JP2016173591A - 位相差フィルム、偏光板、および表示パネル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行性、加工性、製品信頼性に優れた位相差フィルムを提供すること。
【解決手段】延伸された高分子フィルムを含む位相差フィルムであって、下記式(1)ないし(3):
0.70<Re[450]/Re[550]<0.97・・・(1)
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx-nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足する位相差フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】延伸された高分子フィルムを含む位相差フィルムであって、下記式(1)ないし(3):
0.70<Re[450]/Re[550]<0.97・・・(1)
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx-nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足する位相差フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、延伸された高分子フィルムを含む位相差フィルムに関する。
近年、ディスプレイの普及が進むにつれ、それらに用いられる光学フィルムにも、様々な要求機能が増えている。そのため、新規材料や新規プロセスでのフィルム開発が求められている。
フィルムの性能とは別に、ディスプレイの大型化・薄型化や生産量の増大に対応するために、広幅でかつ薄型のフィルムを大量に生産する必要がある。このような薄層のフィルムを生産する際には、走行性の面や加工性、製品信頼性の面で、フィルムの強度は重要な設計パラメーターとなっている。
走行性の面では、大量生産のために、長尺のフィルムを連続生産するため、様々なロールに接触しながらロール搬送するのが通例である。その際、フィルムに折れやしわが生じた際に、幅方向に力が加わることで、長手方向にフィルムが裂けるという問題がある。また、フィルムがロールに沿って搬送される際、その曲げ率が大きいと、フィルムが幅方向に裂ける。更に、フィルム端面のスリット加工後や、端面に衝撃が加わった際は同様にフィルムが幅方向に裂けてしまう。このように、安定的にフィルムを走行させるためには、長手方向および幅方向ともに、十分なフィルム強度が必要である。
フィルムの加工性の面では、フィルム強度が弱いと、フィルムを枚様にカットする際の力や、フィルム同士またはフィルムをパネルに貼り合せる際の曲げ、またフィルムをパネルからリワークする際の曲げ等でフィルムに裂け等の破断が生じてしまうという問題がある。
製品信頼性の面では、高温・高湿環境下や温度・湿度変化の激しい条件下では、偏光子または他の積層フィルムの収縮や膨張に追従できずにクラックが生じて画面表示が不均一になることがある。
このため、広幅でかつ薄型のフィルムを大量に生産するために、走行性、加工性、製品信頼性の面でのフィルムの脆さを改善する必要がある。
特に有機ELディスプレイに関して言えば、有機ELディスプレイには、反射防止用にλ/4位相差板を有した円偏光板が用いられる。また反射色をニュートラルにするために、逆波長分散型の位相差板が必要である。有機ELディスプレイの特徴でもある高画質・薄型化を満足し、かつ将来普及する可能性がある大型化に対応するべく、逆波長分散型の薄型のλ/4位相差板が広幅で必要になる。逆分散性を出すために、例えば共重合体の場合主鎖と側鎖の量を調整し、側鎖の量を増やすと、フイルムは脆くなり易い。そのため、延伸性も悪く、薄型化や大型化のための設計をすることが困難である。
光学フィルムの1つとして位相差フィルムがある。位相差フィルムの1つとして、例えば、特許文献1、2に示されるように、位相差値が長波長の光で測定したものほど大きい特性(逆波長分散特性ともいう)を有するものが開発されているが、これらの文献では上記のようなフィルムの脆さの改善についての検討はされていない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、走行性、加工性、製品信頼性に優れた位相差フィルムを提供することである。本発明は、位相差フィルムを構成する延伸された高分子フィルムの耐折強さ等の強度を、位相差フィルムの光学特性を示す値を利用して評価することができる、との知見に基づき、なされたものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す位相差フィルムにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の位相差フィルムは、延伸された高分子フィルムを含む位相差フィルムであって、下記式(1)ないし(3):
0.70<Re[450]/Re[550]<0.97・・・(1)
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx−nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足する。
0.70<Re[450]/Re[550]<0.97・・・(1)
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx−nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足する。
好ましい実施形態においては、23℃における波長550nmの光で測定した位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(m2/N)が、50×10-12以下である。
好ましい実施形態においては、23℃における波長550nmの光で測定した位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(m2/N)が、10×10-12〜45×10-12である。
好ましい実施形態においては、例えば共重合体からなる前記高分子フィルムが、脂肪族性ポリマーで、かつ延伸配向性を有する主鎖と、260〜380nmで吸収端を持つユニットを側鎖に持ち、且つ、主鎖の延びる方向に対して該側鎖の面が交差している高分子量体を主成分とする高分子フィルムである。
本発明の別の態様によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、上記位相差フィルムと偏光子とを少なくとも有する。
好ましい実施形態においては、前記偏光板は、円偏光板である。
本発明の別の態様によれば、表示パネル装置が提供される。この表示パネル装置は、前記偏光板を少なくとも有する。
本発明の位相差フィルムは、式0.7<Re[450]/Re[550]<0.97・・・(1)
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx−nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足することによって、逆波長分散特性を示しつつ、走行性、加工性、製品信頼性に優れる。このような特性を有する位相差フィルムは、位相差フィルムの生産効率や表示パネル装置の表示特性の改善に、極めて有用である。
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx−nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足することによって、逆波長分散特性を示しつつ、走行性、加工性、製品信頼性に優れる。このような特性を有する位相差フィルムは、位相差フィルムの生産効率や表示パネル装置の表示特性の改善に、極めて有用である。
<1.位相差フィルム>
本発明の位相差フィルムは、高分子フィルムを延伸させて得られるものである。本明細書において、位相差フィルムは、面内及び/又は厚み方向に複屈折を有するものをいう。
本発明の位相差フィルムは、高分子フィルムを延伸させて得られるものである。本明細書において、位相差フィルムは、面内及び/又は厚み方向に複屈折を有するものをいう。
本明細書において、Re[550]とは、23℃における波長550nmの光で測定した面内の位相差値をいう。Re[550]は、波長550nmにおける位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとし、d(nm)を位相差フィルムの厚みとしたとき、式:Re[550]=(nx−ny)×dによって求めることができる。なお、遅相軸とは面内の屈折率の最大となる方向をいう。
本発明のnx−nyである面内複屈折Δnは、好ましくは1.5×10-3〜6×10-3であり、より好ましくは1.5×10-3〜5×10-3であり、さらに好ましくは2.0×10-3〜4.5×10-3である。例えば、上記位相差フィルムがλ/4板として用いられる場合は、上記Δnは、好ましくは3.5×10-3である。上記位相差フィルムの製造における延伸工程に、固定端延伸、例えば横延伸工程や斜め延伸工程を含ませ、その延伸倍率、延伸温度および延伸速度等を調整することによりΔnを上記の範囲とすることによって、従来に比べて広幅の位相差フィルムの製造が可能となり、大型ディスプレイへ対応が可能となり、材料の有効活用による低コスト設計も可能となる。場合によっては、延伸でよりΔnを調整しやすくするために、製膜条件、例えば温度、速度、厚みなどを、適宜変更することもある。Δnがこの範囲でない場合は、位相差発現性が悪くなり、広幅延伸ができなくなる。またΔnがこの範囲の場合は、適宜の位相差に調整することが容易となり、表示装置に合わせた位相差設計をすることで、正面特性や視野角特性の優れた表示装置を提供することができる。また、Δnがこの範囲の場合は、位相差フィルムの厚みを非常に薄く設計することが容易になり、薄型の表示装置に組み込みことも容易となる。逆にΔnがこの範囲より小さい場合は、フィルムの厚みを過度に大きくする必要が出てくる。
上記位相差フィルムは、好ましくは23℃において、波長550nmの光で測定した面内の位相差値(Re[550])が、波長450nmの光で測定した面内の位相差値(Re[450])よりも大きい。このような波長分散特性を有する位相差フィルムは、前記比率がこの範囲であれば、長波長ほど位相差が発現し、可視領域の各波長において理想的な位相差特性を得ることができる。例えば、有機ELディスプレイに用いた場合、1/4λ板としてこのような波長依存性を有する位相差フィルムを作製し、偏光板と貼り合わせることにより、円偏光板等を作製することができ、色相の波長依存性が少ない、ニュートラルな偏光板および表示装置の実現が可能である。一方、前記比率がこの範囲外の場合には、反射色相の波長依存性が大きくなり、偏光板や表示装置に着色の問題が生じる。また、液晶表示装置に用いた場合に、見る角度によって光漏れが生じる現象や、表示画像が青味を帯びる現象(ブルーイッシュ現象ともいう)を改善することができる。
上記位相差フィルムのRe[550]とRe[450]の比(Re[450]/Re[550])は、好ましくは1より小さく、さらに好ましくは0.50〜0.99であり、特に好ましくは0.70〜0.97であり、最も好ましくは0.75〜0.95である。Re[450]/Re[550]を上記の範囲とすることによって、例えば、上記位相差フィルムを表示パネル装置に用いた場合に、より一層優れた表示特性を得ることができる。
