JP2009185482A - 目地部および/または亀裂部用防草構造体およびその施工方法 - Google Patents

目地部および/または亀裂部用防草構造体およびその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリートブロックやタイルブロック等のブロックの目地部や打設コンクリートの目地部あるいは亀裂部からの草の生育を防止するための、簡便で低コストの防草構造体およびその施工方法を得る。
【解決手段】構造体表面部の目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工方法であって、目地部および/または亀裂部の幅より広い幅の防草シートを準備する工程と、目地部および/または亀裂部の上面および目地部および/または亀裂部の両側に接する構造体表面部の少なくとも一部を覆うように、防草シートを敷設する工程と、防草シートと構造体表面部とが重なる部分に釘状器具を打ち込んで、防草シートを構造体表面部に固定する工程とを含む、目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートブロックやタイル等をコンクリートブロックやタイルブロック等を敷設した構造体表面部や打設コンクリートの構造体表面部の目地部や亀裂部の防草用に設置する目地部および/または亀裂部用防草構造体およびその施工方法に関する。
道路、線路、河川、公園あるいは造林園およびこれらの周辺の地面、表面、特に法面などでは、美観が損なわれるなどの理由により、雑草などの草の成育を防止する必要があることが多い。例えば、コンクリートブロックやタイルブロック等を敷設した場合、コンクリートブロック等の隙間(目地部)から雑草などの草が成育するという問題がある。また、コンクリート構造物においても長期間供用される過程でクラックが発生し、その隙間(亀裂部)から雑草などの草が成育して景観を阻害するという問題がある。
草の成育を防止するためには、例えば、特許文献1に開示されているような防草シートが用いられている。
草の成育を防止するための構造体として、例えば、特許文献2には、法面部上端の路肩部に布設されるコンクリートブロック部と、そのコンクリートブロック部の法面側に一端部が一体的に固定された防草シート部とからなり、コンクリートブロック部を路肩部に布設した状態で、防草シート部を法面部上に展開して法面部を被覆可能とした路肩ブロックが開示されている。
また、特許文献3には、水硬性成分と改質アスファルトエマルジョンとを含む防草材の混練物を、アスファルト構造体とコンクリート構造体との隙間に充填及び/又は塗布する防草材の施工方法が開示されている。
また、特許文献4には、基盤上にセラミックスブロックが敷き詰められ、かつ、その目地部に充填剤が充填されてなるセラミックスブロック舗装構造体において、その基盤表面部に、貫通抵抗が1kg以上である布帛(防草シート)が敷設されていることを特徴とする防草性セラミックスブロック舗装構造体が開示されている。この防草性セラミックスブロック舗装構造体では、布帛(防草シート)が、基盤とセラミックスブロックとの間に配置されている。また、この防草性セラミックスブロック舗装構造体によって、歩道および広場などの舗装を提供することができることが開示されている。
特開2002−272348号公報 特開2005−307518号公報 特開2007−262861号公報 特開平9−78509号公報
コンクリートブロックやタイルブロック等を敷設した構造体表面部の目地部やコンクリート構造物の表面の目地部および/または亀裂部からの草が成育を防止する必要のある場所として、例えば、高圧電線鉄塔の下部のように、人の立ち入りが制限されている場所がある。このような場所では、高圧電線鉄塔の基礎構造部の周囲に金網フェンスなどを設けて、人の立ち入りを制限して安全を確保している反面、雑草の生育などに対してその除去作業を用意に行うことができず、雑草は繁殖して景観上好ましくない状態を呈していることが少なくない。このような人の立ち入りが制限されている場所では、簡便で低コストの防草構造体を得ることが求められる。そこで、本発明は、コンクリートブロックやタイルブロック等のブロックの目地部や打設コンクリートの目地部あるいは亀裂部からの草の生育を防止するための、簡便で低コストの防草構造体およびその施工方法を得ることを目的とする。
本発明は、構造体表面部の目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工方法であって、目地部および/または亀裂部の幅より広い幅の防草シートを準備する工程と、目地部および/または亀裂部の上面および目地部および/または亀裂部の両側に接する構造体表面部の少なくとも一部を覆うように、防草シートを敷設する工程と、防草シートと構造体表面部とが重なる部分に釘状器具を打ち込んで、防草シートを構造体表面部に固定する工程とを含む、目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工方法である。
本発明の施工方法の好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)構造体表面部が、コンクリートブロック、タイルブロックまたは打設コンクリートである。
(2)防草シートを敷設する工程より前に、目地部および/または亀裂部に隣接する構造体表面部の表面を清掃する工程をさらに含む。
(3)防草シートの幅が、目地部および/または亀裂部の幅より20〜300mm広い。
(4)防草シートが、(a)無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層および(e)合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した耐貫通型防草シートである。
(5)目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工場所が、人や車両等の立ち入りが制限されている場所である。
また、本発明は、上記施工方法によって得られた構造体表面部の目地部および/または亀裂部用防草構造体である。
本発明によって、コンクリートブロックやタイルブロック等のブロックの目地部や打設コンクリートの目地部あるいは亀裂部からの草の生育を防止するための、簡便で低コストの防草構造体およびその施工方法を得ることができる。特に、人の立ち入りが制限されている区域の構造体表面部に適用することにより、草の生育を長期に渡って防止して、良好な景観の維持に多大な効果を提供することができる。
高圧電線鉄塔の下部のように安全確保のため人の立入が制限された区域において、その基礎構造部として打設により形成されたコンクリートの構造体が設けられ、コンクリートの表面部分が露出していたり、あるいは、地面にコンクリートブロック、セラミックタイルあるいはタイルブロックなどを表面部分に敷設した構造体が設けられる場合がある。本明細書では、このような構造体の表面部分を「構造体表面部」という。高圧電線鉄塔の下部のような人の立入が制限された場所では、歩道や車道等とは異なり、人の立ち入り頻度は少なく、車両が通過することはさらに稀である。このような構造体の表層の草の生育を防止する場合には、防草構造体が供用される過程での人や車両の往来に伴う破壊をさほど考慮しなくてよいため、簡便性と低コストを追求した防草構造体が求められる。本発明の防草構造体およびその施工方法は、このような要求を満たすものである。なお、本明細書において「防草構造体」とは、防草のために、所定の構造体の目地部および/または亀裂部を所定の防草シートで覆い、所定の器具等を用いて固定した構造を有するものである。以下、本発明の防草構造体およびその施工方法について説明する。
<防草構造体>
