JP2016172828A - オキソカーボン系化合物を含む硬化物の製造方法 - Google Patents
オキソカーボン系化合物を含む硬化物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016172828A JP2016172828A JP2015053873A JP2015053873A JP2016172828A JP 2016172828 A JP2016172828 A JP 2016172828A JP 2015053873 A JP2015053873 A JP 2015053873A JP 2015053873 A JP2015053873 A JP 2015053873A JP 2016172828 A JP2016172828 A JP 2016172828A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxocarbon
- ring
- group
- composition
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 CCCCCCCCC1(*)C(C(CC)C(C2O)C(O)=C(C3C4NC(CCCCCCC5)C5C4(*)CCCCCCCCCC3)C2=O)=*C=C1 Chemical compound CCCCCCCCC1(*)C(C(CC)C(C2O)C(O)=C(C3C4NC(CCCCCCC5)C5C4(*)CCCCCCCCCC3)C2=O)=*C=C1 0.000 description 2
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
Description
本発明はまた、オキソカーボン系化合物を含む組成物を保存又は使用する方法であって、該方法は、該組成物を酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で保存又は使用する組成物の保存又は使用の方法でもある。
以下に本発明を詳述する。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
本発明の硬化物の製造方法は、オキソカーボン系化合物を含む組成物を、酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で硬化させる工程(硬化工程とも称す)を含む。本発明の作用効果を損なわない限り、通常の硬化物の製造で行われる他の工程を1又は2以上含んでもよい。
上記硬化工程は、酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で行う。通常の空気中の酸素濃度は約20体積%であるが、10体積%以下の雰囲気下で硬化させることで、硬化工程等での物性低下が抑制され、耐光性とともに耐熱性にも優れる硬化物を容易に得ることが可能になる。酸素濃度は、好ましくは3体積%以下、より好ましくは1体積%以下、特に好ましくは0.5体積%以下、最も好ましくは0.3体積%以下である。
本明細書中、酸素濃度は、酸素濃度計(例えば、新コスモス電機株式会社製、コスモテクターXPO−318)にて測定することができる。
上記硬化工程に供する組成物(以下、単に「組成物」とも称す)は、オキソカーボン系化合物を含むものであればよい。オキソカーボン系化合物を含むことで、耐熱性及び透過性に優れた硬化物を与えることができ、また、上記組成物が更に樹脂を含む場合、樹脂との相溶性にも優れるものとなる。上記組成物は、更に樹脂を含むことが好ましい。また、必要に応じ、他の成分を含んでもよい。各含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
−オキソカーボン系化合物−
オキソカーボン系化合物は、炭素と酸素とのみから構成される環状のオキソカーボン基を1個又は2個以上含む化合物であり、本発明では、近赤外線吸収色素として使用されているオキソカーボン系色素(好ましくは有機化合物)を用いることが好適である。例えば、600〜1500nmの波長域に吸収極大を有するものが好ましい。この波長域に吸収極大を有することで、特に600nm〜1600nmの領域における光の吸収を低減でき、これに起因する光学ノイズを除去することが可能となる。これによって、オキソカーボン系化合物を含む硬化物が、可視光透過率が高く、かつ近赤外領域の遮断性能に優れるという、光学ノイズ低減のために好適な物性を有することにもなる。吸収極大の波長域は、より好ましくは600〜1300nm、更に好ましくは650〜1100nmである。
本明細書中、「吸収極大」とは、波長と吸光度との関係を、X軸を波長とし、Y軸を吸光度とする二次元グラフで表した場合に、吸光度が増加から減少に転じる頂点を意味する。
上記芳香族複素環としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員又は6員の単環性芳香族複素環;3〜8員の環が縮合した二環又は三環性で窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環;等が挙げられ、より具体的にはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、シンノリン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、プリン環、カルバゾール環等が挙げられる。
本発明のオキソカーボン系化合物として上記式(1)又は(2)で表される化合物を少なくとも用いる場合、上記式(1)又は(2)で表される化合物のみならず、それぞれに対応する互変異体をも包含するものとする。
上記組成物は、樹脂を1種又は2種以上含むことが好ましい。
樹脂としては特に限定されず、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的には、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、フッ素系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の他、種々様々な樹脂を使用することができる。用途等に応じて好ましい物性を有する樹脂を適宜選択すればよいが、オキソカーボン系化合物を溶解又は分散できるものを用いることが好適である。例えば、高い耐光性が要求される用途では、フッ素系樹脂、ポリ(アミド)イミド樹脂等を用いることが好ましく、また、透明性(透過性)が要求される用途では、透明樹脂を用いることが好ましい。
