JP5347825B2 - 揚水性繊維構造体 - Google Patents
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すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
本発明は、長繊維からなる不織布が圧着されて連続細孔を形成した繊維構造体であって、大気圧下での揚水ヘッド差が50cm以上である揚水性繊維構造体である。
本発明の揚水性繊維構造体を構成する不織布は、長繊維不織布である。短繊維不織布では、揚水に必要な微細な連続細孔が途中で途切れて連続性を失うことによる揚水ヘッド差の低下を生じる場合があり好ましくない。本発明では、連続繊維であれば、特には限定されないが、好ましくは、揚水方向に連続した細孔を形成しやすいスパンボンド不織布または、引き揃えトウからなる不織布であり、特に好ましくは、生産性が高く、揚水繊維構造体を安価に提供できるスパンボンド不織布である。
厚み方向において1〜20μmの空隙を多数形成した緻密構造部分を目視で判断し、緻密連続層の厚みを判定する。たとえば、図−1の写真では緻密連続層の厚みを217μmと判断した。次いで、緻密連続層の断面写真より繊維間空隙を測定する。空隙が細長い場合は、細い幅が1〜20μmの空隙部分を有効部分とし繊維間空隙幅が1〜20μmの空隙とする。幅長さとも1μm未満および幅長さとも20μmを越える空隙部分は無効部分として、抽出コピー写真から空隙部分を切り抜き、空隙部分の有効部分Waと無効部分Wbの各重量を積算して、全空隙部分のうち有効空隙部分の比率を求めて、その比率が10〜100%である部分が一定厚みで連続している部分を、繊維間空隙幅が1μm〜20μmの空隙を形成した連続層とする。
エンボス加工機やカレンダー加工機など熱圧着方式にて繊維構造体を形成した場合、通常、連続層は表面となる上層と下層に形成される。このように厚み方向において連続層が複数形成された場合は、個々の層において緻密連続層および繊維間空隙幅1〜20μmの有効空隙率を求め、有効空隙率はそれらの平均値で示し、繊維間空隙幅1〜20μmの連続層の厚みは積算値で示す。
それぞれの測定位置で求められた繊維間空隙幅1〜20μmの有効空隙率、繊維間空隙幅1〜20μmの連続層の厚みを算術平均値(3点×5箇所)で示す。
本発明における連続層の厚みは、上述の連続層で抽出したSEM写真から判断した連続層とした緻密層の厚みを言う。連続層の厚みは好ましくは40μm以上、より好ましくは100μm以上であり、最も好ましくは、200μm以上不織布の厚み全体が連続層である。連続層が40μm未満では、親水性であっても、揚水ヘッド差が50cmを越えない場合があり、好ましくない。逆に、本発明で定義する親水性ではない場合は、充分な厚みの連続層が形成されていても、揚水ヘッド差が50cmを越えることがなく、好ましくない。
本発明での好ましいポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート(PCHT)などが例示できる。本発明でのポリエステル成分は、共重合ポリエステルでは、結晶性の低下や融点低下を生じるものがあり、ホモポリエステルを95モル%以上含有させることで、耐熱性、繊維形態保持性が確保できるので好ましく、最も好ましくは汎用性の高いポリエチレンテレフタレート99モル%以上である。なお、本発明では、特性を低下させない範囲で、必要に応じて、抗酸化剤、耐光剤、着色剤、抗菌剤、難燃剤、親水化剤などの改質剤を添加できる。
本発明での最も好ましい、ポリエチレンテレフタレートを用いる製造法について以下に述べる。
主成分として固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを乾燥し、次いで、通常の溶融紡糸機にて、紡糸温度285℃にて紡糸する。吐出量は所望の繊度を得るために、設定牽引速度に応じて設定する。例えば、2dtexの繊維を得たい場合、牽引による紡糸速度を4500m/分に設定する時は、単孔吐出量を0.9g/分にて吐出する。
紡糸された吐出糸条はノズル直下〜10cm下で冷却風により冷却されつつ、下方に設置された牽引ジェットにて牽引細化されて固化する。
エンボス加工では、ドット圧着が推奨されるため、不織布の目付は250g/m2以上でないと圧着状態が不良になり、連続層を形成できない。より好ましい目付は250〜1000g/m2である。加熱温度は融点より15〜35℃低い温度で、線圧を150〜300KN/cmにて、圧着面積が8〜30%のドットエンボスであるのが好ましい。圧着部分が連続して形成された格子柄やダイヤ柄では、高圧で圧着した場合、連続細孔が切断されて揚水ヘッド差が低くなる場合があるので、本発明で推奨される圧着文様は、ドット形状の圧着部を形成して、圧着により形成された微細な連続細孔が切断されないエンボス文様である、横楕円柄、ダイヤ凸柄や織目凸柄などが例示できる。圧着面積は、8%未満では、圧着構造の形態保持性が劣り好ましくない。30%を越えると連続細孔の総数が減少して揚水ヘッド差が高くできない場合がある。本発明では、圧着面積は8〜30%が好ましく、より好ましくは10〜20%である。
なお、本発明における実施例で記載する評価は以下の方法による。
