JP3641220B2 - 映像表示機器用前面板 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRTを用いた直視型テレビ、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式テレビ、液晶ディスプレイ等を用いた非発光型パネル方式テレビ、液晶プロジェクターが内蔵されたリアプロジェクション方式テレビのような映像表示機器用の前面板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像表示機器の映像のコントラストおよび色再現性を向上させる方法として、映像表示部の前面に設置させる前面板に、光吸収性化合物を含有させ、選択波長吸収機能を付与する方法が知られている。例えば、特開平9−241520号公報には、該化合物として、ニッケル系有機化合物、アゾ系有機染料、アントラキノン系有機染料等を用いる方法が記載されている。また、特開平10−128898号公報には、該化合物として、アントラキノン系有機染料、複素環系染料、ジチオール・ニッケル錯体系化合物等を用いる方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法では、映像表示機器の映像光源から発せられるカラー映像の三原色(赤、緑、青)以外の不要光、特に波長580nm付近の光の選択吸収性が十分でなく、映像のコントラストおよび色再現性の点で満足できるものではない。本発明の目的は、優れた選択波長吸収機能を有し、映像表示機器の映像のコントラストおよび色再現性を向上させることができる映像表示機器用前面板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、特定の光吸収性化合物を含有する板状物を映像表示機器用前面板として用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【化3】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、L1およびL2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族環を表す。)
または下記一般式(2)
【化4】
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、R7〜R9は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、5員環を形成するための2価の基を表し、L3およびL4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、X-は対陰イオンを表す。)
で示される化合物を含有することを特徴とする映像表示機器用前面板に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、光吸収性化合物として、前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される化合物を用いる。一般式(1)で示される化合物は諸種の方法で調製できるが、経済性を重視するのであれば、一般式(1)に対応するL1、R1およびR3を有する下記の一般式(3)で示される化合物と、一般式(1)に対応するL2、R2及びR4を有する下記の一般式(4)で示される化合物と、スクエア酸(3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン、「四角酸」とも言う。)とを反応させる工程を経由する方法が好適である。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
すなわち、反応容器に適宜溶剤をとり、これに適量のスクエア酸とともに、一般式(3)および一般式(4)で示される化合物をそれぞれ適量加え(通常等モル前後)、加熱還流などにより、攪拌しながら、周囲温度か周囲温度を上回る温度、通常、60〜120℃で反応させる。
【0010】
溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロロチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、α−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化物、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキトエタノール、フェノール、ベンジルアルコール、クレゾール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類およびフェノール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6などのエーテル類、酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、酢酸エチル、炭酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミドなどの酸および酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫化合物が挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。
【0011】
溶剤を用いる場合、一般に、溶剤が多くなると反応の効率が低下し、反対に、少なくなると均一に加熱・攪拌するのが困難になったり、副反応が起り易くなる。したがって、溶剤の量は、重量比で、原料化合物全体の100倍まで、通常、5〜50倍にするのが望ましい。原料化合物の種類や反応条件にもよるけれども、反応は50時間以内、通常、0.5〜20時間で完結する。反応の進行は、例えば、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの汎用の方法によってモニターすることができる。なお、一般式(3)および一般式(4)で示される化合物は、いずれも、インドールとハロゲン化アルキルとを反応させる汎用の方法により得ることができ、市販品がある場合には、それを用いればよい。なお、一般式(2)で示される化合物は、例えば、『感光色素』(速水正明監修、(株)日本感光色素研究所編、産業図書(株)発行、1997年)25〜28頁に記載の方法によるか、あるいは、それらの方法に準じて調製することができる。
【0012】
一般式(1)中、R1およびR2で表される脂肪族炭化水素基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンチニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基等が挙げられる。
【0013】
中でも、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、メチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基またはベンジル基であるのがさらに好ましい。
