JP5001726B2 - 天井裏敷設材および屋根構造 - Google Patents

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Description

本発明は、住居または建築物一般において、天井および屋根の施工時に用いられる、敷設材およびこれを用いた屋根構造に関する。
住居等の建築物の施工に際しては、十分な換気性および通気性が確保されるよう、種々の工法または材料が用いられている。例えば、特許文献1においては、繊維状の合成樹脂を絡ませて、耐圧強度の高い三次元配置で中空構造にしたコア部材を含んで構成される建築用シートが提案されている。この建築用シートは、屋根の野地板と瓦、化粧スレート板、金属板等との間に配置されて、通気層を形成し、排湿および換気の効果を得ている。
また、特許文献2は、屋根や壁等に遮熱・断熱通気性を確保する目的で、ポリプロピレン等のプラスチックプレートに多数の中空円錐体を成形加工した通気プレートを設け、通気プレートの中空円錐体群の底面開口側前面に遮熱カバーを設けた断熱通気材、および多数本の硬質プラスチック製モノフィラメントをランダムなループ状に堆積して平板状に形成されるプレートであって、その厚み部は複数列設される筒状空洞部と、その表裏を覆うループ圧潰層とから成る通気プレートを設け、通気プレートの少なくとも一面全体に遮熱カバーを被装してなる遮熱・断熱通気材を提案している。特許文献2に記載の遮熱・断熱通気材においては、中空円錐体間または筒状空洞部が通気スペースとなって、通気性を確保している。
特開2003−278285号公報 特開2006−169951号公報
しかしながら、特許文献1に記載の建築用シートは、耐圧強度を高くするために、繊維状にして絡み合わせて成る1枚のシートを三次元配置にすることが必要とされ、三次元配置の好ましい例として、V字状の起伏が示されている。そのようなV字状の起伏を有するコア部材は、縦方向(V字の頂点が延びる方向)では曲げにくいが、横方向では比較的簡単に屈曲する。よって、例えばカーブを有する施工面に合わせて、この建築用シートを施工する際には、シートの曲げ方向が制約される(即ち、縦方向には曲げられない)、即ち、施工する方向が制約される。また、コア部材の横方向の曲げ応力が弱いため、横方向に負荷が掛かったときにコア材の中空構造を形成する頂点部分にストレスがかかり易くなり、比較的折れやすい。
特許文献2に記載のシートは、プラスチックプレートを円錐体に成型しているため、厚み方向における通気性が全くない。さらに、円錐状の突起自体が弾力性を有しないため、スレート瓦等を葺く作業中に、スレート瓦に乗った職人の体重がこのシートに加わると、応力を逃がすところがなく、スレート瓦が割れるか、シートそれ自体が破壊される。特許文献2に記載の筒状空洞部を有するシートも同様に、厚さ方向の通気性がなく、弾力性もない又はあるとしても低い。
さらに、特許文献2に記載の筒状空洞部を有するシートにおいては、硬質プラスチック製モノフィラメントをループ状にして堆積しているので、通気性は確保される。しかし、フィラメントが螺旋状に周回して形成されている筒状空洞部が、シートの面方向に対して水平方向に配置されているため、厚み方向からの応力に弱く、シート自体が破壊されるおそれがある。
本発明は、従来のシート状物が有する問題に鑑みてなされたものであり、施工された後は、良好な通気性を確保し、それ自体施工しやすく、また、その上に他の部材を施工するときに破損しにくい、天井裏に敷設されるシート状物を提供することを目的とする。
本発明は、太さが0.1〜10mmの複数の連続フィラメントで構成され、連続フィラメントの交差点のうち少なくとも一部の交差点において、フィラメント同士が互いに接着している網状体であって、
不規則に蛇行した連続フィラメントから成る、複数の突起を有し、
突起は、底面積が9〜400mm である錘状形を有し、
突起の高さがmm以上である
網状体を含む、天井裏敷設材(以下、単に「敷設材」と呼ぶことがある)を提供する。
本発明の天井裏敷設材は、特定の太さの連続フィラメントから成る網状体を有し、この網状体が、連続フィラメントが不規則に蛇行して成る突起であって、高さmm以上の突起を有することを特徴とする。この網状体は、全体が網目を有していて、いずれの方向にも通気性を有する。また、網状体中の突起は、クッションのように作用して、適度な弾力性を与える。よって、この天井裏敷設材は、施工中に力が加えられても、破損しにくく、施工された後は、天井裏にて良好な通気性を確保する。
本発明は、天井裏に敷設されるシートである。ここで、「天井裏」とは、天井と屋根との間の空間、および天井とその上の階の床との間の空間を指す意味で使用される。天井と屋根とが一体的に形成されている場合には、外側に形成される層(例えば、瓦または屋根材)と、内側(建物の中から見える側)に形成される層との間の場所を指すものとする。
本発明の天井裏敷設材は、シートをさらに含み、網状体がシートの一方の面に、網状体を構成する連続フィラメントの一部が熱接着することにより、接合しているものであることが好ましい。そのような天井裏敷設材は、取扱いやすく、また、シートの機能によって、種々の機能を発揮し得る。
本発明の天井裏敷設材においては、突起が互いに独立していてよい。「突起が互いに独立している」とは、突起が他の突起と連なっておらず、上からみたときに、1つの突起が点または閉じた輪郭を形成していることをいう。そのような天井裏敷設材は、その上に加わった力を均一に分散させやすく、破損しにくい