上記組成物はまた、上述したオキソカーボン系化合物以外の色素(他の色素と称す)を1種又は2種以上含んでいてもよい。他の色素としては特に限定されず、例えば、用途等に応じて、600〜1500nmの波長域以外の近赤外線、赤外線、紫外線、可視光の各帯域において特定の波長に特性吸収を有する色素を使用目的に応じて適宜選択すればよい。また、耐光性向上の観点から、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収色素を用いてもよい。
上記組成物はまた、溶媒を1種又は2種以上含むことが好適である。溶媒を含む場合、例えば塗工性等を高めることができる。
溶媒としては特に限定されないが、有機溶媒が好適であり、例えば、モノアルコール類;グリコール類;環状エーテル類;グリコールモノエーテル類;グリコールエーテル類;グリコールモノエーテルのエステル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等);アルキルエステル類;ケトン類;芳香族炭化水素類;ハロゲン化芳香族炭化水素類;脂肪族炭化水素類;アミド類;等が好ましい。中でも、オキソカーボン系化合物を溶解又は分散できるものが好適である。また、オキソカーボン系化合物は、双極子モーメントが小さい溶媒中で高い耐久性を有するので、双極子モーメントが4D以下である溶媒が好ましく、双極子モーメントが3.5D以下である溶媒がより好ましく、3D以下である溶媒が特に好ましい。このような溶媒の具体例として、例えば、o−ジクロロベンゼン、シクロペンタノン、PGMEA、エチルシクロヘキサン、キシレン、トリメチルベンゼン、リモネン等が好ましい。
なお、溶媒中の水分含有量は3質量%以下であることが好ましい。
上記組成物はまた、必要に応じて、適切な添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。添加剤の具体例としては特に限定されないが、例えば、硬化剤、離型剤、レベリング剤、顔料、顔料分散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸素補足剤、粘性改質剤、耐光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、充填剤、補強材、可塑剤、潤滑剤、防食剤、防錆剤、乳化剤、鋳型脱型剤、蛍光性増白剤、有機防炎剤、無機防炎剤、滴下防止剤、溶融流改質剤、静電防止剤、すべり付与剤、密着性付与剤、防汚剤、界面活性剤、消泡剤、重合禁止剤、光増感剤、表面改良剤、(近)赤外線カット剤、シランカップリング剤以外の密着向上剤、熱安定剤、防菌・防カビ剤、難燃剤等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる硬化物は、耐光性及び耐熱性に極めて優れるうえ、透過性等にも優れ、更にオキソカーボン系化合物を含むことに起因して所定の波長域に吸収極大を有する。それゆえ、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に使用される、赤外カットフィルター、紫外・赤外カットフィルター等の光選択透過フィルターの他、種々様々な用途に有用である。具体的には、例えば、後述する保存又は使用の方法により保存又は使用された組成物と同様の用途が挙げられる。このように上記製造方法により得られる硬化物は、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の保存又は使用の方法(以下、保存/使用方法とも称す)では、オキソカーボン系化合物を含む組成物を、酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で保存又は使用する。
本明細書中、保存及び使用には、貯蔵、移送及び輸送も含むものとする。
なお、本発明において「オキソカーボン系化合物を含む組成物を安定に保存又は使用する」とは、オキソカーボン系化合物による経時的な分解や反応が充分に抑制された状態で保存又は使用することを意味する。
なお、上記組成物がオキソカーボン系化合物と溶媒とを含み、樹脂を含まない場合、溶媒の含有量は、オキソカーボン系化合物の総量1質量部に対し、1〜10000質量部とすることが好ましい。より好ましくは10〜8000質量部、更に好ましくは100〜5000質量部である。
なお、保存期間は特に限定されず、使用態様や移動時間等に応じて任意に設定することができる。例えば、組成物の製造直後〜24時間という短期間であってもよいし、1日〜6ヶ月という中長期間であってもよいし、6ヶ月以上の長期間であってもよい。
上記保存/使用方法は、硬化物を保存又は使用する方法にも適用できる。
すなわち、オキソカーボン系化合物を含む硬化物を保存又は使用する方法であって、該方法は、該硬化物を酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で保存又は使用する、硬化物の保存又は使用の方法もまた、本発明者らによる発明の1つである。この方法における酸素濃度の好ましい範囲は上述したとおりである。
以下の試験例において、「窒素雰囲気」とは、系内の酸素を窒素に置換後、酸素濃度計(新コスモス電機株式会社製、コスモテクターXPO−318)にて測定した酸素濃度が1体積%以下であったことを意味する。「空気雰囲気」とは、通常の空気(酸素濃度は約20体積%)雰囲気を意味する。
合成例1
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸(アルドリッチ社製、純度95%)5部と無水酢酸(和光純薬社製)44部とをフラスコに仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で溶媒の還流温度まで昇温し、10分間溶媒を還流させた。その後、攪拌しながら室温まで冷却し、結晶を析出させた。析出した結晶を固液分離し、乾燥して目的物(1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物)の結晶を得た。続いて、温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えたフラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和光純薬社製)0.89部と、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン7.6部を仕込んで溶解させた後、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物1部を室温にて固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。