JP2001317548A - 流体軸受装置 - Google Patents

流体軸受装置

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JP2001317548A
JP2001317548A JP2000139279A JP2000139279A JP2001317548A JP 2001317548 A JP2001317548 A JP 2001317548A JP 2000139279 A JP2000139279 A JP 2000139279A JP 2000139279 A JP2000139279 A JP 2000139279A JP 2001317548 A JP2001317548 A JP 2001317548A
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sleeve
shaft
thrust
bearing
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Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
Ikunori Sakatani
郁紀 坂谷
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立時に気泡を巻き込む恐れが少なく、且つ
気泡の排出性に優れ、また潤滑剤が枯渇しにくい流体軸
受装置を提供する。 【解決手段】 一端にスラストプレート15を有する軸
13と、該軸13にラジアル流体軸受Rの軸受すきまを
介して対向するスリーブ12と、を備え、スラストプレ
ート15の両平面15s,15sとこれに対向するスリ
ーブ12との間にスラスト流体軸受Sが設けられたスピ
ンドルモータにおいて、軸13を該軸13の両端面に開
口する貫通穴13aを有する中空軸とするとともに、ス
リーブ12の外周側に環状すきまを設けて潤滑剤溜まり
22とし、該潤滑剤溜まり22の一端にスラストプレー
ト15の外周面15aとスリーブ12との間のすきまに
通じる潤滑剤供給路25を形成し、潤滑剤溜まり22を
潤滑剤供給路25に向かって徐々に狭くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器,音響・
映像機器,事務機器用の流体軸受装置に係り、特に、ノ
ート型パソコン等に使用される磁気ディスク装置(HD
D),ファンモータ等に最適な流体軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の流体軸受装置としては、
例えば図3に示すようなHDD用スピンドルモータがあ
る。このものは、ベース1に立設した環状の立ち上げ部
1aにスリーブ2が固着されており、そのスリーブ2に
軸3が回転自在に挿通されている。この軸3の上端には
逆カップ状のハブ4が一体的に取り付けられていて、軸
3とスリーブ2との間には動圧流体軸受部が介在してい
る。
【0003】すなわち、軸3の下端には円板状のスラス
トプレート5が圧入により固着されていて、スラストプ
レート5の両平面がスラスト流体軸受Sのスラスト受面
5s,5sとされている。そして、上面側のスラスト受
面5sには一方の相手部材であるスリーブ2の下端面が
対向し、このスリーブ2の下端面がスラスト流体軸受S
のスラスト軸受面2sとされている。
【0004】また、スラストプレート5の下方には、他
方の相手部材であるカウンタープレート6が配置され、
ベース1に固定されている。このカウンタープレート6
の上面がスラストプレート5の下面側のスラスト受面5
sに対向して、スラスト流体軸受Sのスラスト軸受面6
sとされている。上記スラスト受面5s,5s及びスラ
スト軸受面2s,6sのうち少なくとも両スラスト受面
5s,5sに、エッチング等により形成されたヘリング
ボーン状又はスパイラル状の動圧発生用の溝(図示せ