図1〜図4に、本発明の防草構造体の模式図を示す。図1および図2は、コンクリートブロックまたはタイルブロックなどの無機材料のブロック20によって、地面21の大部分が覆われている状態を示している。このような各種のブロック20を敷設した場合、ブロック20とブロック20とを互いに接するように配置すると、敷設面全体に目地部22(隙間部)ができる。また、地面に打設したコンクリート(打設コンクリート24)を設けた場合にも、コンクリートの硬化収縮によるひび割れを特定個所に誘導したり、打設コンクリート24の温度変化による膨張および収縮の影響を抑えるために、構造体表面部に所定の幅の隙間(目地部)が設けられている。例えば、図3および図4には、地面に打設コンクリート24が設けられ、十数年を経て亀裂(亀裂部23)が発生した状態を示している。
本発明の防草構造体は、所定の防草シート10が、コンクリートブロックやタイルブロックなどのブロック20の構造体表面部の目地部22の上面および目地部22の両側に接する構造体表面部の少なくとも一部を覆う構造であることに特徴がある。また、本発明の防草構造体は、所定の防草シート10が、打設コンクリート24の構造体表面部の目地部22あるいは亀裂部23の上面、および目地部22あるいは亀裂部23の両側に接する構造体表面部の少なくとも一部を覆う構造であることに特徴がある。
本発明の防草構造体に用いる防草シート10の幅は、目地部22および/または亀裂部23の幅より広く、好ましくは目地部22および/または亀裂部23の幅より20〜300mm広い。防草シート10の長さは、防草を施す目地部22および/または亀裂部23の長さによって適宜選択することができる。また、防草を施す目地部22および/または亀裂部23の長さが、防草シート10の長さと比べて長い場合には、複数の防草シート10を融着などの方法で張り合わせて用いることができる。
本発明の防草構造体では、防草シート10を用いて防草処理を行う目地部22および/または亀裂部23が、好ましくは1〜30mmの幅を有し、さらに好ましくは2〜20mmの幅を有し、特に好ましくは3〜10mmの幅を有している場合に好ましい防草効果を得ることができる。
本発明の防草構造体に含まれる防草シート10としては、可撓性、防水性および遮光性を有し、シート状の形状を有するものを用いることができる。このような防草シート10の具体例として、優れた可撓性、防水性および遮光性を有する、特開2002−272348号公報(特許文献1)に開示された防草シート10を用いることができる。
また、本発明の防草構造体に含まれる防草シート10として、後述する耐貫通型防草シート10を用いることが特に好ましい。
本発明の防草構造体では、防草シート10と構造体表面部とが重なる部分に釘状器具14を打ち込むことにより、防草シート10を構造体表面部に固定する。釘状器具14としては、オールアンカー、コンクリート釘、または測量釘などを用いることができる。オールアンカーとは、アンカー本体、打込みピン、ナットおよびワッシャーがセットになったアンカーのことである。オールアンカーの一例として、直径5mm、長さ30mmのものを用いることができる。また、オールアンカーによる固定を確実にするために、さらにオールアンカー用ディスク(例えば、厚さ1.2mm、直径45mm)を用いることができる。また、コンクリート釘による固定を効率的にかつ確実にするために、自動釘打機を用いることが好ましい。
本発明の防草構造体を設置する場合、防草シート10と、構造体表面部とが接触する部分を、加熱融着法、テープ接着法または接着剤による接着等を用いて固定することにより、防草をさらに確実にすることができる。加熱融着法等を用いて防草シート10と、構造体表面部とを固定した部分を、図1および図3において、接着部15として示す。
加熱融着法とは、防草シート10の裏面をバーナー等で加熱することによって、防草シート10を構成する改質アスファルトを溶融させた状態で敷設して固化させることにより、防草シート10を構造体表面部に熱融着する固定方法である。
テープ接着法とは、両面に接着性のあるアスファルトテープを、防草シート10と構造体表面部との間に挿入し、防草シート10と構造体表面部との固定を行う方法である。
防草シート10と構造体表面部との固定をより確実にするという点から、その固定には釘状器具14を用いることに加え、加熱融着法を用いることが好ましい。テープ接着法は、加熱融着法と同等の接着強度が得られ、住宅地近傍への設置の場合や、設置箇所近傍に下草等の可燃物が多い場合など、火気の使用が制限されている場合には、防草シート10と構造体表面部との固定には、釘状器具14と共にテープ接着法を用いることが好ましい。
また、防草シート10と、構造体表面部とを接着する場合には、例えば、アクリル樹脂エマルジョン等の接着剤を用いることができる。
本発明の防草構造体は、構造体表面部がコンクリートブロックやタイルブロックなどのブロック20、あるいは打設コンクリート24であることが好ましい。
さらに、本発明の防草構造体は、構造体表面部が打設コンクリート24であることが特に好ましい。コンクリートを地面21に打設する場合、コンクリートの硬化収縮に伴う応力を意識的に特定個所に集中させたり、コンクリートの温度変化による膨張および収縮の影響を抑えるために、ある程度の幅の目地部22を打設コンクリート24に設ける必要がある。また、施工後十数年を経過した打設コンクリート24などには亀裂23が発生しているようなケースもある。本発明の防草構造体は、このような打設コンクリート24の目地部22や亀裂部23に設置した場合であっても、簡便で低コストに草の生育を防止するこができる。
また、敷設した防草シート10の捲れ上がりを防止するという点から、本発明の目地部22および/または亀裂部23用防草構造体の施工場所は、人や車両等の立ち入りが制限されている場所であることが好ましい。すなわち、本発明の防草構造体は、高圧電線鉄塔の下部のように、人や車両等の立ち入りが制限されている場所の地面21に配置されたコンクリート等の構造体表面部の目地部22および/または亀裂部23の防草に対して、特に優れた効果を奏することができる。
<防草構造体の施工方法>
次に、本発明の防草構造体の施工方法について説明する。
まず、上述したような、所定の幅および長さの所定の防草シート10を準備する。
次に、目地部22および/または亀裂部23の上面および目地部22および/または亀裂部23の両側に接する構造体表面部の少なくとも一部を覆うように、防草シート10を敷設する。なお、防草をより確実にするために、防草シート10の敷設前に、目地部22および/または亀裂部23に隣接する構造体表面部の表面を清掃することが好ましい。
次に、防草シート10と構造体表面部とが重なる部分に、所定の釘状器具14を打ち込んで、防草シート10を構造体表面部に固定することにより、目地部22および/または亀裂部23用防草構造体を施工することができる。
<耐貫通型防草シート>
次に、本発明の防草構造体に用いることが特に好ましい防草シートについて説明する。本明細書および特許請求の範囲では、ここで説明する防草シートのことを「耐貫通型防草シート」という。耐貫通型防草シートは、硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れるため、本発明の防草構造体に用いることが特に好ましい。
<耐貫通型防草シートの態様>
耐貫通型防草シートは、(a)無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層および(e)合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した耐貫通型防草シートであって、(c)基材層が、織布、編み布および不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含み、基材Aの織布、編み布および不織布が、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含み、芯部が融点200℃以上の繊維および鞘部が融点200℃以上の樹脂であり、(e)裏面層の合成樹脂が硬質合成樹脂である耐貫通型防草シートである。
