JP4931410B2 - 緑化用マット構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、緑化用マット構造体に関するものであり、より詳細には、屋上や地面などに施設する緑化用マット構造体に関するものである。
近年、とりわけ大都市においては、都心の温度が郊外と比べて4〜6℃も高くなるいわゆるヒートアイランド現象が問題視されている。この対策として、緑化による下温手段が検討されている。例えば、特許文献1には、植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットが開示されている。また、特許文献2および特許文献3に開示されているように、蘇苔類植物を保持させた蘇苔類植物保持体が積層された緑化構造体の検討がなされている。蘇苔類植物は、乾燥状態が続いても仮死状態となるだけで枯死することがなく、降雨などにより再度水が与えられると再生し、生命力が強いという特徴を有している。
特開2001−145422号公報 特開2005−6526号公報 特開2005−9号公報
緑化用マット構造体は、その使用目的に応じて構成などが異なるが、通常、蘇苔類などの植物を育成させる植物担持層と、保水などの機能を発現させる基本層とから構成されている。特に、屋上や地面などに施設して使用される場合に通水性が低いと、雨水などが緑化用マット構造体に溜まってしまい、蘇苔類などの植物が根腐れして枯れてしまうという問題がある。さらに、緑化用マット構造体の耐久性が低い場合には、風雨にさらされて植物担持層が基本層から剥離する場合があり、台風などの強風によって植物担持層が吹き飛ばされる虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、通水性および耐久性に優れる緑化用マット構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできた本発明の緑化用マット構造体とは、ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層と、前記基本層の片面または両面に、ポリエステル繊維からなる不織布層とを有し、前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体によって接着されていることを特徴とする。緑化用マット構造体の基本層として、ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなるものを使用することによって、通水性を確保するとともに、前記ポリエステル繊維からなる不織布層と、ポリオレフィン樹脂で構成される基本層とを、エチレン系共重合体で接着し、基本層と不織布層との剥離強度を9.8N/5cm以上とすることによって、得られる緑化用マット構造体の耐久性が向上するからである。
前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体からなる熱接着性シートまたは熱接着性パウダーによって接着されているものであることが好ましい態様である。前記基本層と前記不織布層との間にエチレン系共重合体からなる熱接着性シートまたは熱接着性パウダーを載置して、得られた積層体を加熱することによって、前記基本層と前記不織布層とをエチレン系共重合体で接着することができる。
前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂が好適である。ポリプロピレン樹脂を採用することによって、安価で耐久性に優れる緑化用マット構造体が得られる。また、前記ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる繊維が好適である。前記連続線条体の線径は、0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。前記基本層としては、例えば、厚さが3mm以上、目付質量が100g/mから1000g/m、見かけ密度が0.3g/cc以下であるものを好適に使用できる。また、前記不織布層としては、目付質量が200g/mから1000g/mであるものを好適に使用できる。前記不織布層には、蘇苔類が担持されていることが好ましい。
本発明によれば、通水性および耐久性に優れる緑化用マット構造体が得られる。本発明の緑化用マット構造体を敷設することによって、いわゆるヒートアイランド現象の如く、都心部などの温度上昇を抑制することができる。
本発明の緑化用マット構造体は、ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層と、前記基本層の片面または両面にポリエステル繊維からなる不織布層とを有し、前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体によって接着され、前記基本層と不織布層との剥離強度が、9.8N/5cm以上であることを特徴とする。
