JP2004099713A - 非対称スクアリリウム化合物、及び該化合物を含む映像表示機器用フィルター - Google Patents

非対称スクアリリウム化合物、及び該化合物を含む映像表示機器用フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】映像表示機器用フィルターに含有させた際に、カラー映像表示機器の映像光源から発せられる波長約580nmの不要光を有効に遮断して、映像のコントラストと色再現性に優れた色素化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で示される非対称スクアリリウム化合物。
Figure 2004099713

(式中、R〜Rは水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R〜Rは置換されていてもよいアルキル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアルコキシ基を表す。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非対称スクアリリウム化合物、及び該化合物を含む映像表示機器用フィルターに関する。詳しくは、本発明は、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、CRT、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ又はリアプロジェクション方式テレビ等のような画面表示装置の前面に取り付けられる映像表示機器用フィルターの色再現性を改良するための非対称スクアリリウム化合物、及び該非対称スクアリリウム化合物を含有する映像表示機器用フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
映像表示機器の映像のコントラストと色再現性を向上させるために、映像表示部の前面に有機色素化合物を含有させたフィルターを設置して、特定範囲の波長の光を吸収させる方法が一般に採用されている。例えば、プラズマディスプレイパネルでは、放電によりキセノンとネオンの混合ガスが励起され真空紫外線が放射され、真空紫外線励起による赤、緑、青の各蛍光体の発光を利用して3原色発光を得ているが、上記蛍光体からの発光には余分な光が含まれている。そして、ネオン原子が励起された後、基底状態に戻るときに580nm付近の光を発光する。この580nm付近の不要な光を選択的に吸収するため、2個のピロール環が4員環の両端の炭素原子にそれぞれ結合した対称形のスクアリリウム色素化合物を含むフィルターが公知である(特許文献1参照)。又、2個のインドリデンメタン残基が4員環の両端の炭素原子にそれぞれ結合した対称形のスクアリリウム色素化合物を含む反射防止フィルムが公知である(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−183522号公報(段落番号0003〜0006)
【0004】
【特許文献2】
特開2000−43175号公報(段落番号0069〜0070)
【0005】
しかしながら、上記の2個のピロール環が4員環の両端の炭素原子にそれぞれ結合した対称形のスクアリリウム色素化合物を含むフィルターや、2個のインドリデンメタン残基が4員環の両端の炭素原子にそれぞれ結合した対称形のスクアリリウム色素化合物を含む反射防止フィルムでは、カラー映像表示機器の映像光源から発せられる三原色以外の不要光(波長約580nm)の遮断が必ずしも充分なものではないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カラー映像表示機器の映像光源から発せられる三原色以外の不要光(波長約580nm)を有効に遮断する色素化合物を提供することである。又、本発明の別の目的は、映像のコントラストと色再現性に優れた映像表示機器用フィルターを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、3−ピロリル残基とインドリデンメタン残基が4員環の両端の炭素原子にそれぞれ結合した非対称スアリリウム化合物を映像表示機器用フィルターとして用いると、上記目的を達成できることを見出して本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、下式(1)で示される非対称スクアリリウム化合物、及び、該非対称スクアリリウム化合物(1)を含有することを特徴とする映像表示機器用フィルターを提供するものである。
【0009】
Figure 2004099713
【0010】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立に置換されていてもよいアルキル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルコキシ基を表す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
式(1)におけるR、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。
〜Rで表されるアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。R〜Rで表されるアルケニル基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。R〜Rで表されるアルコキシカルボニル基としては、直鎖又は分岐状の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0012】
〜Rで表されるフェニル基の置換基としては、例えば、ハロゲノ、炭素数1〜6のアルキル又は炭素数1〜6のアルコキシ等が挙げられる。
〜Rで表されるアルキル基の置換基としては、例えばヒドロキシ、ハロゲノ、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル又はシアノ等が挙げられる。