耐貫通型防草シートの好ましい態様を以下に示す。耐貫通型防草シートでは、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)(e)裏面層の硬質合成樹脂が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニルおよびポリハロゲン化ポリビニルからなる群より選択される少なくとも一つの合成樹脂である。
(2)(e)裏面層が、厚さ10〜50μmの二軸延伸成形ポリプロピレンフィルムである。
(3)(c)基材層が、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層し、接着された、もしくは熱融着された三層構造を有する。
(4)芯部と鞘部とが、熱融着されている。
(5)基材Bが、複数の互いに平行な略等間隔の高強度繊維の繊維束からなる組を2組以上有し、異なった組の繊維束は、略等角度で互いに交差しあうスクリムである。
(6)基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、融点200℃以上の樹脂および/または200℃で熱分解しない接着剤により接着されている、もしくは熱融着されている。
(7)(c)基材層が、75〜500g/mの目付量を有する。
(8)(a)表面層が、天然スレート、タルクおよびマイカからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の、扁平状の無機質粒子を含む。
また、この耐貫通型防草シートは、上記の防草構造体に用いることができる。
<耐貫通型防草シートの効果>
耐貫通型防草シートにより、道路、線路、河川、公園あるいは造林園およびこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止ための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる防草シートを得ることができる。
<耐貫通型防草シートの詳細>
図3に、耐貫通型防草シート10の模式的断面図を示す。耐貫通型防草シート10は、(a)無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層1、(b)改質アスファルト層2、(c)基材層3、(d)改質アスファルト層4および(e)合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂である裏面層5の少なくとも5層を、この順で積層した耐貫通型防草シートである。耐貫通型防草シートは、道路、線路、河川、公園あるいは造林園およびこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止するための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる。なお、本明細書において「法面」とは、道路や線路およびこれらの周辺の斜面、切り取り、盛り土などでできた斜面、段差のある2つの地表面の間の斜面、2つの地表面の間の斜面、2つの地表面の間などを意味する。以下、耐貫通型防草シートを詳細に説明する。
<(c)基材層>
(c)基材層は、織布、編み布および不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含む。
<(c)基材層の基材A>
基材Aを構成する織布、編み布および不織布は、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含むものである。本明細書で「繊維」とは、単繊維、2本以上の繊維、2本以上の繊維の束(繊維束)、および2本以上の繊維によりをかけたもの(糸)を包含する。
基材Aは、織布、編み布および不織布から選ばれる基材であり、織布、編み布または不織布とを2以上組み合わせて用いることができる。基材Aとして、芯部が融点200℃以上の繊維と、鞘部が融点200℃以上の樹脂からなる芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布および/または不織布を用いることができる。また、基材Aとして、その芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布および/または不織布と、融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布および/または不織布を組み合わせて用いることもできる。なお、繊維の融点の上限は特に限定されない。樹脂の融点の上限も特に限定されないが、製造の容易性およびコストの点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
<(c)基材層の基材A:芯鞘構造>
(c)基材層の基材Aとして用いることのできる芯鞘構造の繊維とは、一つの成分(鞘部)がもう一つの成分(芯部)の少なくとも一部の表面を包む状態の構造を有する繊維を意味する。芯鞘構造の繊維は、鞘部が芯部の表面を、50%以上、さらに70%以上、特に90%以上包む状態の構造であることが好ましい。特に、芯鞘構造の繊維は、鞘部が芯部の表面を完全に包む状態の構造の繊維であることが最も好ましい。
芯部は、融点200℃以上の繊維である。また、芯部は、低吸水性の合成樹脂や無機物であることが、耐貫通型防草シートを製造する過程での耐熱性や長期供用時の物性の安定性に優れるために好ましい。芯部は、吸水率(24時間、23℃)が好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.9%以下、特に好ましくは0.8%未満の合成樹脂や無機物が好ましく用いることができる。具体的な芯部の材料としては、低吸水性のナイロン11やナイロン12、ポリエステルやガラスなどの合成樹脂や無機物からなる繊維を用いることが、吸水性および機械的強度などの点から好ましい。
鞘部の材料は、融点200℃以上の樹脂であることが、耐貫通型防草シートを製造する過程での耐熱性や長期供用時の物性の安定性に優れるために好ましい。融点200℃以上の樹脂としては、融点200℃以上の天然や合成の樹脂ならどのようなものでも用いることができ、特に、融点200℃以上のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルなどの樹脂を用いることが出来る。特に、低吸水性のナイロン11やナイロン12などが長期供用時の物性に優れることから好適に使用できる。また、融点200℃以上の樹脂としては、部分架橋あるいは架橋したゴムを用いることもできる。
また、芯部と鞘部とは、熱融着されていることが好ましい。熱融着は、芯部の材料と鞘部の材料のうち少なくともどちらか一つの融点より高い温度を加えることによって行うことができる。芯部と鞘部とは、熱融着されていることにより、耐貫通型防草シートの製造過程で溶融状態(200℃未満)の改質アスファルト中に浸漬されても優れた形状安定性を得ることができる。
基材Aに、融点200℃以上の芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布および不織布を用いる場合には、芯鞘構造の繊維の、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤および/または樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(iii)一部が熱融着されている織布、編み布、不織布などを用いることが好ましい。なお、樹脂の融点および接着剤の熱分解温度の上限は特に限定されないが、製造の容易性およびコストの点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
