JP2016169562A - 防草シート及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面での水溜まりを防止でき、雑草などの植物の生育も抑制できる防草シートを提供する。【解決手段】遮水層と短繊維不織布を含む保水層とを組み合わせて防草シートを作製する。前記短繊維不織布の見掛密度は0.04〜0.1g/cm3程度であってもよい。前記短繊維不織布の目付が10〜300g/m2程度であってもよい。防草シートの総厚みは2.5mm以下であってもよい。この防草シートを複数地面に敷設して植物の生育を抑制してもよく、特に、法面の傾斜方向に略垂直な方向の端部同士を積層し、かつ法面の下側の端部の上に法面の上側の端部を積層してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、地面(特に通水性を要求される道路や法面など)に雑草などの植物が生育するのを抑制するための防草シート及びその使用方法に関する。
道路(車道や歩道など)、線路、公園、農園、造林園又はこれらの周辺や、河川敷などにおいて、地面から雑草などの植物が生育するのを抑制する方法として、地面に防草シートを敷設する方法が知られている。防草シートは物理的(機械的)に植物の貫通を抑制するために敷設される側面も有しているが、雑草の生育力は特に強力であり、取り扱い性や施工性に優れた軟質な材料では雑草の生育を完全に抑制するのは困難である。そこで、防草シートには、植物の生育のメカニズムに基づいて生育を阻止する機能が付加されており、通常、遮光性や遮水性により雑草の生育を抑制する方法が知られている。
特開2009−138486号公報(特許文献1)には、遮光性、耐候性、機械的特性、不透水性、貫通防止性に優れた防草シートとして、両面が改質アスファルトで被覆された不織布などの基材層に対して、スレートチップなどの無機粒子を含む表面層と、二軸延伸ポリプロピレンシートで形成された裏面層とを備えた防草シートが開示されている。この文献には、シートの厚みは1〜10mm(特に好ましくは3〜5mm)の範囲が記載され、実施例では3〜4.5mmの範囲である。
しかし、この防草シートは、この防草シートは不透水性であるため、表面に水溜まりが発生し、水溜まりを避ける必要がある法面や歩道などの用途では使用できない。また、層構造が複雑で生産性が低い上に、厚みが大きく、可撓性も低いため、下地の形状に対する追随性も低く、不均一な表面形状を有する下地に対しては施工性が低下する。さらに、シート厚みが3〜5mmでは、単位面積当たりの重量が5kg/m程度となるため、施工性や経済性も低い。
通水性を有する防草シートとしては、特開2009−100670号公報(特許文献2)には、2枚の短繊維不織布と、これらの短繊維不織布間に介在させた合成樹脂層とで形成され、前記短繊維不織布の短繊維の端部を合成樹脂層に貫入させて微細な隙間を形成することにより、合成樹脂層内に水を浸透させ、透水性を付与した防草シートが開示されている。この文献には、不織布の厚みは1〜5mm、合成樹脂層の厚みは50〜300μmと記載され、実施例では、合計厚み2.64〜3.14mmの防草シートが製造されている。さらに、この文献の実施例では、目付200g/mの短繊維不織布が調製されており、短繊維不織布の見掛密度を目付と厚みから求めると、0.13〜0.17g/cmとなる。
しかし、この防草シートでは、通水性を有し、地面からの水蒸気により恒常的に保水されるためか、シートの表面で雑草が生育し易い。
特開2009−138486号公報(請求項1、段落[0012][0013][0074]、実施例) 特開2009−100670号公報(請求項1、段落[0008][0018][0022]、実施例)
従って、本発明の目的は、表面での水溜まりを防止でき、かつ雑草などの植物の生育も抑制できる防草シート及びその使用方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、薄肉かつ軽量であり、簡便な構造で生産性が高くても、植物の生育を抑制できる防草シート及びその使用方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、不均一な表面形状の地面であっても、高い追随性で施工できる防草シート及びその使用方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、ピンなどの固定具とシートとの間から植物が生育するのを抑制できる防草シート及びその使用方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、短繊維不織布を含む保水層と遮水層とを組み合わせた防草シートの遮水層を地面側に配設することにより、表面での水溜まりを防止でき、かつ雑草などの植物の生育も抑制(防草)できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の防草シートは、植物の生育を抑制するための防草シートであって、表面側に積層され、かつ短繊維不織布を含む保水層と、地面と接触する側に積層される遮水層とを含む。前記短繊維不織布の見掛密度は0.04〜0.1g/cm程度である。短繊維不織布の目付が10〜300g/m程度であってもよい。前記短繊維不織布は有機繊維を含んでいてもよい。前記短繊維不織布の平均繊維長は150mm以下であってもよい。前記遮水層の防水圧は1kPa以上であってもよい。前記遮水層の透湿度は2000g/(m・24時間)以下であってもよい。前記遮水層は、熱可塑性樹脂又はアスファルトを含んでいてもよい。前記遮水層は、さらに長繊維不織布を含んでいてもよい。前記遮水層の平均厚みは、前記保水層の平均厚みに対して0.01〜1倍程度であってもよい。本発明の防草シートの平均厚みは2.5mm以下であってもよい。