〜Rで表されるアルケニル基の置換基としては、例えばヒドロキシ、ハロゲノ、炭素数1〜6のアルコキシ、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル又はシアノ等が挙げられる。
〜Rで表されるアルコキシカルボニル基の置換基としては、例えばヒドロキシ、ハロゲノ又はシアノ等が挙げられる。
【0013】
〜Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基又はフェニル基等が好ましい。
【0014】
、R及びRはそれぞれ独立に置換されていてもよいアルキル基を表す。好ましいR、R及びRとしては、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。特に好ましいR、R及びRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基等が挙げられる。
【0015】
は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルコキシ基を表す。Rで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子等が挙げられる。
で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基又はペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐状のアルキル基を挙げることができる。該アルキル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、アセチルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ、シクロヘキシル、又はフェニル等が挙げられる。
【0016】
で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、又はペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐状のアルコキシ基を挙げることができる。該アルコキシ基の置換基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、又はオクチルオキシ等の炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルコキシ等が挙げられる。
好ましいRは、水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。特に好ましいRは、水素原子、塩素原子又はメトキシ基である。
【0017】
式(1)で示される化合物は、例えば、Dyes and Pigments 49(2001)161−179頁に記載の方法に準拠して製造することができる。
先ず、下式(a)
【0018】
Figure 2004099713
【0019】
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示される化合物1モルと、下式(b)
【0020】
Figure 2004099713
【0021】
(式中、R、R、R及びRは前述の定義と同じである。)
で示される化合物1モルを、炭素数1〜4のアルコール溶媒中で、30℃〜還流する温度範囲の条件下に加熱することにより、下式(c)
【0022】
Figure 2004099713
【0023】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の定義と同じである。)
で示される化合物を製造する。次いで、化合物(c)を50%酢酸水溶液中で、30℃〜還流する温度範囲の条件下で加熱することにより、下式(d)
【0024】
Figure 2004099713
【0025】
(式中、R、R、R及びRは前述の定義と同じである。)
で示されるセミスクアリン酸化合物を製造する。
さらに、この化合物(d)1モルと下式(e)
【0026】
Figure 2004099713
【0027】
(式中、R、R、R及びRは前述の定義と同じである。)
で示される化合物1モルとを、炭素数1〜4のアルコール、酢酸、n−ブチルアルコール−ベンゼン混合溶媒又はn−ブチルアルコール−トルエン混合溶媒等の存在下に、必要に応じてトリエチルアミン又はキノリン等の塩基性触媒を0.1〜1モルの範囲で加え、70〜150℃の範囲に加熱しながら脱水縮合させることにより、製造することができる。
【0028】
上式(1)において、下式(2)
【0029】
Figure 2004099713
【0030】
(式中、R、R、R及びRは前述の定義と同じである。)
で示される残基としては、例えば次の基が挙げられる。
【0031】
Figure 2004099713
【0032】
上式(1)において、下式(3)
【0033】
Figure 2004099713
【0034】
(式中、R、R、R及びRは前述の定義と同じである。)
で示される残基としては、例えば下記の基が挙げられる。なお、下記の式中、−Phはフェニル基を意味する。
【0035】
Figure 2004099713
【0036】
非対称スクアリリウム化合物(1)は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。非対称スクアリリウム化合物(1)の使用量は、フィルターの用途等により適宜選択されるが、フィルターとしたときに、波長約580nmにおける光線透過率が好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下となるように調整される。
【0037】
本発明の映像表示機器用フィルターは、非対称スクアリリウム化合物(1)を含有するものであり、透明基材と上記化合物(1)とを含んで構成される。本発明の映像表示機器用フィルターは、前面板として用いてもよいし、ディスプレイに直接貼合して用いてもよい。本発明の映像表示機器用フィルターを前面板として用いる場合には、非対称スクアリリウム化合物(1)は、例えば透明基材中に混合されていてもよい。又、例えば透明基材の表面に非対称スクアリリウム化合物(1)の層が設けられていてもよい。