共沸脱水剤としてキシレンを2.6部添加して180℃で3時間反応を行い、ディーンスタークで還流して共沸する生成水を分離した。190℃に昇温しながらキシレンを留去した後、冷却しポリイミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。このN−メチル−2−ピロリドン溶液をγ―ブチロラクトンで更に希釈し、固形分3%のポリイミド樹脂溶液とした。このポリイミド樹脂溶液1部に対して、メタノール50部で再沈し、固液分離した。固液分離したポリイミド樹脂をγ―ブチロラクトンで溶解し、再び固形分3%のポリイミド樹脂溶液とし、前記と同様にメタノール50部で再沈し、固液分離した。再沈して得られた樹脂を乾燥してポリイミド樹脂Aを得た。
合成例2
上述したSami Sajjadifar等著の論文やIan Collins等著の論文等に記載の合成方法に従ってピロール環含有化合物を合成した後、スクアリン酸又はクロコン酸と反応させることで、オキソカーボン系化合物A〜Fを作製した。オキソカーボン系化合物A〜Fの構造式を表1に示す。
オキソカーボン系化合物Aと、6%ポリイミド樹脂A溶液との混合溶液(総量100%中、オキソカーボン系化合物A:0.3%、ポリイミド樹脂A固形分:6.0%、シクロペンタノン:93.7%)をろ過して不溶分等を取り除いた後、ガラス基板に0.4ml垂らし、スピンコーター(ミカサ社製、1H−DX)を用い、0.2秒間かけて2000回転(rpm)にし、10秒間その回転数で保持し、その後0.2秒間かけて0回転(rpm)になるようにして樹脂層を成膜した。樹脂層を成膜したガラス基板を、精密恒温器(ヤマト科学社製、DH611)を用いて、100℃で3分間初期乾燥した後(これを「初期乾燥ガラス基板」と称す)に、イナートオーブン(ヤマト科学社製、DN610I)を用いて50℃で30分間乾燥(窒素置換有り又は窒素置換無し)した後、20分で200℃に昇温し、200℃で30分間追加乾燥(窒素雰囲気下又は空気雰囲気下)し、樹脂層を備えたガラス基板(これを「コーティングガラス基板」と称す)を得た。乾燥後の樹脂層の膜厚は1μmであった。
このようにして作製したコーティングガラス基板について、以下の試験方法に従って、加熱による吸光度の変化を確認した。
なお、50℃での乾燥を「窒素置換有り」で行い、かつ200℃での追加乾燥を「窒素雰囲気下」で行った例を試験例1−1とし、50℃での乾燥を「窒素置換無し」で行い、かつ200℃での追加乾燥を「空気雰囲気下」で行った例を試験例1−2とした。
初期乾燥ガラス基板(樹脂層を成膜したガラス基板を100℃で3分間初期乾燥した後のもの)の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所社製、U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、試験例1−1及び試験例1−2のそれぞれで得たコーティングガラス基板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。これらのスペクトルから最大吸収波長(λmax)を読み取り、λmaxにおける吸光度の残存率(=「λmaxでの加熱後スペクトルの吸光度/λmaxでの加熱前スペクトルの吸光度)×100」)を算出した。結果を表2に示す。
試験例1−1又は1−2で得たコーティングガラス基板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所社製、U−2910)にて測定し、これを照射前スペクトルとした。次に、空気又は窒素雰囲気下のいずれかで、下記のUV照射条件の下、UV照射(700mJ)を5回行った後、各基板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを照射後スペクトルとした。これらのスペクトルから最大吸収波長(λmax)を読み取り、λmaxにおける吸光度の残存率(=「λmaxでの照射後スペクトルの吸光度/λmaxでの照射前スペクトルの吸光度)×100」)を算出した。結果を表3に示す。
なお、試験例1−1で得たコーティングガラス基板を用い、かつUV照射を「窒素雰囲気下」で行った例を試験例1−3とし、試験例1−2で得たコーティングガラス基板を用い、かつUV照射を「空気雰囲気下」で行った例を試験例1−4とした。
−UV照射条件−
照射ランプ:フュージョン社製、ランプDバルブ
コンベアスピード:1.2メートル/分
照度:270mW/cm2
1パスあたりの積算照射量:700mJ/cm2
UV照度計:ウシオ電機社製、UIT−250
UVセンサー:ウシオ電機社製、UVD−S365
オキソカーボン系化合物Aの代わりにオキソカーボン系化合物B〜Fを用いたこと以外は、試験例1と同様にして、加熱及び紫外線(UV)照射による吸光度の変化を確認した。結果を表2及び3に示す。また、試験例2−1の加熱前及び加熱後スペクトル、並びに、試験例2−2の加熱前及び加熱後スペクトルを図1に示し、試験例2−3の照射前及び照射後スペクトル、並びに、試験例2−4の照射前及び照射後スペクトルを図2に示す。
なお、試験例2−1の加熱前スペクトルと、試験例2−2の加熱前スペクトルとは、ほぼ重なっていた。
試験例1〜6のいずれにおいても、窒素雰囲気下で加熱又は光照射させて得た硬化物は、空気雰囲気下で加熱又は光照射させて得た硬化物に比べて、加熱又は光照射前後の吸光度残存率が著しく高い。つまり、窒素雰囲気下で硬化させた場合は、硬化時の熱や光による劣化が充分に抑制されている。したがって、オキソカーボン系化合物を含む組成物を所定の酸素濃度雰囲気下で硬化させる工程を含むことで、オキソカーボン系化合物に由来する特性が劣化することなく、当該特性を硬化後も発揮できる硬化物が得られることが分かった。
メスフラスコを用いて、オキソカーボン系化合物B:約10mgを、その5000倍の量のγ―ブチロラクトンに希釈した溶液を調製した。この調製直後の溶液の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所社製、U−2910)にて測定し、これを保存前スペクトルとした。次に、この溶液を、窒素雰囲気下又は空気雰囲気下で40℃にて1時間保存した後、溶液の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを保存後スペクトルとした。これらの吸収スペクトルから最大吸収波長(λmax)を読み取り、保存前後のλmaxにおける吸光度の残存率(=「λmaxでの保存後スペクトルの吸光度/λmaxでの保存前スペクトルの吸光度)×100」)を算出した。結果を表4に示す。
