JP3676836B2 - 給水シート - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は,鉢植え栽培において鉢管理の省力化などにつながる給水シート,詳細には多数の鉢に対してその底面から同時に給水を行う方式において底面シートとして好適に使用し得る給水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉢植え栽培ではハウス内で多数の鉢を並べ人力又は自動システムにより鉢の上から給水作業を行なっていた。この給水方法では,鉢の上部より給水するため鉢の花や葉が破損し,大切に育てた植物が出荷できなく大きな損害を被ることがある。
近年,上述した被害をさけるため,鉢の下に不織布製のマツトを敷設して水平方向より給水する方法が主流となってきた。この方法では,供給された水が直接植物に接触しないため鉢の花や葉に被害が生ずることはなくなったが,長期間の栽培中に植物の根が鉢の底面の孔からマツトの中に入るため,鉢の移動時や出荷時に根を切断しなければ移動できないという問題があった。
また,上記の不織布製のマツトとしては,一般に,ポリエステル系短繊維からなる不織布やポリエステル系長繊維からなる不織布,あるいはこれらの不織布にポリエステル系織物を積層した積層体が採用されてきた。しかしながら,これらの不織布や積層体は,いずれも親水処理等の手段によって親水性が付与された繊維からなるとはいえ,繊維の単糸繊度が3デニール以上と高デニールであるために繊維と繊維との間に水が溜まるものの,鉢内の中ほどまで水が十分に上昇しない,すなわち保水性が乏しく鉢内の植物が枯れてしまうという問題があった。なお,保水性を向上させるべく上記の親水処理を強化すると,保水性は確かに向上するものの,逆に鉢内が過湿状態になって根腐れを引き起こすという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,前記課題を解決し,鉢植え栽培での給水作業の省力化と効率化,鉢植え植物の品質安定化を可能にした給水シートを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,前記問題を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すなわち,本発明は,単糸繊度が0.01デニール以上0.5デニール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウエブ層Aの両面に単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bが積層されてなりかつ保水率が200重量%以上である保水層Cと,単糸繊度が0.5デニール以上5デニール以下の熱可塑性合成長繊維からなり,バイレツク法での吸水性が50mm以上,通気度が100cm3/cm2/秒以下でかつ平滑な表面を有する不織ウエブで構成される吸水層Dとが積層され,A層,B層及びD層の各構成繊維がニードルパンチ処理によって相互に三次元的に交絡し,全体として一体化されてなり,かつバイレツク法での吸水性が100mm以上である給水シートを要旨とするものである。
【0005】
以下,本発明を詳細に説明する。
まず,本発明における不織ウエブ層Aは,熱可塑性合成極細繊維からなるものである。熱可塑性合成長繊維としては,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,共重合ポリエステル等のポリエステル系,ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフイン系,ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610等のポリアミド系等の重合体からなるものや,これらのブレンド物からなるものが用いられる。
なお,本発明において,前記熱可塑性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し剤,顔料,防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。
この極細繊維からなる不織ウエブは,前記熱可塑性重合体を用いいわゆるメルトブローン法により得られるものである。すなわち,前記重合体を溶融紡出し,溶融紡出された重合体流を溶融温度より高い温度の高圧空気流により牽引・細化し,冷却した後,移動する捕集面上に捕集・堆積させて不織ウエブとすることによって得ることができる。
上記不織ウエブ層Aでは,熱可塑性合成極細繊維の単糸繊度が0.01デニール以上0.5デニール以下の範囲にあることが必要である。
単糸繊度が0.01デニール未満の場合,単糸繊度が小さ過ぎるために製糸性が低下し,一方,単糸繊度が0.5デニールを超えると,この不織ウエブ層と他の不織ウエブ層Bとを積層してなる保水層Cにおいて,保水層Cにおいて200重量%以上の十分な保水率を具備せしめることが困難となり,いずれも好ましくない。
【0006】
