JP5067181B2 - 摺動部材及び流体機械 - Google Patents

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本発明は、相対的に摺動する部位に用いられる摺動部材と、流体を搬送する流体機械に関するものである。特に、冷凍機器及び空調機器等に用いられ、高圧の冷媒ガスであるHFC系代替冷媒ガスや自然冷媒である炭酸ガス等を、圧縮または膨張させるスクロール型の流体機械及びその製造方法に係るものである。
従来より、例えば冷凍空調用の圧縮機としては、圧縮機構の方式がレシプロ式、ローリングピストン式およびスクロール式のものが製造され、広く知られている。いずれの方式も家庭用、業務用の冷凍空調分野で使用されおり、その代表的な構造は、密閉容器内に、圧縮機構部と、その駆動用のシャフト、及び電動機等を収容した構造が用いられている。
ここでは、自然冷媒である炭酸ガス(二酸化炭素)冷媒ガスに使用したヒートポンプ給湯用、あるいは空調機用のスクロール圧縮機を例にとり、従来の技術を説明する。
まず、図4に示す従来のスクロール型圧縮機の縦断面図を用いてその構造を説明する。
密閉容器1は、円筒状の胴シェル21aと、その両端を上シェル21bと底シェル21cが冷媒ガスが漏れないよう円周を溶接されて構成され、さらに冷媒ガスの吸入管11と吐出管16、電動機7の通電用の端子25が各々溶接やロー付け等で冷媒ガスが漏れないよう固定設置されている。
密閉容器1の内部には、固定スクロール2aと可動スクロール3とから構成された圧縮機構部2、オルダム継手4を介して可動スクロール3を固定スクロール2aに対して旋回運動させるシャフト5と、固定スクロール2aを固定されシャフト5を回転自在に支持する軸受部材6が設置されている。軸受部材6は密閉容器1に溶接などで固定されている。
軸受部材6の下方には、シャフト5に固定された回転子7aと胴シェル21aに焼き嵌め等で固定された固定子7bが設置されている。
さらに密閉容器1の内部の底部には潤滑油9を貯溜する油溜め10が設けられており、シャフト5の貫通穴13の下端より油溜め10の潤滑油9が、シャフト5の回転に伴いオイルポンプ17で吸い上げられ、ジャーナル軸受6a、偏芯軸受3a、および固定スクロール2aと可動スクロール3fなどの各摺動面へ供給される構造となっている。
また、ジャーナル軸受6a及び偏芯軸受3aは、軸受部材6と旋回スクロール3に圧入された軸受ブッシュ8a,8b等で構成され耐久性、摺動特性を維持している。軸受ブッシュ8a,8bには、円筒状の裏金(SPCC等)の内週面に摺動皮膜層(例えば、テフロン(登録商標)、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂に、グラファイト、グラスファイバー、硬質カーボン等が添加されている)が形成されたいわゆる裏金付樹脂含浸軸受ブッシュを用いている。
次に、冷媒ガスの圧縮サイクルを説明する。空調機の熱交換器(図示せず)などを循環してきた低圧の冷媒ガスは吸入管11より圧縮機構部2に吸入される。吸入された冷媒ガスは、固定スクロール2aと可動スクロール3との間に形成された三日月状の圧縮空間(図示せず)に入り、可動スクロール3の旋回運動により三日月状の圧縮空間が外側から中央に向かって次第に縮小することで、冷媒ガスは圧縮され高圧ガスとなり固定スクロール2aの中央部に設けた吐出孔12より吐出される。
吐出孔12より吐出された高圧ガスは、一旦密閉容器1内の固定スクロール2aの上方の吐出空間1aへ吐出され、ガス通路14を通じ、可動子7a上部の空間1bに流れ、ついで回転子7a内部に設けられたガス通路18aから密閉容器1の底部空間1cへ、さらに固定子7bの外周に設けられた通路18bを通じ上方に流れ固定子上部空間1dに出て、通路14とは別に設けられたガス通路15を通じ固定スクロール2aの上方空間1eに流れ出てた後、吐出管16より外部の熱交換器(図示せず)などのヒートポンプシステムへ吐出搬送される。熱交換器等を循環し高圧ガスは低圧ガスとなり、再び吸入管11より圧縮機に戻り、周知のヒートポンプサイクルを循環する。
