JP4591621B1 - 防草構造体およびその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】盛土の構造物上に隙間無く防草構造体1を敷設して危険な除草や剪定作業を無くす。
【解決手段】盛土9の法面30区域の上部に配置された上部構造体25に、防草シートの上端部12を固定すると共に、構造物21の上部における盛土9の法面30端部に隣接する区域33に、防草シートの下端部13を固定し、盛土9における露出した構造物21の上の法面30区域上に、防草シートに基づく防草構造体1を施工する。
【選択図】図2

Description

本発明は、盛土の法面区域上の草の成育を防止する必要がある場所に防草シートを含む防草構造体を施工する施工方法に関し、特に、構造物の露出部近辺の上部を含む法面区域上に防草構造体を施工する施工方法に関する。
道路、線路等は、盛土の両脇の斜面(法面)に挟まれた上部や、切土の両脇の斜面(法面)に挟まれた下部に形成されることがある。その盛土や切土の両脇の斜面(法面)は、土をむき出しとすると、法面に雑草等が生い茂ってしまう。すると、法面の雑草等により美観が損なわれたり、道路の路肩と法肩または法尻との間の雑草が道路側に伸びることにより通行人や通行車両の安全が損なわれる可能性がある。そのため、路肩およびそれに隣接する法面には、予め美観を良くするように植栽したり、雑草などの草の成育を防止させるために防草シートを敷設することが提案されている。なお、本明細書における「法面」とは、道路や線路およびこれらの周辺の法面、切り土、盛り土などでできた法面、段差のある2つの地表面の間の法面、2つの地表面の間の法面および2つの地表面の間などを意味する。
草の成育を防止するためには、例えば、特許文献1に開示されているような防草シートが用いられている。
草の成育を防止するための構造体として、例えば、特許文献2には、法面部上端の路肩部に布設されるコンクリートブロック部と、そのコンクリートブロック部の法面側に一端部が一体的に固定された防草シート部とからなり、コンクリートブロック部を路肩部に布設した状態で、防草シート部を法面部上に展開して法面部を被覆可能とした路肩ブロックが開示されている。
また、特許文献3には、シート両面に多数の凸部を交互に形成した遮光性かつ遮水性の合成樹脂製エンボスシート(防草シート)を、除草や剪定すべき地面に敷設、固定したことを特徴とする防草構体が開示されている。この特許文献3には、路肩にガードレールがある場合には、ガードレール支柱と、エンボスシート(防草シート)に形成したガードレール支柱の挿通孔との隙間に、コーキング材を詰めることが開示されている。
特開2002−272348号公報 特開2005−307518号公報 特開2006−177122号公報
ところで、道路用や線路用の盛土の下側には、交差する道路、線路又は水路等を貫通させる場合がある。その際に、盛土中に道路又は水路に必要な空間を確保するために、ボックスカルバートと称される両側端が開口した箱型の鉄筋コンクリート製構造物(暗渠)を用いる場合がある。ボックスカルバートを使用すると、現場でコンクリートを打って暗渠を形成する場合と比較して、据付の施工管理が容易になり、工期を大幅に短縮させることができる。ボックスカルバートのように構造物の一部を露出させて盛土に埋設する場合、その盛土部分の法面には、雨水による浸食崩壊を防止するために植栽されることが多い。
しかし、盛土における構造物の露出部上部の法面区域上に植栽する場合、植栽されていない土の部分から雑草等の不要な植物が生育して美観が損なわれるだけでなく、その植栽の維持管理に多くの作業工数が必要であり、さらにその作業には危険性が伴うという問題がある。具体的には、除草や剪定等を行う作業員が作業中に構造物から落下する危険性があった。
上記課題を解決するために、本発明に係る防草構造体の施工方法は、構造物の上に当該構造物の一部が露出するように堆積された盛土における、当該構造物の露出部近辺を含む法面区域上に、防草シートに基づく防草構造体を施工する施工方法であって、盛土の法面区域の上部に配置された上部構造体に、防草シートの上端部を固定する工程と、盛土の法面端部に隣接する構造物に、防草シートの下端部を固定する工程とを有する。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、構造物の露出部上部の法面に、その露出部上部から上部構造体まで連続させて防草シートを設置できるので、その構造物の上部における盛土の法面の上下端部には草が生えず、除草や剪定作業中に構造物から落下する事故を未然に防ぐことができる。
また、その構造物の露出部上部の法面区域上に防草構造体を施工する場合、防草シートと構造物の露出部上部と法面区域の法尻との間の隙間と、盛土の上部に設けられた側溝等の構造体と法面区域の法肩との間に隙間ができてしまうので、美観が損なわれる問題と、植物を除草や剪定するための作業員の落下の危険性は依然として存在する。また、その隙間にコーキング材又はシーリング材(シーラント)等を隙間無く詰めることで植物の生育を防止する方法が考えられるが、手間がかかるため、コストが高くなってしまうという問題がある。