本発明には、前記防草シートを複数地面に敷設して植物の生育を抑制する防草シートの使用方法であって、隣接する防草シートの端部同士を積層する使用方法も含まれる。この使用方法において、地面は法面であってもよい。法面に対する使用方法では、法面の傾斜方向に略垂直な方向の端部同士を積層し、かつ法面の下側の端部の上に法面の上側の端部を積層してもよい。
本発明では、短繊維不織布を含む保水層と遮水層とを組み合わせた防草シートの遮水層を地面側に配設すると、表面での水溜まりを防止でき、かつ雑草などの植物の生育も抑制できる。特に、保水層は放水性にも優れるため、法面の傾斜方向に略垂直な方向の端部同士を積層し、かつ法面の下側の端部の上に法面の上側の端部を積層すれば、積層した端部間から容易に水を地面に流出できる。また、薄肉であっても、植物の生育を抑制できるとともに、薄肉であるため、可撓性にも優れ、不均一な表面形状の地面であっても、高い追随性で容易に施工できる。特に、保水層の短繊維の密度を低く調整すると、保水性及び放水性が向上する上に、乾燥し易いため、保水層での植物の生育を有効に抑制できるとともに、軽量性も向上できる。さらに、層構造も単純であるため、生産性も高い。また、遮水層をアスファルトで形成すると、ピンなどの固定具でシートを貫通させて固定しても、固定具とシートとの間から植物が生育するのも抑制できる。
本発明の防草シートは、表面側に積層され、かつ短繊維不織布を含む保水層と、地面と接触する側に積層される遮水層とを含む。
(保水層)
保水層は、防草シートの表面に水溜まりが生じるのを抑制するために、防草シートの表面に積層される。保水層は、保水性に優れるため、水平面では、水を吸収して水溜まりの発生を抑制できるとともに、法面(傾斜面)では勾配を利用して端部間の隙間から水を逃すことにより、水溜まりの発生を更に効果的に抑制できる。
このような保水層は、短繊維不織布を含む。短繊維不織布は、有機繊維、無機繊維のいずれで形成されていてもよい。
有機繊維としては、例えば、天然繊維(綿、カボック、麻などのセルロース繊維、羊毛や絹などのタンパク繊維など)、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなど)、半合成繊維(トリアセテート繊維などのアセテート繊維など)、合成繊維[ポリオレフィン繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維など)、スチレン系繊維、テトラフルオロエチレン系繊維、アクリル繊維、ビニルアルコール系繊維(エチレンビニルアルコール系繊維など)、ポリ塩化ビニル系繊維、フッ素繊維、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレンアリレート繊維、液晶ポリエステル繊維などの全芳香族ポリエステル繊維など)、ポリアミド繊維(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド繊維、アラミド繊維などの全芳香族ポリアミド繊維など)、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ベンゾエート繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、複素環高分子繊維など]などが挙げられる。これらの有機繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、活性炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、チラノ繊維、金属繊維(金繊維、銀繊維、銅繊維、スチール繊維、アルミニウム繊維、ステンレススチール繊維など)などが挙げられる。これらの無機繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、有機繊維と無機繊維とを組み合わせてもよい。これらの短繊維のうち、軽量性や柔軟性などに優れる点から、有機繊維が好ましく、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維などが汎用され、親水性や機械的特性などの点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維が特に好ましい。ポリエステル繊維は、耐久性に優れる上に、遮水層が熱可塑性樹脂やアスファルトなどの有機材料である場合、遮水層に対する補強効果も高い。
