JP5296454B2 - 吸音遮水マット - Google Patents

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Description

本発明は自動車用フロアーマット,玄関マット等に使用し、吸音遮水性に優れた吸音遮水マットに関するものである。
自動車用マット,玄関マット等では水分が混入すると吸音性能を損なうし、浸透した底面の素材を傷めたり、湿度保持によるカビ等の繁殖を助長したりして好ましくない。そのためマット等に撥水性能を付与することが提案されている。例えばカーペット状の表皮材と不織布等のマット状裏材を接着材で接着し一体化したもので、裏材不織布に撥水剤を含有した高分子接着剤を含浸させたもの(例えば特許文献1参照)、気孔形成用化合物を分散せしめた撥水剤含有高分子組成物を溶融状態で表皮材の裏面にラミネートすることによって裏打層を形成し、この裏打層中の気孔形成化合物を気泡化することによって裏打層に連続気泡構造を形成したもの(例えば特許文献2参照)、気泡が形成されたフィルム遮水層の上面に表皮材を接合し、下面に不織布吸音層を接合したもの(例えば特許文献3参照)などである。
国際公開WO2004/058014号公報 特開2004−159987号公報 国際公開WO2003−053675号公報
しかし、上記の吸音,遮水性マットは何れも不織布に対し撥水剤含有高分子化合物を含浸あるいはラミネートしたものであり、裏材に短繊維不織布層を使用し、その構成短繊維自身に撥水性を有するものを使用したものは見当たらない。その理由として撥水性短繊維は繊維の摩擦係数が低く、繊維の絡まりが悪いためにウエブの形成が難しいこと、そのため、たとえ形成してもウエブの形態保持性に難があることが挙げられる。更にウエブに吸音性能を付与するには繊維の繊度の組み合わせ、目付質量,厚さ,密度などが関係し、繊維の絡まり性など相反することがあって、撥水性と吸音性を両立させることが極めて困難であることが挙げられる。
また、表皮材と裏材を積層して一体化するには接着材として通常のフィルムシートでは通気性がなく接着力も悪い。と云って接着樹脂粉体を使用すると接着量がかなり必要で、一体化した後の裁断時に溶融した小塊が屡々出てくる難があり、接着上にも問題を有している。
本発明は上述の如き諸事情をふまえ、裏材としての不織布構成短繊維に着目して、特に撥水性短繊維に対し、熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維の混繊をはかると共に、その好適な目付質量と、該目付質量下の特性を見出し、併せて裏材と表皮材との接着の改善をはかることにより前記の諸問題を解消し、自動車マット,玄関マット等に用いて好適な吸音性と撥水性を兼ね備えた表皮材と裏材不織布一体のマットを提供することを目的とするものでる。
即ち、上記目的に適合する本発明は、先ず基本的に撥水性短繊維と、熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維を混繊比率が5/95〜55/45の範囲で混繊して形成し、目付質量が200〜500g/m2で、通気度が50.0〜300.0cc/cm2/sec、初期伸張弾性率が30〜1000N/5cm/100%の特性を有する吸音遮水性短繊維不織布に目付質量が500〜2000g/m2の表皮材を、目付質量50〜250g/m2の熱接着性多孔シートを介して積層一体化し、その剥離強力を少なくとも10N/5cm以上となしたマットの構成にある。
請求項2は上記基本的構成に係るマットに対し更にその裏面側になる短繊維不織布の裏面に滑り止めのための毛焼き加工を施したことを特徴とする。
ここで、上記吸音遮水性短繊維不織布を構成する撥水性短繊維は、繊度が1.0〜20デシテックス(dtex)の範囲であることが好ましく、また、自身撥水性を有する繊維でもよく、ポリエステル,ナイロン等の通常撥水性を有しない繊維をシリコン処理あるいはフッ素処理等により撥水性を付与せしめた繊維であってもよい。
一方、上記不織布を構成する熱接着性複合短繊維としては、高融点樹成分を芯部とし、低融点樹脂成分を鞘部とする芯鞘構造で、鞘部成分の融点が80〜160℃の範囲であり、かつ該繊維の不織布構成繊維に占める混繊比率が5/95〜20/80の範囲であることが好適である。
また、表皮材としては表面にループ状パイルあるいはカット状パイルを有するパイルカーペット状布を用いることが一般的、かつ好適であり、表皮材と短繊維不織布を接合する熱接着性多孔シートとしてはくもの巣状または網目状構造体で、その目付質量が50〜250g/m2で、線径が0.01〜0.8mmφ、融点が80〜160℃の範囲であるシートが効果的である。
本発明は以上の如くカーペット状の表皮材を撥水性短繊維と、熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維を混繊して形成した所定特性をもつマット状不織布を裏材として両者を熱接着性多孔シートを介して積層一体化した吸音遮水マットであり、裏材となるマット状不織布を撥水性短繊維に対し熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維を所定の配合比で混繊することにより撥水性短繊維により撥水能を付与すると共に、非撥水性短繊維の混繊により撥水性短繊維の欠点である開繊性や繊維間の絡まりを改善することができ、また熱接着性複合短繊維を混繊することにより繊維間の固定を良好として形態安定性を図ることができることから吸音遮水マットとしての性能を安定して高めることが出来る。
