樹脂材料でモールドする工程、および電鋳部10とマスター部材12とを分離する工程を経て軸受部材7が製作される。
図4(a)に示すマスター部材製作工程では、導電性材料、例えば焼入処理を施したステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、その他のニッケル合金、あるいはクロム合金等で形成された中実軸状のマスター部材12が形成される。マスター部材12は、これら金属材料以外にも、導電処理(例えば、表面に導電性の被膜を形成する)を施されたセラミック等の非金属材料で形成することもできる。
マスター部材12の外表面の一部領域には、軸受部材7の電鋳部10を成形する成形部Nが形成される。成形部Nは、電鋳部10内周面の凹凸パターンが反転した形状をなし、その軸方向二箇所には、動圧溝Aa1、Aa2間の丘部を成形する凹部12a1、12a2の列が円周方向に形成されている。もちろん凹部12a1、12a2の形状は動圧発生部形状に対応させ、スパイラル形状等に形成してもよい。
図4(b)に示すマスキング工程では、成形部Nを除いてマスター部材12の外表面にマスキング13(図中、散点模様で示す)が施される。マスキング13用の被覆材としては、非導電性、および電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が適宜選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター部材12を浸漬させた後、マスター部材12に通電して、マスター部材12の外表面のうち、マスキング13が施されていない領域(成形部N)に目的の金属を析出(電着)させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、動圧軸受の軸受面に求められる硬度、疲れ強さ等の物理的性質や、化学的性質に応じて適宜選択される。
以上の工程を経ることにより、図4(c)に示すように、マスター部材12の成形部Nに電鋳部10を被着した電鋳部材14が形成される。このとき、電鋳部10の内周面には、成形部Nに形成された凹部12a1、12a2の形状が転写され、図3(b)に示す複数の動圧溝Aa1、Aa2が軸方向に離隔して形成される。なお、電鋳部10の厚みは、これが厚すぎるとマスター部材12からの剥離性が低下し、逆に薄すぎると電鋳部10の耐久性低下につながるので、求められる軸受性能や軸受サイズ、さらには用途等に応じて最適な厚みに設定される。
なお、電鋳部10は、以上に述べた電解めっきに準ずる手法の他、無電解めっきに準ずる手法で形成することもできる。その場合、マスター部材12の導電性やマスキング13の絶縁性は不要となるかわりに、これらには耐食性が求められる。
次に、上記工程を経て形成された電鋳部材14は、モールド工程に移送される。図示は省略するが、モールド工程では、電鋳部材14をインサート部品として所定の金型にセットした後、上記樹脂材料を用いて射出成形(インサート成形)が行われる。樹脂材料の射出後、樹脂材料を固化させて型開きを行うと、図5に示すように、マスター部材12および電鋳部10からなる電鋳部材14と、モールド部11とが一体となった成形品が得られる。このとき、モールド部11の上側端面(軸受部材7の上側端面7b)には、図3(a)に示すスパイラル形状に配列された複数の動圧溝Baが射出成形と同時に型成形される。
この成形品は、その後分離工程に移送され、電鋳部10およびモールド部11が一体化したもの(軸受部材7)と、マスター部材12とに分離される。この分離工程では、電鋳部10に蓄積された内部応力を解放することにより、電鋳部10の内周面を拡径させ、マスター部材12の外周面12aから剥離させる。内部応力の解放は、例えば電鋳部材14あるいは軸受部材7に衝撃を与えることにより、あるいは電鋳部10の内周面とマスター部材12の外周面12aとの間に軸方向の加圧力を付与することにより行われる。内部応力の解放により、電鋳部10の内周面を半径方向に拡径させて、電鋳部10の内周面とマスター部材11の外周面との間に適当な大きさの隙間(動圧溝深さ以上の隙間が好ましい)を形成すれば、電鋳部10の内周面に形成された動圧溝とマスター部材12の外周面12aに形成された成形部N(凹部12a1、12a2)との過度の干渉を回避して、電鋳部10の内周面からマスター部材12を軸方向にスムーズに引き抜くことができ、これにより成形品を、電鋳部10およびモールド部11からなる軸受部材7と、マスター部材12とに分離することが可能となる。なお、電鋳部10の拡径量は、例えば電鋳部10の肉厚を変えることによって制御することができる。
