JPH10196562A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
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- JPH10196562A JPH10196562A JP630397A JP630397A JPH10196562A JP H10196562 A JPH10196562 A JP H10196562A JP 630397 A JP630397 A JP 630397A JP 630397 A JP630397 A JP 630397A JP H10196562 A JPH10196562 A JP H10196562A
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Abstract
下におけるスラスト軸受部の摺動損失の低減による高効
率化を可能とするスクロール圧縮機を提供すること。 【解決手段】可動スクロール2bとスラスト軸受25の
間に、回転自在なアルミニウム合金のリング状板材26
を設け、鋳鉄系材料から成る可動スクロール2bの旋回
摩擦摺動をアルミニウム合金のスラスト軸受面で支持す
る。
Description
よび家庭用の空調等に使用されるスクロール圧縮機に関
するものである。
レシプロ式のもの、ロータリー式のものが有り、いずれ
の方式も家庭用、業務用の空調分野で使用されてきてお
り、現在はコスト、性能面等でそれぞれ特徴を生かして
成長してきている。そしてスクロール式の圧縮機がその
低騒音、低振動という特徴を生かして実用化されてき
た。従来、空調用に使用されているスクロール圧縮機と
しては、特開平6−307356号公報に開示されたも
のが知られている。
図、図9に図8の要部縦断面図、さらに図10に図8の
スラスト軸受け部の平面図を示す。
aと固定スクロール2aに対して旋回運動する可動スク
ロール2bを噛み合せた圧縮機構2と、可動スクロール
2bを支えるスラスト軸受3、スラスト軸受3を支承す
る軸受部品4を上部に設けている。そして可動スクロー
ル2bの軸2cを、クランク軸5の端部5aに設けられ
た穴部の偏芯軸受6に挿入し可動スクロール2bをクラ
ンク軸5により旋回運動させる。クランク軸5には電動
機7の回転子7aが取り付けられており、密閉容器1に
焼き嵌め固定された固定子7bとともに軸受部品4の下
部に配設されている。クランク軸5は、軸受部品4の主
軸受8で支えられている。密閉容器1の下方底部には潤
滑油9を貯溜する油だめ10が設けられている。また密
閉容器1の側部にはガスの吸入管11が設けられてい
る。そして密閉容器1の内部のスペーサー22より下側
には吸入側のガス圧力が、スぺーサーより上側には圧縮
側のガス圧力が作用する構成となっている。前記軸受部
品4には主軸受8、偏芯軸受6、スラスト軸受3を潤
滑、冷却した潤滑油9を排出する油排出口12が設けら
れている。クランク軸5には潤滑油9を各軸受部、即ち
主軸受8、偏芯軸受6、スラスト軸受3へ供給する貫通
穴13を設け、かつクランク軸5の下端には油ガイド1
4を圧入または、焼き嵌め固定して取り付け、潤滑油9
を吸い上げるようにしている。15は固定スクロールの
上部に設けられた吐出チャンバー、16は密閉容器1の
外へ圧縮ガスを出す吐出管である。固定スクロール2a
と軸受部品4とはスペーサー22をはさんでボルトで締
結されている。スペ−サ−22は、その外周で密閉容器
1に密封溶接固定されており、下方の吸入圧力部と上方
の圧縮圧力部の仕切りとなっている。19は停止時に可
動スクロール2bが逆転するのを防ぐための逆止弁、2
4は逆止弁の動きを規制する逆止弁ガイド、20は可動
スクロール2bを固定スクロール2aに対して旋回運動
させるための自転防止用のオルダムリング、21は圧縮
機構2へ低圧ガスを吸い込ませる軸受部品4に設けた吸
入口である。
明する。低圧ガスは吸入管11より戻り、圧縮機構2に
吸入される。固定スクロール2aに対して可動スクロー
ル2bを自転しないよう公転させながら旋回運動させる
ことにより、固定スクロールと可動スクロールとで形成
された複数の圧縮空間が外方から内方へ向かって次第に
縮小させられて圧縮が行われる。圧縮されたガスは高圧
ガスとなり、一旦吐出チャンバー15へ入る。そして吐
出管16より密閉容器1外へ吐出し、再び低圧ガスを循
環させ、周知の圧縮サイクルを構成する。
油9は、クランク軸5の貫通穴13の中を上昇し、偏芯
軸受6、スラスト軸受3、主軸受8を潤滑、冷却して、
油排出口12から固定子7b上部へ排出し、固定子7b
の切り欠き部18を通って油だめ10に戻る潤滑サイク
ルを形成している。
媒としてハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC2
2)を、冷凍機油として鉱物油を用い、可動スクロール
2bには共晶黒鉛鋳鉄、スラスト軸受3すなわち軸受部
品4にはネズミ鋳鉄などの鋳鉄系材料を用いてきた。
は、圧縮された高圧ガスによって同種材料である鋳鉄系
材料から成るスラスト軸受3の上面に非常に大きな力で
押しつけられながら小さな旋回半径の旋回運動を行う。
図9および図10に示したように円板状平面のみでスラ
スト軸受けを構成し、可動スクロール2bとスラスト軸
受3の間に潤滑油を供給して、可動スクロール2bある
いはスラスト軸受2の上面が摩耗しないようにしてい
た。
含むことにより極圧剤的潤滑効果を発揮し、耐摩擦、耐
摩耗特性が非常に良かった。また、冷凍機油として用い
てきた鉱物油は耐摩耗、耐焼付き性に優れた冷凍機油で
あった。このように、従来の冷媒/冷凍機油の潤滑性は
非常に高かった。このため、上記のように同種材料を用
いた平面円板形状のスラスト軸受であっても、また旋回
運動による低い油膜発生能力のスラスト軸受であって
も、大きな摩耗が発生し、大きな損失を招くことはなか
った。
オゾン層保護の観点から空調機用冷媒を、従来用いてき
た冷媒HCFC22から塩素を含まなハイドロフルオロ
カーボン(HFCs)冷媒に切り替える必要がある。し
かしながら、このHFCs冷媒は、塩素を含まないため
極圧剤的潤滑効果が乏しく、耐摩擦・耐摩耗特性が非常
に劣化する。そして、その際に使用する冷凍機油は、H
FCs冷媒に対して相溶性が必要との観点から、従来の
鉱物油より潤滑性の乏しいHFCs冷媒対応の新しい冷
凍機油(エステル油、エーテル油など)を用いなければ
ならない。
気下で、可動スクロール2bは自転するのではなく5m
m程度以下の小さな旋回径で公転(旋回)運動するのみ
であるため、摺動部には油膜が発生しにくく、さらに低
摺動速度、大荷重であるため生じている油膜も維持され
にくかった。このため、一層、スラスト軸受での摺動は
過酷な摺動状態となり、局所的な金属接触を生じやかっ
た。可動スクロール2bとスラスト軸受3の摺動がとも
に鋳鉄系どうしの同種金属間の共金摺動である場合、摺
動が厳しくなると凝着摩耗が発生しやすく、摺動摩擦損
失の増大を招いていた。その結果、コンプッレッサの効
率を低下させるだけでなく、信頼性も損ねていた。
よび対応冷凍機油の摺動雰囲気下におけるスラスト軸受
部の摺動損失の低減による高効率化を可能とするスクロ
ール圧縮機を提供することを目的とする。
は、密閉容器の内部に設けられた、固定スクロールとそ
の固定スクロールに対して旋回運動する鋳鉄系材料を含
む可動スクロールを噛みあわせてなる圧縮機構と、前記
可動スクロールを支えるスラスト軸受と、軸受部品を具
備し、さらに前記可動スクロールを旋回駆動させるクラ
ンク軸と、前記クランク軸に取り付けた回転子と、前記
密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機と、前記密閉
容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとをそれぞれ設
け、前記可動スクロールを支えるスラスト軸受上にリン
グ状板材を設置し、そのリング状板材をアルミニウム合
金としたスクロール圧縮機である。
に設けられた、固定スクロールとその固定スクロールに
対して旋回運動する鋳鉄系材料を含む可動スクロールを
噛みあわせてなる圧縮機構と、前記可動スクロールを支
えるスラスト軸受と、軸受部品を具備し、さらに前記可
動スクロールを旋回駆動させるクランク軸と、前記クラ
ンク軸に取り付けた回転子と、前記密閉容器に取り付け
た固定子を含む電動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油
を貯蔵する油だめとをそれぞれ設け、前記可動スクロー
ルを支えるスラスト軸受上にリング状板材を設置し、前
記リング状板材を基材とその基材上に形成したアルミニ