しかも、これらの改善にあたっては上記各短繊維の混繊比率と共に裏材不織布の通気度,初期伸張弾性率を特定することにより全体としてマットに良好な吸音性能,撥水性能を得ることが出来ると共に、取り扱い時の変形も起こらず、加工性も良好である顕著な効果を奏する。
更に、本発明では表皮材と裏材不織布との接合を軽目付の熱接着性多孔シートを用いているため、通気性ならびに接着力も良好に得られると共に、特に一体化後の裁断時等に溶融小塊の出ることもなく良品質を保持することができる。特に本発明吸音遮水マットは積層体の剥離強力が10.0N/25mm以上の特性を有しているため実用使用時に剥離を起こすことがなく、製品として劣化することがない効果も存する。
以下、更に添付図面を参照し、本発明吸音遮水マットの具体的態様について詳述する。図1は本発明吸音遮水マットの1例であり、図において1は本発明に係る吸音能と遮水能を兼ね備えたマットであり、2は該マットの表皮材、3は裏材となる吸音遮水性短繊維不織布、4は前記表皮材2と裏材となる不織布3とを接着一体化する熱接着性多孔シートであり、本発明吸音遮水マット1はこれら表皮材2と裏材となる吸音遮水性短繊維不織布3を熱接着性多孔シート4を介して積層一体化することによって図示の如き構造に構成される。
ここで上記表皮材1は本発明マットの表面を形成するものであり、通常、スパンボンド不織布からなる基布にパイル糸をタフトしてパイル固定のためにラテックス等を基布面にプレコートすることによって得られるカーペットが用いられる。例えばポリエステル繊維のスパンボンド不織布からなる基布にナイロンフィラメントからなるパイル糸をループ状にタフトして裏面にラテックスをプレコート処理して固定したカーペットである。パイルはループ状に限らずカット状のパイルであってもよい。
この表皮材2となる上記カーペットはその目付質量が500〜2000g/m2であることが好ましい。500g/m2未満ではマットとしてのクッション性が乏しくなり、吸音能も乏しくなるので好ましくない。一方、2000g/m2を超えるとクッション性,吸音性は充分にあるが重量が重すぎることと、コストの点で好ましくない。従って、500〜2000g/m2の範囲において適当な目付質量のカーペットが選択される。
上記表皮材2と接合され、マット裏材を構成する吸音遮水性短繊維不織布3は吸音能と撥水能を兼ね備えた不織布であり、撥水性短繊維と、熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維の混繊により作成される。
不織布に撥水能を付与する撥水性短繊維は自身、撥水性を有する繊維、例えばポリエチレンあるいはポリプロピレン繊維等に限らず、ポリエステル,ナイロンなどの通常の合成繊維を繊維表面にシリコンあるいはフッ素樹脂により撥水加工処理した繊維が含まれる。しかし、撥水処理した繊維は短繊維の摩擦係数が低く、繊維間の絡まり性に劣る難がある。この場合、撥水能は摩擦係数で代用することができるので、摩擦係数0.05〜0.20の範囲が通常の目安とされる。撥水性短繊維の繊度としては1.0〜20.0デシテックス(dtex)の範囲が好ましく、1.0デシテックス未満ではマット自身が密となり、通気度が制御し難く、嵩高を制御し難いので好ましくない。一方、20デシテックスを超えると嵩高は制御し易いが、通気度は制御しにくいので好ましくない。
次に前記短繊維不織布を形成するのに混繊されるもう1つの非撥水性短繊維は通常の繊維であって、繊維自身、撥水能を有しないものであり、前記撥水性短繊維の開繊性,絡まり性を改善するために混繊され、例えばナイロン,ポリエステル系繊維が挙げられる。この短繊維の繊度は前記撥水性短繊維と同じく1.0〜20.0デシテックス(dtex)の範囲が好ましく、1.0デシテックス未満ではマット自身密になり、通気度が制御しにくく、嵩高を制御しにくい。また20.0デシテックスを超えると嵩高は制御し易いが通気度は制御しにくい。しかしここで、上記非撥水性短繊維は上述した通常の繊維のみの使用ではなく、特に熱接着性複合短繊維を包含させ、両者を併用することが肝要であり、必須である。
非撥水性短繊維に包含して用いられる熱接着性複合短繊維は不織布の形態安定性を保持する上に効果的なものであり、例えばポリエステル系樹脂,ポリエチレン系樹脂,ポリプロピレン形樹脂,ポリアミド系樹脂の何れかの熱可塑性樹脂の高融点成分を芯とし低融点成分を鞘部とする芯鞘構造の複合繊維が挙げられる。
具体例としては、高融点ポリエステル成分(融点250℃〜270℃)と低融点ポリエステル成分(融点80℃〜160℃程度)の複合繊維,エステル/ナイロン複合繊維,ポリエステル/ポリエチレン複合繊維,ポリプロピレン/ポリエチレン等が挙げられ、特に高融点ポリエステルと低融点ポリエステルとの複合繊維は最も実用的である。熱接着性複合繊維は前述の如く高融点成分を芯とし、低融点成分を鞘とする芯鞘型が好ましく、サイドバイサイド型は接着面が反面となるので好ましくない。