その次に、圧縮機内部での潤滑油9の循環サイクルを説明する。潤滑油9は油溜め10からオイルポンプ17で吸い上げられ、シャフト5の貫通穴13を上昇し、偏心軸受3a、の隙間から可動スクロール3のボス部が収納されるボス部空間19に出て、ジャーナル軸受6aの隙間を経て、ジャーナル軸受6aの下部の油排出口から可動子7a上部の空間1bへ排出される。その後、可動子7a内の通路18aを通って底部の油溜め10に戻る。
また、偏心軸受3aを通った潤滑油9の一部は、ボス部空間19から、オルダム継手4が設置された背圧空間22、そして背圧空間22の圧力を調整する吸入背圧調整弁23を通じて吸入側の圧縮室24に導かれる。その後、可動スクロール3の旋回運動により冷媒ガスのともに圧縮され吐出孔12より出て、先の冷媒ガスと同様の経路を経て、固定子上方空間1bで先のジャーナル軸受6aの下部から出た潤滑油と合流し、底部の油溜め10に戻る。
これらの潤滑油の循環サイクルにより、シャフト5と偏心軸受3a及びジャーナル軸受6a、またオルダム継手4、可動スクロール3、固定スクロール2a等の各摺動部を潤滑している。
近年、地球温暖化抑制のために、従来冷媒として用いられていたR12等のCFC系やR22などのHCFC系冷媒に代わり、HFC系冷媒(例えば、R410A,またはR32等を主成分としたHFC系冷媒等)、二酸化炭素(以後CO2と記す)等の自然冷媒を用いた機器の利用が進められるとともに、効率向上が求められている。
しかしながら、これらの冷媒は、冷媒の特性上、上記従来冷媒より作動圧力が高くなるため、その圧力に応じて摺動部は大きい力を受けながら摺動する。また、HFC系冷媒はHCFC系で潤滑作用を有していた塩素がなく、自然冷媒CO2は洗浄作用が強く、ともに従来のHCFC系冷媒より潤滑面で不利となる側面をもっている。すなわち、温暖化抑制には効果的だが、信頼性及び効率向上には課題を有していた。
例えば、図5を用いて説明する。可動スクロール3はその下方よりボス部空間19及び背圧空間22の圧力により、固定スクロール2a側にスラスト方向荷重を受け押付けられながら旋回運動するが、そのスラスト荷重を、固定スクロール2aの圧縮室スラスト面52bと可動スクロール3のラップ端面53a(図中では上面)、同様に固定スクロール2aのラップ端面52a(図中では下面)と可動スクロール3の圧縮室スラスト面53bが受けながら、互いに摺動している。
また、回転方向の荷重を、オルダム継手4のキー部4aと可動スクロール3のキー溝部3bと、図示しないがオルダム継手4のキー部と軸受部材6のキー溝部が、受けながら互いに摺動している。
上記構成の圧縮機をCO2冷媒のヒートポンプサイクルに用いる際、従来冷媒より高差圧運転が行われるため、上記両スクロール、オルダム継手の摺動部が受ける過大な荷重により、摺動面同士が部分的に接触する(境界潤滑に近い)混合潤滑状態となりやすくなる。この(境界潤滑に近い)混合潤滑状態が続く場合には、摺動部には摩耗や、焼き付きが発生する事となる。
従来のスクロール圧縮機では、軽量化と高速回転に対応するため可動スクロール3をアルミ合金材で形成し、固定スクロール2に鋳鉄材、オルダムリングに鉄系焼結材を用いているが、可動スクロール3の表面に耐摩耗性を向上させる目的でその表面に陽極酸化層を形成している(例えば、特許文献1参照)。図6は、陽極酸化処理される可動スクロールの断面を示したもので、図中の点線に示す様にほぼ全表面(53a、53b、53c、53d、53e等)に陽極酸化層を形成している。陽極酸化処理は、電解液中に可動スクロールを浸漬し、図のように、処理用電源36から電極37を介して通電されて皮膜形成が行われるが、処理中に、ボス部の鉄系の裏金を有するブッシュ3aが電解液の浸入により腐食するのを防止するため、ボス部にはマスキング35が被せられている。
また、特許文献2では、固定スクロール2aと可動スクロール3をともにアルミ材で形成し、どちらかに陽極酸化層である硬質アルマイト処理した構成も考案されている。
特開2006−112379号公報 特開昭55−081295号公報
しかしながら陽極酸化層は多孔質層である事から、摩擦係数が大きく、また初期馴染み性の課題も有していた。その課題を解決するため、陽極酸化層の多孔質の孔にテフロン(登録商標)等の樹脂や二硫化モリブデン等の固体潤滑材を電解処理により含浸させる方法が考案されている。この方法によれば、樹脂や固体潤滑材により摩擦係数を低減し初期馴染み性が改善出来るが、電解液が特殊で高価であり、孔の含浸だけでは十分な効果が得にくかった。
また、陽極酸化層の上からテフロン(登録商標)等の樹脂を塗布し含浸する方法も考案されているが、塗布では陽極酸化層の上にまで樹脂層が形成され易く皮膜の厚み、表面粗さを精度よく形成する事ができなかった。
一方、スクロール圧縮機ではないが、アルミ合金のピストンにショットピーニング技術を用いてアルミ合金の表層に固体潤滑剤皮膜(二硫化モリブデン等)を形成する方法が考案されている。しかしながら、より耐久性の高い表面処理が求められていた。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、耐摩耗性能および潤滑性能の高い摺動部材と、それを用い信頼性と性能向上を実現する流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、アルミを主成分とする摺動部材の表面に固体潤滑剤の微細粉体を衝突させ前記表面の表層に固体潤滑剤含有皮膜を形成し、前期皮膜形成した後に陽極酸化処理することで、固体潤滑剤を含有した潤滑性酸化皮膜を形成したものである。これによって、従来より、陽極酸化皮膜に固体潤滑剤が強固に取り込まれた皮膜を形成できる。
本発明の流体機械によれば、耐摩耗性能および摺動特性に優れた摺動部材を実現できるとともに、また優れた耐久性及び高い効率有する流体機械を実現できる。
第1の発明は、アルミを主成分とする材料の表面に固体潤滑剤の微細粉体を衝突させ前記表面の表層に固体潤滑剤含有皮膜を形成し、前記皮膜形成後に陽極酸化処理することで、陽極酸化皮膜に固体潤滑剤が強固に取り込まれた皮膜を摺動部材表面に容易に形成できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の摺動材を用いた流体機械であって、摺動部の摺動表面に潤滑剤が強固に取り込まれた皮膜が形成されたことで、摺動部での耐摩耗性および摺動損失が低減される。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら、二酸化炭素を冷媒(以後CO2と記載)に潤滑油にPAG油を用いたスクロール圧縮機の場合を例に説明するが、上記で説明した従来の技術の例と同一機能部品については同一番号を使用し、同一の構成および作用の説明は省く。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、アルミと5〜15%Si粒子を含有したアルミ合金を素材とした可動スクロールにアルマイト(陽極酸化皮膜)に二硫化モリブデンを含有した潤滑性酸化皮膜を形成する場合を例にして、図1から3を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における、可動スクロール3の摺動部表面に形成された潤滑性酸化皮膜の断面図である。図2は、潤滑酸化性皮膜の製作工程を説明する図である。同様に図3は、陽極酸化皮膜を形成された可動スクロール3の摺動部表面の断面図である。
