JP6381485B2 - 通水性防草シート並びに防草構造及びその施工方法 - Google Patents

通水性防草シート並びに防草構造及びその施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、地面(特に通水性を要求される道路や法面など)に雑草などの植物が生育するのを抑制するための通水性防草シート並びに防草構造及びその施工方法に関する。
道路(車道や歩道など)、線路、公園、農園、造林園又はこれらの周辺や、河川敷などにおいて、地面から雑草などの植物が生育するのを抑制する方法として、地面に防草シートを敷設する方法が知られている。防草シートは物理的(機械的)に植物の貫通を抑制するために敷設される側面も有しているが、雑草の生育力は特に強力であり、取り扱い性や施工性に優れた軟質な材料では雑草の生育を完全に抑制するのは困難である。そこで、防草シートには、植物の生育のメカニズムに基づいて生育を阻止する機能が付加されており、通常、遮光性や遮水性により雑草の生育を抑制する方法が知られている。しかし、法面を保護する場合などのように、場所によっては通水性が必要な用途もある。このような用途では、通常、遮光性を確保するために、厚み3mm以上の短繊維不織布が使用される。
通水性を有する防草シートとしては、特開2009−100670号公報(特許文献1)には、2枚の短繊維不織布と、これらの短繊維不織布間に介在させた合成樹脂層とで形成され、前記短繊維不織布の短繊維の端部を合成樹脂層に貫入させて微細な隙間を形成することにより、合成樹脂層内に水を浸透させ、透水性を付与した防草シートが開示されている。この文献には、前記短繊維不織布としてニードリングによって三次元交絡させた不織布が好ましいと記載されている。さらに、不織布の厚みは1〜5mm、合成樹脂層の厚みは50〜300μmと記載され、実施例では、合計厚み2.64〜3.14mmの防草シートが製造されている。
しかし、この防草シートでは、通水性を有し、地面からの水蒸気により恒常的に保水されるためか、シートの表面で雑草が生育する。さらに、防草シートの基材を短繊維不織布のみで構成する場合、繊維を絡みあわせて不織布を形成しているため、耐久性が低い。なお、このような短繊維不織布で形成された防草シートでは、通常、短繊維不織布を積層することにより遮光率を高めるため、厚みが4mm以上と厚くなり、施工する下地が均一でないので施工時の下地とのなじみが低下する。
特開平10−168730号公報(特許文献2)には、不織布の少なくとも表面にアスファルトを含有し、かつJIS L−1096の定速伸張形法に基づいた貫通抵抗力が80kgf以上である透水性不織布シートが開示されている。この文献の実施例では、ポリエステル長繊維からなるニードルパンチ不織布にアスファルト含浸させている。
しかし、このシートでも、通水性を有する上に、不織布の厚みムラを避けることができず、遮光性の低下により、シートを貫通して雑草が生育する。また、アスファルトは、通常、常温で粘稠性を有しており、シートの形態でロール状に巻回すると、ブロッキングが発生し、取り扱い性が低い。さらに、アスファルトが表面に位置するため、耐久性が低く、例えば3年以上使用すると、防草性が低下し易い。
特開2009−100670号公報(請求項1及び2、段落[0008][0014][0018][0022]、実施例) 特開平10−168730号公報(特許請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、通水性を有し、かつ雑草などの植物の生育も抑制できる防草シート並びに防草構造及びその施工方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ロール状に巻回してもブロッキングが発生せず、取り扱い性に優れた防草シート並びに防草構造及びその施工方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、長期間紫外線に照射されても劣化を抑制でき、耐久性に優れた通水性防草シート並びに防草構造及びその施工方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、薄肉かつ軽量であり、不均一な表面形状の地面であっても、高い追随性で施工できる防草シート並びに防草構造及びその施工方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、ピンなどの固定具とシートとの間から植物が生育するのを抑制できる防草シート並びに防草構造及びその施工方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、長繊維不織布にアスファルト及び離型剤を含浸させた基材層で防草シートを形成することにより、通水性を有し、かつ雑草などの植物の生育も抑制(防草)できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の防草シートは、植物の生育を抑制するための通水性防草シートであって、アスファルト、離型剤及び長繊維不織布を含む基材層を含む。前記離型剤はワックス類であってもよい。前記長繊維不織布は、目付30g/m以上であり、かつポリエステル繊維を含んでいてもよい。前記アスファルトは非改質アスファルトであってもよい。前記基材層の遮光率は99%以上であってもよい。前記基材層において、前記アスファルトと前記離型剤との質量割合は、アスファルト/離型剤=99/1〜50/50程度である。前記基材層において、アスファルト及び離型剤は長繊維不織布に含浸されていてもよい。前記アスファルト及び前記離型剤の合計割合は、長繊維不織布100質量部に対して70〜200質量部程度である。本発明の防草シートは、表面側に積層され、かつ短繊維不織布を含む補強層をさらに含んでいてもよい。前記短繊維不織布が、目付100〜300g/mであり、かつポリエステル繊維を含んでいてもよい。前記基材層と補強層とは、接着層を介して接合されていてもよく、ニードルパンチにより接合されていてもよい。前記基材層は植物忌避剤をさらに含んでいてもよい。