上記位相差フィルムは、好ましくは23℃において、波長550nmの光で測定した面内の位相差値(Re[550])が、波長650nmの光で測定した面内の位相差値(Re[650])よりも小さい。このような波長分散特性を有する位相差フィルムは、赤色の領域で位相差値が一定になり、例えば、液晶表示装置に用いた場合に、見る角度によって光漏れが生じる現象や、表示画像が赤味を帯びる現象(レッドイッシュ現象ともいう)を改善することができる。
上記位相差フィルムのRe[550]とRe[650]の比(Re[650]/Re[550])は、好ましくは1より大きく、さらに好ましくは1.01〜1.20であり、特に好ましくは1.02〜1.15である。Re[650]/Re[550]を上記の範囲とすることによって、例えば、上記位相差フィルムを有機ELディスプレイに用いた場合に、より一層優れた表示特性を得ることができる。
本明細書において、Rthは、厚み方向の位相差値をいう。位相差フィルムの遅相軸方向、厚み方向の屈折率を、それぞれnx、nzとし、d(nm)を位相差フィルムの厚みとしたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求めることができる。なお、遅相軸とは面内の屈折率の最大となる方向をいう。
上記Rthは、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記Rthは、10nm以上であり、好ましくは50nm〜500nmである。例えば、上記位相差フィルムがλ/2板として用いられる場合、上記Rthは、好ましくは200nm〜400nmであり、さらに好ましくは250nm〜290nmである。あるいは、上記位相差フィルムがλ/4板として用いられる場合は、上記Rthは、好ましくは100nm〜200nmであり、さらに好ましくは130nm〜150nmである。
Re[450]、Re[550]、Re[650]は、Axometrics社製 製品名「AxoScan」を用いて測定することができる。
本明細書において、NZは、厚み方向複屈折であるnx−nzと面内複屈折であるnx−nyとの比をいう(Nz係数ともいう)。
本発明の位相差フィルムのNZは、1.13〜1.50である。好ましくは、1.14〜1.40である。上記位相差フィルムの製造における延伸工程に、固定端延伸、例えば横延伸工程や斜め延伸工程を含ませ、その延伸倍率、延伸温度および延伸速度等を調整することによりNZを上記の範囲とすることによって、位相差フィルムの耐折強さ(可撓性)を著しく向上させることができる。場合によっては、延伸でよりΔnを調整しやすくするために、製膜条件、例えば温度、速度、厚みなどを、適宜変更することもある。
例えば、通常縦延伸を行う場合は、フィルムの長手方向の延伸に対し、幅方向が固定されていないため、幅収縮が起こる。そのため、より一軸方向に分子が配向した状態となり、屈折率の関係としては、例えば、nx>ny=nzとなる。この場合は、延伸方向であるフィルムの長手方向の耐折強さは強くなるが、幅方向の耐折強さは非常に弱くなる。これを解決するために、延伸方向に対して交差する角度方向に、幅を規制する力を発生した状態(例えば、横一軸延伸の場合、延伸方向であるフィルムの幅方向に対して直角方向であるフィルムの長手方向の長さを一定にする力が発生している)で、延伸を施すことで、延伸方向のみならず、延伸方向と交差する角度方向にも分子を配向させることができ、屈折率の関係としては、nx>ny>nzとすることができる。これより、延伸方向の耐折強さと幅方向の耐折強さを、高いレベルで両立することができる。
上記位相差フィルムの透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
上記位相差フィルムの23℃における光弾性係数の絶対値;C(m2/N)は、50×10-12以下である。偏光子の収縮応力や、表示パネルの熱や、周囲の環境(耐湿・耐熱)によって、位相差フィルムに力がかかり、それにより発生する位相差値の変化を防ぐことができ、その結果、良好な表示均一性を有する表示パネル装置を得ることができる。好ましくは、上記位相差フィルムのCは10×10-12〜45×10-12であり、特に好ましくは3×10-12〜40×10-12以下である。Cを上記の範囲とすることによって、上記位相差フィルムに力がかかった時に発生する位相差値の変化やムラを低減することができる。また、光弾性係数とΔnはトレードオフの関係になりやすく、この光弾性係数範囲であれば、位相差発現性を低減させることなく、表示品位を保つことが可能となる。
<2.位相差フィルムの製造方法>
1つの実施形態において、本発明の位相差フィルムは、高分子フィルムを延伸することによって、配向させて作製される。
1つの実施形態において、本発明の位相差フィルムは、高分子フィルムを延伸することによって、配向させて作製される。
上記高分子フィルムを延伸する方法としては、目的に応じて、任意の適切な延伸方法が採用され得る。本発明に適した上記延伸方法としては、例えば、横一軸延伸方法、縦横同時二軸延伸方法、縦横逐次二軸延伸方法等が挙げられる。延伸する手段としては、テンター延伸機、二軸延伸機等々の、任意の適切な延伸機が用いられ得る。好ましくは、上記延伸機は、温度制御手段を備える。加熱して延伸を行う場合は、延伸機の内部温度は連続的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。工程は1回でも2回以上に分割してもいい。延伸方向はフィルム幅方向(TD方向)や斜め方向に延伸するのがよい。
上記高分子フィルムを延伸する温度(延伸温度)は、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。好ましくは、延伸は、高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)に対し、Tg−20℃〜Tg+30℃の範囲で行なう。このような条件を選択することによって、位相差値が均一になり易く、かつ、フィルムが結晶化(白濁)しにくくなる。具体的には、上記延伸温度は90℃〜210℃であり、さらに好ましくは100℃〜200℃であり、特に好ましくは100℃〜180℃である。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7121(1987)に準じたDSC法によって求めることができる。
上記延伸温度を制御する手段としては、任意の適切な手段が採用され得る。上記温度制御手段としては、例えば、熱風または冷風が循環する空気循環式恒温オーブン、マイクロ波または遠赤外線を利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール、金属ベルト等が挙げられる。
上記高分子フィルムを延伸する倍率(延伸倍率)は、目的に応じて、適宜、選択され得る。上記延伸倍率は、好ましくは1を超え6倍以下であり、さらに好ましくは1.5倍を超え4倍以下であり、特に好ましくは2.0倍を超え3倍以下である。また、延伸時の送り速度は、特に制限はないが、機械精度、安定性等から好ましくは0.5m/分〜30m/分であり、より好ましくは1m/分〜20m/分である。上記の延伸条件であれば、目的とする光学特性が得られ得るのみならず、光学均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
<3.位相差フィルムの用途>
本発明の位相差フィルムは、任意の適切な用途に用いられ得る。代表的な用途としては、液晶表示装置のλ/4板、λ/2板、光学補償フィルム等が挙げられる。この他には、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用反射防止フィルムが挙げられる。
本発明の位相差フィルムは、任意の適切な用途に用いられ得る。代表的な用途としては、液晶表示装置のλ/4板、λ/2板、光学補償フィルム等が挙げられる。この他には、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用反射防止フィルムが挙げられる。
<4.位相差フィルムに用いられる高分子フィルム>
本発明の位相差フィルムとしては、熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムが用いられる。好ましくは、例えば共重合体からなる脂肪族性ポリマーで、かつ延伸配向性を有する主鎖と、260〜380nmで吸収端を持つユニットを側鎖に持ち、且つ、主鎖の延びる方向に対して側鎖の面が交差している高分子量体を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムが用いられる。より好ましくは、セルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテル系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、アセテート系等の透明樹脂等の樹脂であって、主鎖方向に長い剛直な環構造や結晶性構造を作るセグメントが導入されており、吸収端波長が260nm〜380nmである芳香族基を側鎖に持つ高分子量体を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムが用いられる。この高分子量体において、該セグメントや芳香族基は共重合されていてもブレンドされていてもよい。
本発明の位相差フィルムとしては、熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムが用いられる。好ましくは、例えば共重合体からなる脂肪族性ポリマーで、かつ延伸配向性を有する主鎖と、260〜380nmで吸収端を持つユニットを側鎖に持ち、且つ、主鎖の延びる方向に対して側鎖の面が交差している高分子量体を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムが用いられる。より好ましくは、セルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテル系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、アセテート系等の透明樹脂等の樹脂であって、主鎖方向に長い剛直な環構造や結晶性構造を作るセグメントが導入されており、吸収端波長が260nm〜380nmである芳香族基を側鎖に持つ高分子量体を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムが用いられる。この高分子量体において、該セグメントや芳香族基は共重合されていてもブレンドされていてもよい。
高分子フィルムに請求項1の式(1)に示されるような逆波長分散特性を持たせるためには、側鎖として波長分散を急峻にするユニットを持たせればよいが、そのためには、側鎖として芳香族基を少なくとも1つ以上持たせればよい。吸収端波長が、380nmより大きくなると、可視領域に入り、着色等の不具合が生じる。また、260nmより短波長側であると、側鎖の分散がフラット分散に近づくため、高分子量体の波長分散性が緩くなる。よって、側鎖が、吸収端波長が260nm〜380nmである芳香族基を持てば、着色等の不具合が生じることなく、側鎖の複屈折の波長依存性が急峻になり、高分子量体全体として、効率良く逆波長分散特性を示すと考えられる。
また、一般的に光弾性係数は材料構造の芳香族性に起因しており、脂環式のCOP系(シクロオレフィン系)では低く、芳香族のPC(ポリカーボネート)系では高くなっている。よって、光弾性係数を下げるにはポリマーの脂肪族性を高くすればよいが、トレードオフとして配向性が低下する。そのため、請求項1の式(2)に示されるような配向性の高さを実現するために、脂肪族ポリマーにおいても配向性の高い構造、具体的には主鎖方向に長い剛直な環構造や結晶性構造を作るセグメントを導入することが考えられる。なお、より長波長側に吸収波長がある側鎖成分を有する方が、高分子量体の配向性は大きくなる。