ウム合金を主としたコーティング層とで構成したスクロ
ール圧縮機である。
に設けられた、固定スクロールとその固定スクロールに
対して旋回運動する鋳鉄系材料を含む可動スクロールを
噛みあわせてなる圧縮機構と、前記可動スクロールを支
えるスラスト軸受と、軸受部品を具備し、さらに前記可
動スクロールを旋回駆動させるクランク軸と、前記クラ
ンク軸に取り付けた回転子と、前記密閉容器に取り付け
た固定子を含む電動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油
を貯蔵する油だめとをそれぞれ設け、前記可動スクロー
ルを支えるスラスト軸受上にアルミニウム合金を主とし
たコーティング層を形成したスクロール圧縮機である。
に、固定スクロールとその固定スクロールに対して旋回
運動する鋳鉄系材料を含む可動スクロールを噛みあわせ
てなる圧縮機構と、前記可動スクロールを支える鋳鉄系
材料を含むスラスト軸受と、軸受部品を具備し、さらに
前記可動スクロールを旋回駆動させるクランク軸と、前
記クランク軸に取り付けた回転子と、前記密閉容器に取
り付けた固定子を含む電動機と、前記密閉容器の内部に
潤滑油を貯蔵する油だめとをそれぞれ設け、前記可動ス
クロールのスラスト軸受と接触する面にアルミニウム合
金を主としたコーティング層を形成したスクロール圧縮
機である。
ドロフルオロカーボン(HFCs)を、冷凍機油として
分岐型エステル油を用いたスクロール圧縮機である。
ドロフルオロカーボン(HFCs)を、冷凍機油として
エーテル油もしくはカーボネート油を用いたスクロール
圧縮機である。
ドロフルオロカーボン(HFCs)を、冷凍機油として
HFCs冷媒に対する溶解性が乏しい鉱物油もしくは低
粘度冷凍機油を用いたスクロール圧縮機である。
に設けられた、固定スクロールとその固定スクロールに
対して旋回運動する可動スクロールを噛みあわせてなる
圧縮機構と、前記可動スクロールを支えるスラスト軸受
を有する軸受手段と、前記可動スクロールを旋回駆動さ
せるクランク軸と、前記クランク軸に取り付けた回転子
と、前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機と、
前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとを備
え、前記可動スクロールの摺動面の背後又は前記スラス
ト軸受の摺動面の背後の材料に比べて、前記可動スクロ
ールの摺動面と前記スラスト軸受の摺動面の一方又は双
方の材料の方が、潤滑性被膜の形成されやすい材料であ
るスクロール圧縮機である。
に設けられた、固定スクロールとその固定スクロールに
対して旋回運動する可動スクロールを噛みあわせてなる
圧縮機構と、前記可動スクロールを間接的に支えるスラ
スト軸受を有する軸受手段と、前記可動スクロールを旋
回駆動させるクランク軸と、前記クランク軸に取り付け
た回転子と、前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電
動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめ
とを備え、前記可動スクロールの摺動面又は前記スラス
ト軸受の摺動面の材料に比べて、潤滑性被膜の形成され
やすい材料を含む板状部材が、前記可動スクロールと前
記スラスト軸受との間に介在しているスクロール圧縮機
である。
膜は、フッ化被膜が主体であるスクロール圧縮機であ
る。
に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第一の実施形態におけ
るスクロール圧縮機のスラスト軸受部の要部断面図、図
2は図1に示したスラスト軸受部の平面図、図3はリン
グ状板材(表面)の平面図である。
ール圧縮機は、図8から図10で詳述した従来のスクロ
ール圧縮機とスラスト軸受部を除いてほぼ同一の構成で
あり、同一機能部品については同一番号を使用する。し
たがって、従来例と同一の構成および作用の説明は省く
ことにする。
25、スラスト軸受25を支承する軸受部品4を密閉容
器1内部の上部に設けている。そして、可動スクロール
2bとスラスト軸受25の間に、回転自在なリング状板
材26を設置している。このリング状板材26はアルミ
ニウム−シリコン系のアルミニウム合金4032を材料
とし、板厚0.8mmに加工したものである。また、リ