まず、本発明の緑化用マット構造体を構成する基本層について説明する。前記基本層は、通水性を発現するものであり、ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなる。本発明において三次元ランダム状とは、単数若しくは複数の連続線条体(ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体)を曲がりくねらせて大きさや向きが不規則なループ状などの任意の形状を多数形成すると共に、これら線条体同士の交絡部の少なくとも一部が融着している立体構造をいう。
また「連続線条体」としては、熱可塑ポリオレフィン樹脂からなるものが好適であり、熱可塑性ポリプロピレン樹脂からなるものがより好適である。熱可塑性ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を使用することによって、安価で耐久性に優れる緑化用マット構造体が得られる。
前記連続線条体の線径は特に限定されないが、好ましくは0.3mmφ以上、より好ましくは0.5mmφ以上とすることが望ましい。線径が細すぎると連続線条体が破断し易くなって耐久性が不足するからである。前記線径の上限は、特に限定されないが、好ましくは1.0mmφ、より好ましくは0.8mmφとすることが望ましい。線径が太くなりすぎると、不織布層との接着点が減少して剥離強度が低下する場合があるからである。連続線条体の断面形状は特に限定されないが、断面2次モ−メントが高くなると曲げ剛さが改善されるため、中空断面、多角形あるいは多葉形等の異形断面が好ましい。また、断面形状を円形とすることも好ましい態様である。
本発明で使用する基本層の初期圧縮弾性率は、0.05N/cm/100%以上が好ましく、0.1N/cm/100%以上がより好ましい。初期圧縮弾性率が0.05N/cm/100%未満では、吸水した不織布の荷重や、敷設時の人の荷重によって、基本層が変形してしまう場合があるからである。前記基本層の初期圧縮弾性率の上限は、特に限定されるものではないが、0.3N/cm/100%である。初期圧縮弾性率を0.3N/cm/100%以下にすることによって、得られる緑化用マット構造体が比較的柔らいものになり、敷設作業性が向上する。
前記初期圧縮弾性率は、基本層の目付質量、厚さ、及び、基本層を構成するポリオレフィン樹脂の種類などを適宜選択することにより制御することができる。
前記基本層の4.0N/cm荷重後の圧縮変形回復率は50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上である。一般に人の片足にかかる荷重(体重60kg、足の文数25cm)を単位面積あたりに換算すると約0.23kg/cm(つま先半分では約0.4kg/cm)となる。そこで、基本層に人の片足にかかる荷重に相当する4.0N/cmの荷重をかけた後の圧縮変形回復率を50%以上としておけば、敷設時などに人の荷重がかかった場合にも、緑化用マット構造体には圧縮変形歪が残らないからである。
前記基本層の厚さは特に限定されないが、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。基本層の厚さを3mm以上とし、蘇苔類などを担持させた不織布層を3mm以上の高さに位置させることによって、降雨などによって生じる水溜りに不織布層が水没してしまうのを抑制するとともに、斯かる水溜りが消滅した場合には、不織布層に吸水された過剰な水が排除されやすくなる。その結果、不織布層に担持させた蘇苔類の根腐れを抑制できる。前記基本層の厚さの上限は、特に限定されるものではないが、20mmであり、より好ましくは15mmである。20mmを超えると、隙間が空きすぎて占有体積が大きくなりすぎるので、好ましくない。
前記基本層の目付質量は、好ましくは100g/m以上であり、より好ましくは150g/m以上である。目付量を100g/m以上とすることによって、使用する連続線条体の線径と基本層の厚みの調整がしやすいからである。一方、目付量の上限は、特に限定されないが、好ましくは1000g/mであり、より好ましくは900g/mである。1000g/mを超えると過剰品質になり、コストの点から好ましくない。
前記基本層の見かけ密度は、0.3g/cc以下であり、より好ましくは0.2g/cc以下であることが望ましい。前記見かけ密度が0.3g/cc超になると、基本層の連続線条体が密になり過ぎて、水はけが低下したり、水の吸い上げなどが生じて、蘇苔類を根腐れさせる虞がある。
前記基本層は、例えば、次のような方法により作製することができる。ポリオレフィン樹脂を溶融混練押出機により溶融させて、下向きに複数のオリフィスを持つノズルから連続線条体とし吐出し、これを自然落下して冷却固化させることにより、前記連続線条体が、旋回等して大きさや向きが不規則なループ状などの不定形状の3次元ランダム状に交絡する。連続線条体の交絡部の少なくとも一部を融着させるには、溶融状態で落下してくる不定形状を形成した線条体を、一対のコンベアで挟み込むことで線条体同士の交絡部が融着され、続いて冷却媒体中に引き込んで該融着部を固化させ、その後引き上げて常温または熱風で乾燥させればよい。
