JP2006034216A - 柔軟性防草シート - Google Patents
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Abstract
【課題】防草効果が高く、柔軟で施工性良好な防草シートを提供する。
【解決手段】高融点成分と低融点成分で形成される複合繊維を含む不織布からなり、目付が100〜300g/m2であって、かつ前記不織布の目付と剛軟度との関係が次式を満足することを特徴とする防草シート。
0.010≦Y/X2≦0.030
但し、Y:剛軟度(mgf)
X:目付(g/m2)
【選択図】なし
【解決手段】高融点成分と低融点成分で形成される複合繊維を含む不織布からなり、目付が100〜300g/m2であって、かつ前記不織布の目付と剛軟度との関係が次式を満足することを特徴とする防草シート。
0.010≦Y/X2≦0.030
但し、Y:剛軟度(mgf)
X:目付(g/m2)
【選択図】なし
Description
本発明は、柔軟性を有し、敷設性良好な柔軟性防草シートに関するものであり、さらに詳しくは、雑草等の繁殖を抑制し長期間に渡って良好な防草効果を発揮し、農業分野あるいは、土木分野で好適に使用される柔軟性防草シートに関するものである。
従来から、都市や建物、構造物、鉄道、高速道路法面などの周りの美観を維持するために各種の防草あるいは、防草手段が講じられている。例えば、住居地の空き地など人手によって雑草を除去したり、化学的な手段として除草剤を散布することもあるが、雑草の除去作業は、作業が繁雑で人件費がかさむ問題があり、また除草剤の使用は、有毒物が周囲の環境を害するなど公害問題をともないかねないなどの問題もある。
一方、他の物理的手段としてコンクリート、砂利やバラスなどの敷設あるいは農業用黒色ビニールシート、敷きわら、ゴム引き織物シート、など遮光効果のあるものも使用されているが、コンクリート敷設の場合は、完全な防草効果が達成できるが非常に高価であると共に、土地の再利用に際しては、除去工事が困難なものとなる。
また、砂利やバラスでは均一な遮光を達成するためには、厚く敷設する必要があり、 また、飛来してくる種子が定着しやすく、かつ降雨などにより地面の土が砂利やバラスに浸透し、雑草の生育を助けるという問題があった。
敷きわらの場合もわらの隙間から雑草の種子が侵入しやすく、雑草の根の展張りを止めることができず十分な防草効果を発揮することができない。また農業用の黒色ビニールシートやゴム引き織物シートでは、前記の砂利や、敷きわらの場合のような欠点はないが、遮水性シートであるため降雨の際、水が地中に浸透せず表面に水がたまり、樹木の間に敷設した場合、水が浸透しないため土が乾燥し樹木が枯れる問題があった。
これらの問題を解決するため、圧接着された合成長繊維からなって、構成繊維の平均繊度が3〜10デニール、目付重量が100〜500g/m2であり、不織布密度が0.3g/cm3 以上、投影平面空隙率が0.01〜0.1%で、かつ貫通抵抗が8kg以上である合成繊維長繊維不織布からなることを特徴とする防草シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、該防草シートは、防草効果を有するものの、ポリエステル、ポリアミドなどの単一成分より構成される長繊維不織布であった場合、加熱ロールによる熱圧着に際しては、接着可能な温度範囲が極めて狭いため、100g/m2以上の高目付品では、シートの剥離が発生しやすく安定的に生産することが困難であり、仮に製品化したとしても敷設時の折り曲がり作用により剥離が増加したり、毛羽が発生するなど満足出きるものではなかった。
また、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとの混繊あるいは、芯鞘フィラメントを熱接着した防草シート、あるいはポリエステル繊維をニードルパンチした防草シートも市販されているが、熱接着シートは、シートの剛性が極めて高く、地面の凹凸へのなじみが悪く敷設性に欠けるものである。
また、ニードルパンチしたものは、風合いが柔軟であり、施設性、あるいは地面の凹凸へのなじみが良いものの表面の毛羽が多く、またシートの空隙も多く、保水性に優れているため飛来した雑草の種子が付着した場合、シート表面からの発芽があるのみでなく、カラスなど野鳥が巣作りに際しシート表面の繊維をほぐし荒らすなど、これも防草シートとして満足すべきものではなかった。
また、不織布が着色顔料を含むポリエステル長繊維を用いた部分的熱接合したシートであって、目付が70〜200g/m2、縦と横の引っ張り強力比が、0.5〜2.5および遮光率が95%以上であって、不織布の平均繊維径が6〜30μmである遮光性シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、単に着色顔料を添加したり、不織布の平均繊維径あるいは縦横強力比を調整する程度では、防草効果があるものの、柔軟性に欠けるものであり、施工地盤の整備なくては、施工性が悪く施工費がかさむなどの問題がある。
また、長繊維を熱圧着して形成した不織布を基材とする防草シートにおいて、不織布の表面にバインダーを連続層とするマトリックス材料からなる塗膜層が形成されてなる防草シートが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、本提案は、不織布表面に無機、または有機粒子とする分散層、バインダー層を連続層とするマトリックス材料からなる塗膜層が形成されているため、滑り止め効果、あるいは、難燃処理を施すことで難燃効果が発揮されるが、不織布の製造工程に引き続き、塗膜層を付与するための後加工工程をともなうため、極めて高価なものとなり、実用に供さないばかりか、風合い的にも硬くなりやすく、施工性に欠けるものである。