透明基材としては、例えば、非対称スクアリリウム化合物(1)を含有する樹脂板等の透明板、又は上記化合物(1)を含有する層が積層された樹脂板若しくはガラス板等の透明板が挙げられる。上記透明板の厚さは、強度の点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、軽量性の点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下である。透明板としては、可視光透過率が50%以上のものが好ましく用いられる。
【0038】
透明板が樹脂板である場合、厚さ3mmの板としたときの可視光透過率が70%以上である樹脂板が好ましい。このような樹脂としては、例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、MS樹脂、ノルボルネン樹脂、又はシクロペンタジエン樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の2種以上を用いることもできる。透明性の観点からは、メタクリル樹脂が特に好ましい。
【0039】
メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルを50重量%以上含む単量体から得られるメタクリル酸メチル系樹脂が好ましく、該メタクリル酸メチル系樹脂としては、メタクリル酸メチルの単独重合体やメタクリル酸メチル50重量%以上とこれと共重合可能な不飽和単量体50重量%以下とからなる共重合体が挙げられる。上記の不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル若しくはメタクリル酸ブチルのようなメタクリル酸エステル類、アクリル酸エチル若しくはアクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステル類、又はスチレン若しくはα−メチルスチレンのようなスチレン類等が挙げられる。これらの不飽和単量体は、2種以上の混合物として用いることもできる。
【0040】
樹脂板には、必要に応じて、非対称スクアリリウム化合物(1)以外の光吸収性化合物、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光拡散剤、帯電防止剤、難燃化剤、離型剤又は近赤外線吸収剤等を含有させてもよい。
【0041】
非対称スクアリリウム化合物(1)を含有する樹脂板の製造方法としては、例えば、樹脂を非対称スクアリリウム化合物(1)と溶融混練して押出成形若しくは射出成形する方法、樹脂を非対称スクアリリウム化合物(1)と溶融混練してペレットとして該ペレットをプレス成形する方法、又は樹脂の構成単量体を上記化合物(1)と混合して注型重合させる方法等が挙げられる。
【0042】
非対称スクアリリウム化合物(1)を含有する層が積層された透明板を得る方法としては、例えば、上記化合物(1)を透明板に塗布する方法、非対称スクアリリウム化合物(1)を含有するフィルムを透明板に貼合する方法、又は前記化合物(1)を塗布したフィルムを透明板に貼合する方法等が挙げられる。フィルムを透明板に貼合する際には、非対称スクアリリウム化合物(1)を含有する粘着剤を用いてもよい。
【0043】
非対称スクアリリウム化合物(1)を透明板やフィルムに塗布する場合は、例えば、バインダー樹脂及び上記化合物(1)を有機溶剤(シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等)に溶解した塗布液を調製し、該塗布液をディッピング法、バーコーター法又はグラビアコート法等により塗布する方法が用いられる。
非対称スクアリリウム化合物(1)を含有するフィルムを透明板に貼合する場合、上記のフィルムは樹脂を上記化合物(1)と溶融混練して押出成形することにより調製される。
上記フィルムをディスプレイ前面に直接貼合して用いることができる。
【0044】
本発明の映像表示機器用フィルターは、必要に応じて、電磁波遮蔽層、ハードコート層、近赤外線吸収層、反射防止層又は汚染防止層等を有していてもよい。
【0045】
電磁波遮蔽層は、通常、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、銅若しくはアルミニウム等の格子状導電性薄膜、又は金、銀若しくは白金等の透明導電性薄膜からなる。
格子状導電性薄膜の格子間隔は好ましくは80〜200μmの範囲である。また、格子状導電性薄膜の膜厚は好ましくは1〜20μmの範囲、より好ましくは5〜20μmの範囲である。更に、格子状導電性薄膜の格子線幅は好ましくは5〜50μmの範囲、より好ましくは10〜30μmの範囲である。
格子状導電性薄膜の開口率は好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。また、透明導電性薄膜の厚さは好ましくは30〜1000nmの範囲、より好ましくは50〜500nmの範囲である。
生産性の観点からは、電磁波遮蔽層は格子状導電性薄膜または透明導電性薄膜が表面に設けられたフィルムを貼合することにより形成させることが好ましい。上記のフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明フィルムが用いられる。
【0046】
ハードコート層は、通常、多官能性モノマー、シリコーン系架橋性樹脂、メラミン系架橋性樹脂またはエポキシ系架橋性樹脂を含むハードコート剤を塗布後、硬化することにより形成させることができる。ハードコート層の厚さは好ましくは1〜30μmの範囲である。また、ハードコート層に二酸化ケイ素や酸化アルミニウムのような無機化合物等の微粒子を含有させることにより、防眩機能を付与してもよい。
【0047】