短繊維は、通常、紡績糸やモノフィラメントのカット糸であり、その横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
短繊維の平均繊度は、例えば0.1〜20dtex、好ましくは0.3〜10dtex、さらに好ましくは0.5〜5dtex程度であってもよい。繊度が小さすぎると、保水能が低下する虞があり、大きすぎても、保水能が低下するとともに、柔軟性が低下する虞がある。
短繊維の平均繊維長は150mm以下程度であればよく、例えば10〜150mm、好ましくは15〜100mm(例えば20〜80mm)、さらに好ましくは25〜70mm(特に30〜60mm)程度である。短繊維の繊維長が長すぎると、保水能や柔軟性が低下する虞があり、短すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
短繊維不織布の見掛密度は、例えば0.04〜0.1g/cm、好ましくは0.05〜0.09g/cm、さらに好ましくは0.06〜0.08g/cm程度である。密度が大きすぎると、保水能及び軽量性が低下するとともに、水の乾燥速度が低下して水溜まりが発生する虞がある。一方、密度が小さすぎても、保水能が低下するとともに、機械的特性が低下する虞がある。
短繊維不織布の目付は10〜1000g/m(特に30〜500g/m)程度の範囲から選択でき、例えば10〜300g/m(例えば30〜250g/m)、好ましくは50〜200g/m(例えば50〜180g/m)、さらに好ましくは80〜180g/m(特に100〜150g/m)程度である。目付が大きすぎると、水の乾燥速度が低下して蒸発が遅れるためか、防草性が低下する虞があり、小さすぎると、保水能が低下するとともに、機械的特性が低下する虞がある。
短繊維不織布(又は不織布を構成する繊維)は、染料や顔料などの着色剤を含んでいてもよく、用途に応じて、繊維内部に含有させたり、繊維表面に付着させることにより、所望の色彩を付与してもよい。
短繊維不織布(又は不織布を構成する繊維)は、さらに慣用の添加剤、例えば、安定剤(耐光安定剤、耐熱安定剤など)、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、防虫剤(防蟻剤など)、防腐剤(防カビ剤、抗菌剤など)などを含んでいてもよい。
短繊維不織布は、慣用の方法、例えば、前記繊維を含むウェブの形成工程と、ウェブの接着工程とを経て調製でき、具体的には、ステープル繊維などを用いたカード法、エアレイ法などの乾式法でウェブを形成した後、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンレース、ニードルパンチ、ステッチボンド法などによりウェブを接着してもよい。これらのうち、嵩高く、保水性や放水性に優れる不織布が得られる点から、ニードルパンチ法が好ましい。
保水層中の短繊維不織布の割合は50質量%以上であり、例えば60質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、通常、保水層は実質的に短繊維不織布のみ(100質量%)で形成されている。
保水層の平均厚みは、例えば0.5〜3mm、好ましくは0.6〜2.5mm(例えば0.7〜2.4mm)、さらに好ましくは0.8〜2.0mm(特に0.9〜1.8mm)程度である。保水層の厚みが薄すぎると、保水能が低下する虞があり、厚すぎると、軽量性や柔軟性が低下する虞がある。
(遮水層)
遮水層は、前記保水層に対して地面側に積層され、遮水能により、地面からの水蒸気の透過などを抑制できるためか、植物の生育を阻害できる。
遮水層は、高い遮水能を有しており、JIS L1092の耐水度試験に準拠した方法において、防水圧が、例えば1kPa以上(例えば1〜1000kPa)、好ましくは10kPa以上(例えば10〜500kPa)、さらに好ましくは15kPa以上(例えば15〜200kPa)程度である。防水圧が低すぎると、遮水性が低下する虞がある。
遮水層は、低い透湿度を有するのが好ましく、JIS K7129(A法)に準拠した方法において、透湿度が、例えば2000g/(m・24時間)以下[例えば1〜1000g/(m・24時間)]、好ましくは1000g/(m・24時間)以下[例えば1〜500g/(m・24時間)]、さらに好ましくは100g/(m・24時間)以下[特に1〜50g/(m・24時間)]程度である。透湿度が高すぎると、地面からの水蒸気の透過量が大きくなるため、防草性が低下する虞がある。
遮水層の平均厚みは、例えば0.01〜2mm、好ましくは0.02〜1mm(例えば0.025〜0.8mm)、さらに好ましくは0.025〜0.6mm(特に0.03〜0.55mm)程度である。遮水層の厚みが薄すぎると、遮水能が低下する虞があり、厚すぎると、軽量性や柔軟性が低下する虞がある。