そこで本発明は、上記の課題を解決するため、盛土の構造物の露出部上の法面区域の法尻と法肩の構造物との隙間を含む全体にわたって植物の生育の防止することで除草や剪定作業の危険性を無くすと共に、構造物の劣化を軽減し、施工が容易で低コストの防草シートを含む防草構造体およびその施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る防草構造体の施工方法は、構造物の上に当該構造物の一部が露出するように堆積された盛土における、当該構造物の露出部近辺を含む法面区域上に、防草シートに基づく防草構造体を施工する施工方法であって、盛土の法面区域の上部に配置された上部構造体に、防草シートの上端部を固定する工程と、構造物の上部における盛土の法面端部に隣接する区域、防草シートの下端部を固定する工程とを有し、上部構造体は、盛土の法面区域の上部に設けられた側溝であり、防草シートの上端部は、側溝に固定されるか、又は、側溝の内側に折り曲げられ、且つ、少なくとも第1所定寸法以上の幅で、側溝の内側を覆い、防草シートの下端部は、少なくとも第2所定寸法以上の幅で、構造物の上部区域を覆う
本態様の防草構造体の施工方法によれば、構造物の露出部上部の法面に、その露出部上部から上部構造体まで連続させて防草シートを設置できるので、その構造物の上部における盛土の法面の上下端部には草が生えず、除草や剪定作業中に構造物から落下する事故を未然に防ぐことができ、シート上端を側溝に固定することにより、施工が容易で、防草シートの上に人が乗って作業できるように強固に固定でき、上端と下端の固定部を所定寸法以上の幅とし、上端は折り曲げることで固定強度を高めることができる。
好ましくは、防草シートを上部構造体に固定する工程、および、防草シートを構造物に固定する工程では、少なくとも防草シート自体の融着、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着の何れかを用いて固定するようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、固定方法として融着と接着の何れかを用いることで、施工を容易にできる。
好ましくは、防草シートを上部構造体に固定する工程、および、防草シートを構造物に固定する工程では、さらに防草シートを貫通して打ち込まれる釘状器具を、上部構造体の形成方向に沿って間欠的に用いるようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、追加の釘状器具で固定することで、より固定を確実にすることができる。
好ましくは、防草シートを、構造物の上部から盛土の法面区域上に、上部に向かって被覆幅が広がる形状に施工するようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、防水性の防草シートを上部に向かって被覆幅が広がる形状に施工することで、雨水の法面への浸透が減少し、構造物に達する雨水の浸透量が減少する。これにより、構造物の劣化等を抑制することができる。
好ましくは、防草シートの各端部のうちの少なくとも一端部を、当該端部に沿って、釘状器具を少なくとも防草シートを貫通させて法面に対して間欠的に打ち込むことで、盛土の法面区域に防草シートを固定する工程を有するようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、シート端部を法面に釘状器具で固定することで、風による防草シートの浮きを抑制できる。
好ましくは、防草シートの端部に沿って、その端部における固定する部分を埋設可能な寸法の溝を堀り、防草シートの端部を釘状器具で固定した後に、その溝を埋め戻すようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、側面を溝中で固定して埋め戻すことで、風による防草シートの浮きを無くすことができる。
好ましくは、一の防草シートにおける盛土に固定された端部に、隣接する他の防草シートの端部を重ね、重なり部分を固定する工程を有するようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、複数の防草シートを用いることで防草構造体の施工を容易にすることができる。
好ましくは、防草シートが、防水性を有する改質アスファルト系防草シートであるようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、防水性のアスファルト系とすることにより、側溝や構造物への融着が加熱のみで容易になり、防水性を有することで構造物の劣化等を抑制することができる。
好ましくは、一の防草シートにおける、隣接する他の防草シートと重なる端部を、防草シートの融着、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着、の少なくとも何れかを用いて固定するようにしてもよい。
本態様の防草構造体の施工方法によれば、シート端部を隣接するシートの端部と融着するか接着することで、複数の防水性のシートの重なった隙間から水が浸入しないようにでき、構造物の劣化等を抑制することができる。
また、本発明の防草構造体は、上述の施工方法により施工される。
本発明の防草構造体およびその施工方法によれば、盛土の構造物の露出部上の法面区域の法尻と法肩の構造物との隙間を含む全体にわたって草の生育を防止することで除草や剪定作業の危険性を無くし、施工が容易で低コストの防草構造体およびその施工方法を得ることができる。
