JP7468872B2 - 防草シート - Google Patents

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Description

本発明は、防草シートに関する。
詳しくは、高い耐候性を有し、屋外で長期間使用できる防草シートであって、透水性がなく、遮光性が高いとともに、軽量であり、防滑性に優れる、防草シートに関する。
道路、線路、河川、公園、等、及びその周辺地等において、地面及び法面の草の生育を防止するために、近年、防草シートを敷設する手法が選択されることが多い。防草シートは、また、自宅の庭、百貨店敷地、農地、空き地、太陽光発電施設等の人の立ち入りが少ない地面及び法面の維持及び管理手法としても活用されており、その用途は広がりつつある。
防草シートは、敷設した部分を遮光することにより、除草剤等の薬物を使用することなく、草野の生育を防止することができる。したがって、防草シートには、高度の遮光性が求められる。また、遮光しても生育する草については、発芽した草がシートを突き抜けない、高い貫通抵抗性が求められる。
防草シートの例として、例えば、特許文献1に、圧接接着された合成繊維長繊維不織布であって、特定の投影面積空隙率及び貫通抵抗を示す不織布から成る防草シートが記載されている。
また、特許文献2には、長繊維を圧接接着して形成した不織布を基材とし、この不織布の表面に、無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相とし、バインダーを連続相とするマトリックス材料から成る塗膜層が形成されている、防草シートが記載されている。
更に、特許文献3には、無機質粒子を含む表面層、改質アスファルト層、基材層、改質アスファルト層、及び合成樹脂を含む裏面層の5層を含む、防草シートが記載されている。
特開平01-016543号公報 特開2003-143975号公報 特開2009-138486号公報
特許文献1の防草シートは、使用している合成繊維の耐候性が低く、屋外で長期間使用すると、シートに亀裂及び破れが発生し、その部分から草が生育してしまう。また、傾斜面に敷設した場合、人が歩行するときに滑りやすい等の問題点を有している。
特許文献2の防草シートは、透水性を有する。そのため、シート下の地面が雨等の水の継続的な侵入の影響を受ける。特に、傾斜地に敷設した場合には、シート下の地面の内部で削られてしまう問題がある。更に、透水性を確保するために、シートに孔を有し、紫外線も透過するため、長期耐候性の観点においても問題がある。
更に、特許文献3の防草シートは、十分な遮光性、耐候性、及び草の突き抜け耐性を確保するため、防草シートが厚くなっており、重い。そのため、持ち運びがし難く、シートカット、シートの接合等の際のハンドリングが困難である。また、表面摩擦により無機質粒子がシートから脱落し易く、傾斜地に敷設した際に、継時的に滑り易くなるとの問題もある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い耐候性を有し、屋外で長期間使用できる防草シートであって、透水性がなく、遮光性が高いとともに、軽量であり、防滑性に優れる、防草シートを提供することである。
本発明は、以下のとおりのものである。
《態様1》基材、及び前記基材の片面上又は両面上に遮蔽層を有する防草シートであって、
前記基材は、不織布及び織物から選ばれ、
前記遮蔽層は、粒子及びバインダーを含み、
前記粒子の平均粒径が35μm~1,400μmであり、
前記防草シート断面の顕微鏡観察において、視野中の前記粒子のうち、150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角を有する粒子の割合が60%以上であり、
前記防草シートが、下記(A)~(D)のすべてを満たす、防草シート:
(A)前記防草シート全体の目付が400g/m~3,000g/mであること、
(B)前記遮蔽層について、触針粗さ計によって測定した算術平均粗さRa、10点平均粗さRz、及び最大谷深さRvが、それぞれ、以下の範囲であること
Ra:14μm~130μm
Rz:85μm~600μm
Rv:32μm~250μm、
(C)前記防草シートについて、JIS A 1218に記載された測定方法を準用して、前記遮蔽層側を上側にして測定される透水性がゼロであること、並びに
(D)前記防草シートについて、JIS L 1055:2009に準拠して測定される遮光率が99.9%以上であること。
《態様2》前記基材が、有機高分子から成る長繊維の不織布である、態様1に記載の防草シート。
《態様3》前記有機高分子から成る長繊維の平均繊維径が30μm~75μmである、態様2に記載の防草シート。
《態様4》前記粒子が無機粒子である、態様1~3のいずれか一項に記載の防草シート。
《態様5》前記基材の目付が100g/m~500g/mであり、
前記粒子の目付が50g/m~2,200g/mであり、
前記バインダーの目付が100g/m~700g/mである、
態様1~4のいずれか一項に記載の防草シート。
《態様6》前記バインダーが、
少なくとも前記基材と前記粒子との間隙に位置し、前記基材と前記粒子とを接着する機能を有する、第1のバインダー層、及び
少なくとも前記粒子の一部を覆い、前記粒子の脱落を防止する機能を有する、第2のバインダー層
を有する、多層の状態で前記遮蔽層に含まれる、
態様1~5のいずれか一項に記載の防草シート。
《態様7》前記防草シートの遮蔽層に対し、下記の条件にて鉄辺による擦過を行ったときに、マイクロスコープによって観察される、脱落粒子面積の割合が20%未満である、態様1~6のいずれか一項に記載の防草シート:
鉄片サイズ:21mm×30mm×2.5mm
鉄片重量:3.5kg
鉄片擦過面:21mm×2.5mmの面
試験面積:21.0mm×122.5mm
ストローク速度:73.4回/分
ストローク回数:100往復。
本発明によると、高い耐候性を有し、屋外で長期間使用できる防草シートであって、透水性がなく、遮光性が高いとともに、軽量であり、防滑性に優れる、防草シートが提供される。
本発明の防草シートは、例えば、以下のような場所に防草性及び/又は防滑性を付与するために、好適に使用することができる。
草刈りを頻繁に行うことを要する場所、
草刈りを要するが、草刈り作業を行うことが好ましくない場所(プライバシーが重視される住宅地等)、
道路脇に地上設置されている配線、構造物等の周辺、
高速道路における道路以外の場所(中央分離帯、本線合流箇所付近、非常電話周辺、非常開口部、避難口法面等)、
避難階段、
植生法面の法尻部、
草刈り作業を行うことが危険な場所(ため池等)、
太陽光発電設備設置地面、
鉄道線路脇
等。
図1は、実施例1の防草シートについて撮影したマイクロスコープ画像から、試料の包埋に用いたエポキシ樹脂部分を除去した画像である。
《防草シート》
本発明の防草シートは、
基材、及び前記基材の片面上又は両面上に遮蔽層を有する防草シートであって、
前記基材は、不織布及び織物から選ばれ、
前記遮蔽層は、粒子及びバインダー層を含み、
前記粒子の平均粒径が35μm~1,400μmであり、
前記防草シート断面の顕微鏡観察において、視野中の前記粒子のうち、150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角を有する粒子の割合が60%以上であり、
前記防草シートが、下記(A)~(D)のすべてを満たす、防草シート:
(A)前記防草シート全体の目付が400g/m~3,000g/mであること、
(B)前記遮蔽層について、触針粗さ計によって測定した算術平均粗さRa、10点平均粗さRz、及び最大谷深さRvが、それぞれ、以下の範囲であること
Ra:14μm~130μm
Rz:85μm~600μm
Rv:32μm~250μm、
(C)前記防草シートについて、JIS A 1218に準拠し、前記遮蔽層側を上側にして測定される透水性がゼロであること、並びに
(D)前記防草シートについて、JIS L 1055に準拠して測定される遮光率が99.9%以上であること。
〈基材〉
本発明の防草シートにおける基材は、後述の遮蔽層の構造を保持する機能を担う。したがって、基材は、長期にわたって遮蔽層の構造を保持し得る強靭性を有する材料から構成されていることが好ましい。
防草シートの防草機能を発現させるためには、基材は、地面から生育する草木が突き抜けないものであることが好ましい。また、防草シートは、屋外で使用されることが想定されているため、その基材は、水に濡れても引張強度が低下しない材料から構成されていることが好ましい。
本発明における基材は、基材は、不織布及び織物から選ばれる。
基材を構成する不織布は、有機高分子の長繊維又は短繊維から成る不織布であることが好ましい。有機高分子から成る不織布は、地面から生育する草木の耐突き抜け性に優れ、水に濡れても引張強度が低下しない点で好ましい。
不織布を構成する有機高分子としては、例えば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマー、スチレン-ブタジエン又はスチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル樹脂、変性PPE樹脂、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ガラス繊維等が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を使用することが好ましい。
有機高分子の不織布において、繊維同士は、例えば、接着剤により、或いは、熱融着によって互いに固定されていてよい。特に好ましくは、スパンボンド不織布である。
地面から生育する草木の耐突き抜け性に優れるとの観点から、有機高分子の長繊維の不織布が好ましく、平均繊維径が10μmを超え、例えば、30μm~75μmである、有機高分子の長繊維の不織布がより好ましい。
このような不織布の市販品として、例えば、デュポン社製のザバーン(登録商標)、タイパー(登録商標)等が挙げられる。
基材を構成する織物は、例えば、ポリエチレン、ナイロン、ポリオレフィン、木綿、絹、獣毛等から選択される1種又は2種以上の繊維から成る織物であってよい。織物を構成する糸の平均径は、30μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上300μm以下がより好ましい。
基材の目付は、50g/m以上500g/m以下であることが好ましい。基材の目付が50g/m以上であれば、防草シートとしての防草機能及び強度を、長期間維持することが容易となる。一方で、基材の目付が500g/m以下であれば、防草シートの軽量性が確保され、可搬性、敷設時のハンドリング性が確保できる。
基材の目付は、より好ましくは100g/m以上300g/m以下である。
〈遮蔽層〉
本発明の防草シートは、基材の片面上又は両面上に遮蔽層を有する。
本発明の防草シートでは、基材の片面上に遮蔽層を有していれば、本発明が所期する機能を十分に発揮し得る。しかしながら、本発明の防草シートは、基材の両面上に遮蔽層を有していてもよい。
本発明の防草シートにおける遮蔽層は、粒子及びバインダーを含む。遮蔽層は、粒子及びバインダー以外の添加剤を含んでいてよい。
(粒子)
本発明の防草シートにおける遮蔽層は、粒子を含む。