基材Aとして、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いる場合には、融点200℃以上の樹脂としては、融点200℃以上の天然や合成の樹脂であればどのようなものでも用いることができ、特に、融点200℃以上のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルなどの樹脂を用いることができる。特に、低吸水性のナイロン11やナイロン12などを好適に使用できる。融点200℃以上の樹脂としては、部分架橋あるいは架橋したゴムを用いることもできる。
基材Aとして、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤および/または樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤とは、熱重量分析において、空気中、5℃/分の昇温速度の条件下で、200℃で重量減少率が1%以下、さらに0.5%以下、特に0%の天然や合成の樹脂である。
200℃で熱分解しない接着剤としては、200℃で熱分解しない無機系接着剤や有機系接着剤などを用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ナイロン/エポキシ系接着剤、エラストマー/エポキシ系接着剤、ニトリル/フェノリック系接着剤、ウレタン/エポキシ系接着剤、ポリエステル/エポキシ系接着剤、ポリイソシアネート系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤、メラミン系接着剤、尿素系接着剤、フェノール系接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、再生ゴム系接着剤、SBR系接着剤、天然ゴム系接着剤などを用いることができる。
200℃で熱分解しない接着剤として、エポキシ樹脂、後述する(a)表面層に用いることができる合成樹脂塗料などの架橋性を有する天然や合成の樹脂を用いることが好ましい。
<(c)基材層の基材A:芯鞘構造の繊維および融点200℃以上の繊維を併用>
また、基材Aとして、融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布および/または不織布を用いることもできる。この融点200℃以上の繊維からなる織布、編み布および/または不織布は、芯部が融点200℃以上の繊維と、鞘部が融点200℃以上の樹脂とからなる芯鞘構造の繊維からなる織布、編み布および/または不織布と組み合わせて用いることが、基材Aとして好ましい。融点200℃以上の繊維としては、融点200℃以上の天然、半合成および合成樹脂の繊維や無機のガラスなどの融点200℃以上の有機質繊維や無機質繊維などにより構成されるものを用いることができる。
融点200℃以上の繊維としては、融点200℃以上の樹脂からなる、または、融点200℃以上の樹脂を含む、繊維、ガラスなどの融点200℃以上の有機質繊維や無機質繊維などを用いることができる。なお、繊維の融点の上限は特に限定されない。
基材Aとして、融点200℃以上の芯鞘構造の繊維と、融点200℃以上の繊維とからなる織布、編み布および不織布を用いる場合には、芯鞘構造の繊維および/または融点200℃以上の繊維の、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤および/または樹脂により接着されている織布、編み布、不織布など、(iii)一部が熱融着されている織布、編み布、不織布などを用いることが好ましい。なお、樹脂の融点および接着剤の熱分解温度の上限は特に限定されないが、製造の容易性およびコストの点から、500℃以下が好ましく、400℃以下がさらに好ましい。
基材Aとして、(i)一部が融点200℃以上の樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いる場合には、融点200℃以上の樹脂としては、融点200℃以上の天然や合成の樹脂であればどのようなものでも用いることができ、特に、融点200℃以上のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルなどの樹脂を用いることができる。特に、低吸水性のナイロン11やナイロン12などを好適に使用できる。融点200℃以上の樹脂としては、部分架橋あるいは架橋したゴムを用いることもできる。
基材Aとして、(ii)一部が200℃で熱分解しない接着剤および/または樹脂により接着されている織布、編み布、不織布を用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤とは、熱重量分析において、空気中、5℃/分の昇温速度の条件下で、200℃で重量減少率が1%以下、さらに0.5%以下、特に0%の天然や合成の樹脂である。
200℃で熱分解しない接着剤としては、200℃で熱分解しない無機系接着剤や有機系接着剤などを用いることができる。200℃で熱分解しない接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ナイロン/エポキシ系接着剤、エラストマー/エポキシ系接着剤、ニトリル/フェノリック系接着剤、ウレタン/エポキシ系接着剤、ポリエステル/エポキシ系接着剤、ポリイソシアネート系接着剤、ポリエチレンイミン系接着剤、メラミン系接着剤、尿素系接着剤、フェノール系接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、再生ゴム系接着剤、SBR系接着剤、天然ゴム系接着剤などを用いることができる。
200℃で熱分解しない接着剤として、エポキシ樹脂、後述する(a)表面層に用いることができる成樹脂塗料などの架橋性を有する天然や合成の樹脂を用いることが好ましい。
<(c)基材層の基材B>
防草シートの機械的強度を増加させるという点から、耐貫通型防草シートにおいて、(c)基材層の基材Bは、融点200℃以上の繊維からなるスクリムを有していることが好ましい。スクリムとは、あらい平織りまたは綾織りの織布のことを意味する。すなわち、スクリムとは、複数の互いに平行な略等間隔の繊維および/または糸を有する組を2組以上有し、異なった組の繊維および/または糸は、略等角度で互いに交差しあう形状である。一例として、2組の複数の互いに平行な略等間隔の繊維および/または糸が、互いにほぼ直角に交差しあう形状のスクリムを用いることができる。また、3組が互いに約60度の角度で交差しあうスクリムを用いることもできる。繊維および/または糸の間隔の下限は、スクリムの重量およびコストを抑制するという点から、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上、特に好ましくは6mm以上のスクリムが好ましい。また、繊維および/または糸の間隔の上限は、必要な機械的強度の点から、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは20mm以下、より好ましくは18mm以下のスクリムが好ましい。
また、スクリムを構成する繊維および/または糸は、融点200℃以上であることが好ましい。また、高強度を有するため、スクリムを構成する繊維は、2本以上の高強度繊維の束(高強度繊維束)であることが好ましい。高強度繊維束の高強度繊維は、カーボン繊維、アラミド繊維、スチール繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維およびガラス繊維から選ばれる1種以上のものを好適に使用でき、価格と入手容易性の点からガラス繊維を好適に使用することができる。なお、繊維の融点の上限は特に限定されない。
<(c)基材層の構造>
