JP2021090415A - 防草シートおよびその使用方法 - Google Patents

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金泥 秀紀
Hidenori Kindei
秀紀 金泥
正俊 杉原
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正俊 杉原
和嵩 野口
Kazutaka Noguchi
和嵩 野口
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Abstract

【課題】防草性と施工性とを両立できる防草シートを提供する。【解決手段】隣接するシートの端部同士を重ね合わせた状態で地面に複数枚並べて敷設することにより植物の生育を抑制するための防草シート1として、地面と接触可能な平滑防水層2の上に繊維層3を積層し、この繊維層3の上に粘着防水層4を積層し、この粘着防水層4の端部の上に剥離層5を積層し、前記粘着防水層4における前記端部以外の領域の上に遮光層6を積層する。【選択図】図1

Description

本発明は、地面に雑草などの植物が生育するのを抑制するための防草シートおよびその使用方法に関する。
道路(車道や歩道など)、線路、公園、農園、造林園またはこれらの周辺や、河川敷などにおいて、地面から雑草などの植物が生育するのを抑制する方法として、地面に防草シートを敷設する方法が知られている。例えば、防草性の高い汎用の防草シートとして、特開2009−138486号公報(特許文献1)には、(a)無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層および(e)合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した防草シートが開示されている。
このような防草シートは、複数枚を地面に敷設することにより施工されている。詳しくは、現状の施工方法では、隣接する防草シートの隙間から植物が生育しないように、隣接するシートの端部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部をバーナーであぶって接着させたり、現場で接着剤を塗工して接着している。いずれの方法においても、バーナーであぶる工程や接着剤を塗工する工程が必要であり、施工性が低い。さらに、バーナーを用いる方法では、火災なども懸念されていた。
これに対して、特開2004−33032号公報(特許文献2)には、柔軟性を有する帯状のシート本体からなり、前記シート本体片面の短手方向の一側縁部に沿って接着層を設け、前記シート本体の所定位置に固定具が挿通される複数の固定用孔を設けた防草シートが開示されている。この文献では、端部に形成された接着層を介して隣接する防草シートを接合することにより、シート同士の捲れ上がりによる隙間の発生を抑制している。前記防草シートとしては、ポリエチレンなどの合成樹脂で形成され、非透光性及び柔軟性を有する帯シートが記載されている。
特開2009−138486号公報 特開2004−33032号公報
しかし、特許文献2の防草シートでは、施工性と防草性とを両立できない。
なお、特許文献1の防草シートは、防草性には優れているものの、層構造が複雑で重量が大きいために、工程面だけでなく、軽量性が低い点からも、施工性が低い。
従って、本発明の目的は、防草性と施工性とを両立できる防草シートおよびその使用方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、軽量であり、かつ安全に施工できる防草シートおよびその使用方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、取り扱い性に優れる防草シートおよびその使用方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、地面と接触する側の平滑防水層の上に、繊維層および粘着防水層を順次積層し、この粘着防水層の端部の上に剥離層を積層し、かつ前記粘着防水層における前記端部以外の領域の上に遮光層を積層して防草シートを作製し、前記剥離層を剥離して隣接する防草シートの端部と重ね合わせることにより、防草性と施工性とを両立できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の防草シートは、
隣接するシートの端部同士を重ね合わせた状態で地面に複数枚並べて敷設することにより植物の生育を抑制するための防草シートであって、
地面と接触可能な平滑防水層と、
この平滑防水層の上に積層された繊維層と、
この繊維層の上に積層された粘着防水層と、
この粘着防水層の端部の上に積層された剥離層と、
前記粘着防水層における前記端部以外の領域の上に積層された遮光層とを含んでいてもよい。
前記粘着防水層はアスファルトを含んでいてもよい。前記粘着防水層は疎水性の植物忌避剤を含んでいてもよい。前記繊維層はアスファルトを含んでいてもよい。前記平滑防水層と前記繊維層との間に接着層が介在していてもよい。前記接着層は、アスファルトを含んでいてもよい。前記繊維層は目付90g/m以上の不織布であってもよい。前記不織布はポリエステル系長繊維不織布であってもよい。前記平滑防水層は合成樹脂を含んでいてもよい。前記遮光層は遮光粒子を含んでいてもよい。前記剥離層は、防草シートを並べる方向の一方の端部に形成されていてもよい。前記防草シートは、長尺状であり、かつ前記剥離層は一方の長尺状端部のみに形成されていてもよい。前記剥離層の平均幅は15cm以下であってもよい。
本発明には、前記防草シートを地面に複数枚並べて敷設することにより植物の生育を抑制する防草シートの使用方法であって、前記防草シートの剥離層を剥離し、その剥離面に隣接する防草シートの端部を重ね合わせて敷設する防草シートの使用方法も含まれる。
本発明では、地面と接触する側の平滑防水層の上に、繊維層および粘着防水層を順次積層し、この粘着防水層の端部の上に剥離層を積層し、かつ前記粘着防水層における前記端部以外の領域の上に遮光層を積層して防草シートが作製されているため、前記剥離層を剥離して隣接する防草シートの端部と重ね合わせるだけで、簡便かつ強固に端部同士を粘着させて固定できるため、防草性と施工性とを両立できる。また、層構造が単純で薄肉であるため、軽量である上に、剥離層を剥離して重ね合わせるだけで施工できる。そのため、バーナーを使用する必要がなく、安全かつ簡便に施工できる。さらに、地面との接触面が平滑であるため、土や砂が付着するのも抑制でき、取り扱い性も優れている。