【0014】
また、R1およびR2の炭素数は、それぞれ、有機溶媒に対する溶解性等の取り扱い性の観点から、好ましくは2以上、さらに好ましくは4以上であり、結晶化や精製の容易性の観点から、好ましくは18以下である。
【0015】
一般式(1)中、R3およびR4で表される置換基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0016】
中でも、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、水素原子またはメチル基であるのがさらに好ましい。
【0017】
一般式(1)中、L1およびL2で表される芳香族環としては、それぞれ例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環のような単環式もしくは縮合多環式の芳香族炭化水素や、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環のような芳香族を有する複素環が挙げられる。該芳香族環は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0018】
中でも、L1およびL2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であるのが好ましい。また該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはハロゲン基であるのが好ましく、メチル基、エチル基またはフェニル基であるのがさらに好ましい。
【0019】
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【化7】
【0020】
一般式(2)中、R5およびR6で表される脂肪族炭化水素基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンチニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0021】
中でも、R5およびR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクタデシル基であるのがさらに好ましい。
【0022】
一般式(2)中、R7〜R9で表される置換基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基は、それぞれ少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、R7〜R9の少なくとも2つが一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに5員環や6員環のような環を形成していてもよい。
【0023】
中でも、R7〜R9は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、水素原子、メチル基またはイソプロピル基であるのがさらに好ましい。
【0024】
一般式(2)中、5員環を形成するための2価の基であるZ1およびZ2としては、それぞれ例えば、メチレン基、イミノ基、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子等が挙げられる。該メチレン基は1つまたは2つの、該イミノ基は1つの置換基をそれぞれ有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基のような脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基等が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基は、それぞれ少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0025】
中でも、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数1〜20のアルキルイミノ基、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、、またはテルル原子であるのが好ましく、イソプロピリデン基、メチルイミノ基、ブチルイミノ基、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子であるのがさらに好ましい。
【0026】
一般式(2)中、L3およびL4で表される芳香族環としては、それぞれ例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環のような単環式もしくは縮合環式の芳香族炭化水素や、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環のような芳香族性を有する複素環が挙げられる。該芳香族環は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシル基やスルホ基のような有機酸の残基;ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基は、それぞれ少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0027】
中でも、L3およびL4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環またはナフタレン環であるのが好ましい。また該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはハロゲン基であるのが好ましく、フェニル基またはブロモ基であるのがさらに好ましい。
【0028】
一般式(2)中、X-で表される対陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンのようなハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオンのような過ハロゲン酸イオン;メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンのようなアルキル硫酸イオン;四フッ化ホウ素イオン、六フッ化アンチモンイオン、六フッ化リンイオンのようなフルオロ錯イオン;p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオンのようなスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0029】
中でも、X-は、ハロゲン化物イオン、過ハロゲン酸イオン、フルオロ錯イオンまたはスルホン酸イオンであるのが好ましく、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化アンチモンイオン、六フッ化リンイオン、p−トルエンスルホン酸イオンであるのがさらに好ましい。
【0030】