ング状板材26の外径をスラスト軸受25の外径に等し
くした。
ランク軸5の端部5aに設けられた穴部の偏芯軸受6に
挿入し可動スクロール2bをクランク軸5により旋回運
動させる。前記軸受部品4には主軸受8、偏芯軸受6、
スラスト軸受25を潤滑、冷却した潤滑油を排出する排
出口12が設けられている。クランク軸5には潤滑油を
各軸受部、即ち主軸受8、偏芯軸受6、スラスト軸受2
5へ供給する貫通穴13を設け、潤滑油を吸い上げるよ
うにしている。20は可動スクロール2bを固定スクロ
ールに対して旋回運動させるための自転防止用のオルダ
ムリング、21は圧縮機構2へ低圧ガスを吸い込ませる
軸受部品4に設けた吸入口である。
塩素を含まないHFCs系冷媒のR407Cを、また冷
凍機油にはHFCs冷媒に対して相溶性が必要との観点
から分岐型脂肪酸とペンタエリスリトールあるいはその
多量体を原料とした分岐型エステル油(40℃において
粘度68mm2/s)を用いている。このHFCs冷媒は、
塩素を含まないため極圧剤的潤滑効果が乏しく、また分
岐型エステル油も耐摩擦・耐摩耗特性は鉱物油に比べ非
常に低いものである。このように代替冷媒対応のスクロ
ール圧縮機の摺動は、従来のHCFC冷媒系対応の摺動
よりも、過酷な摺動雰囲気条件下で生じることになる。
油は、エステル基の隣りにあるα炭素(エステル基に近
い方からα、β、γと呼ぶ。)に炭素分岐があるため、
この炭素分岐が立体障害となり、水分子の侵入を妨害す
るため、加水分解が起こりにくい。そのため、加水分解
による冷凍機油の劣化を低くすることが可能である。
明する。低圧ガスは吸入管11より戻り、圧縮機構2に
吸入される。固定スクロール2aに対して可動スクロー
ル2bを自転しないよう公転させながら旋回運動させる
ことにより、固定スクロール2aと可動スクロール2b
とで形成された複数の圧縮空間が外方から内方へ向かっ
て次第に縮小させられて圧縮が行われる。圧縮されたガ
スは高圧ガスとなる。
の中を上昇し、偏芯軸受6、スラスト軸受25、主軸受
8を潤滑、冷却して、油排出口12から固定子上部へ排
出され、油だめ10に戻る潤滑サイクルを形成してい
る。
された高圧ガスによってスラスト軸受25表面に非常に
大きな力で押しつけられながら小さな旋回運動を行うも
のであるため、可動スクロール2bとスラスト軸受25
の間の摺動は非常に過酷なものとなる。しかしながら、
本実施の形態では、可動スクロール2bを支えるスラス
ト軸受25上に、リング状板材26を設置し、このリン
グ状板材26をアルミニウム合金としたものであるた
め、次に述べるような作用を生じる。
段によって得られる新事実、作用を以下に述べる実験に
基づき確認した。
型エステル油)の共存雰囲気中で、ディスクonディス
ク方式(下部ディスクを固定、上部ディスクを旋回運
動)の旋回スラスト摩擦摺動試験を行った。すなわち、
固定した下部ディスク試験片に、3.4mmの旋回半径
で900rpmの旋回運動を行う上部ディスクを300
kgの荷重で押し付けて、その際に発生する旋回摺動損
失および摩擦係数μを評価した。スクロール圧縮機の可
動スクロールとスラスト軸受の摺動と同様な摺動を冷媒
/冷凍機油の共存雰囲気中で実験評価したのである。上
部ディスク材にはスクロール圧縮機の可動スクロールの
材料である共晶黒鉛鋳鉄を、下部ディスク材には従来ス
クロール圧縮機のスラスト軸受材に対応したねずみ鋳鉄
FC250、およびリング状板材仕様として炭素工具鋼
SK5とアルミニウム合金4032を用いた。
および摩擦係数とスラスト軸受仕様/材料の関係を示
す。尚、図4では、各材料における旋回摺動損失を棒グ
ラフで示し、摩擦係数を丸印で示した。同種系鋳鉄材料
どうしの共金摺動となる従来仕様の場合、およびSK5
のリング状板材をスラスト軸受上に設けた場合に比べ、
アルミニウム合金4032のリング状板材をスラスト軸
受上に設けた場合には、摺動損失および摩擦係数が著し
く小さくなった。
であるR407C/分岐型エステル油系の雰囲気中で、
鉄系材料とアルミニウム合金を旋回摺動させた場合に
は、スラスト部での旋回摺動損失が非常に小さくなるこ
とがわかった。なお、スクロール圧縮機の機械損失の中
で最も大きな割合を占めるのがスラスト軸受部での旋回
摺動損失である。
よび冷凍機油(分岐酸エステル油)の共存雰囲気中で共
晶黒鉛鋳鉄と摺動されたアルミニウム合金材およびねず
