JP2723387B2 - フォトクロミック組成物 - Google Patents

フォトクロミック組成物

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JP2723387B2 JP16537191A JP16537191A JP2723387B2 JP 2723387 B2 JP2723387 B2 JP 2723387B2 JP 16537191 A JP16537191 A JP 16537191A JP 16537191 A JP16537191 A JP 16537191A JP 2723387 B2 JP2723387 B2 JP 2723387B2
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  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グレー、ブラウン、ア
ンバー等の様々な色調を有するフォトクロミック組成物
に関する。
【0002】
【従来技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目を
ひいてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
もどる可逆作用のことである。この性質を有する化合物
は、フォトクロミック化合物と呼ばれ従来から種々の構
造の化合物が合成され提案されてきたが、その構造には
特別な共通の骨格は認められない。
【0003】フォトクロミック化合物としては、スピロ
オキサジン化合物が知られている。スピロオキサジン化
合物は、紫外線照射により速やかに無色形から着色形に
変化し、良好なフォトクロミズムを示す。その色調は、
赤紫〜青である。
【0004】また、他のフォトクロミック化合物として
は、クロメン又はその誘導体が知られている。クロメン
又はその誘導体の色調は、橙〜黄である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の化合物を夫々単独で用いた場合には、所望する色調が
得られない場合がある。特に、フォトクロミックレンズ
として用いる場合には、グレー、アンバー、ブラウン等
の色調が好まれるが、これらの色調は、上記した化合物
単独では得られない。
【0006】そこで、本発明者らは、グレー、アンバ
ー、ブラウンをはじめ、その他、様々な中間色に発色さ
せる為に鋭意研究を重ねた。
【0007】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者らに
よって合成された新規なスピロオキサジン化合物とクロ
メン又はその誘導体とを混合した結果、グレー、アンバ
ー、ブラウンをはじめ、その他、様々な中間色に発色さ
せることに成功し、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)下記一般式〔I〕
【0009】
【化5】 {但し、
【0010】
【化6】 は、
【0011】
【化7】 又は
【0012】
【化8】
【0013】(但し、R7 は、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基またはアルコキシ基である。)であり、
1 およびR2 は、それぞれ同一または異なるアルキル
基であり、また、これらが一緒になって環を形成してい
てもよく、R3 は、炭化水素基またはアルコキシカルボ
ニルアルキル基であり、R4 およびR5 は、それぞれ同
一または異なる水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノアルキル
基、またはアルコキシカルボニル基であり、R6 は、水
素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基
である。}で示されるスピロオキサジン化合物
100重量部
【0014】(2)クロメン及びその誘導体
1〜5,000重量部 よりなることを特徴とするフォトクロミック組成物であ
る。
【0015】上記一般式〔I〕で示されるスピロオキサ
ジン化合物は、本発明者らによって初めて合成された新
規化合物であり、室温よりも高温域において顕著なフォ
トクロミズムを発揮するという特徴を有する。
【0016】上記一般式〔I〕中、R1 およびR2 で示
されるアルキル基は、炭素原子数に特に制限されるもの
ではないが、一般に炭素数1〜10のアルキル基が好適
である。上記のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基およびペンチル基等を挙げる
ことができる。上記のR1 およびR2 は、一緒になって
環を形成していてもよい。R1 およびR2 によって形成
される環は、シクロアルカンが挙げられ、具体的には、
炭素数5〜7のシクロペンタン、シクロヘキサンおよび
シクロヘプタン等を挙げることができる。
【0017】前記一般式〔I〕中、R3 は炭化水素基、
またはアルコキシカルボニルアルキル基である。上記の
炭化水素基は特に限定されないが、一般には炭素数1〜
10、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基を挙げる
ことができる。アルキル基を具体的に例示すると、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基等であり、アリール基
としてはフェニル基、ナフチル基等であり、アラルキル
基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプ
ロピル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0018】R3 で示されるアルコキシカルボニルアル
キル基中のアルコキシ基は特に限定されないが、一般に
は炭素数1〜10、好ましくは1〜4のものが好適であ
る。アルコキシカルボニルアルキル基中のアルキレン基
は特に限定されないが、一般には、炭素数1〜10、好
ましくは1〜4のものが好適である。アルコキシカルボ
ニルアルキル基をより具体的に例示すると、メトキシカ
ルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メト
キシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルメチル
基、エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニル
ブチル基、ブトキシカルボニルエチル基等である。