また、ニードルパンチ処理による3次元交絡構造を有する長繊維不織布の片面に透水性樹脂層が積層されてなり、かつ引き裂き強力が0.2kg以上である防草シートが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、本提案のようにニードルパンチしたものは、嵩高であり、柔軟性と防草効果は得られても、ニードルパンチ品に樹脂層を付与するため工程が長く高価なものとなるばかりか、嵩高であることによる輸送性不良、施工効率の悪化などの問題がある。
特公平4−52727号公報
特開2002−095361号公報
特開2003−143975号公報
特開平09−248070号公報
本発明は、前記従来の問題点を解決し、宅地周辺の発芽力の弱い雑草から、高速道路および河川の法面などに生育するセイタカアワダチソウ、チガヤ、ヨシ、のように出芽力が強く、茎径が太くて強い雑草に対しても十分な防草効果を有するとともに、適度な透水効果を有し、樹木の生育の障害となることなく所定の防草効果を発揮し、剛性が低く、十分な熱接着を有する毛羽のない、また地面の凹凸へのなじみがあり、施工性があり、施工性良好で、長期間に渡って防草効果のある良好な防草シートを提供せんとするものである。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明の施工性、防草性良好な防草シートは、次の構成からなるものである。
(1)高融点成分と低融点成分で形成される複合繊維を含む不織布からなり、目付が100〜300g/m2であって、かつ前記不織布の目付と剛軟度との関係が次式を満足することを特徴とする防草シート。
0.010≦Y/X2≦0.030
但し、Y:剛軟度(mgf)
X:目付(g/m2)
(2)前記複合繊維の高融点成分がポリエチレンテレフタレートであって、低融点成分がポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドおよびそれらの共重合体から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする前記(1)に記載の防草シート。
但し、Y:剛軟度(mgf)
X:目付(g/m2)
(2)前記複合繊維の高融点成分がポリエチレンテレフタレートであって、低融点成分がポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドおよびそれらの共重合体から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする前記(1)に記載の防草シート。
(3)前記不織布が、軸径8.4mm、軸長3cmおよび軸の切断角度が45度である鉄製の軸による貫通抵抗が次式を満足することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の防草シート。
0.1X+5≧Z≧0.1X−8
但し、X:目付100〜300(g/m2)
Z:貫通抵抗(kg)
(4)前記不織布の見掛け密度が0.25〜0.50g/cm3であって、前記複合繊維の平均繊維径が8〜25ミクロンであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の防草シート。
但し、X:目付100〜300(g/m2)
Z:貫通抵抗(kg)
(4)前記不織布の見掛け密度が0.25〜0.50g/cm3であって、前記複合繊維の平均繊維径が8〜25ミクロンであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の防草シート。
(5)前記複合繊維の低融点成分の融点が高融点成分の融点より20〜160℃低いことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の防草シート。
(6)前記複合繊維が高融点成分を芯成分とし低融点成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であって、その芯鞘比率(重量比)80:20〜20:80であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の防草シート。
(7)前記複合繊維の少なくとも鞘成分に耐候剤が含まれていることを特徴とする前記(6)に記載の防草シート。
(8)前記複合繊維の芯成分または鞘成分の少なくともどちらか一方に0.02〜2重量%の着色剤を含有することを特徴とする前記(6)または(7)に記載の防草シート。
(9)前記不織布の遮光率が98〜100%であって、透水係数が0.5×1/100〜20×1/100(cm/秒)であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の防草シート。
(10)前記不織布が部分的に熱圧着されており、熱圧着面積比率が8〜40%であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の防草シート。
(11)前記複合繊維がフィラメントであることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の防草シート。
本発明によれば、宅地周辺の発芽力の弱い雑草から、高速道路や河川の法面などに生育する、セイタカアワダチソウ、チガヤ、ヨシ、など発芽力の強い雑草に対しても十分な防草効果を有し適度な透水効果と、地面の凹凸へのなじみのある敷設性良好な防草シートを提供できる。