図1は、本発明の防草シートの一例を示す概略断面図である。
[防草シート]
以下、本発明の防草シートについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の防草シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示す防草シート1は、地面と接触する側の平滑防水層2と、この平滑防水層2の上に積層された繊維層3と、この繊維層3の上に積層された粘着防水層4と、この粘着防水層4層の端部の上に積層された剥離層5と、前記粘着防水層4における前記端部以外の領域の上に積層された遮光層6とで形成されており、比較的単純な層構造であるにも拘わらず、防草性に優れており、前記繊維層3や前記粘着防水層4の材質を調整することなどにより、防草性をさらに向上できる。なお、本発明の防草シートの他の例としては、前記平滑防水層2と前記繊維層3との間に、さらに接着層を介在させた防草シートも挙げられ、接着層を介在させることにより、平滑防水層と繊維層との接着強度をより向上できる。防草シートの形状は、正方形や長方形などの四角形状であってもよいが、施工性のなどの点から、長尺状が好ましい。
本発明の防草シートは、植物の生育を抑制するために、地面に複数枚並べて敷設して使用され、防草性を向上させるために、隣接するシート間では、端部同士を重ね合わせて敷設される。本発明の防草シートでは、前記剥離層5を積層した領域が、隣接する防草シートの端部を重ね合わせて固定するための重ね合わせ端部(ジョイント部)を形成し、前記剥離層5を剥離した剥離面に隣接する防草シートの端部を重ね合わせることにより、容易に端部同士を固定できるため、安全かつ簡便に敷設でき、施工性を向上できる。
重ね合わせ端部を形成するための剥離層は、防草シートを並べる方向の一方の端部に形成されている。すなわち、対向する端部の一方の端部に形成され、他方の端部には剥離層は形成されない。複数枚の防草シートが敷設された状態では、第1の防草シートにおいて剥離層が剥離され、粘着防水層が露出した端部の上に、隣接する第2の防草シートの剥離層が形成されていない端部が積層された形態(第1の防草シートの粘着防水層と第2の防草シートの平滑防水層とが接触する状態)となる。
剥離層の形状は、本発明の防草シートの敷設方法に応じて選択でき、長尺状の防草シートをシートの幅方向に複数枚並べて敷設する場合は、一方の長尺状端部のみに重ね合わせ端部を形成してもよく、防草シートを縦横方向に複数枚並べて敷設する場合は、隣接する2つの端部のみに重ね合わせ端部を形成してもよい。
本発明では、特定の層構造を有する防草シートの粘着防水層を利用して端部同士を固定するため、剥離層の幅が小さくても、充分に固定でき、軽量性を向上できるとともに、ジョイント部からの水の侵入などを抑制できるため、防草性も向上できる。そのため、剥離層の平均幅は15cm以下であってもよく、好ましくは1〜13cm、さらに好ましくは3〜12cm、より好ましくは4〜11cm、最も好ましくは5〜10cmである。重ね合わせ端部の幅が大きくなると、施工性が低下する虞がある。
剥離層の長さは、端部の長さ方向全体(全長)の50%以上の長さであればよいが、防草性を向上できる点から、端部の長さ方向全体に剥離層が形成されているのが好ましい。
(平滑防水層)
平滑防水層(または防水層)は、地面と接触する側に形成され、表面が平滑であるため、隣接する防草シートの剥離層の剥離面である粘着防水層との接着性に優れており、防草性を向上できる。特に、平滑防水層により防草シート下の地面から水分が吸収されるのを抑制できるため、粘着防水層の防水効果と合わせて防草シート上に水分や土壌養分が染み出すのを抑制できることに加えて、水分による繊維層の劣化も防止できる。さらに、表面が平滑であるため、砂や土が付着するのも抑制でき、取り扱い性も向上できる。
平滑防水層は、表面が平滑であり、かつ防水性を有していればよく、有機材料、無機材料のいずれの材料で形成されていてもよいが、軽量で防水性に優れる点から、合成樹脂を含む材料で形成するのが好ましい。
合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニルアルコール系繊樹脂(エチレンビニルアルコール系樹脂など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレン−アリレート系樹脂、液晶ポリエステル樹脂などの全芳香族ポリエステル系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド系樹脂、アラミド樹脂などの全芳香族ポリアミド系樹脂など)、ポリウレタンなどが挙げられる。これらの合成樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、繊維層および粘着防水層との密着性、防水性、防草性のバランスに優れる点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレン−アリレート系樹脂が好ましい。
平滑防水層中の合成樹脂の割合は、50質量%以上であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
合成樹脂を含む平滑防水層は、添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、安定剤(耐光安定剤、耐熱安定剤など)、着色剤、充填剤、可塑剤、滑剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、分散剤、植物忌避剤(防根剤)、防虫剤(防蟻剤など)、防腐剤(防カビ剤など)などが例示できる。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の割合は、合成樹脂100質量部に対して50質量部以下であってもよく、好ましくは0.01〜30質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。
平滑防水層の表面(地面と接触する面)は、平滑であり、算術平均粗さRaは20μm以下であり、例えば1〜20μm、好ましくは3〜18μm、さらに好ましくは5〜15μmである。Raが大きすぎると、粘着防水層との密着性が低下する虞がある。