次に、本発明の緑化用マット構造体を構成する不織布層について説明する。前記不織布層としては、ポリエステル繊維からなる不織布層であれば、特に限定されない。ポリエステル繊維を使用することによって、耐久性や耐候性が向上するからである。前記ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる繊維が好適である。また、前記ポリエステル繊維として、親水性処理を施した改質ポリエステル繊維を使用することも好ましい態様である。親水性処理を施した改質ポリエステル繊維を使用することによって、不織布層の保水性を高めることができるからである。不織布層を構成するポリエステル繊維のうち、前記改質ポリエステル繊維の含有量は、50質量%以上が好ましく、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
本発明における不織布層は、ポリエステル繊維からなるものであれば、長繊維不織布層または短繊維不織布層のいずれであっても良い。短繊維不織布層の製造方法としては、例えば、ポリエステル短繊維を単独または複数組み合わせたものをカーディングして、繊維ウエッブとし、繊維ウエッブを複数積層して、ニードルパンチ加工やウォータージェット加工などの物理的交絡処理を施して不織布とする方法を挙げることができる。この際、芯鞘構造を有する熱融着性ポリエステル繊維を用いて、繊維ウエッブを構成する短繊維同士を融着させることも好ましい態様である。また、長繊維不織布層の製造方法としては、例えば、スパンボンド法やメルトブロー法などを挙げることができる。前記長繊維不織布層も、必要に応じて、ニードルパンチ処理を施して、目付質量の調整を行っても良い。
前記不織布層を構成する繊維の繊度は、例えば、好ましくは1dtex以上、より好ましくは2dtex以上であって、好ましくは20dtex以下、より好ましくは18dtex以下である。前記繊度が1dtex未満では、不織布層が密になりすぎて水はけがわるくなる。一方、前記繊度が20dtex超では、不織布層が粗になりすぎて保水性が低下するからである。
前記不織布層は、水をはじかない程度の吸水性を有していることが好ましい。前記吸水性としては、例えば、0.1cm/5分以上が好ましく、より好ましくは0.2cm/5分以上である。前記吸水性として0.1cm/5分未満では、不織布層が水分をはじくために、不織布層に担持させた蘇苔類が水分を吸収するのが難しくなる。
前記不織布層の目付質量は、100g/m以上、より好ましくは150g/m以上であることが望ましい。100g/m未満であると、不織布層への蘇苔類植物の担持が難しくなる。前記不織布層の目付質量の上限は、特に限定されるものではないが、1000g/m、より好ましくは900g/mであることが望ましい。1000g/m超では、不織布層の保水効果が高くなり過ぎて、蘇苔類植物の根腐れなどが生じやすくなるからである。
前記不織布層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上である。厚みを0.3mm以上とすることによって、不織布層への蘇苔類の担持が容易になる。一方、前記不織布層の厚みの上限は、特に限定されるものではないが、10mm、より好ましくは8mmであることが望ましい。不織布層が厚すぎると、緑化用マット構造体を敷設する際の作業性などが低下する虞があるからである。
本発明では、前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体によって接着され、前記基本層と前記不織布層との剥離強度が9.8N/5cm以上である。
本発明では、ポリオレフィン樹脂(特にポリプロピレン樹脂)からなる基本層とポリエステル樹脂(特にポリエチレンテレフタレート樹脂)を主成分とする不織布層とを接着するのに、接着剤としてエチレン系共重合体を使用する。エチレン系共重合体を使用することによって、基本層と不織布層とを強固に接着できる。その結果、基本層と不織布層との剥離強度が9.8N/5cm以上になり、耐久性に優れる緑化用マット構造体が得られる。
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体およびエチレン・ブテン−1共重合体などのエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などを挙げることができ、好ましくは、エチレン・ブテン−1共重合体またはエチレン酢酸ビニル共重合体である。前記エチレン・酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとを共重合して得られる樹脂である。また、エチレンと酢酸ビニルとを主成分とするものであれば、酢酸ビニルの一部の代わりに、アクリル酸エチル、アクリル酸メチルなどの共重合可能な他のモノマーを使用したものも含まれる。前記エチレン酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル成分の含有率は、特に限定されないが、例えば、約10質量%から約50質量%である。
