JPH08172946A - 給水シート - Google Patents

給水シート

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JPH08172946A
JPH08172946A JP32790494A JP32790494A JPH08172946A JP H08172946 A JPH08172946 A JP H08172946A JP 32790494 A JP32790494 A JP 32790494A JP 32790494 A JP32790494 A JP 32790494A JP H08172946 A JPH08172946 A JP H08172946A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 単糸繊度が0.01デニール以上0.5デニ
ール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウエブ層
Aの両面に単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の
熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bが積層され
てなりかつ保水率が200重量%以上である保水層C
と,単糸繊度が0.5デニール以上5デニール以下の熱
可塑性合成長繊維からなりバイレツク法での吸水性が5
0mm以上,通気度が100cm3/cm2/秒以下でかつ
平滑な表面を有する不織ウエブで構成される吸水層Dと
が積層され,A層,B層及びD層の各構成繊維がニード
ルパンチ処理によって相互に三次元的に交絡し,全体と
して一体化されてなり,かつバイレツク法での吸水性が
100mm以上である給水シート。 【効果】 吸水能力と根切り性を併せ具備し,一旦吸水
した水分や水溶性肥料を高度に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,鉢植え栽培において鉢
管理の省力化などにつながる給水シート,詳細には多数
の鉢に対してその底面から同時に給水を行う方式におい
て底面シートとして好適に使用し得る給水シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の鉢植え栽培ではハウス内で多数の
鉢を並べ人力又は自動システムにより鉢の上から給水作
業を行なっていた。この給水方法では,鉢の上部より給
水するため鉢の花や葉が破損し,大切に育てた植物が出
荷できなく大きな損害を被ることがある。近年,上述し
た被害をさけるため,鉢の下に不織布製のマツトを敷設
して水平方向より給水する方法が主流となってきた。こ
の方法では,供給された水が直接植物に接触しないため
鉢の花や葉に被害が生ずることはなくなったが,長期間
の栽培中に植物の根が鉢の底面の孔からマツトの中に入
るため,鉢の移動時や出荷時に根を切断しなければ移動
できないという問題があった。また,上記の不織布製の
マツトとしては,一般に,ポリエステル系短繊維からな
る不織布やポリエステル系長繊維からなる不織布,ある
いはこれらの不織布にポリエステル系織物を積層した積
層体が採用されてきた。しかしながら,これらの不織布
や積層体は,いずれも親水処理等の手段によって親水性
が付与された繊維からなるとはいえ,繊維の単糸繊度が
3デニール以上と高デニールであるために繊維と繊維と
の間に水が溜まるものの,鉢内の中ほどまで水が十分に
上昇しない,すなわち保水性が乏しく鉢内の植物が枯れ
てしまうという問題があった。なお,保水性を向上させ
るべく上記の親水処理を強化すると,保水性は確かに向
上するものの,逆に鉢内が過湿状態になって根腐れを引
き起こすという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記課題を
解決し,鉢植え栽培での給水作業の省力化と効率化,鉢
植え植物の品質安定化を可能にした給水シートを提供し
ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は,単糸繊度が0.01デニール以上0.
5デニール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウ
エブ層Aの両面に単糸繊度が1デニール以上7デニール
以下の熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bが積
層されてなりかつ保水率が200重量%以上である保水
層Cと,単糸繊度が0.5デニール以上5デニール以下
の熱可塑性合成長繊維からなり,バイレツク法での吸水
性が50mm以上,通気度が100cm3/cm2/秒以下
でかつ平滑な表面を有する不織ウエブで構成される吸水
層Dとが積層され,A層,B層及びD層の各構成繊維が
ニードルパンチ処理によって相互に三次元的に交絡し,
全体として一体化されてなり,かつバイレツク法での吸
水性が100mm以上である給水シートを要旨とするも
のである。
【0005】以下,本発明を詳細に説明する。まず,本
発明における不織ウエブ層Aは,熱可塑性合成極細繊維
からなるものである。熱可塑性合成長繊維としては,ポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,共重合ポリエステル等のポリエステル系,ポリエチ
レン,ポリプロピレン等のポリオレフイン系,ナイロン
6,ナイロン66,ナイロン610等のポリアミド系等
の重合体からなるものや,これらのブレンド物からなる
ものが用いられる。なお,本発明において,前記熱可塑
性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し剤,顔料,
防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化防止剤等の
各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加す
ることができる。この極細繊維からなる不織ウエブは,
前記熱可塑性重合体を用いいわゆるメルトブローン法に
より得られるものである。すなわち,前記重合体を溶融
紡出し,溶融紡出された重合体流を溶融温度より高い温
度の高圧空気流により牽引・細化し,冷却した後,移動
する捕集面上に捕集・堆積させて不織ウエブとすること
によって得ることができる。上記不織ウエブ層Aでは,
熱可塑性合成極細繊維の単糸繊度が0.01デニール以
上0.5デニール以下の範囲にあることが必要である。
単糸繊度が0.01デニール未満の場合,単糸繊度が小
さ過ぎるために製糸性が低下し,一方,単糸繊度が0.