【0019】前記一般式〔I〕中、R4 およびR5 は、
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、
ニトロ基、シアノ基、ハロゲノアルキル基、またはアル
コキシカルボニル基である。
【0020】上記のハロゲン原子は、フッ素、塩素、シ
ュウ素、ヨウ素の各原子を挙げることができる。
【0021】上記の炭化水素基は特に限定されないが、
前記R3 について説明した炭化水素基が好適である。
【0022】上記のアルコキシ基は特に限定されない
が、一般には炭素数1〜10、好ましくは1〜4である
ことが好適である。具体的にはメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基を挙げることができる。
【0023】上記のハロゲノアルキル基中のハロゲン原
子は、フッ素、塩素、臭素等であり、アルキル基は炭素
数1〜4のものが好適である。具体的にはトリフルオロ
メチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基等
である。
【0024】また、上記のアルコキシカルボニル基は、
炭素数に特に制限されないが、一般には炭素数2〜12
が好適である。具体的には、メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキ
シカルボニル基等を挙げることができる。
【0025】次に、前記一般式〔I〕中、R6 およびR
7 は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアル
コキシ基である。上記のハロゲン原子、炭化水素基およ
びアルコキシ基は、前記R4 およびR5 で説明した原子
又は各基が採用される。
【0026】本発明において、前記一般式〔I〕中のR
1 およびR2 が一緒になって環を形成した化合物は、室
温付近あるいはそれよりも高温域での発色濃度が特に濃
いために好ましい。また、前記一般式〔I〕中のR4
よびR5 がフッ素原子、フルオロアルキル基、シアノ基
である化合物は紫色に発色するために、後述するクロメ
ン又はその誘導体との組合せでグレー、アンバーおよび
ブラウンに色調を調整することが容易である。
【0027】本発明において好適に用いられるスピロオ
キサジン化合物を具体的に例示すると次のとおりであ
る。
【0028】(1)1,3,3−トリメチルスピロ〔2
H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (2)6′−クロロ−5−フルオロ−1,3,3−トリ
メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕
ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (3)3,3−ジメチル−1−エチルスピロ〔2H−イ
ンドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (4)5,7−ジフルオロ−1,3,3−トリメチルス
ピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド
〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (5)5−シアノ−3,3−ジメチル−1−(メトキシ
カルボニル)メチルスピロ〔2H−インドール−2,
3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾ
オキサジン〕
【0029】(6)1′−メチルジスピロ〔シクロヘキ
サン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′
H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕
ベンゾオキサジン〕 (7)1′−メチル−5′−ニトロジスピロ〔シクロペ
ンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′(1′
H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕
ベンゾオキサジン〕 (8)1,3,3,5′−テトラメチルスピロ〔2H−
インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (9)6′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロ
ヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′
H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕
ベンゾオキサジン〕 (10)1−ベンジル−6′−クロロ−3,3−ジメチル
スピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド
〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0030】(11)6′−メトキシ−1,3,3−トリ
メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕
ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (12)5−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2
H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (13)5−ブロモ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2
H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (14)5−ヨード−1,3,3−トリメチルスピロ〔2
H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (15)5−トリフルオロメチル−1,3,3−トリメチ
ルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリ
ド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0031】(16)3,3−ジエチル−1−メチルスピ
ロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド
〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (17)1,3,3,6′−テトラメチルスピロ〔2H−
インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (18)6−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2
H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (19)5′−フルオロ−1′−メチルジスピロ〔シクロ
ヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′
H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕
ベンゾオキサジン〕 (20)5−シアノ−1,3,3−トリメチルスピロ〔2
H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−
f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0032】(21)5−エトキシカルボニル−1,3,
3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−
〔3H〕ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサ
ジン〕 (22)4′,6′−ジフルオロ−1′−メチルジスピロ
〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕インドール−
2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (23)3,3−ジメチル−1−(メトキシカルボニル)
メチルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕
ピリド〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (24)3,3−ジメチル−1−フェニルスピロ〔2H−
インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (25)5−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ
〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,
3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0033】(26)1,3,3,5−テトラメチルスピ
ロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド
〔4,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (27)7′−クロロ−1,3,3−トリメチルスピロ
〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,
3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (28)1,3,3,7′−テトラメチルスピロ〔2H−
インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (29)7′−メトキシ−1,3,3−トリメチルスピロ
〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔4,
3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (30)1,3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドー
ル−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,
4〕ベンゾオキサジン〕
【0034】(31)6′−クロロ−5−フルオロ−1,
3,3−トリメチルスピロ〔2H−インドール−2,
3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾ
オキサジン〕 (32)5−クロロ−1,3−ジメチル−3−エチル−
5′−メトキシスピロ〔2H−インドール−2,3′−
〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサ
ジン〕 (33)3,3−ジエチル−1−メチル−5−ニトロスピ
ロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド
〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (34)1′,6′−ジメチルスピロ〔シクロヘキサン−
1,3′−〔3H〕インドール−2′(1′H),3″
−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキ
サジン〕 (35)9″−ブロモ−1′−メトキシカルボニルメチル
−5′−トリフルオロメチルジスピロ〔シクロペンタン
−1,3′−〔3H〕−インドール−2′〔1′H〕,
3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾ
オキサジン〕
【0035】(36)1−ベンジル−3,3−ジ−nブチ
ル−7′−エチル−5−メトキシスピロ〔2H−インド
ール−1,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,
4〕ベンゾオキサジン〕 (37)1′−n−ブチル−6′−ヨードジスピロ〔シク
ロヘプタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′
(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (38)3,3−ジメチル−9′−ヨード−1−ナフチル
スピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド
〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (39)4′−シアノ−1′−(2−(メトキシカルボニ
ル)エチル)ジスピロ〔シクロヘキサン−1,3′−
〔3H〕インドール−2′(1′H),3″−〔3H〕
ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (40)7−メトキシカルボニル−1,3,3−トリメチ
ルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリ
ド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0036】(41)4−ブロモ−3,3−ジエチル−
9′−エトキシ−1−(2−フェニル)エチルスピロ
〔2H−インドール−2,3′−〔2,3−f〕〔1,
4〕ベンゾオキサジン〕 (42)1′−メチルジスピロ〔シクロヘキサン−1,
3′−〔3H〕−インドール−2′(1′H),3″−
〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサ
ジン〕 (43)6−フルオロ−1,3,3−トリメチルスピロ
〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,
3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (44)5−エチル−9−フルオロ−1,3,3−トリメ
チルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピ
リド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (45)1′−ベンジル−6″−ヨードジスピロ〔シクロ
ペンタン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′
(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕
【0037】(46)5−エトキシ−1,3,3−トリメ
チルスピロ〔2H−インドール−2,3′−〔3H〕ピ
リド〔2,3−f〕〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (47)1′−メチル−5′−トリクロロメチルジスピロ
〔シクロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−
2′(1′H),3″−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (48)1,3−ジエチル−3−メチルスピロ〔2H−イ
ンドール−2,3′−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕
〔1,4〕ベンゾオキサジン〕 (49)1′−メトキシカルボニルメチルジスピロ〔シク
ロヘキサン−1,3′−〔3H〕−インドール−2′
(1′H)−〔3H〕ピリド〔2,3−f〕〔1,4〕
ベンゾオキサジン〕
【0038】本発明のフォトクロミック組成物の第2の
成分であるクロメンは、下記式
【0039】
【化9】
【0040】で示される化合物である。また、クロメン
誘導体は、上記のクロメンの骨格を有する化合物が何ら
制限なく採用される。本発明においては、特に下記式
〔II〕で示されるクロメン誘導体が優れたフォトクロ
ミック性を有するために好適に用いられる。
【0041】
【化10】 (但し、
【0042】
【化11】
【0043】は、夫々置換されていてもよい芳香族炭化
水素基又は不飽和複素環基であり、R8 ,R9 ,R10
びR11は、夫々同種又は異種の水素原子、炭化水素基、
置換アミノ基、又は飽和複素環基であり、R8 及びR9
は一緒になって環を形成していてもよい。)
【0044】上記一般式〔II〕中、
【0045】
【化12】
【0046】で示される基は、夫々置換されていてもよ
い芳香族炭化水素基又は不飽和複素環基である。上記芳
香族炭化水素基を具体的に例示すると、ベンゼン環、ナ
フタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等のベ
ンゼン環1個またはその2〜4個の縮合環から誘導され
る2価の基が挙げられる。また、上記の芳香族炭化水素
基に水酸基、ニトロ基、シアノ基、フルオロアルキル
基、置換アミノ基、ハロゲ し、R12はアルキレン基又は−(O−R15 n−(但
し、R15はアルキレン基であり、nは正の整数であ
る。)であり、R13及びR14は、夫々同種又は異種のア 〕、フェニル基又はチェニル基、フリル基若しくはピロ
リル基等の複素環基が1個又は2個以上置換していても
よい。
【0047】また、
【化13】
【0048】で示される上記の不飽和複素環基として
は、酸素、イオウ、窒素原子を含む5員環、6員環また
はこれらにベンゼン環が縮合した複素環基が挙げられ
る。具体的には、ピリジン環、キノリン環、ピロール環
等の含窒素複素環;フラン環、ベンゾフラン環等の含酸
素複素環;チオフェン環、ベンゾチオフェン環等の含イ
オウ複素環等から誘導される2価の複素環基が挙げられ
る。さらに、これらの不飽和複素環基に、前記した芳香
族炭化水素基の説明で述べた置換基が置換した置換不飽
和複素環基も、本発明に於いて何ら制限なく採用され
る。
【0049】さらに、前記一般式〔II〕中、R8 ,R
9 ,R10及びR11で示される基は、夫々同種又は異種の
水素原子、炭化水素基、置換アミノ基又は飽和複素環基
である。
【0050】上記の炭化水素基は、既述のスピロオキサ
ジン化合物について説明した炭化水素基の他、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基等の
シクロアルキル基を採用することができる。
【0051】また、上記の置換アミノ基は、アミノ基の
少くとも一方の水素原子がアルキル基で置換された基が
好適である。上記のアルキル基としては、既述のスピロ
オキサジン化合物について説明したアルキル基を採用す
ることができる。
【0052】さらに、上記の飽和複素環基は、酸素、イ
オウ、窒素原子を含む5員環または6員環から誘導され
た1価の基を挙げることができる。具体的には、ピペリ
ジン環、ピロリジン環等の含窒素飽和複素環;オキソラ
ン環、オキサン環等の含酸素飽和複素環;チオラン環、
チアン環等の含イオウ飽和複素環;モルホリン環等の窒
素と酸素を含む飽和複素環等をあげることができる。
【0053】前記一般式〔II〕中、R8 及びR9 は、
一緒になって環を形成していてもよい。この場合の環
は、飽和炭化水素環が好適であり、シクロロアルカン、
ビシクロアルカン、トリシクロアルカンから誘導される
2価の基が特に好ましい。これらの基を具体的に例示す
ると、例えば、ノルボルニリデン基、ビシクロ〔3.