不織布表面の任意の場所10点から1cm2を取り、各n=20を測定して求めて得た繊維径の総平均値φaより、繊維の比重各n=3を測定して得た平均値ρaより下記式にて繊度(dtex)を求める。
繊度(dtex)=π×φa2×ρa/400
JIS L−1096(2000)に準じて測定した単位面積あたりの質量(Ms):g/m2
JIS L−1096(2000)に準じ、荷重0.196Nにて測定した厚み(ti):mmを求め、下記式にて見掛密度を求めた。
見掛密度(g/cm3)=Ms/(1000×1000×0.1ti)
エンボス加工した場合のみに適用する。エンボス加工不織布1m2の表面を20箇所サンプリングし、SEMにて500倍の写真をとり、1000倍に拡大した写真を印刷して、圧着部を切り抜き、切り抜いた圧着部の面積(Sp)を求め、単位面積あたりの圧着部数から、全体の面積(S0)に対してのSpの比率を求める。(n=20の平均値)但し、カレンダー加工不織布は100%とする。
P=100×1/n(Σ(Sp/S0))
JIS L−1906(2000) 5.9に準拠して求めた熱収縮率を乾熱収縮率(%)とする。
JIS L−1907(2004)の滴下法に準拠し、繊維構造体表面での水の特別な反射がしなくなる時間(水を吸い込んだ時間)を測定する。
揚水性構造体の幅方向の任意の5箇所より断面写真を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、撮影視野に繊維構造体断面の全体写真が入るように倍率を調整して撮影する。この全体写真を網羅するように撮影写真視野が幅400μmとなるように拡大したSEM写真を撮影し、拡大した合成全体写真を作成する。その合成写真より幅方向に3点を選択し、緻密連続層、繊維間空隙1〜20μmの有効空隙率および繊維間空隙1〜20μmの連続層の厚みを求める。
厚み方向において1〜20μmの空隙を多数形成した緻密構造部分を目視で判断し、緻密連続層の厚みを判定する。たとえば、図−1の写真では緻密連続層の厚みを217μmと判断した。次いで、緻密連続層の断面写真より繊維間空隙を測定する。空隙が細長い場合は、細い幅が1〜20μmの空隙部分を有効部分とし繊維間空隙幅が1〜20μmの空隙とする。幅長さとも1μm未満および幅長さとも20μmを越える空隙部分は無効部分として、抽出コピー写真から空隙部分を切り抜き、空隙部分の有効部分Waと無効部分Wbの各重量を積算して、全空隙部分のうち有効空隙部分の比率を求めて、その比率が10〜100%である部分が一定厚みで連続している部分を、繊維間空隙幅が1μm〜20μmの空隙を形成した連続層とする。
エンボス加工機やカレンダー加工機など熱圧着方式にて繊維構造体を形成した場合、通常、連続層は表面となる上層と下層に形成される。このように厚み方向において連続層が複数形成された場合は、個々の層において緻密連続層および繊維間空隙幅1〜20μmの有効空隙率を求め、有効空隙率はそれらの平均値で示し、繊維間空隙幅1〜20μmの連続層の厚みは積算値で示す。
それぞれの測定位置で求められた繊維間空隙幅1〜20μmの有効空隙率、繊維間空隙幅1〜20μmの連続層の厚みを算術平均値(3点×5箇所)で示す。
繊維構造体を幅4cm、長さ120cmに切断したシートに厚み0.03mmのポリエチレンで被覆(接合点は熱圧着で袋状としたものにシートを挿入して周りを被覆)したものを測定サンプルとし、高さ110cmまで、垂直に測定サンプルを吊り下げられるようにした架台にセットし、上部5cmは開放し、下部5cmも開放して水面下に接しておくようにして、24時間に揚水した水面から揚水した高さ(揚水高さ)までの距離Lcm(少数点2桁まで測定、2桁目を四捨五入)をn=5で測定した値の平均値で示す。
水源からのヘッド差を60cmとして、60cm上に幅20cm、長さ20cm、深さ10cmの栽培ポットを設置し、栽培ポット底面内に東洋紡績株式会社製コスモA−1を敷き詰めて、幅4cmの評価用揚水サンプル4本を水源からポットまでをポリエチレンで被覆し、ポット底辺に孔を空けて、底面でコスモA−1に4箇所で接合させて設置、設置したポット内に、腐葉土10部と鹿沼土90部を混ぜた土を10cmまで敷き詰め、その土の表面に、直前まで地面に生えていた高麗芝を刈り取ってポット全面に貼り付けた。次いで、最初だけ、散水したが、以降は、水を与えないように屋根を架けて、7月初旬〜10月初旬の3ヶ月間放置して芝の生育状態を観察し、以下の評価を行った。
3ヶ月間枯れなし:◎、部分枯れ少し:○、半分以上枯れた:△、すべて枯れた:×
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)を紡糸温度285℃、単孔吐出量1.12g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度4500m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落して目付280g/m2のウエッブを得た。連続して、ネット上で230℃の予備圧着ローラーにて押さえ処理を行い単糸繊度2.5dtexの長繊維からなるウエッブを得た。次いで、得られたウエッブを3層積層して、ペネ40でニードルパンチ加工して積層一体化して、次いで、カレンダー加工機にて、最適加熱温度として240℃にて、線圧200kN/mにて圧着加工して、目付840g/m2の不織布を得た。得られた不織布は、次いで、高松油脂株式会社製のポリエステル系親水化剤SR1800推奨処方にて、パッド・キヤー処方にて浸漬−搾り−乾燥−熱処理して、付着量1.8重量%の繊維構造体を得た。