本発明における粒子は、防草シートに強靭性を付与し、光線の透過を妨げるとともに、防草シートの遮蔽層の表面に凹凸形状を形成し、防滑性を付与する機能を有する。そのため、本発明における粒子は、ある程度「尖った」角部を有していることが好ましい。
具体的には、防草シート断面の顕微鏡観察において、視野中の粒子のうち、150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角を有する粒子の割合が60%以上である。この要件を満たすことにより、本発明が所期する防滑性が、防草シートに付与される。150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角を有する粒子の割合は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましく、95%以上が特に好ましく、100%であってもよい。
本発明における粒子は、無機粒子であっても有機粒子であってもよい。ただし、敷設後の防草シート上に、ヒト、動物(家畜)等が乗った場合でも、容易に解砕しない硬度を有するものであることが望まれる。
本発明における粒子として用いられる無機粒子としては、例えば、鉱物、金属酸化物、砥石、ガラス等から成る粒子が挙げられる。
これらの具体例としては、
鉱物として、例えば、ダイヤモンド(D)、合成ダイヤモンド(SD)、ベンガラ、滑石、石膏、方解石、蛍石、燐灰石、正長石等が;
金属酸化物として、例えば、αアルミナ、γアルミナ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム等が;
砥石として、例えば、金属被覆合成ダイヤモンド(SDC)、立方晶窒化ホウ素(cBN)、金属被覆立方晶窒化ホウ素(BNC)、ホワイトアランダム(WA)、褐色アルミナ(A砥粒)、解砕型アルミナ(HA)、淡紅色アルミナ(PA)、人口エメリー(AE)、ジルコニアアルミナ(AZ)、シリコンカーバイド(C砥粒、GC砥粒)、炭化ホウ素炭酸カルシウム等が;
それぞれ挙げられる。
これらのうち、硬度が高く、遮光性もあることから、金属酸化物が好ましい。
本発明における粒子として用いられる有機粒子としては、例えば、果実の種子、穀物、熱可塑性エラストマー、合成樹脂等の粉砕物が挙げられる、
果実の種子としては、例えば、桃、アンズ、クルミ等が挙げられる。穀物としては、例えば、トウモロコシ等が挙げられる。
有機粒子としては、桃の種の粉砕物が好ましい。
本発明における粒子としては、無機粒子が好ましく、金属酸化物の粒子がより好ましい。
発明における粒子は、平均粒径が35μm~1,400μmであることが好ましい。粒子の平均粒径が35μm以上であることにより、防草シートに十分に高い防滑性を付与することができる。粒子の平均粒径が1,400μm以下であることにより、防草シートが十分に高い柔軟性を有することとなり、敷設時に地面の凹凸に追随することができ、高度の防草効果を発揮できる。粒子の平均粒径は、50μm~1,200μmが好ましく、180μm~710μmがより好ましい。
なお、粒子は、粒径が35μm未満の粒子を実質的に含まないことが、得られる防草シートの強靭性、遮光性、及び防滑性の観点から好ましい。粒子が粒径35μm未満の粒子を実質的に含まないとは、粒子中の粒径35μm未満の粒子の重量分率が、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下であることをいう。
本発明における粒子の平均粒子径は、粒子径の値に応じて、ふるい分け法又はコールカウンター法によって測定される。
すなわち、平均粒子径が概ね60μmを超え4,000μm以下の粒子の場合、粒子の平均粒子径は、ふるい分け法によって測定された、累積重量分率が50%となる粒子径である。また、平均粒子径が概ね60μm以下の粒子の場合、粒子の平均粒子径は、コールカウンター法によって測定された、累積体積分率が50%となる粒子径である。具体的には、後述の実施利に記載の方法で測定される。
また、防草シート中の粒子の粒径は、電子顕微鏡観察によって測定することができる。
本発明の防草シートにおける粒子の目付は、50g/m以上2,200g/m以下であることが好ましい。粒子の目付が50g/m以上であることにより、十分に高い遮光性及び防滑性が発現される。粒子の目付が2,200g/m以下であることにより、防草シートが軽量となり、高度の可搬性が得られる。
遮光性及び防滑性と、可搬性とを高いレベルで両立する観点から、粒子の目付は、100g/m以上2,000g/m以下であることが好ましく、500g/m以上1,000g/m以下であることがより好ましい。
(バインダー)
本発明の防草シートにおける遮蔽層は、バインダーを含む。
バインダーは、粒子を防草シート上に保持する機能、雨雪等に由来する水が防草シート下に侵入してシート下の地面がぬかるむことを抑制する機能、防草シートに柔軟性を付与して、敷設時に地面の凹凸に追随し易くするとともに、遮蔽層のひび割れを抑制する機能等を担う。
バインダーは、防草シートに十分な柔軟性を付与する観点から、硬度の低い材料から構成されることが好ましい。この観点から、JIS K 5600-5-4:1999(引っかき硬度 鉛筆法)に準拠して測定されるバインダーの鉛筆硬度は、B以下であることが好ましく、2B以下であることがより好ましい。一方、粒子を防草シート上に保持する機能を有効に発現させる観点から、バインダーの鉛筆硬度は、5B以上が好ましく、4B以上がより好ましい。