ず)を備えてスラスト流体軸受Sが構成されている。
【0005】さらに、軸3の外周面には、上下に間隔を
おいて一対のラジアル受面3r,3rが形成されてい
る。また、このラジアル受面3r,3rに対向して、ス
リーブ2の内周面にラジアル軸受面2r,2rが形成さ
れている。そして、ラジアル受面3rとラジアル軸受面
2rとの少なくとも一方に、例えばヘリングボーン状の
動圧発生用の溝7,7を備えて、ラジアル流体軸受R,
Rが構成されている。
【0006】そして、立ち上げ部1aの外周にはステー
タ8が固定され、ハブ4の内周面下側に固定されている
ロータ磁石9とギャップを介して周面対向して駆動モー
タMを形成しており、この駆動モータMにより軸3とハ
ブ4とが一体的に回転駆動される。軸3が回転すると、
スラスト流体軸受S及びラジアル流体軸受Rの各動圧発
生用の溝のポンピング作用により、各流体軸受S,Rの
軸受すきまの潤滑剤に動圧が発生して、軸3はスリーブ
2及びカウンタープレート6と非接触となり支承され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなHDD用
スピンドルモータにおいては、長期信頼性が求められて
いる。しかしながら、従来の流体軸受装置では、スリー
ブに軸部材を挿入後に潤滑剤を注入してからカウンター
プレートを取り付けるので、組立時にスラストプレート
外周面と相手部材との間のすきまや軸受すきまに気泡が
閉じ込められ残留する恐れがあった。また、残留した気
泡は排出しにくいという問題があった。
【0008】気泡が残留していると使用時の温度変化に
よって該気泡が膨張し、軸受すきまから潤滑剤を押し出
して潤滑剤が枯渇する恐れがあり、その結果、回転中に
スピンドルモータが焼き付く恐れがあった。また、取り
扱い時の外部衝撃や回転中の遠心力によっても、軸受す
きま内の潤滑剤が押し出されたり飛散する可能性があ
る。その結果、軸受すきま内の潤滑剤が枯渇して、スピ
ンドルモータの長期信頼性に問題が生じる恐れがあっ
た。
【0009】そこで本発明は、上記のような従来の流体
軸受装置が有する問題点を解決し、組立時に気泡を巻き
込む恐れが少なく、且つ気泡の排出性に優れていて、ま
た潤滑剤が枯渇しにくい流体軸受装置を提供することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち本発明
の流体軸受装置は、一端にフランジ部を有する軸と、該
軸に流体軸受すきまを介して対向する相手部材と、を備
えた流体軸受装置において、前記軸を該軸の両端面に開
口する貫通穴を有する中空軸とするとともに、前記相手
部材の外周側にすきまを設けて潤滑剤溜まりとし、該潤
滑剤溜まりの一端に前記フランジ部の外周面と前記相手
部材との間のすきまに通じる潤滑剤供給路を形成し、前
記潤滑剤溜まりを前記潤滑剤供給路に向かって徐々に狭
くしたことを特徴とする。
【0011】前記軸を貫通穴を有する中空軸とすれば、
流体軸受装置を組み立てた後に該貫通穴から潤滑剤を該
流体軸受装置の内部に注入することができるので(例え
ば、前記貫通穴にディスペンサを挿入して潤滑剤を注入
する方法等)、潤滑剤の注入が容易で且つその際に気泡
が内部に巻き込まれる恐れが少ない。注入された潤滑剤
は表面張力によって軸受すきま内に充填されるが、前記
潤滑剤溜まりの形状が上記のようにテーパ状となってい
るので、余分な潤滑剤は前記潤滑剤溜まりに保持され
る。このとき、潤滑剤に気泡が残留していたとしても、
表面張力によって前記潤滑剤溜まりの狭い方に潤滑剤が
集まり、前記気泡は前記潤滑剤溜まりの広い方に集まっ
て外気に排出される。
【0012】また、前記フランジ部の外周面と前記相手
部材との間のすきまに向かって、前記潤滑剤供給路から
潤滑剤が自動的に給油されるので、該すきまと連通する
スラスト流体軸受やラジアル流体軸受の軸受すきま内の