なお、本明細書において、「延伸フィルム」とは、適当な温度で未延伸のフィルムに張力を加え、または予め延伸されたフィルムにさらに張力を加え、特定の方向に分子の配向を高めたプラスチックフィルムをいう。
1つの実施形態において、本発明の位相差フィルムは、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも有する重合体を含有する。
上記重合体は、例えば、少なくとも2種類のアルデヒド化合物及び/又はケトン化合物と、ポリビニルアルコール系樹脂とを縮合反応させて得ることができる。上記一般式(I)に示す重合体において、l,m,n,oの各基本単位の配列順序は、特に制限はなく、交互,ランダムまたはブロックのいずれであってもよい。
上記一般式(I)中、R1、AおよびBは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基または水酸基を表す(ただし、R1は水素原子ではない)。上記R1は、ナフチル環の2位に置換した置換基であり、上記Aは、ナフチル環の3位または4位に置換した置換基である。上記Bは、ナフチル環の5位から8位に置換した置換基である。好ましくは、上記R1はメトキシ基である。また、好ましくは上記AおよびBは、水素原子である。
上記R1は、当該置換基が結合しているナフチル環の立体配座を制御するために用いられる。より具体的には、当該置換基は、立体障害により、上記一般式(I)中、2つの酸素原子の間に配座しやすくなると推定される。そして、上記のナフチル環の平面構造は、該2つの酸素原子を結ぶ仮想線に実質的に直交に配向される。このような重合体を用いることによって、透明性、および加工性に優れる 位相差フィルムを得ることができる。
上記一般式(I)中、基本単位;lは、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂と1−ナフトアルデヒド類または1−ナフトン類との縮合反応によって得ることができる。上記1−ナフトアルデヒド類は、適宜、適切なものが採用され得る。上記1−ナフトアルデヒド類としては、例えば、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−エトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−プロポキシ−1−ナフトアルデヒド、2−メチル−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド等が挙げられる。上記1−ナフトン類は、適宜、適切なものが採用され得る。上記1−ナフトン類としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−アセトナフトン、8’−ヒドロキシ−1’−ベンゾナフトン等が挙げられる。これらのなかで好ましくは、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒドである(この場合、上記一般式(I)中、R1はメトキシ基であり、AおよびBは水素原子である)。
上記1−ナフトアルデヒド類は、任意の適切な合成法によって得ることができる。上記1−ナフトアルデヒド類の合成法としては、例えば、特開平9−040600号公報や特開平9−110775号公報に記載されているような、置換または非置換のナフトエ酸を、任意のアルコールと反応させて、置換または非置換のナフトエ酸エステルとした後、これをジイソブチルアルミニウムハイドライドや水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の還元剤で還元する方法が挙げられる。上記1−ナフトアルデヒド類は、市販のものをそのまま用いることもできる。
上記1−ナフトン類は、任意の適切な合成法によって得ることができる。上記1−ナフトン類の合成法としては、例えば、置換または非置換のナフトエ酸を、適切なリン酸ハロゲン化物や塩化チオニルと反応させて、ハロゲン化アシルとした後、これをさらに適切な求核試薬と反応させる方法が挙げられる。あるいは、特許第2846418号の参考例1に記載されている方法を用いることもできる。
上記一般式(I)中、R2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝アルキル基、炭素数5〜10の置換若しくは非置換のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のナフチル基、または、置換若しくは非置換のヘテロ環基を表す。上記R2に、このような置換基を導入した重合体は、汎用溶剤(例えば、アセトン、酢酸エチル、トルエン等)への溶解性が優れる。好ましくは、上記R2は、炭素数1〜4の直鎖または分枝のアルキル基である。
上記一般式(I)中、基本単位;mは、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂と、任意のアルデヒド化合物またはケトン化合物との縮合反応によって得ることができる。アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、1,1−ジエトキシエタン(アセタール)、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−クロロベンズアルデヒド 、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、t−ブチルベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド 、2−ニトロベンズアルデヒド 、4−シアノベンズアルデヒド、4−カルボキシベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド 、4−フルオロベンズアルデヒド 、2−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド 、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、6−メトキシ−2−ナフトアルデヒド、3−メチル−2−チオフェンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、インドール−3−カルボキシアルデヒド等が挙げられる。
ケトン化合物としては、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、t−ブチルケトン、ジプロピルケトン、アリルエチルケトン、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、4’−アミノアセトフェノン、p−クロロアセトフェノン、4’−メトキシアセトフェノン、2’−ヒドロキシアセトフェノン、3’−ニトロアセトフェノン、P−(1−ピペリジノ)アセトフェノン、ベンザルアセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、4−ニトロベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、p−ブロモベンゾフェノン、シクロヘキシル(フェニル)メタノン、2−ブチロナフトン、1−アセトナフトン等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、ベンジル基、シリル基、リン酸基、アシル基、ベンゾイル基、またはスルホニル基を表す。
上記R3は、残存する水酸基を保護する(エンドキャップ処理ともいう)ことにより、吸水率を適切な値に調整するために用いられる。吸水率を小さくすると、例えば、上記重合体を位相差フィルムとして用いた場合、高い透明性を有し、且つ、位相差の安定性に優れたものを得ることができる。本発明の重合体が用いられる用途や目的によっては、当該置換基は、エンドキャップ処理されていなくてもよい(すなわち、R3は水素原子のままでよい)。上記R3としては、例えば、水酸基の残存する重合体を得た後に、水酸基と反応して置換基を形成し得る(すなわち、エンドキャップ処理可能な)任意の適切な基(代表的には、保護基)が用いられ得る。
上記保護基は、例えば、ベンジル基、4−メトキシフェニルメチル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基、メタンスルホニル基、ビス−4−ニトロフェニルフォスファイト等が挙げられる。上記R3は、好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、またはt−ブチルジメチルシリル基である。これらの置換基を用いることによって、高温多湿下の環境下においても、高い透明性を有し、且つ、位相差の安定性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
上記エンドキャップ処理の反応条件は、水酸基と反応させる置換基の種類によって、適宜、適切な条件が採用され得る。例えば、アルキル化、ベンジル化、シリル化、リン酸化、スルホニル化などの反応は、水酸基の残存する重合体と目的とする置換基の塩化物とを、4(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンなどの触媒の存在下、25℃〜100℃で1時間〜20時間攪拌して行なうことができる。
上記一般式(I)中、基本単位;oは、例えば、アルデヒド化合物として、置換または非置換のベンズアルデヒドを用いて導入することができる。このような重合体を用いることにより、透明性により一層優れた 位相差フィルムを得ることができる。
上記一般式(I)中、R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分枝のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基または水酸基を表す。上記R4は、ベンゼン環のオルト位、メタ位またはパラ位に置換した置換基である。
上記一般式(I)中、基本単位l、m、nおよびoの比率は、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記基本単位;lの比率は、好ましくは1モル%〜20モル%であり、さらに好ましくは5モル%〜15モル%である。上記基本単位;mの比率は、好ましくは25モル%〜50モル%であり、さらに好ましくは30モル%〜50モル%である。上記基本単位;nの比率は、好ましくは10モル%〜55モル%であり、さらに好ましくは15モル%〜50モル%である。上記基本単位;oの比率は、好ましくは1モル%〜20モル%であり、さらに好ましくは5モル%〜15モル%である。
さらに、構成単位lと、構成単位m及びoの合計との比率〔l/(m+o)〕(モル/モル)は、好ましくは0.10〜0.50であり、さらに好ましくは0.12〜0.40であり、特に好ましくは0.15〜0.30である。基本単位;l、m、nおよびoの比率を上記の範囲とすることによって、例えば、上記重合体を含有する位相差フィルムは、透明性、位相差の発現性、逆波長分散特性を兼ね備えた、優れた特性を示す。