本発明におけるバインダーとしては、熱硬化性樹脂、UVレジン等から適宜に選択して使用することが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂(PU)、エポキシ樹脂(EP)、フェノール樹脂(PF)、シリコーン樹脂(SI)、メラミン樹脂(MF)、ユリア樹脂(UF)、不飽和ポリエステル(UP)等が挙げられる。UVレジンは、紫外線によって硬化する樹脂である。
バインダーとしては、熱硬化性樹脂を使用することが好ましく、特に、ウレタン樹脂(PU)、エポキシ樹脂(EP)等がより好ましい。
バインダーの目付は、100g/m~700g/mであることが好ましい。バインダーの目付が100g/m以上であることにより、粒子の保持機能が好適に発揮される。バインダーの目付が700g/m以下であることにより、防草シートの防滑性が有効に発現される。バインダーの目付は、120g/m~500g/mであることがより好ましい。
本発明の防草シートでは、バインダーが、
少なくとも基材と粒子との間隙に位置し、基材と粒子とを接着する機能を有する、第1のバインダー層、及び
少なくとも粒子の一部を覆い、粒子の脱落を防止する機能を有する、第2のバインダー層
を有する、多層の状態で遮蔽層に含まれることが好ましい。
第1のバインダー層は、少なくとも基材と粒子との間隙に位置し、基材と粒子とを接着する機能を有する。この第1のバインダー層により、粒子は基材上に固定され、防草シートに適切な硬度及び防滑性が付与される。第1のバインダー層は、基材と粒子との間隙の他、基材上の領域のうちの粒子と粒子との間隙に存在していてもよい。また、基材上に粒子を接着するために、粒子の下側の一部が第1バインダー層に埋没している限りで、粒子の一部を覆っていてもよい。
しかしながら、この第1のバインダー層のみでは、敷設された防草シートが長期にわたって粒子の保持状態を維持することは困難であること多い。
そこで、本発明の防草シートでは、第1のバインダー層とともに、少なくとも粒子の一部を覆い、粒子の脱落を防止する機能を有する、第2のバインダー層を更に有することが好ましい。
第2のバインダー層は、敷設された防草シートが擦過された場合でも、粒子の脱落を防止する機能を発揮し得るように、少なくとも粒子の上側の一部を覆っている。第2のバインダー層は、粒子の一部を覆う他、基材上の領域のうちの粒子と粒子との間隙に存在していてもよい。
また、第1のバインダー層と第2のバインダー層とは、明確な境界線を形成していなくてもよい。防草シートのバインダーが、基材と粒子との間隙に位置している部分と、粒子の上側の一部を覆っている部分とを有していれば、当該バインダーは、第1のバインダー層及び第2のバインダー層を有する、多層(二層)の状態で遮蔽層に含まれていると評価してよい。
第1のバインダー層の組成と、第2のバインダー層の組成とは、同じであっても異なっていてもよい。
第1のバインダー層と第2のバインダー層との比は、粒子の脱落防止機能と、得られる防草シートの可搬性とを考慮して、適宜に設定されてよい。第1のバインダー層と第2のバインダー層との比は、第1のバインダー層100質量部に対する第2のバインダー層の質量部として、10質量部以上200質量部以下が好ましく、15質量部以上200質量部以下がより好ましく、50質量部以上200質量部以下が更に好ましい。
(添加剤)
本発明の防草シートにおける遮蔽層は、粒子及びバインダーの他に、添加剤を含んでいてよい。
本発明の遮蔽層に含まれてもより添加剤としては、例えば、光遮蔽剤、着色剤、柔軟化剤、難燃性付与剤、放熱剤、断熱材、密着性付与剤、耐久性付与剤、増粘剤等が挙げられる。
光遮蔽剤としては、無機顔料が好ましく、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等が挙げられる。
上記の光遮蔽剤は、着色剤としての機能も併有している。特に、酸化チタンは、可視光~紫外光領域の光を乱反射する性質を有し、酸化チタンを用いた防草シートは色調が白色又は灰色に近くなる。また、カーボンブラックは、可視光~紫外光の吸収性を有し、カーボンブラックを用いた防草シートは色調が黒色に近くなる。なお、カーボンブラックは、後述の放熱剤としての機能も併有している。
柔軟化剤としては、例えば、フタル酸系、ポリエステル系、エポキシ系等の各種可塑剤の他、アロイ剤等が使用可能である。
難燃性付与剤としては、例えば、リン化合物、ハロゲン化合物、窒素化合物、シリコーン化合物、水和金属化合物等が使用できる。
放熱剤としては、上述のカーボンブラックを使用できる他、金属酸化物、金属硫化物等が使用可能である。なお、金属酸化物は、上述の粒子の構成材料でもあるが、粒子としての金属酸化物と、放熱剤としての金属酸化物とは、平均粒径が異なる。粒子として金属酸化物を使用する場合、その平均粒径は上述のとおり、好ましくは35μm以上である。これに対して、放熱剤としての金属酸化物は、効率的な放熱のために比表面積を大きくする必要があり、その平均粒径は35μm未満であり、好ましくは10μm以下である。
断熱材としては、発泡剤、中空粒子等が使用できる。
密着性付与剤は、バインダーに対する硬化剤又は架橋剤として機能する成分である。
本発明における密着性付与剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ架橋剤、メラミン樹脂、金属キレート系架橋剤、ポリオール架橋剤などが使用可能である。
耐久性付与剤としては、酸化防止剤、耐侯剤、紫外線吸収剤、熱分解防止剤、加水分解
防止剤、耐光剤等を使用できる。
増粘剤は、基材上にバインダーを形成する際、バインダー成分を含むコート剤の塗布性を向上して、バインダーの均一性を向上する等の目的で使用してよい。増粘剤としては、例えば、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アマイド、有機ベントナイト、シリカ、天然鉱物等が使用可能である。