本発明には、防草シートと、この防草シートの上に積層され、かつ遮光粒子を含む遮光層とで形成された防草構造も含まれる。前記遮光層の平均厚みは10〜35mmであってもよい。前記遮光粒子は平均粒径3〜30mmの砂利であってもよい。
本発明には、前記防草シートを敷設した後、前記防草シートの上に遮光粒子を散布して遮光層を形成する防草構造の施工方法も含まれる。
本発明では、長繊維不織布にアスファルト及び離型剤を含浸させた基材層で防草シートが形成されているため、通水性を有し、かつ雑草などの植物の生育も抑制できる。さらに、前記基材層は、粘稠なアスファルトを含んでいるにも拘わらず、離型剤を含むため、防草シートをロール状に巻回してもブロッキングが発生せず、取り扱い性を向上できる。また、表面側に短繊維不織布を含む補強層をさらに積層すると、長期間紫外線に照射されても劣化を抑制でき、耐久性を向上できる。また、本発明の防草シートは、薄肉かつ軽量であるため、不均一な表面形状の地面であっても、高い追随性で施工できる。さらに、基材層がアスファルトを含むため、ピンなどの固定具とシートとの間から植物が生育するのを抑制できる。
[基材層]
本発明の防草シートは、植物の生育を抑制するための通水性防草シートであって、アスファルト、離型剤及び長繊維不織布を含む基材層を含む。
(アスファルト)
基材層がアスファルトを含むと、アスファルトが遮光性を有するため、防草性を向上できる。さらに、防草シートをピンなどの固定具でシートを貫通して固定しても、アスファルトの粘弾性により、固定具とシートとの隙間を埋めることができるため、固定具とシートとの間から植物が生育するのを抑制できる。
アスファルトとしては、例えば、天然アスファルト(レイクアスファルト、ロックアスファルト、オイルサンド、アスファルトタイトなど)、石油アスファルト(ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなど)などが挙げられる。これらのアスファルトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ストレートアスファルトなどの石油アスファルトなどが汎用される。
アスファルトの針入度(1/10mm)は、JIS K2207−1996に準拠した方法において、0〜300程度の範囲から選択でき、例えば10〜280、好ましくは50〜250、さらに好ましくは100〜230(特に150〜200)程度であってもよい。針入度が小さすぎると、基材層の柔軟性が低下して不均一な地面に対する追随性が低下し易い。一方、針入度が大きすぎると、弾性が低下するため、ピンなどの固定具とシートとの間から植物が生育する虞がある。
アスファルトは、改質剤と組み合わせることにより、改質アスファルトとして使用してもよい。改質剤には、有機系改質剤、無機系改質剤が含まれる。
有機系改質剤としては、例えば、ポリオレフィン、ビニル系重合体(ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、ポリアミド、ポリエステル、合成ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体など)、天然ゴム、ロジン系樹脂(天然ロジン、変性ロジンなど)などが挙げられる。これらの有機系改質剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機系改質剤のうち、熱可塑性エラストマー、特に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。
無機系改質剤としては、例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼などの金属粒子(粉末);酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、フェライト、酸化錫、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化銅、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粒子;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウムなどの金属塩粒子;製鋼スラグ、マイカ、クレー、タルク、ウォラストナイト、けい藻土、けい砂、軽石粉などの鉱物粒子;ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維などが挙げられる。これらの無機系改質剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機系改質剤のうち、鉄粒子、各種酸化鉄粒子、製鋼スラグ粒子、(重)炭酸カルシウム粒子などの粒子状改質剤が好ましい。粒子状改質剤の平均粒径は0.01〜0.5mm(特に0.05〜0.2mm)程度である。