さらに、遮水層の平均厚みは、保水層の平均厚みに対して、0.01〜1倍程度であってもよく、例えば0.012〜0.9倍、好ましくは0.015〜0.8倍、さらに好ましくは0.02〜0.6倍程度である。遮水層の厚み比が小さすぎると、遮水性が低下する虞があり、大きすぎると、軽量性や柔軟性が低下する虞がある。
遮水層は、遮水性を有していれば、特に限定されず、各種の無機材料(金属、ガラス、セラミックなど)及び有機材料(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムなど)を利用できる。これらのうち、強度や遮水性の点から、金属シート(アルミニウムシート、ステンレスシート、鉄シートなど)やセラミックシートなどの無機シートが好ましいが、軽量性や施工性などにも優れる点から、熱可塑性樹脂、アスファルトを含む遮水層が特に好ましい。
(1)熱可塑性樹脂を含む遮水層
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレンアリレート系樹脂、液晶ポリエステルなどの全芳香族ポリエステル系樹脂など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド系樹脂、アラミド樹脂などの全芳香族ポリアミド系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル型ウレタン系樹脂、ポリエーテル型ウレタン系樹脂など)などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、柔軟性や耐水性(疎水性)などの点から、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂やポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂)が好ましく、軽量性や施工性などの点から、ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体であってもよく、エチレン系共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、エチレン以外のα−オレフィン[例えば、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へプテン、1−オクテンなどのα−C3−10オレフィン(特にα−C3−6オレフィン)など]、有機酸ビニルエステル[例えば、酢酸ビニルなど]、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1−6アルキルエステルなど]、これらの組合せなどが例示できる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
エチレン系共重合体において、エチレンと共重合性単量体(例えば、エチレン以外のα−オレフィン)との割合(モル比)は、前者/後者=50/50〜99.9/0.1、好ましくは60/40〜99.5/0.5、さらに好ましくは70/30〜99/1程度である。
ポリエチレン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなど)、分岐鎖状ポリエチレン、アイオノマー、塩素化ポリエチレンなどであってもよい。
熱可塑性樹脂を含む遮水層は、植物の生育を阻害するために、さらに慣用の植物忌避剤(防根剤)を含んでいてもよい。慣用の植物忌避剤としては、例えば、フェノキシ系忌避剤、ウレア系忌避剤、有機リン系忌避剤、ジフェニルエーテル系忌避剤、トリアジン系忌避剤などが挙げられる。これらの忌避剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの忌避剤のうち、クロロトリルオキシプロピオン酸ポリグリコールエステルなどのフェノキシ系忌避剤が汎用される。植物忌避剤の割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部、さらに好ましくは3〜8質量部程度である。植物忌避剤の割合が少なすぎると、忌避効果が発現せず、多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
熱可塑性樹脂を含む遮水層は、慣用の添加剤を含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、安定剤(耐光安定剤、耐熱安定剤など)、充填剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤、発泡剤、消泡剤、防虫剤(防蟻剤など)、防腐剤(防カビ剤など)などが例示できる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の割合は、前記遮水層全体に対して50質量%以下、好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%程度である。