あるいは、本発明の天井裏敷設材においては、網状体が、突起として、第一の畝および第二の畝を有し、第一の畝は、一方向において断続的に延び、畝の延びる方向と直交する方向において、互いに平行であり、第二の畝は、第一の畝から分岐していることが好ましい。そのような突起によれば、畝と畝との間を流れる空気の大きな流れが分岐するので、網状体全体にゆきわたりやすく、良好な断熱効果が得られる。
本発明はまた、野地板と瓦との間に、本発明の天井敷設材が配置されている、屋根構造を提供する。この屋根構造においては、野地板と瓦との間に、通気層となる本発明の天井敷設材が配置されるため、瓦の下の通気性が良くなり、それにより住宅の耐久性が向上するとともに、室内の環境が良好となる。なお、本明細書において、「瓦」には、いわゆる屋根材(金属製のものを含む)として提供されるものも含まれる。
本発明の天井裏敷設材は、天井裏に敷設されると、網状体の部分が通気性を有する部分となる。この網状体は、三次元構造であって、全体に網目を有しており、いずれの方向にも通気可能である。よって、本発明の天井裏敷設材を用いれば、天井裏において、良好な通気性が確保される。また、網状体に形成される突起は、厚さ方向の力が加えられても、クッションのごとく作用して、それ自体またはそれに隣接する部材を破壊しにくい。したがって、本発明の天井裏敷設材は、例えば、一般住宅において、瓦の下に通気層を形成するために好適に用いられる。その場合、本発明の敷設材は、野地板または野地板の上に敷かれた他の部材(例えば、防水性シート)の上に敷くだけでよい。また、瓦を葺くときに、瓦を葺いた後に瓦の上から踏みつけられても、本発明の敷設材または瓦は破損せず、本発明の敷設材は施工性においても優れている。あるいは、本発明の敷設材は、天井とその上の階の床との間に配置してよく、その場合にも、本発明の敷設材による通気性によって、天井側および床側の室内環境が良好となる。
本発明の天井裏敷設材は、太さが0.1〜10mmの複数の連続フィラメントで構成され、連続フィラメントの交差点のうち少なくとも一部の交差点において、フィラメント同士が互いに接着している網状体であって、不規則に蛇行した連続フィラメントから成る、複数の突起を有し、突起の高さが5mm以上である網状体を含む。この網状体において、フィラメントは、三次元配置されている(すなわちフィラメントの向きが縦横高さ方向を有する)。即ち、網状体は、三次元構造を有する。後述するように、網状体は、樹脂を溶融紡糸し、ノズルから吐出させたフィラメントを、突設部を有する、移動中の搬送体の上に、集積することによって得られる。あるいは、網状体は、ノズルから吐出されたフィラメントを、平板上に集積させる、または水中に投下して集積させたシートを、後工程において外力を加えることによって、突起を有する形状に加工する方法で得られる。
連続フィラメントの太さ(直径)は、0.1〜10mmである。網状体のフィラメントの太さはノギスを用いて測定される。フィラメントの太さは、好ましくは0.2mm〜5mmであり、最も好ましくは0.3mm〜3mmである。太さが0.1mmを下回ると、フィラメントのコシがなくなり、網状体が弾力性を有しないものとなり、また、網状体が三次元構造を維持することが難しくなることがある。太さが10mmを超えると、網状体の三次元構造の内部において空隙が減少し、通気圧損が高くなることがあり、あるいは十分な弾力性を得られないことがある。
連続フィラメントの交差点のうち、少なくとも一部の交差点において、連続フィラメント同士は互いに接着している。これは、連続フィラメントが溶融紡糸されて、搬送体の上に載置されて、フィラメント同士が重なり合ったときに、溶融または軟化状態にあるフィラメント同士が接着することによる。連続フィラメント間の接着は、網状体の強度を向上させる。
連続フィラメントは、溶融紡糸可能な樹脂から構成されていれば、その材料は特に限定されず、オレフィン樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66)、およびエンジニアプラスチック系樹脂(例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール)のいずれであってもよい。
本発明において、連続フィラメントは、オレフィン樹脂から成ることが好ましい。オレフィン樹脂は、耐候性および耐薬品性に優れ、また、比較的低い融点を有するため、後述するように、シートと一体化させるときの加工が容易であることによる。また、オレフィン樹脂は、少なくともポリプロピレン樹脂を含むことが好ましく、樹脂中に90質量%以上のポリプロピレン樹脂を含むことがより好ましい。ポリプロピレン樹脂を含有することにより、フィラメントが脆くなりすぎることが防止され、応力が作用したときでも折れにくく、また、フィラメントが柔らくなりすぎることも防止され、網状体中の空隙が潰れにくい。即ち、ポリプロピレン樹脂を使用することにより、適度な弾力性を有するフィラメントが得られる。なお、ここでいうポリプロピレン樹脂には、ポリプロピレンのほか、プロピレン成分を50質量%以上含むプロピレン共重合体も含まれる。
天井裏敷設材のように、高所に敷設される部材は、一般的に、軽量であること、および吸水性を有しないことが求められる。ポリプロピレン樹脂はそれらの点でも好ましい。即ち、ポリプロピレン樹脂の比重は、0.91であり、熱可塑性樹脂の中では小さい。また、ポリプロピレン樹脂は、非吸水性である。
連続フィラメントは、カーボンブラックを添加することにより、黒色とすることが好ましい。カーボンブラックを樹脂に添加することにより、フィラメントの耐候性が向上する。また、カーボンブラックは安価であるから、耐候性を向上させる添加剤として好ましく用いられる。カーボンブラックの添加量は生産性を損なわない限り、特に限定されない。例えば、カーボンは、好ましくはオレフィン樹脂全体の0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜2質量%を占めるように添加される。カーボンブラックの添加量が0.1質量%未満であると耐候性を十分に向上させることができず、5質量%を超えると、生産性が悪くなるおそれがある。