得られた繊維ウエッブ及び繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例1の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な揚水効果を示した。
カレンダー加工での線圧を100kN/cmとした以外、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例2の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な結果を示した。
実施例1で得た目付280g/m2のウエッブを2枚積層してニードルパンチで一体化した以外、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例3の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は60cm以上となる揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な結果を示した。
積層枚数を2枚積層したウエッブを用いた以外、実施例2と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例4の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は60cm以上となる揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも問題のない結果を示した。
ネットコンベア上に積層するウエッブの目付を50g/m2とし、積層一体化しないで230℃にてカレンダー加工した以外、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例5の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は60cm以上となる揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも問題のない結果を示した。
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)99重量%とRohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS hw55(hw55)を0.4重量%を混合乾燥した樹脂を用いて、単孔吐出量0.87g/分にて溶融紡糸し、紡糸速度3500m/分にて引取り、カレンダー加工温度を220℃とした以外、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を満たす実施例6の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は60cm以上となる揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な結果を示した。
親水加工処理しなかった以外は、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を外れる比較例1の繊維構造体は、親水性ではないため、揚水機能が著しく劣る繊維構造体であり、栽培評価では非常に悪い結果を示した。
ニードルパンチをペネ100にて行い、カレンダー加工しない以外は、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を外れる比較例2の繊維構造体は、親水性は優れているが、微細な連続細孔がない構造のため、揚水機能が著しく劣る繊維構造体であり、栽培評価では非常に悪い結果を示した。
3dtexのポリエチレンテレフタレート短繊維70重量%と1.5dtexのポリエチレンをシース、ポリエチレンテレフタレートをコアにした芯鞘型短繊維30重量%を混綿開繊したウエッブを積層して240g/m2とし、ペネ40にてニードルパンチ加工で一体化した不織布を、カレンダー加工温度100℃とし、線圧200kN/cmにてカレンダー加工し、次いで、実施例1と同様にして親水化処理して得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を外れる比較例3の繊維構造体は、微細な連続細孔を有する連続層は存在し、親水加工されているにもかかわらず、揚水機能が劣る繊維構造体であり、栽培評価では非常に悪い結果を示した。
カレンダー加工温度を250℃とした以外、実施例5と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表1に示す。
本発明の要件を外れる比較例4の繊維構造体は、カレンダー加工での圧着が進みすぎてフィルム化しており、微細な連続細孔をもつ連続層が少ない構造のため、揚水機能が非常に劣る繊維構造体であった。栽培評価は行わなかった。