(c)基材層は、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層した三層構造を有することが好ましい。「三層構造」とは、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に並べて接着した構造のことをいう。なお、基材Bはスクリムを有するため、繊維および/または糸が存在しない部分があるが、本明細書では、そのような部分も含めて「三層構造」という。(c)基材層が、三層構造を有することによって、中間に位置する基材Bの上面側と下面側とが均質構造となり、この(c)基材層を用いた耐貫通型防草シートを敷設した場合に良好な平面性が得られ、シート端部の反り返りを回避することができる。
(c)基材層は、基材Aと基材Bとの接着、および基材Bが存在しない部分では二つの基材Aの接着を行うことにより形成される。基材の接着を確実にするという点から、(c)基材層は、基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、融点200℃以上の樹脂および/または200℃で熱分解しない接着剤により接着されていることが好ましい。または、基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、200℃以上の温度で熱融着されていることが好ましい。二つの基材Aを接着または融着する部分についても同様である。基材Aと基材Bとが、融点200℃以上の樹脂および/または200℃で熱分解しない接着剤により接着されている、または、200℃以上の温度で熱融着されていることにより、(c)基材層を用いた耐貫通型防草シートの製造過程で、(c)基材層が溶融状態(200℃未満)の改質アスファルト中に浸漬されても(c)基材層の物性は損なわれることはなく、また優れた形状安定性を得ることができる。
(c)基材層の目付量(単位面積当たりの重量)の下限は、耐貫通型防草シートの強度を保つという点から、75g/m、好ましくは100g/m、さらに好ましくは120g/m、特に好ましくは140g/mである。また、(c)基材層の目付量の上限は、耐貫通型防草シートを施工する際の良好な作業性を確保するとともに、コストを抑えるという点から、500g/m以下、好ましくは400g/m、さらに好ましくは200g/mである。スクリムを含む基材層の目付量の具体例としては、155g/mのものを用いることができる。(c)基材層の目付量が下限値を下回ると、好ましい引張り強度や引き裂き強度が得られ難くなり、また上限値を越えると耐貫通型防草シートの強度特性はさらに良くなるもののシート重量が大きくなり、敷設作業性が低下することから好ましくない。
<(a)表面層>
(a)表面層は、無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む層である。(a)表面層は、無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂からなる層であることが好ましい。(a)表面層に用いられる無機質粒子としては、天然スレート砂、マイカおよびタルクなどの鉱物質の扁平状無機質粒子を用いることが出来る。無機質粒子は、一種類または複数種を組み合わせて用いることができる。耐貫通型防草シートでは、(a)表面層に扁平状の無機質粒子を用いることによって、耐候性塗料の塗着に頼ることなく長期供用においても耐貫通型防草シート全面が剥離することなく、変色や退色も小さく、耐貫通型防草シートの施工直後の状態を維持することができる。
さらに、耐貫通型防草シートは、扁平状の無機質粒子と改質アスファルトコンパウンドとが積層された構造を有していることから、不織布に着色したタイプの防草シートに見られるようなポイ捨てされたタバコによる穴あき等の重大な損傷を防止することができる。
無機質粒子の粒子径は、使用上問題ないものであればどのようなものでもよく、好ましくは0.1〜10mm、さらに好ましくは0.3〜8mm、より好ましくは0.5〜6mm、特に好ましくは1〜5mmの範囲が好ましい。なお、「粒子径」とは、無機質粒子が扁平状等の場合には、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち、最も長いものの長さのことをいうものとする。
無機質粒子が扁平状等の場合に、無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをX、この直線に直交する無機質粒子の任意の二点を結ぶ直線のうち最も長いものの長さをY、扁平状の無機質粒子の最も厚い部分の厚さをZとすると、Y/Xの値が好ましくは0.2〜1の範囲であり、さらに好ましくは0.3〜0.9の範囲であり、特に好ましくは0.5〜0.8の範囲のものを好適に使用できる。また、Z/Xの値は好ましくは0.002〜0.4の範囲であり、さらに好ましくは0.01〜0.2の範囲であり、特に好ましくは0.02〜0.1の範囲のものを好適に使用できる。
(a)表面層において、耐貫通型防草シート表面1m当たりの無機質粒子量は、好ましくは100〜2000g/m、さらに好ましくは200〜1500g/m、特に好ましくは400〜1200g/mの範囲が好ましい。
無機質粒子は、必要に応じて撥水剤、塗料、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などを添加、吹きつけ、塗布または含浸したものをもちいることができる。
(a)表面層において、無機質粒子を含有する合成樹脂は、(b)改質アスファルト層に例えば貼り合わせ、塗布、吹きつけ、含浸などの方法により塗膜やシートまたはフィルムとして用いることができる。無機質粒子を含有する合成樹脂は、無機質粒子および合成樹脂塗料とを含むものを用いることが出来る。無機質粒子を含有する合成樹脂は、合成樹脂塗料100重量部に対し、無機質粒子3〜250重量部、さらに5〜200重量部、特に10〜180重量部を配合したものを用いることが好ましい。無機質粒子を含有する合成樹脂は、必要に応じて撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などを添加することが好ましい。
(a)表面層において、合成樹脂に含まれる無機質粒子の量は、耐貫通型防草シート表面1m当たりの無機質粒子量が、好ましくは100〜2000g/m、さらに好ましくは200〜1500g/m、特に好ましくは400〜1200g/mの範囲となることが好ましい。
(a)表面層の合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸誘導体などのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などの主鎖に2重結合を2以上有するオレフィン重合体、ビニル重合体および主鎖に2重結合を2以上有するオレフィンと主鎖に2重結合を1つ有するオレフィンとの共重合体などを用いることが出来る。合成樹脂としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては耐光性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。
(a)表面層において、合成樹脂塗料としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体などを用いることが出来る。合成樹脂塗料としては耐候性の優れたものを使用することが好ましい。合成樹脂塗料としては柔軟性の優れたものを使用することが好ましい。特に、合成樹脂塗料としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択されるモノマーの少なくとも1種の重合体、またはモノマーの少くとも1種とエチレンなどのα−オレフィンやスチレンなどの他のビニル系モノマーとの共重合体が好ましい。
<(b)層および(d)層の改質アスファルト>