平滑防水層の表面(地面と接触する面)の最大高さRzは100μm以下であり、例えば5〜100μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは30〜70μmである。Rzが大きすぎると、粘着防水層との密着性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、算術平均粗さRaおよび最大高さRzは、JIS B 0601に準拠した方法で測定でき、詳細には後述する実施例に記載の方法で測定できる。
平滑防水層の平均厚みは、100μm以下であってもよく、例えば1〜100μm、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm、より好ましくは6〜20μm、最も好ましくは8〜15μmである。
(繊維層)
繊維層は、繊維構造体で形成されており、防草シートに防水性および機械的強度を付与できるとともに、防草シートの地面に対する追従性も向上できる。
繊維構造体を構成する繊維としては、例えば、天然繊維(綿、麻などのセルロース繊維など)、再生繊維(レーヨンなど)、半合成繊維(セルロースエステル繊維など)、合成繊維[ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維など)、スチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系繊維、アクリル系繊維、ビニルアルコール系繊維(エチレンビニルアルコール系繊維など)、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリC2−4アルキレン−アリレート系繊維、液晶ポリエステル繊維などの全芳香族ポリエステル系繊維など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド系繊維、アラミド繊維などの全芳香族ポリアミド系繊維など)、ポリウレタン系繊維など]、無機繊維(炭素繊維やガラス繊維など)などが例示できる。前記合成繊維は、異種の樹脂成分を組み合わせた複合繊維であってもよい。これらの繊維は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの繊維のうち、ポリオレフィン系繊維やポリエステル系繊維などの合成繊維や無機繊維などが汎用されるが、紫外線に対する耐光性などの点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリC2−4アルキレン−アリレート系繊維が好ましい。
繊維構造体には、織布、編布、不織布、ネット、紙などが含まれる。繊維構造体は、これらの複合体(積層体)であってもよい。これらのうち、機械的特性などの点から、不織布が好ましい。
繊維構造体を構成する繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
繊維の平均繊度は、例えば0.1〜20dtex、好ましくは0.3〜10dtex、さらに好ましくは0.5〜5dtexであってもよい。繊度が小さすぎると、機械的特性が低下する虞があり、大きすぎると、柔軟性が低下する虞がある。
繊維は、短繊維であってもよいが、繊維層の機械的特性を向上でき、地面から防草シートを貫通して植物が成長するのを抑制できる点から、長繊維が好ましい。
長繊維の平均繊維長は、150mmを超えてもよく、例えば200mm以上、好ましくは500mm以上、さらに好ましくは1000mm以上であり、無限長であってもよい。長繊維不織布は、慣用の方法、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法などの直接紡糸法などにより製造できる。これらのうち、経済性などの点から、スパンボンド法で得られた不織布が汎用される。
繊維構造体(特に、長繊維不織布などの不織布)の見掛密度は、例えば0.05〜0.2g/cm、好ましくは0.07〜0.18g/cm、さらに好ましくは0.1〜0.15g/cm、より好ましくは0.11〜0.14g/cmである。密度が大きすぎると、柔軟性が低下する虞があり、密度が小さすぎると、粘着防水層が浸み込んで繊維層が劣化し易く、防草性や機械的特性も低下する虞がある。
繊維構造体(特に、長繊維不織布などの不織布)の目付は10〜1000g/m程度の範囲から選択できるが、50g/m以上(特に90g/m以上)が好ましく、さらに好ましくは100〜300g/m、より好ましくは110〜200g/m、最も好ましくは130〜170g/mである。目付が大きすぎると、軽量性が低下する虞があり、小さすぎると、防草性や機械的特性が低下する虞がある。
繊維構造体は、防水性を高め、平滑防水層と粘着防水層との接合強度を向上できる点から、構造体内部の繊維間に粘着成分としてのアスファルトを含んでいてもよい。すなわち、繊維構造体にはアスファルトが含浸していてもよい。
アスファルトとしては、例えば、天然アスファルト(レイクアスファルト、ロックアスファルト、オイルサンド、アスファルトタイトなど)、石油アスファルト(ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなど)などが挙げられる。これらのアスファルトは単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ストレートアスファルトなどの石油アスファルトなどが汎用される。
アスファルトの針入度(1/10mm)は、特に限定されないが、JIS K2207−1996に準拠した方法において、0〜300程度の範囲から選択でき、例えば10〜280、好ましくは20〜250、さらに好ましくは60〜200程度である。
前記アスファルトは、改質剤と組み合わせることにより、改質アスファルト(アスファルト系粘着剤)として使用してもよい。改質剤には、有機系改質剤、無機系改質剤が含まれる。
有機系改質剤としては、例えば、ポリオレフィン、ビニル系重合体(例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、ポリアミド、ポリエステル、合成ゴムまたはエラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体など)、天然ゴム、粘着付与剤(例えば、テルペン樹脂、天然ロジンや変性ロジンなどのロジン樹脂、石油樹脂、変性オレフィン重合体など)、油脂類(例えば、ナフテン系原料油など)などが挙げられる。これらの有機系改質剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機系改質剤のうち、熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、油脂類が好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系共重合体が特に好ましい。