熱可塑性樹脂を含む遮水層は一軸又は二軸延伸シートであってもよい。また、多孔質層は、単層シートであってもよく、二層以上の積層シート(例えば、高密度ポリエチレン系樹脂で形成されたコア層の両面に低密度ポリエチレン系樹脂で形成された被覆層を積層した積層シートなど)であってもよい。積層シートの各層の厚み比は、各層が略同程度となる厚み比(例えば0.5〜1.5倍、好ましくは0.8〜1.2倍)であってもよい。
熱可塑性樹脂含む遮水層は、微多孔質層であってもよく、微多孔質層の細孔の平均径は100μm以下(例えば0.01〜50μm)程度の範囲から選択でき、例えば0.1〜15μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μm程度である。細孔径が大きすぎると、防草性が低下する虞がある。
熱可塑性樹脂を含む遮水層の平均厚みは、例えば10〜1000μm、好ましくは15〜500μm、さらに好ましくは20〜100μm(特に25〜50μm)程度であってもよい。さらに、熱可塑性樹脂を含む遮水層の平均厚みは、保水層の平均厚みに対して、0.01〜1倍程度であってもよく、例えば0.012〜0.5倍、好ましくは0.015〜0.3倍、さらに好ましくは0.02〜0.1倍(特に0.025〜0.05倍)程度である。
(2)アスファルトを含む遮水層
遮水層がアスファルトを含むと、アスファルトが遮光性を有するため、防草性をより向上できる。さらに、防草シートをピンなどの固定具でシートを貫通して固定しても、アスファルトの粘弾性により、固定具とシートとの隙間を埋めることができるため、固定具とシートとの間から植物が生育するのを抑制できる。
アスファルトとしては、例えば、天然アスファルト(レイクアスファルト、ロックアスファルト、オイルサンド、アスファルトタイトなど)、石油アスファルト(ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなど)などが挙げられる。これらのアスファルトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ストレートアスファルトなどの石油アスファルトなどが汎用される。
アスファルトの針入度(1/10mm)は、JIS K2207−1996に準拠した方法において、0〜300程度の範囲から選択でき、例えば5〜200、好ましくは10〜150、さらに好ましくは30〜100(特に50〜90)程度である。針入度が小さすぎると、遮水層の柔軟性が低下して不均一な地面に対する追随性が低下し易い。一方、針入度が大きすぎると、熱可塑性樹脂やアスファルト(又は保水層)に対する接着性が低下するとともに、弾性が低下するため、ピンなどの固定具とシートとの間から植物が生育する虞がある。
アスファルトは、改質剤と組み合わせることにより、改質アスファルトとして使用してもよい。改質剤には、有機系改質剤、無機系改質剤が含まれる。
有機系改質剤としては、例えば、ポリオレフィン、ビニル系重合体(ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、ポリアミド、ポリエステル、合成ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体など)、天然ゴム、ロジン系樹脂(天然ロジン、変性ロジンなど)などが挙げられる。これらの有機系改質剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機系改質剤のうち、熱可塑性エラストマー、特に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。
無機系改質剤としては、例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼などの金属粒子(粉末);酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、フェライト、酸化錫、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化銅、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粒子;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウムなどの金属塩粒子;製鋼スラグ、マイカ、クレー、タルク、ウォラストナイト、けい藻土、けい砂、軽石粉などの鉱物粒子;ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維などが挙げられる。これらの無機系改質剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機系改質剤のうち、鉄粒子、各種酸化鉄粒子、製鋼スラグ粒子、(重)炭酸カルシウム粒子などの粒子状改質剤が好ましい。粒子状改質剤の平均粒径は0.01〜0.5mm(特に0.05〜0.2mm)程度である。
有機系改質剤と無機系改質剤とは、接着性及び遮光性を向上させるために、両者を組み合わせて用いてもよい。本発明では、熱可塑性樹脂やアスファルト(又は保水層)に対する接着性を向上でき、防草シートを貫通させたピンなどの固定具との密着性を向上できる点から、少なくとも有機系改質剤を含むのが好ましい。