上記重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは3,000〜500,000であり、特に好ましくは5,000〜300,000である。重量平均分子量を上記の範囲とすることによって、機械的強度に優れた 位相差フィルムを得ることができる。なお、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法よりポリスチレンを標準試料として算出できる。分析装置としては、TOSOH製「HLC−8120GPC」(カラム:TSKgel SuperHM−H/H4000/H3000/H2000、カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm、溶離液:テトラヒドロフラン、流量:0.6ml/min、検出器:RI、カラム温度:40℃、注入量:20μl)を用いることができる。
上記重合体のガラス転移温度は、好ましくは90℃〜190℃であり、さらに好ましくは100℃〜170℃であり、特に好ましくは110℃〜160℃である。ガラス転移温度を上記の範囲とすることによって、耐熱性に優れた 位相差フィルムを得ることができる。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7121(1987)に準じたDSC法によって求めることができる。
上記重合体を含有する高分子フィルムは、任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。上記添加剤の使用量は、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記添加剤の使用量は、上記重合体100重量部に対して、好ましくは0を超え10(重量比)以下であり、さらに好ましくは0を超え5(重量比)以下である。
上記高分子フィルムの厚みは、目的に応じて、適宜、適切な値に設定され得る。上記厚みは、好ましくは10μm〜300μmであり、さらに好ましくは20μm〜200μmであり、特に好ましくは30μm〜150μmである。上記の範囲であれば、機械的強度や厚み均一性に優れるものを得ることができる。
上記高分子フィルムの透過率は、好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
上記高分子フィルムの光弾性係数の絶対値(C(m2/N))は、好ましくは1×10-12〜50×10-12であり、さらに好ましくは10×10-12〜45×10-12である。光弾性係数の絶対値が上記の範囲であるものを用いることによって、例えば、表示均一性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
別の実施形態において、本発明の位相差フィルムは、下記一般式(II)で表される構造のポリビニルアセタール系樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムである。当該ポリビニルアセタール系樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂と、2種類以上のアルデヒド、2種類以上のケトン、または少なくとも1種のアルデヒドと少なくとも1種のケトンを用い、縮合反応(アセタール化ともいう)によって得ることができる。下記一般式(II)で表される構造を含むポリビニルアセタール系樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムであれば、逆波長分散特性を示し、成形加工性、延伸性、位相差値の安定性に優れる位相差フィルムを得ることができる。また、延伸配向性にも優れるため、位相差フィルムの厚みを薄くすることができる。
(一般式(II)中、R5、R9およびR10は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分鎖状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいアントラニル基、又は置換基を有していてもよいフェナントレニル基を表す。R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状、分鎖状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分鎖状のアルコキシル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、シアノ基又はチオール基を示す。ただし、R6およびR7は、同時に水素原子ではない。R11は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状、分鎖状若しくは環状のアルキル基、ベンジル基、シリル基、リン酸基、アシル基、ベンゾイル基、またはスルホニル基を示す。l、m、およびnは1以上の整数を表す。)
上記一般式(II)中、R9およびR10置換基は、上記一般式(II)で表される構造を含むポリアセタール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを延伸して得られる位相差フィルムの波長分散特性をより緻密に制御するために用いられる。より具体的には、R9およびR10に置換基を導入することによって、当該高分子フィルムを延伸した際に、当該置換基を延伸方向に対して略平行に配向させ得る。本発明の位相差フィルムの波長分散特性は、前述した2つの酸素原子を結ぶ仮想線に略直交する方向に配向したベンゼン環の波長分散特性と、主鎖構造の波長分散特性と、ここで述べたR9およびR10に導入される置換基の波長分散特性との相互作用によって得られるものと考えられる。また、該高分子フィルムの成形加工性、延伸性、位相差値の安定性、および延伸配向性をより一層向上させることもできる。
上記R9およびR10は、例えば、上記ポリビニルアセタール系樹脂を得る際に、アルコールと反応させるアルデヒド(代表的には、ベンズアルデヒド類)またはケトン(代表的には、アセトフェノン類やベンゾフェノン類)の種類によって適宜、選択され得る。アルデヒドおよびケトンの具体例としては、前述のとおりである。
上記R9として好ましくは、水素原子またはメチル基であり、最も好ましくは水素原子である。上記R10として好ましくは、メチル基またはエチル基であり、最も好ましくはエチル基である。このような置換基を導入することにより、成形加工性、延伸性、位相差値の安定性、および延伸配向性に極めて優れた位相差フィルムが得られ得る。
上記一般式(II)中、R11の置換基は、残存する水酸基を保護(エンドキャップ処理ともいう)することにより吸水率を適切な値に調整し、溶剤に対する樹脂の溶解性、成形加工性、および位相差値の安定性を高めるために用いられる。したがって、得られた位相差フィルムの吸水率や光学特性、また、本発明の位相差フィルムが用いられる用途によっては、R11はエンドキャップ処理されていなくてもよく、水素原子のままでもよい。
上記R11は、例えば、水酸基の残存するポリビニルアセタール系樹脂を得た後に、従来公知の、水酸基と反応して置換基を形成するもの(代表的には、保護基)を用いて、エンドキャップ処理することによって得ることができる。上記保護基の具体例としては、ベンジル基、4−メトキシフェニルメチル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基、メタンスルホニル基、ビス−4−ニトロフェニルフォスファイトなどが挙げられる。エンドキャップ処理の反応条件としては、水酸基と反応させる置換基の種類によって、適宜、適切な反応条件が採用され得る。例えば、アルキル化、ベンジル基、シリル化、リン酸化、スルホニル化などの反応は、水酸基の残存するポリビニルアセタール系樹脂と目的とする置換基の塩化物とを、4(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンなどの触媒の存在下、25℃〜100℃で1時間〜20時間攪拌して行うことができる。上記R11として好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、およびt−ブチルジメチルシリル基から選ばれる1種のシリル基である。これらの置換基を用いることによって、高温多湿下などの環境においても、高い透明性を保ち、位相差値の安定性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
上記一般式(II)中、l、m、およびnの比率は、置換基の種類や目的に応じて、適宜選択され得る。好ましくは、l、m、およびnの合計を100(モル%)とした場合に、lは5〜30(モル%)、mは20〜80(モル%)、nは1〜70(モル%)であり、特に好ましくは、lは10〜28(モル%)、mは30〜75(モル%)、nは1〜50(モル%)であり、最も好ましくは、lは15〜25(モル%)、mは40〜70(モル%)、nは10〜40(モル%)である。上記の範囲とすることによって、逆波長分散特性を示し、成形加工性、延伸性、位相差値の安定性、および延伸配向性に極めて優れた位相差フィルムを得ることができる。
<5.高分子フィルムの製造方法>
上記重合体を含有する高分子フィルムは、任意の適切な成形加工法によって得ることができる。上記成形加工法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、ソルベントキャスティング法等が挙げられる。好ましくは、上記成形加工法は、ソルベントキャスティング法または押出成形法である。上記ソルベントキャスティング法は、具体的には、例えば、主成分となる重合体や添加剤を含む組成物を溶剤に溶解した濃厚溶液(ドープ)を、脱泡し、エンドレスステンレスベルトまたは回転ドラムの表面に、シート状に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。また、上記押出成形法は、具体的には、例えば、主成分となる重合体や添加剤を含む組成物を加熱溶融し、これをTダイ等を用いて、キャスティングロールの表面にシート状に押出して、冷却させてフィルムを形成する方法である。上記の方法を採用することによって、厚み均一性に優れた高分子フィルムを得ることができる。
上記重合体を含有する高分子フィルムは、任意の適切な成形加工法によって得ることができる。上記成形加工法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、ソルベントキャスティング法等が挙げられる。好ましくは、上記成形加工法は、ソルベントキャスティング法または押出成形法である。上記ソルベントキャスティング法は、具体的には、例えば、主成分となる重合体や添加剤を含む組成物を溶剤に溶解した濃厚溶液(ドープ)を、脱泡し、エンドレスステンレスベルトまたは回転ドラムの表面に、シート状に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。また、上記押出成形法は、具体的には、例えば、主成分となる重合体や添加剤を含む組成物を加熱溶融し、これをTダイ等を用いて、キャスティングロールの表面にシート状に押出して、冷却させてフィルムを形成する方法である。上記の方法を採用することによって、厚み均一性に優れた高分子フィルムを得ることができる。
<6.偏光板>