無機系改質剤としては、例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼などの金属粒子(粉末);酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、フェライト、酸化錫、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化銅、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粒子;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウムなどの金属塩粒子;製鋼スラグ、スレートチップ、マイカ、クレー、タルク、ウォラストナイト、けい藻土、けい砂、軽石粉、シリカバルーン、ガラスバルーン、シラスバルーンなどの鉱物粒子;ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維などが挙げられる。これらの無機系改質剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機系改質剤のうち、鉄粒子、各種酸化鉄粒子、製鋼スラグ粒子、タルク、(重)炭酸カルシウム粒子などの粒子状改質剤が好ましい。粒子状改質剤の平均粒径は0.01〜0.5mm(特に0.05〜0.2mm)である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて体積基準で測定された中心粒径(D50)を意味する。
有機系改質剤と無機系改質剤とは、接着性および遮水性を向上させるために、両者を組み合わせて用いてもよい。本発明では、接着性を向上できる点から、少なくとも有機系改質剤を含むのが好ましい。
アスファルトと改質剤との質量割合は、例えば、アスファルト/改質剤=100/0〜30/70程度の範囲から選択でき、例えば99/1〜40/60、好ましくは98/2〜50/50、さらに好ましくは95/5〜60/40程度の範囲から選択できる。改質剤が有機系改質剤である場合は、両者の質量割合は、例えば、アスファルト/有機系改質剤=100/0〜70/30、好ましくは99/1〜80/20、さらに好ましくは95/5〜85/15程度である。改質剤の割合が少なすぎると、改質効果が発現せず、多すぎると、粘性が上がり加工が困難となる上に、経済性も低下する虞がある。
有機系改質剤と無機系改質剤とを組み合わせる場合、両者の質量割合は、例えば、有機系改質剤/無機系改質剤=99/1〜1/99程度の範囲から選択でき、例えば90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは70/30〜30/70である。
改質剤で改質された改質アスファルトの針入度(1/10mm)は、0〜100程度の範囲から選択でき、例えば5〜80、好ましくは10〜50、さらに好ましくは20〜30程度である。
アスファルトの割合は、繊維構造体100質量部に対して、例えば10〜300質量部、好ましくは30〜200質量部、さらに好ましくは50〜150質量部である。
繊維構造体は、防草性を向上できる点から、構造体内部の繊維間や繊維内部に慣用の植物忌避剤(防根剤)を含んでいてもよい。慣用の植物忌避剤としては、例えば、フェノキシ系忌避剤、ウレア系忌避剤、アミノ酸系忌避剤、有機リン系忌避剤、ジフェニルエーテル系忌避剤、トリアジン系忌避剤などが挙げられる。これらの忌避剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの植物忌避剤のうち、植物に対する忌避作用に加えて、アスファルトと組み合わせた場合に層間の接着強度を向上できる点から、疎水性の植物忌避剤が好ましく、疎水性のフェノキシ系忌避剤が特に好ましい。疎水性の植物忌避剤は、繊維間においてアスファルトと組み合わせて存在するのが好ましい。
疎水性のフェノキシ系忌避剤としては、例えば、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸などのジクロロフェノキシ脂肪酸;2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロピオン酸ポリグリコールエステル(クロロトリルオキシプロピオン酸ポリグリコールエステル)などの2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)脂肪酸ポリグリコールエステルなどが挙げられる。これらのうち、クロロトリルオキシプロピオン酸ポリグリコールエステルなどのクロロトリルオキシC2−4脂肪酸ポリグリコールエステルが好ましい。
植物忌避剤の割合は、繊維構造体100質量部に対して、10質量部以下(例えば0.1〜10質量部程度)、好ましくは5質量部以下(例えば0.5〜5質量部程度)、さらに好ましくは2質量部以下である。植物忌避剤の割合が多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
アスファルトと植物忌避剤とを組み合わせる場合、植物忌避剤の割合は、アスファルト100質量部に対して10質量部以下(例えば0.1〜10質量部程度)、好ましくは5質量部以下(例えば0.5〜5質量部程度)、さらに好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。植物忌避剤の割合が多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
繊維構造体には、繊維構造体内部の全体領域において、粘着成分としてのアスファルトが含浸していてもよく、繊維構造体の一部の領域において、アスファルトが含浸していてもよい。一部の領域にアスファルトが含浸している場合、粘着防水層との境界領域において、粘着防水層由来のアスファルトが含浸していてもよい。
繊維構造体は、繊維内部や繊維間、繊維表面に添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、前記平滑防水層の項で例示された添加剤(植物忌避剤を除く)を利用できる。前記添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の割合は、繊維構造体に対して50質量%以下、好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