3.1〕9−ノニリデン基、アダマンチリデン基等を挙
げることができる。
【0054】また、上記した環に置換基が置換していて
もよい。
【0055】その置換基の具体例としては、例えば、ヒ
ドロキシ基;メチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の置
換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ
基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;ベンジルオキシ基
等の炭素数7〜15のアラルコキシ基;フェノキシ基、
1−ナフトキシ基等の炭素数6〜16のアリールオキシ
基;メチル基、エチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜
4の低級アルキル基;フッ素、塩素、シュウ素等のハロ
ゲン原子;シアノ基;カルボキシル基;エトキシカルボ
ニル基等の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基;
トリフルオロメチル基等の炭素数1または2のハロゲン
置換アルキル基;ニトロ基;フェニル基、トリル基等の
アリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル
プロピル基等のアラルキル基等が挙げられ、また、これ
らの置換基は1置換体として含まれるもののみならず、
2置換以上の複数個の置換基を有する多置換体として含
まれてもよく、さらには多置換体における置換基は同種
であっても、異種であっても何ら支障はなく、置換基の
位置については目的あるいは用途に応じて変えられる。
【0056】前記したクロメン又はその誘導体の中で
も、前記一般式〔II〕中の
【0057】
【化14】
【0058】が、二環以上の縮合環であることが発色濃
度が高いために好ましい。中でもクロメン誘導体の7,
8位に環が縮合した化合物がより好ましい。また、前記
一般式〔II〕において、R8 及びR9 が一緒になって
環を形成している場合は、クロメン誘導体の5,6位に
環が縮合した化合物も好適に用いられる。
【0059】本発明において好適に用い得るクロメン誘
導体を具体的に例示すれば、次のとおりである。
【0060】(1)スピロ〔ノルボルナン−2,2′−
〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン〕 (2)スピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9,
2′−〔2H〕ベンゾ〔f〕クロメン〕 (3)4′−メチルスピロ〔ビシクロ〔3.3.1〕ノ
ナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔f〕クロメン〕 (4)3′−メチルスピロ〔ノルボルナン−2,2′−
〔2H〕ベンゾ〔f〕クロメン〕 (5)2,2−ジメチル−7−オクトキシ〔2H〕ベン
ゾ〔h〕クロメン〕
【0061】(6)スピロ〔トリシクロ〔3.3.1.
3,7 〕デカン−2,2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロ
メン〕 (7)4′−ピペリジノスピロ〔ビシクロ〔3.3.
1〕ノナン−9,2′−〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメ
ン〕 (8)2,2−ジメチル−6−オクタデシル〔2H〕ベ
ンゾ−〔h〕クロメン (9)スピロ〔ノルボルナン−2,2′−〔2H〕ナフ
ト〔1,2−h〕クロメン〕 (10)2,2−ジメチル−7−(エチルチオヘキシル)
オキシ〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン
【0062】(11)6−クロロ−2,2−ジメチル−7
−(ジプロピルホスホノヘキシル)オキシ〔2H〕ベン
ゾ〔h〕クロメン (12)2,2−ジメチル〔2H〕ピリド〔2,3−h〕
クロメン (13)7−メトキシ−2,2−ジメチル〔2H〕ベンゾ
〔h〕クロメン (14)7−(ジエチルアミノオクチル)−2,2−ジメ
チル〔2H〕ベンゾ〔h〕クロメン
【0063】本発明においては、前記したスピロオキサ
ジン化合物と、クロメン又はその誘導体の混合割合は目
的とする色調に応じて任意に選択し得るが、ブラウン、
グレー、アンバー等の色調に調整するためには、一般に
はスピロオキサジン化合物100重量部に対して、クロ
メン又はその誘導体を1〜5,000重量部、好ましく
は5〜500重量部、さらに好ましくは10〜300重
量部とすることが好適である。
【0064】本発明のフォトクロミック組成物は、有機
溶媒中に分散させることにより、装飾等の用途に用い得
るフォトクロミック流体とすることができる。また、熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の重合体中に本発明のフォ
トクロミック組成物を分散させることにより、フォトク
ロミックガラスやフォトクロミックレンズ等の成形体を
得ることができる。
【0065】熱可塑性樹脂としては、スピロオキサジン
化合物及びクロメン又はその誘導体を均一に分散させ得