本発明における不織布を構成する複合繊維は、高融点成分と低融点成分で形成されるものである。ここで、高融点成分はポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、また低融点成分は、高融点成分の融点より20〜160℃低い融点のものであることが好ましく、繊維とした際に高融点成分に比べて柔軟性が高いという観点から、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドおよびそれらの共重合体から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
高融点成分と低融点成分の融点差が20℃より低い場合、エンボスロールによる熱圧着が不十分なものとなり、シート表面での毛羽が発生しやすく、また融点差が160℃を越える場合、融点差が大きすぎるため、また低融点成分の融点があまりにも低く冷却が不十分となるため、紡糸時に繊維同士の融接着がしやすく、紡糸性が悪化し、ポリマー状の欠点が増加するので好ましくない。
また、不織布を構成する繊維は、高融点成分としてポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、柔軟性の高いポリマーとの複合繊維とすることにより、不織布の風合いが柔軟化し防草シート敷設時の作業性が良好であって、地面の凹凸へのなじみが良好となる。複合繊維の形態としては、高融点の繊維と低融点の繊維を混繊してなるもの、単繊維の中に高融点成分と低融点成分がサイドバイサイド型に貼り合された複合繊維によるもの、単繊維の中に高融点成分と低融点成分が芯鞘型に貼り合された複合繊維によるものなど、どのような形態でもよい。これらの中でも、高融点成分を芯成分とし低融点成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であることが好ましい。なお、芯鞘型複合繊維の断面は、丸型芯鞘、偏芯型芯鞘または異形断面型芯鞘など、どのような形態でもよく、芯成分の周りに低融点成分が部分的に花弁状に配置したものでもよい。鞘部となる成分が少なくとも芯成分の周りを40%以上覆うものであれば好ましく適用できる。すなわち、芯成分が鞘成分を覆う被覆率は40〜100%が好ましく、より好ましくは50〜100%である。被覆率が40%未満であった場合不織布を構成する繊維同士の熱接着部分が少なくなるため、シートの接着不足による剥離が発生し易く品質、品位に劣る。また、繊維は、短繊維、フィラメントのいずれでもよいが、防草シートとしての強力および貫通抵抗が高くなり易いという観点から、フィラメントであることが好ましい。
複合繊維の少なくとも鞘成分には、防草シートの耐久性が向上する観点から、酸化チタン、二酸化チタンまたはベンゾフェニール系紫外線吸収剤などの耐候剤が0.2〜1.5重量%含まれていることが好ましい。0.5〜1.2重量%含まれていることがより好ましい。
複合繊維が芯鞘型であった場合、芯成分と鞘成分の比率は重量比で、80:20〜20:80であることが好ましく、さらに好ましくは、70:30〜30:70であり、最も好ましくは、65:35〜35〜65である。芯成分の比率が80%を越える場合、芯成分であるポリエチレンテレフタレート対比柔軟性の高いポリマーの比率が少ないため、シートとした場合の柔軟性に欠けるものとなり、施工性が悪化するので好ましくない。芯成分の比率が20%に満たない場合、柔軟な鞘成分のポリマー量が多いため柔軟性の高い不織布が得られるが、シートの強力が弱いものとなり防草シートとして満足できにくくなるので好ましくない。
防草シートとしての機能および敷設時の見栄えからして、防草シートを構成する複合繊維は、高融点成分を芯成分、低融点成分を鞘成分とする芯鞘構造とすることが好ましく、芯成分もしくは鞘成分のいずれか一方、もしくは双方の成分に着色剤を含有させることが重要であり、着色剤としては、カーボンブラック、茶系あるいは、グリーン系顔料等が好ましく使用される。もちろん、芯成分と鞘成分の両性分共に同一の着色剤、あるいは、芯成分に添加する着色剤と鞘成分に添加する着色剤と異なる着色剤を添加しても良いことは言うまでもない。
着色剤が黒色顔料およびグリーン系顔料である場合、防草シートの要求機能である遮光性(光合成阻害)のみならず蓄熱による雑草の軟弱化効果、などに対して有効に機能することができる。着色剤の添加率は、繊維重量に対して0.02〜2重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.5重量%であり、最も好ましくは、0.1〜1.0重量%である。添加率が2重量%を越える場合、紡出時の曳糸性が乏しく糸切れが多発するなど操業性が悪化する。また添加率が0.02重量%未満では、色目が淡く遮光性など防草シートとしての機能が低くなるため良くない。また遮光率は、98〜100%、より好ましくは98.5〜100%であることが好ましい。遮光率が98%より小さい場合、雑草は、やや白化し軟弱化するが、白化し成長が完全に停止するには至らず、防草シートとして完全なものとは言えない。
本発明の防草シートとしての目付は、100〜300g/m2であることが重要であり、120〜260g/m2であることが好ましい。目付が100g/m2未満であった場合、特に不織布の低目付部分での貫通抵抗が低くなりすぎるため、発芽力の強い、また生育した茎径が太くて強い、チガヤ、ヨシ、セイタカアワダチソウ、のような雑草を刈り取り施工する場合、シートが破れるなど防草シートとして満足できにくくなるなどの問題もある。また目付が300g/m2を越える場合、熱圧着が十分でなくシートが層間剥離したり、仮にシートが採取出来たとしても、シートが硬く、重いため施工性が悪くなる問題がある。