繊維層の平均厚みは、例えば0.3〜3mm、好ましくは0.5〜2.5mm、さらに好ましくは0.7〜2mm、より好ましくは0.8〜1.5mmである。
粘着防水層との境界領域に粘着成分が含浸している場合、繊維層において、粘着成分が含浸した領域の平均厚みは、繊維層全体の平均厚みに対して、例えば2〜35%、好ましくは3〜25%、さらに好ましくは4〜8%である。粘着成分が含浸した領域の平均厚みの割合が小さすぎると、繊維層が粘着防水層から剥離し易くなる虞があり、大きすぎると、繊維層が劣化し易くなる虞がある。
(接着層)
平滑防止層と繊維層との間には、両層の接着強度を向上させるために、接着層が介在していてもよい。
接着層は、接着成分として、慣用の接着剤や粘着剤を含んでいてもよい。慣用の接着剤や粘着剤としては、例えば、オレフィン系接着剤または粘着剤、(メタ)アクリル系接着剤または粘着剤、ポリエステル系接着剤または粘着剤、ウレタン系接着剤または粘着剤、エポキシ系接着剤、アスファルト系接着剤または粘着剤、ゴム系粘着剤などが挙げられる。これらの接着成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらの接着成分のうち、(メタ)アクリル系接着剤または粘着剤、アスファルト系接着剤または粘着剤が好ましく、接着強度を向上できる点から、アスファルト系接着剤または粘着剤が特に好ましい。
アスファルト系接着剤または粘着剤としては、前記繊維層の項で例示されたアスファルトを利用でき、好ましい態様および改質アスファルトの種類も前記繊維層のアスファルトと同一である。
接着層中の接着成分(特に、アスファルト)の割合は、70質量%以上(例えば70〜99質量%)であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
接着層は、接着成分に加えて、植物忌避剤(防根剤)をさらに含んでいてもよい。植物忌避剤としては、前記繊維層の項で例示された植物忌避剤を利用でき、好ましい態様も前記繊維層の植物忌避剤と同一である。すなわち、接着層の植物忌避剤も、繊維層と同様に、疎水性の植物忌避剤は、植物忌避性だけでなく、接着強度の点から、アスファルトと組み合わせるのが好ましい。
植物忌避剤の割合は、接着成分(特に、アスファルト)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜3質量部、より好ましくは0.5〜1.5質量部である。植物忌避剤の割合が少なすぎると、忌避効果が発現せず、接着力も向上しない虞があり、多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
接着層は、添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、前記平滑防水層の項で例示された添加剤(植物忌避剤を除く)を利用できる。前記添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の割合は、接着層中30質量%以下、好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
接着層の平均厚みは、例えば0.3〜3mm、好ましくは0.5〜2mm、さらに好ましくは0.7〜1.5mm、より好ましくは0.8〜1.2mmである。
(粘着防水層)
粘着防水層(または粘着層)は、防草シートに防水性を付与するとともに、前記繊維層および後述する遮光層と一体化して防草シートの機械的特性を向上できるとともに、隣接する防草シートの端部を重ね合わせるだけで容易に端部同士を接着でき、防草シートの施工性も向上できる。
粘着防水層は、防水性を向上できるとともに、繊維層および遮光層と一体化でき、隣接する防草シートの平滑防水層に接着するために、粘着成分としてアスファルトを含むのが好ましい。
アスファルトとしては、前記繊維層の項で例示されたアスファルトを利用でき、好ましい態様および改質アスファルトの種類も前記繊維層の項で例示されたアスファルトと同一である。
粘着防水層中のアスファルトの割合は、70質量%以上(例えば70〜99質量%)であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
粘着防水層は、粘着成分としてのアスファルトに加えて、植物忌避剤(防根剤)をさらに含んでいてもよい。植物忌避剤としては、前記繊維層の項で例示された植物忌避剤を利用でき、好ましい態様も前記繊維層の植物忌避剤と同一である。すなわち、粘着防水層の植物忌避剤も、繊維層と同様に、疎水性の植物忌避剤は、植物忌避性だけでなく、接着強度の点から、アスファルトと組み合わせるのが好ましい。
植物忌避剤の割合は、アスファルト100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜3質量部、より好ましくは0.5〜1.5質量部である。植物忌避剤の割合が少なすぎると、忌避効果が発現せず、接着強度も向上しない虞があり、多すぎると、機械的特性が低下する虞がある。
粘着防水層は、粘着成分の特性を損なわない範囲であれば、前記平滑防水層の添加剤として例示された添加剤(植物忌避剤を除く)を含んでいてもよい。添加剤の割合は、粘着防水層に対して30質量%以下、好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%程度である。
粘着防水層の平均厚みは0.2mm以上(例えば0.2〜3mm程度)の範囲から選択でき、例えば0.3〜2mm、好ましくは0.4〜1.8mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mm、最も好ましくは0.8〜1.2mmである。粘着防水層の厚みが薄すぎると、防水性および接着力が低下する虞がある。
(剥離層)
剥離層は、防草シートの施工時に剥離されることにより、防草シートの表面に前記粘着防水層を露出させ、隣接する防草シートの端部と重ね合わせて接着するために形成される。