るものであればよく、光学的に好ましくは例えば、ポリ
アクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリスチレ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネー
ト等を挙げることができる。
【0066】本発明のフォトクロミック組成物の熱可塑
性樹脂中への分散は、熱可塑性樹脂の合成、即ち、重合
をフォトクロミック組成物の存在下に行なう方法、また
は熱可塑性樹脂とフォトクロミック組成物とを熱可塑性
樹脂の溶融温度以上で溶融混練する方法が挙げられる。
【0067】次に熱硬化性樹脂としては、エチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリ
レート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−
ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタク
リロイルオキシエトキシフェニル)プロパン等の多価ア
クリル酸及び多価メタクリル酸エステル化合物;ジアリ
ルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソ
フタレート、酒石酸ジアリル、エポキシコハク酸ジアリ
ル、ジアリルフマレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキ
サフタル酸ジアリル、ジアリルカーボネート、アリルジ
グリコールカーボネート、トリメチロールプロパントリ
アリルカーボネート等の多価アリル化合物;1,2−ビ
ス(メタクリロイルチオ)エタン、ビス(2−アクリロ
イルチオエチル)エーテル、1,4−ビス(メタクリロ
イルチオメチル)ベンゼン等の多価チオアクリル酸及び
多価チオメタクリル酸エステル化合物;ジビニルベンゼ
ン等のラジカル重合性多官能単量体の重合体をあげるこ
とができる。また、これらの各単量体とアクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステ
ル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等の
フマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベ
ンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート
等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合
物;スチレン、クロルスチレン、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、ブロモスチレン等のビニル化合物等のラ
ジカル重合性単官能単量体との共重合体があげられる。
【0068】さらにはエタンジチオール、プロパントリ
オール、ヘキサンジチオール、ペンタエリスリトールテ
トラキスチオグリコレート、ジ(2−メルカプトエチ
ル)エーテル等の多価チオール化合物と前記のラジカル
重合性多官能単量体との付加共重合体:ジフェニルエタ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート等の多価イソシアネート
化合物とエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等の多価
アルコール化合物又は前記した多価チオール化合物との
付加重合体等があげられる。これらの原料モノマーは1
種又は2種以上を混合して使用できる。
【0069】上記した熱硬化性樹脂中へのフォトクロミ
ック組成物の分散は、熱硬化性樹脂の原料モノマーとフ
ォトクロミック組成物とを混合したのちに重合する方法
が一般に採用される。
【0070】このような重合体に分散させる本発明のフ
ォトクロミック組成物の添加量は、該重合体100重量
部に対して0.001〜20重量部、好ましくは0.1
〜10重量部である。
【0071】
【効果】以上に説明したように、本発明のフォトクロミ
ック組成物は、太陽光もしくは水銀灯の光のような紫外
線を含む光で無色から着色した形態に変化し、その変化
が可逆的で優れた調光性を示している。また、本発明
は、スピロオキサジン化合物とクロメン又はその誘導体
とを併用することにより、グレー、ブラウン、アンバー
をはじめとする種々の中間色を容易に得ることに成功し
たものである。
【0072】従って、本発明のフォトクロミック組成物
は、広範囲の分野に利用でき、例えば、銀塩感光材料に
代る各種の記録記憶材、複写材料、印刷用感光体、陰極
線管用記録材料、レーザー用感光材料などの種々の記録
材料として利用できる。その他、本発明のフォトクロミ
ック組成物はフォトクロミックレンズ材料、光学フィル
ター材料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料
としても利用できる。
【0073】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例中の「部」は「重量部」である。