有機系改質剤と無機系改質剤とは、接着性及び遮光性を向上させるために、両者を組み合わせて用いてもよい。本発明では、防草シートを貫通させたピンなどの固定具との密着性を向上できる点から、少なくとも有機系改質剤を含むのが好ましい。
アスファルトと改質剤との質量割合は、例えば、アスファルト/改質剤=100/0〜30/70程度の範囲から選択でき、例えば99/1〜40/60、好ましくは98/2〜50/50、さらに好ましくは95/5〜60/40程度の範囲から選択できる。改質剤が有機系改質剤の場合は、両者の質量割合は、例えば、アスファルト/有機系改質剤=100/0〜70/30、好ましくは99/1〜80/20、さらに好ましくは95/5〜85/15程度である。改質剤の割合が少なすぎると、改質効果が発現せず、多すぎると、遮光性及び遮水性が低下する虞がある。
これらのうち、取り扱い性や防草性を向上できる点から、非改質アスファルト、例えば、ストレートアスファルトなどの石油アスファルトが好ましい。
(離型剤)
本発明では、前記アスファルトを離型剤と組み合わせることにより、アスファルトの遮光性に加えて、基材層下部の土壌からの水分の蒸発(地面からの水蒸気の透過)及びそれに伴う養分の滲出を離型剤の撥水性により抑制できるためか、防草シート上での植物の生長を抑制できる。さらに、粘稠なアスファルトに対して離型性も付与でき、防草シートをロール状に巻回してもブロッキングを抑制できる。
離型剤としては、離型性及び撥水性を有する慣用の離型剤、例えば、シリコーン系化合物(例えば、シリコーンオイル、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、ポリオキシアルキレン単位を有するポリオルガノシロキサンなど)、高級脂肪酸又はその誘導体(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などの直鎖又は分岐鎖飽和C8−24脂肪酸;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ガトレン酸、アラキドン酸、エルカ酸などの直鎖又は分岐鎖不飽和C8−24脂肪酸;これらの高級脂肪酸に対応する脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸の脂肪族骨格を有する脂肪族アルコールなど)、ワックス類(例えば、カルナウバワックスなどの植物ロウ、羊毛ワックスなどの動物ロウ、パラフィン系ワックスなどのパラフィン類、ポリエチレンワックスなど)、フッ素含有化合物(例えば、フッ素オイル、ポリテトラフルオロエチレンなど)、鉱油などが挙げられる。
これらの離型剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの離型剤のうち、アスファルトとの混和性や耐久性などに優れる点から、ワックス類が好ましい。
ワックス類としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス(例えば、ポリエチレンワックス、エチレン共重合体ワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリC2−4オレフィン系ワックス、天然パラフィンや合成パラフィンなどのパラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(例えば、カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)などが挙げられる。
これらのワックス類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのワックス類のうち、耐久性などに優れる点から、ノルマルパラフィン(直鎖状炭化水素)、イソパラフィン、シクロパラフィンなどのパラフィン、ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス(特にノルマルパラフィン、ポリエチレンワックス)が好ましく、固形パラフィンが特に好ましい。
ワックス類の融点(又は軟化点)は40℃以上であってもよく、例えば40〜120℃、好ましくは45〜110℃、さらに好ましくは50〜105℃(特に60〜100℃)程度である。融点が低すぎると、アスファルトとの混和性及び耐久性が低下する虞があり、高すぎると、離型性が低下する虞がある。
ワックス類の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、1000以下(例えば100〜1000)であってもよく、例えば、200〜900、好ましくは300〜800、さらに好ましくは400〜700(特に450〜600)程度である。分子量が小さすぎると、アスファルトとの混和性及び耐久性が低下する虞があり、大きすぎると、離型性が低下する虞がある。
ワックス類の粘度(37.8℃)は200mm/秒以下(例えば1〜200mm/秒)であってもよく、例えば2〜150mm/秒、好ましくは3〜100mm/秒、さらに好ましくは5〜80mm/秒(特に10〜50mm/秒)程度である。粘度が小さすぎると、アスファルトとの混和性及び耐久性が低下する虞があり、大きすぎると、離型性が低下する虞がある。本発明では、粘度の測定方法は、JIS K5600−2−3に準拠して、コーンプレート型粘度計により測定できる。