剥離層は、防草シートを施工するとき、粘着防水層から容易に剥離するため、剥離剤を含んでいる。剥離剤としては、例えば、シリコーン系化合物(例えば、シリコーンオイル、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、ポリオキシアルキレン単位を有するポリオルガノシロキサンなど)、高級脂肪酸またはその塩、高級脂肪酸エステル、ワックス類(例えば、カルナウバワックスなどの植物ロウ、羊毛ワックスなどの動物ロウ、パラフィンワックスなどのパラフィン類、ポリエチレンワックスなど)、フッ素含有化合物(例えば、フッ素オイル、ポリテトラフルオロエチレンなど)、鉱油などが挙げられる。これらの剥離剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの剥離剤のうち、シリコーン系化合物が好ましい。
剥離層は、剥離剤を含む単層であってもよいが、通常、基材層と剥離剤で形成された剥離剤層とを含む積層体である。基材層としては、例えば、紙類(上質紙、グラシン紙、クラフト紙など)、プラスチックフィルム(ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムなど)などが挙げられる。積層体は、剥離剤が基材層に染み込むのを防止するために、基材層と剥離剤層との間に、目止め層をさらに含んでいてもよい。目止め層は、ポリエチレンなどのポリオレフィンや、ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系樹脂で形成されていてもよい。剥離層が積層体である場合、剥離剤層を粘着防水層と接触させて、本発明の防草シートを調製できる。
剥離層としては、基材層と剥離剤層とを含む積層体として市販されている剥離シートを利用できる。
剥離層の平均厚みは、例えば0.01〜0.2mm、好ましくは0.01〜0.15mm、さらに好ましくは0.01〜0.1mmである。
(遮光層)
遮光層は、防草シートに遮光性を付与して防草性を向上できる。また、遮光層は、防草シートに対する重し(重石)の役割も果たし、防草シートを施工場所に簡便に固定できる。
遮光層は、遮光性を有していれば特に限定されず、金属シートやセラミックスシートなどで形成されていてもよいが、耐久性、施工性などの点から、遮光粒子を含むのが好ましい。
遮光粒子の材質は、光を透過しない材質(例えば、全光線透過率が0%の材質)であればよく、プラスチックなどの有機材料であってもよいが、遮光性および比重が大きい点から、金属、セラミックス、鉱物などの無機材料が好ましい。
無機材料で形成された粒子としては、前記粘着防水層の無機系改質剤として例示された金属粒子、金属酸化物粒子、金属塩粒子、鉱物粒子などが挙げられる。これらの粒子は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、スレートチップ、けい砂、軽石粉などの鉱物粒子が好ましい。
さらに、防草シートを固定できる程度の軽量性と防草性と両立させるために、軽石粉などの比重が小さい低比重粒子(例えば、嵩比重2g/cm未満、好ましくは嵩比重1〜1.8g/cm、さらに好ましくは1.3〜1.7g/cm程度の粒子)と、けい砂などの比重が大きい高比重粒子(例えば、嵩比重2g/cm以上、好ましくは嵩比重2〜5g/cm、さらに好ましくは2.2〜3g/cm程度の粒子)とを組み合わせてもよく、例えば、スレートチップおよび/またはけい砂と、軽石粉との組み合わせが好ましい。低比重粒子と高比重粒子との質量比は、前者/後者=99/1〜1/99、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは70/30〜30/70程度である。
遮光粒子の形状は、特に限定されず、例えば、略等方形状の粒状(略球状、略正方体状など)、略異方形状の粒状(楕円体状、略長方体状、不定形状など)などであってもよい。
遮光粒子の平均粒径(異方形状の場合、長径と短径との平均径)は10mm以下であってもよく、例えば0.05〜5mm、好ましくは0.1〜3mm、さらに好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは1〜2mm、最も好ましくは1.2〜1.5mmである。粒径が大きすぎると、取り扱い性が低下する虞があり、小さすぎると、風雨などにより飛散する虞がある。
遮光粒子を含む遮光層は、粘着防水層の粘着成分の滲出を抑制するために、遮光粒子に加えて、樹脂成分として、(メタ)アクリル系重合体や繊維層の項で例示された有機系改質剤をさらに含んでいてもよい。前記樹脂成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。前記樹脂成分のうち、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などのスチレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。樹脂成分の割合は、遮光粒子100質量部に対して10質量部以下(例えば0.01〜5質量部)である。
遮光層は、平滑防水層の項で例示された添加剤(例えば、植物忌避剤など)をさらに含んでいてもよい。添加剤の割合は、遮光層全体に対して10質量%以下(例えば0.01〜5質量%)である。
遮光粒子の割合は、遮光層全体において50質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい(遮光層が遮光粒子単独で形成されていてもよい)。
遮光層の平均厚みは10mm以下であってもよく、例えば0.05〜5mm、好ましくは0.1〜3mm、さらに好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは1〜2mm、最も好ましくは1.2〜1.5mmである。遮光層の厚みが薄すぎると、遮光性や重しの効果が低下する虞があり、厚すぎると、取り扱い性が低下する虞がある。本発明では、遮光層の平均厚みは、任意の10箇所の厚みを測定して算出する方法により求められる。
[防草シートの製造方法および使用方法]
本発明の防草シートは、繊維層の両面に各層を積層することにより製造できるが、例えば、粘着防水層用組成物が高粘度である場合、粘着防水層用組成物を加熱して粘度を低下させた状態で繊維層の一方の面に塗布した後、塗布した粘着防水層用組成物の上に、遮光層および剥離層を積層することにより製造してもよい。
粘着防水層の粘着成分がアスファルトを含む場合、粘着防水層用組成物の粘度を低下させるための加熱温度は、例えば80〜250℃、好ましくは120〜240℃、さらに好ましくは150〜200℃、最も好ましくは160〜180℃である。
粘着防水層用組成物の塗布方法としては、慣用のコーティング法、例えば、バーコーティング法、スピンコーティング法、コンマコーティング法、ダイコーティング法、スプレーコーティング法などが挙げられる。