(b)層および(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルトおよびポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマーおよび無機充填材の3成分を含むものなどを用いることが出来る。(b)層および(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルト100重量部に対し、ポリマー10〜40重量部、および無機充填材0〜20重量部を含むものを用いることが好ましい。
改質アスファルトは、アスファルトおよびポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマーおよび無機充填材の3成分を含むものなどを120〜200℃で3〜30時間加熱混合して調製したものを用いることが、防水・防湿性、伸縮性などに優れているために好ましい。
改質アスファルトには、以上述べた成分のほかに、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などの無機や有機の配合剤を添加してもよい。
(b)層および(d)層の改質アスファルトにおいて、アスファルトとしては、天然アスファルトやアスファルタイトなど天然に産するもの、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルト、またはこれらのアスファルトの混合物等が好ましい。
(b)層および(d)層の改質アスファルトにおいて、ポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸誘導体との共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、スチレンとブタジエンとの重合体(例えば、SBSなど、SBRなど)等を使用することができる。特にSBSなどのゴム系が好適である。
(b)層および(d)層の改質アスファルトにおいて、無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土、シリカ等の粒子状無機充填材、石綿やガラス繊維などの繊維状無機充填材を用いることができる。
(b)層および(d)層の改質アスファルトは、針入度が、好ましくは10dmm〜200dmmの範囲、さらに好ましくは15dmm〜100dmmの範囲、より好ましくは20dmm〜50dmmの範囲、特に好ましくは25dmm〜35dmmの範囲が柔軟性に優れるために好ましい。
耐貫通型防草シートでは、(b)層および(d)層として、上記組成の改質アスファルトを用いることにより、特に法面に配置した場合には、法面上部に不透水性に優れた層を形成することができ、雑草の生育に不可欠な水分を遮断できるのみならず、法面が盛土で構築されている場合には、法面上部(法肩)からの雨水の浸透に伴う法面自体の帯水を効果的に防止することにより、集中豪雨などに伴う法面地盤の崩壊を回避することができる。
<(e)裏面層>
耐貫通型防草シートは、(e)裏面層が、合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む。(e)裏面層は、合成樹脂フィルムまたは無機質粒子を含有する合成樹脂フィルムであることが好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂は、硬質合成樹脂である。裏面層に、硬質合成樹脂を材料としたフィルムを用いることによって、チガヤなどの雑草の芽が、耐貫通型防草シートの(e)裏面層を貫くことが防止できる。また、合成樹脂フィルムの表面滑性を活かして、雑草の芽の成長方向をシート裏面と平行な方向に誘導することが可能となる。
(e)裏面層の合成樹脂フィルムの合成樹脂としては、耐光性および耐候性に優れたものを使用することが好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのポリハロゲン化ポリビニルなどの硬質合成樹脂をフィルム状にしたものを好ましく用いることができる。特に、二軸延伸成形工程を経て製造されるOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を好適に使用することができる。
耐貫通型防草シートに用いる(e)裏面層としては、厚さが、好ましくは10〜50μmであり、さらに好ましくは12〜40μmであり、特に好ましくは15〜30μmの硬質合成樹脂フィルムを好適に使用できる。(e)裏面層である硬質合成樹脂フィルムが前記範囲より厚い場合、チガヤの芽が耐貫通型防草シートを貫通するのを防止する効果は高くなるものの、耐貫通型防草シートの柔軟性が損なわれることがある。そのため、耐貫通型防草シートを製造したのちロール状に梱包するとシート表面にシワが発生するなどの問題が生じる可能性があり、また施工作業においても敷設時の作業性が損なわれる可能性がある。また、(e)裏面層の合成樹脂フィルムが前記範囲より薄い場合には、硬く鋭いチガヤの芽が耐貫通型防草シートを貫通するのを防止する効果が小さくなる。硬質合成樹脂フィルムが前記範囲内であると、これらの問題が生じないため、好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂には、ゴムを添加することができる。合成樹脂に添加できるゴムとしては、明確な降伏点を有しない熱可塑性の低結晶性エラストマーまたは明確な融点および降伏点を有しない熱可塑性の非晶性エラストマーであり、常温でゴム弾性を有するエラストマーを用いることが出来る。スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることが出来る。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBSなど)、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBSなど)、水添スチレン−ブタジエン共重合体(HSBRなど)、水添スチレン−ブタジエン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBCなど)等などのブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の全てを含む)およびその水添物、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEPなど)、水添スチレン−ビニルイソプレン共重合体(V−SEPSなど)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SISなど)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPSなど)などのイソプレン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の全てを含む)およびその水添物などを用いることが出来る。
ポリオレフィン系エラストマーとしては、非晶性ポリプロピレンなどの非晶性または低結晶性α−オレフィン(共)重合体、ポリオレフィンとオレフィン系ゴムとの混合物等を用いることが出来る。ポリオレフィン系エラストマーとしては、エチレン−プロピレン系エラストマー(EPRなど)、エチレン・ブテン−1系エラストマー(EBMなど)を用いることが出来る。ポリエステル系エラストマーとしては、ポリエステル−ポリエーテル共重合体、ポリエステル−ポリエステル共重合体等からなるエラストマーを用いることが出来る。ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミド−ポリエステル共重合体、ポリアミド−ポリエーテル共重合体等からなるエラストマー等を用いることが出来る。上記のエラストマーを二種以上、混合して用いてもよい。
(e)裏面層の合成樹脂に添加できるゴムとしては、具体的には、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどを用いることが出来る。