遮蔽層における添加剤の量は、その機能を発揮し、遮蔽層中の他の成分の機能を損なわない範囲で、適宜に設定されてよい。
例えば、上述の光遮蔽剤の目付は、機能発現の観点と、遮蔽層中の他の成分の機能を損なわない観点とを考慮して、0.1g/m以上25g/m以下が好ましく、0.5以上20g/m以下がより好ましい。
上述の添加剤は、バインダー中に分散して存在していてよい。
〈防草シートの物性〉
本発明の防草シートは、シート全体の目付が小さくて軽いので可搬性に優れ、表面粗度が大きいので高度の防滑性を有し、透水性を実質的に有さず、かつ、遮光性が極めて高いものである。
具体的には、本発明の防草シートは、下記(A)~(D)のすべてを満たす防草シートである:
(A)防草シート全体の目付が400g/m~3,000g/mであること、
(B)遮蔽層について、触針粗さ計によって測定した算術平均粗さRa、10点平均粗さRz、及び最大谷深さRvが、それぞれ、以下の範囲であること
Ra:14μm~130μm
Rz:85μm~600μm
Rv:32μm~250μm、
(C)防草シートについて、JIS A 1218に準拠し、遮蔽層側を上側にして測定される透水性がゼロであること、並びに
(D)防草シートについて、JIS L 1055に準拠して測定される遮光率が99.9%以上であること。
防草シートの目付は、基材の目付に、遮蔽層中の各成分の目付の合計を加えた目付であり、防草シート試料の質量を当該防草シートの面積で割り付けることにより、知ることができる。
遮蔽層の算術平均粗さRa、10点平均粗さRz、及び最大谷深さRvは、JIS B 0601:2013に準拠して、市販のサーフコーダ(触針式粗さ計)を使用して測定することができる。なお、基材の両面に遮蔽層を有する防草シートの場合、どちらか一方の遮蔽層の面が所定の表面粗さを満たしていれば足りる。この場合、防草シートは、所定の表面粗さを満たしている遮蔽層の側を上にして敷設されることが好ましい。
防草シートの透水性は、JIS A 1218に準拠して、遮蔽層側を上側にして測定される値である。なお、本発明者らは、どちら側の面を上にして測定しても、透水性の測定値に実質的な差がないことを確認している。
防草シートの遮光率は、JIS L 1055に準拠して測定される値である。なお、本発明者らは、防草シートのどちら側の面を入射光側にして測定しても、遮光率の測定値に実質的な差がないことを確認している。
これらの防草シートの物性は、具体的には、後述の実施例に記載した方法によって測定されることが望ましい。
本発明の防草シートは、また、敷設後に防草シートの遮蔽層側の面が擦過された場合でも、粒子が脱落し難い高度の耐擦過性を有する。
この性能は、具体的には、防草シートの遮蔽層に対し、下記の条件にて鉄辺による擦過を行ったときに、マイクロスコープによって観察される、脱落粒子面積の割合が20%未満であることによって確認される。
鉄片サイズ:21mm×30mm×2.5mm
鉄片重量:3.5kg
鉄片擦過面:21mm×2.5mmの面
試験面積:21.0mm×122.5mm
ストローク速度:73.4回/分
ストローク回数:100往復。
鉄辺による擦過は、市販の脱硫評価用往復試験機によって行うことができる。
防草シートの耐擦過性は、具体的には、後述の実施例に記載した方法によって測定されることが望ましい。
本発明の防草シートは、更に、高度の耐候性を有し、長期間の屋外曝露の後でも、引張強度の低下率が少ない。
《防草シートの製造方法》
本発明の防草シートは、上記の構成を有している限り、どのような方法によって製造されてもよい。
本発明の防草シートは、基材上に、粒子及びバインダー、並びにその他の任意成分を積層することにより、製造できる。基材上への粒子及びバインダー、並びにその他の任意成分の積層は、連続式であっても枚葉式であってもよい。
基材上に、粒子及びバインダー、並びにその他の任意成分を積層する方法としては、
基材上に、粒子と、バインダーを含むその他の成分とを、別々に積層する方法、
粒子と、バインダーを含むその他の成分との混合物を予め準備しておき、基材上にこの混合物を積層する方法
等が挙げられる。
基材上に粒子を積層する方法としては、例えば、重力落下式、静電付着法等の方法が適用できる。
基材上に、バインダーを含むその他の成分、又は粒子と、バインダーを含むその他の成分との混合物を積層するには、所定の成分を含むコート剤を調製しておき、基材上にこのコート剤を塗工する方法が適用できる。コート剤の塗工には、コンマコーター、ロールコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、バーコーター等を用いる塗工方法の他、インクジェット等、スプレーコート法等を適用できる。
塗工後、コート層を加熱することにより、バインダーを硬化させることができる。塗工層の加熱には、例えば、蒸気式、電気式、赤外線式等の適宜の加熱炉を用いることができる。加熱温度を、例えば、60~140℃とすれば、バインダーの完全硬化が可能である。
以上のようにして防草シートを得ることができる。
得られた防草シートに、クラック工程、ドレッシング工程等の任意工程を行ってもよい。
クラック工程は、遮蔽層に微細なひび割れを意図的に作る工程である。遮蔽層に微細なひび割れを作ると、防草シートの柔軟性が向上し、敷設時の地面凹凸への追随性が向上する。
ドレッシング工程は、遮蔽層表面の凸部を削って、防草シートの表面粗さを調整する工程である。これにより、防滑性の程度を調整することができる。
以下、最も好ましい製造方法の一例を提示する。
先ず、粒子を除く遮蔽層の成分を含むコート剤を調製する。