ニードルパンチした不織布を、親水化処理して後に、カレンダー加工した以外、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を満たす実施例7の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であり、栽培評価でも良好な結果を示した。
カレンダー加工の代わりに、圧着面積率18%の横楕円ドット状のエンボスローラーにて、最適加熱温度として240℃にて、線圧250kN/mにてエンボス加工した以外、実施例1と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を満たす実施例8の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な結果を示した。
親水化加工を行った後で、エンボス加工した以外、実施例8と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を満たす実施例9の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な結果を示した。
実施例8で得たウエッブを、単層のままニードルパンチで一体化せずにエンボス加工した以外、実施例8と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を満たす実施例10の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも問題のない結果を示した。
単孔吐出量を0.36g/分とし、引取り積層ウエッブの目付を150g/m2とした以外、実施例2と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を満たす実施例11の繊維構造体は、優れた揚水機能を示し、揚水ヘッド差は100cm以上となる(計測は100cmまでなので、それを超えていた)揚水性繊維構造体であった。栽培評価でも良好な結果を示した。
ウエッブ目付を30g/m2とし、エンボス加工温度を230℃とした以外、実施例5と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を外れる比較例5の繊維構造体は、揚水に必要な微細な連続細孔からなる連続層の形成が不充分なため揚水機能がやや劣る繊維構造体であり、栽培評価でもやや悪い結果を示した。
カレンダー加工温度を230℃とした以外、実施例10と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を外れる比較例6の繊維構造体は、揚水に必要な微細な連続細孔からなる連続層となる部分がドット部にしか形成されず、連続層が遮断されているため揚水機能がやや劣る繊維構造体であり、栽培評価でも悪い結果を示した。
カレンダー加工温度を210℃とした以外、実施例1と同様にして得た得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を外れる比較例7の繊維構造体は、カレンダー温度が低いため、揚水に必要な微細な連続細孔からなる連続層が形成されず、揚水機能がやや劣る繊維構造体であり、栽培評価でも悪い結果を示した。
単繊維繊度を10.5dtexとした以外、実施例8と同様にして得た繊維構造体の評価結果を表2に示す。
本発明の要件を外れる比較例8は、繊度が太いため、微細な連続細孔の形成が少ないため揚水機能がやや劣る繊維構造体であった。栽培評価では非常に悪い結果を示した。
市販の吸揚水シートである、東洋紡績株式会社製コスモA−1(吸水繊維を混繊した不織布)を用いた評価結果を表2に示す。
吸水繊維は吸水した水分が飽和するまで吸収するので、揚水水量が少ないと毛細管現象で揚水できる揚水ヘッド差までも揚水できない(止水効果を発揮)場合があり、微細な連続細孔を有しないため、揚水ヘッド差は低くなる例である。
Claims (5)
- 単繊維の繊度が0.5〜5dtexのポリエステル長繊維からなるスパンボンド不織布がカレンダー加工またはエンボス加工で圧着されることにより連続細孔を形成した繊維構造体であって、繊維構造体が、JIS L−1907(2004)の滴下法で5秒以下の親水性能を有し、繊維構造体中に繊維間空隙幅が1μm〜20μmの空隙を有する連続細孔を形成した緻密な連続層を有し、該緻密な連続層の厚みが40μm以上であり、見掛密度が0.15〜0.90g/cm 3 、明細書に記載の方法で測定される揚水ヘッド差が50cm以上である揚水性繊維構造体。
- 大気圧下での揚水ヘッド差が70〜150cmである請求項1記載の揚水性繊維構造体。
- 緻密な連続層の有効空隙率が10〜100%である請求項1または2記載の揚水性繊維構造体。
- ポリエステル長繊維からなるスパンボンド不織布の繊維表面が親水性ポリエステルで樹脂加工された請求項1に記載の揚水性繊維構造体。
- 揚水部および放水部以外の外周が、水の蒸発放散を抑制できる被覆材で被覆されている
請求項1〜4のいずれかに記載の揚水性繊維構造体。
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