衝撃の付与だけでは電鋳部10の内周を十分に拡径させることができない場合、電鋳部10とマスター部材12とを加熱又は冷却し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによってマスター部材12と軸受部材7とを分離することもできる。
上記のようにしてマスター部材12と分離された軸受部材7に、マスター部材2とは別に製作された軸部材2を挿入し、軸受部材7の内部空間に潤滑油を充満させることにより、図2に示す動圧軸受装置1が完成する。一方、分離されたマスター部材12は、繰り返し電鋳加工に用いることができるので、高精度な軸受部材7を安定してかつ低コストに量産することができる。なお、分離されたマスター部材12はそのまま軸部材2として使用することもできる。
上記のとおり、本発明において軸受部材7は、電鋳部10をインサートして射出成形されるので、従来のようにスリーブをハウジングの内周に接着等で工程する場合に比べ、組立工程を簡略化して低コスト化を図ることができる。
さらに、本発明では、軸受部材7を、ステータコイル4の取付け部11dを一体に有し、かつモータの各構成部品を収容するケーシングとしての機能も果たす構造としたため、軸受装置やステータコイルを固定するために設けられるブラケットを必要としない。したがって、部品点数および組立工数の削減を通じてモータの低コスト化を図ることもできる。
また、電鋳加工の特性上、電鋳部の表面精度はマスター部材12の表面精度に倣うので、マスター部材12の外表面のうち、特に型部Nを高精度に形成しておけば、電鋳部10、すなわちラジアル軸受面Aの精度を高精度に形成することができる。したがって本発明の構成によれば、特にラジアル軸受部の回転精度を高精度に管理することができる。また、スラスト軸受面Bはインサート成形と同時に型成形されるので、別途スラスト軸受面Bを形成する手間を省いて、動圧軸受装置1のさらなる低コスト化を図ることができる。
さらに、電鋳加工の特性上、電鋳部10の外周面は粗面に形成されるため、インサート成形時にはモールド部11を構成する樹脂材料が電鋳部10外周面の微小な凹凸に入り込み、アンカー効果を発揮する。そのため、電鋳部10とモールド部11との間に強固な固着力が発揮され、電鋳部10とモールド部11との間で回り止めおよび抜け止めがなされる。よって、耐衝撃性に富む高強度の軸受部材7が提供可能となる。
なお、以上の説明では、ラジアル軸受面Aのみを電鋳部10に形成する動圧軸受装置1の形態について説明を行ったが、スラスト軸受面Bも電鋳部10に形成することができる。図6は、その一例を示すもので、電鋳部10がラジアル軸受面Aを有するラジアル電鋳部10aと、ラジアル電鋳部10aと一体に形成され、スラスト軸受面Bを有するスラスト電鋳部10bとで構成されている。このようにスラスト軸受面Bも電鋳部10に形成することにより、上述した電鋳加工の特性から、スラスト軸受部Tでも高い回転精度を得ることができる。なお、その他の構成部材および機能は、図2に示す動圧軸受装置1と同一であるため、共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
図6に示す軸受部材7は、例えば図7に示すようなマスター部材22を用いて形成することができる。このマスター部材22は、軸部22aと、軸部22aに固定された円盤部22bとで構成されている。軸部22aの外周面のうち、円盤部22bの下側端面と連続する一部軸方向領域、および円盤部22bの下側端面を除いてマスキング13が施される。このマスター部材22を用いて電鋳加工を施すと、ラジアル電鋳部10aおよびスラスト電鋳部10bが一体に形成された電鋳部材14が得られる。そして、当該電鋳部材を用いてインサート成形を行うことにより、図6に示す軸受部材7が形成される。
なお、図6に示す実施形態では、ラジアル電鋳部10aとスラスト電鋳部10bとを一体に形成する形態を示したが、両者を別体に形成することもできる。両者を別体に形成する場合には、例えば、マスキング13の形成領域を変更すればよい。
図8は、本発明にかかる動圧軸受装置の第3実施形態を示すものである。同図に示す動圧軸受装置は、主に、軸部材32の外周面が小径外周面32aと大径外周面32bとに区画され、両外周面を繋ぐ段差面32cとこれに対向する軸受部材7の上側端面7bとの間にスラスト軸受隙間を設けた点で図6に示す実施形態と構成を異にしている。かかる構成であれば、軸部材32の小径外周面32aと段差面32cとが、それぞれラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間とに面する構成となる。そのため、軸部材と別体のフランジ部(ロータ9)と軸受部材との間にスラスト軸受隙間を設けた上記構成に比べ、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間の間の直角度を容易かつ高精度に管理することができ、回転精度を一層高めることが可能となる。