潤滑剤が枯渇しにくい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る流体軸受装置の実施
の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。 (第一実施形態)図1は、本発明に係る流体軸受装置の
第一実施形態であるスピンドルモータの断面図である。
このスピンドルモータは、軸13がベース11と一体と
なっていて、その固定軸13にラジアル流体軸受R及び
スラスト流体軸受Sを介して支承されるスリーブ12が
ハブ14と共に回転する方式、すなわち軸固定,スリー
ブ回転タイプのスピンドルモータである。
【0014】ベース11の中央に軸13が立設されてい
て、この軸13は圧入によりベース11に固着されてい
る。なお、該軸13は、その両端面に開口する貫通穴1
3aを有する中空軸となっている。軸13は円筒体状の
スリーブ12に回転自在に挿通されていて、このスリー
ブ12は図示しない磁気ディスクを外周部に搭載する逆
カップ状のハブ14の中心部に圧入により固着されてい
る。
【0015】また、スリーブ12は、内スリーブ12A
と外スリーブ12Bとが一体に固着された二重構造とな
っていて、軸13は内スリーブ12Aに挿通されてい
る。すなわち、外スリーブ12Bは天板12Baを有す
る円筒体状で、外スリーブ12Bがハブ14に一体に固
着されている。そして、内スリーブ12Aはフランジ1
2Afを有する円筒体状で、フランジ12Afが外スリ
ーブ12Bの下部の内周面に固着されていて、これによ
り内スリーブ12Aの外周面と外スリーブ12Bの内周
面との間に、潤滑剤溜まり22を構成する環状すきまが
形成されている。この潤滑剤溜まり22の下端には、外
気と連通する空気抜き穴23が設けられている。この空
気抜き穴23は、潤滑剤溜まり22の下端から下方に垂
直に延び、内スリーブ12Aの下端面に開口している。
もちろん、空気抜き穴23は、外スリーブ12Bの内ス
リーブ12Aとのはめあい面に軸方向のスリットを形成
するようにして設けてもよい。この潤滑剤溜まり22の
構造については、後にさらに詳述する。
【0016】内スリーブ12Aの上端から突出した軸1
3の上端には、円板状のスラストプレート15が圧入に
より固着されている。ただし、スラストプレート15
は、接着やねじ止め等により固着してもよいし、軸13
と一体に加工されたものでもよい。なお、スラストプレ
ート15が、本発明の構成要件たるフランジ部に相当す
る。
【0017】また、ベース11には、軸13の径方向外
方に環状の立ち上げ部11aが設けてあり、この立ち上
げ部11aと軸13との間にスリーブ12の下部が配置
されている。スラストプレート15の上面は、一方の相
手部材でありカウンタープレートに相当する外スリーブ
12Bの天板12Baの下面と対向し、停止時には両対
向面同士が当接している。また、スラストプレート15
の下面は、他方の相手部材である内スリーブ12Aの上
端面と対向している。
【0018】スラストプレート15の上下の両平面はス
ラスト受面15s,15sとされる。そして、上面側の
スラスト受面15sに対向する外スリーブ12Bの天板
12Baの下面及び下面側のスラスト受面15sに対向
する内スリーブ12Aの上端面が、それぞれスラスト軸
受面12Bs及び12Asとされる。さらに、スラスト
受面15s,15s及びスラスト軸受面12As,12
Bsのうち少なくとも一方に、例えばヘリングボーン状
の動圧発生用の溝(図示せず)を備えて、スラスト流体
軸受Sを構成している。
【0019】一方、軸13の外周面には、軸方向に間隔
をおいて上下に一対のラジアル受面13r,13rが形
成されるとともに、このラジアル受面13r,13rに
対向するラジアル軸受面12r,12rが内スリーブ1
2Aの内周面に形成されており、ラジアル軸受面12
r,12rに例えば、くの字状のヘリングボーン状の動
圧発生用の溝17,17を備えて、ラジアル流体軸受
R,Rが構成されている。なお、動圧発生用の溝17