アスファルトと離型剤との質量割合は、アスファルト/離型剤=99.5/0.5〜30/70程度の範囲から選択でき、例えば99/1〜50/50、好ましくは98.5/1.5〜70/30(例えば98/2〜80/20)、さらに好ましくは97.5/2.5〜90/10(特に97.5/2.5〜95/5)程度である。アスファルトの割合が多すぎると、ロール状に巻回したときにブロッキングが発生したり、防草性が低下する虞があり、少なすぎると、遮光性の低下により、防草性が低下する虞がある。
(長繊維不織布)
基材層は、アスファルト及び離型剤に加えて、さらに長繊維不織布を含む。長繊維不織布をアスファルト及び離型剤と組み合わせると、基材層の強度を向上でき、例えば、防草シートの上で生育する植物だけでなく、基材層下部から基材層を貫通して伸長する植物の生育も抑制できる。すなわち、長繊維不織布は、見掛密度が大きく、繊維間の隙間が小さいため、緻密であるとともに、繊維の絡合による網目構造が強固であるため、植物の茎や根が防草シートと貫通するのを抑制できる。そのため、チガヤなどの突き上げる力の強い植物の防草に対しても有効である。さらに、長繊維不織布と組み合わせることにより、防草シートの機械的強度も向上し、例えば、踏まれる機会の多い場所に設置されても、耐久性を向上できる。
長繊維不織布は、有機繊維、無機繊維のいずれで形成されていてもよい。
有機繊維としては、例えば、天然繊維(綿、カボック、麻などのセルロース繊維、羊毛や絹などのタンパク繊維など)、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなど)、半合成繊維(トリアセテート繊維などのアセテート繊維など)、合成繊維[ポリオレフィン繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維など)、スチレン系繊維、テトラフルオロエチレン系繊維、アクリル繊維、ビニルアルコール系繊維(エチレンビニルアルコール系繊維など)、ポリ塩化ビニル系繊維、フッ素繊維、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレンアリレート繊維、液晶ポリエステル繊維などの全芳香族ポリエステル繊維など)、ポリアミド繊維(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド繊維、アラミド繊維などの全芳香族ポリアミド繊維など)、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ベンゾエート繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、複素環高分子繊維など]などが挙げられる。これらの有機繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、活性炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、チラノ繊維、金属繊維(金繊維、銀繊維、銅繊維、スチール繊維、アルミニウム繊維、ステンレススチール繊維など)などが挙げられる。これらの無機繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、有機繊維と無機繊維とを組み合わせてもよい。これらの繊維のうち、軽量性や柔軟性などに優れる点から、有機繊維が好ましく、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維などが汎用され、親水性や機械的特性、耐久性などの点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維が特に好ましい。
長繊維は、繊維の種類に応じて、紡績糸、モノフィラメント、マルチフィラメントなどであってもよく、その横断面形状(マルチフィラメントの場合、モノフィラメントの断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
長繊維の平均繊度(マルチフィラメントの場合、モノフィラメントの繊度)は、例えば0.1〜20dtex、好ましくは0.3〜10dtex、さらに好ましくは0.5〜5dtex程度であってもよい。繊度が小さすぎると、繊維構造の強度が低下し、植物が貫通し易くなり、大きすぎても、繊維構造の隙間が大きくなるため、植物が貫通し易くなるとともに、柔軟性も低下する虞がある。
長繊維の平均繊維長は150mmを超えていればよく、例えば200mm以上、好ましくは500mm以上、さらに好ましくは1000mm以上であり、無限長であってもよい。長繊維の繊維長が短すぎると、不織布の網目構造の強度(繊維間の結びつき)が低下し、植物が貫通し易くなるとともに、機械的特性が低下する虞がある。
長繊維不織布は、JIS L1096の破裂試験のB法に準拠した破裂強度が150N以上であってもよく、例えば150〜500N、好ましくは160〜400N、さらに好ましくは180〜300N程度である。破裂強度強さが小さすぎると、植物が防草シートを貫通し易くなる虞がある。
長繊維不織布の見掛密度は0.1g/cmを超えており、例えば0.1〜0.6g/cm、好ましくは0.12〜0.5g/cm、さらに好ましくは0.15〜0.4g/cm程度である。密度が小さすぎると、繊維間の隙間が大きくなり、植物が貫通し易くなり、大きすぎると、軽量性が低下する虞がある。
長繊維不織布の目付は10g/m以上(特に30g/m以上)であり、例えば10〜500g/m、好ましくは30〜300g/m、さらに好ましくは50〜150g/m(特に70〜100g/m)程度である。目付が小さすぎると、遮光性が低下して防草性が低下する虞があり、大きすぎると、通水性や地面に対する追随性などが低下する虞がある。