次に,本発明における不織ウエブ層Bは,熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブで構成されるものである。熱可塑性合成長繊維としては,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,共重合ポリエステル等のポリエステル系,ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフイン系,ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610等のポリアミド系等の重合体からなるものや,これらのブレンド物からなるものが用いられる。また,繊維の形態としては,これらの重合体単独からなるものの他に,例えば貼り合わせ型や芯鞘型等の二種以上の重合体が複合したものであっても良い。さらに,中空型であってもよい。
なお,本発明において,前記熱可塑性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し剤,顔料,防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。
上記不織ウエブ層Bでは,熱可塑性合成長繊維の単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の範囲にあることが必要である。
単糸繊度が1デニール未満の場合,単糸繊度が小さ過ぎるために,この繊維からなるウエブを一構成要素として積層した後にニードルパンチ処理を施す工程で繊維同士が交絡し過ぎ,得られたニードルパンチウエブは風合が硬く,密度の大きなものとなる。したがって,1デニール未満で得られたニードルパンチウエブを給水シートの保水層として用いた場合,単糸繊度が小さ過ぎて繊維間の空隙が少ないため,水を保持する容積が小さくなり,たとえメルトブローン法により得られる上記の不織ウエブ層を積層しても保水性が低下し,保水層Cにおいて200重量%以上の十分な保水率を具備せしめることが困難となるのである。
一方、単糸繊度が7デニールを超える場合,ニードルパンチ処理を施す工程で形成される繊維同士の交絡が少なく,得られたニードルパンチウエブは単糸がウエブから剥離し,さらに繊維間の空隙が大き過ぎるために保水してもすぐに排出され,保水能力が不足して鉢植え植物が枯れるなどの問題が発生する。
【0007】
この保水層Cでは,保水性を保持するに関して層の厚みが重要で,厚みが小さいと保水性が低下して植物が枯れることがあり,逆に厚みが大き過ぎると保水性が高過ぎ鉢内が過湿状態になって根腐れが発生する。したがって,この保水層Cの厚みは2.0mm以上5.0mm以下の範囲とするのが好ましい。
【0008】
上記不織ウエブ層AとBとが積層されてなる保水層Cは,JIS L 1096 6.26.(2)に記載の方法で求められる保水率にて200重量%以上となる保水能力を具備することが必要であり,これ以下では保水量が不足して吸水層から鉢植え植物へ十分に水を供給できなくなり,好ましくない。
本発明の給水シートでは,保水層Cは上述した構成を全て満足するものであって,これにより保水率が200重量%以上の層となるのである。
【0009】
また,本発明における吸水層Dは,熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブで構成されるものである。熱可塑性合成長繊維としては,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,共重合ポリエステル等のポリエステル系,ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフイン系,ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610等のポリアミド系等の重合体からなるものや,これらのブレンド物からなるものが用いられる。また,繊維の形態としては,これらの重合体単独からなるものの他に,例えば貼り合わせ型や芯鞘型等の二種以上の重合体が複合したものであっても良い。さらに,中空型であってもよい。
なお,本発明において,前記熱可塑性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し剤,顔料,防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。
上記吸水層Dを構成する不織ウエブ層では,吸水性と根切り性との両特性を具備せしめるために,熱可塑性合成長繊維の単糸繊度が0.5デニール以上5デニール以下の範囲にあることが必要であり,好ましくは1デニール以上3デニール以下である。
単糸繊度が0.5デニール未満の場合,この繊維からなる不織ウエブに熱圧接ロールを用いて圧接を施すと,単糸繊度が小さ過ぎるために被圧接個所がフイルム状になって根切り性は向上するものの,逆に吸水性が低下し,一方,単糸繊度が5デニールを超えると,単糸繊度が大きいために繊維間の空隙が大きくなり過ぎ,根が繊維間の空隙に侵入し鉢の移動時に根を切らなくては移動できないという問題が生じ,いずれも好ましくない。
【0010】
この不織ウエブ層は,バイレツク法での吸水性が50mm以上でかつ通気度が100cm3/cm2/秒以下のものであり,しかも平滑な表面を有する。この平滑な表面とは,表面が平滑な熱圧接ロールを用いて熱圧接処理を施すことにより得られるものであり,このような処理によりウエブの表面は平滑になって植物の根が吸水層Dの中に侵入することがない。根が吸水層Dに侵入しない目安として繊維間の空隙の度合いを表す尺度である通気度があり,このウエブ層では,通気度を100cm3/cm2/秒以下とする必要がある。通気度を100cm3/cm2/秒以下とするには,熱圧接ロールの温度を高くするか,あるいは熱圧接ロールの線圧を上げる等の手段を採用するとよい。
【0011】