そして、本発明の防草シートを構成する不織布の目付と剛軟度との関係が次式を満足することが重要である。
0.010≦Y/X2≦0.030
但し Y:剛軟度(mgf)
X:目付 (g/m2)
ここでいう剛軟度(mgf)と目付は、後述する実施例の欄に記載した方法により求める。
但し Y:剛軟度(mgf)
X:目付 (g/m2)
ここでいう剛軟度(mgf)と目付は、後述する実施例の欄に記載した方法により求める。
目付と剛軟度との関係が、Y/X2≦0.010未満であった場合、柔軟性があり施工性は、良好であるもののシートが柔らかく保水性も良く毛羽も発生しやすいため施工後の雑草の種子が飛来、付着した場合、ニードルパンチ品と同様、シート表面からの発芽がしやすくなるなどの問題がある。また、Y/X2≦0.030を越える場合、剛性が高くなり、地面の凹凸へのなじみが悪く、敷設性、施工性に欠けるものとなる。
不織布の見掛け密度は0.25〜0.5g/cm3であることが好ましく、0.25〜0.45g/cm3であることがより好ましく、0.25〜0.42g/cm3であることがさらに好ましい。見掛け密度が0.25g/cm3未満であった場合、セイタカアワダチソウ、チガヤ、ヨシ、のように出芽力の強い雑草に対する防草効果が不十分であるばかりでなく、茎径が太くて強い前記雑草では、草刈り後、防草シートを敷設する場合、施工者が踏みつけた際、切り株による損傷が発生これもまた防草シートとして不十分なものとなる。また見掛け密度が0.5g/cm3を越える場合、防草効果が十分あるものの、特に目付が高い場合透水性が不十分となり植樹した樹木の根本に敷設した場合、樹木の根への水の供給が不十分となり樹木が枯れることがある。
また、不織布を構成する複合繊維の平均繊維径は8〜25μmであることが好ましく、より好ましくは10〜23μmである。繊維径が8μm未満であった場合、不織布としての均一性(以下、目付斑と言う)は向上するが、紡糸性が悪化し欠点が発生するとともに、細繊度化にともなう生産性悪化など、コスト的にも高くつくなど実用上使用できにくくなる問題がある。また繊維径が25μmを越える場合、シートを構成する繊維本数が少なくなるため、不織布としての目付斑が悪化し、低目付部分の遮光性が悪化、遮光性が不十分なものとなるなど満足できる防草効果が発揮できにくくなるので好ましくない。
目付が100〜300g/m2と高目付であって、見掛け密度が0.25〜0.5g/cm3と高密度である防草シートを得るためには、片面がフラットであって、片面に凹凸を有するエンボスロールで接着可能であるが、シートのロールとられなどからして上下両面のロールに彫刻したものがより好ましい。エンボスロールの彫刻深さは、0.3〜1.0mmで圧着部の面積が8〜40%とすることが好ましい。エンボスロールの彫刻深さが0.3mm未満であった場合、不織布を熱圧着した際、圧着が不十分となりシートが剥離するなどの問題があり、また彫刻深さが1.0mmを越える場合、エンボスロール凸部が破損しやすくなる。エンボスロールの熱圧着面積が8%未満であった場合、熱接着性良好であるが、これもまたロールが破損しやすいのみならず、見掛けのシート密度が低くなり、セイタカアワダチソウ、チガヤ、ヨシ、のような出芽力が強く茎径が太くて強い雑草に対して十分な防草効果が発揮できにくくなる。また圧着面積が40%を越える場合、見掛け密度は、十分満足できるものの、シートが硬くなり施工性に欠けるものとなる。
また、より好ましく製造するためには、表面がフラットであるカレンダーロールで適度なシート密度となるよう厚みを調整した後、引き続きエンボスロールで熱圧着するか、前記エンボスロールで熱圧着した後、カレンダーロールで厚み調整することで容易に得ることができる。
防草シートとしての透水係数としては、0.5×1/100〜20×1/100(cm/秒)であることが好ましい。透水係数が0.5×1/100cm/秒未満であった場合、降雨の際シートの表面に水がたまるのみならず、樹木の根本に敷設した際、根への水の供給が不可能となるため樹木が枯れるなどの問題がある。透水係数が20×1/100cm/秒を越える場合、透水性良好であり、樹木への水の供給に対しては有利であるが、遮光性や貫通抵抗が低いものとなり、防草シートとして不十分なものとなる。
不織布の目付斑は、不織布の強力、貫通抵抗、遮光性、に対して極めて重要な特性であり、目付50g/m2換算の目付斑で好ましくは3〜10%であり、より好ましくは3〜8%であり、最も好ましくは3〜6%である。目付斑が3%未満では性能的によく細繊度化、あるいは、メルトブロー方式との複合化で製造することができるが、生産性が低く価格的に高いものとなるため実用的でない。また目付斑が10%を越える場合、低目付部分の貫通抵抗が低くなるため、発芽力の強い雑草が低目付部分から発芽するなど、また刈り取り後のシートが破れるなど防草シートとして好ましくない。
本発明の防草シートを製造する方法について、スパンボンド不織布製造設備を用いた一例を説明する。
それぞれの原料を乾燥した後、複合紡糸可能な防糸設備を用い、芯成分と鞘成分とを別々のエクストルーダーで溶融、紡糸温度が280〜300℃で、吐出孔径が0.2〜0.5mmである口金から吐出し、冷却した後、エジェクターにより3500〜5500m/分、より好ましくは、4000〜5000m/分で高速牽引することで、引っ張り強力および貫通抵抗に優れたシートを製造することができる。