5デニールを超えると,この不織ウエブ層と他の不織ウ
エブ層Bとを積層してなる保水層Cにおいて,保水層C
において200重量%以上の十分な保水率を具備せしめ
ることが困難となり,いずれも好ましくない。
【0006】次に,本発明における不織ウエブ層Bは,
熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブで構成されるも
のである。熱可塑性合成長繊維としては,ポリエチレン
テレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,共重合
ポリエステル等のポリエステル系,ポリエチレン,ポリ
プロピレン等のポリオレフイン系,ナイロン6,ナイロ
ン66,ナイロン610等のポリアミド系等の重合体か
らなるものや,これらのブレンド物からなるものが用い
られる。また,繊維の形態としては,これらの重合体単
独からなるものの他に,例えば貼り合わせ型や芯鞘型等
の二種以上の重合体が複合したものであっても良い。さ
らに,中空型であってもよい。なお,本発明において,
前記熱可塑性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し
剤,顔料,防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化
防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲
内で添加することができる。上記不織ウエブ層Bでは,
熱可塑性合成長繊維の単糸繊度が1デニール以上7デニ
ール以下の範囲にあることが必要である。単糸繊度が1
デニール未満の場合,単糸繊度が小さ過ぎるために,こ
の繊維からなるウエブを一構成要素として積層した後に
ニードルパンチ処理を施す工程で繊維同士が交絡し過
ぎ,得られたニードルパンチウエブは風合が硬く,密度
の大きなものとなる。したがって,1デニール未満で得
られたニードルパンチウエブを給水シートの保水層とし
て用いた場合,単糸繊度が小さ過ぎて繊維間の空隙が少
ないため,水を保持する容積が小さくなり,たとえメル
トブローン法により得られる上記の不織ウエブ層を積層
しても保水性が低下し,保水層Cにおいて200重量%
以上の十分な保水率を具備せしめることが困難となるの
である。一方、単糸繊度が7デニールを超える場合,ニ
ードルパンチ処理を施す工程で形成される繊維同士の交
絡が少なく,得られたニードルパンチウエブは単糸がウ
エブから剥離し,さらに繊維間の空隙が大き過ぎるため
に保水してもすぐに排出され,保水能力が不足して鉢植
え植物が枯れるなどの問題が発生する。
【0007】この保水層Cでは,保水性を保持するに関
して層の厚みが重要で,厚みが小さいと保水性が低下し
て植物が枯れることがあり,逆に厚みが大き過ぎると保
水性が高過ぎ鉢内が過湿状態になって根腐れが発生す
る。したがって,この保水層Cの厚みは2.0mm以上
5.0mm以下の範囲とするのが好ましい。
【0008】上記不織ウエブ層AとBとが積層されてな
る保水層Cは,JIS L 1096 6.26.(2)に記載の方法で求
められる保水率にて200重量%以上となる保水能力を
具備することが必要であり,これ以下では保水量が不足
して吸水層から鉢植え植物へ十分に水を供給できなくな
り,好ましくない。本発明の給水シートでは,保水層C
は上述した構成を全て満足するものであって,これによ
り保水率が200重量%以上の層となるのである。
【0009】また,本発明における吸水層Dは,熱可塑
性合成長繊維からなる不織ウエブで構成されるものであ
る。熱可塑性合成長繊維としては,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート,共重合ポリエ
ステル等のポリエステル系,ポリエチレン,ポリプロピ
レン等のポリオレフイン系,ナイロン6,ナイロン6