上記芯鞘型複合短繊維を構成する前記高融点成分の融点は低融点成分の融点より50℃以上高いことが好ましく、低融点成分の融点は80℃〜160℃の範囲にあることが好ましい。高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃未満であると繊維間の接着時、軟化して所望の通気度を得ることができない。また、低融点成分の融点が80℃未満であると繊維間の接着を実施する処理条件が難しく、耐熱性の面から好ましくない。低融点成分の融点が160℃を超えると他の高融点繊維の熱特性に影響し、接着を実施することで通気特性が変動するので好ましくない。なお、前記した撥水性短繊維と非撥水性短繊維の融点は上述の熱接着性複合短繊維に用いられる高融点樹脂あるいはそれと同等の融点を有することが望ましい。
なお、熱接着性複合短繊維の繊度は非撥水性短繊維の繊度と同じく1.0〜20.0デシテックス(dtex)の範囲にあることが好ましく、1.0未満では繊維間の接着点が多くなり、不織布の形態保持には好ましいが、逆に不織布が密になり、通気度が制御しにくく、また嵩高も制御しにくくなるので好ましくない。一方、20.0デシテックスを超えると繊維間の接着点が少なくなり、嵩高は得られるが形態保持特性に劣るので好ましくない。
以上の説明の如く、本発明吸音遮水マットにおいて裏材となる短繊維不織布は撥水性短繊維,非撥水性短繊維,熱接着性複合短繊維を混繊することによって構成されるが、ここで重要なことは各繊維の混繊比率である。
不織布を形成するウエブを作成するには繊維間の絡まり性が重要で、摩擦係数が低いと問題になる。また、不織布の形態保持性が悪くなる。ウエブを形成するには短繊維の均一開繊が必要で、ウエブの撥水性短繊維だけでは充分な絡まりが得られず、非撥水性短繊維を使用することにより開繊性や繊維の交絡を改善することができる。
また、作成された不織布は取り扱い中に形態の保持がよくないニードル加工だけではこれを改善することができないので、形態を安定させるために熱接着性複合短繊維を混繊し、繊維間を接着固定することによって安定化を図ることが必要となる。即ち、開繊性や絡まり性、さらに形態保持安定の改善には上記撥水性短繊維,非撥水性短繊維,熱接着性複合短繊維を混繊することが必要で、かつ、有効な改善をはかるためにはこれら各繊維の混繊比率が重要な役割を有している。
本発明においては、上記の混繊比率に対応するべく、先ず撥水性短繊維と接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維の混繊比率を10/90〜55/45の範囲となるようにした。換言すれば撥水性短繊維の比率を10〜55重量%の範囲で混繊せしめるようにした。これは、撥水性短繊維が10重量%未満であると不織布の適度な撥水能を得ることができず、撥水能に難を生じ、一方、55重量%を超えると撥水能は充分であるが、繊維間の絡着性が劣り、不織布の形態保持性を損なうことになるからである。従って上記15〜55重量%の範囲での混繊比率が効果的である。また非撥水性短繊維における熱接着性複合短繊維と通常の非撥水性短繊維との混繊比率も、熱接着性複合短繊維の比率によって不織布における繊維間接着、換言すれば形態保持性と通気度制御が異なるので重要な因子であり、本発明不織布の作成にあたっては非撥水性短繊維に対する熱接着性複合短繊維の混繊比率が5/9〜20/80の範囲が採用される。
熱接着性複合短繊維が20重量%を超えると通気度制御が難しく、また5重量%未満では繊維間の接着が弱く、マットとしての形態保持性に劣るので好ましくない。従って熱接着性複合短繊維は少なくとも5〜20重量%混繊することが肝要である。
以上、裏材をなす吸音遮水性短繊維不織布を構成する各繊維について述べてきたが、更に以上の繊維構成からなる不織布に吸音性,遮水性を付与し、ひいてはマットとして有効な吸音遮水性を有せしめるにあたっては以下の如き所要の各特性を具備することが肝要である。即ち、先ず不織布の目付質量としては不織布に遮水性を付与せしめるには前記撥水性短繊維を混繊することによって得られるが、吸音性の付与には構成繊維の繊度の組み合わせ,目付質量,厚さ,密度などが互いに関連を有しており、本発明の自動車マット,玄関マット等の裏材に用いる不織布としては、その目付質量はマットの重量から200〜500g/m2が適正かつ有効である。
裏材としての不織布の目付質量が200g/m2未満では不織布としてのクッション性が乏しくなるので好ましくなく、500g/m2を超えると、クッション性能は十分にあるが、通気性の制御が困難となる。そこで本発明においては一応、目付質量を上記200g/m2〜500g/m2として特定し、吸音性能に関係する不織布特性である通気度を50.0〜300.0cc/cm2/secの範囲とした。
通気度が50cc/cm2/sec未満であればマットの裏材として使用した場合、加工によって通気度が低下してしまって、通気性等の性能が低下し、また、通気度が300cc/cm2/secを超えると裏材として使用した場合、加工によって吸音性能や排水性能を充分に得ることができないので何れも不適である。
また、上記裏材の吸音遮水性短繊維不織布は不織布取り扱い時における加工性を保持することも必要であり、そのためには初期伸張弾性率を30〜1000N/5cm/100%の範囲とすることが好適である。初期伸張弾性率が30N/5cm/100%未満では不織布の取り扱い時、容易に変形して加工性が劣り、一方、1000N/5cm/100%を超えると不織布が硬いものとなり、取り扱いも悪く、製品として硬く仕上がるので好ましくない。