本発明の実施形態に係る盛土の構造物の露出部上の法面区域における防草構造体を示した図であり、(a)が正面図であり、(b)が側面からの断面図である。 図1(a)の法面区域における防草構造体を拡大して一部を省略すると共に防草構造体を固定するために法面等に一部又は全部が埋められる釘状器具を示した正面図である。 図1(b)の法面区域における防草構造体を拡大すると共に防草構造体を固定するために法面等に一部又は全部が埋められる釘状器具を示した側面からの断面図である。 図2の法面区域における防草構造体の側端部の法面に埋められる釘状器具を示した図であり、(a)が埋められる前の側面からの断面図であり、(b)が埋められた後の側面からの断面図である。
<第1実施形態>
本発明の防草構造体およびその施工方法の第1の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本実施形態の防草構造体1の概略構成について図1〜図4を用いて説明する。図1(a)及び(b)に示したように、本実施形態の防草構造体1は、複数の防草シート10が、シート重ね合わせ融着部17にて接続された構造となっている。このように、適宜選択した寸法の複数の防草シート10のシート重ね合わせ融着部17を、加熱融着法またはテープ接着法により張り合わせて用いることにより、本発明の防草構造体1を任意の寸法の法面30区域に合わせて設置することができる。なお、本発明の防草構造体1は、道路、線路、河川、公園あるいは造林園およびこれらの周辺の地面、表面、法面30など、防草が必要な場所であれば、どのような場所にも用いることができる。
また、防草構造体1は、例えば、所定寸法の防水性防草シート10を用いて、防草区域の形状に合わせて防草シート10を切って並べることで作成することができる。複数の防草シート10の間に隙間ができると、そこから植物が貫通してくることがあるので、各防草シート10の対向する端部は融着または接着される。具体的には、防草構造体1は、一の防草シート10における、隣接する他の防草シート10と重なる端部を、防草シート10の融着、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着、の少なくとも何れかを用いて、例えば、盛土9の法面30区域上の草の成育を防止する必要がある場所の領域範囲に合わせて固定することで形成される。この複数の防草シート10を用いることで防草構造体1の施工を容易にすることができる。
また、例えば、法面30区域の幅が防草シート10より狭い場合、すなわち法面30区域の幅が一般的に1m程度以下の場合には、一枚のテープ状の防草シート10を用いて防草構造体1を設置することができる。
なお、テープ接着法とは、両面に接着性のあるアスファルトテープを、端部と被接着面との間に挿入し、端部と被接着面との固定を行う方法である。住宅地近傍への設置の場合や、設置箇所近傍に下草等の可燃物が多い場合など、火気の使用が制限されている場合には、テープ接着法を用いて防草シート10を固定することが好ましい。
より詳しくは、本実施形態の防草構造体1は、例えば、ボックスカルバートのような構造物21の上に当該構造物21の一部が露出するように堆積された盛土9における、当該構造物21の露出部近辺を含む法面30区域上に、敷設場所の形状に合うように必要に応じて防水性防草シート10を切断して、50mm〜200mmの重ね代で隣接させて配置し、その重ね代の端部をトーチバーナーにより溶融させてから固化させることにより相互に加熱融着するか、その重ね代の端部間に両面に接着性の自着層(例えば特殊ゴム化アスファルト粘着層)を有するテープを挟むように挿入して転圧することで接着するように施工することで形成される。
このように防草シート10をアスファルト系とすることにより、シート同士の接着または融着が容易になるだけでなく、後述する側溝や構造物21への融着または接着が、加熱または転圧のみであるように容易にすることができる
また、上記した防草シート10の重なる端部同士を融着または接着する方法の他に、盛土9に後述する第二の釘状器具15等により一の防草シート10の端部を固定し、その端部における第二の釘状器具15等よりも内側に、隣接する他の防草シート10の端部を重ね、重なり部分を融着または接着により固定するようにしてもよい。
本実施形態で防水性の防草シート10を用いる理由は、盛土9の法面30に降り注いだ雨水は、盛土9の中に浸透し、さらに鉄筋コンクリート製の構造物21にまで雨水が達すると、浸透水がコンクリートを中性化させたり、構造物の金属を腐食させることで構造物21を劣化させることがあるためである。従って、構造物21に達する雨水は極力減少させることが望ましい。
しかし、防水性の防草シート10を用いても、その各防草シート10の隙間から雨水が浸入する場合がある。そのため、本実施形態によれば、シート端部を隣接するシートの端部と隙間無く連続的に融着するか接着することで、複数の防水性のシートの重なった隙間から水が浸入しないし、構造物21の劣化等を抑制している。また、重ね代の防水性をより完全にするために、重ね代の隙間に、例えば、シリコンを成分に含むコーキング材又はシーリング材(シーラント)等を充填して隙間を無くしてもよい。
また、盛土9の法面30に降り注いだ雨水は真下に浸透するだけでなく斜め下方向にも浸透するため、防水性の防草シート10を用いて防草構造体1を矩形(長方形)状に形成しても、法面30の上側に浸透した雨水は構造物21の上部に達しやすくなる。従って、本実施形態の防草構造体1は、防水性防草シート10を構造物21の上部から盛土9の法面30区域上に、上部に向かって被覆幅が広がる形状に施工するとよい。