み鋳鉄FC250材の摺動表面をXPS表面分析した。
その結果、アルミニウム合金の摺動表面には、金属とフ
ッ素の結合ピークが顕著に認められるが、ねずみ鋳鉄F
C250の摺動表面には、金属とフッ素の結合ピークは
認められないことが解った。このフッ素の結合ピーク
は、金属摺動表面にフッ化被膜が形成されたことを表し
ている。そして、この摺動表面に形成されたフッ化被膜
は、潤滑特性を有しており、摺動特性を向上させる。以
上の結果、冷媒(R407C)および冷凍機油(分岐酸
エステル油)の共存雰囲気中で共晶黒鉛鋳鉄とアルミニ
ウム合金を摺動させた場合に、潤滑性が向上し、摺動損
失が減少(摩擦係数が減少)したのである。
により、潤滑性の乏しい代替冷媒とそれに対応した冷凍
機油を用いた場合でも、スラスト軸受部での摺動損失を
減少させ、スクロール圧縮機の効率を著しく向上させる
ことが可能となる。
回転自在としたが、リング状板材に回転防止用の爪等を
設け回転しない構成としても、また冷媒にR410A等
の他のHFCs冷媒を用いても、同様な効果が得られ
る。さらに、冷媒/冷凍機油に従来のHCFC冷媒/鉱
物油を用いる場合にも、本実施の形態を採用することに
より、スラスト軸受部での摺動損失を減少させ、スクロ
ール圧縮機の効率を著しく向上させることは可能であ
る。 (実施の形態2)以下本発明の第2の実施形態について
図面を参照しながら説明する。
リング状板材の縦断面図である。第1の実施の形態と異
なるのは、リング状板材27をアルミニウム合金単独で
構成するのでなく、鋼板(冷間圧延鋼板G3141)を
基材28(裏金)として、その基材28上にアルミニウ
ム合金層29を形成した点である。基材28の板厚は
1.0mm、アルミニウム合金層29のコーティング厚
さは0.4mmである。アルミニウム合金層29の組成
はアルミニウム−シリコン系合金4032の組成とし
た。このリング状板材27を、可動スクロールとスラス
ト軸受の間に、アルミニウム合金層29が可動スクロー
ル2bと接するように、かつ回転自在に設置している。
10Aを、また冷凍機油にはHFCs冷媒に対して相溶
性が必要との観点からエーテル油を用いた。
スラスト軸受上に、基材28の上面にアルミニウム合金
層29をコーティングしたリング状板材27を設置した
ため、可動スクロール2bの共晶黒鉛鋳鉄材は冷媒R4
10A/エーテル油の高圧雰囲気中でアルミニウム−シ
リコン系合金と摺動することになる。図4で述べたよう
に、冷媒/冷凍機油共存雰囲気中での共晶黒鉛鋳鉄とア
ルミニウム−シリコン系合金との摺動は、非常に摺動損
失を低くすることができる。したがって、スラスト軸受
部での旋回摺動損失を低くし、スクロール圧縮機の効率
を高めることが可能となる。
ることにより、耐加水分解性を第1の実施の形態のエス
テル油より著しく高めることが可能となり、冷凍機油の
劣化を抑え、潤滑性を初期の高い状態で維持、すなわち
スクロール圧縮機の効率の経時的劣化を抑えることがで
きる。なお、冷凍機油にカーボネート油を用いても同様
な効果が得られることはことは言うまでもない。
28の上面にアルミニウム合金層29をコーティングし
た構成としたことによって、量産ラインを用いたリング
状板材27の量産化が容易となり、作製のコストを低減
することができる。すなわち、非常に長い冷間圧延鋼板
のベルトの上に、溶融させたアルミニウム合金層を連続
的に一定厚さでコーティングすることにより、容易に大
量生産が可能となるのである。なお、アルミニウム合金
層は、アルミニウム合金を成分として含む層であれば同
様な効果を生じる。コーティング方法は、アルミニウム
合金の粉末を塗布後、加熱成形の工法でも、また溶射プ
ロセスを用いた製膜工法でも良い。 (実施の形態3)図6は本発明の第3の実施の形態にお
けるスクロール圧縮機のスラスト軸受け部の要部断面図
である。
ール2bを支えるスラスト軸受30上の表面に、アルミ
ニウム合金層31を溶射プロセスを用いて直接製膜した
点である。アルミニウム合金層31の膜厚は0.4mm
である。溶射する際の粉末材料の組成はアルミニウム−
シリコン系合金4032の組成とした。
07Cを、また冷凍機油にはHFCs冷媒に対して溶解
性は低いが低粘度化によって冷凍機油の流動性を高めた
アルキルベンゼン油を用いた。
動をスラスト軸受30上の上面に形成したアルミニウム
合金層31で支える構成としたため、可動スクロール2