一般式(2)で示される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【化8】
【0031】
また、前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される化合物としては、可視領域における最大吸収波長(λmax)が550〜610nmの範囲にあるものが好ましい。
【0032】
上記化合物としては、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよく、その場合、一般式(1)で示される化合物を2種以上用いてもよいし、一般式(2)で示される化合物を2種以上用いてもよいし、一般式(1)で示される化合物および一般式(2)で示される化合物をそれぞれ1種以上用いてもよい。
【0033】
上記化合物の使用量は、前面板の用途等により適宜選択されるが、通常、前面板の波長580nmの光線透過率が60%以下、好ましくは40%以下となるように調整される。
【0034】
本発明の前面板は、上記化合物を含有するものであり、通常は透明基材と上記化合物で構成される。上記化合物は、透明基材中に混合されていてもよいし、透明基材表面に上記化合物の層が設けられていてもよい。例えば、上記化合物を含有する樹脂板等の透明板や、上記化合物を含有する層が積層された樹脂板やガラス板等の透明板が挙げられる。透明板の厚さは、強度の点から、通常1mm以上、好ましくは2mm以上であり、軽量性の点から、通常10mm以下、好ましくは6mm以下である。また、透明板としては、通常、可視光透過率が50%以上のものが用いられる。
【0035】
透明板が樹脂板である場合、該樹脂としては、厚さ3mmの板としたときの可視光透過率が70%以上となるものが好ましく、例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、透明性の観点からメタクリル樹脂が好ましい。
【0036】
メタクリル樹脂としては、その構成単量体としてメタクリル酸メチルを50重量%以上含む重合体であるメタクリル酸メチル系樹脂が好ましく、該メタクリル酸メチル系樹脂としては、メタクリル酸メチルの単独重合体やメタクリル酸メチル50重量%以上とこれと共重合可能な不飽和単量体50重量%以下とからなる共重合体が挙げられる。また、該不飽和単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルのようなメタクリル酸エステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン類等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
【0037】
樹脂板には、必要に応じて、上記化合物以外の光吸収性化合物、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光拡散剤、帯電防止剤、難燃化剤、離型剤、近赤外線吸収剤等を含有させてもよい。
【0038】
上記化合物を含有する樹脂板を得る方法としては、例えば、樹脂を上記化合物と溶融混練して、押出成形や射出成形する方法;樹脂を上記化合物と溶融混練してペレットとし、該ペレットをプレス成形する方法;樹脂の構成単量体を上記化合物と混合して、注型重合させる方法等が挙げられる。
【0039】
また、上記化合物を含有する層が積層された透明板を得る方法としては、例えば、上記化合物を透明板に塗布する方法;上記化合物を含有するフィルムを透明板に貼合する方法;上記化合物をフィルムに塗布した後、このフィルムを透明板に貼合する方法;フィルムを透明板に貼合する際に、上記化合物を含有する粘着剤を用いる方法等が挙げられる。
【0040】
上記化合物を透明板やフィルムに塗布する場合、通常、バインダー樹脂および上記化合物を含む塗布溶液を調製し、これをディッピング法やバーコーター法により塗布する方法が採用される。また、上記化合物を含有するフィルムを透明板に貼合する場合、該フィルムは、通常、樹脂を上記化合物と溶融混練して押出成形することにより調製される。
【0041】
本発明の前面板は、必要に応じて、電磁波遮蔽層、ハードコート層、反射防止層、汚染防止層等を有していてもよい。
【0042】
電磁波遮蔽層は、通常、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、銅、アルミニウム等の格子状導電性薄膜や、金、銀、白金等の透明導電性薄膜からなる。格子状導電性薄膜については、その格子間隔は通常80〜200μmの範囲であり、その膜圧は通常1〜20μm、好ましくは5〜20μmの範囲であり、その格子線幅は通常5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範囲であり、その開口率は通常60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。また、透明導電性薄膜については、その厚さは通常30〜1000nm、好ましくは50〜500nmの範囲である。電磁波遮蔽層は、格子状導電性薄膜や透明導電性薄膜が表面に設けられたフィルムを貼合することにより形成させるのが、生産性の観点から好ましく、ここでフィルムとしてはポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明フィルムが用いられる。
【0043】
ハードコート層は、通常、多官能性モノマー、シリコーン系架橋性樹脂、メラミン系架橋性樹脂、エポキシ系架橋性樹脂を含むハードコート剤を塗布後、硬化することにより形成させることができ、その厚さは通常1〜30μmの範囲である。また、ハードコート層に二酸化ケイ素や酸化アルミニウムのような無機化合物等の微粒子を含有させることにより、防眩機能を付与してもよい。
【0044】
反射防止層は、通常、無機酸化物、無機ハロゲン化物、フッ素含有重合体等からなり、汚染防止層は、通常、フッ素含有化合物、シロキサン化合物等からなる。
【0045】
上記本発明の前面板は、波長550〜610nm、特に波長580nm付近の光線を選択的に吸収することができ、選択波長吸収機能を有する前面板として、各種映像表示装置に採用することができる。該映像表示装置としては、例えば、CRTを用いた直視型テレビ、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式テレビ、液晶ディスプレイ等を用いた非発光型パネル方式テレビ、液晶プロジェクターが内蔵されたリアプロジェクション方式テレビ等が挙げられる。中でも、本発明の前面板は、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式テレビ用として好適である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られた前面板の評価方法は、以下のとおりである。
【0047】
光線透過率:
分光光度計[(株)日立製作所製、自記分光光度計U4000型]を用いて、波長300〜1000nmの範囲の光線透過率を測定し、波長400nm、500nm、580nmおよび650nmの光線透過率で評価した。