なお、「窒素雰囲気下」で保存した例を試験例7−1とし、「空気雰囲気下」で保存した例を試験例7−2とした。
γ―ブチロラクトンの代わりにメチルセロソルブを用いたこと以外は、試験例7と同様にして、保存前後のλmaxにおける吸光度の残存率を算出した。結果を表4に示す。
試験例7、8のいずれにおいても、窒素雰囲気下でオキソカーボン系化合物を含む組成物を保存した場合、空気雰囲気で保存した場合に比べて吸光度残存率が著しく高い(表4参照)。また今回の試験は温度40℃で行ったことから、窒素雰囲気下で保存又は使用すると、特に熱による劣化が充分に抑制されることが分かる。また、表3の結果から、窒素雰囲気下で保存又は使用した場合、光による劣化も充分に抑制されることも読み取ることができる。したがって、オキソカーボン系化合物を含む組成物を所定の酸素濃度雰囲気下で保存又は使用することで、当該組成物の物性が劣化することなく安定に保存又は使用することができることが分かった。
Claims (5)
- オキソカーボン系化合物を含む硬化物を得るための製造方法であって、
該製造方法は、オキソカーボン系化合物を含む組成物を、酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で硬化させる工程を含むことを特徴とする硬化物の製造方法。 - 前記組成物は、更に、樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化物の製造方法。
- オキソカーボン系化合物を含む組成物を保存又は使用する方法であって、
該方法は、該組成物を酸素濃度10体積%以下の雰囲気下で保存又は使用することを特徴とする組成物の保存又は使用の方法。 - 前記組成物は、更に、溶媒を含むことを特徴とする請求項3に記載の組成物の保存又は使用の方法。
- 前記組成物は、更に、樹脂を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の組成物の保存又は使用の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015053873A JP6509600B2 (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | オキソカーボン系化合物を含む硬化物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015053873A JP6509600B2 (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | オキソカーボン系化合物を含む硬化物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016172828A true JP2016172828A (ja) | 2016-09-29 |
JP6509600B2 JP6509600B2 (ja) | 2019-05-08 |
Family
ID=57008757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015053873A Active JP6509600B2 (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | オキソカーボン系化合物を含む硬化物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6509600B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018043185A1 (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、近赤外線カットフィルタ、パターン形成方法、積層体、固体撮像素子、画像表示装置、カメラモジュールおよび赤外線センサ |
WO2024048892A1 (ko) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 삼성에스디아이 주식회사 | 화합물, 이를 포함하는 감광성 수지 조성물 및 컬러 필터 |
Citations (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004099713A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | 非対称スクアリリウム化合物、及び該化合物を含む映像表示機器用フィルター |
JP2004099712A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | 非対称スクアリリウム化合物、及びそれを含む映像表示機器用フィルター |
JP2004099711A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | 非対称スクアリリウム化合物、及びそれを用いた映像表示機器用フィルター |
WO2004087793A1 (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-14 | Pi R & D Co. Ltd. | 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法 |
WO2006057036A1 (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-01 | Pi R & D Co., Ltd. | ピロメリット酸ジ無水物を含むブロック共重合ポリイミド溶液組成物及びそのフィルム |
JP2006225624A (ja) * | 2004-04-30 | 2006-08-31 | Sumitomo Chemical Co Ltd | オキソカーボン基を有する高分子及びその用途 |
WO2007049579A1 (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-03 | Kyowa Hakko Chemical Co., Ltd. | スクアリリウム化合物およびそれを用いた短波長光源用光重合性組成物 |