基材上に、このコート剤を塗工して、硬化前の塗工層を形成する。
次に、得られた硬化前の塗工層上に、重力落下式、静電付着法等の適宜の方法によって粒子を付着させた後、全体を加熱して、バインダーを硬化させて、第1のバインダー層を形成する。
更に、第1のバインダー層及び粒子の上に、上記のコート剤を再度塗工し、加熱してバインダーを硬化させて、第2のバインダー層を形成することにより、本発明の好ましい防草シートが得られる。
ここで、第1のバインダー層を形成するためのコート剤と、第2のバインダー層を形成するためのコート剤とは、同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
《測定及び評価の方法》
以下の実施例及び比較例における評価は、以下の方法によって行った。
(1)基材の目付
基材を100mm×100mmの正方形にカットし、その重量W(g)を測定し、下記数式:
(g/m)=100×W(g)
により、基材の目付Wを算出した。
(2)粒子の平均粒子径
(2-1)平均粒子径が60μmを超え4,000μm以下である場合
ISO9284に準拠した筒井理化学器械(株)製のロータップ試験機「卓上形ふるい振とう機VSS-200S」、及びJIS Z 8801-1に準拠した試験用ふるいを使用して、以下の条件にて粒子試料のふるい分け試験を行った。
粒子試料重量:100g
ふるい目開き:3.5メッシュ~280メッシュ(5段)
振動数:156回/分
回転数:290回/分
振とう時間:5分間
粒子試料をロータップ試験機に投入し、所定の振とうを行った後、各段のふるい上に残った試料の重量を測定し、ふるい分けした試料の粒子径ごとの重量分率を算出した。そして、累積重量分率が50%となる粒子径を、平均粒子径とした。
(2-2)平均粒子径が60μm以下の場合
ビーカー中に0.02g~0.10gの粒子を精秤したうえで投入し、純水30mL及び分散剤1滴を加え、超音波発生器により60秒間浸透して、分散液を得た。この分散液を、電解液((Beckman Coulter社製、「アイソトンII希釈液」)に添加したものを、測定試料とした。
この測定試料の粒径分布を、精密粒度分布測定装置(Beckman Coulter社製、「Multisizer III」)により測定した。得られた粒度分布における、累積体積分率が50%となる粒子径を、平均粒子径とした。
(3)粒子形状の観察(150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角の有無)
防草シートを数cm角にカットした断片を、エポキシ樹脂で包埋した後、割断した。割断によって生じた断面につき、アイエムティー(株)製の卓上試料研磨機「IM-P2」及び試料回転機「SP-L1」を用いて表面研磨を行って観察試料を得た。この研磨には、耐水研磨紙を用い、番手#220から徐々に番手数を挙げながら、番手#2000までの研磨を行った。
得られた観察試料について、(株)キーエンス製のレーザー顕微鏡「VK-X1000」を用いて、断面撮影を行った。撮影は、モニタ倍率120倍を中心として、形状確認可能な粒子の数が10個となるように、モニタ倍率及び撮影モードを調節したうえで行った。
得られた撮影画像を観察し、150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角を有する粒子の割合が60%以上のとき、粒子形状「A(良好)」とし、これ以外の場合を粒子形状「C(不良)」として評価した。
また、実施例1の防草シートについて撮影したマイクロスコープ画像からエポキシ樹脂部分を除去した画像を、図1に示す。
(4)表面粗さの測定
(株)小坂研究所製、サーフコーダ表面粗さ測定器「SE3500」を用い、JIS B 0601:2013に準拠して、防草シートの遮蔽層の算術平均粗さRa、10点平均粗さRz、及び最大谷深さRvを測定した。測定には、ダイヤモンド製、先端の曲率半径2μm、頂角60°の触針を使用し、測定長は8mmとした。測定は3回行い、各パラメータの平均値を算出して、表面粗さRa、Rz、及びRvとした。
(5)透水性の評価
JIS A 1218に記載された測定方法を準用して、遮蔽層側を上側にして、防草シートの透水係数K(cm/s)を測定した。測定値が0(ゼロ)であった場合、透水性「なし」とし、これ以外の場合、透水性「あり」として評価した。
(6)遮光率の測定
JIS L 1055:2009に準拠して、防草シートの遮光率を測定した。
光源には、JIS C 7527準拠のJD100V500W又はJD110V500Wを使用し、照度計には、JIS C 7527準拠の一般形AA級照度計(測定範囲0.01lx~199,900lx)を用い、照度計に防草シート試験片を装着したときの照度、及び試験片を装着していないときの照度を測定した。
防草シートの遮光率は、下記数式:
S={1-(it/io)}×100
{ここで、Sは遮光率(%)であり、itは防草シート試験片を装着したときの照度(lx)でありioは、試験片を装着していないときの照度(lx)である。}により算出した。
(7)耐擦過性の評価(脱粒試験)
防草シートを50mm×150mmにカットした試験片の遮蔽層に対して、下記の条件で鉄片による擦過を行った後に、防草シートから脱落した粒子の面積割合を調べ、この割合が20%未満のとき、耐擦過性「A(良好)」とし、割合が20%以上であったとき、耐擦過性「C(不良)」として評価した。
鉄片による擦過は、市販の脱粒評価用往復試験機を用い、以下の条件にて行った。
鉄片の素材:SS400
鉄片サイズ:21mm×30mm×2.5mm
鉄片重量:3.5kg
鉄片擦過面:21mm×2.5mmの面
試験面積:21.0mm×122.5mm