アスファルトと改質剤との割合は、例えば、アスファルト/改質剤=100/0〜30/70程度の範囲から選択でき、例えば99/1〜40/60、好ましくは98/2〜50/50、さらに好ましくは95/5〜60/40程度の範囲から選択できる。改質剤が有機系改質剤の場合は、両者の割合は、例えば、アスファルト/有機系改質剤=100/0〜70/30、好ましくは99/1〜80/20、さらに好ましくは95/5〜85/15程度である。改質剤の割合が少なすぎると、改質効果が発現せず、多すぎると、遮光性及び遮水性が低下する虞がある。
アスファルトを含む遮水層も、熱可塑性樹脂を含む遮水層と同様に、慣用の植物忌避剤及び添加剤をさらに含んでいてもよい。
アスファルトを含む遮水層の平均厚みは、例えば0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1mm、さらに好ましくは0.25〜0.8mm(特に0.3〜0.5mm)程度であってもよい。さらに、アスファルトを含む遮水層の平均厚みは、保水層の平均厚みに対して、0.05〜1倍程度であってもよく、例えば0.1〜0.8倍、好ましくは0.12〜0.5倍、さらに好ましくは0.15〜0.3倍程度である。
(3)長繊維不織布
前記熱可塑性樹脂又はアスファルトを含む遮水層は、さらに長繊維不織布を含んでいてもよい。長繊維不織布を熱可塑性樹脂やアスファルトと組み合わせると、遮水層の強度を向上でき、例えば、防草シートの上で生育する植物だけでなく、遮水層の下層から遮水層を貫通して伸長する植物の生育も抑制できる。すなわち、長繊維不織布は、見掛密度が大きく、繊維間の隙間が小さいため、緻密であるとともに、繊維の絡合による網目構造が強固である。そのため、防草シートの地面に接触する側に積層されることにより、植物の茎や根が防草シートと貫通するのを抑制できる。そのため、チガヤなどの突き上げる力の強い植物の防草に対しても有効である。さらに、長繊維不織布と組み合わせることにより、防草シートの機械的強度も向上し、例えば、踏まれる機会の多い場所に設置されても、耐久性を向上できる。長繊維不織布は、熱可塑性樹脂又はアスファルトで形成された層と積層構造を形成するのが好ましく、積層順序は限定されない。
長繊維不織布は、有機繊維、無機繊維のいずれで形成されていてもよく、有機繊維及び無機繊維としては、それぞれ、保水層の短繊維不織布の項で例示された有機繊維、無機繊維などが挙げられる。前記繊維のうち、有機繊維が好ましく、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維などが汎用され、親水性や機械的特性などの点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維が特に好ましい。
長繊維は、繊維の種類に応じて、紡績糸、モノフィラメント、マルチフィラメントなどであってもよく、その横断面形状(マルチフィラメントの場合、モノフィラメントの断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
長繊維の平均繊度(マルチフィラメントの場合、モノフィラメントの繊度)は、例えば0.1〜20dtex、好ましくは0.3〜10dtex、さらに好ましくは0.5〜5dtex程度であってもよい。繊度が小さすぎると、繊維構造の強度が低下し、植物が貫通し易くなり、大きすぎても、繊維構造の隙間が大きくなるため、植物が貫通し易くなるとともに、柔軟性も低下する虞がある。
長繊維の平均繊維長は150mmを超えていればよく、例えば200mm以上、好ましくは500mm以上、さらに好ましくは1000mm以上であり、無限長であってもよい。長繊維の繊維長が短すぎると、不織布の網目構造の強度(繊維間の結びつき)が低下し、植物が貫通し易くなるとともに、機械的特性が低下する虞がある。
長繊維不織布は、JIS L1096の破裂試験のB法に準拠した破裂強度が150N以上であってもよく、例えば150〜500N、好ましくは160〜400N、さらに好ましくは180〜300N程度である。破裂強度強さが小さすぎると、植物が防草シートを貫通し易くなる虞がある。
長繊維不織布の見掛密度は、0.1g/cmを超えており、例えば0.1〜0.6g/cm、好ましくは0.12〜0.5g/cm、さらに好ましくは0.15〜0.4g/cm程度である。密度が小さすぎると、繊維間の隙間が大きくなり、植物が貫通し易くなり、大きすぎると、軽量性が低下する虞がある。
長繊維不織布の目付は、例えば10〜500g/m、好ましくは20〜300g/m、さらに好ましくは50〜150g/m程度である。
長繊維不織布(又は不織布を構成する繊維)も、染料や顔料などの着色剤を含んでいてもよく、用途に応じて、繊維内部に含有させたり、繊維表面に付着させることにより、所望の色彩を付与してもよい。長繊維不織布(又は不織布を構成する繊維)も、短繊維不織布の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。