【0048】
映像評価:
蛍光灯を点灯した室内で、プラズマディスプレイ[富士通ゼネラル(株)製、プラズマディスプレイPDS−P1000(前面板無し)]に映像を表示し、前面板を設置しない場合に対する、前面板を設置した場合の映像のコントラストおよび色再現性の改善効果の有無を10人に判断してもらい、改善効果有りと判断した人の数で評価した。
【0049】
また、一般式(1)で示される化合物および一般式(2)で示される化合物として、それぞれ以下のものを用いた。
【0050】
化合物(A):一般式(1)において、R1およびR2がオクチル基であり、R3およびR4がメチル基であり、L3およびL4がベンゼン環である化合物(下記式参照)。この化合物(A)のメタクリル酸メチル溶液(濃度10重量ppm)について、分光光度計[(株)日立製作所製、自記分光光度計U4000型]を用いて、波長300〜1000nmの範囲の光線透過率を測定した結果、最大吸収波長(λmax)は585nmであった。
【0051】
【化9】
【0052】
化合物(B):一般式(2)において、R5およびR6がブチル基であり、R7〜R9が水素原子であり、Z1がイソプロピリデン基であり、Z2が硫黄原子であり、L3およびL4がナフタレン環であり、X-が過塩素酸イオンである化合物(下記式参照)。この化合物(B)のメタクリル酸メチル溶液(濃度10重量ppm)について、分光光度計[(株)日立製作所製、自記分光光度計U4000型]を用いて、波長300〜1000nmの範囲の光線透過率を測定した結果、最大吸収波長(λmax)は590nmであった。
【0053】
【化10】
【0054】
参考例1(化合物(A)の合成)
1−オクチル−2−メチルインドール3gおよび3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン1gを、ベンゼンとブタノールの混合溶媒中、加熱攪拌下、脱水反応させた後、反応混合物を冷却し、化合物(A)の粗結晶を得た。該粗結晶を、クロロフォルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した後、メタノールとアセトンの混合溶媒で再結晶させ、化合物(A)の精製品1.3gを得た。
【0055】
参考例2(化合物(B)の合成)
適宜の方法で合成した3-ブチル-2-メチル-ナフト[2,1-d]チアゾール-3-イウム=トルエン-4-スルフォナート 2.7gと3-ブチル-1,1-ジメチル-2-(2-フェニルアミノ-ビニル)-1H-ベンゾ[e]インドリウム=パークロレート 3.0gをアセトニトリル溶媒中、無水酢酸とトリエチルアミンを加え、室温下1時間反応させた後メタノールで結晶化し粗製品を得た。得られた結晶はメタノールで熱洗浄し精製品3.5gを得た。
【0056】
実施例1
メタクリル酸メチル100重量部を、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.002重量部と混合し、70℃にて予備重合させ、5重量%の重合体(粘度平均分子量150万)を含む予備重合シロップを得た。この予備重合シロップ30重量部を、メタクリル酸メチル70重量部、化合物(A)0.001重量部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部と混合し、脱気後、2枚のガラス板と塩化ビニール樹脂製ガスケットより構成される3mm厚のセルに注入し、65℃にて4時間、次いで120℃にて1時間重合させた。得られた注型板を前面板として評価した結果を表1に示す。
【0057】
実施例2
実施例1において、化合物(A)の代わりに、化合物(B)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0058】
実施例3
20重量%のアクリル樹脂[住友化学工業(株)製、スミペックスMM]のトルエン溶液100重量部を、0.5重量%の化合物(A)のシクロヘキサノン溶液40重量部と混合した後、さらにトルエンと混合し、アクリル樹脂の濃度を9重量%に調整した。この溶液を、厚さ0.125mmの耐衝撃アクリルフィルム[住友化学工業(株)製、テクノロイ]上に、No.16のバーコーターを用いて、乾燥後の厚さが約2μmとなるように塗布した。次いで、このフィルムをガラス板に粘着剤を用いて貼合した。得られたフィルム貼合ガラス板を前面板として評価した結果を表1に示す。
【0059】
実施例4
実施例3において、0.5重量%の化合物(A)のシクロヘキサノン溶液40重量部の代わりに、0.5重量%の化合物(B)のシクロヘキサノン溶液48重量部を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0060】
実施例5
アクリル樹脂ビーズ[住友化学工業(株)製、スミペックスEX]100重量部を、化合物(A)0.001重量部とポリ袋内で混合後、押出装置を用いて溶融混練し、押出樹脂温度265℃にて、厚さ2mmに押し出した。得られた押出板を前面板として評価した結果を表1に示す。
【0061】
比較例1
実施例1において、化合物(A)を混合しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0062】
比較例2
実施例3において、化合物(A)のシクロヘキサノン溶液を混合しなかった以外は、実施例3と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0063】
比較例3
実施例5において、化合物(A)を混合しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、波長550〜610nm、特に波長580nm付近の光線を選択的に吸収することができる映像表示機器用前面板を得ることができ、映像表示機器の映像のコントラストおよび色再現性を向上させることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRTを用いた直視型テレビ、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式テレビ、液晶ディスプレイ等を用いた非発光型パネル方式テレビ、液晶プロジェクターが内蔵されたリアプロジェクション方式テレビのような映像表示機器用の前面板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像表示機器の映像のコントラストおよび色再現性を向上させる方法として、映像表示部の前面に設置させる前面板に、光吸収性化合物を含有させ、選択波長吸収機能を付与する方法が知られている。例えば、特開平9−241520号公報には、該化合物として、ニッケル系有機化合物、アゾ系有機染料、アントラキノン系有機染料等を用いる方法が記載されている。また、特開平10−128898号公報には、該化合物として、アントラキノン系有機染料、複素環系染料、ジチオール・ニッケル錯体系化合物等を用いる方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の方法では、映像表示機器の映像光源から発せられるカラー映像の三原色(赤、緑、青)以外の不要光、特に波長580nm付近の光の選択吸収性が十分でなく、映像のコントラストおよび色再現性の点で満足できるものではない。本発明の目的は、優れた選択波長吸収機能を有し、映像表示機器の映像のコントラストおよび色再現性を向上させることができる映像表示機器用前面板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、特定の光吸収性化合物を含有する板状物を映像表示機器用前面板として用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【化3】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、L1およびL2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族環を表す。)