長繊維不織布(又は不織布を構成する繊維)は、染料や顔料などの着色剤を含んでいてもよく、用途に応じて、繊維内部に含有させたり、繊維表面に付着させることにより、所望の色彩を付与してもよい。
長繊維不織布を構成する繊維は、さらに慣用の添加剤、例えば、安定剤(耐光安定剤、耐熱安定剤など)、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、植物忌避剤、防虫剤(防蟻剤など)、防腐剤(防カビ剤、抗菌剤など)などを含んでいてもよい。
長繊維不織布は、慣用の方法、例えば、スパンボンド、メルトブロー、フラッシュ紡糸法などの直接紡糸法などにより製造できる。これらのうち、経済性などの点から、スパンボンド法で得られた不織布が汎用される。
長繊維不織布は、基材層中での形態は、特に限定されず、通常、アスファルト及び離型剤と一体化しており、アスファルト及び離型剤で形成された層との積層構造であってもよいが、通水性や機械的特性に優れる点から、長繊維不織布中にアスファルト及び離型剤を含む構造(長繊維不織布にアスファルト及び離型剤が含浸している構造)が好ましい。
基材層中の長繊維不織布の割合は50質量%以上であり、例えば60質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上(特に95質量%以上)である。
長繊維不織布とアスファルト及び離型剤とを一体化する方法としては、例えば、長繊維不織布の上に、アスファルト及び離型剤をこれらの融点又は軟化点以上の温度で加熱した状態で含浸する方法などを利用できる。塗布方法としては、慣用のコーティング法、例えば、バーコーティング法、スピンコーティング法、コンマコーティング法、ダイコーティング法、スプレーコーティング法などが挙げられる。
(基材層の特性)
アスファルト及び離型剤の合計割合は、長繊維不織布100質量部に対して50〜500質量部程度の範囲から選択でき、例えば60〜300質量部、好ましくは70〜250質量部(例えば80〜200質量部)、さらに好ましくは90〜150質量部(特に100〜120質量部)程度である。アスファルト及び離型剤の合計割合が少なすぎると、遮光性や防草性が低下する虞があり、多すぎると、通水性が低下する虞がある。
基材層は、アスファルト、離型剤及び長繊維不織布に加えて、植物の生育(特に根の成長)を阻害するために、さらに慣用の植物忌避剤(防根剤)を含んでいてもよい。特にシート上面で発芽した場合でも、シート中に根が侵入するのを阻止することにより、植物の生育を抑制できる。慣用の植物忌避剤としては、例えば、フェノキシ系忌避剤、ウレア系忌避剤、有機リン系忌避剤、ジフェニルエーテル系忌避剤、トリアジン系忌避剤などが挙げられる。これらの忌避剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの忌避剤のうち、クロロトリルオキシプロピオン酸ポリグリコールエステルなどのフェノキシ系忌避剤が汎用される。植物忌避剤の割合は、アスファルト及び離型剤の合計100質量部に対して0.05〜50質量部、好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部程度である。植物忌避剤の割合が少なすぎると、忌避効果が発現せず、多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
基材層は、長繊維不織布の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の割合は基材層全体に対して10質量%以下(例えば0.01〜5質量%)程度である。
基材層の遮光率は90%以上であってもよく、例えば95%以上、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上(例えば99〜99.5%程度)であってもよい。遮光率が低すぎると、防草性が低下する虞がある。本発明では、遮光率は、JIS L1055「カーテンの遮光性試験方法A法」に準拠して測定でき、詳細には、後述の実施例に記載の方法で測定できる。
基材層の通水度は1×10−6m/秒以上であり、例えば1×10−6〜1×10−3m/秒、好ましくは5×10−6〜5×10−4m/秒、さらに好ましくは1×10−5〜1×10−4m/秒程度である。通水度が小さすぎると、通水性を要求される用途での使用が困難となる虞がある。
基材層は、撥水性に優れており、水接触角が105°以上であってもよく、例えば105〜150°、好ましくは110〜145°、さらに好ましくは115〜140°(特に115〜125°)程度であってもよい。水接触角が小さすぎると、撥水性が低くなり、防草性やロール状態での取り扱い性などが低下する虞がある。
基材層の平均厚みは、例えば0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mm、さらに好ましくは0.3〜1.2mm(特に0.5〜1mm)程度であってもよい。
[補強層]
本発明の防草シートは、前記基材層単独で形成してもよいが、遮光性及び防草性を向上できる点から、表面側(前記基材層の表面)に短繊維不織布を含む補強層を積層してもよい。