(e)裏面層が、無機質粒子を含有する合成樹脂を含む場合には、無機質粒子として、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土、シリカ等を用いることができる。
<製造方法>
次に、耐貫通型防草シートの製造方法について説明する。
所定の芯部の表面に、所定の鞘部を熱融着し、芯鞘構造の繊維を作製する。この芯鞘構造の繊維を用いて織布、編み布および/または不織布を作製することにより、基材Aを得る。次に、所定のスクリムを有する基材Bを、2つの基材Aの間に挟む。基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層したものを、融点200℃以上の樹脂および/または200℃で熱分解しない接着剤により接着する、もしくは熱融着することにより、シート状の(c)基材層を得ることができる。
次に、上記のように製造した(c)基材層を、170℃以上で200℃未満に加熱溶融混合した所定の改質アスファルト中に浸漬して通過させ、(c)基材層の両面に所定の(b)層および(d)層の改質アスファルト層を設けた3層シートを作製する。この3層シートの一方の面(表面)に、所定の無機質粒子または所定の無機質粒子を含有する合成樹脂を付着することにより(a)表面層を形成する。また、もう一方の面(裏面)には、所定の合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含むシートを貼り合わせて(e)裏面層を形成することにより、耐貫通型防草シートを得ることができる。
<防草シートの特性>
本発明に用いる耐貫通型防草シートおよびその他の防草シートは、下記の特性を有することが好ましい。
本発明に用いる防草シートの光線透過率は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは0%であることが好ましい。光線透過率が上記範囲内では、雑草の生育を有効に防止することができるため好ましい。
本発明に用いる防草シートの貫通抵抗力は、好ましくは100N以上、さらに150N以上、より好ましくは200N以上、特に好ましくは250N以上が好ましい。貫通抵抗力が上記範囲では、雑草の生育を有効に防止・抑制することができるため好ましい。「貫通抵抗」とは、ASTM・D4833に準拠した測定値である。
本発明に用いる防草シートの引張強度は、好ましくは50N/cm以上、さらに好ましくは80N/cm以上、より好ましくは120N/cm以上、特に好ましくは135N/cm以上であることが好ましい。「引張強度」とは、JIS・A6013に準拠した測定値である。防草シートが上記範囲の引張強度を有することにより、防草シートの製造過程では良好な連続生産性が得られ、防草シートの施工過程では優れた取扱性が得られ、施工後の供用においては優れた耐久性を得ることができる。
本発明に用いる防草シートの引張伸び率は、好ましくは15%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上が好ましい。「引張伸び率」とは、JIS・A6013に準拠した測定値である。上記範囲では、適度の柔軟性により下地の不陸になじむ為、施工時の取扱性に優れ、耐久性に優れる。また、防草シートを製造する過程での連続生産性に優れるために好ましい。
本発明に用いる防草シートの引裂強度は、好ましくは50N以上、さらに好ましくは70N以上、より好ましくは90N/cm以上、特に好ましくは110N/cm以上であることが好ましい。「引裂強度」とは、JIS・A6013に準拠した測定値である。防草シートが上記範囲の引裂強度を有することにより、防草シートの製造過程では良好な連続生産性が得られ、防草シートの施工過程では優れた取扱性が得られ、施工後の供用においては優れた耐久性を得ることができる。また、防草シートの引裂強度が前記範囲であれば、防草シートの端部を固定ピンを用いて固定した場合にも、固定箇所(応力が集中する箇所)の耐久性を充分に確保することができる。
本発明に用いる防草シートは、(a)表面層から(e)裏面層までの5層全体の厚みが、好ましくは1mm〜10mmの範囲、さらに好ましくは1.5mm〜8mmの範囲、より好ましくは2mm〜6mmの範囲、特に好ましくは3mm〜5mmの範囲であることが、施工時の取り扱い易さや、隣合う防草シートの熱融着部分の品質を充分に安定して確保できることから好ましい。
本発明に用いる防草シートは、引張強度の縦方向と横方向との比が、好ましくは0.70〜1.50の範囲、さらに好ましくは0.72〜1.40の範囲、より好ましくは0.74〜1.35の範囲、特に好ましくは0.75〜1.30の範囲であることが、引張強度や引裂強度などの物性がシートの方向性に依存せず、安定した耐久性が得られることから好ましい。
本発明に用いる防草シートは、引裂強度の縦方向と横方向との比が、好ましくは0.75〜1.25の範囲、さらに好ましくは0.80〜1.20の範囲、より好ましくは0.83〜1.18の範囲、特に好ましくは0.86〜1.16の範囲であることが、引張強度や引裂強度などの物性がシートの方向性に依存せず、安定した耐久性が得られることから好ましい。
機械的強度の一例として、(e)裏面層として厚さ20μmの二軸延伸成形ポリプロピレンフィルムおよび目付量155g/mの基材層を用い、全体の厚さを3mmとした耐貫通型防草シートの場合には、引張強度110〜190N/cm程度、引張伸び率50〜70%程度、引裂強度85〜140N/cm程度の値を得ることできる。
以上述べたように、耐貫通型防草シートでは、織布、編み布および不織布から選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含む基材層を用い、さらに裏面層に特定の樹脂フィルムを選択して用いるため、引裂強度および引張強度に優れ、寸法安定性が優れる耐貫通型防草シートを得ることができる。また、耐貫通型防草シートを用いれば、道路、線路、河川、公園あるいは造林園およびこれらの周辺などの地面、表面、特に法面での草の成育を防止する遮光性と、非透水性とを有するとともに、集中豪雨などによる法面の帯水を防止でき、特に、硬く鋭い雑草の芽の防草シートに対する貫通防止性に優れる防草構造体を得ることができる。
<参考実施例>
以下に参考実施例を挙げて耐貫通型防草シートを説明するが、本発明に用いる耐貫通型防草シートはこれにより何ら限定されるものではない。
<評価方法>
1.引張強度、引張伸び率、引裂強度:JIS・A6013に準拠して、万能材料試験機[オリエンテック(株)製UTM−10T]を用い、引張速度100mm/分、サンプル幅50mm、チャック間100mm、試験温度22℃の条件下で一軸引張強度を測定した。
2.貫通抵抗:ASTM・D4833に準拠して行った。具体的には、防草シートの貫通抵抗力は、図6(A)および図6(B)に示されているように、下端に先端部7を有する測定用治具6を用い、図6(C)の如く展張、固定された防草シート8を測定用治具6が貫通する際の抵抗力を、貫通速度300mm/分、試験温度22℃の条件下で測定した。
<実験1〜3>
雑草を刈り取った地面の表面に、下記の合成樹脂フィルムを敷設して2ヵ月後に防草効果を確認した。
1)合成樹脂フィルム
・合成樹脂フィルムa : PEフィルム(ポリエチレンフィルム)、厚さ=30μm、1m×1m。
・合成樹脂フィルムb : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)、厚さ=20μm、1m×1m。
・合成樹脂フィルムc : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)、厚さ=60μm、1m×1m。
表1および図4に、実験1〜3のチガヤの芽の貫通状態を観察した結果を示す。
Figure 2009185482