長繊維不織布は、慣用の方法、例えば、スパンボンド、メルトブロー、フラッシュ紡糸法などの直接紡糸法などにより製造できる。これらのうち、経済性などの点から、スパンボンド法で得られた不織布が汎用される。
長繊維不織布の厚みは、遮水層全体の厚みに対して5〜50%程度であってもよく、例えば8〜45%、好ましくは10〜40%、さらに好ましくは15〜35%程度である。長繊維不織布の厚み比が小さすぎると、機械的特性が低下する虞があり、大きすぎると、軽量性や柔軟性が低下する虞がある。
長繊維不織布は、遮水層中での形態は、特に限定されず、通常、熱可塑性樹脂又はアスファルトと一体化しており、長繊維不織布中に熱可塑性樹脂又はアスファルトを含む構造(含浸する構造)であってもよく、熱可塑性樹脂又はアスファルトで形成された層との積層構造であってもよい。
長繊維不織布と熱可塑性樹脂又はアスファルトとを一体化する方法としては、例えば、長繊維不織布の上に、熱可塑性樹脂又はアスファルトを融点又は軟化点以上の温度で加熱した状態で塗布する方法などを利用できる。塗布方法としては、慣用のコーティング法、例えば、バーコーティング法、スピンコーティング法、コンマコーティング法、ダイコーティング法、スプレーコーティング法などが挙げられる。
(防草シートの特性、製造方法及び使用方法)
本発明の防草シートは、前記保水層及び遮水層を具えていればよいが、薄肉性を損なわない範囲で、慣用の機能層、例えば、接着層、粘着層、忌避層などを備えていてもよい。
本発明の防草シートの平均厚み(総厚み)は10mm以下であってもよく、例えば1〜10mm、好ましくは1.2〜8mm、さらに好ましくは1.5〜5mm(特に1.8〜3mm)程度であってもよい。特に、本発明の防草シートの平均厚みは、前述のように、薄肉化しても植物の生育を抑制でき、例えば2.5mm以下であってもよく、例えば1〜2.5mm、好ましくは1.5〜2.3mm、さらに好ましくは1.8〜2.2mm(特に1.9〜2.1mm)程度であってもよい。
本発明の防草シートは、遮水層と保水層とを積層して得られるが、両層は、接着などにより一体化してもよい。一体化の方法としては、例えば、接着層を介して両層を接着する接着方法、保水層と溶融状態の遮水とを熱ラミネートする熱ラミネート方法などが挙げられる。
前者の接着方法では、接着層としては、慣用の接着剤や粘着剤、例えば、(メタ)アクリル系接着剤又は粘着剤、ポリエステル系接着剤又は粘着剤、ウレタン系接着剤又は粘着剤などで形成された接着層であってもよい。接着層の割合は、保水層100質量部に対して0.1〜50質量部(特に1〜30質量部)程度であってもよい。
後者の熱ラミネート方法では、例えば、遮水層の熱可塑性樹脂やアスファルトを熱融着可能な状態で保水層と接触して固化する方法であればよく、遮水層が長繊維不織布を含む場合は、長繊維不織布と熱ラミネートするとともに、熱可塑性樹脂又はアスファルトが冷却されて固化する前に保水層と熱ラミネートしてもよい。
得られた防草シートは、地面に敷設して使用され、単独で地面の上に敷設してもよいが、通常、複数の防草シートを組み合わせて地面に敷設される。複数の防草シートを組み合わせることにより、継ぎ目箇所から水を地面に流出できるため、防草シート表面での水溜まりの発生を防止できる。
さらに、複数の防草シートを組み合わせる場合、隣接する防草シート間の継ぎ目箇所からの植物の生育を防止するため、隣接する防草シートの端部同士を積層するのが好ましい。特に、地面が法面(傾斜面)である場合、法面の傾斜方向に略垂直な方向の端部同士を積層し、かつ法面の下側の端部の上に法面の上側の端部を積層するのが好ましい。このような態様で積層することにより、保水層に一時的に保水された水が水溜まりを形成することなく、効果的に地面に流出する。すなわち、保水層で保水された水は、保水層の優れた放水性により、重力に従って傾斜面に沿って流れ落ちるが、前記態様で積層することにより、水が端部間の隙間を通過して地面に吸収され易くなるためである。一方、法面の上側の端部の上に法面の下側の端部を積層すると、水分は端部同士の隙間を通過することなく、下側の防草シートに流れ落ち、最終的には、法面の下端から拡がる平坦部に水が流下する結果となる。なお、水平な地面であっても、施工段階で意図的に緩い勾配を形成することにより、効果的に水溜まりの発生を防止できる。
端部同士の積層幅(積層により重複する箇所の幅)は、例えば30mm以上であればよく、例えば40〜150mm、好ましくは60〜120mm、さらに好ましくは80〜100mm程度である。積層幅が小さすぎると、端部同士の継ぎ目から植物が生育し易くなる虞がある。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例で用いた材料、実施例における各物性値の測定方法を以下に示す。
[用いた材料]
ポリエステル短繊維不織布A:(株)ユニックス製「NAUSGフェルト」、見掛密度0.075g/cm、目付120g/m、平均厚み1.6mm
ポリエステル短繊維不織布B:(株)田中製「ニードフル防草シート」、見掛密度0.15g/cm、目付600g/m、平均厚み4mm、表面1mmが緑色で他の部分は黒色で通水性を有する不織布