また、本実施形態では、軸受部材7を構成するモールド部11に、スリーブ部11aの上端外径側から軸方向上方に突出したシール部11eを一体に設け、シール部11eの内周面と軸部材32の大径外周面32bとの間に所定容積のシール空間Sを形成している。シール空間Sは、温度変化による潤滑油の熱膨張量を吸収できるだけの容積を有し、そのため油面は常時シール空間S内に存在する。本実施形態において、シール部11eの内周面は軸方向上方に向かって漸次拡径したテーパ面状に形成されている。つまり、シール空間Sは、軸受部材7の内部側に向かって漸次縮小したテーパ形状を呈し、シール空間に潤滑油が充満された状態で、当該潤滑油には毛細管力による軸受内部側への引き込み力が作用する。これにより、潤滑油の漏れ出しが確実に防止され、潤滑油による汚染を嫌う用途のモータに好適に用いることが可能となる。
ところで、この種の動圧軸受装置の内部空間では、軸受運転時に局所的な負圧が発生する場合がある。かかる負圧の発生は、気泡の発生、およびこれに起因した潤滑油の漏れや振動の発生を招く。そこで、本実施形態では、軸受部材7(スリーブ部11a)の下端を開口させてその開口を蓋部材15で封止し、スリーブ部11aと蓋部材15との間に底隙間を設けると共に、当該底隙間と大気に開放されたシール空間Sとを連通させる循環路(貫通孔)16を設けた。かかる構成とすることにより、スラスト軸受隙間、ラジアル軸受隙間、底隙間、循環路16という一連の循環通路が形成される。そして、軸受運転時には、軸受内部を満たす潤滑油がかかる循環通路を介して流動循環することにより、潤滑油の圧力バランスが保たれ、上記の不具合が防止可能となる。循環路16は、例えば、軸受部材7成形後に機械加工等で形成する他、軸受部材7(モールド部11)の成形時、これを成形する成形型にピンを設けモールド部11の成形と同時に形成することもできる。なお、これ以外の要素、構成部材については、上述した動圧軸受装置と実質的に同一であるため、共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
以上に示す実施形態では、ラジアル軸受部R1、R2として、へリングボーン形状やスパイラル形状の動圧溝により流体動圧を発生させる構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラジアル軸受部R1、R2として、いわゆる多円弧軸受やステップ軸受、あるいは非真円軸受を採用することもできる。これらの軸受ではそれぞれ、複数の円弧面、軸方向溝、調和波形面が動圧発生部となる。これらの動圧発生部は、上記の実施形態と同様、軸受部材7の電鋳部10に形成されるが、その形成方法は、動圧溝を形成する場合の各工程に準じるので詳細な説明は省略する。
図9は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受部材7(電鋳部10)の内周面のラジアル軸受面Aとなる領域が、3つの円弧面33で構成されている(いわゆる3円弧軸受)。3つの円弧面33の曲率中心は、それぞれ、軸受部材7の軸中心Oから等距離オフセットされている。3つの円弧面33で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の両方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小したくさび状隙間35である。そのため、軸受部材7と軸部材2(図8に示す軸部材32も含む)とが相対回転すると、その相対回転の方向に応じて、ラジアル軸受隙間内の潤滑油がくさび状隙間35の最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑油の動圧作用によって、軸受部材7と軸部材2とが非接触支持される。なお、3つの円弧面33相互間の境界部に、分離溝と称される、一段深い軸方向溝を形成しても良い。
図10は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の他の例を示している。この例においても、軸受部材7の内周面のラジアル軸受面Aとなる領域が、3つの円弧面33で構成されているが(いわゆる3円弧軸受)、3つの円弧面33で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の一方向に対して、それぞれ楔状に漸次縮小したくさび状隙間35である。このような構成の多円弧軸受は、テーパ軸受と称されることもある。また、3つの円弧面33相互間の境界部に、分離溝34と称される、一段深い軸方向溝が形成されている。そのため、軸受部材7と軸部材2とが所定方向に相対回転すると、ラジアル軸受隙間内の潤滑油がくさび状隙間35の最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑油の動圧作用によって、軸受部材7と軸部材2とが非接触支持される。