【0074】尚、以下の実施例における記号は次の化合
物を示す。
【0075】・BMDBP :2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン ・Cl−St :クロルスチレン ・TMP−TAC:トリメチロールプロパントリアリル
カーボネート ・BADBP :2,2−ビス(4−アリルカーボネ
ートエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン ・ADC :アリルジグリコールカーボネート
【0076】・DAP :ジアリルフタレート ・St :スチレン ・DCIPF :ジ(2−クロルイソプロピル)フマ
レート ・EGDMA :エチレングリコールジメタクリレー
ト ・PETTP :ペンタエリスリトールテトラキス
(β−チオプロピオネート)
【0077】・DME :ジ(2−メルカプトエ
チル)エーテル ・DVB :ジビニルベンゼン ・XIC :キシリレンジイソシアネート ・HPA :3−(2,4−ジブロモフェノキ
シ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート ・MMA :メチルメタクリレート
【0078】・DEGDMA :ジエチレングリコール
ジメタクリレート ・TBBM :3,4,5−トリブロモベンジルメ
タクリレート ・HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト ・BMA :ベンジルメタクリレート ・IPP :ジイソプロピルパーオキシカーボネ
ート ・パーブチルND:(日本油脂(株)製)t−ブチルパ
ーオキシ−2−ヘキサネート ・BPO :ベンゾイルパーオキサイド
【0079】製造例1
【0080】
【化15】
【0081】1.73g(0.01mol)と、
【0082】
【化16】
【0083】1.74g(0.01mol)とをエチル
アルコール100mlに溶解し、2時間還流した。反応
後、溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラフィ
ーで精製することにより、下記式のスピロオキサジン化
合物1.8gを得た。
【0084】
【化17】
【0085】この化合物の元素分析値は、C 76.5
8%、H 5.78%、N 12.75%、O 4.8
9%であって、C21193 Oに対するC 76.59
%、H 5.78%、N 12.77%、O 4.86
%に極めてよく一致した。
【0086】また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ6.58〜9.10ppm付近にキノ
リン環のプロトン、インドリン環のプロトン、オキサジ
ン環のプロトンに基づく10Hのスペクトル、δ3.2
6ppm付近に>N−CH3 結合のプロトンに基づく3
Hのスペクトル、δ1.35ppm付近にメチル基のプ
ロトンに基づく6Hのスペクトルを示した。
【0087】さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、δ100〜160ppm付近にインドリン
のベンゼン環、キノリン環およびオキサジン環の炭素に
基づくスペクトル、δ99ppm付近にスピロ炭素に基
づくスペクトル、20〜30ppm付近にメチル基の炭
素に基づくスペクトルを示した。
【0088】また、赤外吸収スペクトル(IR)を測定
したところ、1620cm-1付近にC=N結合、148
0cm-1付近に芳香族C−H結合、1250cm-1付近
にエーテル結合のスペクトル吸収が現れた。
【0089】上記の結果から単離生成物は、上記構造式
(1)で示される化合物であることを確認した。
【0090】製造例2 下記化合物
【0091】
【化18】
【0092】1.9g(0.01mol)と下記化合物
【0093】
【化19】
【0094】2.08g(0.01mol)とを、エチ
ルアルコール50mlに溶解し、2時間加熱還流した。
反応後、溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラ
フィーで精製することにより下記式のスピロオキサジン
化合物800mgを得た。
【0095】
【化20】
【0096】この化合物の元素分析値は、C 66.0
4%、H 4.43%、N 11.03%、O 4.2
4%、F 4.97%、Cl 9.29%であり、C21
173 OFClに対する計算値であるC 66.06
%、H 4.45%、N 11.01%、O 4.19
%、F 4.98%、Cl 9.31%に極めてよく一
致した。
【0097】また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ6.2〜9.1ppm付近にキノリン
環のプロトン、インドリン環のプロトン、およびオキサ
ジン環のプロトンに基づく8Hのスペクトル、δ3.4
ppm付近に>N−CH3 結合のプロトンに基づく3H
のスペクトル、δ1.32〜1.47ppm付近にメチ
ル基のプロトンに基づく6Hスペクトルを示した。
【0098】また、赤外吸収スペクトル(IR)を測定
したところ、1620cm-1付近にC=N結合、148
0cm-1付近に芳香族C−H結合、1250cm-1付近