6,ナイロン610等のポリアミド系等の重合体からな
るものや,これらのブレンド物からなるものが用いられ
る。また,繊維の形態としては,これらの重合体単独か
らなるものの他に,例えば貼り合わせ型や芯鞘型等の二
種以上の重合体が複合したものであっても良い。さら
に,中空型であってもよい。なお,本発明において,前
記熱可塑性重合体には,必要に応じて,例えば艶消し
剤,顔料,防炎剤,消臭剤,光安定剤,熱安定剤,酸化
防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲
内で添加することができる。上記吸水層Dを構成する不
織ウエブ層では,吸水性と根切り性との両特性を具備せ
しめるために,熱可塑性合成長繊維の単糸繊度が0.5
デニール以上5デニール以下の範囲にあることが必要で
あり,好ましくは1デニール以上3デニール以下であ
る。単糸繊度が0.5デニール未満の場合,この繊維か
らなる不織ウエブに熱圧接ロールを用いて圧接を施す
と,単糸繊度が小さ過ぎるために被圧接個所がフイルム
状になって根切り性は向上するものの,逆に吸水性が低
下し,一方,単糸繊度が5デニールを超えると,単糸繊
度が大きいために繊維間の空隙が大きくなり過ぎ,根が
繊維間の空隙に侵入し鉢の移動時に根を切らなくては移
動できないという問題が生じ,いずれも好ましくない。
【0010】この不織ウエブ層は,バイレツク法での吸
水性が50mm以上でかつ通気度が100cm3/cm2/
秒以下のものであり,しかも平滑な表面を有する。この
平滑な表面とは,表面が平滑な熱圧接ロールを用いて熱
圧接処理を施すことにより得られるものであり,このよ
うな処理によりウエブの表面は平滑になって植物の根が
保水層Cの中に侵入することがない。根が保水層Cに侵
入しない目安として繊維間の空隙の度合いを表す尺度で
ある通気度があり,このウエブ層では,通気度を100
cm3/cm2/秒以下とする必要がある。通気度を100
cm3/cm2/秒以下とするには,熱圧接ロールの温度を
高くするか,あるいは熱圧接ロールの線圧を上げる等の
手段を採用するとよい。
【0011】この不織ウエブ層では,JIS L 1096 6.26.
(2)に記載のB法で定義されるバイレック法での吸水性
が50mm以上という吸水性を有することが必要であ
る。これは,給水シートに,給水溝に常時入れて給水溝
に給水したとき給水シートが給水溝の高さ以上まで吸水
するという能力を具備せしめるためであり,吸水性が5
0mm未満となると,保水層Cに水分が十分に到達せ
ず,植物が枯れてしまうことになる。さらに,吸水性を
向上させたものが必要なときには,ウエブ自体に親水性
油剤,例えばポリエチレンオキサイド,ポリプロピレン
オキサイド等のポリエーテル系化合物を配合した油剤を
付着させればよい。なお,この不織ウエブ層では,熱圧
接ロールを用いて熱圧接処理を施した後にアクリル系の
樹脂を付着させると,吸水性と根切り性能の両者の特性
を同時に向上させることができ,より好ましい。
【0012】本発明の給水シートは,上記の不織ウエブ
層Aの両面に不織ウエブ層Bが積層されてなる保水層C
と,吸水層Dとが積層され,上から順にB層,A層,B
層及びD層の各構成繊維がニードルパンチ処理によって
相互に三次元的に交絡し,全体として一体化されてなる
ものである。 ニードルパンチ処理は,上記のB層,A
層,B層及びD層を積層し,通常のニードルを用いパン
チ密度を50回/cm2 以上150回/cm2 以下の範
囲として施す。これにより,B層,A層,B層及びD層
の各構成繊維間に三次元的な交絡が形成され,各層が一
体化されるのである。なお,本発明の三次元的交絡とは
シートの厚み方向に立体的に繊維が交絡していることを
いう。
【0013】本発明の給水シートは,上述したように保
水層Cと吸水層Dとが積層・一体化されてなるものであ
るが,保水層Cが単糸繊度が0.01デニール以上0.