1つの実施形態において、本発明の偏光板は、上記位相差フィルムと偏光子とを少なくとも有する。図1は、本発明の好ましい実施形態において、位相差フィルムを用いた偏光板の概略断面図である。図1(a)の偏光板は、偏光子1の一方の側に任意の保護層2を備え、他方の側に位相差フィルム4を備える。図1(b)の偏光板は、偏光子1の一方の側に光学フィルム3を備え、他方の側に位相差フィルム4を備える。図1(c)の偏光板は、偏光子1の一方の側に任意の保護層2を備え、他方の側に任意の保護層2’を備え、該保護層2’の該偏光子1を備える側とは反対の側に、さらに位相差フィルム4を備える。図1(d)の偏光板は、偏光子1の両側に光学フィルム3および3’を備え、該光学フィルム3’の該偏光子1を備える側とは反対の側に、さらに位相差フィルム4を備える。上記任意の保護層2および2’は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、上記光学フィルム3および3’は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
1つの実施形態において、本発明の偏光板は、上記位相差フィルムと偏光子とを少なくとも有する。図1は、本発明の好ましい実施形態において、位相差フィルムを用いた偏光板の概略断面図である。図1(a)の偏光板は、偏光子1の一方の側に任意の保護層2を備え、他方の側に位相差フィルム4を備える。図1(b)の偏光板は、偏光子1の一方の側に光学フィルム3を備え、他方の側に位相差フィルム4を備える。図1(c)の偏光板は、偏光子1の一方の側に任意の保護層2を備え、他方の側に任意の保護層2’を備え、該保護層2’の該偏光子1を備える側とは反対の側に、さらに位相差フィルム4を備える。図1(d)の偏光板は、偏光子1の両側に光学フィルム3および3’を備え、該光学フィルム3’の該偏光子1を備える側とは反対の側に、さらに位相差フィルム4を備える。上記任意の保護層2および2’は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、上記光学フィルム3および3’は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の偏光板の1つの例として、上記偏光板は、上記偏光子の吸収軸方向と位相差フィルムの遅相軸方向とが、実質的に平行または実質的に直交である。本明細書において、「実質的に平行」とは、偏光子の吸収軸方向と位相差フィルムの遅相軸方向とのなす角度が、0°±2.0°である場合を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。また、「実質的に直交」とは、偏光子の吸収軸方向と位相差フィルムの遅相軸方向とのなす角度が、90°±2.0°である場合を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。このような形態によれば、正面方向においては、液晶表示装置の表示特性に及ぼす位相差フィルムの複屈折の影響がなくなり、一方、斜め方向では、位相差フィルムの複屈折によって液晶セルは光学的に補償される。その結果、正面方向でも斜め方向でもコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。
本発明の偏光板の1つの例として、上記偏光板は、上記偏光子の吸収軸方向と位相差フィルムの遅相軸方向とが、実質的に45°である。本明細書において、「実質的に45°」とは、偏光子の吸収軸方向と位相差フィルムの遅相軸方向とのなす角度が、45°±3.0°である場合を包含し、好ましくは45°±1.0°であり、さらに好ましくは45°±0.5°である。このような形態によれば、可視光の広い領域で、直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光)に変換し得る、優れた円偏光板を得ることができる。
実用的には、上記偏光子と、それに隣接する各部材(任意の保護層、光学フィルム、位相差フィルム)との間には、接着層や粘着層(図示せず)を設けられ、偏光子と各部材とが貼着される。このように、偏光子の少なくとも一方の側に本発明の位相差フィルムを配置することによって、例えば、表示均一性に優れる表示装置を得ることができる。
上記偏光子は、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものであれば、適宜、適切なものが採用され得る。上記偏光子は、好ましくは、ヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする延伸フィルムである。
上記二色性物質は、任意の適切なものが採用され得る。本明細書において「二色性」とは、光学軸方向とそれに直交する方向との2方向で光の吸収が異なる光学的異方性をいう。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、市販のフィルムをそのまま用いることもできる。市販のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムとしては、例えば、(株)クラレ製 商品名「クラレビニロンフィルム」、東セロ(株)製 商品名「トーセロビニロンフィルム」、日本合成化学工業(株)製 商品名「日合ビニロンフィルム」等が挙げられる。
偏光子の製造方法の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム301は、繰り出し部300から繰り出され、ヨウ素水溶液浴310中に浸漬され、速比の異なるロール311及び312でフィルム長手方向に張力を付与されながら、膨潤および染色工程に供される。次に、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴320中に浸漬され、速比の異なるロール321及び322でフィルムの長手方向に張力を付与されながら、架橋処理に供される。架橋処理されたフィルムは、ロール331および332によって、ヨウ化カリウムを含む水溶液浴330中に浸漬され、水洗処理に供される。水洗処理されたフィルムは、乾燥手段340で乾燥されることにより水分率が、例えば10%〜30%に調節され、巻き取り部360にて巻き取られる。偏光子350は、これらの工程を経て、上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを元長の5倍〜7倍に延伸することで得ることができる。
上記任意の保護層としては、適宜、適切なものが採用され得る。上記保護層は、偏光子が収縮や膨張することを防いだり、紫外線による劣化を防いだりするために使用される。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、それぞれの保護層は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記保護層は、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差が、好ましくは−90nm〜+90nmであり、さらに好ましくは−80nm〜+80nmであり、最も好ましくは−70nm〜+70nmである。
上記保護層の厚みとしては、上記の好ましい厚み方向の位相差が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、保護層の厚みは、好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下であり、特に好ましくは40μm以下である。
上記保護層は、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差が、好ましくは−90nm〜+90nmであり、さらに好ましくは−80nm〜+80nmであり、最も好ましくは−70nm〜+70nmである。
上記保護層の厚みとしては、上記の好ましい厚み方向の位相差が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、保護層の厚みは、好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下であり、特に好ましくは40μm以下である。
図1を参照すると、任意の保護層2および2’、ならびに光学フィルム3および3’の表面には、任意の表明処理層が形成され得る。上記表面処理層としては、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理(アンチリフレクション処理ともいう)、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)などを施した処理層が用いられる。これらの表面処理層は、画面の汚れや傷つきを防止したり、室内の蛍光灯や太陽光線が画面に写り込むことによって、表示画像が見え難くなることを防止したりする目的で使用される。上記表面処理層は、一般的には、ベースフィルムの表面に上記の処理層を形成する処理剤を固着させたものが用いられる。上記ベースフィルムは、上記の保護層または光学フィルムを兼ねていてもよい。さらに、上記表面処理層は、例えば、帯電防止処理層の上にハードコート処理層を積層したような多層構造であってもよい。上記表面処理層は、市販の表面処理層をそのまま用いることもできる。ハードコート処理および帯電防止処理が施された市販のフィルムとしては、例えば、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX−HA」が挙げられる。反射防止処理が施された市販の表面処理層としては、例えば、日本油脂(株)製 ReaLookシリーズが挙げられる。
<7.表示パネル装置>
1つの実施形態において、本発明の表示パネル装置は、上記偏光板と液晶表示パネルや有機EL表示パネルといった表示パネルを有する。偏光板と表示パネルは直接接着されていてもよいし、タッチパネルや他の光学部材といった任意の部材を介して配置されていてもよい。
1つの実施形態において、本発明の表示パネル装置は、上記偏光板と液晶表示パネルや有機EL表示パネルといった表示パネルを有する。偏光板と表示パネルは直接接着されていてもよいし、タッチパネルや他の光学部材といった任意の部材を介して配置されていてもよい。
本発明について、以下の実施例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)組成比の測定:
核磁気共鳴スペクトルメーター[日本電子(株)製 製品名「LA400」](測定溶媒;重DMSO、周波数;400MHz、観測核;1H、測定温度;70℃)を用いて求めた。
(2)厚みの測定方法:
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[大塚電子(株)製 製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」]を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
(3)フィルムの屈折率の測定方法:
アッベ屈折率計[アタゴ(株)製 製品名「DR−M4」]を用いて、23℃における波長589nmの光で測定した屈折率より求めた。
(4)位相差値(Re、Rth)の測定方法:
[Axometrics社製 製品名「AxoScan」]を用いて23℃の室内で測定した。
(5)透過率の測定方法:
分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて、23℃における波長550nmの光で測定した。
(6)耐折強さ(回)の測定方法:JIS P 8115に準拠して、サンプルサイズ100mm×15mmに対して、荷重200gで、延伸フィルムより、長辺をフィルムの長手方向(MD方向)に切り出す場合と、長辺をフィルムの幅方向(TD方向)に切り出し場合の、2方向について、[テスター産業(株)製 BE202MIT耐折度試験機]を用いて測定した。
(7)光弾性係数の絶対値(C[550])の測定方法:
分光エリプソメーター[日本分光(株)製 製品名「M−220」]を用いて、サンプル(サイズ2cm×10cm)の両端を挟持して応力(5〜15N)をかけながら、サンプル中央の位相差値(23℃)を測定し、応力と位相差値の関数の傾きから算出した。
(8)表示パネル装置の反射スペクトルの測定方法:
反射分光スペクトルを分光測色計[コニカミノルタセンシング(株)製 製品名「CM−2600d」]を用いて、23℃の室内で測定した。
(9)表示パネル装置の加熱試験の測定方法:
加熱試験の前に、表示パネル装置の表示画面上の45点の色度(反射色相)を分光測色計[コニカミノルタセンシング(株)製 商品名「CM−2600d」]により測定した。測定点は、表示画面上を均一に縦、横にそれぞれ5、9分割してつくられた45分割されたエリアの中心部分とした。また、表示画面全体の反射色の均一性を目視により評価した。その後、この表示パネル装置を、85℃の恒温オーブン中に96時間保管(加熱試験)した後、同様に表示画面上の45点の色度を測定した。更に、表示画面全体の反射色の均一性を目視により評価した。
(1)組成比の測定:
核磁気共鳴スペクトルメーター[日本電子(株)製 製品名「LA400」](測定溶媒;重DMSO、周波数;400MHz、観測核;1H、測定温度;70℃)を用いて求めた。
(2)厚みの測定方法:
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[大塚電子(株)製 製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」]を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
(3)フィルムの屈折率の測定方法:
アッベ屈折率計[アタゴ(株)製 製品名「DR−M4」]を用いて、23℃における波長589nmの光で測定した屈折率より求めた。
(4)位相差値(Re、Rth)の測定方法:
[Axometrics社製 製品名「AxoScan」]を用いて23℃の室内で測定した。
(5)透過率の測定方法:
分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて、23℃における波長550nmの光で測定した。
(6)耐折強さ(回)の測定方法:JIS P 8115に準拠して、サンプルサイズ100mm×15mmに対して、荷重200gで、延伸フィルムより、長辺をフィルムの長手方向(MD方向)に切り出す場合と、長辺をフィルムの幅方向(TD方向)に切り出し場合の、2方向について、[テスター産業(株)製 BE202MIT耐折度試験機]を用いて測定した。
(7)光弾性係数の絶対値(C[550])の測定方法:
分光エリプソメーター[日本分光(株)製 製品名「M−220」]を用いて、サンプル(サイズ2cm×10cm)の両端を挟持して応力(5〜15N)をかけながら、サンプル中央の位相差値(23℃)を測定し、応力と位相差値の関数の傾きから算出した。
(8)表示パネル装置の反射スペクトルの測定方法:
反射分光スペクトルを分光測色計[コニカミノルタセンシング(株)製 製品名「CM−2600d」]を用いて、23℃の室内で測定した。
(9)表示パネル装置の加熱試験の測定方法:
加熱試験の前に、表示パネル装置の表示画面上の45点の色度(反射色相)を分光測色計[コニカミノルタセンシング(株)製 商品名「CM−2600d」]により測定した。測定点は、表示画面上を均一に縦、横にそれぞれ5、9分割してつくられた45分割されたエリアの中心部分とした。また、表示画面全体の反射色の均一性を目視により評価した。その後、この表示パネル装置を、85℃の恒温オーブン中に96時間保管(加熱試験)した後、同様に表示画面上の45点の色度を測定した。更に、表示画面全体の反射色の均一性を目視により評価した。
〔実施例1〕
8.8gのポリビニルアルコール系樹脂〔日本合成化学(株)製 商品名「NH−18」(重合度=1800、ケン化度=99.0%)〕を、105℃で2時間乾燥させた後、167.2gのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。ここに、2.98gの2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド及び0.80gのp−トルエンスルホン酸・1水和物を加えて、40℃で1時間攪拌した。反応溶液に、3.18gのベンズアルデヒドを加え、40℃で1時間攪拌した後、4.57gのジメチルアセタールをさらに加えて、40℃で3時間攪拌した。その後、2.13gのトリエチルアミンを加えて反応を終了させた。得られた粗生成物は、1Lのメタノールで再沈殿を行った。ろ過した重合体をテトラヒドロフランに溶解し、再びメタノールで再沈殿を行った。これを、ろ過、乾燥して、11.9gの白色の重合体を得た。この重合体は、1H−NMRで測定したところ、下記式(III)で表される繰り返し単位を有し、l:m:n:oの比率(モル比)は10:25:52:11であった。また、光弾性係数の絶対値(C)は、27×10-12(m2/N)であった。
8.8gのポリビニルアルコール系樹脂〔日本合成化学(株)製 商品名「NH−18」(重合度=1800、ケン化度=99.0%)〕を、105℃で2時間乾燥させた後、167.2gのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。ここに、2.98gの2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド及び0.80gのp−トルエンスルホン酸・1水和物を加えて、40℃で1時間攪拌した。反応溶液に、3.18gのベンズアルデヒドを加え、40℃で1時間攪拌した後、4.57gのジメチルアセタールをさらに加えて、40℃で3時間攪拌した。その後、2.13gのトリエチルアミンを加えて反応を終了させた。得られた粗生成物は、1Lのメタノールで再沈殿を行った。ろ過した重合体をテトラヒドロフランに溶解し、再びメタノールで再沈殿を行った。これを、ろ過、乾燥して、11.9gの白色の重合体を得た。この重合体は、1H−NMRで測定したところ、下記式(III)で表される繰り返し単位を有し、l:m:n:oの比率(モル比)は10:25:52:11であった。また、光弾性係数の絶対値(C)は、27×10-12(m2/N)であった。
上記重合体を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み70μm)上にアプリケーターで塗工し、130℃の空気循環式乾燥オーブンで乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥ぎ取って、厚み135μmのフィルムを作製した。このフィルムを延伸機にて、130℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.1倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)A−1を作製した。得られた位相差フィルムA−1の特性を表1に示す。
〔実施例2〕
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて150μmとし、延伸温度を135℃に代えて133℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.2倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−2を作製した。得られた位相差フィルムA−2の特性を表1に示す。
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて150μmとし、延伸温度を135℃に代えて133℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.2倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−2を作製した。得られた位相差フィルムA−2の特性を表1に示す。
〔実施例3〕
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて130μmとし、延伸温度を135℃に代えて130℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.8倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−3を作製した。得られた位相差フィルムA−3の特性を表1に示す。
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて130μmとし、延伸温度を135℃に代えて130℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.8倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−3を作製した。得られた位相差フィルムA−3の特性を表1に示す。
〔実施例4〕
フィルムの製膜温度を130℃に代えて90℃とし、延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて100μmとし、延伸温度を135℃に代えて125℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.5倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−4を作製した。得られた位相差フィルムA−4の特性を表1に示す。
フィルムの製膜温度を130℃に代えて90℃とし、延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて100μmとし、延伸温度を135℃に代えて125℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.5倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−4を作製した。得られた位相差フィルムA−4の特性を表1に示す。
〔実施例5〕
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて142μmとし、延伸温度を135℃に代えて139℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて1.9倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−5を作製した。得られた位相差フィルムA−5の特性を表1に示す。
〔実施例6〕
ジメチルアセタールに代えて、8.81gのアセトアルデヒドを加え、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒドの使用量を2.89gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、11.7gの白色の重合体を得た。この重合体は、1HNMRで測定したところ、下記式(IV)で表される繰り返し単位を有し、l:m:n:oの比率(モル比)は11:54:28:7であった。
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて142μmとし、延伸温度を135℃に代えて139℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて1.9倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)A−5を作製した。得られた位相差フィルムA−5の特性を表1に示す。