本発明では、前記基本層と前記不織布層とが、低融点のエチレン系共重合体からなる熱接着性シートまたは熱接着性パウダーによって接着されていることも好ましい。前記低融点のエチレン系共重合体としては、例えば、融点が50℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90℃以上であって、140℃以下、より好ましくは130℃以下のエチレン系共重合体が望ましい。融点が50℃未満では、鉄筋コンクリートなどに敷設された場合に、緑化用マット構造体の耐熱性が不足する場合があるからである。一方、融点が140℃を超えると、基本層と不織布層とを熱接着する温度が高くなり過ぎるので好ましくない。
前記熱接着性シートとしては、例えば、低融点のエチレン系共重合体をスパンボンド法により、ランダムに、網状、若しくは、くもの巣状に作製した熱接着性シートを使用することが好適である。前記熱接着性パウダーとしては、粒子径分布の90%以上が100μm〜400μmの範囲にあるものを使用することが好ましい。100μm未満の粒子径の割合が高くなりすぎると、熱接着性パウダーを基本層と不織布層との間に載置するのが困難になる。一方、400μmを超える大粒子径の粒子の割合が高い場合には、基本層を構成する連続線条体との接点が減少して、不織布層との剥離強度が低下する場合がある。
前記エチレン系共重合体からなる熱接着性シートの目付質量は、30g/m以上、より好ましくは50g/m以上である。目付質量が30g/m未満であると接着点が不足して、得られる緑化用マット構造体の耐久性が低下する。一方、前記エチレン系共重合体からなる熱接着性シートの目付質量の上限は、特に限定されないが、200g/m、より好ましくは150g/mである。目付質量が200g/mを超えると、被接着体の接着量は十分であるが、通気度がなくなるとともに風合いが硬くなり、また、接着量としては過剰品質となるのでコスト面から好ましくない。
本発明の緑化用マット構造体において、前記基本層と前記不織布層とを一体化する方法としては、前記基本層と前記不織布層との間に、低融点のエチレン系共重合体からなる熱接着性シートまたは熱接着性パウダーを載置し、得られた積層体を加熱することによって、前記基本層と前記不織布層とをエチレン系共重合体で容易に接着することができる。
本発明の緑化用マット構造体の不織布層には、蘇苔類を担持させておくことが好ましい。蘇苔類は、生命力が強く、乾燥状態が続いても枯死することがなく、降雨などにより再度水が与えられると再生するからである。前記蘇苔類としては、例えば、スナゴケ、ハイスナゴケ、ハイゴケ、シッポゴケ、カモジゴケ、トヤマシノブゴケ、ヒノキゴケなどを挙げることができる。
尚、蘇苔類を担持させた不織布層の上に、蘇苔類を保護するための不織布層をさらに設けることも好ましい態様である。斯かる不織布層としては、例えば、目付質量が10g/m以上であって、50g/m以下のものであって、厚さが約0.1mm〜約0.2mm程度のものが好ましい。
図1は、本発明の緑化用マット構造体を模式的に示す説明図である。ポリエステル繊維からなる不織布層1とポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を3次元ランダム状に交絡させてなる基本層3とが熱接着性シート(図示せず)によって接着されている。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)目付質量(g/m
50cm×50cmの大きさのサンプルを切り出して、そのときの質量を測定し、1m当たりの質量に換算した。
(2)厚さ(mm)
50cm×50cmの大きさのサンプルを切り出して、切り出したサンプルの中央に初荷重0.05g/cmをかけて、四隅の高さを測定してその平均値で示した。
(3)線径の測定(mmφ)
マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)によって、連続線条体を150倍に拡大して直径を計測した。測定は、基本層の10箇所(n=10)で行って平均値を求めた。
(4)見かけ密度(g/cc)
目付質量を測定したサンプルの目付質量と体積から算出した。
(5)剥離強度
50mm×200mmのサンプルを切り出し、サンプルの一端(50mm幅)から、不織布層を長さ方向に約50mm剥がしたものをサンプルとした。得られたサンプルをテンシロン引張試験機に取り付け、引張速度200mm/分でT型剥離試験を行い、このときの剥離強度を測定した。剥離強度は、各サンプルについて6回ずつ行った最大値の平均である。
(6)基本層の初期圧縮弾性率(N/cm/100%)