近赤外線吸収層は、波長800〜1,100nmの間の近赤外領域に吸収を示す層であり、この層の形成には通常、近赤外領域に吸収を示す色素が用いられる。このような近赤外線吸収性色素としては、可視光に対して透過率が高く、近赤外領域の光を多く吸収するものが好ましい。具体的には、ジイモニウム系近赤外線吸収剤、アミニウム系近赤外線吸収剤、アントラキノン系近赤外線吸収剤、フタロシアニン系、特に含フッ素フタロシアニン系の近赤外線吸収剤、ニッケル錯体系近赤外線吸収剤、ポリメチン系近赤外線吸収剤、ジフェニルメタン系近赤外線吸収剤、トリフェニルメタン系近赤外線吸収剤、シアニン系近赤外線吸収剤などが挙げられる。これらのうちから2種類以上を組み合わせるのがよい。
また、必要に応じて、近赤外線領域に吸収を示す色素を非対称スクアリリウム化合物(1)を含有する層に添加してもよい。
【0048】
反射防止層は、通常、無機酸化物、無機ハロゲン化物またはフッ素含有重合体等からなり、汚染防止層は、通常、フッ素含有化合物またはシロキサン化合物等からなる。
【0049】
本発明の非対称スクアリリウム化合物は、吸収スペクトルがシャープである。更に、上記非対称スクアリリウム化合物を含む本発明の映像表示機器用フィルターは、波長約580nmの光線を選択的に吸収することができ、選択波長吸収機能を有するフィルターとして、各種映像表示装置に好適に用いられる。該映像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、CRT、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ、又はリアプロジェクション方式テレビ等が挙げられる。中でも、本発明の映像表示機器用フィルターは、プラズマディスプレイ用として好適に用いられる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0051】
参考例1
1,3,3−トリメチル−2−メチレンインドリン1.73g、3,4−ジ(n−ブトキシ)−3−シクロブテン−1,2−ジオン2.26g、及びn−ブタノール10mlを反応容器に加え、110℃で2時間反応させた。次いで、反応混合物を放冷した。沈殿物を濾取して得た結晶をジエチルエーテルで洗浄後、更に酢酸を用いて再結晶し、次の化合物(I)の1.67gを得た。
【0052】
Figure 2004099713
【0053】
参考例2
参考例1で得た化合物(I)の3.25gを酢酸15ml、水15ml及び2N塩酸2.4mlの混合物中で、2時間加熱還流した。次いで、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾取後、得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄して、次の化合物(II)の2.4gを得た。
【0054】
Figure 2004099713
【0055】
実施例1
参考例2で得た化合物(II)の2.69g、1,2,5−トリメチルピロール1.09gをトルエン/n−ブタノール混合溶媒(1:1)52ml中で、窒素気流下に、Dean−Starkトラップを用いて水を除きながら、130℃で2時間反応させた。次いで、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾取した。得られた結晶をエーテルで洗浄後、乾燥し、次のスクアリリウム化合物(III)の1gを得た。
【0056】
Figure 2004099713
【0057】
可視吸収スペクトル λmax=567nm(メタノール)
マススペクトル[ESI(−)法] m/z=359(M−H)
H−NMR[270MHz、d6−DMSO、20℃、δ(ppm)]
7.61−7.27(4H,m)、6.55(1H,s)、5.90(1H,s)、3.70(3H,s)、3.44(3H,s)、2.82(3H,s)、2.19(3H,s)、1.69(6H,s)
【0058】
実施例2
実施例1で得たスクアリリウム化合物(III)の0.5%シクロヘキサノン溶液の20重量部を、アクリル樹脂[住友化学工業(株)製のスミペックスMM−A]の25重量%トルエン溶液40重量部と混合した。得られた混合液を、さらに30重量部のシクロヘキサノン及び10重量部のトルエンと混合し、塗工液を調製した。この塗工液をNo.16のバーコーターを用いて、厚さ約0.125mmのアクリルフィルム[住友化学工業(株)製のR526]上に塗布し、乾燥後、厚さが約2μmであるフィルムを形成させた。このコーティングフィルムの透過率を分光光度計[株式会社 島津製作所製のUV−3100PC]を用いて測定したところ、波長577nmにシャープな吸収を有していた。
【0059】
【発明の効果】
本発明の非対称スクアリリウム化合物(1)は、波長約580nmの不要光を選択的に吸収することができ、シャープな吸収を示す。又、非対称スクアリリウム化合物(1)を含有する映像表示機器用フィルターは、波長約580nmの不要光を有効に遮断することができる。

Claims (5)

  1. 下式(1)で示される非対称スクアリリウム化合物。
    Figure 2004099713
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立に置換されていてもよいアルキル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルコキシ基を表す。)
  2. 式(1)におけるRが、水素原子、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基である請求項1に記載の非対称スクアリリウム化合物。
  3. 式(1)におけるRが、メチル基又はエチル基である請求項1又は2に記載の非対称スクアリリウム化合物。
  4. 式(1)におけるR及びRが、メチル基である請求項1〜3のいずれかに記載の非対称スクアリリウム化合物。
  5. 請求項1〜4に記載の非対称スクアリリウム化合物を含有することを特徴とする映像表示機器用フィルター。
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