〔実施例6〕
ジメチルアセタールに代えて、8.81gのアセトアルデヒドを加え、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒドの使用量を2.89gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、11.7gの白色の重合体を得た。この重合体は、1HNMRで測定したところ、下記式(IV)で表される繰り返し単位を有し、l:m:n:oの比率(モル比)は11:54:28:7であった。
上記重合体を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み70μm)上にアプリケーターで塗工し、空気循環式乾燥オーブンで乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥ぎ取って、厚み95μmのフィルムを作製した。このフィルムを延伸機にて、130℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.5倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Bを作製した。得られた位相差フィルムBの特性を表1に示す。
〔実施例7〕
8.8gのポリビニルアルコール系樹脂〔日本合成化学(株)製 商品名「NH−18」(重合度=1800、ケン化度=99.0%)〕を、105℃で2時間乾燥させた後、167.2gのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。ここに、2.98gの2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド及び0.80gのp−トルエンスルホン酸・1水和物を加えて、40℃で1時間攪拌した。反応溶液に、3.18gのベンズアルデヒドを加え、40℃で1時間攪拌した後、10.4gの2,2−ジメトキシプロパンをさらに加えて、40℃で3時間攪拌した。その後、2.13gのトリエチルアミンを加えて反応を終了させた。得られた粗生成物は、1Lのメタノールで再沈殿を行った。ろ過した重合体をテトラヒドロフランに溶解し、再びメタノールで再沈殿を行った。これを、ろ過、乾燥して、18.8gの白色の重合体を得た。この重合体は、1H−NMRで測定したところ、下記式(V)で表される繰り返し単位を有し、l:m:n:oの比率(モル比)は13:31:43:13であった。
8.8gのポリビニルアルコール系樹脂〔日本合成化学(株)製 商品名「NH−18」(重合度=1800、ケン化度=99.0%)〕を、105℃で2時間乾燥させた後、167.2gのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。ここに、2.98gの2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド及び0.80gのp−トルエンスルホン酸・1水和物を加えて、40℃で1時間攪拌した。反応溶液に、3.18gのベンズアルデヒドを加え、40℃で1時間攪拌した後、10.4gの2,2−ジメトキシプロパンをさらに加えて、40℃で3時間攪拌した。その後、2.13gのトリエチルアミンを加えて反応を終了させた。得られた粗生成物は、1Lのメタノールで再沈殿を行った。ろ過した重合体をテトラヒドロフランに溶解し、再びメタノールで再沈殿を行った。これを、ろ過、乾燥して、18.8gの白色の重合体を得た。この重合体は、1H−NMRで測定したところ、下記式(V)で表される繰り返し単位を有し、l:m:n:oの比率(モル比)は13:31:43:13であった。
上記重合体を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み70μm)上にアプリケーターで塗工し、130℃の空気循環式乾燥オーブンで乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥ぎ取って、厚み170μmのフィルムを作製した。このフィルムを延伸機にて、130℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.1倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Cを作製した。得られた位相差フィルムCの特性を表1に示す。
〔実施例8〕
シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略す)67.35部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)90.94部、ジフェニルカーボネート154.61部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.8×10-2部と水酸化ナトリウム1.6×10-4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/時間の速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略す)67.35部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)90.94部、ジフェニルカーボネート154.61部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.8×10-2部と水酸化ナトリウム1.6×10-4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/時間の速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の4倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレット(コポリカーボネート)を得た。
次に、(株)テクノベル製15mmφ二軸押出機に幅150mm、リップ幅500μmTダイとフィルム引き取り装置を取り付け、得られたコポリカーボネートをフィルム成形することにより厚みが120μmの透明な押出しフィルムを得た。このフィルムを延伸機にて、126℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.1倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)D−1を作製した。得られた位相差フィルムD−1の特性を表1に示す。
〔実施例9〕
延伸前のフィルムの厚みを120μmに代えて160μmとし、延伸温度を126℃に代えて118℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.4倍とした以外は、実施例8と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)D−2を作製した。得られた位相差フィルムD−2の特性を表1に示す。
延伸前のフィルムの厚みを120μmに代えて160μmとし、延伸温度を126℃に代えて118℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて2.4倍とした以外は、実施例8と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)D−2を作製した。得られた位相差フィルムD−2の特性を表1に示す。
〔実施例10〕
5.0gのポリビニルアルコール系樹脂[日本合成化学(株)製 商品名「NH−18」(重合度;1800、ケン化度;99.0%)]を105℃で2時間乾燥させた後、95mlのジメチルスルホシキド(DMSO)に溶解した。ここに、2.02gの2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)、および0.44gのp−トルエンスルホン酸・1水和物を加えて、40℃で2時間攪拌した。これに、13.41gの1,1−ジエトキシエタン(アセタール)を加え、さらに40℃で2時間攪拌した。その後、1.18gのトリエチルアミンを加え、反応を終了した。得られた反応生成物(ポリマー)を、メタノール溶液に滴下し、再沈殿を行った。このポリマーを沈降させ、上澄み液をデカンテーションで除去した後、さらに、メタノール/水=1/1(体積/体積)を加えて、該ポリマーを洗浄した。これをろ過して得られたポリマーを乾燥させて、7.50gの白色ポリマーを得た。上記白色ポリマーは、1H−NMRにより測定したところ、下記式(VI)に示す構造(l:m:n=21:58:21)のポリビニルアセタール系樹脂であった。
5.0gのポリビニルアルコール系樹脂[日本合成化学(株)製 商品名「NH−18」(重合度;1800、ケン化度;99.0%)]を105℃で2時間乾燥させた後、95mlのジメチルスルホシキド(DMSO)に溶解した。ここに、2.02gの2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)、および0.44gのp−トルエンスルホン酸・1水和物を加えて、40℃で2時間攪拌した。これに、13.41gの1,1−ジエトキシエタン(アセタール)を加え、さらに40℃で2時間攪拌した。その後、1.18gのトリエチルアミンを加え、反応を終了した。得られた反応生成物(ポリマー)を、メタノール溶液に滴下し、再沈殿を行った。このポリマーを沈降させ、上澄み液をデカンテーションで除去した後、さらに、メタノール/水=1/1(体積/体積)を加えて、該ポリマーを洗浄した。これをろ過して得られたポリマーを乾燥させて、7.50gの白色ポリマーを得た。上記白色ポリマーは、1H−NMRにより測定したところ、下記式(VI)に示す構造(l:m:n=21:58:21)のポリビニルアセタール系樹脂であった。
得られたポリビニルアセタール系樹脂(17.7重量部)をトルエン(100重量部)に溶解し、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート[東レ(株)製 商品名「ルミラーS27−E」]の表面に、コンマコーターにて均一に塗工し、多室型の空気循環式乾燥オーブン中で、80℃で20分間、120℃で20分間、140℃で30分間と低温から徐々に昇温しながら乾燥させて、乾燥後の厚みが160μmであった。このフィルムを延伸機にて、141℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.1倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Eを作製した。得られた位相差フィルムEの特性を表1に示す。
〔比較例1〕
厚み130μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム[JSR(株)製 商品名「ARTONフィルム FEKP130」]を延伸機にて、147℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.0倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Fを作製した。得られた位相差フィルムFの特性を表1に示す。