ストローク速度:73.4回/分
ストローク回数:100往復
鉄片擦過による脱落粒子面積の評価は、擦過前後の試験片の遮蔽層を、デジタルマイクロスコープにてモニタ倍率20倍にて連結撮影し、面積測定モードにより、試験面積に対する脱落粒子面積の割合を調べた。
この脱落粒子面積の割合が20%未満であった場合、耐擦過性「A(良好)」とし、脱落粒子面積の割合が20%以上であった場合、耐擦過性「C(不良)」として評価した。
(8)耐候性の評価
ダイプラ・ウィンテス(株)製の超促進耐候性試験機「KW-R5TP-A」を使用し、防草シートの遮蔽層に以下の条件で紫外線照射を行った。なお、紫外線照射中は、60分ごとに1分間、7L/minの噴霧量にて水をスプレーし、雨天を模擬的に再現した。
紫外線波長:300~400nm
紫外線強度:95mW/cm
ブラックパネル温度:63℃
湿度:50%RH
照射時間:600時間
紫外線照射前後の防草シートの引張強度を測定し、以下の基準で評価した。
紫外線照射後の引張強度が、照射前の70%以上であった場合:耐候性「AA(極めて良好)」
紫外線照射後の引張強度が照射前の50%以上70%未満であった場合:耐候性「A(良好)」
紫外線照射後の引張強度が照射前の30%以上50%未満であった場合:耐候性「B(可)」
紫外線照射後の引張強度が照射前の30%未満であった場合:耐候性「C(不良)」
なお、上記の紫外線照射は、20年間の屋外曝露に相当する加速試験条件である。
(9)防滑性の評価
防草シートを斜度36°の斜面に敷設し、市販の安全靴を着装してシート上を登坂して、防滑効果の有無を評価した。評価は、晴天及び雨天の双方を考慮して、防草シート乾燥時、及び防草シート上にじょうろで散水した直後の双方について行った。
また、評価は、3人の試験人の官能評価により行い、以下の基準で評価した。
3人とも十分な防滑効果ありと評価した場合:防滑性「AA(極めて良好)」
3人中2人が十分な防滑効果ありと評価した場合:防滑性「A(良好)」
3人中2人以上がわずかの防滑効果ありと評価した場合:防滑性「B(可)」
3人中2人以上が防滑効果なしと評価した場合:防滑性「C(不良)」
(10)可搬性試験
防草シートを幅100cmの10mロール状に巻回し、通常の体格の成人男性による持ち運びの可否を調べ、以下の基準で評価した。
持ち運べた距離が100m以上であった場合:可搬性「A(良好)」
持ち運べた距離が50m以上100m未満であった場合:可搬性「B(可)」
持ち運べた距離が50m未満であった場合:可搬性「C(不良)」
《使用原材料》
以下の実施例及び比較例では、以下の原材料を用いて防草シートを製造した。
(1)基材
PP不織布1:ポリプロピレン極太長繊維4層スパンボンド不織布、米国デュポン社製、品名「タイパー(登録商標)70」、繊維径40~50μm、目付240g/m
PP不織布2:ポリプロピレン極太長繊維4層スパンボンド不織布、米国デュポン社製、品名「タイパー(登録商標)27」、繊維径40~50μm、目付89g/m
TAJ布:ポリエステル/綿混紡布、糸径100μm~200μm、目付251g/m
(2)粒子
以下の実施例及び比較例において、粒子としては以下のものを用いた。
アルミナ425:α-アルミナをボールミルによって粉砕し、分級して、平均粒径(D50)425μmとした粒子
アルミナ1180:α-アルミナをボールミルによって粉砕し、分級して、平均粒径(D50)1,180μmとした粒子
アルミナ48:α-アルミナをボールミルによって粉砕し、分級して、平均粒径(D50)48μmとした粒子
アルミナ13:α-アルミナをボールミルによって粉砕し、分級して、平均粒径(D50)13μmとした粒子
シリカ10:天然石英を粉砕後し、火炎中に投入して溶解させた後、冷却事させることにより得た、平均粒径(D50)10μmの球状シリカ
《バインダーコート剤の調製》
(1)ウレタン系バインダーコート剤1
ウレタン系バインダー、緑色含量、及び増粘剤を混合し、30分間撹拌して、ウレタン系バインダーコート剤1を調製した。
ここで用いたウレタン系バインダーは、ポリオール、及びトリメチロールプロパン変性トルエンジイソシアネートを主成分とするウレタン樹脂であり、硬化後の鉛筆硬度は6Bである。また、緑色含量はカーボンブラック及び銅化合物を主成分とし、増粘剤は有機変性ベントナイトを主成分とする。
得られたウレタン系バインダーコート剤1は、ウレタン樹脂100重量部当たり、約0.79重量部のカーボンブラックを含む。
(2)ウレタン系バインダーコート剤2
ウレタン系バインダー、灰色含量、及び増粘剤を混合し、30分間撹拌して、ウレタン系バインダーコート剤2を調製した。
ここで用いたウレタン系バインダー及び増粘剤は、それぞれ、ウレタン系バインダーコート剤1の調製に用いたものと同じである。灰色顔料は、酸化チタンを主成分とする。
得られたウレタン系バインダーコート剤2は、ウレタン樹脂100重量部当たり、約0.79重量部の酸化チタンを含む。
(3)エポキシ系バインダーコート剤
エポキシ系バインダー、緑色含量、及び増粘剤を混合し、30分間撹拌して、エポキシ系バインダーコート剤を調製した。
ここで用いた緑色含量及び増粘剤は、それぞれ、ウレタン系バインダーコート剤1の調製に用いたものと同じである。エポキシ系バインダーは、ビスフェノールA型プレポリマー、及びポリアミドアミンを含むエポキシ樹脂であり、硬化後の鉛筆硬度は3Bである。
得られたエポキシ系バインダーコート剤は、エポキシ樹脂100重量部当たり、約0.79重量部のカーボンブラックを含む。
《実施例1》
(1)防草シートの製造
実施例1では、基材として「PP不織布1」を用い、粒子として「アルミナ425」を用いた。
コンマコーターを用いて、PP不織布1基材の片面上に上記で調製したウレタン系バインダーコート剤1を、ウレタン樹脂及びカーボンブラックの合計の目付が100g/mとなるようにコートして、第1のバインダー層(硬化前)を形成した。次いで、この第1のバインダー層(硬化前)上に、アルミナ425を、重力落下式により、目付640g/mにてコートして、基材の全面に粒子を付着させた。その後、粒子付着後の基材を、蒸気式乾燥機中で、80℃から130℃まで温度勾配均一にて昇温させながら、60分間加熱して、第1のバインダー層を硬化させた。
更に、コンマコーターを用いて、硬化後の第1のバインダー層及び粒子上に、先のウレタン系バインダーコート剤1を、ウレタン樹脂及びカーボンブラックの合計の目付が156g/m(バインダー単独で155g/m)となるようにコートして、第2のバインダー層(硬化前)を形成した。この第2のバインダー層(硬化前)を、第1のバインダー層の硬化と同じ条件下で硬化して、第1のバインダー層、粒子、及び第2のバインダー層から成る遮蔽層を形成することにより、実施例1の防草シートを製造した。
(2)防草シートの評価
得られた防草シートにつき、上記の方法により各種の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
《実施例2~6及び比較例1》
使用した基材、粒子、及びバインダーコート剤の種類及び目付を、それぞれ、表1に記載のように変更した他は、実施例1と同様にして防草シートを製造して評価した。
なお、実施例3では、粒子をコートするときに静電付着法を使用した。
評価結果を表1に示す。
《比較例2》
「シリカ10」29質量部、及び上記で得られた「ウレタン系バインダーコート剤1」14質量部を混合して、粒子含有ペーストを調製した。この粒子含有ペーストを、粒子、ウレタン樹脂、及びカーボンブラックの合計の目付が43g/mとなるように、ナイフコート法により、PP不織布1基材の片面上にコートした。次いで、コート後の基材を、蒸気式乾燥機中で、80℃から130℃まで温度勾配均一にて昇温させながら、60分間加熱し、ウレタン樹脂を硬化させて、遮蔽層を形成することにより、比較例2の防草シートを製造して評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007468872000001
Figure 0007468872000002
Figure 0007468872000003

Claims (7)

  1. 基材、及び前記基材の片面上又は両面上に遮蔽層を有する防草シートであって、
    前記基材は、不織布及び織物から選ばれ、
    前記遮蔽層は、粒子及びバインダーを含み、
    前記粒子の平均粒径が35μm~1,400μmであり、
    前記防草シート断面の顕微鏡観察において、視野中の前記粒子のうち、150°未満の角、又はR値が平均粒子径の1/10以下の角を有する粒子の割合が60%以上であり、
    前記防草シートが、下記(A)~(D)のすべてを満たす、防草シート:
    (A)前記防草シート全体の目付が400g/m~3,000g/mであること、
    (B)前記遮蔽層について、触針粗さ計によって測定した算術平均粗さRa、10点平均粗さRz、及び最大谷深さRvが、それぞれ、以下の範囲であること
    Ra:14μm~130μm
    Rz:85μm~600μm
    Rv:32μm~250μm、
    (C)前記防草シートについて、JIS A 1218に記載された測定方法を準用して、前記遮蔽層側を上側にして測定される透水性がゼロであること、並びに
    (D)前記防草シートについて、JIS L 1055:2009に準拠して測定される遮光率が99.9%以上であること。
  2. 前記基材が、有機高分子から成る長繊維の不織布である、請求項1に記載の防草シート。
  3. 前記有機高分子から成る長繊維の平均繊維径が30μm~75μmである、請求項2に記載の防草シート。
  4. 前記粒子が無機粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の防草シート。
  5. 前記基材の目付が100g/m~500g/mであり、
    前記粒子の目付が50g/m~2,200g/mであり、
    前記バインダーの目付が100g/m~700g/mである、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の防草シート。
  6. 前記バインダーが、
    少なくとも前記基材と前記粒子との間隙に位置し、前記基材と前記粒子とを接着する機能を有する、第1のバインダー層、及び
    少なくとも前記粒子の一部を覆い、前記粒子の脱落を防止する機能を有する、第2のバインダー層
    を有する、多層の状態で前記遮蔽層に含まれる、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の防草シート。
  7. 前記防草シートの遮蔽層に対し、下記の条件にて鉄辺による擦過を行ったときに、マイクロスコープによって観察される、脱落粒子面積の割合が20%未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の防草シート:
    鉄片サイズ:21mm×30mm×2.5mm
    鉄片重量:3.5kg
    鉄片擦過面:21mm×2.5mmの面
    試験面積:21.0mm×122.5mm
    ストローク速度:73.4回/分
    ストローク回数:100往復。
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