また、繊維層がアスファルトを含む場合、コーティングロールなどを用いて、繊維層を形成するための繊維構造体にアスファルトを含浸させるとともに、アスファルト量を調整することにより、余剰のアスファルトによって粘着防水層を同時に形成してもよい。
遮光層が遮光粒子を含む場合は、遮光層の形成方法は、例えば、加熱された粘着防水層用組成物の上に、遮光粒子を略均一に散布(敷設または撒敷)する方法であってもよい。
繊維層の他方の面に平滑防水層を積層する方法としては、表面平滑層の材質に応じて適宜慣用の方法を利用でき、合成樹脂を含む場合は、例えば、溶媒に溶解させた溶液をコーティングする方法、溶融状態の合成樹脂を熱ラミネートする方法、合成樹脂フィルムを加熱して熱圧着する方法、接着層を介在させて接着する方法などが挙げられる。
さらに、防草シートが接着層を含む場合、接着層は、繊維層の他方の面に塗布する方法で形成してもよい。さらに、接着層がアスファルトを含み、かつ繊維層もアスファルトを含む場合は、前述のように、繊維構造体にアスファルトを含浸させることにより、余剰のアスファルトによって、粘着防水層とともに接着層を形成してもよい。
得られた防草シートは、使用目的に応じて、形態を選択でき、長尺状の防草シートをロール状に巻回したロール体として利用してもよく、各層を積層して得られた防草シートを巻回することなく、そのままシート状で使用してもよい。
本発明の防草シートは、雑草などの植物の生育を抑制するために、端部同士を重ね合わせた状態で地面に複数枚並べて敷設して使用される。詳しくは、防草シートの剥離層を剥離し、その剥離面に隣接する防草シートの端部を重ね合わせて敷設するため、剥離層が剥離されて露出した粘着性を有する粘着防水層と、表面が平滑で接着性の高い平滑防水層とが接触して一体化する。そのため、隣接する端部同士が強固に接着し、簡便な施工性で、重ね合わせ部の捲れ上がりを防止できる。さらに、必要に応じて、慣用の固定具を用いて、より強固に固定してもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例で使用した材料の詳細は以下の通りであり、実施例の評価は以下に示す方法により測定した。
[使用材料]
ポリエステル長繊維不織布A:東洋紡(株)製「7157P」、目付158g/m、厚み0.78mm、密度0.20g/cm
ポリエステル長繊維不織布B:東洋紡(株)製「7119P」、目付110g/m、厚み0.7mm、密度0.167g/cm
けい砂:新東陶料(株)製「シントーカラーサンド」、中心粒径1.20〜1.50mm
剥離フィルム:王子エフテックス(株)製「30RL−02」
平滑防水フィルム:王子エフテックス(株)製「12DL−07」、PETフィルム、厚み12μm
粘着防水層用組成物:針入度20〜30の改質アスファルト
アスファルト系粘着剤:100質量部のストレートアスファルト60〜80に、スチレン−ブタジエン共重合体30質量部、粘着付与剤10質量部、プロセス油30質量部を均一に混合した組成物
12%改質アスファルト:100質量部のストレートアスファルト60〜80に、スチレン−ブタジエン共重合体15質量部を均一に混合した組成物
アクリル系接着剤:昭和電工(株)製「ポリゾールAP−609LN」
、アクリル系エマルジョン。
実施例1
ポリエステル長繊維不織布Aの一方の面に、平滑防水フィルムを接触させて重ね合わせ、熱圧着により貼り合わせて積層シートを得た。
得られた積層シートにおいて、ポリエステル長繊維不織布Aの他方の面に、粘着防水層用組成物を、粘着防水層(不織布に染み込んだ組成物を除いた層)の厚みが1.1mmとなるように、ダイコーターを用いて温度100℃で塗布し、粘着防水層の縦方向の幅110mmの端部に幅110mmの剥離フィルムを貼り合わせ、剥離フィルムを貼り合わせていない粘着防水層の上には、けい砂を130g/mの量で撒敷し、防草シートを得た。得られた防草シートの平滑防水フィルム側の表面について、JIS B 0601に準拠し、表面粗さ計((株)東京精密製「サーフコム1400D」)を用いて、表面形状を測定したところ、算術平均粗さRaは11.08μmであり、最大高さRzは61.37μmであった。
比較例1
比較例1としては、平滑防水フィルム自体を防草シートとして用いた。
比較例2
ポリエステル長繊維不織布Aの一方の面に、アスファルト系粘着剤を厚み0.2mmで塗布し、塗布面に剥離フィルムを貼り合わせて積層シートを得た。
得られた積層シートにおいて、ポリエステル長繊維不織布Aの他方の面に、粘着防水層用組成物を、粘着防水層(不織布に染み込んだ組成物を除いた層)の厚みが1.1mmとなるように、ダイコーターを用いて温度100℃で塗布し、粘着防水層の上に、けい砂を130g/mの量で撒敷し、防草シートを得た。得られた防草シートの表面(けい砂を撒敷して形成した遮光層の表面)について、JIS B 0601に準拠し、表面粗さ計((株)東京精密製「サーフコム1400D」)を用いて、表面形状を測定したところ、算術平均粗さRaは23.77μmであり、最大高さRzは169.03μmであった。
[接合強度の評価]
実施例1で得られた防草シートを300mm(長手方向)×125mm(幅方向)に切断したシートを2枚用意し、第1の防草シートの剥離層を剥離し、50mm幅で第2の防草シートの平滑防水層の端部と重ねて接合させ、標準状態(温度20℃、湿度51%)で24時間養生した。養生終了後、300mm(長手方向)×200mm(幅方向)のシートを長手方向と直交する方向に以下のように切断した。すなわち、両端25mmを除いて、長手方向を5等分に切断し、幅50mmの試験体を5個作製した。
試験体の幅は、接合部の3箇所を0.1mm単位まで測定し、平均値を求めた。掴み間隔が100mmになるように試験体を引張試験機((株)島津製作所製「AG−X plus」)に取り付け、速度100mm/分で試験片が破断するまで引っ張り、最大荷重を求めた。接合強度は、下記式に基づいて算出した。
T(接合強度N/cm)=P(最大荷重N)/W(試験体の幅cm)
実施例1の防草シートは、いずれも接合強度30N/cm以上であり、良好な接合強度を示した。
[防水性の評価]