図11は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を多円弧軸受で構成した場合の他の例を示している。この例では、図10に示す構成において、3つの円弧面33の最小隙間側の所定領域θが、それぞれ、軸受部材7(軸部材2)の軸中心Oを曲率中心とする同心の円弧面で構成されている。従って、各所定領域θにおいて、ラジアル軸受隙間(最小隙間)は一定になる。このような構成の多円弧軸受は、テーパ・フラット軸受と称されることもある。
図12は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方をステップ軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受部材7(電鋳部10)の内周面のラジアル軸受面Aとなる領域に、複数の軸方向溝形状の動圧溝36が円周方向所定間隔に設けられている。
図13は、ラジアル軸受部R1、R2の一方又は双方を非真円軸受で構成した場合の一例を示している。この例では、軸受部材7(電鋳部10)のラジアル軸受面Aとなる領域が、3つの調和波形面37で構成されている。3つの調和波形面37で区画される各領域において、ラジアル軸受隙間は、円周方向の両方向に対して、それぞれくさび状に漸次縮小したくさび状隙間38となる。そのため、軸部材2と軸受部材7とが相対回転すると、その相対回転の方向に応じて、ラジアル軸受隙間内の潤滑油がくさび状隙間38の最小隙間側に押し込まれて、その圧力が上昇する。このような潤滑油の動圧作用によって、軸部材2と軸受部材7とが非接触支持される。なお、くさび状隙間48の最小幅hは、偏心がない場合(軸中心O)には次式によって近似的に表される。
h=c+aw・cos(Nw・θ)
但し、上式において、c、aw、Nwは定数で、cは平均軸受半径隙間、awは波の振幅、θは円周方向の位相、Nwは波数を表す(但し、Nw≧2とする。本実施形態ではNw=3である)。なお、図示例では、軸部材2と軸受部材7の軸中心Oを同心としているが、軸部材2を軸中心O’に偏心させて使用することもできる。
以上の説明では、ラジアル軸受部R1、R2のように、ラジアル軸受部を軸方向に2箇所離隔して設けた構成としたが、軸受部材7の内周面の上下領域に亘って1箇所、あるいは3箇所以上のラジアル軸受部を設けた構成としても良い。また、図9〜図11で示した多円弧軸受は、いわゆる3円弧軸受であるが、これに限らず、いわゆる4円弧軸受、5円弧軸受、さらに6円弧以上の数の円弧面で構成された多円弧軸受を採用しても良い。また、図13に示した非真円軸受は、3つの調和波形面で構成されているが、多円弧軸受同様に、4以上の調和波形面で構成された非真円軸受を採用してもよい。
また、以上説明した実施形態では、軸受部材7を構成する電鋳部10のラジアル軸受面Aに動圧発生部を形成した場合を例示したが、このラジアル軸受面Aと対向する軸部材2の外周面2aに動圧発生部を設けても良い。この場合、電鋳部10のラジアル軸受面Aは、凹凸のない円筒面状に形成される。
また、以上では、電鋳部10のラジアル軸受面Aまたは軸部材2の外周面2aに動圧発生部を設け、当該動圧発生部でラジアル軸受隙間に流体動圧を発生させてラジアル軸受部R1、R2を動圧軸受で構成する場合について説明を行ったが、電鋳部10のラジアル軸受面Aを凹凸のない円筒面状に、かつ軸部材2の外周面2aを凹凸のない断面真円状に形成することで、ラジアル軸受部R1、R2を真円軸受で構成することもできる(図示省略)。
さらに、スラスト軸受部Tとして、スパイラル形状の動圧溝により潤滑油の動圧作用を発生させる構成を例示したが、スラスト軸受面Bとなる領域に、複数の半径方向溝形状の動圧溝を円周方向所定間隔に設けた、いわゆるステップ軸受、いわゆる波型軸受(ステップ型が波型になったもの)等で構成することもできる(図示省略)。また、ラジアル軸受部R1、R2と同様に、スラスト軸受部Tにおいても、動圧発生部はスラスト軸受面Bに対向するロータ9のスラスト受け面9a1に形成しても良い。
また、以上の実施形態では、動圧軸受装置1の内部に充満する潤滑流体として、潤滑油を例示したが、それ以外にも各軸受隙間に動圧を発生させることができる流体、例えば磁性流体の他、空気等の気体等を使用することもできる。