以上のように本発明マットの裏材を構成する吸音遮水性短繊維不織布は撥水性短繊維と、熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維とを所要混繊比率で混繊すると共に、更に吸音,遮水性能に適合した特性を具備せしめることによって好適な裏材である吸音,遮水不織布として構成される。なお、上記不織布の作成にあたっては通常、以下のような工程が採用される。
即ち、先ず撥水性短繊維と非撥水性短繊維と熱接着性複合短繊維を所要割合で混繊し、カーディング加工してウエブを作成する。そして、このウェブをニードルパンチ加工することによって繊維間の交絡処理を行い、更に連続して熱処理機に通して繊維間の接着をする。熱処理は熱接着性複合短繊維の低融点成分の融点を超え、高融点成分の融点以下あるいは撥水性又は非撥水性短繊維の融点以下の温度とする。その後、場合によっては更に熱ロールを通して不織布の厚さ調整などを図り、所要の特性を具備せしめるよう調整する。
本発明吸音遮水マットは上述の吸音遮水性短繊維不織布からなる裏材に対し、前述した表皮材を積層一体化することによってマットとして形成されるが、積層一体化のための接着に当たっては熱接着性多孔シートが用いられる。通常のフィルムシートでは通気性がなく、接着力も劣る。また接着樹脂粉体を使用すると取り扱いに難があり、しかも接着量がかなり必要で、一体化した後の裁断時に溶融小塊が時に隙間から出てくるので好ましくない。従って、くもの巣状あるいは網目構造体の如き熱接着性多孔シートの使用が好適である。
熱接着性多孔シートに用いられる樹脂ポリマーとしてはエステル,ナイロン,ポリプロピレン,ポリエチレン等の変性ポリマーが挙げられ、多孔シートとしては融点が80〜160℃の範囲で接着能を有しておればよい。熱接着性多孔シートの融点が80℃未満では接着の点では好ましいが、耐熱性の点で問題が残る。一方、該シートの融点が160℃を超えると接着処理による被接着体自身の特性を損なうことがあるので好ましくない。
また、上記くもの巣状構造、網目状構造等の多孔シートを構成する線径は0.01〜0.8mmφの範囲であることが好ましく、使用する多孔シートの目付質量範囲としては5〜250g/m2であることが好適である。線径が0.01mmφ未満ではそれより細くしても接着力は変わらないので細くするための生産性の低下や技術等のコスト高を招くことを考えれば好ましくない。また、線径が0.8mmφを超えると被接着体の接着材が太すぎて隙間が大きくなり、接着材が太くなりすぎて接着面が少なくなり、接着効率が低下するので好ましくない。一方、熱接着性多孔シートの目付質量が50g/m2未満では接着量が不足し、被接着体の接着力が小さくなり、逆に250g/m2を超えると接着量は十分あって被接着体の接着は確保されるが過剰品質となるのでコスト面等から好ましくない。
本発明吸音遮水マットは以上のように吸音遮水性短繊維不織布を裏材とし、これに熱接着性多孔シートを介してパイル布等の表材を積層一体化することによって構成されるが、更にスナッギング性を付与するため裏材の短繊維不織布裏面の不織布を構成する繊維を毛焼き加工することが行なわれる。例えば繊維層の片面を不織布を構成する繊維の溶融温度よりも30℃以上高い温度あるいは火炎に曝して樹脂の溶融塊を形成する。
より具体的には表面溶融塊は通常の毛焼工程やカレンダー工程等で用いられる表面加熱機を使用し、不織布表面の熱可塑性樹脂繊維を溶融することで形成できる。またこの時の溶融状態や溶融深さに関しては加熱温度、加熱速度、熱源からの距離等を調整することによって達成することができる。その中で不織布面に曝す火炎の角度が重要で、下斜め25°〜65°の範囲が好適である。火炎の角度が下斜め25°未満では不織布面に直接火炎が当たり火炎の逃げる方向がなくなり、毛焼き処理の速度、距離、ガス圧の調整が出来なくなるので好ましくない。火炎の角度が下斜め65°を超えると不織布に当たる火炎の量が少なくなり処理効率が低下するので好ましくない。
なお、毛焼ガス処理に際しては、特に限定されないが、下記条件が推奨される。即ち、ガス圧は100〜150Kg/cm2,処理速度は10〜15m/min,下斜め角度は25°〜65°,火炎距離は1.5〜3.0cm,火炎長は4〜5mm,火炎孔配置は千鳥配置である。以下、更に本発明の実施例について比較例と共に説明する
先ず、本発明マットを形成するに先立ち、該マットを構成する部材である吸音遮水性短繊維不織布、マット原反となる表皮材及び熱接着性多孔シートを以下に従って夫々、試料1,試料2,試料3として作成した。
試料1 吸音遮水性短繊維不織布
試料1−1
繊度13.3デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)20重量%と、繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)20重量%と、繊度3.3デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)20重量%と、繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長64mmの黒原着ポリエステル繊維(融点:260℃)でシリコン処理された撥水能を有する繊維(高安株式会社製:F071)30質量%と、繊度4.4デシテックス(dtex)、繊維長51mmのベージュ原着ポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)10重量%を均一混合し、次いでカーディングして繊維層を得て、引き続き、表面に深さ11mm、打ち込み本数50本/cm2、裏面に同様に深さ9mm、打ち込み本数31本/cm2のニードルパンチ処理を施し、190℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理し、出口部に設置した一対の鉄製ローラに通して巻き取った。得られた不織布の平均目付質量は293.4g/m2で、厚さ4.1mmであった。