は、ラジアル受面13rに設けてもよいし、ラジアル軸
受面12rとラジアル受面13rとの両方に設けてもよ
い。
【0020】また、スピンドルモータのトルクを小さく
するために、上下2つのラジアル流体軸受R,Rに挟ま
れた内スリーブ12Aの内周面(又は軸13の外周面あ
るいは内スリーブ12Aの内周面と軸13の外周面との
双方でもよい)に、ラジアル流体軸受Rの軸受すきまに
向かってすきまが狭くなるテーパ状の周溝からなる逃げ
溝21を設けている。
【0021】また、潤滑剤溜まり22の内面を形成する
外スリーブ12Bの内周面はテーパ面24とされてい
て、これにより潤滑剤溜まり22は上方のスラスト流体
軸受S(スラストプレート15の外周面15aとそれに
対向する外スリーブ12Bの内周面との間のすきま)に
向かってその幅(すきま)が徐々に狭くなっている。も
っとも、テーパ面24は必ずしも外スリーブ12Bの内
周面に形成するとは限らず、内スリーブ12Aの外周面
に形成してもよく、あるいは内スリーブ12Aの外周面
と外スリーブ12Bの内周面との双方に形成してもよ
い。
【0022】なお、スリーブ回転タイプの場合は、テー
パ面24を内スリーブ12Aの外周面に形成すると、潤
滑剤溜まり22に保持される潤滑剤が、すきまの狭い後
述の潤滑剤供給路25に向けて遠心力により押し込まれ
るので、高速回転に適する。そして、潤滑剤溜まり22
の上部のスラスト流体軸受Sに近接して連通する部分
は、スラスト流体軸受Sの軸受すきまとほぼ等しいか、
又は僅かに大きいすきまを有する潤滑剤供給路25とさ
れ、表面張力に基づく毛管現象により潤滑剤が前記軸受
すきまに導入されやすいようになっている。
【0023】当該スピンドルモータへの潤滑剤の注入
は、全体を組み立てた後に、軸13の貫通穴13aから
行われる。このように貫通穴13aから潤滑剤を注入で
きるので、潤滑剤の注入操作が容易で、また、その際に
内部に気泡が巻き込まれる恐れが少ない。注入された潤
滑剤は、表面張力によりスラスト流体軸受S及びラジア
ル流体軸受Rの各軸受すきまを満たすとともに、余分な
潤滑剤は潤滑剤溜まり22に溜まって、表面張力に基づ
く毛管現象によりそのテーパ面24に保持される。した
がって、運搬時や取り扱い時にスピンドルモータが倒置
されたとしても、潤滑剤溜まり22内の潤滑剤が外部に
流出することはない。
【0024】また、潤滑剤溜まり22のすきまの大きさ
が、テーパ面24により上方の潤滑剤供給路25に向か
って狭くなっているため、外部衝撃で飛散した潤滑剤
も、外部に流出しない限りは潤滑剤溜まり22のすきま
の狭い潤滑剤供給路25の方に自然に集められる。そし
て、前述のように潤滑剤溜まり22の下端には外気と連
通する空気抜き穴23が設けてあるので、潤滑剤溜まり
22の下端(すきまの広い方)に集まった気泡は、空気
抜き穴23を通って外部に排出される。
【0025】ベース11の立ち上げ部11aの外周には
ステータ18が固定され、ハブ14の内周面に固定され
たロータ磁石19とギャップを介して周面対向して駆動
モータMを形成している。この駆動モータMによりハブ
14とスリーブ12とを一体的に回転駆動させると、ス
ラスト流体軸受S及びラジアル流体軸受Rの各動圧発生
用の溝のポンピング作用により、各流体軸受S,Rの軸
受すきまに充填されている潤滑剤に動圧が発生して、ス
リーブ12は軸13及びスラストプレート15と非接触
となり支承される。回転に伴い遠心力が作用すると、潤
滑剤溜まり22内の潤滑剤がテーパ面24を伝わって上
昇し、すきまの狭い潤滑剤供給通路25に到達して保持
される。そして、潤滑剤供給通路25から軸受すきまに
毛管現象により確実に潤滑剤が補給される。また、軸受
すきまに残留する気泡があっても、潤滑剤溜まり22に
開口する空気抜き穴23を経由して、すみやかに外気に
放出される。
【0026】運転が長期に及んで、軸受すきまに保持さ
れている潤滑剤が次第に蒸発したり飛散したりして不足