厚み130μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム[JSR(株)製 商品名「ARTONフィルム FEKP130」]を延伸機にて、147℃の空気循環式乾燥オーブン内で2.0倍に横一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Fを作製した。得られた位相差フィルムFの特性を表1に示す。
〔比較例2〕
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて140μmとし、延伸温度を135℃に代えて145℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて1.4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)Gを作製した。得られた位相差フィルムGの特性を表1に示す。
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて140μmとし、延伸温度を135℃に代えて145℃とし、延伸倍率を2.1倍に代えて1.4倍とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)Gを作製した。得られた位相差フィルムGの特性を表1に示す。
〔比較例3〕
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて100μmとし、延伸温度を135℃に代えて130℃とし、延伸方向及び倍率を2.1倍の横一軸延伸に代えて2.0倍の縦一軸延伸とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)Hを作製した。得られた位相差フィルムHの特性を表1に示す。
延伸前のフィルムの厚みを135μmに代えて100μmとし、延伸温度を135℃に代えて130℃とし、延伸方向及び倍率を2.1倍の横一軸延伸に代えて2.0倍の縦一軸延伸とした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィルム(位相差フィルム)Hを作製した。得られた位相差フィルムHの特性を表1に示す。
〔比較例4〕
ポリカーボネート系樹脂[帝人化成(株) 商品名「ピュアエース「WR(S)」」を塩化メチレンで溶解し、溶液にした後、PET上に塗工し、130℃で乾燥後、厚み130μmのフィルムを得た。このフィルムを延伸機にて、150℃の空気循環式乾燥オーブン内で1.8倍に縦一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Iを作製した。得られた位相差フィルムFの特性を表1に示す。
ポリカーボネート系樹脂[帝人化成(株) 商品名「ピュアエース「WR(S)」」を塩化メチレンで溶解し、溶液にした後、PET上に塗工し、130℃で乾燥後、厚み130μmのフィルムを得た。このフィルムを延伸機にて、150℃の空気循環式乾燥オーブン内で1.8倍に縦一軸延伸し、延伸フィルム(位相差フィルム)Iを作製した。得られた位相差フィルムFの特性を表1に示す。
以上の実施例1〜10および比較例1〜4において得られた位相差フィルムの各々と偏光板[日東電工社製 商品名「NPF TEG1465DUHC」](粘着剤層を除いた層厚みが112μm))とを位相差フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸が45度となるように、アクリル系粘着剤(20μm)を介して貼り合わせることにより円偏光板を作成した。この円偏光板を同アクリル系粘着剤(20μm)を介して有機ELパネル[LGディスプレイ社製 商品名「15EL9500」])の視認側に貼り合わせて表示パネル装置を作成した。得られた表示パネル装置の反射分光スペクトルを分光測色計[コニカミノルタセンシング(株)製 商品名「CM−2600d」]を用いて測定した。なお、評価に用いた有機ELパネルは、表面に貼り合わされてある反射防止フィルムをあらかじめ剥離してから使用した。結果を表1に、および実施例1と比較例1、2について図3に示す。また、得られた表示パネル装置について、表示画面上の45点の色度(反射色相)を分光測色計[コニカミノルタセンシング(株)製 商品名「CM−2600d」]により測定した。測定点は、表示画面上を均一に縦、横にそれぞれ5、9分割してつくられた45分割されたエリアの中心部分とした。また、この表示パネル装置を、85℃の恒温オーブン中に96時間保管(加熱試験)した後、同様に表示画面上の45点の色度を測定した。更に、表示画面全体の反射色の均一性を目視により評価した。結果を表1に、および実施例1と比較例4について図4にx、y色度図および写真により示す。図4に示したx、y色度図は、表示画面上の45点の色度を色度座標(x、y)としてプロットしており、このプロットの変化が大きい程、表示画面内の色度の変化が大きく、表示装置として好ましくない。
〔評価〕
図3に示されるように、実施例1は、全可視光領域において反射が抑えられており、見た目の反射色が黒く、ディスプレイの反射防止用円偏光板に用いられる位相差フィルムとして優れた特性を有していることが分かった。
また、他の実施例2〜10についても同様の結果が得られた。一方、比較例1、2においてはそれぞれ、短波長側、長波長側の反射が大きく、見た目の反射色が青色、赤色であり、ディスプレイの反射防止用円偏光板に用いられる位相差フィルムとしては適していないことが分かった。
表1に示されるように、実施例1〜10では、位相差フィルムの耐折強さがMD方向およびTD方向ともに100回を超えたが、比較例3および4では、位相差フィルムのTD方向の耐折強さが100回を大幅に下回り、フィルムが脆いことが分かった。また、実施例1〜9では、位相差フィルムの幅方向の延伸倍率が1.5倍以上となり、幅方向の有効使用率が大きくコストメリットが高いが、比較例2では1.5倍を下回りコストメリットが低いことが分かった。
図4に示されるように、比較例4において、加熱試験により、色度座標(x、y)が(0.3、0.3)付近のニュートラルな色相から座標数値の小さい青い色相まで、表示画面内で色度の変化が大きかった。一方、実施例1では、加熱試験後も、色度座標(x、y)のプロットの変化が小さく、表示画面内で色度の変化が小さく抑えられていた。他の実施例2〜10についても同様の結果が得られた。更に、写真に示すように、比較例4では、加熱されたことにより、反射色が表示画面内で不均一になっているのに対して、実施例1では、加熱されても表示画面内の反射色は均一に保たれていた。他の実施例2〜10についても同様の結果が得られた。以上のことより、実施例1〜10は、ディスプレイの反射防止用円偏光板に用いられる位相差フィルムとして、優れた特性を有していることが分かった。
図3に示されるように、実施例1は、全可視光領域において反射が抑えられており、見た目の反射色が黒く、ディスプレイの反射防止用円偏光板に用いられる位相差フィルムとして優れた特性を有していることが分かった。
また、他の実施例2〜10についても同様の結果が得られた。一方、比較例1、2においてはそれぞれ、短波長側、長波長側の反射が大きく、見た目の反射色が青色、赤色であり、ディスプレイの反射防止用円偏光板に用いられる位相差フィルムとしては適していないことが分かった。
表1に示されるように、実施例1〜10では、位相差フィルムの耐折強さがMD方向およびTD方向ともに100回を超えたが、比較例3および4では、位相差フィルムのTD方向の耐折強さが100回を大幅に下回り、フィルムが脆いことが分かった。また、実施例1〜9では、位相差フィルムの幅方向の延伸倍率が1.5倍以上となり、幅方向の有効使用率が大きくコストメリットが高いが、比較例2では1.5倍を下回りコストメリットが低いことが分かった。
図4に示されるように、比較例4において、加熱試験により、色度座標(x、y)が(0.3、0.3)付近のニュートラルな色相から座標数値の小さい青い色相まで、表示画面内で色度の変化が大きかった。一方、実施例1では、加熱試験後も、色度座標(x、y)のプロットの変化が小さく、表示画面内で色度の変化が小さく抑えられていた。他の実施例2〜10についても同様の結果が得られた。更に、写真に示すように、比較例4では、加熱されたことにより、反射色が表示画面内で不均一になっているのに対して、実施例1では、加熱されても表示画面内の反射色は均一に保たれていた。他の実施例2〜10についても同様の結果が得られた。以上のことより、実施例1〜10は、ディスプレイの反射防止用円偏光板に用いられる位相差フィルムとして、優れた特性を有していることが分かった。
以上、本発明を特定の実施形態について図示し、詳細に説明したが、本発明の保護範囲は、図示した実施形態の細部に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載により定められる範囲によって定まるものである。
1 偏光子
2、2’ 任意の保護層
3、3’ 光学フィルム
4 位相差フィルム
11 偏光板
300 繰り出し部
310 ヨウ素水溶液浴
320 ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴
330 ヨウ化カリウムを含む水溶液浴
340 乾燥手段
350 偏光子
360 巻き取り部
2、2’ 任意の保護層
3、3’ 光学フィルム
4 位相差フィルム
11 偏光板
300 繰り出し部
310 ヨウ素水溶液浴
320 ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴
330 ヨウ化カリウムを含む水溶液浴
340 乾燥手段
350 偏光子
360 巻き取り部
Claims (7)
- 延伸された高分子フィルムを含む位相差フィルムであって、下記式(1)ないし(3):
0.70<Re[450]/Re[550]<0.97・・・(1)
1.5×10-3<Δn<6×10-3・・・(2)
1.13<NZ<1.50・・・(3)
(式中、Re[450]およびRe[550]は、それぞれ、23℃における波長450nmおよび550nmの光で測定した位相差フィルムの面内の位相差値であり、Δnは位相差フィルムの遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとしたときのnx−nyである面内複屈折であり、NZはnzを位相差フィルムの厚み方向の屈折率としたときの、厚み方向複屈折であるnx-nzと面内複屈折であるnx−nyとの比である)を満足する位相差フィルム。 - 23℃における波長550nmの光で測定した位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(m2/N)が、50×10-12以下である請求項1に記載の位相差フィルム。
- 23℃における波長550nmの光で測定した位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(m2/N)が、10×10-12〜45×10-12である請求項1に記載の位相差フィルム。
- 前記高分子フィルムが、脂肪族性ポリマーで、かつ延伸配向性を有する主鎖と、260〜380nmで吸収端を持つユニットを側鎖に持ち、且つ、主鎖の延びる方向に対して該側鎖の面が交差している高分子量体を主成分とする高分子フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の位相差フィルムと偏光子とを備える、偏光板。
- 前記偏光板は、円偏光板である、請求項5に記載の偏光板。
- 請求項5または6に記載の偏光板を備える表示パネル装置。
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