可動スクロール3は、図2に示す製作工程でその表面に所望の潤滑性酸化皮膜が形成されて完成する。まず、(1)前仕上加工工程で、素材を皮膜形成前に必要な形状、精度に仕上げる。次に、(2)陽極酸化処理工程は、前仕上げされた状態の表面にアルミの酸化層である陽極酸化皮膜35a(アルマイト層)を形成する工程である。その後、(3)固体潤滑剤皮膜形成工程は、表面に固体潤滑剤(二硫化モリブデン)の含有した皮膜を形成するもので、その皮膜形成方法には、先の特許文献1にもあるショットピーニング技術を用いる。これは、固体潤滑剤の微粒子を高速度で衝突させることで、可動スクロール3の表層に潤滑剤を固着、熱拡散または打ち込むものである。この工程で先の潤滑剤を含有したアルマイト層が形成され、その結果、潤滑性酸化皮膜層35が形成される。そして、(4)仕上加工工程で、必要な箇所の孔明けやバフ処理などを行い可動スクロール3が完成する。
図3では、(2)陽極酸化処理工程後の表層断面図で、3は可動スクロールで素材はアルミ合金であり、31は素材に含有する平均径3〜5μm程度のSi粒子、32は摺動表面、35aは陽極酸化皮膜35aである。このSi粒子はアルミ部より導電性が悪いため陽極酸化皮膜の成長過程でSi粒子の周りに隙間36が生じている。ここでは、陽極酸化処理は、一般的な常温の硫酸アルマイト処理を用い厚みδaは約3μmとし、Si粒子の平均径は5μmとした。陽極酸化皮膜35aは柱状組織であり柱状に沿って中空部を有し皮膜上面から皮膜下部(アルミ基材)へとつながっている。
また、図1に示す表層断面図は、(3)固体潤滑剤皮膜形成工程後のもので、35は形成された潤滑性酸化皮膜である。
この工程では、図3の陽極酸化皮膜上から二硫化モリブデン粒子をショットピーニングにより摺動表面32に高速で衝突させることにより、二硫化モリブデン粒子は陽極酸化皮膜内35a及び基材のアルミ合金内へ侵入混入するもの、あるいは衝突時の熱で拡散するもの、一部は表面に固着して薄い固着層34を形成するもの、陽極酸化皮膜35a中の中空部や隙間36等に充填されるものにより、結果として可動スクロール3の表層に厚みδmの二硫化モリブデンを含有した固体潤滑含有層33を形成する。本形態1では、この厚みδmは5〜20μm程度、固着層は1μm以下で形成された。また、二硫化モリブデンは中心粒径50μm以下のものを用いた。
この固体潤滑含有層33において、(2)陽極酸化処理で形成された陽極酸化皮膜35a部分が、固体潤滑剤を含有した厚みδaの潤滑性酸化皮膜層35となる。尚、陽極酸化皮膜は表面粗さが粗くなりやすいので比較的薄い皮膜を用いているが、潤滑性酸化皮膜の厚みを確保するため、二硫化モリブデンが含有される固体潤滑剤含有層より、陽極酸化皮膜の厚みを薄くし(即ち、δa<δm)している。このような厚みの関係することで、表面粗さ及び寸法精度も良好な潤滑性酸化皮膜を形成できる。尚、5〜15%Siのアルミ合金の場合だけでなく、15%以上含まれる材料の場合も効果はあるが、材料の製造コストが高くなることや機械的強度が逆に低く、また陽極酸化層の形成速度も低く、生産性は低く現実的でない。また、逆に5%以下でも効果があることはいうまでもない。尚、シリコン平均粒子径は3〜5μmに限定するものではなく、より大きい粒子径や、小さい場合でも、適用可能であることはいうまでもない。
以上の構成によれば、摺動部材である可動スクロール3の摺動部に、潤滑性に優れた二硫化モリブデンを含有し、磨耗性に優れたアルマイト層である潤滑性酸化皮膜を容易に形成できるため、摺動部の損失低減、耐摩耗性向上を実現できる。また、流体機械であるスクロール圧縮機に、その潤滑性酸化皮膜を形成した可動スクロール3を用いることで、効率、耐久性、信頼性向上を実現できる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。可動スクロール3と軸受部材6に鋳鉄材、オルダム継手4にアルミ合金材を用いる場合は、オルダム継手4の摺動部に潤滑性酸化皮膜を実施の形態1と同様にして形成することで、摺動部の損失低減、耐摩耗性向上が実現できる。
以上の構成によれば、摺動部材であるオルダム継手4の摺動部に、潤滑性に優れた二硫化モリブデンを含有し、耐磨耗性に優れたアルマイト層である潤滑性酸化皮膜を容易に形成できるため、摺動部の損失低減、耐摩耗性向上を実現できる。また、そのオルダム継手4を用いた流体機械であるスクロール圧縮機は、効率、耐久性、信頼性向上を実現できる。