5デニール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウ
エブ層Aと単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の
熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bとが積層さ
れてなるものであって,保水層Cが毛細管現象に優れた
極細繊維からなる不織ウエブ層Aを一構成要素として有
するために,シートとしてバイレツク法での吸水性が1
00mm以上という高い吸水性を具備するのである。
【0014】
【作用】本発明の給水シートは,上記の不織ウエブ層B
とAとBとが積層されてなる保水層Cと吸水層Dとが積
層・一体化されてなるものであり,下層に吸水層Dが位
置するため鉢の側面下にある給水溝より吸水できる吸水
能力を具備し,また,このウエブの表面が平滑であるた
め鉢植え植物に対する根切り性をも併せ具備するのであ
る。一方,上層に保水層Cが位置し,下層の吸水層Dが
吸水した水分や水溶性肥料を保持するが,特に保水層C
が単糸繊度が1デニール以上7デニール以下の長繊維か
らなる不織ウエブ層B2層の中間に毛細管現象に優れた
極細繊維すなわち単糸繊度が0.01デニール以上0.
5デニール以下の極細繊維からなる不織ウエブ層Aが位
置するために,シートとしてバイレツク法での吸水性が
100mm以上という従来にない優れた吸水性を発現す
るのである。
【0015】
【実施例】次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。実施例において,各特性値の測定を
次の方法により実施した。 融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DS
C−2型を用い,昇温速度20℃/分の条件で測定し,
得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点
(℃)とした。メルトフローレート値(g/10分):
ASTM−D−1238(L)に記載の方法に準じて測
定した。 極限粘度:フエノールと四塩化エタンの等重量混合液を
溶媒とし,温度20℃の条件で常法により測定した。 不織布の目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦1
0cm×横10cmの試料片計10点を作成し,平衡水
分に到らしめた後,各試料片の重量(g)を秤量し,得
られた値の平均値を単位面積(m2 )当たりに換算し目
付け(g/m2)とした。 保水率(重量%):JIS L 1096 6.26.(2)に記載の方法
に準じて測定した。 吸水性(mm):JIS L 1096 6.26.(2)に記載のB法
(バイレツク法)に準じて測定した。 通気度(100cm3/cm2/秒):JIS L 1096 6.27.
(1)に記載のA法に準じて測定した。
【0016】実施例1 まず, 融点が160℃でメルトフローレート値が20
0g/10分の結晶性ポリプロピレンチツプを溶融し,
これを孔径が0.45mmのダイから紡糸温度255
℃,押出し圧力6kg/cm2 で紡出し,溶融紡出され
たポリマ流を温度255℃,圧力2.1kg/cm2
高圧加熱空気流により牽引・細化した。牽引・細化に引
き続き,ポリマ流を冷却し繊維に形成した後,ダイから
10cm離れた位置に配設されかつ移動する金網製ベル
ト上に捕集・堆積させ,単糸繊度が0.03デニールの
極細繊維からなる目付けが60g/m2 のメルトブロー
ン不織ウエブを得,これを保水層用不織ウエブAとし
た。次に,融点が260℃で極限粘度[η]が0.68のポ
リエチレンテレフタレートチツプを溶融し,これを直径
が0.35mmの紡糸孔が160孔配設された紡糸口金
を経て紡糸温度285℃で溶融紡出し,紡糸口金の下流
に配設されたエアーサツカにより引取り速度4500m
/分で吸引・引取り,開繊器を用いて開繊した後,移動
式金網製ベルト上に捕集・堆積させ,単糸繊度が3デニ
ールの長繊維からなるウエブを作成した。次いで,得ら
れたウエブに,親水性油剤(大日本インキ化学工業社製
「シリコンUN−12」)を固形分重量比で0.7%付
着させて,仕上げ目付けが100g/m2 の保水層用不
織ウエブBを得た。また,上記と同様にして単糸繊度が
2.5デニールの長繊維からなるウエブを作成し,温度
210℃に加熱された表面が平滑な熱圧接ロールを用
い,線圧を50kg/cmとして熱圧接処理を施した。
次いで,得られた表面平滑な熱圧接ウエブに,アクリル
系樹脂(大日本インキ化学工業社製「ボンコートJH−
56」エマルジヨンタイプ)を樹脂付着重量比で15%
含浸させ,温度160℃に加熱されたピンテンタ乾燥機
を用いて乾燥処理をし,仕上げ目付けが50g/m2
吸水層用不織ウエブDを得た。
【0017】次に,上記で得られた不織ウエブA,B及
びDを素材として給水シートを作成した。すなわち,不
織ウエブDを最下層とし,下から順にD,B,Aそして
再度Bを積層した後,ニードルパンチ機(針:オルガン
社製PPD−1#40)を用い針密度70回/cm2
条件で処理を施して各不織ウエブの構成繊維同士を三次
元的に交絡させ,仕上目付けが310g/m2 で厚さが
3.3mmの給水シートを作成した。得られた不織ウエ
ブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特性,
不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水シー
トの特性を表1に示す。
【0018】実施例2 不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞ
れ0.04デニール,5デニール及び1.5デニールと
した以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成し
た。得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機
能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の