口金の孔径が0.2mmより小さい場合、吐出開始初期直後の孔詰まりによる欠点が発生しやすく、また口金孔径が0.5mmより大きい場合、ドラフトが高すぎることによる単糸流れが発生、操業性や品質が悪化する問題がある。紡糸速度が3500m/分未満であった場合、物性レベルが低下するばかりか、フィラメントの開繊性が悪化し、シートの目付斑が悪化、目標とする目付斑の3〜10%が維持できなくなる問題がある。また、紡糸速度が5500m/分を越える場合、紡出されたフィラメントの曳糸性が不十分であり、これもまた単糸切れが増加、操業性が悪化する問題がある。
また、良好な紡糸性を維持しながら高速紡糸するためには、口金より吐出されたフィラメントの冷却条件が重要であり、口金面からエジェクター入り口までの冷却長を50〜150cmとすることが好ましく、60〜120cmとするのがより好ましい。冷却長が150cmを越える場合、チムニー風量と随伴流のバランスが取りにくく、糸揺れが発生し紡糸性の悪化や、糸揺れによる目付斑も悪化するなどの問題もある。また冷却長が50cm未満であった場合、冷却が不十分であり融着が発生する問題がある。
以上のように口金から吐出されたポリマーを冷却、エジェクターで高速牽引されたフィラメントを移動するネット上に捕集し、ウエブとした後、カレンダーロールで仮圧着した後、引き続き熱圧着面積が8〜40%であるエンボスロールで部分的に熱圧着あるいは、ウエブを前記エンボスロールで直接熱圧着することで防草効果が高く柔軟性で施工性に優れた良好な防草シートを製造することができる。
以下、実施例に基づき本発明につき具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものでないことは、言うまでもない。なお下記実施例における各特性値は、次の方法で測定したものである。
(1)平均繊維径(μm)
不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し走査型電子顕微鏡で200〜800倍の写真を撮影し、各サンプルからn=10本、計100本の繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とした。
不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し走査型電子顕微鏡で200〜800倍の写真を撮影し、各サンプルからn=10本、計100本の繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とした。
(2)目付(g/m2)
温度20℃、湿度65%の標準状態にサンプルを24時間放置後、幅方向1m×長さ方向1mの試料を採取し、天秤を用いて重量(g)を測定する。得られた重量(g)の小数点以下を四捨五入して目付(g/m2)とした。
温度20℃、湿度65%の標準状態にサンプルを24時間放置後、幅方向1m×長さ方向1mの試料を採取し、天秤を用いて重量(g)を測定する。得られた重量(g)の小数点以下を四捨五入して目付(g/m2)とした。
(3)厚さ(mm)
不織布より幅方向に、1m当たり5個のサンプルを採取しJIS L1906に基づいてデイスク径10mm、荷重7.85kpaで測定した。
不織布より幅方向に、1m当たり5個のサンプルを採取しJIS L1906に基づいてデイスク径10mm、荷重7.85kpaで測定した。
(4)見掛け密度(g/cm3)
測定した目付を厚さで除して見掛け密度とした。
測定した目付を厚さで除して見掛け密度とした。
見掛け密度=目付(g/m2)/〔厚さ(mm)×1000〕
(5)遮光率(%)
JIS L1055 A法に基づき試験片装置前照度を100,000ルクスで測定した。
(5)遮光率(%)
JIS L1055 A法に基づき試験片装置前照度を100,000ルクスで測定した。
(6)透水係数(cm/秒)
JIS−A1218記載の定水位試験に準用し、透水面積1cm2 、水位10cm、透水時間60秒とし、JIS L1908押圧荷重2kpaの厚さの試験結果を用い透水係数を求め、測定数n=5の平均値を透水係数とした。
JIS−A1218記載の定水位試験に準用し、透水面積1cm2 、水位10cm、透水時間60秒とし、JIS L1908押圧荷重2kpaの厚さの試験結果を用い透水係数を求め、測定数n=5の平均値を透水係数とした。
(7)剛軟度(mgf)
不織布よりランダムに幅方向2.54cm、長さ方向3.81cmのサンプルを採取し、それぞれ精密天秤を用いて小数点以下3桁までの重量(g)を測定、1m2当たりに換算した際の値が、前記(2)項で測定した目付に対して±1.5%以内であるサンプル5個を採取し剛軟度測定用試料とした。剛軟度の測定は、株式会社大栄科学精器製作所製ガーレ式剛軟度試験機を用い、不織布縦方向(長さ方向)の剛軟度を測定した。即ち不織布縦方向の剛軟度測定は、幅方向2.54cm、縦方向3.81cmである試料の有効試料長を2.54cmとして(チャック:0.635cm、試料の自由端にて振り子の先端に0.635cmかかるようにする。)、JIS L 1086−1983 6.13に基づき表裏両面について下記式により剛軟度(mgf)を求め、その平均値を小数点以下四捨五入し剛軟度とした。なお測定荷重は、当たりのテストを行い目盛板の目盛りが4〜6の範囲に入るような荷重を選定した。