bの共晶黒鉛鋳鉄材は冷媒/冷凍機油の高圧雰囲気中で
アルミニウム−シリコン系合金と摺動することになる。
したがって、前述のように、冷媒/冷凍機油共存雰囲気
中での共晶黒鉛鋳鉄とアルミニウム−シリコン系合金と
の摺動は、非常に摺動損失が低いため、スラスト軸受部
での旋回摺動損失を低くし、スクロール圧縮機の効率を
高めることが可能となる。
油を用いることにより、耐加水分解性を第1の実施の形
態のエステル油より著しく高めることが可能となり、冷
凍機油の劣化を抑え、潤滑性を初期の高い状態で維持、
すなわちスクロール圧縮機の効率の経時的劣化を抑える
ことができる。又、低粘度化(40℃において,粘度8
mm2/s)したアルキルベンゼン油を用いるため、一層、
摺動摩擦損失を低下させることが可能となる。なお、冷
凍機油に低粘度鉱物油(40℃において,粘度8mm2/
s)を用いても同様な効果が得られることはことは言う
までもない。
ニウム合金層31を溶射プロセスを用いて形成するた
め、前述の実施の形態に比べリング状板材の作製、スラ
スト軸受30上へのリング状板材の台座加工、スラスト
軸受30表面の高精度表面粗さ加工などが不要となる。
スラスト軸受30上にアルミニウム合金粉末を溶射する
だけでよい。このように、工法上非常に容易に低摺動損
失スラスト軸受が作製できる。すなわち、量産を容易に
しかも低コストで行うことができる。 (実施の形態4)図7は本発明の他の実施の形態におけ
るスクロール圧縮機のスラスト軸受け部の要部断面図で
ある。
材FC250から成るスラスト軸受32によって支えら
れる共晶黒鉛鋳鉄材から成る可動スクロール2bのスラ
スト軸受と接触する面にアルミニウム合金層33を溶射
プロセスを用いて直接製膜した点である。アルミニウム
合金層33の膜厚は約0.4mmである。溶射する際の
粉末材料の組成はアルミニウム−シリコン系合金403
2の組成である。
軸受32によって、可動スクロール2bの表面に形成し
たアルミニウム合金層33の旋回運動を支持する構成と
したため、可動スクロール2bの表面に形成したアルミ
ニウム−シリコン系合金は、冷媒/冷凍機油の高圧雰囲
気中で鋳鉄材と摺動することになる。したがって、前述
のように、冷媒/冷凍機油共存雰囲気中での摺動試験結
果と同様に非常に摺動損失が低くなり、ラスト軸受部で
の旋回摺動損失を低くし、スクロール圧縮機の効率を高
めることが可能となる。
接アルミニウム合金層33を溶射プロセスを用いて形成
するため、前述の第3の実施の形態と同様に、工法上非
常に容易に低摺動損失スラスト軸受が作製できる。すな
わち、量産を容易にしかも低コストで行うことができ
る。
鉄系材料から成る可動スクロールの旋回摺動をアルミニ
ウム合金のスラスト軸受面で支持するため、もしくは鋳
鉄系材料を含むスラスト軸受面で摺動表面にアルミニウ
ム合金を形成した可動スクロールの旋回摺動を支持する
ため、潤滑性の乏しい代替冷媒とそれに対応した冷凍機
油を用いた場合でも、スラスト軸受部での摺動損失を減
少させ、スクロール圧縮機の効率を著しく向上させるこ
とが可能となる。
ニウム合金層が可動スクロールと接するように形成され
ている場合について説明したが、これに限らず例えば、
基材上のアルミニウム合金層がスラスト軸受と接するよ
うに形成されていても良い。
合金を用いた場合について説明したが、これに限らず例
えば、可動スクロールの摺動面の背後又はスラスト軸受
の摺動面の背後の材料に比べて、前記可動スクロールの
摺動面と前記スラスト軸受の摺動面の一方又は双方の材
料の方が、潤滑性被膜のより形成されやすい材料である
と言う構成でも勿論良い。
合金を用いた場合について説明したが、これに限らず例
えば、可動スクロールの摺動面又は前記スラスト軸受の
摺動面の材料に比べて、潤滑性被膜のより形成されやす
い材料を含む板状部材が、前記可動スクロールと前記ス
ラスト軸受との間に介在している構成であっても勿論良
い。
発明は、可動スクロールとスラスト軸受との間における
摺動損失を従来に比べてより一層低減出来ると言う長所
を有する。
圧縮機のスラスト軸受部の要部縦断面図
験結果を表す図
材の縦断面図
圧縮機のスラスト軸受部の要部縦断面図
圧縮機のスラスト軸受部の要部縦断面図
Claims (10)
- 【請求項1】 密閉容器の内部に設けられた、固定スク
ロールとその固定スクロールに対して旋回運動する鋳鉄
系材料を含む可動スクロールを噛みあわせてなる圧縮機