防水性の防草シート10の形状を、例えば、構造物21の上部の幅から、略逆さ台形のような上部に向かって被覆幅が広がる形状にした場合、法面30の上側ほど防水範囲の幅が広げられて施工されることになる。これにより法面30の上側から構造物21への斜めに浸透する雨水を減少させることができ、構造物21に達する雨水の浸透量を減少させることができる。その結果、構造物21の劣化等を抑制することができる。
盛土9は、例えば、幹線道路、高速道路、鉄道の軌道等を敷設するために土木工事により土砂を堆積させて形成される。その場合の盛土9の上面は平面であり、道路や軌道を敷設するための路盤等が設けられると共に、それらの道路や軌道に沿った端部には、排水のための側溝が設けられる。
防草シート10は、例えば、1m×10m等の所定寸法の改質アスファルト系の防草シート10であり、法面30区域上の防草領域の範囲に合わせて、必要に応じて切断され、重ね代を加熱融着又は接着する。本実施形態の防草シート10は、防水性を有する改質アスファルト系防草シート10である。従って防草構造体1は防水性を有するので、盛土9内の植物の種子や根への水分の供給を減らすことで植物が育成されにくくでき、構造物21の劣化等を抑制することができる。なお、防草シート10の寸法は、法面30区域の寸法やその他の施工条件によって、適宜選択することができる。
防草シート側端部11は、防草構造体1における法面30の上下方向に沿う側端部であり、風雨の浸入抑制のため、その端部に沿って、その端部における固定する部分を埋設可能な寸法で掘削された溝に折り込まれ、その防草シート10の端部に沿って、釘状器具を少なくとも防草シート10を貫通させて法面30に対して間欠的に打ち込むことで、防草シート10の端部を盛土9の法面30区域に釘状器具で固定する。そして、さらに固定した後に、その溝を埋め戻している。このように防草シート10の側端部を、法面30に釘状器具で固定することで、風による防草シート10の浮きを抑制することに加えて、側端部を溝中で固定して埋め戻すことで、風による防草シート10の浮きを無くすことができる。
法肩側端部12は、法面30に敷設された防草構造体1における上側の側端部であり、各防草シート10の上端部である。本実施形態では、この法肩側端部12は盛土9の法面30区域の上部に配置された上部構造体の内側を覆って固定される。固定方法としては、法肩側端部12は、側溝であるU字溝25の法面側側壁26の内側に折り曲げられ、第1所定寸法L1(例えば50mm)以上の幅で側溝の内側を覆う。この折り曲げられた法肩側端部12部分の幅は、50mm以上であれば100mmでも200mmでもよい。そして、その折り曲げられた法肩側端部12部分は、融着または接着により固定される。
このように上端の固定部を第1所定寸法L1(50mm)以上の幅として折り曲げ、融着または接着することで固定強度を高めることができる。
法尻側端部13は、法面30に敷設された防草構造体1における下側の側端部であり、各防草シート10の下端部である。本実施形態では、法尻側端部13は、構造物21の上部区域を覆って固定される。固定方法としては、法尻側端部13は、構造物21の露出した上部区域を、第2所定寸法L2(例えば200mm)以上の幅で覆う。この覆う幅は、200mm以上であれば300mmでも400mmでもよい。そして、その法尻側端部13部分は、融着または接着により固定される。
このように下端の固定部を第2所定寸法L2以上の幅とすることで固定強度を高めることができる。
この法尻側端部13の固定と、上記した法肩側端部12の固定とを合わせることで、構造物21の露出部上部の法面30に、その露出部上部から上部構造体まで連続させて防草シート10を設置することができる。従って、その構造物21の上部における盛土9の法面30の上下端部には草が生えず、除草や剪定作業中に構造物21から落下する事故を未然に防ぐことができる。
第一の釘状器具14は、例えば、コンクリート用のビス、ビスとナイロンプラグとの組み合わせ、プラグアンカー、ビスとナイロンプラグと固定ディスクとの組み合わせ等である。防草シート10を上部構造体に固定し、また、防草シート10を構造物21に固定するために、防草シート10を貫通して下地のコンクリートにドリル等を用いて削孔し、第一の釘状器具14を打ち込む。プラグを用いる場合には、先にプラグを挿入してからビス等をハンマーで打ち込むか、ドライバーでねじ込む。第一の釘状器具14の使用間隔としては、上部構造体であるU字溝25の法面側側壁26の上側端面の形成方向に沿って、例えば0.45mおきに間欠的に用いる。
このように追加の釘状器具で固定することで、法肩側端部12または法尻側端部13への防草シート10の固定をより確実にすることができる。
また、第一の釘状器具14としては、オールアンカー、コンクリート釘、または測量釘なども用いることができる。オールアンカーとは、アンカー本体、打込みピン、ナットおよびワッシャーがセットになったアンカーのことである。オールアンカーの一例として、直径5mm、長さ30mmのものを用いることができる。また、オールアンカーによる固定を確実にするために、さらにオールアンカー用ディスク(例えば、厚さ1.2mm、直径45mm)を用いることができる。また、コンクリート釘による固定を効率的にかつ確実にするために、自動釘打機を用いることが好ましい。