実施例1および比較例1〜2のシートを70mm角に2枚ずつ切り分けて試験片とし、厚み12mmの合板の上で、2枚のシートの端部を30mm幅で重ね合わせ、内径30mmのポリ塩化ビニル製パイプをシートの上に開口端をシート面に接触させて立て、パイプとシートとの隙間から水が染み出さないようにシールした。詳しくは、ポリ塩化ビニル製パイプの開口部の中心が、重ね合わせた上側シート端に位置するように、ポリ塩化ビニル製パイプを立設した。また、実施例1の防草シートについては、剥離層を剥離した剥離面で、隣接する試験片の平滑防水層の端部と重ね合わせて接合した。さらに、比較例2の防草シートについては、隣接する試験片と重ね合わせる幅のみ剥離フィルムを切断して剥離し、その剥離面と、隣接する試験片の遮光層の端部とを重ね合わせて接合した。このように立設したパイプの上側開口部から、インクを加えて撹拌した水を30mmの水頭まで注水して、パイプに充填した。24時間静置後、パイプおよび試験片を取り除き、合板表面を確認し、シートの重ね合わせ部分から20mm以上流れ、合板を大きく濡らしたものを水漏れありと評価した。このような試験を5個の試験片で評価したところ、実施例1の防草シートでは、いずれも水漏れがなかったのに対して、比較例1〜2のシートでは、いずれも水漏れが発生した。
実施例2
温度100℃で12%改質アスファルト99質量部と、植物忌避剤1質量部とを混合した後、ポリエステル不織布Bに浸透させることにより、不織布内部にアスファルトが浸透し、かつ不織布の上面および下面に、それぞれ厚み1mm程度の植物忌避剤を含むアスファルト層(粘着防止層および接着層)が積層された積層体を得た。不織布に浸透したアスファルトの割合は、不織布100質量部に対して100質量部であった。続けて、アスファルトが加熱された状態で、粘着防水層の縦方向の幅110mmの端部に幅110mmの剥離フィルムを貼り合わせ、剥離フィルムを貼り合わせていない粘着防水層の上には、けい砂を130g/mの量で撒敷した。さらに、加熱された状態の接着層の上には、平滑防水フィルムを貼り合わせ、防草シートを得た。
実施例3
植物忌避剤を配合しないことを除いては実施例2と同様にして防草シートを得た。
実施例2および3で得られた防草シートについて、養生時間120時間に変更する以外は実施例1と同様の方法で、接合強度を評価した。実施例2で得られた防草シートの接合強度は163N/cmであり、実施例3で得られた防草シートの接合強度は137N/cmであり、アスファルトに植物忌避剤を含む実施例2の方が高い接合強度を有していた。
実施例4
ポリエステル不織布Bの一方の面に、12%改質アスファルトを、接着層の厚みが1mmとなるように、ダイコーターを用いて温度160℃で塗布し、12%改質アスファルトで形成された接着層の上に平滑防水フィルムを貼り合わせ、防草シートの一部である接着層を介して繊維層と平滑防水層とが積層した積層体(試験片)を得た。また、貼り合わせる際には、ホットプレートを160℃に設定し、試験片全体が均等に圧着するために試験片全体に被さるように、重し(構造用合板:約1kg)をのせ、約1分間加熱し、貼り合わせた。
実施例5
12%改質アスファルトの代わりにアクリル系接着剤を用い、ダイコーターの温度を160℃に変更する以外は実施例4と同様にして試験片を得た。
[接着強度の評価]
実施例4および5で得られた試験片を、250mm(長手方向)×25mm(幅方向)に切断した試験体を用いた。得られた試験体を接着箇所が100mm残るように平滑防水フィルムを剥がした後、平滑防水フィルムの剥離部分と不織布の剥離部分とを、それぞれ掴んで、掴み間隔を150mmに調整して引張試験機((株)島津製作所製「AG−X plus」)に取り付け、速度100mm/分で試験片が剥離するまで引っ張り、最大荷重を接着強度とした。接着強度は、試験体数3個の平均値とした。実施例4で得られた試験体の接着強度が15N/25mmであったのに対して、実施例5で得られた試験体の接着強度は4.2N/25mmであり、接着層として、アクリル接着剤よりもアスファルトの方が接着強度が大きかった。
本発明の防草シートは、道路(車道や歩道など)、線路、公園、農園、造林園またはこれらの周辺や、河川敷などにおいて、雑草などの植物が生育するのを抑制するための防草シートとして利用できる。
1…防草シート
2…平滑防水層
3…繊維層
4…粘着防水層
5…剥離層
6…遮光層

Claims (14)

  1. 隣接するシートの端部同士を重ね合わせた状態で地面に複数枚並べて敷設することにより植物の生育を抑制するための防草シートであって、
    地面と接触可能な平滑防水層と、
    この平滑防水層の上に積層された繊維層と、
    この繊維層の上に積層された粘着防水層と、
    この粘着防水層の端部の上に積層された剥離層と、
    前記粘着防水層における前記端部以外の領域の上に積層された遮光層とを含む防草シート。
  2. 粘着防水層がアスファルトを含む請求項1記載の防草シート。
  3. 粘着防水層が疎水性の植物忌避剤を含む請求項1または2記載の防草シート。
  4. 繊維層がアスファルトを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の防草シート。
  5. 平滑防水層と繊維層との間に接着層が介在している請求項1〜4のいずれか一項に記載の防草シート。
  6. 接着層がアスファルトを含む請求項5記載の防草シート。
  7. 繊維層が目付90g/m以上の不織布である請求項1〜6のいずれか一項に記載の防草シート。
  8. 不織布がポリエステル系長繊維不織布である請求項7記載の防草シート。
  9. 平滑防水層が合成樹脂を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の防草シート。
  10. 遮光層が遮光粒子を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の防草シート。
  11. 剥離層が、防草シートを並べる方向の一方の端部に形成されている請求項1〜10のいずれか一項に記載の防草シート。
  12. 長尺状であり、剥離層が一方の長尺状端部のみに形成されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の防草シート。
  13. 剥離層の平均幅が15cm以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載の防草シート。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の防草シートを地面に複数枚並べて敷設することにより植物の生育を抑制する防草シートの使用方法であって、前記防草シートの剥離層を剥離し、その剥離面に隣接する防草シートの端部を重ね合わせて敷設する防草シートの使用方法。
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