不織布よりランダムに幅方向2.54cm、長さ方向3.81cmのサンプルを採取し、それぞれ精密天秤を用いて小数点以下3桁までの重量(g)を測定、1m2当たりに換算した際の値が、前記(2)項で測定した目付に対して±1.5%以内であるサンプル5個を採取し剛軟度測定用試料とした。剛軟度の測定は、株式会社大栄科学精器製作所製ガーレ式剛軟度試験機を用い、不織布縦方向(長さ方向)の剛軟度を測定した。即ち不織布縦方向の剛軟度測定は、幅方向2.54cm、縦方向3.81cmである試料の有効試料長を2.54cmとして(チャック:0.635cm、試料の自由端にて振り子の先端に0.635cmかかるようにする。)、JIS L 1086−1983 6.13に基づき表裏両面について下記式により剛軟度(mgf)を求め、その平均値を小数点以下四捨五入し剛軟度とした。なお測定荷重は、当たりのテストを行い目盛板の目盛りが4〜6の範囲に入るような荷重を選定した。
剛軟度(mgf)=RG×(aWa+bWb+cWc)×L2/d×0.306
ここで、RG:試料が振り子から離れるときの目盛
a,b,c:荷重取付孔と支点間の距離(cm)
Wa,Wb,Wc:荷重取付孔a,b,cにかける荷重(gf)
L:試料片の長さ(cm)
d:試料片の幅(cm)
(8)目付斑(%)
100×100cmの試料を採取し、その試料を5×5cmに裁断し、400個のピースとし、各ピースの重量から算出した目付を50g/m2目付に換算(例えば100×100cmの目付が200g/m2であった場合、各ピースの目付は、各ピースの重量(g)×400×50/200)し、換算したそれぞれの目付のバラツキ(σ)およびその平均値を算出し、{σ/平均値}×100=目付斑(%)とした。
ここで、RG:試料が振り子から離れるときの目盛
a,b,c:荷重取付孔と支点間の距離(cm)
Wa,Wb,Wc:荷重取付孔a,b,cにかける荷重(gf)
L:試料片の長さ(cm)
d:試料片の幅(cm)
(8)目付斑(%)
100×100cmの試料を採取し、その試料を5×5cmに裁断し、400個のピースとし、各ピースの重量から算出した目付を50g/m2目付に換算(例えば100×100cmの目付が200g/m2であった場合、各ピースの目付は、各ピースの重量(g)×400×50/200)し、換算したそれぞれの目付のバラツキ(σ)およびその平均値を算出し、{σ/平均値}×100=目付斑(%)とした。
(9)貫通抵抗力(kg)
シート幅方向1m当たり10×10cmのサンプル3個を採取し、直径が10mmの貫通穴を有する試料台の上に試料をのせ、該貫通穴を貫通する直径(軸径)が8.4mmで長さ(軸長)が3cmであって、切断角度が45度(茎径8.4mmのヨシ雑草を鎌で45度に切断した茎を想定)である鉄製の軸(貫通棒)を圧縮試験機を用い、押圧速度10mm/分で試料を押しつけた際、試料を貫通する時の最高値を読みとり3個のサンプルの平均値を小数点以下四捨五入し貫通抵抗力とした。
シート幅方向1m当たり10×10cmのサンプル3個を採取し、直径が10mmの貫通穴を有する試料台の上に試料をのせ、該貫通穴を貫通する直径(軸径)が8.4mmで長さ(軸長)が3cmであって、切断角度が45度(茎径8.4mmのヨシ雑草を鎌で45度に切断した茎を想定)である鉄製の軸(貫通棒)を圧縮試験機を用い、押圧速度10mm/分で試料を押しつけた際、試料を貫通する時の最高値を読みとり3個のサンプルの平均値を小数点以下四捨五入し貫通抵抗力とした。
(10)融点(℃)
示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製:DSC―2型)を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とし評価した。
示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製:DSC―2型)を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とし評価した。
(11)防草効果
ヨシ雑草を刈り取った後、2m×10mの不織布シートを敷設、シートを踏み付けながら敷設した際の、シートの損傷が全くなく、1年後ヨシの出芽が全くなくシート下の植物体が完全に白化し雑草が完全に制御された状況を(○)とした。
ヨシ雑草を刈り取った後、2m×10mの不織布シートを敷設、シートを踏み付けながら敷設した際の、シートの損傷が全くなく、1年後ヨシの出芽が全くなくシート下の植物体が完全に白化し雑草が完全に制御された状況を(○)とした。
上記同様不織布シートを敷設した際、シートの損傷はなく、1年後シートを貫通するヨシ雑草の出芽はなかったが、シート下の植物体は、やや緑色を保っており、シートが部分的に浮き上がる状況にあったものを(△)、また上記同様の方法で敷設した際、敷設作業時に切り株によるシートの損傷があり、1年後には、ヨシ雑草の出芽が認められたものを(×)とした。
実施例1〜5
固有粘度が0.66、融点が262℃であるポリエチレンテレフタレートを真空乾燥機により140℃で8時間乾燥した原料を芯成分用に、また固有粘度が0.62であって融点が221℃であるポリブチレンテレフタレートを真空乾燥機で100℃で8時間乾燥した原料を鞘成分用に、また前記ポリブチレンテレフタレート原料にカーボンブラックを10重量%添加したマスターチップ原料についても100℃で8時間乾燥した。
固有粘度が0.66、融点が262℃であるポリエチレンテレフタレートを真空乾燥機により140℃で8時間乾燥した原料を芯成分用に、また固有粘度が0.62であって融点が221℃であるポリブチレンテレフタレートを真空乾燥機で100℃で8時間乾燥した原料を鞘成分用に、また前記ポリブチレンテレフタレート原料にカーボンブラックを10重量%添加したマスターチップ原料についても100℃で8時間乾燥した。