東洋ボールドイン社製50kgテンシロンを用い、圧縮面積78.5cm(100mmφ)で圧縮速度5mm/分で基本層を圧縮し、初荷重0.1N/cmとして基本層の変形率10%の距離(mm)の荷重を読み取り、試料圧縮面積で除して、変形率100%に換算して示した。
(7)4.0N/cm荷重後の回復率の測定(%)
東洋ボールドイン社製50kgテンシロンを用い、圧縮面積78.5cm(100mmφ)で圧縮速度5mm/分で基本層(初期厚さt)を圧縮し、初荷重0.1N/cmとして基本層に圧縮荷重4.0N/cmを加えて、直ちに除重速度5mm/分で除重し、荷重0N/cmの時の厚さtを測定し、下記式により回復率を求めた。
回復率(%)=(t/t)×100
(8)発芽性の評価
50cm×50cmの緑化用マット構造体の不織布層に均一にスナゴケを担持させ、その上にさらに目付40g/mの保護用の不織布を形成した。緑化用マット構造体のスナゴケを担持させた面に50gの水を散布して保水させて、余剰の水は地面に流れ落ちさせ、一週間放置した後、再度50gの水を与えた。その後、三日ごとに水を潤す程度に保水した。評価は、保水を始めてから6ヶ月経った後の発芽の状態を目視で観察した。
評価基準
○:スナゴケの再発芽があり、よく繁殖した。
△:スナゴケが茶褐色で繁殖がない。
×:スナゴケが枯死した。
(9)耐久性の評価
発芽性の評価を行った緑化用マット構造体の基本層と不織布層との接着状態を観察し、以下の評価基準により評価した。
評価基準
○:基本層と不織布層とがきちんと接着している。
△:基本層と不織布層とが接着しているが、不織布層が悪い。
×:基本層と不織布層との間に剥離が認められた。
[緑化用マット構造体の作製]
(1)基本層の作製
基本層A
メルトインデックス50、ビカット軟化点120℃のポリプロピレン樹脂(PP)を溶融混練押出機により連続線条体として押出し、線径0.7mmφの連続線条体を三次元ランダム状に交絡させて、その交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層A(目付質量534g/m、厚さ5.0mm)を作製した。
基本層B
メルトインデックス50、ビカット軟化点120℃のポリプロピレン樹脂(PP)を溶融混練押出機により連続線条体として押出し、線径1.0mmφの連続線条体を三次元ランダム状に交絡させて、その交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層B(目付質量733g/m、厚さ15.0mm)を作製した。
基本層C
ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールの重縮合から得られたビカット軟化点120℃、融点172℃のポリエーテルエステルブロック共重合体エラストマー(BP)を溶融混練押出機により連続線条体として押出し、線径0.3mmφの連続線条体を三次元ランダム状に交絡させて、その交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層C(目付質量200g/m、厚さ2.0mm)を作製した。
(2)不織布層
不織布層A
平均繊度16.7dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿30質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿40質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレートの黒原着繊維30質量%からなる繊維層をニードリング加工(針深度:8mm、打ち込み本数90本/cm)を施し、目付質量500g/m、厚さ5mmの不織布層Aを得た。
不織布層B
平均繊度11.1dtex、繊維長64mmの改質ポリエチレンテレフタレート繊維(吸湿性繊維東洋紡績(株)製K−45)70質量%と平均繊度4.4dtex、繊維長56mmの芯鞘複合繊維(鞘部融点110℃)10質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維20質量%からなる繊維層をニードリング加工(針深度:8mm、打ち込み本数90本/cm)を施し、目付質量510g/m、厚さ7.5mmの不織布層を得、引き続き140℃の熱処理をして不織布層Bを得た。
不織布層C
平均繊度16.7dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿30質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレート繊維の再生綿40質量%と平均繊度6.6dtex、繊維長64mmのポリエチレンテレフタレートのグリーン原着繊維30質量%からなる繊維層をニードリング加工(針深度:8mm、打ち込み本数90本/cm)を施し、目付質量943g/m、厚さ9mmの不織布層Cを得た。
(3)熱接着性シート
熱接着性シートA