第二の釘状器具15は、例えば、土中に埋める釘またはペグであり、折り曲げ又は金属加工によりL字形状又はT字形状等のハンマーによる打ち込みが容易な頭部を有し、反対側の先端は土中に潜り込み易いように尖端になっており、胴部分は直線形状またはスパイラル形状になっている。また、第二の釘状器具15としてのL字型のピンの寸法の一例として、直径16mm、長辺の長さ500〜800mmのものを用いることができる。例えば、第二の釘状器具15は、防草シート10の横方向端部を、当該端部に沿って法面30に対して間欠的な間隔で、防草シート10を貫通させて打ち込む。これにより、盛土9の法面30区域に防草シート10を固定できる。
このように防草シート10の側端部を釘状器具で法面30に固定することで、風による防草シート10の浮きを抑制することができる。
シート重ね合わせ融着部17は、各防草シート10の側端部のうち、隣接するシートの側端部と隙間無く連続的に融着するか接着する部分であり、50mm〜200mmの重ね代となる部分である。例えば、100mmを重ねて融着することで、複数の防水性のシートの重なった隙間から水が浸入しなくなり、構造物21の劣化等を抑制することができる。また、重ね合わせ(重ね代)の防水性をより完全にするために、重ね代の隙間に、例えば、シリコンを成分に含むコーキング材又はシーリング材(シーラント)等を充填して隙間を無くしてもよい。
構造物21は、例えば、ボックスカルバートのような両側端が開口した箱型の鉄筋コンクリート製構造物(暗渠)であり、盛土9中に道路又は水路に必要な空間を確保するため用いられる。工場でプレキャスト化されて製造されるため、品質は均一であり、十分な強度と耐力を有しており、安全性にも優れている。構造物21を使用すると、現場でコンクリートを打って暗渠を形成する場合と比較して、据付の施工管理が容易になり、工期を大幅に短縮させることができる。
構造物21の上部区域は、法尻側端部13のところでも説明したように、防草シート10の下端部により、少なくとも第2所定寸法L2(例えば200mm)以上の幅で覆われる。
このように下端の固定部を第2所定寸法L2以上の幅とすることで固定強度を高めることができる。
U字溝25の融着部23は、防草構造体1の防草シート10上端を固定するU字溝の法面側側壁26上の区域であり、防草シート10上端を側溝に融着等で固定することにより、施工が容易で、防草シート10の上に人が乗って作業できるように強固に固定できる。
防草構造体1の防草シート10の上端部は、U字溝25の内側で折り曲げられ、且つ、少なくとも第1所定寸法L1(例えば50mm)以上の幅でU字溝25の法面側側壁26の内側を覆う。
このように上端を折り曲げて第1所定寸法L1以上の幅の固定部とすることで固定強度を高めることができる。防草シート10を上部構造体に固定する工程では、防草シート10自体を融着させて固定するが、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着の何れかを用いて固定するようにしてもよい。このように固定方法として融着と接着の何れかを用いることで、施工を容易にできる。
U字溝25は、盛土9の法面30区域の上部に設けられた上部構造体であり、盛土9の上部の道路または線路の側溝であり、防草シート10の上端部が固定される側溝である。
U字溝25の法面側側壁26は、U字溝25の両側の側壁の一方であり、盛土9の法面30区域の上部に設けられた道路または線路の側の法面側側壁27と対向する側壁である。
防草シート10を上部構造体に固定する場合に、上記融着または接着に加えて、さらに防草シート10を貫通して打ち込まれる第1の釘状器具14を、上部構造体の形成方向に沿って間欠的に追加の釘状器具として用いて固定することで、より確実に固定することができる。
U字溝25の道路側側壁27は、U字溝25の両側の側壁の一方であり、盛土9の法面30区域の上部に設けられた道路または線路の側の側壁であり、法面側側壁26と対向する側壁である。
法面30は、盛土9の脇の斜めのスロープ部分であり、この部分の全体、または下側(法尻側)、または上側(法肩側)に本実施形態の防草構造体1が配置される。
法面上下方向掘削部31は、防草シート側端部11を、その端部に沿って、法面30の上下方向に形成される。その法面上下方向掘削部31に防草シート側端部11を入れてから、第二の釘状器具15を防草シート10を貫通させて打ち込む。打ち込む間隔は、防草シート側端部11(法面30の上下方向)に沿って、例えば0.5m毎等の間欠的とする。これにより、盛土9の法面30区域に防草シート10を固定できる。このように防草シート10の端部を法面30に第二の釘状器具15で固定することで、例えば、法面30に沿って吹く風や、法面30に向かって吹き付ける風が防草シート10の下側に吹き込んで防草シート10を捲れさせたり浮かせることを抑制できる。
法面上下方向埋設部32は、上記のように防草シート10の端部に沿って、その端部における固定する部分を埋設可能な寸法の溝形状に掘られた法面上下方向掘削部31に、防草シート側端部11を入れ、第二の釘状器具15を打ち込んで固定した後に、その溝を埋め戻している。これにより、防草シート側端部11を溝中で固定して埋め戻すことで、固定を確実にすると共に、法面30に沿って吹く風や、法面30に向かって吹き付ける風による防草シート10の捲れや浮きを無くすことができる。暴風などによって防草シート10の第二端部13が捲れることを防止することができる。