短繊維不織布は、有機繊維、無機繊維のいずれで形成されていてもよく、有機繊維及び無機繊維としては、それぞれ、基材層の長繊維不織布の項で例示された有機繊維、無機繊維などが挙げられる。前記繊維のうち、有機繊維が好ましく、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維などが汎用され、親水性や機械的特性などの点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維が特に好ましい。
短繊維は、通常、紡績糸やモノフィラメントのカット糸であり、その横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
短繊維の平均繊度は、例えば0.1〜20dtex、好ましくは0.3〜10dtex、さらに好ましくは0.5〜5dtex程度であってもよい。繊度が小さすぎると、遮光性が低下する虞があり、大きすぎても、遮光性が低下するとともに、柔軟性が低下する虞がある。
短繊維の平均繊維長は150mm以下程度であればよく、例えば10〜150mm、好ましくは15〜100mm(例えば20〜80mm)、さらに好ましくは25〜70mm(特に30〜60mm)程度である。短繊維の繊維長が長すぎると、柔軟性が低下する虞があり、短すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
短繊維不織布の見掛密度は、例えば0.04〜0.1g/cm、好ましくは0.05〜0.09g/cm、さらに好ましくは0.06〜0.08g/cm程度である。密度が大きすぎると、通水性及び軽量性が低下する虞があり、小さすぎると、遮光性が低下するとともに、機械的特性が低下する虞がある。
短繊維不織布の目付は10〜1000g/m(特に30〜800g/m)程度の範囲から選択でき、例えば50〜500g/m、好ましくは80〜400g/m、さらに好ましくは100〜300g/m(特に120〜200g/m)程度である。目付が大きすぎると、通水性及び柔軟性が低下する虞があり、小さすぎると、遮光性が低下するとともに、機械的特性も低下する虞がある。
短繊維不織布(又は不織布を構成する繊維)も、染料や顔料などの着色剤を含んでいてもよく、用途に応じて、繊維内部に含有させたり、繊維表面に付着させることにより、所望の色彩を付与してもよい。短繊維不織布を構成する繊維も、長繊維不織布の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。
短繊維不織布は、慣用の方法、例えば、前記繊維を含むウェブの形成工程と、ウェブの接着工程とを経て調製でき、具体的には、ステープル繊維などを用いたカード法、エアレイ法などの乾式法でウェブを形成した後、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンレース、ニードルパンチ、ステッチボンド法などによりウェブを接着してもよい。これらのうち、嵩高く、通水性に優れる不織布が得られる点から、ニードルパンチ法が好ましい。
補強層中の短繊維不織布の割合は50質量%以上であり、例えば60質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、通常、補強層は実質的に短繊維不織布のみ(100質量%)で形成されている。
補強層も、基材層の長繊維不織布の項で例示された慣用の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の割合は基材層全体に対して10質量%以下(例えば0.01〜5質量%)程度である。
補強層の平均厚みは、例えば0.5〜3mm、好ましくは0.6〜2.5mm、さらに好ましくは0.8〜2.0mm(特に1〜1.8mm)程度である。補強層平均厚みは、基材層の平均厚みに対して、例えば0.5〜10倍、好ましくは1〜5倍、さらに好ましくは1.2〜3倍(特に1.5〜2.5倍)程度である。補強層の厚みが薄すぎると、遮光性の向上効果が低下する虞があり、厚すぎると、通水性や軽量性、柔軟性が低下する虞がある。
[防草シートの特性及び製造方法]
本発明の防草シートは、前記基材層を含んでいればよく、前記基材層単独で形成されていえてもよく、前記基材層と前記補強層との積層体であってもよい。
本発明の防草シートが基材層と補強層との積層体である場合、両層は、接着や絡合などにより一体化してもよい。一体化の方法としては、例えば、接着層を介して両層を接合する接着方法、アスファルトが溶融状態の基材層と補強層とを熱ラミネートして接合する熱ラミネート法、両層をニードルパンチにより絡合させて接合するニードルパンチ法などが挙げられる。
接着法では、接着層としては、慣用の接着剤や粘着剤、例えば、アスファルト系接着剤、(メタ)アクリル系接着剤又は粘着剤、ポリエステル系接着剤又は粘着剤、ウレタン系接着剤又は粘着剤などで形成された接着層であってもよい。
これらのうち、基材層との接着性に優れ、遮光性も有する点から、アスファルト系接着剤が好ましい。アスファルト系接着剤としては、基材層の項で例示されたアスファルトなどが挙げられる。接着層におけるアスファルトの針入度は、例えば10〜200、好ましくは20〜150、さらに好ましくは30〜100(特に40〜90)程度であってもよい。さらに、アスファルト系接着剤は、基材層の項で例示された改質アスファルトであってもよく、スチレン−ジエン系共重合体などの有機系改質剤で改質された改質アスファルトが好ましい。
接着層の平均厚みは、例えば0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.7mm、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度である。接着層の厚みが薄すぎると、接着性が低下する虞があり、厚すぎると、通水性が低下する虞がある。