ポリエステル長繊維不織布:HANIL SYNTHETIC FIBER社製「TC3100NT1C」、見掛密度0.31g/cm、目付100g/m、平均厚み0.32mm、破裂強度207N
遮水シートA:ポリエチレンフィルム[3層インフレーションフィルム、基材層(組成:直鎖状低密度ポリエチレン100重量部、厚み:総厚み−40μm)、被覆層(組成:直鎖状低密度ポリエチレン98重量部、耐候剤(東京インキ(株)製、「PEX UVT−54」HALS光安定剤)2重量部、厚み:20μm)]、総厚み60μm
遮水シートB:微多孔質ポリエチレンフィルム、(株)トクヤマ製「ポーラムPUS40」、厚み40μm
アスファルト:ストレートアスファルト、針入度60〜80、比重1.0kg/m
SBS共重合体:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、旭化成ケミカル(株)製「アサプレン432G」。
[平均厚み]
JIS K6250 10.1 A法に準拠して、直径5mm、質量20gの測定子を用いて測定した。
[防草性]
ポットに土壌を充てんした後、土壌上部を完全に覆うようにシートを敷設した。このシートの上に西洋芝の種子30粒を全体に均一に播種した。20日後にすべての植物の生育状況を確認した。評価は、発芽阻害性として「発芽率」、成長阻害性として「地上茎の長さmm」とし、評価基準を表1に示す。
Figure 2016169562
実施例1[保水層+遮水層(アスファルト+長繊維不織布)]
ポリエステル長繊維不織布の上に、ロールコーターを用いてアスファルト90質量部及びSBS共重合体10質量部を180℃で加熱混合した溶融混合物を塗布し、アスファルトが固化する前に、その上にさらにポリエステル短繊維不織布Aを貼り合せて、アスファルトを固化させ、防草シート(短繊維不織布1.6mm、アスファルト0.3mm、長繊維不織布0.32mm)を得た。
実施例2[保水層+遮水層(ポリエチレンフィルム)]
ポリエステル短繊維不織布A表面に粘着剤(昭和電工(株)製「PSA SE−6010」)を塗布・乾燥後、遮水シートAを貼り合せて防草シートを得た。
実施例3[保水層+遮水層(微多孔フィルム)]
ポリエステル短繊維不織布A表面に粘着剤(昭和電工(株)製「PSA SE−6010」)を塗布・乾燥後、遮水シートBを貼り合せて防草シートを得た。
比較例1
シートを敷設せずに、防草性を評価した。
比較例2(保水層単体)
ポリエステル短繊維不織布Aを防草シートとして用いた。
比較例3(保水層単体)
ポリエステル短繊維不織布Bを防草シートとして用いた。
実施例及び比較例について、防草性を評価した結果を表2に示す。
Figure 2016169562
遮水層を設けることにより、防草シート上に落種した場合でも、その発芽を抑制し、さらに発芽しても成長を阻害する効果が確認できた。
本発明の防草シートは、道路(車道や歩道など)、線路、公園、農園、造林園又はこれらの周辺や、河川敷などにおいて、地面から雑草などの植物が生育するのを抑制するための防草シートとして利用できる。

Claims (13)

  1. 植物の生育を抑制するための防草シートであって、表面側に積層され、かつ短繊維不織布を含む保水層と、地面と接触する側に積層される遮水層とを含む防草シート。
  2. 短繊維不織布の見掛密度が0.04〜0.1g/cmである請求項1記載の防草シート。
  3. 短繊維不織布の目付が10〜300g/mである請求項1又は2記載の防草シート。
  4. 短繊維不織布が有機繊維を含み、かつ平均繊維長が150mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の防草シート。
  5. 遮水層の防水圧が1kPa以上である請求項1〜4のいずれかに記載の防草シート。
  6. 遮水層の透湿度が2000g/(m・24時間)以下である請求項1〜5のいずれかに記載の防草シート。
  7. 遮水層が、熱可塑性樹脂又はアスファルトを含む請求項1〜6のいずれかに記載の防草シート。
  8. 遮水層が、さらに長繊維不織布を含む請求項7記載の防草シート。
  9. 遮水層の平均厚みが、保水層の平均厚みに対して0.01〜1倍である請求項1〜8のいずれかに記載の防草シート。
  10. 平均厚みが2.5mm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の防草シート。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の防草シートを複数地面に敷設して植物の生育を抑制する防草シートの使用方法であって、隣接する防草シートの端部同士を積層する使用方法。
  12. 地面が法面である請求項11記載の使用方法。
  13. 法面の傾斜方向に略垂直な方向の端部同士を積層し、かつ法面の下側の端部の上に法面の上側の端部を積層する請求項12記載の使用方法。
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