構造物上融着部33は、構造物21の上部における盛土9の法面30端部に隣接する区域である。ここに、防草構造体1(防草シート10)の法尻側端部13の下端部が、第2所定寸法L2(例えば200mm)以上の幅で、構造物21の上部区域を覆うようにして固定される。この下端の固定部を第2所定寸法L2以上の幅とすることで固定強度を高めている。なお、本実施形態では防草シート10を構造物21に固定するために、防草シート10自体を融着させたが、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着の何れかを用いて固定してもよい。この固定方法として融着と接着の何れかを用いることで、施工を容易にできる。
この構造物上融着部33と、上記したU字溝25の法面側側壁26の融着部とを合わせて、構造物21の露出部上部の法面30に、その露出部上部からU字溝25(上部構造体)まで連続させて防草シート10を設置できる。従って、本実施形態の構造物21の上部における盛土9の法面30の上下端部には草が生えず、除草や剪定作業中に構造物21から落下する事故を未然に防ぐことができる。
また、本発明の防草構造体1を敷設すると、構造物21の露出部近辺の盛土9上の23と防草シート10との隙間を無くすことができる。そのため、本発明の防草構造体1を用いることによって、構造物21の露出部近辺の盛土9上の23と防草シート10との間の隙間からの草の生育を、簡便で低コストに防止することができる。
なお、本実施形態では、防草シート10として改質アスファルト系のものを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、市販の防草シート10から適宜選択して用いても効果を得ることができる。しかし、特に、可撓性、防水性および遮光性を有し、シート状の形状を有するものは、良好な耐久性を有することから好適に用いることができる。本発明に用いる防草シート10の具体例として、優れた可撓性、防水性および遮光性を有する改質アスファルト系防草シート10、例えば、特開2002−272348号公報(特許文献1)に開示された改質アスファルト系防草シート10を好ましくは用いることができる。
「改質アスファルト系防草シート10」とは、改質アスファルトを材料として含む防草シート10のことをいう。改質アスファルトとしては、具体的には後述する耐貫通型防草シートの(b)改質アスファルト層および(d)改質アスファルト層に用いることのできる改質アスファルトと同様のものを用いることができる。改質アスファルト系防草シート10は、建築用防水シート(改質アスファルト系防水シート)を転用して用いることができる。改質アスファルト系防草シート10としては、単層の改質アスファルトからなるシートのみならず、2層の改質アスファルト層の間に不織布等からなる基材層を含む構造のものを用いることができる。
また、改質アスファルト系防草シート10は、さらに表面層および裏面層を含むことができる。表面層は、後述する耐貫通型防草シートの(a)表面層と同様のものを用いることができる。また、裏面層には、合成樹脂フィルムを好適に用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、具体的には、HDPEフィルム(高密度ポリエチレン)およびOPPフィルム(二軸延伸成形ポリプロピレン)などから選択したものを好適に用いることができる。また、後述する耐貫通型防草シートの(e)裏面層と同様のものを用いることができる。
改質アスファルト系防草シート10の構造の一例は、表面層、改質アスファルト層、基材層、改質アスファルト層および裏面層をこの順番で有する構造であるが、これらの層の全てを含む必要はなく、また、さらなる層を含むこともできる。
また、本発明の防草構造体1に用いる、防草シート10の材料として改質アスファルト系防草シート10を用い、端部を加熱融着法により構造物21の露出部近辺の上面及びU字溝25の法面側側壁26に対して、固定することが好ましい。加熱融着法を用いることにより、防草シート10と、構造物21の露出部近辺の上面及びU字溝25の法面側側壁26との接着・固定をさらに確実にすることができ、隙間の発生を確実に防止することができるためである。
また、本発明の防草構造体1に含まれる防草シート10として、改質アスファルト系防草シート10の1種である、硬く鋭い雑草の芽の防草シート10に対する貫通防止性に優れる耐貫通型防草シート、例えば、特開2009−138486号公報に開示された耐貫通型防草シートを好ましくは用いることができる。
<耐貫通型防草シート>
耐貫通型防草シートは、(a)無機質粒子または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む表面層、(b)改質アスファルト層、(c)基材層、(d)改質アスファルト層および(e)合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む裏面層の少なくとも5層をこの順で積層した耐貫通型防草シートであって、(c)基材層が、織布、編み布および不織布からなる群より選ばれる少なくとも一つである基材Aと、スクリムを有する基材Bとを含み、基材Aの織布、編み布および不織布が、芯部と鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を含み、芯部が融点200℃以上の繊維および鞘部が融点200℃以上の樹脂であり、(e)裏面層の合成樹脂が硬質合成樹脂である耐貫通型防草シートである。