試料1−2
目付質量を変更する以外は試料1−1と同じ条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は159.5g/m2で厚さ3.0mmであった。
試料1−3
目付質量を変更する以外は試料1−1と同じ条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は489.1g/m2で厚さ4.2mmであった。
試料1−4
撥水処理した繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維を通常の繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維に変更した以外は試料1−1と同じ条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は310.0g/m2で、厚さ3.7mmであった。
試料1−5
撥水性繊維の繊度が2.2デシテックス(dtex)で、繊維長51mmである以外は試料1−1と同じ条件で処理を行なった、得られた不織布の平均目付質量は314.8g/m2で、厚さ3.5mmであった。
試料1−6
繊度13.3デシテックス(dtex),繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)を25重量%に、繊度6.7デシテックス(dtex),繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)を30重量%に、繊度11.1デシテックス(dtex),繊維長64mmの黒原着ポリエステル繊維(融点:260℃)でシリコン処理された撥水能を有する繊維、(dtex)(高安株式会社製:F071)を15重量%に変更した以外は試料1−1と同じ条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は338.1g/m2で、厚さ3.4mmであった。
試料1−7
繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)を52重量%に繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長64mmの黒原着ポリエステル繊維(融点:260℃)でシリコン処理された撥水能を有する繊維(高安株式会社製F071)を5質量%に、繊度4.4デシテックス(dtex)、繊維長51mmのベージュ原着ポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)を3重量%に変更した以外は試料1−1と同じ条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は297.9g/m2で厚さ3.5mmであった。
試料1−8
繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)を0重量%に、繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長64mmの黒原着ポリエステル繊維(融点:260℃)でシリコン処理された撥水能を有する繊維(高安株式会社製F071)を50質量%にした以外は試料1−1の条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は325.9g/m2で厚さ3.9mmであった。
試料1−9
繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)を10重量%に、繊度3.3デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)を10重量%に、繊度4.4デシテックス(dtex)、繊維長51mmのベージュ原着ポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)を30重量%に変更した以外は試料1−1と同じ条件で作成した。得られた不織布の平均目付質量は345.6g/m2で厚さ2.8mmであった。
試料2 表皮材
試料2−1
ポリエステル繊維(融点:260℃)のスパンボンド不織布からなる基布、目付質量120g/m2にナイロン糸(2888デシテックスのフィラメント)からなる目付質量810g/m2のパイルがループ状にタフトされた裏面にSBRラテックスをプレコート処理をして乾燥目付質量100g/m2のプレコート層を形成せしめて、ループ高さ5mm、平均目付質量1030g/m2の表皮材を得た。
試料2−2
ポリエステル繊維(融点:260℃)のスパンボンド不織布からなる基布、目付質量120g/m2にナイロン糸(2888デシテックスのフィラメント)からうる目付質量1610g/m2のカットパイルがタフトされた裏面にSBRラテックスをプレコート処理をして乾燥目付質量100g/m2のプレコート層を形成せしめて、カットパイル高さ11mm、平均目付質量は1830g/m2の表皮材を得た。
試料3 熱接着性多孔シート
試料3−1
変性ポリエチレン樹脂(融点:109℃)を紡糸温度200℃、ノズル0.6mmφ、単孔吐出量1.0g/min/h、エアーサッカー法による吸引でネット上にランダムに堆積し巻き取った。巻き取ったシートはくもの巣状構造で1本の平均糸径は0.035mmφであり、平均目付質量は50g/m2であった。
試料3−2
単孔吐出量を1.4g/min/hとネット速度を変更した以外は試料3−1と同じ条件で実施した。巻き取ったシートはくもの巣状構造で、1本の平均糸径は0.048mmφであり、平均目付質量は100g/m2であった。
試料3−3
変性ポリエチレン樹脂(融点:109℃)を幅20cm、長さ4cmのノズル有効面に孔径0.8mmφのオリフィスを孔間ピッチ10mm間隔で配列したノズルより、単孔吐出量を0.92g/分にて吐出させ、ノズル面25cm下に冷却水を配し、幅25cmのステンレス製エンドレスネットを平行に15mm間隔で一対の引き取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に引き取り、両面を挟みつつ毎分9.2mの速度で20℃の冷却水中へ引き込み固化させた後、巻き取った。巻き取ったシートはランダム構造体で繊維同士が一部融着しており、1本の平均糸径は0.32mmφであり、平均目付質量は100g/m2であった。
試料3−4
単孔吐出量を1.04g/min/hとネット速度5.0m/minと変更した以外は試料3−3と同じ条件で実施した。巻き取ったシートはランダム構造体で繊維同士が一部融着しており、1本の平均糸径は0.42mmφであり、平均目付質量は200g/m2であった。
次いで、上記各試料より適宜、選択して組み合わせ本発明実施例に係るマット及び比較例マットを作成した。各実施例,比較例を下記に示す。
実施例1
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−1の不織布をのせて積層し、150℃の熱風処理機(長さ24m、処理速度4.0m/min)に通し出口部に常温の一対の鉄製ローラでクリアランス5mm、圧力4.0Kg/cm2で積層接着して吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1423g/m2であった。
実施例2
試料2−2の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−4の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−1の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は2323g/m2であった。
実施例3
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−2の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−5の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1445g/m2であった。
実施例4
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−6の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1468g/m2であった。
実施例5
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−3の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1619g/m2であった。
実施例6
試料2−1の表皮材の裏面を上にしてその上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−8の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1456g/m2であった。。
比較例1
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−1の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−1の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1373g/m2であった。
比較例2
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着製シートをのせて、その上に試料1−2の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行なって、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1290g/m2であった。
比較例3
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−7の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1428g/m2であった。
比較例4
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−9の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1476g/m2であった。
比較例5
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、その上に試料3−3の熱接着性シートをのせて、その上に試料1−4の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量%は1440g/m2であった。
比較例6
試料2−1の表皮材の裏面を上にして、300μmのポリエチレン粉体を散布量150g/m2散布して、その上に試料1−1の不織布をのせて積層し、実施例1と同じ積層接着処理を行って、吸音遮水マットを得た。平均目付質量は1424g/m2であった。
更に上記実施例の6種類、比較例の6種類のそれぞれの吸音遮水マットについて、その裏面の不織布面を加工条件が火炎(火炎長さ5.0cm、ガス圧100Kg/cm2)が下斜め45度、火炎距離2.0cmで処理速度を13m/minのガス毛焼(直下バーナー)の処理を行ってスナッギング性を有する吸音遮水マットを得た。
かくして以上の例より得られた各マットについて夫々、その性能を対比した。その結果を表1〜4に示す。表1は本発明マットにおける試料1,2,3を表記したものであり、表2は比較例における試料1,2,3を表記したものである。また表3は本発明実施例マットの各性能を示し、表4は比較例マットの各性能を示している。なお、表中の各項目の測定方法は、以下の記載に拠って行なった。
(イ)目付質量:g/m2
50cm×50cmの大きさを切り出し、そのときの重さを測定し、1m2当たりの 重量に換算する。
(ロ)厚さ:mm
15cm×15cmの大きさを切り出し、初荷重0.05g/m2を掛けて、4隅の 高さを測定し、その平均値で示す。
(ハ)線径:mmφ
マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)によって糸を150培に拡大して糸の直 径を計測した。測定本数はn=10の平均値で示した。単位はmmφである。
(ニ) 初期伸張弾性率:N/5cm/100%
強伸度測定
縦方向に5cm×30cmの試料を5個(n=5)採取する。
東洋ボールドイン社製テンシロンを用い、掴み間隔20cmで引っ張り速度20cm /minで5%伸張応力を100%に換算して示す。 n=5の平均値で示す。
(ホ)剥離強力:N/25mm
表皮材と不織布の間の剥離強力を下記条件で測定した。
試料25mm×200mmの試料を3個(n=3)採取する。
東洋ボールドイン社製テンシロンを用い、掴み間隔100mm、引っ張り速度200 mm/minで試料は100mm点まで剥がしチャックにそれぞれ50mm挟んで剥 離応力を測定し、平均値で表わす。
(ヘ)通気度:cc/cm2/sec
JIS L 1096の6.27.1に記載のフラジール形試験機で測定した。
(ト)撥水性評価:
表皮材カーペットパイル面に蒸留水を100ccのせる。この状態で60min放置 する。
60m/min後のカーペット裏面への浸水状態を調べ、下記基準に基づいて評価し た。
(チ)評価
カーペット裏面への透水がまったくない。 ○
カーペット裏面への透水はないが湿っていた。 △
カーペット裏面へ透水し、水が溜まっていた。 ×
(リ)滑り止め試験
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長64mmの黒原着ポリエステル繊維(融点:260℃)40質量%と、繊度11.0デシテックス(dtex)、繊維長64mmの黒原着ポリエステル繊維(融点:260℃)40質量%と、繊度6.7デシテックス(dtex)、繊維長64mmのグレー原着ポリエステル繊維(融点:260℃)10質量%、更に繊度4.4デシテックス(dtex)、繊維長51mmのベージュ原着ポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)10質量%を均一混合して、次いで、カーディングして目付質量約400g/m2の繊維層(平均繊度:8.2デシテックス)とし、引き続き、表面に深さ10mm、打ち込み本数33本/cm2、裏面に同様に深さ7mm、打ち込み本数35本/cm2、更に表面に深さ7mm、打ち込み本数34本/cm2のニードルパンチ処理を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で90秒間滞留時間熱処理する。更に処理された繊維層を連続して、熱ロール(ロール温度70℃、ロール間隙間巾0.3mm)で繊維間の接着と厚み調整をしてワインダーに巻き取り、一般的な車両用フロアのニードルパンチカーペットを得た。実施例1〜6及び比較例1〜6の不織布を幅100mm、長さ120mmの塩ビプレート(厚さ3mm、重量40g)に両面テープでそれぞれ接着し、プレート上に100gの荷重を加えた状態で、各々の試料をこのパンチカーペットの表面に対し水平方向に引っ張り(引張り速度100mm/min)各試料を滑らせた時の静摩擦抵抗力を測定した。
靜摩擦抵抗力:N
上段は毛焼き加工した場合、、下段は毛焼き加工しない場合である。7.0N以上であればスナッギング効果があると判定できる。
(ヌ)吸音性
JIS A 1045に基づき、管内法による建築材料の垂直入射吸音率を測定した。
(ル)接着加工性
不織布の表面の状態、不織布の引き回しによる伸び変形の状態、加工のし易さを下記分類に評価した。
表皮材と不織布の接着加工に何ら取り扱いに問題ない。 ○
接着加工で不織布の引き回しによる伸び変形が見受けられる △
接着加工で不織布が硬く取り扱いが悪い ×
(ヲ)裁断製品評価
製品は50cm×50cmに裁断するが、その裁断加工による裁断面の状態と製品使用状態を下記のように評価した。
裁断面はきれいで層間剥離等がなく、使用時、何ら問題ない ○
裁断面はきれいだが層間剥離がやや認められ、使用時やや問題あり △
裁断面はきれいだが層間剥離が見られ、樹脂等の漏れが認められる ×
以下、表1〜4を示す。
Figure 0005296454
Figure 0005296454
Figure 0005296454
Figure 0005296454
上記表より以下のことが推測される。即ち、比較例1では熱接着性シートの目付量(50g/m2)が少ないため接着加工性が悪く、剥離強力が低くなって使用時に層間の剥離が生じ、製品として劣り、比較例2では裏材である吸音遮水性不織布の目付が低いため、性能,遮水性能が低くなり、水抜けや十分な吸音効果を得ることができない。また比較例3では吸音遮水性不織布を構成する撥水性短繊維の混繊比率が低いため遮水性能が低くなり、水抜けが起こり製品として問題がある。
比較例4では熱接着性複合短繊維の混繊比率が高いために初期伸張弾性率が高く、硬い不織布で、これを使用した製品は硬いものとなり、プラスチックライクの製品として品位が劣る。比較例5では撥水性短繊維が混繊されていないため撥水性が全く認められない。比較例6では熱接着性シートの代わりに粉体を使用しているため、接着加工は特に問題はないが、製品の裁断加工時に粉体残が接着破断面から漏れて製品の品質を低下する。
以上のような各比較例に対し実施例に係る本発明吸音遮水はマットにおいては何れも吸音性,撥水性と共に接着加工性、裁断時の評価において総合的に優れていることが表3より認められる。
本発明に係る吸音遮水マットの断面構造を示す概要図である。
符号の説明
1:吸音遮水マット
2:表皮材
3:裏材(吸音遮水性短繊維不織布)
4:熱接着性多孔シート

Claims (5)

  1. 撥水性短繊維と、熱接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維を、混繊比率5/95〜55/45の範囲で混繊して形成し、通気度が50.0〜300.0cc/cm2/sec,初期伸張弾性率が30〜1000N/5cm/100%である目付質量200〜500g/m2の吸音遮水性短繊維不織布に、目付質量が500〜2000g/m2の範囲にある表皮材を、目付質量50〜250g/m2の熱接着性多孔シートを介して積層一体化し、剥離強力が少なくとも10N/25mm以上となされ、かつ、不織布を構成する熱接着性複合短繊維が、高融点樹脂成分を芯部とし、低融点樹脂成分を鞘部とする芯鞘構造で、鞘部成分の融点が80〜160℃の範囲であり、不織布構成繊維中に占める該繊維の混繊比率が5/95〜20/80の範囲であることを特徴とする吸音遮水マット。
  2. 撥水性短繊維と、接着性複合短繊維を含む非撥水性短繊維を、混繊比率5/95〜55/45の範囲で混繊して形成し、通気度が50.0〜300.0cc/cm2/sec、初期伸張弾性率が30〜1000N/5cm/100%である目付質量200〜500g/m2の吸音遮水性短繊維不織布に、目付質量が500〜2000g/m2の範囲にある表皮材を、目付質量50〜250g/m2の熱接着性多孔シートを介して積層一体化し、その剥離強力が少なくとも10N/25mm以上であるマットの裏面側になる不織布の裏面に滑り止めのための毛焼き加工を施してなり、かつ、不織布を構成する熱接着性複合短繊維が、高融点樹脂成分を芯部とし、低融点樹脂成分を鞘部とする芯鞘構造で、鞘部成分の融点が80〜160℃の範囲であり、不織布構成繊維中に占める該繊維の混繊比率が5/95〜20/80の範囲であることを特徴とする吸音遮水マット。
  3. 吸音遮水不織布を構成する撥水性短繊維の繊度が1.0〜20デシテックス(dtex)の範囲であり、撥水性短繊維が自身撥水性を有する繊維またはポリエステル、ナイロン等の通常撥水性を有しない繊維をシリコン処理あるいはフッ素処理により撥水性を付与せしめた繊維である請求項1または2記載の吸音遮水マット。
  4. 表皮材が表面にループ状パイルあるいはカット状パイルを有するパイルカーペット状布である請求項1,2または3記載の吸音遮水マット。
  5. 熱接着性多孔シートがくもの巣状または網目状構造体で、その目付質量が50〜250g/m 2 で線径が0.01〜0.8mmφであり、融点が80〜160℃の範囲である請求項1,2,3または4記載の吸音遮水マット。
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