接着層は、両層の接触面に対して占める面積割合が80%以下(特に50%以下)であってもよく、例えば10〜70%、好ましくは15〜60%、さらに好ましくは20〜55%(特に30〜50%)程度である。接着層の占有面積が大きすぎると、通水性が低下する虞がある。
熱ラミネート法では、例えば、基材層のアスファルトを熱融着可能な状態で補強層と接触して固化する方法であればよく、アスファルトが冷却されて固化する前に補強層と熱ラミネートすることにより両層を一体化できる。
本発明の防草シートの平均厚み(総厚み)は0.1mm以上であってもよく、例えば0.1〜5mm、好ましくは0.2〜4mm、さらに好ましくは0.3〜3mm程度であってもよく、基材層と補強層との積層体の場合、例えば0.5〜5mm、好ましくは0.8〜4mm、さらに好ましくは1〜3mm程度である。
本発明の防草シートの通水度(透水係数)は1×10−6m/秒以上であり、例えば1×10−6〜1×10−3m/秒、好ましくは5×10−6〜5×10−4m/秒、さらに好ましくは1×10−5〜1×10−4m/秒程度である。通水度が小さすぎると、通水性を要求される用途での使用が困難となる虞がある。
本発明の防草シートの遮光率は90%以上、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上であってもよいが、補強層を備えた防草シートでは、100%であってもよい。遮光率が低すぎると、防草性が低下する虞がある。
本発明の防草シートは、前記基材層を備えていればよいが、薄肉性を損なわない範囲で、慣用の機能層、例えば、忌避層などを備えていてもよい。
[防草構造及びその施工方法]
得られた防草シートは、地面に敷設して使用され、単独で地面の上に敷設してもよいが、敷設した防草シートの上にさらに遮光粒子を含む遮光層を形成してもよい。防草シートの上に遮光層を形成すると、遮光性を向上でき、補強層を有さない防草シートであっても、100%の遮光率を実現できる。さらに、防草シートに対する重し(重石)の役割も果たし、防草シートを施工場所に強固に固定できる。
遮光粒子の材質は、光を透過しない材質(例えば、全光線透過率が0%の材質)で形成されていればよく、プラスチックなどの有機材料であってもよいが、遮光性及び比重が大きい点から、金属、セラミックス、鉱物などの無機材料が好ましく、砂利などの鉱物粒子が汎用される。
遮光粒子(特に砂利)の形状は、特に限定されず、例えば、略等方形状の粒状(略球状、略正方体状など)、略異方形状の粒状(楕円体状、略長方体状、不定形状など)などであってもよい。遮光粒子(特に砂利)の平均粒径(異方形状の場合、長径と短径との平均径)は、例えば3〜30mm、好ましくは5〜25mm、さらに好ましくは6〜20mm(特に8〜15mm)程度である。粒径が大きすぎると、通水性や取り扱い性が低下する虞があり、小さすぎると、風雨などにより飛散する虞がある。
遮光層は、長繊維不織布の項で例示された慣用の添加剤(例えば、植物忌避剤など)を含んでいてもよい。添加剤の割合は、遮光層全体に対して10質量%以下(例えば0.01〜5質量%)程度である。
遮光粒子(特に砂利)の割合は、遮光層全体において50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい(遮光層が遮光粒子単独で形成されていてもよい)。
遮光層の平均厚みは10mm以上(特に20mm以上)であってもよく、例えば10〜35mm、好ましくは15〜30mm、さらに好ましくは20〜25mm程度である。遮光層の厚みが薄すぎると、遮光性や重しの効果が低下する虞があり、厚すぎると、通水性や取り扱い性が低下する虞がある。本発明では、遮光層の平均厚みは、任意の10箇所の厚みを測定して算出する方法により求められる。
遮光層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、地面に敷設された防草シートの上に、遮光粒子を略均一に散布(敷設又は撒敷)する方法であってもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例で用いた材料、実施例における各物性値の測定方法を以下に示す。
[用いた材料]
ポリエステル長繊維不織布A:ポリエステル製スパンボンド不織布、東洋紡(株)製「品番6800P」
ポリエステル長繊維不織布B:ポリエステル製スパンボンド不織布、PT Multi Spunindo Jaya社製「品番ERHNW030」
ポリエステル短繊維不織布:(株)ユニックス製「NAUSGフェルト」、見掛密度0.075g/cm、平均厚み1.6mm、緑色
アスファルトA:ストレートアスファルト、針入度150〜200
アスファルトB:ストレートアスファルト、針入度60〜80
SBS共重合体:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、旭化成ケミカル(株)製「アサプレン432G」
固形パラフィン:ヤスハラケミカル(株)製「ネオワックスL」。
[平均厚み]
JIS K6250 10.1 A法に準拠して、直径5mm、質量20gの測定子を用いて測定した。
[遮光性試験]
JIS L1055「カーテンの遮光性試験方法A法」に準じ、遮光性試験機(インテック(株)製「LE−1」)を用いて測定した。