融点90℃のエチレン酢酸ビニル共重合体を用いて、スパンボンド方式でランダムに交絡させて、エチレン酢酸ビニル共重合体の線条によって多数のランダムな形状が形成された熱接着性シートAを作製した。
熱接着性シートB
融点100℃の改質ポリエチレン樹脂を用いて、スパンボンド方式でランダムに交絡させて、改質ポリリエチレン樹脂の線条によって多数のランダムな形状が形成された熱接着性シートBを得た。
(4)緑化用マット構造体
実施例1
不織布層Aと基本層Aとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Aと基本層Aとを接着させて緑化用マット構造体1を得た。
実施例2
不織布層Bと基本層Aとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Bと基本層Aとを接着させて緑化用マット構造体2を得た。
実施例3
不織布層Cと基本層Aとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Cと基本層Aとを接着させて緑化用マット構造体3を得た。
比較例1
不織布層Aを緑化用マット構造体4として用いた。
比較例2
不織布層Bと基本層Cとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Bと基本層Cとを接着させて緑化用マット構造体5を得た。
比較例3
不織布層Bと基本層Bとの間に熱接着性シートAを積層し、得られた積層体を120℃に加熱して、不織布層Bと基本層Bとを接着させて緑化用マット構造体6を得た。
比較例4
不織布層Aと基本層Bとの間に熱接着性シートBを積層し、得られた積層体を130℃に加熱して、不織布層Aと基本層Bとを接着させて緑化用マット構造体7を得た。
得られた緑化用マット構造体について、剥離強度、発芽性および耐久性を評価した結果について表1に示した。
Figure 0004931410
実施例1〜3の緑化用マット構造体は、いずれも基本層と不織布層との剥離強度が高く、耐久性に優れていた。また、発芽性も良好であった。比較例1の緑化用マット構造体は、不織布層のみを使用したために、水はけ(通水性)が低下して、根腐れの状態であった。比較例2の緑化用マット構造体も、基本層の厚みが2mmと薄いために同様に根腐れの状態であった。また、比較例2の緑化用マット構造体の耐久性が低下しているのは、基本層の初期圧縮弾性率が低いために、敷設時の人の荷重や、不織布層が水を吸収したときの荷重によって基本層が変形しやすくなったためだと考えられる。比較例3および比較例4の緑化用マット構造体は、剥離強度が9.8N/5cm未満であり、耐久性に劣っていた。比較例3の緑化用マット構造体の剥離強度が低下しているのは、基本層を構成する連続線条体の線径が1.2mmと太いために、不織布層との接着点不足したためだと考えられる。
本発明は、屋上や地面などに敷設する緑化用マット構造体として好適であり、都心部のヒートアイランド現象の抑制に有用である。
本発明の緑化用マット構造体を例示する説明図。
符号の説明
1:不織布層、3:基本層

Claims (8)

  1. ポリオレフィン樹脂からなる連続線条体を三次元ランダム状に曲がりくねらせて、前記連続線条体の交絡部の少なくとも一部が融着してなる基本層と、前記基本層の片面または両面にポリエステル繊維からなる不織布層とを有し、前記基本層と前記不織布層とが、エチレン系共重合体によって接着され、前記基本層と不織布層との剥離強度が、9.8N/5cm以上であることを特徴とする緑化用マット構造体。
  2. 前記基本層と前記不織布層とが、低融点のエチレン系共重合体からなる熱接着性シートまたは熱接着性パウダーによって接着されているものである請求項1に記載の緑化用マット構造体。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン樹脂である請求項1または2に記載の緑化用マット構造体。
  4. 前記ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
  5. 前記連続線条体の線径は、0.3mm以上1.0mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
  6. 前記基本層の厚さは3mm以上で、目付質量が100g/mから1000g/mで、見かけ密度が0.3g/cc以下である請求項1〜5のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
  7. 前記不織布層は、目付質量が、200g/mから1000g/mである請求項1〜6のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
  8. 前記不織布層に蘇苔類が担持されている請求項1〜7のいずれかに記載の緑化用マット構造体。
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