または下記一般式(2)
【化4】
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、R7〜R9は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、5員環を形成するための2価の基を表し、L3およびL4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、X-は対陰イオンを表す。)
で示される化合物を含有することを特徴とする映像表示機器用前面板に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、光吸収性化合物として、前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される化合物を用いる。一般式(1)で示される化合物は諸種の方法で調製できるが、経済性を重視するのであれば、一般式(1)に対応するL1、R1およびR3を有する下記の一般式(3)で示される化合物と、一般式(1)に対応するL2、R2及びR4を有する下記の一般式(4)で示される化合物と、スクエア酸(3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン、「四角酸」とも言う。)とを反応させる工程を経由する方法が好適である。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
すなわち、反応容器に適宜溶剤をとり、これに適量のスクエア酸とともに、一般式(3)および一般式(4)で示される化合物をそれぞれ適量加え(通常等モル前後)、加熱還流などにより、攪拌しながら、周囲温度か周囲温度を上回る温度、通常、60〜120℃で反応させる。
【0010】
溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロロチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、α−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化物、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキトエタノール、フェノール、ベンジルアルコール、クレゾール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類およびフェノール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6などのエーテル類、酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、酢酸エチル、炭酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミドなどの酸および酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫化合物が挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。
【0011】
溶剤を用いる場合、一般に、溶剤が多くなると反応の効率が低下し、反対に、少なくなると均一に加熱・攪拌するのが困難になったり、副反応が起り易くなる。したがって、溶剤の量は、重量比で、原料化合物全体の100倍まで、通常、5〜50倍にするのが望ましい。原料化合物の種類や反応条件にもよるけれども、反応は50時間以内、通常、0.5〜20時間で完結する。反応の進行は、例えば、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの汎用の方法によってモニターすることができる。なお、一般式(3)および一般式(4)で示される化合物は、いずれも、インドールとハロゲン化アルキルとを反応させる汎用の方法により得ることができ、市販品がある場合には、それを用いればよい。なお、一般式(2)で示される化合物は、例えば、『感光色素』(速水正明監修、(株)日本感光色素研究所編、産業図書(株)発行、1997年)25〜28頁に記載の方法によるか、あるいは、それらの方法に準じて調製することができる。
【0012】
一般式(1)中、R1およびR2で表される脂肪族炭化水素基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンチニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基等が挙げられる。
【0013】
中でも、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、メチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基またはベンジル基であるのがさらに好ましい。
【0014】
また、R1およびR2の炭素数は、それぞれ、有機溶媒に対する溶解性等の取り扱い性の観点から、好ましくは2以上、さらに好ましくは4以上であり、結晶化や精製の容易性の観点から、好ましくは18以下である。
【0015】
一般式(1)中、R3およびR4で表される置換基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0016】
中でも、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、水素原子またはメチル基であるのがさらに好ましい。
【0017】
一般式(1)中、L1およびL2で表される芳香族環としては、それぞれ例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環のような単環式もしくは縮合多環式の芳香族炭化水素や、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環のような芳香族を有する複素環が挙げられる。該芳香族環は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0018】