してくると、潤滑剤溜まり22内に表面張力に基づく毛
管現象で保持されている潤滑剤が、その不足分に応じて
テーパ面24に案内されつつすきまの狭い方に吸引さ
れ、軸受すきま内に潤滑剤が満たされるまで補給され
る。すなわち、軸受すきま内の潤滑剤の減少に伴い、潤
滑剤供給路25を経由してすきまの狭い軸受すきまに毛
管現象で吸引され、潤滑剤溜まり22のテーパ面24の
表面張力が釣り合う位置で安定する。こうして、潤滑剤
の減少分だけ自動的に潤滑剤が補給される。
【0027】このように本実施形態のスピンドルモータ
は、潤滑剤溜まり22のすきまがテーパ状であるから、
潤滑剤は表面張力ですきまの狭い方に吸引され、一方、
組立時に巻き込んだ残留気泡は、すきまの広い方に分離
され排出される。したがって、各軸受すきまには気泡の
ない潤滑剤が自動的に確実に補給されて潤滑剤溜まり2
2と連通し、常時潤滑剤で満たされた状態となり、長期
にわたり使用しても信頼性が高く耐久性に優れている。
【0028】(第二実施形態)次に、第二実施形態のス
ピンドルモータについて、図2の断面図を参照しながら
説明する。なお、第一実施形態のスピンドルモータと同
様の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。ま
た、図2においては、図1と同様又は相当する部分には
図1と同一の符号を付してある。
【0029】第二実施形態のスピンドルモータは、スリ
ーブ12とベース11とが一体となっていて、そのスリ
ーブ12にラジアル流体軸受R及びスラスト流体軸受S
を介して支承される軸13がハブ14と共に回転する方
式、すなわちスリーブ固定,軸回転タイプのスピンドル
モータである。ベース11の中央部に立設されている環
状の立ち上げ部11aの内側に、フランジ12fを有す
る円筒体状のスリーブ12が内挿されていて、フランジ
12fにより一体的に固着されている。そして、スリー
ブ12の外周面と立ち上げ部11aの内周面との間に、
潤滑剤溜まり22を構成する環状すきまが形成されてい
る。この潤滑剤溜まり22の構造については、後にさら
に詳述する。
【0030】このスリーブ12には、軸13が回転自在
に挿通されている。該軸13は、その両端面に開口する
貫通穴13aを有する中空軸となっていて、図示しない
磁気ディスクを外周部に搭載する逆カップ状のハブ14
の中心部に、圧入により一体に固着されている。また、
貫通穴13aの上端にはフィルタ30が配設されてい
て、貫通穴13aからの潤滑剤の飛散が防止されるよう
になっている。
【0031】そして、スリーブ12の下端より突出した
軸13の下端には、円板状のスラストプレート15が圧
入により固着されている。このスラストプレート15の
下面は、一方の相手部材でありカウンタープレートに相
当するベース11の上面と対向し、停止時には両対向面
同士が当接している。また、スラストプレート15の上
面は、他方の相手部材であるスリーブ12の下端面と対
向している。
【0032】スラストプレート15の上下の両平面はス
ラスト受面15s,15sとされる。そして、下面側の
スラスト受面15sに対向するベース11の上面及び上
面側のスラスト受面15sに対向するスリーブ12の下
端面が、それぞれスラスト軸受面11s及び12sとさ
れる。さらに、スラスト受面15s,15s及びスラス
ト軸受面11s,12sのうち少なくとも一方に、例え
ばヘリングボーン状の動圧発生用の溝(図示せず)を備
えて、スラスト流体軸受Sを構成している。ラジアル流
体軸受Rについては、第一実施形態と同様である。
【0033】さらに、スリーブ12の外周面と立ち上げ
部11aの内周面との間には、環状すきまが介在してい
て、その環状すきまが潤滑剤溜まり22を形成してい
る。この潤滑剤溜まり22の上部には、外気と連通する
空気抜き穴23が開口している。空気抜き穴23は、潤
滑剤溜まり22の最上部から上方に垂直に延び、スリー