US20070218335A1 (en) * | 2004-04-30 | 2007-09-20 | Kao Corporation | Polymer having oxocarbon group, and use thereof |
JP2008275726A (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Konica Minolta Holdings Inc | 光学フイルター用組成物、光学フィルター、ディスプレイ用前面フィルター及びスクアリリウム化合物 |
JP2010065069A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Osaka Prefecture Univ | ドナー−アクセプター型色素 |
JP2011009347A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ |
WO2011052341A1 (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-05 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ |
JP2012046539A (ja) * | 2005-01-12 | 2012-03-08 | Sumitomo Chemical Co Ltd | オキソカーボン類を含有する高分子組成物及びその用途 |
JP2015091923A (ja) * | 2013-10-01 | 2015-05-14 | 富士ゼロックス株式会社 | 樹脂組成物、チオピラン系スクアリリウム化合物、及び画像形成材料 |
-
2015
- 2015-03-17 JP JP2015053873A patent/JP6509600B2/ja active Active
Patent Citations (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004099712A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | 非対称スクアリリウム化合物、及びそれを含む映像表示機器用フィルター |
JP2004099711A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | 非対称スクアリリウム化合物、及びそれを用いた映像表示機器用フィルター |
JP2004099713A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | 非対称スクアリリウム化合物、及び該化合物を含む映像表示機器用フィルター |
WO2004087793A1 (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-14 | Pi R & D Co. Ltd. | 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法 |
US20130224653A1 (en) * | 2003-03-28 | 2013-08-29 | Pi R&D Co., Ltd | Crosslinked polyimide, composition comprising the same and method for producing the same |
JP2010248515A (ja) * | 2003-03-28 | 2010-11-04 | Pi R & D Co Ltd | 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法 |
JP2006225624A (ja) * | 2004-04-30 | 2006-08-31 | Sumitomo Chemical Co Ltd | オキソカーボン基を有する高分子及びその用途 |
US20070218335A1 (en) * | 2004-04-30 | 2007-09-20 | Kao Corporation | Polymer having oxocarbon group, and use thereof |
WO2006057036A1 (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-01 | Pi R & D Co., Ltd. | ピロメリット酸ジ無水物を含むブロック共重合ポリイミド溶液組成物及びそのフィルム |
JP2012046539A (ja) * | 2005-01-12 | 2012-03-08 | Sumitomo Chemical Co Ltd | オキソカーボン類を含有する高分子組成物及びその用途 |
WO2007049579A1 (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-03 | Kyowa Hakko Chemical Co., Ltd. | スクアリリウム化合物およびそれを用いた短波長光源用光重合性組成物 |
JP2008275726A (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Konica Minolta Holdings Inc | 光学フイルター用組成物、光学フィルター、ディスプレイ用前面フィルター及びスクアリリウム化合物 |
JP2010065069A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Osaka Prefecture Univ | ドナー−アクセプター型色素 |
JP2011009347A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ |
WO2011052341A1 (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-05 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ |
JP2015091923A (ja) * | 2013-10-01 | 2015-05-14 | 富士ゼロックス株式会社 | 樹脂組成物、チオピラン系スクアリリウム化合物、及び画像形成材料 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018043185A1 (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、近赤外線カットフィルタ、パターン形成方法、積層体、固体撮像素子、画像表示装置、カメラモジュールおよび赤外線センサ |
JPWO2018043185A1 (ja) * | 2016-08-29 | 2019-04-18 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、近赤外線カットフィルタ、パターン形成方法、積層体、固体撮像素子、画像表示装置、カメラモジュールおよび赤外線センサ |
JP7041625B2 (ja) | 2016-08-29 | 2022-03-24 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、近赤外線カットフィルタ、パターン形成方法、積層体、固体撮像素子、画像表示装置、カメラモジュールおよび赤外線センサ |
WO2024048892A1 (ko) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 삼성에스디아이 주식회사 | 화합물, 이를 포함하는 감광성 수지 조성물 및 컬러 필터 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6509600B2 (ja) | 2019-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4635007B2 (ja) | フィルタ、及びシアニン化合物 | |
KR101985943B1 (ko) | 중합성 화합물, 중합성 조성물, 고분자, 및 광학 이방체 | |
JP6334964B2 (ja) | 新規シアニン化合物、光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 | |
TWI546344B (zh) | 染料及著色感光性組合物 | |
JP6642313B2 (ja) | 新規シアニン化合物、光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 | |
TW201116594A (en) | Color curable composition and method of preparing the same, color filter and method of producing the same, and solid-state image pick-up device | |
JP2015040895A (ja) | 光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 | |
JP2015172102A (ja) | 新規シアニン化合物、光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 | |
KR101941982B1 (ko) | 신규 화합물, 염료 및 착색 감광성 조성물 | |
JP6725338B2 (ja) | 発光用材料及び発光成型体 | |
JP6509600B2 (ja) | オキソカーボン系化合物を含む硬化物の製造方法 | |
KR20190078589A (ko) | 중합성 화합물, 혼합물, 중합성 액정 조성물, 고분자, 광학 필름, 광학 이방체, 편광판, 표시 장치 및 반사 방지 필름 | |
JP2017066370A (ja) | 組成物 | |
JP6581374B2 (ja) | オキソカーボン系化合物を含む組成物の保存又は使用の方法 | |
JP2723387B2 (ja) | フォトクロミック組成物 | |
TWI607061B (zh) | Colored composition, colored cured film and display element | |
JP2015004838A (ja) | 固体撮像装置用近赤外線カットフィルターならびに前記フィルターを用いた固体撮像装置およびカメラモジュール | |
JP6634147B2 (ja) | オキソカーボン系化合物、樹脂組成物およびインク組成物 | |
JP2017151176A (ja) | 光選択透過フィルター | |
WO2020175569A1 (ja) | 光学異方性膜、積層体、円偏光板、表示装置 | |
JP6630161B2 (ja) | 光選択透過フィルターおよびその製造方法 | |
JP2020193276A (ja) | 主鎖に脂環骨格とフルオレン骨格とを有するポリアリーレンである重合体、重合体の製造方法、組成物、膜、膜付基材、光学素子、画像表示装置、被覆材料及び成形体 | |
KR20150016109A (ko) | 착색 조성물, 착색 경화막 및 표시 소자 | |
JP2019127553A (ja) | 着色組成物、ディスプレイ用フィルター及びディスプレイ | |
WO2020171060A1 (ja) | 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180731 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180914 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20181009 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181212 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20181219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190322 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190402 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190403 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6509600 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |