JP2009092156A - すべり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐電食性に優れながらも放電機能を有するすべり軸受を提供する。
【解決手段】 裏金3の表面に接合された銅系合金又はアルミニウム系合金等の軸受合金層1の表面に樹脂層2を設けたすべり軸受において、樹脂層2は、耐熱性樹脂を主成分とし、平均粒子径が樹脂層厚さの15〜45%のカーボン系粒子を10〜40体積%含有する構成としたことにより、樹脂層が絶縁性を維持しながらも、放電現象が樹脂層2表面の全面に分散し、樹脂層2が局部的に高温となるのを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸受合金の表面に樹脂層を被膜形成したすべり軸受に関する。
従来、内燃機関においては、点火系や電装機器から発生した漏洩電流により、異種金属間に電食が発生する現象がある。この電食は、異種金属が接する部分に電流が流れると、異種金属間に電位差が発生し、この電位差が金属を電気化学的に腐食させる現象である。この対策として、例えば、特開平7−309290号公報(特許公報1)では、エンジンに使用される電装部品がボディ本体にアースされることにより、電装部品からの漏洩電流による電食の防止を図ることが行われている。また、内燃機関用の転がり軸受においては、例えば、特開平9−72332号公報(特許公報2)に示されるように、ベアリング(転がり軸受)又はコンロッド支持部材(軸)の少なくとも一方の表面を絶縁体の樹脂コーティング層で被覆することにより、ベアリングの電食を防いでその耐久性の向上を図ることが行われている。
特開平7−309290号公報(段落[0005]) 特開平9−72332号公報(段落[0006]、[0008])
しかし、上記した特許文献1のようなアースにより絶縁した内燃機関であっても、点火系や電装機器からの漏洩電流を完全に無くすことはできていない。また、上記した特許文献2では、樹脂層により軸と転がり軸受間が絶縁されており、転がり軸受の耐電食性が高められるが、潤滑油を用いたすべり軸受に絶縁性の樹脂層を設けた場合には、すべり軸受の耐電食性が高められる反面、軸とすべり軸受間の油膜厚が最も薄くなる付近に、放電による樹脂の損傷が起こるという欠点があった。この放電による樹脂の損傷は、点火系や電装機器からの漏洩電流、及び軸とすべり軸受間の摩擦による静電気を樹脂層が帯電することによるものである。
具体的には、内燃機関用のすべり軸受において、上記した特許文献2のような常に軸が接触する転がり軸受と異なり、潤滑油の油膜圧力により軸と樹脂層との接触が起こりにくく、帯電された樹脂層から軸側への放電も発生し難くなり、樹脂層の帯電量が大きくなる傾向にある。そして、潤滑油の油膜切れや、すべり軸受温度が高温となって潤滑油の粘度が低下した等により、軸と樹脂層との接触が起こった瞬間に、帯電された樹脂層から軸側への放電が突発的に発生する。この放電現象によって樹脂層が局部的に高温となり、樹脂層が損傷を受けると考えられている。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、耐電食性に優れながらも放電機能を有するすべり軸受を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、軸受合金の表面に樹脂層を被膜形成したすべり軸受において、前記樹脂層に、平均粒子径が前記樹脂層の膜厚の15〜45%となるカーボン系粒子を10〜40体積%添加したことを特徴とする。
請求項2に係る発明においては、請求項1記載のすべり軸受において、樹脂層の樹脂が、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、又はポリイミド樹脂のいずれかであることを特徴とする。
請求項3に係る発明においては、請求項1又は請求項2記載のすべり軸受において、樹脂層に二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを20〜45体積%添加することを特徴とする。
請求項1に係る発明において、軸受合金の表面に被膜形成された樹脂層は、絶縁性を有することから、軸と軸受合金間に通電が発生せず、軸受合金は良好な耐電食性が得られる。また、カーボン系粒子は、非金属物質の中でも金属と同等に導電性に優れたものである。このような導電性のカーボン系粒子を絶縁性の樹脂層に適宜に添加すると、樹脂層が絶縁性を維持しながらも、軸とカーボン系粒子間に微少放電を発生させることができる。すなわち、放電現象が樹脂層表面の全面に分散されることで、樹脂層の帯電量が大きくなる前にカーボン系粒子から放電を発生させることができ、樹脂層が局部的に高温となることを防ぐことができる。また、カーボン系粒子は、高融点物質であるため、放電に伴い高温となっても損傷を受けることがない。なお、カーボン系粒子には、すべり軸受の摺動性を考慮すると、摺動性に優れた天然黒鉛又は人造黒鉛の使用が好ましい。
また、樹脂層にカーボン系粒子を添加する量は、10〜40体積%であることが好ましい。カーボン系粒子の添加量が10体積%未満である場合には、樹脂に対するカーボン系粒子の分散が不十分となり、樹脂層から軸側への突発的な放電が発生し、樹脂層が高温となって損傷を受けることがある。一方、カーボン系粒子の添加量が40体積%を超える場合には、樹脂層におけるカーボン系粒子同士の接触頻度が高まり、樹脂層が導電性を有するようになる。その結果、軸受合金の電食が進行してしまう。
また、カーボン系粒子の平均粒子径は、樹脂層が絶縁性を維持するために、樹脂層の膜厚の15〜45%であることが好ましい。カーボン系粒子の平均粒子径が樹脂層の膜厚の15%未満である場合には、樹脂層における細かいカーボン系粒子の数が多くなるのに伴って、カーボン系粒子同士の接触による通電路が形成されてしまい、樹脂層が導電性を有し軸受合金に電食が発生するおそれがある。一方、カーボン系粒子の平均粒子径が樹脂層の膜厚の45%を超える場合には、カーボン系粒子の比表面積が減少するため、カーボン系粒子同士が接触する確率は低いが、大きなカーボン系粒子が接触した部分で通電路が形成されてしまい、樹脂層が導電性を有し軸受合金に電食が発生するおそれがある。
ただし、樹脂層の膜厚は、軸との摩耗で容易に消失しないように10μm以上とすることが好ましく、軸受合金や軸との熱膨張率の差による軸受クリアランス変化の影響が少なくなるように50μm以下とすることが好ましい。
また、請求項2に係る発明のように、樹脂層の樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂(以下、「PAI樹脂」という。)、ポリベンゾイミダゾール樹脂(以下、「PBI樹脂」という。)、又はポリイミド樹脂(以下、「PI樹脂」という。)のいずれかであることが好ましい。これらの樹脂は、耐熱性に優れており、すべり軸受における樹脂層に適している。
また、二硫化モリブデン及び二硫化タングステンは、絶縁物質であるため、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンのみを樹脂層に添加しても、樹脂層表面全体からの放電の分散には寄与しない。しかし、請求項3に係る発明のように、樹脂層にカーボン系粒子に加えて、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを添加すると、絶縁性の二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンがカーボン系粒子同士の間に存在するようになる。すなわち、樹脂層におけるカーボン系粒子の分散度合いが高まることから、樹脂層表面全体からの放電の分散を向上させることができる。また、絶縁性の二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンがカーボン系粒子同士の間に存在すると、カーボン系粒子同士の接触による通電路が形成されるのを防ぐことができ、樹脂層による耐電食性を維持することができる。
また、樹脂層に二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを添加する量は、20〜45体積%であることが好ましい。これらの添加量とすることで、樹脂層の摩耗量を減少することができ、樹脂層による耐電食性を長期にわたって持続させることができる。二硫化モリブデンの添加量が20体積%未満である場合には、樹脂層におけるカーボン系粒子の分散度合いの向上をはかることができず、樹脂層表面全体からの放電が十分に分散せず、樹脂層の摩耗量が減少するには至らない場合がある。一方、二硫化モリブデンの添加量が45体積%を超える場合には、樹脂層の強度が低くなり過ぎて、樹脂層が摩耗しやすくなる。
また、二硫化モリブデン及び二硫化タングステンは、固体潤滑剤としても知られており、樹脂層の摺動性が高められるのに伴って樹脂層の帯電量も少なくなるため、放電が発生する頻度を減少させることができる。また、樹脂層に二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを添加する量は、樹脂層の強度を考慮すると、カーボン系粒子の添加量を加算して60体積%以下とすることが好ましい。また、樹脂層には、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンに限られず、樹脂層の耐摩耗性を向上させるため、絶縁性物質からなる硬質粒子を添加してもよい。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態を模式的に示すすべり軸受の断面図である。すべり軸受は、裏金3の表面に接合された銅系合金又はアルミニウム系合金等の軸受合金層1の表面に、樹脂層2を設けた構成である。本実施形態において、樹脂層2は、PAI樹脂、PBI樹脂、PI樹脂等の耐熱性樹脂を主成分とし、平均粒子径が樹脂層の膜厚の15〜45%の天然黒鉛、人造黒鉛等のカーボン系粒子(Gr)を10〜40体積%含有する樹脂層である。さらに必要に応じて、樹脂層2には、二硫化モリブデン(MoS2)及び/又は二硫化タングステン(WS2)を20〜45体積%含有することができる。なお、カーボン系粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって計測した。
次に、本実施例による樹脂層を設けた実施例品と樹脂層を設けた比較例品について摩擦摩耗試験および導電性試験を実施した。摩擦摩耗試験の実施例品および比較例品は、裏金となる鋼板上にアルミニウム系軸受合金層を接合した平板に加工後、脱脂処理し、続いて軸受合金層の表面をブラスト加工により粗面化する。さらに洗浄、乾燥後、表1の実施例1〜9および比較例1〜7に示す組成物を有機溶剤(N−メチル―2−ピロリドン)で希釈した組成物を上記軸受合金層表面にエアースプレーで吹付けて塗布した。その後、有機溶剤を乾燥除去し、180℃で60分間焼成する。ここで樹脂層の厚さは、20μmとした。
導電性試験の実施例品は、アルミナ板上に、実施例1〜9および比較例1〜7に示す組成物を有機溶剤(N−メチル―2−ピロリドン)で希釈した組成物を上記軸受合金層表面にエアースプレーで吹付けて塗布した。その後、有機溶剤を乾燥除去し、180℃で60分間焼成したのちアルミナ板上から樹脂層を剥がした。ここで樹脂層の厚さは、20μmとした。
摩擦摩耗試験は、図2に示すスラスト試験機を用い、実施例1〜9および比較例1〜7を表2に示す試験条件で行ない、摩耗量、および目視観察による樹脂層表面の溶融損傷部の有無による放電損傷の評価を行った。導電性試験は、実施例1〜9および比較例1〜7の樹脂層の表面側に正電極を裏面側に負電極を接触させ0.5mAの直流電流を流し、樹脂層の導電性の有無を確認した。それらの結果を表1に示す。
上記表1において、樹脂層の各成分の数字は、それぞれ体積百分率(vol%)である。まず、樹脂層にカーボン系粒子を添加しない比較例1では、樹脂層が導電性を有しないが、放電による樹脂の溶損が生じている。これに対し、樹脂層に導電性のカーボン系粒子を添加した実施例1〜5では、樹脂層の絶縁性を維持しながらも、放電による樹脂の溶損が生じていない。これは、樹脂層に導電性のカーボン系粒子を添加すると、放電現象が樹脂層表面全体に分散し、樹脂層の帯電量が多くなる前にカーボン系粒子から微少放電が発生されることから、樹脂層が局部的に高温となるのを抑制したことによるものである。また、樹脂層に導電性のカーボン系粒子を添加しても、樹脂層の絶縁性が維持されていることから、樹脂層による耐電食性も優れているといえる。
また、カーボン系粒子の添加量が異なる実施例1(10体積%)と比較例4(7体積%)を比較すると、樹脂層が共に導電性を有しないが、実施例1では、放電による樹脂の溶損が生じていないのに対し、比較例4では、放電による樹脂の溶損が生じている。これは、比較例4のようにカーボン系粒子の添加量が10体積%未満となると、樹脂層におけるカーボン系粒子の添加量が少なく、樹脂層表面全体での放電の分散が不十分となり、結果として放電による樹脂の溶損が生ずるものである。
また、カーボン系粒子の添加量が異なる実施例3(40体積%)と比較例5(45体積%)を比較すると、実施例3では、放電による樹脂の溶損は生じないが、樹脂層が導電性を有しないのに対し、比較例5では、放電による樹脂の溶損が生じると共に、樹脂層が導電性を有している。これは、比較例5のようにカーボン系粒子の添加量が40体積%を超えると、樹脂層におけるカーボン系粒子の添加量が多く、カーボン系粒子同士の接触頻度が高まるのに伴い樹脂層が導電性を有するようになり、軸受合金に電食が発生する。
また、樹脂層厚さに対するカーボン系粒子の平均粒子径が異なる実施例4(15%)と比較例6(10%)を比較すると、実施例4では、放電による樹脂の溶損は生じないが、樹脂層が導電性を有しないのに対し、比較例6では、放電による樹脂の溶損が生じると共に、樹脂層が導電性を有している。これは、比較例6のように樹脂層厚さに対するカーボン系粒子の平均粒子径が15%未満となると、樹脂層における細かいカーボン系粒子の数が多く、カーボン系粒子同士の接触による通電路が形成されるのに伴い樹脂層が導電性を有するようになり、軸受合金に電食が発生する。
また、樹脂層厚さに対するカーボン系粒子の平均粒子径が異なる実施例5(45%)と比較例7(60%)を比較すると、実施例5では、放電による樹脂の溶損は生じないが、樹脂層が導電性を有しないのに対し、比較例7では、放電による樹脂の溶損が生じると共に、樹脂層が導電性を有している。これは、比較例7のように樹脂層厚さに対するカーボン系粒子の平均粒子径が45%を超えると、樹脂層においてカーボン系粒子同士が接触する確率は低いが、大きなカーボン系粒子が接触した部分から通電路が形成されるのに伴い樹脂層が導電性を有するようになり、軸受合金に電食が発生する。
また、樹脂層にカーボン系粒子に加えて、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを添加した実施例6〜9では、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを添加しない実施例1〜5よりも、樹脂層の摩耗量が概ね半減している。なお、実施例6〜9においても、樹脂層の絶縁性を維持しながら、放電による樹脂の溶損が生じていない。これは、絶縁性の二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンがカーボン系粒子同士の間に存在し、樹脂層におけるカーボン系粒子の分散度合いが高まることから、樹脂層表面全体からの放電の分散が向上されたことによるものである。すなわち、結果として、放電による樹脂の摩耗が生じ難くなったといえる。なお、二硫化モリブデン及び二硫化タングステンは、固体潤滑剤としての役割も果たし、樹脂層の摺動性が高められるのに伴って樹脂層の帯電量も少なくなるため、放電が発生する頻度も減少させることができる。
また、比較例には示さないが、二硫化モリブデンの添加量が20体積%未満となると、樹脂層におけるカーボン系粒子の分散度合いの向上がはかれないため、樹脂層表面全体からの放電が十分に分散せず、樹脂層の摩耗量が減少するには至らなかった。一方、二硫化モリブデンの添加量が45体積%を超えると、樹脂層の強度が低くなり過ぎて、樹脂層が摩耗しやすくなる結果が得られた。
また、実施例6〜9における実施例6,7では、樹脂層がPAI樹脂から構成されるのに対し、実施例8では、樹脂層がPBI樹脂から構成され、実施例9では、樹脂層がPI樹脂から構成されるように、樹脂の種類を異ならせている。試験結果によれば、いずれの樹脂も耐熱性に優れており、PBI樹脂やPI樹脂から構成された樹脂層であっても、樹脂層の絶縁性を維持しながら、放電による樹脂の溶損が生じない結果を得ることができた。
また、樹脂層にカーボン系粒子に加えて、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを添加した実施例6〜9では、樹脂層の絶縁性を維持しながらも、放電による樹脂の溶損が生じていない。これに対し、樹脂層に二硫化モリブデン又は二硫化タングステンを添加しながらも、カーボン系粒子を添加しない比較例2,3では、樹脂層が導電性を有しないが、放電による樹脂の溶損が生じている。これは、比較例1と同じく、カーボン系粒子によって放電が分散されないことから、結果として放電による樹脂の溶損が生ずるものである。
本発明は上記しかつ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。軸受合金層の表面を粗面化する方法としては、ブラスト加工に限らず、エッチング、溶射、化成処理等でも良い。樹脂表面層の塗布方法は、エアスプレー法に限らず、パッド印刷法、スクリーン印刷法、ロールコート法等でも良い。なお、軸受合金層1上に樹脂層2を設けた後に、すべり軸受形状に加工してすべり軸受を製造することもできる。本発明のすべり軸受は、内燃機関用以外の用途、すなわち銅系又はアルミニウム系合金からなる軸受合金に限らず用いることができる。たとえばコンプレッサーなどへの用途にも用いることができる。更に、本発明のすべり軸受は、流体潤滑下での使用以外に、境界潤滑下、無潤滑下でも使用することができる。
本発明に係る実施形態におけるすべり軸受の断面図である。 摩擦摩耗試験に用いるスラスト試験機の概略図である。
符号の説明
1 軸受合金層
2 樹脂層
3 裏金

Claims (3)

  1. 軸受合金の表面に樹脂層を被膜形成したすべり軸受において、
    前記樹脂層に、平均粒子径が前記樹脂層の膜厚の15〜45%となるカーボン系粒子を10〜40体積%添加したことを特徴とするすべり軸受。
  2. 前記樹脂層の樹脂が、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、又はポリイミド樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のすべり軸受。
  3. 前記樹脂層に、二硫化モリブデン及び/又は二硫化タングステンを20〜45体積%添加することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のすべり軸受。
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