特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0019】実施例3 不織ウエブA及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ
0.05デニール及び2デニールとした以外は実施例1
と同様にして,給水シートを作成した。得られた不織ウ
エブBとAとBとが積層体として機能する保水層の特
性,不織ウエブDが機能する吸水層の特性,そして給水
シートの特性を表1に示す。
【0020】実施例4 不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞ
れ0.02デニール,7デニール及び2デニールとした
以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能す
る保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特
性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0021】実施例5 不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞ
れ0.05デニール,7デニール及び3デニールとした
以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成した。
得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機能す
る保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の特
性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0022】比較例1 不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞ
れ0.8デニール,4デニール及び1.5デニールとし
た以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成し
た。得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機
能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の
特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0023】比較例2 不織ウエブA,B及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞ
れ0.8デニール,5デニール及び1.5デニールとし
た以外は実施例1と同様にして,給水シートを作成し
た。得られた不織ウエブBとAとBとが積層体として機
能する保水層の特性,不織ウエブDが機能する吸水層の
特性,そして給水シートの特性を表1に示す。
【0024】比較例3 不織ウエブB及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ5
デニール及び8デニールとした以外は実施例1と同様に
して,給水シートを作成した。得られた不織ウエブBと
AとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウ
エブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特
性を表1に示す。
【0025】比較例4 不織ウエブB及びDの構成繊維の単糸繊度をそれぞれ9
デニール及び5デニールとした以外は実施例1と同様に
して,給水シートを作成した。得られた不織ウエブBと
AとBとが積層体として機能する保水層の特性,不織ウ
エブDが機能する吸水層の特性,そして給水シートの特
性を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように,本発明の構成要
件を満足する実施例1〜5の給水シートは,シートとし
て優れた吸水性と根切り性とを併せ具備するものであっ
た。これに対し,比較例1及び2の給水シートは,保水
層の一構成要素である極細繊維からなる不織ウエブAの
単糸繊度が大きいため,シートとしての吸水性が若干低
いものであった。また,比較例3の給水シートは,吸水
層の不織ウエブDの単糸繊度が大きいため,シートとし
ての吸水性と根切り性が共に低下した。さらに,比較例
4の給水シートは,保水層の一構成要素である不織ウエ
ブBの単糸繊度が大きいため保水層の保水性が低下し,
したがってシートとしての吸水性が低下した。
【0028】
【発明の効果】本発明の給水シートは,鉢の側面下にあ
る給水溝より高度に吸水できる吸水能力と鉢植え植物に
対する根切り性を併せ具備し,一旦吸水した水分や水溶
性肥料を高度に保持する。したがって,多数の鉢に対し
てその底面から同時に給水を行う方式において底面シー
トとして本発明の給水シートを用いると,鉢植え栽培で
の給水作業の省力化と効率化,鉢植え植物の品質安定化
が可能になる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度が0.01デニール以上0.5
    デニール以下の熱可塑性合成極細繊維からなる不織ウエ
    ブ層Aの両面に単糸繊度が1デニール以上7デニール以
    下の熱可塑性合成長繊維からなる不織ウエブ層Bが積層
    されてなりかつ保水率が200重量%以上である保水層
    Cと,単糸繊度が0.5デニール以上5デニール以下の
    熱可塑性合成長繊維からなり,バイレツク法での吸水性
    が50mm以上,通気度が100cm3/cm2/秒以下で
    かつ平滑な表面を有する不織ウエブで構成される吸水層
    Dとが積層され,A層,B層及びD層の各構成繊維がニ
    ードルパンチ処理によって相互に三次元的に交絡し,全
    体として一体化されてなり,かつバイレツク法での吸水
    性が100mm以上である給水シート。
JP32790494A 1994-12-28 1994-12-28 給水シート Expired - Lifetime JP3676836B2 (ja)

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