網状体は、不規則に蛇行した連続フィラメントから成る突起を有する。「不規則に蛇行した連続フィラメントから成る」とは、個々の連続フィラメントを見たときに、各フィラメントが一定の方向で、規則的に湾曲して突起を形成しているのではなく、連続フィラメントが、種々の方向に延びていて、様々な向きで、また、様々な角度で湾曲しているフィラメントが集まって突起を形成している状態を指す。そのような突起を有する網状体の一例を図1に示す。
図1は、略同じ寸法の、四角錘状形の突起2が規則正しく配置されている網状体1を示す。突起は、図示したように、互いに独立していることが好ましく、また、略同じ寸法を有し、規則的に配置されていることがより好ましい。そのような突起を有する網状体の上に、例えば、スレート瓦を置いたときに、応力が分散しやすい傾向にあるからである。
略同じ寸法の突起は、錘状形であることが好ましい。突起が錘であると、突起の高さ方向のフィラメント密度が、高い位置(即ち突起の先端に近づくにつれて)にて低くならないので、突起の先端の強度が確保される。ここで、錘とは、円錐、三角錐、四角錐、多角錘等、底面から高さ方向に進むにつれて、面積が減少し、先細になる形状のものをいう。星形および月形等、底面が不定形であって、先細になる形状のものも、ここでいう錘に含まれる。また、台錘も、ここでいう錘に含まれる。本発明において、突起は、円錐、円錐台、四角錐、または四角錐台の形状を有していることがさらに好ましく、円錐または四角錐であることが最も好ましい。
錘の底面積は9〜400mmであることが好ましい。より好ましくは25〜255mmである。底面積が9mm未満であると、突起の先端が鋭角になる傾向があり、突起が折れやすくなる。また、400mmを超えると、突起の先端が鈍角になる傾向があり、突起を設けることによる応力分散などの効果が発揮されにくいことがある。
錘状形の突起は、整列していることが好ましい。突起の配列にムラがあると、突起が少ない部分に応力が集中するおそれがある。また、突起は、錘状形の頂点と頂点との間の距離が0.3〜5cmとなるように、間隔をあけて配置することが好ましい。錘状形の頂点間の距離は、ある頂点と、それに隣り合う複数の頂点のうち、最も近くに位置する頂点との間の距離とする。突起の間隔が0.3cm未満であると、錐の斜面が底部にたどり着く前に、次の突起に移ってしまい、突起の高さが低くなる傾向にある。物が網状体の上に載せられたときに、錘状形の頂点と頂点との間は、その物とともに空隙を形成する。したがって、頂点間の距離が5cmを超えると、物が網状体によって支えられていない面積が広くなり、力を厚さ方向に加えたときに、その物の構造破壊が起きるおそれがある。
あるいは、突起は、畝状であり、且つ畝が分岐しながら、断続的に形成されたものであることが好ましい。分岐を有する畝から成る突起を有する網状体は、そこを通過する空気の大まかな流れを分岐あるいは遮断させて、空気がシートの面方向に均一に流れることを許容し、均一な断熱効果または保温性を発揮し得る。
そのような畝は、具体的には、第一の畝および第二の畝により形成されており、第一の畝は、一方向において断続的に延び、畝の延びる方向と直交する方向において、互いに平行であり、第二の畝は、第一の畝から分岐していることが好ましい。そのような突起を模式的に平面図にて図2に示す。図2に示すように、第一の畝11は、断続的に(即ち、破線状)に延びている。また、第一の畝11は、互いに平行に延びている。第二の畝12は、第1の畝から分岐しており、2つの第一の畝11の間で延びている。畝はいずれも、その側面がスロープとなっており、厚さ方向の断面を線X−Xに沿って見たときに、図3に示すような形状を有する。
第一の畝の数は、網状体の縦10cm×横10cmあたり2〜30個であることが好ましく、5〜20個であることがより好ましい。第一の畝の数が、1個であると、網状体の剛性が小さくなり、31個以上であると、網状体の剛性が高くなりすぎて、突起が応力を吸収できないことがある。
第二の畝が存在しないと、第一の畝が曲がりやすくなり、曲げ応力が作用すると、網状体が第一の畝に沿って曲がって、応力を吸収してしまうため、網状体全体の剛性が小さくなるおそれがある。第二の畝は、一方の第一の畝から、他方の第一の畝にまで至っていなくてよい。その場合、T字が形成される。あるいは、第二の畝は、1つの第一の畝から二方向に分岐して十字を形成してよい。あるいはまた、第二の畝は、第一の畝の一点から二以上の方向に延びて、隣の第一の畝に到達してよい。
第二の畝の数は、網状体の縦10cm×横10cmあたり2〜25個が好ましく、5〜15個であることがより好ましい。2個未満であると、網状体の剛性が小さくなり、26個以上であると、網状体の剛性が高くなりすぎて、突起が応力を吸収できないことがある。
平行に延びる第一の畝11と畝11との間の距離Dは0.3〜5cmであることが好ましく、1〜3cmであることがより好ましい。第一の畝11と畝11との間の距離が0.3cm未満であると、畝の裾野が底部にたどり着く前に次の畝に移行するため、突起の高さが低くなる傾向にある。物が網状体の上に載せられたときに、畝と畝との間は、その物とともに空隙を形成する。したがって、第一の畝と畝との間の距離が5cmを超えると、物が網状体によって支えられていない面積が広くなり、力を厚さ方向に加えたときに、その物の構造破壊が起きるおそれがある。
第一の畝は、一方向において、好ましくは1.5〜20cmおきに、より好ましくは5〜15cmおきに、不連続となっている。また、図2において、Lで示される距離は、0.5〜5cmであることが好ましく、1〜4cmであることがより好ましい。Lが 0.5cm未満であると、畝は実質的に不連続でなくなり、一つの畝が長くなりすぎて、上述したように、第二の畝がないときのような、問題が生じ得る。Lが5cmを超えると、上述したように、第一の畝11と畝11との間の間隔が大きいときのような問題が生じ得る。
いずれの形状の突起も、その高さは5mm以上である。突起の高さは、網状体全体の厚み(以下、これを、「網状体の厚み」という)と網状体底部の厚みとの差を求めることにより、求められる。網状体の厚みは、JIS−L1906に準じて測定する(但し、荷重は294N/mとし、加圧子の直径は50.5mmとする)。網状体底部の厚みは、加圧子の直径を5mmとし、荷重を20KN/mとすること以外は、網状体全体の厚みと同様の測定法で測定される。このようにして求めた網状体の厚みと網状体底部の厚みの差を求めることによって、突起の高さを求める。なお、網状体底部の厚みを測定する際に、加圧子が底部に入らない場合には、底部に入る加圧子の中で、最大の加圧子を使用する。
突起の高さは、好ましくは8mm以上であり、より好ましくは10mm以上である。突起を、高くしすぎても突起を形成することにより得られる効果は変わらないため、突起の高さの上限は、好ましくは30mm、より好ましくは25mmである。
網状体の厚みは5mmを超えることが好ましく、35mm未満であることが好ましい。網状体の厚みは、より好ましくは8〜20mmである。網状体の厚みが5mm以下であると、フィラメントの構成本数が少なくなり、剛性が小さくなり、また、応力を受けた場合の弾力性に乏しくなるおそれがある、ならびに/または突起の高さを5mm以上とすることが不可能または困難となる。網状体の厚みが35mmを超えると、例えば、屋根の下に敷く場合に、屋根に対して厚くなり過ぎて、使用に適さないおそれがある。
さらに、本発明の天井裏敷設材を、瓦と野地板との間に位置させて、屋根下(天井裏)の通気性を確保しようとする場合、網状体の厚みが5mmを下回ると、換気容量が不足し、通気抵抗が増大するため、自然換気がほとんど行われないおそれがある。また、網状体の厚みが35mmを上回ると、換気容量は増大するが、通気抵抗はほぼ平衡に達するため、これよりも大きい厚みとすることには意味がなく、経済的にも不利である。
次に、網状体のその他の好ましい物性を説明する。
網状体の目付(単位面積質量)はJIS−L1908に準じて測定される。網状体の目付は100〜1000g/mであることが好ましい。網状体の目付が100g/mを下回るとフィラメントの構成本数が減り、網状体の弾力性が不十分となることがあり、1000g/mを上回ると、密度が高くなり、網状体の三次元構造の内部において空隙が減少し、通気圧損が高くなることがあり、また、剛性は高くなるが、弾力性が低くなることがある。
網状体の10mm圧縮応力は、300N〜800Nであることが好ましい。網状体の10mm圧縮応力が300Nを下回ると、人が乗ったときや、強い応力が作用したときに、網状体がつぶれてしまい、十分な空隙を保てなくなることがある。網状体の10mm圧縮応力が800Nをこえると、網状体の弾力性に起因するクッション効果が得られにくく、外側から力を加えたときに、反作用によって、力を加えた側(例えば、網状体の上に載せた物)が破壊されるおそれがある。より具体的には、本発明の天井裏敷設材を、野地板とスレート瓦との間に位置するように使用した場合、瓦葺き作業は、本発明の天井裏敷設材の上に、スレート瓦を置いて実施されることとなる。その際、網状体の圧縮強度が300Nを下回っていると、作業員がスレート瓦の上に乗ったときに、網状体が潰れてしまうおそれがある。800Nを超えると、作業員がスレート瓦の上で作業したときに、瓦が割れてしまうおそれがある。
なお、網状体の10mm圧縮応力は以下のようにして測定される。
平坦な面上に縦10cm×横10cmの正方形にカットした網状体を置き、定速型力学試験機(例えば、オリエンテック社製UCT−1T)を用い、試料が圧縮される方向(厚さ方向)に、ヘッドスピードを1分間に1mmとして、試料を圧縮する。その際、試料を圧縮する治具は、縦20cm×横20cmの正方形の面を有するものとし、試料である網状体が完全に覆われるようにする。そして、初荷重点から10mm圧縮した時に加わっているときの荷重を、10mm圧縮応力として測定する。
網状体の引張強力はJIS−L1908に準じて測定される。
網状体の引張り強力は30N/5cm以上である事が好ましい。網状体の引張強力が30N/5cmを下回ると、例えば、本発明の天井裏敷設材を、屋根の傾きに沿って、重力に対して斜め方向となるように敷設すると、上方では自重のために、大きな荷重が加わる。その結果、網状体自身が切断されてしまい、シート自体の構造を保てなくなるおそれがある。
また、網状体の縦引張強力を横引張強力で除した値は、0.5〜2であることが好ましい。網状体の縦引張強力を横引張強力で除した値が0.5〜2の範囲外であると、特定方向における引張強力が小さくなる傾向があり、施工方向(または敷設方向)が限定されるおそれがある。
網状体は、その物理的な特性に加えて、他の特性を有する、機能性の網状体としてもよい。具体的には、連続フィラメントを構成する樹脂に、1または複数の機能を発揮する剤を添加することにより、種々の機能を網状体に付与することができる。例えば、より具体的には、連続フィラメントを構成する樹脂が、未だ紡糸されていない間に、樹脂に、何らかの機能を発揮する機能材を混合する方法、またはフィラメントを構成するためのマスターバッチに機能性粒子を混合させ、ベースポリマー(原料樹脂)とともに溶融紡糸する方法で、網状体に機能を付加することができる。あるいは、網状体を製造した後に、所望の機能を有する剤(液体または粉体)を、撒布、浸漬、または付着させる等の後処理によって、機能を網状体に付与してよい。
樹脂の段階で、機能を付与する場合、例えば、ヒンダードアミン系難燃剤(以下HALSという)またはリン系難燃剤を添加することによって、難燃性を付与することができ、カーボンを添加することによって、導電性を付与することができ、炭酸カルシウム等の無機粒子を添加することによって、耐熱耐保温性を付与することができ、活性炭等の吸着剤を添加することによって、消臭性および有害物質を吸着する性質を付与することができ、ピレスロイドなど防虫・忌避剤等を添加することによって、昆虫および小動物(例えば、鼠)を近づけないようにすることができる。あるいはまた、その他の成分を樹脂段階で練り込む、または後処理によって付与することにより、耐候性、撥水性、蓄熱性、防音性および防かび性等を、網状体に付与することができる。
本発明の天井裏敷設材は、さらにシートを含み、網状体がシートの一方の面に、網状体を構成する連続フィラメントの一部が熱接着することにより、接合している形態で提供されてよい。そのような天井裏敷設材は、扱いやすく、また、シートの機能を利用することにより、種々の機能を発揮し得る。
シートとは、不織布、織布、フィルム、板、ボード等、網状体全体にわたって、網状体との接点を有し得るような広い面を備えているものをいう。シートは、その表面に多少の凹凸を有していても、実用上または製造工程上、特に支障がなければ、そのまま使用してよい。
シートの形態および材料は、特に限定されない。例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式抄紙不織布、水流交絡不織布、ニードルパンチ不織布、およびレジンボンド不織布のような不織布;平織り、綾織り、およびサテン織などの織布;フィルム;スレート板;ベニヤ板;石膏ボード等を、シートとして使用することができる。特に、不織布が好ましく使用され、シートの強度および価格を考慮すると、スパンボンド不織布または水流交絡不織布が特に好ましい。
不織布をシートとして使用する場合、不織布を構成する繊維は特に限定されない。例えば、不織布を構成する繊維は、合成繊維、天然繊維、および再生繊維のいずれであってもよい。合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートなどポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレン、およびエチレンビニルアルコール等のオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、およびナイロン12等のアミド系樹脂から選択される、1または複数の樹脂から成っていてよい。再生繊維は、例えばレーヨンである。天然繊維は、コットン、麻、羊毛、ガラス繊維、金属繊維およびパルプ等である。これらの繊維は、単独でまたは複数が組み合わされて、不織布を構成してよい。不織布を構成する繊維は、複数の樹脂から成る複合繊維または分割型複合繊維(分割により形成される極細繊維を含む)であってもよい。
複数の種類の繊維を使用して不織布を構成する場合には、混合して使用してよく、あるいは層構造をなすように積層してよく、あるいは混合することと積層することを組み合わせてもよい。用途に応じて、シートの形態は適宜選択される。
網状体の連続フィラメントを、熱可塑性の樹脂で構成する場合には、連続フィラメントの一部を溶融させることにより、網状体をシートに接合させることができる。そのように接合すると、網状体とシートとの間で強固な接合が得られる。また、連続フィラメントを溶融させて接合する場合には、有機溶剤成分を含む接着剤を使用しなくてよいため、有機溶剤の使用に起因する問題(例えば、シックハウス症候群)を回避できる。
本発明の天井裏敷設材において、シートが繊維から成る場合(例えば、不織布、織布)には、シートに熱接着した連続フィラメントが、シートの繊維と繊維との間に入り込んでいることが好ましい。そのような形態においては、連続フィラメントの一部が溶融してシート内に入り、アンカー効果を発揮している。アンカー効果により、網状体とシートとの間の接合はより強固なものとなる。そのような接合を実現するためにも、シートは、不織布であることが好ましい。
網状体とシートとを接合させるときには、網状体の少なくとも一部を加熱して溶融した状態とし、シートを網状体に押し付け(または網状体をシートに押し付け)、圧力を加える作業が実施される。このとき、温度および押圧等を管理することにより、網状体のフィラメントが、シートの繊維間に入り込む度合いを調節し得る。即ち、このように両者を一体化すれば、シートと網状体の接着強力を自由に調節することができる。
網状体をシートに強く接着させれば、接着部分が支点となり、全体的に網状体が潰れにくくなり、天井裏敷設材の剛性が高くなる傾向にある。反対に、網状体をシートに弱く接着させると、強い応力が掛かったときに、接着部分が容易に分離して網状体が潰れることにより、応力を緩和することができると考えられる。また、施工時に、複数の天井裏敷設材を並列に並べて、敷設するときに、網状体と網状体との間に隙間が生じないよう、シートから網状体を剥離して、シートの上にシートを重ね合わせる必要が生じることがある。その場合に、シートと網状体との接着強力が、剥離容易な程度に調整されていると、施工現場での利便性がよい。このように、圧着により両者を一体化し、接着強度を適宜調節することによっても、シートの特性または取扱い性を変えることができる。