以上、上記実施の形態1から2では、スクロール型圧縮機構を有する場合を例にして説明したが、他のロータリ型、レシプロ型等の圧縮機や膨張機、ポンプ、さらにはエンジン等内燃機関などにも、本発明は適用可能であり、同様の効果を実現できる事は言うまでもない。特に、小型、軽量化が要求される車用の圧縮機やエンジンでは、摺動部にアルミ合金が用いられる事も多く、陽極酸化処理が必要なとされることも多いため、特にそのような場合に本発明はより効果を発揮できる。尚、相対摺動する摺動部材の双方がアルミ合金であって、片方または双方に同様に潤滑性酸化皮膜を形成してもよいことは、いうまでもない。
また、上記実施の形態1から2において、固体潤滑剤に二硫化モリブデンを用いた場合で説明したが、固体潤滑剤はこれに限るものではなく、黒鉛、窒化ホウ素、二硫化タングステン、四フッ化エチレン(PTFE)等の樹脂、等を用いてもよい。
また、本発明の実施の形態1から2におけるスクロール圧縮機は、二酸化炭素を冷媒(以後CO2と記載)に潤滑油にPAG油を用いた場合を例に説明するが、これに限るものではなく、HFC系冷媒R410A、R32、またはハイドロカーボン(HC)、HCFC22などの冷媒と、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼンまたは鉱油等を潤滑油を用いた場合にも同様に適用可能であり、同様の効果を得ることができる。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
即ち、本発明を適用する事で、低い摺動損失と耐摩耗性有する固体潤滑剤を含有した潤滑性酸化皮膜を容易に形成できるため、優れた潤滑性を有する摺動部材を実現できるとともに、その摺動部材を用いることで、高効率で高い信頼性を有する流体機械を実現できる。
以上のように、本発明に係る摺動部材及び流体機械によれば、耐摩耗性能および摺動特性に優れた摺動部材を実現できるとともに、また優れた耐久性及び高い効率有する流体機械を実現することが可能となるので、空気調和機や冷蔵庫などの冷凍機器、除湿機や乾燥機、給湯機ヒートポンプ応用機器に使用される冷媒圧縮機のほかに、エンジンなどの用途にも適用することができる。
本発明の実施の形態1における潤滑性酸化皮膜形成後の表面近傍断面図 本発明の実施の形態1における製造工程の説明図 本発明の実施の形態1における陽極酸化皮膜形成後の表面近傍の断面図 従来のスクロール型圧縮機の縦断面図 従来の摺動部の説明図 従来の可動スクロールの断面図
符号の説明
3 可動スクロール
31 Si粒子
32 摺動部表面
33 固体潤滑剤含有層
34 固着層
35a 陽極酸化皮膜
35 潤滑性酸化皮膜

Claims (2)

  1. アルミと5〜15%Si粒子を含有したアルミ合金からなる基材の表面に、陽極酸化皮膜を形成した後に、前記陽極酸化皮膜に二硫化モリブデンの微細粉体を衝突させることで、固体潤滑剤含有層と前記陽極酸化皮膜表面に配設された固着層とを形成し、
    前記陽極酸化皮膜の厚みは、前記固体潤滑剤含有層の厚みより薄く、
    前記固体潤滑剤含有層の厚みは5〜20μmであり、前記固着層の厚みは1μm以下である摺動部材。
  2. 固定スクロールと旋回スクロールを有するスクロール型の流体機械において、
    アルミと5〜15%Si粒子を含有したアルミ合金からなるスクロールの表面に、陽極酸化皮膜を形成した後に、前記陽極酸化皮膜に二硫化モリブデンの微細粉体を衝突させることで、固体潤滑剤含有層と前記陽極酸化皮膜表面に配設された固着層とを形成し、
    前記陽極酸化皮膜の厚みは、前記固体潤滑剤含有層の厚みより薄く、
    前記固体潤滑剤含有層の厚みは5〜20μmであり、前記固着層の厚みは1μm以下である流体機械。
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