中でも、L1およびL2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環であるのが好ましい。また該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはハロゲン基であるのが好ましく、メチル基、エチル基またはフェニル基であるのがさらに好ましい。
【0019】
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【化7】
【0020】
一般式(2)中、R5およびR6で表される脂肪族炭化水素基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンチニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0021】
中でも、R5およびR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクタデシル基であるのがさらに好ましい。
【0022】
一般式(2)中、R7〜R9で表される置換基としては、それぞれ例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基は、それぞれ少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、R7〜R9の少なくとも2つが一緒になって、それらが結合する炭素原子とともに5員環や6員環のような環を形成していてもよい。
【0023】
中でも、R7〜R9は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数7〜20のアラルキル基であるのが好ましく、水素原子、メチル基またはイソプロピル基であるのがさらに好ましい。
【0024】
一般式(2)中、5員環を形成するための2価の基であるZ1およびZ2としては、それぞれ例えば、メチレン基、イミノ基、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子等が挙げられる。該メチレン基は1つまたは2つの、該イミノ基は1つの置換基をそれぞれ有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基のような脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基等が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基は、それぞれ少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0025】
中でも、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数1〜20のアルキルイミノ基、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、、またはテルル原子であるのが好ましく、イソプロピリデン基、メチルイミノ基、ブチルイミノ基、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子であるのがさらに好ましい。
【0026】
一般式(2)中、L3およびL4で表される芳香族環としては、それぞれ例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環のような単環式もしくは縮合環式の芳香族炭化水素や、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、キノキサリン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環のような芳香族性を有する複素環が挙げられる。該芳香族環は、少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基のような脂肪族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような脂環式炭化水素基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−クメニル基、ビフェニリル基のような芳香族炭化水素基;メトキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシル基やスルホ基のような有機酸の残基;ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基は、それぞれ少なくとも1つの置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基のようなエーテル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基のようなエステル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基のようなハロゲン基;カルボキシ基、スルホ基のような酸性基;ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0027】
中でも、L3およびL4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン環またはナフタレン環であるのが好ましい。また該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはハロゲン基であるのが好ましく、フェニル基またはブロモ基であるのがさらに好ましい。
【0028】
一般式(2)中、X-で表される対陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンのようなハロゲン化物イオン;過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオンのような過ハロゲン酸イオン;メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンのようなアルキル硫酸イオン;四フッ化ホウ素イオン、六フッ化アンチモンイオン、六フッ化リンイオンのようなフルオロ錯イオン;p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオンのようなスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0029】
中でも、X-は、ハロゲン化物イオン、過ハロゲン酸イオン、フルオロ錯イオンまたはスルホン酸イオンであるのが好ましく、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化アンチモンイオン、六フッ化リンイオン、p−トルエンスルホン酸イオンであるのがさらに好ましい。
【0030】
一般式(2)で示される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【化8】
【0031】