なお、比較例4及び5の遮光層は、試験台中央開口部に透明アクリル板(厚み2mm)を置き、基準となる照度を測定した。実施例4及び比較例6は、防草シートを敷設し、さらにその上に長さ100mmに切断した硬質ポリ塩化ビニル管(VP管、呼び径150)を載置し、周辺部からの光の侵入がないよう、管下部に目張りテープを貼った。その中に規定量の高さまで砂利を撒敷(散布)し、照度を測定し、遮光率を算出した。
[撥水性試験]
接触角測定装置(協和界面科学(株)製「DM−500」)を用いて、水接触角を測定した。
[通水性試験]
「擁壁用透水マット技術マニュアル」の付録「擁壁用透水マットの試験方法」の第1章の1−1A法に準拠し実施した。
[成長阻害性]
ポットに土壌を充填した後、西洋芝の種子30粒を全体に均一に播種した。さらに、種子を播種した土壌の上に、防草シート及び/又は砂利を敷設し、25℃の低温インキュベーター内で20日間静置し、その後、育成状況を評価した。なお、防草シートを敷設する場合、防草シートの上面にも種子を播種した。評価は成長阻害性として目視で確認できた草の本数を確認し、以下の基準で評価した。なお、シート下面の播種した試験体に関しては、上部の砂利を除去し、シートを貫通している草の本数を確認した。
○:0本(合格)
△:1〜10本(不合格)
×:11本以上(不合格)。
実施例1
目付80g/mのポリエステル長繊維不織布Aに、180℃に加熱して溶融させたアスファルトAと固形パラフィンとを、前者/後者=97/3の重量比で混合した組成物を80g/m浸透させて防草シート(基材層)を製造した。
実施例2
実施例1で得られた基材層の片面に、アスファルトBとSBS共重合体とを、前者/後者=90/10の重量比で混合した改質アスファルトを、塗布面積が基材層の片面全体に対して45%となるように、直径50mmの点状で塗布して、接着層を形成し、その上に、目付160g/mのポリエステル短繊維不織布を貼り合わせて防草シートを製造した。
実施例3
実施例1で得られた基材層の上に、直径約10mmの砂利を散布して厚み20mmの遮光層を形成した。
比較例1
目付80g/mのポリエステル長繊維不織布Aに、アスファルトAを80g/m浸透させて防草シート(基材層)を製造した。
比較例2
目付80g/mのポリエステル長繊維不織布Aの防草性を評価した。
比較例3
直径約10mmの砂利を散布して厚み20mmの遮光層を単独で形成した。
比較例4
直径約10mmの砂利を散布して厚み40mmの遮光層を単独で形成した。
比較例5
比較例1で得られた基材層の上に、直径約10mmの砂利を散布して厚み20mmの遮光層を形成した。
比較例6
防草シート及び遮光層を設けずに、防草性を評価した。
実施例及び比較例について、防草性を評価した結果を表1に示す。
Figure 0006381485
表1の結果から明らかなように、実施例では、防草性が優れるのに対して、比較例では、砂利を40mm積層しないと、防草性が発現しなかった。
本発明の防草シートは、道路(車道や中央分離帯、歩道など)、線路、公園、農園、造林園又はこれらの周辺や、河川敷などにおいて、地面から雑草などの植物が生育するのを抑制するための防草シートとして利用できる。

Claims (16)

  1. 植物の生育を抑制するための通水性防草シートであって、アスファルト、離型剤及び長繊維不織布を含む基材層を含む防草シート。
  2. 離型剤がワックス類である請求項1記載の防草シート。
  3. 長繊維不織布が、目付30g/m以上であり、かつポリエステル繊維を含む請求項1又は2記載の防草シート。
  4. アスファルトが非改質アスファルトである請求項1〜3のいずれかに記載の防草シート。
  5. 基材層の遮光率が99%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の防草シート。
  6. アスファルトと離型剤との質量割合が、アスファルト/離型剤=99/1〜50/50である請求項1〜5のいずれかに記載の防草シート。
  7. アスファルト及び離型剤が長繊維不織布に含浸されており、アスファルト及び離型剤の合計割合が、長繊維不織布100質量部に対して70〜200質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の防草シート。
  8. 表面側に積層され、かつ短繊維不織布を含む補強層をさらに含む請求項1〜7のいずれかに記載の防草シート。
  9. 短繊維不織布が、目付100〜300g/mであり、かつポリエステル繊維を含む請求項8記載の防草シート。
  10. 基材層と補強層とが、接着層を介して接合されている請求項8又は9記載の防草シート。
  11. 基材層と補強層とが、ニードルパンチにより接合されている請求項8又は9記載の防草シート。
  12. 基材層が植物忌避剤をさらに含む請求項1〜11のいずれかに記載の防草シート。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の防草シートと、この防草シートの上に積層され、かつ遮光粒子を含む遮光層とで形成された防草構造。
  14. 遮光層の平均厚みが10〜35mmである請求項13記載の防草構造。
  15. 遮光粒子が平均粒径3〜30mmの砂利である請求項13又は14記載の防草構造。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載の防草シートを敷設した後、前記防草シートの上に遮光粒子を散布して遮光層を形成する防草構造の施工方法。
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