この不織ウエブ層では,JIS L 1096 6.26.(2)に記載のB法で定義されるバイレック法での吸水性が50mm以上という吸水性を有することが必要である。これは,給水シートに,給水溝に常時入れて給水溝に給水したとき給水シートが給水溝の高さ以上まで吸水するという能力を具備せしめるためであり,吸水性が50mm未満となると,保水層Cに水分が十分に到達せず,植物が枯れてしまうことになる。さらに,吸水性を向上させたものが必要なときには,ウエブ自体に親水性油剤,例えばポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系化合物を配合した油剤を付着させればよい。
なお,この不織ウエブ層では,熱圧接ロールを用いて熱圧接処理を施した後にアクリル系の樹脂を付着させると,吸水性と根切り性能の両者の特性を同時に向上させることができ,より好ましい。
【0012】
本発明の給水シートは,上記の不織ウエブ層Aの両面に不織ウエブ層Bが積層されてなる保水層Cと,吸水層Dとが積層され,上から順にB層,A層,B層及びD層の各構成繊維がニードルパンチ処理によって相互に三次元的に交絡し,全体として一体化されてなるものである。 ニードルパンチ処理は,上記のB層,A層,B層及びD層を積層し,通常のニードルを用いパンチ密度を50回/cm2 以上150回/cm2 以下の範囲として施す。これにより,B層,A層,B層及びD層の各構成繊維間に三次元的な交絡が形成され,各層が一体化されるのである。なお,本発明の三次元的交絡とはシートの厚み方向に立体的に繊維が交絡していることをいう。
【0013】
本発明の給水シートは,上述したように保水層Cと吸水層Dとが積層・一体化されてなるものであるが,保水層Cが単糸繊度が0.01デニール以上0.5デニール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウエブ層Aと単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bとが積層されてなるものであって,保水層Cが毛細管現象に優れた極細繊維からなる不織ウエブ層Aを一構成要素として有するために,シートとしてバイレツク法での吸水性が100mm以上という高い吸水性を具備するのである。
【0014】
【作用】
本発明の給水シートは,上記の不織ウエブ層BとAとBとが積層されてなる保水層Cと吸水層Dとが積層・一体化されてなるものであり,吸水層Dは,鉢の側面下にある給水溝より吸水できる吸水能力を具備し,また,このウエブの表面が平滑であるため鉢植え植物に対する根切り性をも併せ具備するのである。一方,吸水層Dと積層された保水層Cは,吸水層Dが吸水した水分や水溶性肥料を保持するが,特に保水層Cが単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の長繊維からなる不織ウエブ層B2層の中間に毛細管現象に優れた極細繊維すなわち単糸繊度が0.01デニール以上0.5デニール以下の極細繊維からなる不織ウエブ層Aが位置するために,シートとしてバイレツク法での吸水性が100mm以上という従来にない優れた吸水性を発現するのである。
【0015】
【実施例】
次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例において,各特性値の測定を次の方法により実施した。
融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い,昇温速度20℃/分の条件で測定し,得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点(℃)とした。
メルトフローレート値(g/10分):ASTM−D−1238(L)に記載の方法に準じて測定した。
極限粘度:フエノールと四塩化エタンの等重量混合液を溶媒とし,温度20℃の条件で常法により測定した。
不織布の目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片計10点を作成し,平衡水分に到らしめた後,各試料片の重量(g)を秤量し,得られた値の平均値を単位面積(m2 )当たりに換算し目付け(g/m2 )とした。
保水率(重量%):JIS L 1096 6.26.(2)に記載の方法に準じて測定した。
吸水性(mm):JIS L 1096 6.26.(2)に記載のB法(バイレツク法)に準じて測定した。
通気度(100cm3/cm2/秒):JIS L 1096 6.27.(1)に記載のA法に準じて測定した。
【0016】
実施例1
まず, 融点が160℃でメルトフローレート値が200g/10分の結晶性ポリプロピレンチツプを溶融し,これを孔径が0.45mmのダイから紡糸温度255℃,押出し圧力6kg/cm2 で紡出し,溶融紡出されたポリマ流を温度255℃,圧力2.1kg/cm2 の高圧加熱空気流により牽引・細化した。牽引・細化に引き続き,ポリマ流を冷却し繊維に形成した後,ダイから10cm離れた位置に配設されかつ移動する金網製ベルト上に捕集・堆積させ,単糸繊度が0.03デニールの極細繊維からなる目付けが60g/m2 のメルトブローン不織ウエブを得,これを保水層用不織ウエブAとした。