また、前記一般式(1)または前記一般式(2)で示される化合物としては、可視領域における最大吸収波長(λmax)が550〜610nmの範囲にあるものが好ましい。
【0032】
上記化合物としては、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよく、その場合、一般式(1)で示される化合物を2種以上用いてもよいし、一般式(2)で示される化合物を2種以上用いてもよいし、一般式(1)で示される化合物および一般式(2)で示される化合物をそれぞれ1種以上用いてもよい。
【0033】
上記化合物の使用量は、前面板の用途等により適宜選択されるが、通常、前面板の波長580nmの光線透過率が60%以下、好ましくは40%以下となるように調整される。
【0034】
本発明の前面板は、上記化合物を含有するものであり、通常は透明基材と上記化合物で構成される。上記化合物は、透明基材中に混合されていてもよいし、透明基材表面に上記化合物の層が設けられていてもよい。例えば、上記化合物を含有する樹脂板等の透明板や、上記化合物を含有する層が積層された樹脂板やガラス板等の透明板が挙げられる。透明板の厚さは、強度の点から、通常1mm以上、好ましくは2mm以上であり、軽量性の点から、通常10mm以下、好ましくは6mm以下である。また、透明板としては、通常、可視光透過率が50%以上のものが用いられる。
【0035】
透明板が樹脂板である場合、該樹脂としては、厚さ3mmの板としたときの可視光透過率が70%以上となるものが好ましく、例えば、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、透明性の観点からメタクリル樹脂が好ましい。
【0036】
メタクリル樹脂としては、その構成単量体としてメタクリル酸メチルを50重量%以上含む重合体であるメタクリル酸メチル系樹脂が好ましく、該メタクリル酸メチル系樹脂としては、メタクリル酸メチルの単独重合体やメタクリル酸メチル50重量%以上とこれと共重合可能な不飽和単量体50重量%以下とからなる共重合体が挙げられる。また、該不飽和単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルのようなメタクリル酸エステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルのようなアクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン類等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
【0037】
樹脂板には、必要に応じて、上記化合物以外の光吸収性化合物、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光拡散剤、帯電防止剤、難燃化剤、離型剤、近赤外線吸収剤等を含有させてもよい。
【0038】
上記化合物を含有する樹脂板を得る方法としては、例えば、樹脂を上記化合物と溶融混練して、押出成形や射出成形する方法;樹脂を上記化合物と溶融混練してペレットとし、該ペレットをプレス成形する方法;樹脂の構成単量体を上記化合物と混合して、注型重合させる方法等が挙げられる。
【0039】
また、上記化合物を含有する層が積層された透明板を得る方法としては、例えば、上記化合物を透明板に塗布する方法;上記化合物を含有するフィルムを透明板に貼合する方法;上記化合物をフィルムに塗布した後、このフィルムを透明板に貼合する方法;フィルムを透明板に貼合する際に、上記化合物を含有する粘着剤を用いる方法等が挙げられる。
【0040】
上記化合物を透明板やフィルムに塗布する場合、通常、バインダー樹脂および上記化合物を含む塗布溶液を調製し、これをディッピング法やバーコーター法により塗布する方法が採用される。また、上記化合物を含有するフィルムを透明板に貼合する場合、該フィルムは、通常、樹脂を上記化合物と溶融混練して押出成形することにより調製される。
【0041】
本発明の前面板は、必要に応じて、電磁波遮蔽層、ハードコート層、反射防止層、汚染防止層等を有していてもよい。
【0042】
電磁波遮蔽層は、通常、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、銅、アルミニウム等の格子状導電性薄膜や、金、銀、白金等の透明導電性薄膜からなる。格子状導電性薄膜については、その格子間隔は通常80〜200μmの範囲であり、その膜圧は通常1〜20μm、好ましくは5〜20μmの範囲であり、その格子線幅は通常5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範囲であり、その開口率は通常60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。また、透明導電性薄膜については、その厚さは通常30〜1000nm、好ましくは50〜500nmの範囲である。電磁波遮蔽層は、格子状導電性薄膜や透明導電性薄膜が表面に設けられたフィルムを貼合することにより形成させるのが、生産性の観点から好ましく、ここでフィルムとしてはポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明フィルムが用いられる。
【0043】
ハードコート層は、通常、多官能性モノマー、シリコーン系架橋性樹脂、メラミン系架橋性樹脂、エポキシ系架橋性樹脂を含むハードコート剤を塗布後、硬化することにより形成させることができ、その厚さは通常1〜30μmの範囲である。また、ハードコート層に二酸化ケイ素や酸化アルミニウムのような無機化合物等の微粒子を含有させることにより、防眩機能を付与してもよい。
【0044】
反射防止層は、通常、無機酸化物、無機ハロゲン化物、フッ素含有重合体等からなり、汚染防止層は、通常、フッ素含有化合物、シロキサン化合物等からなる。
【0045】
上記本発明の前面板は、波長550〜610nm、特に波長580nm付近の光線を選択的に吸収することができ、選択波長吸収機能を有する前面板として、各種映像表示装置に採用することができる。該映像表示装置としては、例えば、CRTを用いた直視型テレビ、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式テレビ、液晶ディスプレイ等を用いた非発光型パネル方式テレビ、液晶プロジェクターが内蔵されたリアプロジェクション方式テレビ等が挙げられる。中でも、本発明の前面板は、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式テレビ用として好適である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られた前面板の評価方法は、以下のとおりである。
【0047】
光線透過率:
分光光度計[(株)日立製作所製、自記分光光度計U4000型]を用いて、波長300〜1000nmの範囲の光線透過率を測定し、波長400nm、500nm、580nmおよび650nmの光線透過率で評価した。
【0048】
映像評価:
蛍光灯を点灯した室内で、プラズマディスプレイ[富士通ゼネラル(株)製、プラズマディスプレイPDS−P1000(前面板無し)]に映像を表示し、前面板を設置しない場合に対する、前面板を設置した場合の映像のコントラストおよび色再現性の改善効果の有無を10人に判断してもらい、改善効果有りと判断した人の数で評価した。
【0049】
また、一般式(1)で示される化合物および一般式(2)で示される化合物として、それぞれ以下のものを用いた。
【0050】
化合物(A):一般式(1)において、R1およびR2がオクチル基であり、R3およびR4がメチル基であり、L3およびL4がベンゼン環である化合物(下記式参照)。この化合物(A)のメタクリル酸メチル溶液(濃度10重量ppm)について、分光光度計[(株)日立製作所製、自記分光光度計U4000型]を用いて、波長300〜1000nmの範囲の光線透過率を測定した結果、最大吸収波長(λmax)は585nmであった。
【0051】
【化9】
【0052】
化合物(B):一般式(2)において、R5およびR6がブチル基であり、R7〜R9が水素原子であり、Z1がイソプロピリデン基であり、Z2が硫黄原子であり、L3およびL4がナフタレン環であり、X-が過塩素酸イオンである化合物(下記式参照)。この化合物(B)のメタクリル酸メチル溶液(濃度10重量ppm)について、分光光度計[(株)日立製作所製、自記分光光度計U4000型]を用いて、波長300〜1000nmの範囲の光線透過率を測定した結果、最大吸収波長(λmax)は590nmであった。
【0053】
【化10】
【0054】
参考例1(化合物(A)の合成)
1−オクチル−2−メチルインドール3gおよび3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン1gを、ベンゼンとブタノールの混合溶媒中、加熱攪拌下、脱水反応させた後、反応混合物を冷却し、化合物(A)の粗結晶を得た。該粗結晶を、クロロフォルムを展開溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した後、メタノールとアセトンの混合溶媒で再結晶させ、化合物(A)の精製品1.3gを得た。
【0055】
参考例2(化合物(B)の合成)
適宜の方法で合成した3-ブチル-2-メチル-ナフト[2,1-d]チアゾール-3-イウム=トルエン-4-スルフォナート 2.7gと3-ブチル-1,1-ジメチル-2-(2-フェニルアミノ-ビニル)-1H-ベンゾ[e]インドリウム=パークロレート 3.0gをアセトニトリル溶媒中、無水酢酸とトリエチルアミンを加え、室温下1時間反応させた後メタノールで結晶化し粗製品を得た。得られた結晶はメタノールで熱洗浄し精製品3.5gを得た。
【0056】
実施例1
メタクリル酸メチル100重量部を、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.002重量部と混合し、70℃にて予備重合させ、5重量%の重合体(粘度平均分子量150万)を含む予備重合シロップを得た。この予備重合シロップ30重量部を、メタクリル酸メチル70重量部、化合物(A)0.001重量部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部と混合し、脱気後、2枚のガラス板と塩化ビニール樹脂製ガスケットより構成される3mm厚のセルに注入し、65℃にて4時間、次いで120℃にて1時間重合させた。得られた注型板を前面板として評価した結果を表1に示す。
【0057】
実施例2
実施例1において、化合物(A)の代わりに、化合物(B)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0058】
実施例3
20重量%のアクリル樹脂[住友化学工業(株)製、スミペックスMM]のトルエン溶液100重量部を、0.5重量%の化合物(A)のシクロヘキサノン溶液40重量部と混合した後、さらにトルエンと混合し、アクリル樹脂の濃度を9重量%に調整した。この溶液を、厚さ0.125mmの耐衝撃アクリルフィルム[住友化学工業(株)製、テクノロイ]上に、No.16のバーコーターを用いて、乾燥後の厚さが約2μmとなるように塗布した。次いで、このフィルムをガラス板に粘着剤を用いて貼合した。得られたフィルム貼合ガラス板を前面板として評価した結果を表1に示す。
【0059】
実施例4
実施例3において、0.5重量%の化合物(A)のシクロヘキサノン溶液40重量部の代わりに、0.5重量%の化合物(B)のシクロヘキサノン溶液48重量部を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0060】
実施例5
アクリル樹脂ビーズ[住友化学工業(株)製、スミペックスEX]100重量部を、化合物(A)0.001重量部とポリ袋内で混合後、押出装置を用いて溶融混練し、押出樹脂温度265℃にて、厚さ2mmに押し出した。得られた押出板を前面板として評価した結果を表1に示す。
【0061】
比較例1
実施例1において、化合物(A)を混合しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0062】
比較例2
実施例3において、化合物(A)のシクロヘキサノン溶液を混合しなかった以外は、実施例3と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0063】
比較例3
実施例5において、化合物(A)を混合しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、波長550〜610nm、特に波長580nm付近の光線を選択的に吸収することができる映像表示機器用前面板を得ることができ、映像表示機器の映像のコントラストおよび色再現性を向上させることができる。
Claims (2)
- 下記一般式(1)
または下記一般式(2)
で示される化合物を含有する層が、ガラス板に積層されてなることを特徴とする映像表示機器用前面板。 - 下記一般式(1)
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、L 1 およびL 2 は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族環を表す。)
または下記一般式(2)
(式中、R 5 およびR 6 は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表し、R 7 〜R 9 は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表し、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ独立して、5員環を形成するための2価の基を表し、L 3 およびL 4 は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族環を表し、X - は対陰イオンを表す。)
で示される化合物を含有する樹脂板からなることを特徴とする映像表示機器用前面板。
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