にエーテル結合のスペクトル吸収が現れた。
【0099】上記の結果から単離精製物は、上記構造式
(2)で示される化合物であることを確認した。
【0100】製造例3〜27 製造例1〜2と同様にして表1に示したスピロオキサジ
ン化合物を合成した。
【0101】得られた生成物について、製造例1と同様
な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1に示
す構造式で示される化合物であることを確認した。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】また、以下の実施例で使用したクロメン誘
導体を表2に示した。
【0108】
【表6】
【0109】
【表7】
【0110】
【表8】
【0111】実施例1 2,2−ビス−(4−メタクリロイルオキシエトキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン60部、スチレン
40部からなる組成物にスピロオキサジン化合物(1)
を0.7部、クロメン誘導体(28)を0.2部、ラジ
カル重合開始剤としてパーブチルND1部を添加し、十
分に混合した。
【0112】この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体とから成るガスケットで構成された鋳型の
中へ注入し、注型重合を行った。重合は、空気炉を用
い、30℃から90℃で18時間かけ、徐々に温度を上
げて行き、90℃に2時間保持した。重合終了後、鋳型
を空気炉から取出し、放冷後、重合体を鋳型のガラスか
らとりはずした。
【0113】結果を表3に示した。
【0114】実施例2〜27 実施例1において、用いたスピロオキサジン化合物及び
クロメン誘導体の種類と量を変え、単量体に合わせて公
知の手段で重合を行った以外は実施例1と同様にした。
結果を表3に示した。
【0115】
【表9】
【0116】
【表10】
【0117】実施例28 2,2−ビス−(4−メタクリロイルオキシエトキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン60部、スチレン
40部からなる組成物にスピロオキサジン化合物(6)
を1部、クロメン誘導体(28)及びクロメン誘導体
(32)をそれぞれ0.5部、ラジカル重合開始剤とし
てパーブチルND1部を添加し、十分に混合した。
【0118】得られた混合液を実施例1と同様にして重
合して成形品を得た。
【0119】実施例29〜33 実施例28において用いたスピロオキサジン化合物、ク
ロメン誘導体の種類を変えた以外は全て実施例28と同
様にした。結果を表4に示した。
【0120】
【表11】
【0121】参考例 製造例1〜27で製造したスピロオキサジン化合物をポ
リメタクリル酸メチル中にベンゼンを用いて溶解分散さ
せ、スライドグラス(11.2×3.7cm)上でキャ
ストフィルムをつくった。このフィルム中に含まれる上
記化合物の濃度は、1.0×10-4mol/gに調整
し、厚みは0.1mmになるようにした。このフォトク
ロミックフィルムに東芝(株)製の水銀ランプSHL−
100を35±1℃で距離10cmで60秒間照射し、
このフィルムを発色させ、フォトクロミック特性を測定
した。フォトクロミック特性は次のようなもので表わし
た。結果を表5に示した。
【0122】最大吸収波長(λmax ):(株)日立製作
所製の分光光度計220Aより、この発色フィルムのλ
max (単位:nm)を求めた。
【0123】ε(60):最大吸収波長における、この
フィルムの上記条件下での光照射60秒後の吸光度。
【0124】ε(0):光照射時の最大吸収波長におけ
る、未照射フィルムの吸光度。
【0125】
【表12】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記式 【化1】 {但し、 【化2】 は、 【化3】 又は 【化4】 (但し、R7 は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基
    またはアルコキシ基である。)であり、R1 およびR2
    は、それぞれ同一または異なるアルキル基であり、ま
    た、これらが一緒になって環を形成していてもよく、R
    3 は、炭化水素基またはアルコキシカルボニルアルキル
    基であり、R4 およびR5 は、それぞれ同一または異な
    る水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ
    基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲノアルキル基、または
    アルコキシカルボニル基であり、R6 は、水素原子、ハ
    ロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。}
    で示されるスピロオキサジン化合物
    100重量部 (2)クロメン又はその誘導体 1〜5,
    000重量部 よりなることをを特徴とするフォトクロミック組成物。
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