次に,融点が260℃で極限粘度[η]が0.68のポリエチレンテレフタレートチツプを溶融し,これを直径が0.35mmの紡糸孔が160孔配設された紡糸口金を経て紡糸温度285℃で溶融紡出し,紡糸口金の下流に配設されたエアーサツカにより引取り速度4500m/分で吸引・引取り,開繊器を用いて開繊した後,移動式金網製ベルト上に捕集・堆積させ,単糸繊度が3デニールの長繊維からなるウエブを作成した。次いで,得られたウエブに,親水性油剤(大日本インキ化学工業社製「シリコンUN−12」)を固形分重量比で0.7%付着させて,仕上げ目付けが100g/m2 の保水層用不織ウエブBを得た。
また,上記と同様にして単糸繊度が2.5デニールの長繊維からなるウエブを作成し,温度210℃に加熱された表面が平滑な熱圧接ロールを用い,線圧を50kg/cmとして熱圧接処理を施した。次いで,得られた表面平滑な熱圧接ウエブに,アクリル系樹脂(大日本インキ化学工業社製「ボンコートJH−56」エマルジヨンタイプ)を樹脂付着重量比で15%含浸させ,温度160℃に加熱されたピンテンタ乾燥機を用いて乾燥処理をし,仕上げ目付けが50g/m2 の吸水層用不織ウエブDを得た。
【0017】
次に,上記で得られた不織ウエブA,B及びDを素材として給水シートを作成した。すなわち,不織ウエブDを最下層とし,下から順にD,B,Aそして再度Bを積層した後,ニードルパンチ機(針:オルガン社製PPD−1#40)を用い針密度70回/cm2 の条件で処理を施して各不織ウエブの構成繊維同士を三次元的に交絡させ,仕上目付けが310g/m2 で厚さが3.3mmの給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0018】
実施例2
不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ0.04デニール,5デニール及び1.5デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0019】
実施例3
不織ウエブA及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ0.05デニール及び2デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0020】
実施例4
不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ0.02デニール,7デニール及び2デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0021】
実施例5
不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ0.05デニール,7デニール及び3デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0022】
比較例1
不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ0.8デニール,4デニール及び1.5デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0023】
比較例2
不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ0.8デニール,5デニール及び1.5デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0025】
比較例3
不織ウエブB及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ9デニール及び5デニールとした以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1から明らかなように,本発明の構成要件を満足する実施例1〜5の給水シートは,シートとして優れた吸水性と根切り性とを併せ具備するものであった。これに対し,比較例1及び2の給水シートは,保水層の一構成要素である極細繊維からなる不織ウエブAの単糸繊度が大きいため,シートとしての吸水性が若干低いものであった。また,比較例3の給水シートは,保水層の一構成要素である不織ウエブBの単糸繊度が大きいため保水層の保水性が低下し,したがってシートとしての吸水性が低下した。
【0028】
【発明の効果】
本発明の給水シートは,鉢の側面下にある給水溝より高度に吸水できる吸水能力と鉢植え植物に対する根切り性を併せ具備し,一旦吸水した水分や水溶性肥料を高度に保持する。したがって,多数の鉢に対してその底面から同時に給水を行う方式において底面シートとして本発明の給水シートを用いると,鉢植え栽培での給水作業の省力化と効率化,鉢植え植物の品質安定化が可能になる。
Claims (1)
- 単糸繊度が0.01デニール以上0.5デニール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウエブ層Aの両面に単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bが積層されてなりかつ保水率が200重量%以上である保水層Cと,単糸繊度が0.5デニール以上5デニール以下の熱可塑性合成長繊維からなり,バイレツク法での吸水性が50mm以上,通気度が100cm3/cm2/秒以下でかつ平滑な表面を有する不織ウエブで構成される吸水層Dとが積層され,A層,B層及びD層の各構成繊維がニードルパンチ処理によって相互に三次元的に交絡し,全体として一体化されてなり,かつバイレツク法での吸水性が100mm以上である給水シート。
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