シートが繊維から成る場合(特に、不織布である場合)には、その目付はJIS−L1906に準じて測定される。
シートの目付は15〜1000g/mであることが好ましく、20〜100g/mであることがより好ましい。シートの目付が15g/m未満であると、シートの強力が小さくなり、破損が生じやすくなる。また、シートの目付が1000g/mを超えるようであると、天井裏敷設材が重くなり、軽量化の要求に反する。
シートが繊維から成る場合(特に、不織布である場合)には、シートの厚みはJIS−L1906に準じて測定される。但し、荷重は2.94cN/cmである。
シートの厚みは、0.01〜50mmであることが好ましく、0.1〜3mmであることがより好ましい。シートの厚みが0.01mm未満であると、シートの強力が小さく、破損が生じやすくなる。シートの厚みが50mmを超えると、網状体とシートとを、貼り合わせる工程において作業性が悪くなる。具体的には、例えば、シートを反転させる、または巻き取る過程において、シートの表面または裏面に巻皺が生じる可能性がある。
以上においては、網状体のフィラメントの一部の熱接着により、シートと網状体とを接合した形態を説明した。本発明の天井裏敷設材は、そのような形態に限定されず、場合により、網状体をシートに接着剤で取り付けて、一体化させてよい。あるいは、網状体とシートを機械的な接合方法(例えば、釘、ステープル、押しピン等)によって一体化してよい。あるいはまた、シートと網状体を別々に容易し、施工現場にて先にシートを敷設し、その上に網状体を敷いてから、両者を接着剤または溶融樹脂で接合してよい。
あるいは、本発明の天井裏敷設部材は、2枚のシートで、網状体を挟んだ形態で提供してよい。その場合にも、フィラメントの一部の熱接着により、網状体をシートに接合させることが好ましい。
シートはまた、それ自体が機能を発揮するものであってよい。例えば、シートを通気性を有するものとすることによって、360度全方向において通気性が確保されることとなる。あるいは、シートとして、フィルター、断熱性シート、防音シート、遮水シート、防湿シート、および電磁波シールド用シート等、機能性シートを単独で、または重ね合わせて、或いは網状体の両面に貼り合わせることによって、本発明の天井裏敷設部材は、通気性を確保する以外にも、種々の機能を発揮し得る。
次に、本発明の天井敷設材の製造方法を説明する。最初に、網状体の製造方法を説明する。
網状体は、前述したように、溶融した樹脂を紡糸ノズルから吐出させる溶融紡糸法により得たフィラメントを、移動している搬送体の上に集積することにより製造される。紡糸工程は、公知の紡糸システムを用いて実施する。紡糸するときに使用する樹脂は、JIS−K6758で測定されるメルトフローレート(MFR)が2〜20g/10分である樹脂であることが好ましい。
MFRが2未満であると、樹脂が硬いため、ノズルから吐出し難く、紡糸温度を上げる必要があるが、それにより樹脂が熱分解しやすくなる。他方、紡糸時にノズルから吐出される樹脂は普通旋回しつつ吐出されることを考慮すると、MFRは20g/10分以下であることが好ましい。MFRがこれよりも高いと、フィラメントがノズルから吐出するときのスピードが高くなり、搬送体に至るまでの時間が短くなる。その結果、隣り合うノズルホールから吐出されるフィラメントとの重なりが減少し、交差点の数が減る。そのような場合、網状体において不定形の網目が少なくなり、天井裏敷設材に適した網状体が構成されないことがある。
紡糸は次の手順で実施される。最初に、樹脂を融点より50〜120℃度高い温度にて溶融し、押し出し機によって押し出す。その際、2種以上の異なる樹脂を混合してもよく、あるいは2台以上の押し出し機を使用して、複合形態または分割型複合形態のモノフィラメントが得られるようにしてよい。また、この押し出し工程において、網状体に所定の機能を付与するために、添加剤等を混合したマスターバッチを適宜添加してよい。押し出し機より吐出される樹脂は、ノズルを通過して、フィラメントの形状となって紡出される。使用するノズルは、例えば、ノズル径0.2〜3mm、ノズルピッチ0.5〜20mmのものであってよい。ノズルの形状は、単一型、芯鞘複合型、サイドバイサイド複合型、海島型、くさび形分割型、スリット形分割型、および異形型など、用途に合わせて適宜選択してよい。
次に、ノズルから吐出されたフィラメントは、走行する搬送体の上に載置されて、集積される。このとき、溶融状態にあるフィラメントは、2以上のフィラメントの交差点の少なくとも一部において熱接着される。搬送体は、網状体に形成しようとする突起の形状に応じて、突設部を有している。したがって、本発明の網状体の製造に使用される搬送体は、金型ともよべる。また、網状体を形成するに当たり、樹脂の吐出スピードをcとし、搬送体の移動速度をdとした場合、c/dの値が1.1〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。c/dが1.1未満であると、紡出された樹脂が旋回せず、隣のノズルから吐出されるフィラメントと交差点を形成せず、所望の網状体を得られないことがある。10を超えると、フィラメントの交差点が多くなりすぎて、網状体に形成される空隙が少なくなることがある。
前述したように、網状体に高さ方向(厚み方向)の起伏(即ち、突起)を形成するために、搬送体は突設部を有する。搬送体上の突設部の形状は、形状にもよるが、網状体に形成すべき突起と略同じ形状を有する。即ち、図1に示すような網状体を得るには、四角錐状形の突設部が規則的に設けられる。また、図2に示すような突起を有する網状体を得るには、図2に示すようなパターンで並べられた畝状の突設部が設けられ、またはそのようなパターンを有するように、薄板が突設部として、垂直に(即ち、薄板の主表面が網状体の厚さ方向と平行となるように)配置される。
いずれの形状の突設部を搬送体に設ける場合にも、突設部の高さは2〜40mmであることが好ましい。突設部の高さが2mm未満であると、実質的に起伏がなく、十分な弾力性を有する網状体を得るには不利である。突設部の高さが40mmを超えると、得られる網状体の突起の高さが高くなり、天井裏敷設材として使用したときに、応力集中に起因して、フィラメントの破損が生じやすくなる。また、突設部同士の間の距離は、突設部の形状および寸法、ならびに形成しようとする突起の突起同士の間隔に応じて決定される。例えば、突設部同士の間の距離(以下、この距離を「ピッチ」ともいう)は0.3〜5cmが好ましい。ピッチが0.3cm未満であると、実質的に突設部(即ち、起伏)がないこととなり、得られる網状体が十分な弾力性を示さないことがある。ピッチが5cmを超えると、網状体としたときに、突起の頂上部に応力が集中して、フィラメントが破損するおそれがある。なお、ピッチは、図1に示すような突起を形成する場合には、錘状体突設部の頂点間の距離、図2に示すような突起を形成する場合には、第一の畝状突設部(主たる突設部)間の距離に相当する。
本発明の天井裏敷設材がシートを含む場合には、搬送体の上に集積されたフィラメント状樹脂が溶融または軟化している間に、シートを積層して、フィラメントにより、シートと網状体を接着させることが好ましい。接着は、マングルロール等で荷重を加え、また荷重の量を調整することにより、所望の接着強度が得られるように実施する。荷重が大きいと、例えばシートが不織布のような繊維シートであるときに、フィラメントの一部がシート内部に入り込み、両者を強固に接着できる。荷重は、線圧9.8N/cm〜1.96KN/cmとして加えることが好ましい。線圧が9.8N/cm未満であると、接着力が弱く、シートが剥離しやすくなり、1.96KN/cmを超えると、網状体が破壊されるおそれがある。
なお、網状体とシートを接合する方法は上記に限られない。例えば、熱カレンダー加工機を用いてもよい。あるいは、網状体を生産した後、別途、後工程で再加熱を施して荷重を加えながら、接着工程を実施してよい。
次に、溶融紡糸により得られた網状体、またはこの網状体がシートと貼り合わされた形態のシート状物は、冷却工程を経て、所定の長さに巻き取られ、あるいは、裁断されて積み重ねられる。冷却方法としては、自然冷却、金型を水冷等で急冷することにより、間接的に樹脂を冷却する方法、樹脂を直接、空冷式または水冷式で冷却する方法がある。冷却方法は、自然冷却>間接冷却>直接冷却の順に好ましい。急激に樹脂を冷却すると、樹脂中の結晶が小さくなり、脆くなるからである。逆に、ゆっくりと冷却することにより樹脂中の結晶が成長し、粘りのあるフィラメントとなり、網状体の剛性および弾力性がより向上する。
以上において説明した本発明の天井裏敷設材は、一戸建て住宅、マンション、アパート、ビルディング、倉庫、工場、体育館、事務所、ホール、ホテル、および地下街等、おおよそ人間が立ち入ることのできる、天井を備えた建築物において使用される。特に、本発明の天井裏敷設材は、瓦または瓦に相当する覆いを有する建築物(特に一戸建て住宅)の瓦と野地板との間に好ましく配置される。
本発明の天井裏敷設部材は、野地板、または野地板の上に他の部材が位置する場合にはその部材(例えば、遮水シート)の上に敷かれ、その上に瓦を葺くことにより、天井裏(または屋根裏)の通気性が確保された、屋根構造を与える。本発明の天井裏敷設材がシートを含み、当該シートが遮水性を有する場合には、本発明の天井裏敷設材は遮水シートとしても機能することとなり、実質的に工程数を増やすことなく、屋根葺き作業を完了させることを可能にする。
以下、本発明を、実施例により、さらに詳しく説明する。
まず、本発明で実施した性能評価の試験方法を説明する。
[破壊試験]
平らなセメントの床上に、1m×1mにカットした天井裏敷設材を、網状体の片面にシートが接合されているタイプのものは、シートが下側になるように(即ち、セメント床と接するように)配置し、その上に平形屋根スレート材(クボタ松下電工(株)製、商品名:コロニアルNEO 型番KLCC362)を置いた。それから、一般作業安全靴(ミドリ安全(株)製、商品名:エコスペック 型番ES210 28cm)を履いた体重100kgの人間が、スレート材の中心部分に、高さ50cmの所から飛び降りた。これを1つの試料につき、同じ箇所で5回繰り返し、スレート材の破損状況および天井裏敷設材の破損状況を確認した。
評価基準は次のとおりである。
○:スレートは割れず、天井裏敷設材も破壊されていない。
△:スレートおよび天井裏敷設材のいずれかが破壊された。
×:スレートおよび天井裏敷設材ともに破壊された。
網状体の目付、厚み、突起の高さ、フィラメント径、圧縮強度、および引張強力は、先に説明した方法で測定した。シートの目付および厚みは、先に説明した方法で測定し、引張り強力は、JIS L 1096 6.12.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で測定した。
[実施例1]
ポリプロピレン樹脂(MFR12.5)99質量%と、カーボンブラックPPマスターバッチ1質量%とを混合したものを用意した。この混合樹脂を、紡糸温度260度、ノズル径1.0mm、ノズルピッチ5mmで押し出し、直径1.0mmの太さの樹脂を得た。フィラメントは、移動速度4.5m/分で進行している、搬送体上に集積させ、それにより搬送体に設けられている突設部と同形状の突起を有する網状体を得た。樹脂の吐出スピードc(m/min)と、搬送体の搬送速度d(m/min)から計算されるc/dは3.3であった。搬送体に設けられた突設は、図2に示すような畝が得られるように形成され、畝部の延びる方向が網状体の幅に対して30度傾いているものであった。突設部の高さは10mm、突設部の長さは85mm、一方向に延びる突設部の間隔は、15mm、ピッチは15mmであった。
さらに、樹脂が搬送体に集積された直後に、ポリエステル製スパンボンド不織布(東洋紡績(株)製、商品名エクーレ、目付40g/m、厚み0.25mm)を重ね合わせ、マングルロールを用いて線圧49.0N/cmで荷重を加え、網状体とスパンボンドを接合させた。その後、自然冷却させてから、得られた天井裏敷設材を巻き取った。網状体の目付は500.3g/mであり、厚みは11.5mmであった。突起は、図2に示すような第一の畝11と第二の畝12とを有するものであり、第一の畝11の間隔Dは15mm、第一の畝11において、Lの長さは15mm、畝の高さはいずれも10.1mmであった。第1の畝の長さは85mmであって、第2の畝の長さは15mmであった。また、網状体の縦10cm×横10cmあたりの第1の畝の数は12個であり、第2の畝の数は7個であった。
[実施例2]
搬送体に、四角錐状形の突設部を設けて、図1に示すような網状体が得られるようにしたことを除いては、実施例1で採用した手順と同様の手順で、天井裏敷設部材を製造した。突設部である、四角錐は頂点と頂点の間隔が1.5cmであり、高さが10mmであった。網状体の目付は500g/mであり、厚みは11mmであった。突起は、図1に示すような四角錐状形であり、高さは10mmであり、頂点間の距離は10mmであった。四角錐の底面積は、100mmであった。
[比較例1]
網状体とポリプロピレン製の不織布シート(スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布の三層構造)が一体化されている、市販の敷設材(BWK社製(ドイツ)、商品名Difflex Convec−Blech)を用意した。この敷設材において、網状体は、ポリプロピレン製であり、目付は54.6g/m、厚みは6mmであった。また、全体にわたって、長手方向に峰が延びているプリーツ状の突起が形成されており、突起の高さは4mmであった。
実施例1、2および比較例1の物性を表1に示す。
なお、比較例1は、シートと網状体とが接着されているために、網状体およびシートの性能は、次の手順で測定した。まず、シート(不織布)を網状体から注意深く剥がした。その際に、網状体に傷がついたり、フィラメントが折れたりすることのないよう、ゆっくりと剥がしていった。今回、使用した比較例1は、比較的シートを剥がしやすいものであった。仮に、接着が強固でシートが剥がれにくい場合には、シートをできるだけ網状体に残さないよう、はさみ等でシートを切り取ることが好ましい。
Figure 0005001726
実施例1および2の天井裏敷設材は、破壊試験において応力が作用したときに、フィラメント等が折れることもなく、網状体が破壊されなかった。また、天井裏敷設材が有する弾力性により,屋根材の応力が吸収され(即ち、天井裏敷設材がクッションの役割をして)、屋根材も割れることはなかった。比較例1の敷設材は、弾力性が十分でなく、屋根材が割れてしまった。
本発明の天井裏敷設材は、住居または建築物一般において、天井裏(または屋根下)において良好な通気性を確保するために好適に使用することができる。
本発明の天井裏敷設材を構成する網状体の一例を模式的に示す斜視図である。 網状体の突起を模式的に示す平面図である。 図2の線X−Xに沿って切断したときの断面を示す断面図である。
符号の説明
1 網状体
2 突起
11 第一の畝
12 第二の畝

Claims (7)

  1. 太さが0.1〜10mmの複数の連続フィラメントで構成され、連続フィラメントの交差点のうち少なくとも一部の交差点において、フィラメント同士が互いに接着している網状体であって、
    不規則に蛇行した連続フィラメントから成る、複数の突起を有し、
    突起は、底面積が9〜400mm である錘状形を有し、
    突起の高さがmm以上である
    網状体を含む、天井裏敷設材。
  2. シートをさらに含み、網状体がシートの一方の面に、網状体を構成する連続フィラメントの一部が熱接着することにより、接合している、請求項1に記載の天井裏敷設材。
  3. シートが繊維から成り、シートに熱接着した連続フィラメントが、シートの繊維と繊維との間に入り込んでいる、請求項2に記載の天井裏敷設材。
  4. 突起が互いに独立している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の天井裏敷設材。
  5. 網状体全体の厚みが5mmよりも大きく、35mmよりも小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の天井裏敷設材。
  6. 太さが0.1〜10mmの複数の連続フィラメントで構成され、連続フィラメントの交差点のうち少なくとも一部の交差点において、フィラメント同士が互いに接着している網状体であって、
    不規則に蛇行した連続フィラメントから成り、底面積が9〜400mm である錘状形を有し、高さが8mm以上である、複数の突起を有し、
    突起が、突設部を有する搬送体を移動させながら、連続フィラメントを搬送体の上方から搬送体上に集積することにより形成されている、
    網状体を含む、天井裏敷設材。
  7. 野地板と瓦との間に、請求項1〜のいずれか1項に記載の天井裏敷設材が配置されている、屋根構造。
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