構と、前記可動スクロールを支えるスラスト軸受と、軸
受部品を具備し、さらに前記可動スクロールを旋回駆動
させるクランク軸と、前記クランク軸に取り付けた回転
子と、前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機
と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとを
それぞれ設け、前記可動スクロールを支えるスラスト軸
受上にリング状板材を設置し、そのリング状板材をアル
ミニウム合金としたことを特徴とするスクロール圧縮
機。 - 【請求項2】 密閉容器の内部に設けられた、固定スク
ロールとその固定スクロールに対して旋回運動する鋳鉄
系材料を含む可動スクロールを噛みあわせてなる圧縮機
構と、前記可動スクロールを支えるスラスト軸受と、軸
受部品を具備し、さらに前記可動スクロールを旋回駆動
させるクランク軸と、前記クランク軸に取り付けた回転
子と、前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機
と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとを
それぞれ設け、前記可動スクロールを支えるスラスト軸
受上にリング状板材を設置し、前記リング状板材を基材
とその基材上に形成したアルミニウム合金を主としたコ
ーティング層とで構成したことを特徴とするスクロール
圧縮機。 - 【請求項3】 密閉容器の内部に設けられた、固定スク
ロールとその固定スクロールに対して旋回運動する鋳鉄
系材料を含む可動スクロールを噛みあわせてなる圧縮機
構と、前記可動スクロールを支えるスラスト軸受と、軸
受部品を具備し、さらに前記可動スクロールを旋回駆動
させるクランク軸と、前記クランク軸に取り付けた回転
子と、前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機
と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとを
それぞれ設け、前記可動スクロールを支えるスラスト軸
受上にアルミニウム合金を主としたコーティング層を形
成したことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項4】 密閉容器の内部に、固定スクロールとそ
の固定スクロールに対して旋回運動する鋳鉄系材料を含
む可動スクロールを噛みあわせてなる圧縮機構と、前記
可動スクロールを支える鋳鉄系材料を含むスラスト軸受
と、軸受部品を具備し、さらに前記可動スクロールを旋
回駆動させるクランク軸と、前記クランク軸に取り付け
た回転子と、前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電
動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめ
とをそれぞれ設け、前記可動スクロールのスラスト軸受
と接触する面にアルミニウム合金を主としたコーティン
グ層を形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項5】 冷媒としてハイドロフルオロカーボン
(HFCs)を、冷凍機油として分岐型エステル油を用
いた請求項1〜4の何れか一つに記載のスクロール圧縮
機。 - 【請求項6】 冷媒としてハイドロフルオロカーボン
(HFCs)を、冷凍機油としてエーテル油もしくはカ
ーボネート油を用いた請求項1〜4の何れか一つに記載
のスクロール圧縮機。 - 【請求項7】 冷媒としてハイドロフルオロカーボン
(HFCs)を、冷凍機油としてHFCs冷媒に対する
溶解性が乏しい鉱物油もしくは低粘度冷凍機油を用いた
請求項1〜4の何れか一つに記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項8】 密閉容器の内部に設けられた、固定スク
ロールとその固定スクロールに対して旋回運動する可動
スクロールを噛みあわせてなる圧縮機構と、 前記可動スクロールを支えるスラスト軸受を有する軸受
手段と、 前記可動スクロールを旋回駆動させるクランク軸と、 前記クランク軸に取り付けた回転子と、 前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機と、 前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとを備