なお、本発明の構成を有する動圧軸受装置1は、上述したファンモータ以外のモータに組み込んで使用することもできる。図14はその一例を示すものであり、HDD等のディスク駆動装置に用いられる情報機器用スピンドルモータを概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータでは、動圧軸受装置1の軸部材2に取付けられるフランジ部が、ディスクを一枚または複数枚保持するディスクハブ19で構成される。また、モータの構成上、モールド部11がステータコイル5の取付け部11dを有するスリーブ部11aのみで構成され、上記でいうベース部11bおよび円筒部11cが別体となっている。ステータコイル4やロータマグネット5の取付け形態等によっては、上記のように各部を一体に形成することもできる。なお、これ以外の構成部材および作用については、以上で説明を行った内容と同一であるため、共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
本発明の構成を有する動圧軸受装置を組み込んだファンモータの一例を示す断面図である。 動圧軸受装置の第1実施形態を示す断面図である。 (a)図は軸受部材の端面を示す図、(b)図は軸受部材の縦断面図である。 (a)図はマスター部材の斜視図、(b)図はマスター部材にマスキングを施した状態を示す斜視図、(c)図は電鋳部材の斜視図である。 インサート成形直後の軸受部材の断面図である。 動圧軸受装置の第2実施形態を示す断面図である。 電鋳部材の他の形態を示す斜視図である。 動圧軸受装置の第3実施形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。 本発明の構成を有する動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2、32 軸部材
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
7 軸受部材
9 ロータ(フランジ部)
10 電鋳部
11 モールド部
11d (ステータコイルの)取付け部
11e シール部
12、22 マスター部材
12a1、12a2 凹部
13 マスキング
14 電鋳部材
32c 段差面
A ラジアル軸受面
B スラスト軸受面
N 型部
R1、R2 ラジアル軸受部
S シール空間
T スラスト軸受部

Claims (5)

  1. 軸部材と、
    ラジアル軸受隙間を介して軸部材の外周面と対向する円筒状のラジアル軸受面と、
    ラジアル軸受面を有し、マスター部材の表面に金属を析出させることにより形成した電鋳部をインサートして射出成形された軸受部材と、
    軸方向の二箇所に離隔して設けられ、ラジアル軸受隙間に生じた潤滑流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、
    軸受部材の端面に形成したスラスト軸受面、およびスラスト軸受面に対向するスラスト軸受隙間を備え、スラスト軸受隙間に生じた潤滑流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部と、
    を有し、
    電鋳部が、ラジアル軸受面を有するラジアル電鋳部と、ラジアル電鋳部と一体をなし、スラスト軸受面を有するスラスト電鋳部とからなり、ラジアル軸受面およびスラスト軸受面が何れも電鋳部の析出開始面に形成され、かつマスター部材の表面精度に倣った表面精度を備えてることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 軸部材にフランジ部を設け、フランジ部の端面と前記スラスト軸受面との間にスラスト軸受隙間を形成した請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 軸部材に段差面を設け、段差面と前記スラスト軸受面との間にスラスト軸受隙間を形成した請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. 軸受部材のスラスト軸受面に、スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させる動圧発生部を形成した請求項1記載の動圧軸受装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の動圧軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを備えたモータ。
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