引き続き口金口径が0.3mmであって1m幅当たりの孔数が3000孔で複合紡糸可能な矩形口金と矩形エジェクターを有するスパンボンド製布設備を用い、鞘成分に原着マスターチップ5重量%となるようチップブレンドし、芯成分、鞘成分、それぞれ別々のエクストルーダーを用い、芯成分用であるポリエチレンテレフタレートの溶融は、285℃で、また鞘成分のポリブチレンテレフタレートの溶融は、260℃とし、紡糸温度285℃で、単孔吐出量1.2g/分、芯鞘比率60:40で紡出した後、冷却温度を20℃とし矩形エジェクターで圧力0.3mpaで高速牽引、移動するネットコンベアー上に捕集し片面がフラットで片面に彫刻深さが0.8mmの凹凸を有し凸面の面積が16%であるエンボスロールにより、温度185℃、圧力50kg/cm2 でネット速度を変更、熱接着シートを得た。結果を表1に示す。
得られた不織布の剛軟度および貫通抵抗、遮光性、透水係数、など本発明を満足するものであり、風合いが柔軟であり敷設性、防草効果など良好なものであった。
実施例6〜11
実施例1と同様、乾燥原料に加え、ポリエチレンテレフタレートにカーボンブラック10重量%ミックスのマスターチップを用い、引き続き口金孔径が0.3mmであって、1m幅当たりの穴数が3,000孔で複合紡糸可能な矩形口金および口金孔径が0.5mmであって1m幅当たりの穴数が1700孔で複合紡糸可能な2種の口金を用い、芯成分、鞘成分、それぞれ別々のエクストルーダーを用い、芯成分用には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートにカーボンブラックを10重量%ミックスしたマスターチップを5重量%ブレンド、エクストルーダーにより285℃で溶融、鞘成分用には、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートにカーボンブラックを10重量%ミックスしたマスターチップを5重量%ブレンドした原料をエクストルーダーにより260℃で溶融し紡糸温度を285℃とし、芯鞘比率60:40で単孔吐出量を変更し、紡出した後、冷却温度を20℃とし、矩形エジェクターで圧力0.25mpaで牽引移動するネットコンベアー上に捕集、片面がフラットで片面の彫刻深さが0.8mmであって凹凸を有し凸面の面積が16%であるエンボスロールによりエンボス温度185℃、圧力55kg/cm2 とし、それぞれの吐出量に応じて目付が150g/m2となるようネット速度を変更し不織布を得た。結果を表2に示す。
実施例1と同様、乾燥原料に加え、ポリエチレンテレフタレートにカーボンブラック10重量%ミックスのマスターチップを用い、引き続き口金孔径が0.3mmであって、1m幅当たりの穴数が3,000孔で複合紡糸可能な矩形口金および口金孔径が0.5mmであって1m幅当たりの穴数が1700孔で複合紡糸可能な2種の口金を用い、芯成分、鞘成分、それぞれ別々のエクストルーダーを用い、芯成分用には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートにカーボンブラックを10重量%ミックスしたマスターチップを5重量%ブレンド、エクストルーダーにより285℃で溶融、鞘成分用には、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートにカーボンブラックを10重量%ミックスしたマスターチップを5重量%ブレンドした原料をエクストルーダーにより260℃で溶融し紡糸温度を285℃とし、芯鞘比率60:40で単孔吐出量を変更し、紡出した後、冷却温度を20℃とし、矩形エジェクターで圧力0.25mpaで牽引移動するネットコンベアー上に捕集、片面がフラットで片面の彫刻深さが0.8mmであって凹凸を有し凸面の面積が16%であるエンボスロールによりエンボス温度185℃、圧力55kg/cm2 とし、それぞれの吐出量に応じて目付が150g/m2となるようネット速度を変更し不織布を得た。結果を表2に示す。
得られた不織布の剛軟度、および貫通抵抗、遮光性、透水係数、など本発明を満足するものであり、風合いが柔軟であり敷設性良好であり、ヨシ雑草刈り取り後の防草効果も満足できるものであった。
比較例1〜2
実施例1と同様の設備により芯成分に固有粘度が0.66、融点が262℃のポリエチレンテレフタレートと前記同様のポリエチレンテレフタレートにカーボンブラック10重量%をブレンドしたマスターチップをカーボンブラックの濃度が0.5%となるようブレンドした原料を用い、鞘成分には固有粘度が0.65で融点が230℃である共重合ポリエステルを用いて、それぞれ別々のエクストルーダーにより、芯成分側は、285℃で鞘成分側は、260℃で溶融、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.2g/分、芯鞘比率が80:20で紡出した。引き続き冷却温度を20℃とし矩形エジェクターで0.3MPAで高速牽引、目標シート目付が200、260g/m2となるよう速度調整した移動するネットコンベア上に捕集し、片面がフラットで、片面に彫刻深さが0.8mmであって凹凸を有し凸面の面積が16%であるエンボスロールにより熱圧着したシートを得た。