え、 前記可動スクロールの摺動面の背後又は前記スラスト軸
受の摺動面の背後の材料に比べて、前記可動スクロール
の摺動面と前記スラスト軸受の摺動面の一方又は双方の
材料の方が、潤滑性被膜の形成されやすい材料であるこ
とを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項9】 密閉容器の内部に設けられた、固定スク
ロールとその固定スクロールに対して旋回運動する可動
スクロールを噛みあわせてなる圧縮機構と、 前記可動スクロールを間接的に支えるスラスト軸受を有
する軸受手段と、 前記可動スクロールを旋回駆動させるクランク軸と、 前記クランク軸に取り付けた回転子と、 前記密閉容器に取り付けた固定子を含む電動機と、 前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵する油だめとを備
え、前記可動スクロールの摺動面又は前記スラスト軸受
の摺動面の材料に比べて、潤滑性被膜の形成されやすい
材料を含む板状部材が、前記可動スクロールと前記スラ
スト軸受との間に介在していることを特徴とするスクロ
ール圧縮機。 - 【請求項10】 前記潤滑性被膜は、フッ化被膜が主体
であることを特徴とする請求項8又は9記載のスクロー
ル圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP630397A JPH10196562A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP630397A JPH10196562A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10196562A true JPH10196562A (ja) | 1998-07-31 |
Family
ID=11634618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP630397A Withdrawn JPH10196562A (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10196562A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006035680A1 (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-06 | Daikin Industries, Ltd. | 摺動部材及び流体機械 |
JP2007218206A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Daikin Ind Ltd | 流体機械 |
WO2007145465A1 (en) * | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Doowon Technical College | A scroll compressor improved in function of oil circulation and back pressure control |
JP2008202526A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | スクロール型圧縮機 |
JP2012225257A (ja) * | 2011-04-20 | 2012-11-15 | Mitsubishi Electric Corp | スクロール圧縮機 |
CN103511260A (zh) * | 2013-03-06 | 2014-01-15 | 广东美芝制冷设备有限公司 | 旋转压缩机 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP630397A patent/JPH10196562A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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