耐貫通型防草シートの好ましい態様を以下に示す。耐貫通型防草シートでは、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)(e)裏面層の硬質合成樹脂が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニルおよびポリハロゲン化ポリビニルからなる群より選択される少なくとも一つの合成樹脂である。
(2)(e)裏面層が、厚さ10〜50μmの二軸延伸成形ポリプロピレンフィルムである。
(3)(c)基材層が、基材Aと、基材Bと、基材Aとをこの順に積層し、接着された、もしくは熱融着された三層構造を有する。
(4)芯部と鞘部とが、熱融着されている。
(5)基材Bが、複数の互いに平行な略等間隔の高強度繊維の繊維束からなる組を2組以上有し、異なった組の繊維束は、略等角度で互いに交差しあうスクリムである。
(6)基材Aと、基材Bとの接触部の少なくとも一部が、融点200℃以上の樹脂および/または200℃で熱分解しない接着剤により接着されている、もしくは熱融着されている。
(7)(c)基材層が、75〜500g/mの目付量を有する。
(8)(a)表面層が、天然スレート、タルクおよびマイカからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の、扁平状の無機質粒子を含む。
また、耐貫通型防草シートは、上記の防草シート10を敷設した防草構造体1に用いることができる。
<耐貫通型防草シートの効果>
耐貫通型防草シートにより、道路、線路、河川、公園あるいは造林園およびこれらの周辺などの地面、表面、特に法面30での草の成育を防止ための、遮光性を有し、耐候性、機械的特性、不透水性に優れ、さらに硬く鋭い雑草の芽の防草シート10に対する貫通防止性に優れる防草シート10を得ることができる。
<(b)層および(d)層の改質アスファルト>
(b)層および(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルトおよびポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマーおよび無機充填材の3成分を含むものなどを用いることができる。(b)層および(d)層の改質アスファルトとしては、アスファルト100重量部に対し、ポリマー10〜40重量部、および無機充填材0〜20重量部を含むものを用いることが好ましい。
改質アスファルトは、アスファルトおよびポリマーを含むもの、アスファルト、ポリマーおよび無機充填材の3成分を含むものなどを120〜200℃で3〜30時間加熱混合して調製したものを用いることが、防水・防湿性、伸縮性などに優れているために好ましい。
改質アスファルトには、以上述べた成分のほかに、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般に合成樹脂やゴムの配合で用いられる撥水剤、顔料、増粘剤、耐光剤、耐候剤などの無機や有機の配合剤を添加してもよい。
(b)層および(d)層の改質アスファルトにおいて、アスファルトとしては、天然アスファルトやアスファルタイトなど天然に産するもの、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルト、またはこれらのアスファルトの混合物等が好ましい。
(b)層および(d)層の改質アスファルトにおいて、ポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸誘導体との共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、スチレンとブタジエンとの重合体(例えば、SBSなど、SBRなど)等を使用することができる。特にSBSなどのゴム系が好適である。
(b)層および(d)層の改質アスファルトにおいて、無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土、シリカ等の粒子状無機充填材、石綿やガラス繊維などの繊維状無機充填材を用いることができる。
(b)層および(d)層の改質アスファルトは、針入度が、好ましくは10dmm〜200dmmの範囲、さらに好ましくは15dmm〜100dmmの範囲、より好ましくは20dmm〜50dmmの範囲、特に好ましくは25dmm〜35dmmの範囲が柔軟性に優れるために好ましい。
耐貫通型防草シートでは、(b)層および(d)層として、上記組成の改質アスファルトを用いることにより、特に法面30に配置した場合には、法面30上部に不透水性に優れた層を形成することができ、雑草の生育に不可欠な水分を遮断できるのみならず、法面30が盛り土で構築されている場合には、法面30上部(法肩)からの雨水の浸透に伴う法面30自体の帯水を効果的に防止することにより、集中豪雨などに伴う法面30地盤の崩壊を回避することができる。
<裏面層>
耐貫通型防草シートは、裏面層が、合成樹脂または無機質粒子を含有する合成樹脂を含む。(e)裏面層は、合成樹脂フィルムまたは無機質粒子を含有する合成樹脂フィルムであることが好ましい。