実施例1と同様の設備により芯成分に固有粘度が0.66、融点が262℃のポリエチレンテレフタレートと前記同様のポリエチレンテレフタレートにカーボンブラック10重量%をブレンドしたマスターチップをカーボンブラックの濃度が0.5%となるようブレンドした原料を用い、鞘成分には固有粘度が0.65で融点が230℃である共重合ポリエステルを用いて、それぞれ別々のエクストルーダーにより、芯成分側は、285℃で鞘成分側は、260℃で溶融、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.2g/分、芯鞘比率が80:20で紡出した。引き続き冷却温度を20℃とし矩形エジェクターで0.3MPAで高速牽引、目標シート目付が200、260g/m2となるよう速度調整した移動するネットコンベア上に捕集し、片面がフラットで、片面に彫刻深さが0.8mmであって凹凸を有し凸面の面積が16%であるエンボスロールにより熱圧着したシートを得た。
得られた不織布の防草効果は満足できるものであったが、剛軟度は、目付201g/m2品で1570mg、目付262g/m2品で2926mg、と高く、目付と剛軟度の関係についても両目付品とも特許範囲をはずれるものであり、風合いが硬く敷設性に欠け防草シートとして満足できるものでなかった。
比較例3
実施例1〜6と同様の原料、紡糸設備、および条件により捕集用ネット速度を変更し、目付55g/m2の不織布を得た。得られたシート用いヨシ雑草刈り取り後、敷設したところ敷設作業中にシート破れが発生し、また1年後には、部分的にヨシの出芽が認められ防草シートとして十分なものでなかった。
実施例1〜6と同様の原料、紡糸設備、および条件により捕集用ネット速度を変更し、目付55g/m2の不織布を得た。得られたシート用いヨシ雑草刈り取り後、敷設したところ敷設作業中にシート破れが発生し、また1年後には、部分的にヨシの出芽が認められ防草シートとして十分なものでなかった。
比較例4
比較例3と同様の原料および条件により捕集ネット速度を変更し目付が400g/m2の不織布を得た。得られたシートは層間での剥離が激しく、製品として使用するに十分なものでなかった。
比較例3と同様の原料および条件により捕集ネット速度を変更し目付が400g/m2の不織布を得た。得られたシートは層間での剥離が激しく、製品として使用するに十分なものでなかった。
Claims (11)
- 高融点成分と低融点成分で形成される複合繊維を含む不織布からなり、目付が100〜300g/m2であって、かつ前記不織布の目付と剛軟度との関係が次式を満足することを特徴とする防草シート。
0.010≦Y/X2≦0.030
但し、Y:剛軟度(mgf)
X:目付(g/m2) - 前記複合繊維の高融点成分がポリエチレンテレフタレートであって、低融点成分がポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドおよびそれらの共重合体から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。
- 前記不織布が、軸径8.4mm、軸長3cmおよび軸の切断角度が45度である鉄製の軸による貫通抵抗が次式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の防草シート。
0.1X+5≧Z≧0.1X−8
但し、X:目付100〜300(g/m2)
Z:貫通抵抗(kg) - 前記不織布の見掛け密度が0.25〜0.50g/cm3であって、前記複合繊維の平均繊維径が8〜25ミクロンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防草シート。
- 前記複合繊維の低融点成分の融点が高融点成分の融点より20〜160℃低いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防草シート。
- 前記複合繊維が高融点成分を芯成分とし低融点成分を鞘成分とする芯鞘型複合繊維であって、その芯鞘比率(重量比)80:20〜20:80であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防草シート。
- 前記複合繊維の少なくとも鞘成分に耐候剤が含まれていることを特徴とする請求項6に記載の防草シート。
- 前記複合繊維の芯成分または鞘成分の少なくともどちらか一方に0.02〜2重量%の着色剤を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の防草シート。
- 前記不織布の遮光率が98〜100%であって、透水係数が0.5×1/100〜20×1/100(cm/秒)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防草シート。
- 前記不織布が部分的に熱圧着されており、熱圧着面積比率が8〜40%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の防草シート。
- 前記複合繊維がフィラメントであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の防草シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004221442A JP2006034216A (ja) | 2004-07-29 | 2004-07-29 | 柔軟性防草シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-07-29 JP JP2004221442A patent/JP2006034216A/ja not_active Withdrawn
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