厚さ=30μmのPEフィルム(ポリエチレンフィルム)を敷設した実験3の場合、チガヤの芽がフィルムを貫通して20mm以上に成長している箇所が15箇所観察された。一方、厚さ=20μmのOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を敷設した実験1の場合、チガヤの芽がフィルムを貫通して20mm以上に成長している箇所は1箇所のみであり、厚さ=60μmのOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレンフィルム)を敷設した実験2の場合、チガヤの芽は全くフィルムを貫通していなかった。
<参考実施例1〜5、参考比較例1、2>
以下の手順にしたがって、表2に示す条件で防草シートを製造した。なお、参考実施例1〜5は、耐貫通型防草シートに該当する。
複合不織布を、190℃に加熱溶融混合した改質アスファルト中を通過させ、複合不織布の両面に改質アスファルトの層を設けた3層シートを作製した。
複合不織布(基材層)として、以下の3種類のものを用いた。
2)複合不織布
・複合不織布A : AKZO・NOBEL社製、製品名:colback;品種:SNS155(不織布−スクリム−不織布の三層構造)、上層および下層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、中間層:ガラス繊維束のスクリム(シートの長さ方向と、長さ方向の垂直方向に2方向補強)、目付量=155g/m、1m×6m。
・複合不織布B : AKZO・NOBEL社製、製品名:colback;品種:SNS125(不織布−スクリム−不織布の三層構造)、上層および下層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、中間層:ガラス繊維束のスクリム(シートの長さ方向と、長さ方向の垂直方向に2方向補強)、目付量=125g/m、1m×6m。
・複合不織布C : フロイデンベルグ社製、製品名:TERBOND・R150(不織布−ガラス繊維束の2層構造)、上層の不織布:芯鞘構造、鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル、下層:ガラス繊維束(シートの長さ方向に1方向補強)、目付量=150g/m、1m×6m。
ここで、製品名:colback−品種:SNS155、および、製品名:colback−品種:SNS125は、芯鞘構造(鞘部:ナイロン、芯部:ポリエステル;PET)の繊維からなる不織布とガラス繊維のスクリムとを、不織布−スクリム−不織布の順に積層して、不織布の鞘部のナイロンの熱融着により一体に成形したものである。
改質アスファルトは、SBS改質タイプの針入度30dmm、または、APP改質タイプの針入度29dmmのものを用いた。
3層シートの改質アスファルト層の片面(表面側)には、扁平状のスレートチップを500g/m〜1000g/mの範囲で付着させた。
他方の面(裏面側)には、下記の合成樹脂フィルムを貼り合わせ、厚さ3.2mmの5層シートを作製し、ボール紙の芯材にロール状に巻き付けて防草シートを製造した。
3)合成樹脂フィルム
・合成樹脂フィルムd : HDPEフィルム(高密度ポリエチレン)、厚さ=20μm。
・合成樹脂フィルムe : OPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレン)、厚さ=20μm。
防草シートは、連続して生産することができた。また、いずれの防草シートの光線透過率も0%で、光を透過しなかった。
得られた防草シートについて、引張り強さなど物性評価を行った結果を表3に示す。雑草を刈り取った地面の表面に、得られた防草シートを敷設して2ヵ月後に防草効果を評価した。また、図5に、チガヤの芽の貫通状態を観察した結果を示す。なお、表3中の「施工性」とは、シートの重量、柔軟性やシワの発生状況等、防草シートの施工作業おける取扱性および容易性を総合的に判断したものである。
これらの結果から明らかなように、裏面層として、硬質合成樹脂の一種である二軸延伸成形ポリプロピレンを用いた場合には、高密度ポリエチレンを用いた場合と比較し、チガヤの芽の貫通数を低減し、より高い防草効果を得ることができた。
また、二軸延伸成形ポリプロピレンを用いるとともに、基材層として目付量が155g/mの複合不織布を使用した場合には、チガヤの芽が全く貫通しない(参考実施例4)、または、チガヤの芽が貫通したとしてもその貫通数は極僅かであり(参考実施例2、3、5)、貫通した目の長さも20mm未満であった。貫通したチガヤの芽が、裏面の合成樹脂フィルムを貫通したのち、20mm以上にさらに大きく成長できなかったのは、目付量の大きい複合不織布の繊維構造と、複合不織布に含浸した改質アスファルト層とが、芽の成長にとって大きな障害となったことによるものと推考される。
Figure 2009185482
Figure 2009185482
本発明の防草構造体の一例の断面模式図である。 本発明の防草構造体の一例の平面模式図である。 本発明の防草構造体の一例の断面模式図である。 本発明の防草構造体の一例の平面模式図である。 耐貫通型防草シートの模式的断面図である。 合成樹脂フィルムを敷設して2ヵ月後の、チガヤの芽の貫通状態を示す上面図である。 防草シートを敷設して2ヵ月後の、チガヤの芽の貫通状態を示す上面図である。 防草シートの貫通試験の説明図であり、(A)貫通抵抗測定装置図、(B)測定治具の断面図、(C)測定治具を用いて防草シートの貫通試験を行った貫通状態図をそれぞれ示す。
符号の説明
1 : 表面層(無機質粒子)
2 : 改質アスファルト層
3 : 基材層
4 : 改質アスファルト層
5 : 裏面層
6 : 測定用治具
7 : 測定用治具の先端部
8、10 : 防草シート
14 : 針状器具
15 : 接着部
20 : ブロック
21 : 地面
22 : 目地部
23 : 亀裂部
24 : 打設コンクリート

Claims (7)

  1. 構造体表面部の目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工方法であって、
    目地部および/または亀裂部の幅より広い幅の防草シートを準備する工程と、
    目地部および/または亀裂部の上面および目地部および/または亀裂部の両側に接する構造体表面部の少なくとも一部を覆うように、防草シートを敷設する工程と、
    防草シートと構造体表面部とが重なる部分に釘状器具を打ち込んで、防草シートを構造体表面部に固定する工程と
    を含む、目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工方法。
  2. 構造体表面部が、コンクリートブロック、タイルブロックまたは打設コンクリートである、請求項1記載の施工方法。
  3. 防草シートを敷設する工程より前に、目地部および/または亀裂部に隣接する構造体表面部の表面を清掃する工程をさらに含む、請求項1または2記載の施工方法。
  4. 防草シートの幅が、目地部および/または亀裂部の幅より20〜300mm広い、請求項1〜3のいずれか1項記載の施工方法。
  5. 防草シートが、(a)無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層および(e)合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した耐貫通型防草シートである、請求項1〜4のいずれか1項記載の施工方法。
  6. 目地部および/または亀裂部用防草構造体の施工場所が、人や車両等の立ち入りが制限されている場所である、請求項1〜5のいずれか1項記載の施工方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の施工方法によって得られた構造体表面部の目地部および/または亀裂部用防草構造体。
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