ブ12の上端面に開口している。もちろん、空気抜き穴
23は、立ち上げ部11aのスリーブ12とのはめあい
面に軸方向のスリットを形成するようにして設けてもよ
い。
【0034】また、潤滑剤溜まり22の内面を形成する
立ち上げ部11aの内周面は、下方のスラスト流体軸受
Sに向かってすき間が狭くなるテーパ面24とされてい
る。もっとも、テーパ面24は必ずしも立ち上げ部11
aの内周面に形成するとは限らず、スリーブ12の外周
面に形成してもよく、あるいはスリーブ12の外周面と
立ち上げ部11aの内周面との双方に形成してもよい。
【0035】そして、潤滑剤溜まり22の下部のスラス
ト流体軸受Sに近接して連通する部分は、軸受すき間と
ほぼ等しいか、又は僅かに大きいすき間を有する潤滑剤
供給路25とされ、表面張力に基づく毛管現象により潤
滑剤が前記軸受すき間に導入されやすいようになってい
る。ベース11の立ち上げ部11aの外周にはステータ
18が固定され、ハブ14の内周面に固定されたロータ
磁石19とギャップを介して周面対向して駆動モータM
を形成している。この駆動モータMにより、被回転体で
ある図示しない磁気ディスクを外周部に搭載するハブ1
4と軸13とを一体的に回転駆動させると、スラスト流
体軸受S及びラジアル流体軸受Rの各動圧発生用の溝の
ポンピング作用により、各流体軸受S,Rの軸受すき間
に充填されている潤滑剤に動圧が発生して、軸13はス
リーブ12及びベース11と非接触となり支承される。
【0036】その他の構成及び作用・効果は、第一実施
形態と同様である。なお、第一及び第二実施形態は本発
明の一例を示したものであって、本発明はこれらの実施
形態に限定されるものではない。例えば、流体軸受の構
造,空気抜き穴23や潤滑剤溜まり22の構造, 動圧発
生用の溝パターン,スピンドルモータの細部の構造等に
関しては、これらの実施形態に限定されるものではな
く、必要に応じて適宜に変更可能である。
【0037】また、軸13,スリーブ12等のスピンド
ルモータを構成する部材の材質は、特に限定されるもの
ではなく、スピンドルモータを構成する部材に通常使用
される鋼等の材料であれば問題なく使用できる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の流体軸受装置
は、組み立てが容易で、組立時に気泡を巻き込む恐れが
少なく、且つ、気泡の排出性に優れている。また、潤滑
剤が枯渇しにくいので、長期信頼性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体軸受装置の第一実施形態を示
す断面図である。
【図2】本発明に係る流体軸受装置の第二実施形態を示
す断面図である。
【図3】従来のスピンドルモータの断面図である。
【符号の説明】
11 ベース 12 スリーブ 12A 内スリーブ 12B 外スリーブ 12Ba 天板 13 軸 13a 貫通穴 15 スラストプレート 15a 外周面 22 潤滑剤溜まり 25 潤滑剤供給路 R ラジアル流体軸受 S スラスト流体軸受

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端にフランジ部を有する軸と、該軸に
    流体軸受すきまを介して対向する相手部材と、を備えた
    流体軸受装置において、 前記軸を該軸の両端面に開口する貫通穴を有する中空軸
    とするとともに、 前記相手部材の外周側にすきまを設けて潤滑剤溜まりと
    し、該潤滑剤溜まりの一端に前記フランジ部の外周面と
    前記相手部材との間のすきまに通じる潤滑剤供給路を形
    成し、前記潤滑剤溜まりを前記潤滑剤供給路に向かって
    徐々に狭くしたことを特徴とする流体軸受装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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