(e)裏面層の合成樹脂は、硬質合成樹脂である。裏面層に、硬質合成樹脂を材料としたフィルムを用いることによって、チガヤなどの雑草の芽が、耐貫通型防草シートの(e)裏面層を貫くことが防止できる。また、合成樹脂フィルムの表面滑性を活かして、雑草の芽の成長方向をシート裏面と平行な方向に誘導することが可能となる。
(e)裏面層の合成樹脂フィルムの合成樹脂としては、耐光性および耐候性に優れたものを使用することが好ましい。
耐貫通型防草シートに用いる(e)裏面層としては、厚さが、好ましくは10〜50μmであり、さらに好ましくは12〜40μmであり、特に好ましくは15〜30μmの硬質合成樹脂フィルムを好適に使用できる。(e)裏面層である硬質合成樹脂フィルムが前記範囲より厚い場合、チガヤの芽が耐貫通型防草シートを貫通するのを防止する効果は高くなるものの、耐貫通型防草シートの柔軟性が損なわれることがある。そのため、耐貫通型防草シートを製造したのちロール状に梱包するとシート表面にシワが発生するなどの問題が生じる可能性があり、また施工作業においても敷設時の作業性が損なわれる可能性がある。また、(e)裏面層の合成樹脂フィルムが前記範囲より薄い場合には、硬く鋭いチガヤの芽が耐貫通型防草シートを貫通するのを防止する効果が小さくなる。硬質合成樹脂フィルムが前記範囲内であると、これらの問題が生じないため、好ましい。
このように本実施形態の防草構造体1およびその施工方法によれば、盛土の構造物の露出部上の法面区域における法尻と法肩の構造物との隙間を含む全体にわたって草の生育を防止することができる。従って、構造物の露出部上の法面区域で除草や剪定作業を実施する際の危険性を無くすと共に、構造物の劣化を軽減し、施工が容易で低コストの防草構造体およびその施工方法を得ることができる。
1 防草構造体、
9 盛土、
10 防草シート、
11 防草シート側端部、
12 法肩側端部、
13 法尻側端部、
14 第一の釘状器具(ナイロンプラグ+ディスク)、
15 第二の釘状器具(L字ピン)、
17 シート重ね合わせ融着部、
19 横方向端部、
21 構造物、
23 U字溝の融着部、
25 U字溝、
26 U字溝の法面側側壁、
27 U字溝の道路側側壁、
30 法面30、
31 法面上下方向掘削部、
32 法面上下方向埋設部、
33 構造物上融着部、
L1 U字溝の融着部の長さ、
L2 構造物上融着部の長さ。

Claims (10)

  1. 造物の上に当該構造物の一部が露出するように堆積された盛土における、当該構造物の露出部近辺を含む法面区域上に、草シートに基づく防草構造体を施工する施工方法であって、
    盛土の法面区域の上部に配置された上部構造体に、草シートの上端部を固定する工程と、
    構造物の上部における盛土の法面端部に隣接する区域に、草シートの下端部を固定する工程と、
    を有し、
    上部構造体は、盛土の法面区域の上部に設けられた側溝であり、
    防草シートの上端部は、側溝に固定されるか、又は、側溝の内側に折り曲げられ、且つ、少なくとも第1所定寸法以上の幅で、側溝の内側を覆い、
    防草シートの下端部は、少なくとも第2所定寸法以上の幅で、構造物の上部区域を覆う
    防草構造体の施工方法。
  2. 防草シートを上部構造体に固定する工程、および、防草シートを構造物に固定する工程では、
    少なくとも防草シート自体の融着、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着の何れかを用いて固定する、
    請求項記載の防草構造体の施工方法。
  3. 防草シートを上部構造体に固定する工程、および、防草シートを構造物に固定する工程では、
    さらに防草シートを貫通して打ち込まれる釘状器具を、上部構造体の形成方向に沿って間欠的に用いる、
    請求項記載の防草構造体の施工方法。
  4. 防草シートを、構造物の上部から盛土の法面区域上に、上部に向かって被覆幅が広がる形状に施工する、
    請求項1〜のいずれか1項記載の防草構造体の施工方法。
  5. 防草シートの各端部のうちの少なくとも一端部を、
    当該端部に沿って、釘状器具を少なくとも防草シートを貫通させて法面に対して間欠的に打ち込むことで、
    盛土の法面区域に防草シートを固定する工程を有する、
    請求項1〜のいずれか1項記載の防草構造体の施工方法。
  6. 防草シートの端部に沿って、その端部における固定する部分を埋設可能な寸法の溝を堀り、
    防草シートの端部を釘状器具で固定した後に、その溝を埋め戻す
    請求項記載の防草構造体の施工方法。
  7. 一の防草シートにおける盛土に固定された端部に、
    隣接する他の防草シートの端部を重ね、重なり部分を固定する工程、
    を有する
    請求項1〜のいずれか1項記載の防草構造体の施工方法。
  8. 防草シートが、防水性を有する改質アスファルト系防草シートである、
    請求項1〜のいずれか1項記載の防草構造体の施工方法。
  9. 一の防草シートにおける、隣接する他の防草シートと重なる端部を、防草シートの融着、接着材による接着、および、両面接着テープによる接着、の少なくとも何れかを用いて固定する、
    請求項記載の防草構造体の施工方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項記載の施工方法により形成される、防草構造体。
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