JP5481314B2 - 積層不織布及びワイパー - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電所の炉心やその周辺機器において水が充填されている槽やタンクを拭き取る用途などに利用される積層不織布及びワイパーに関する。
拭き取りを目的としたワイパーは多数提案されているが、いずれも吸水性の高い素材で構成されている。さらに、このようなワイパーとしては、生産性が高く、吸水性にも優れている点から、親水性繊維で構成された不織布などが汎用されている。一方、吸水性の高いワイパーは、吸水性が高く、拭き取り性に優れる反面、ワイパーが水面に落下した場合、水中に沈むという特徴を有している。ワイパーが水中に沈んでも、一般家庭などで使用される場合にはさほど問題とならないが、ワイパーが工場設備における貯水槽や貯水タンクなどの清掃に利用される場合には、人的ミスで落下すると、貯水槽やタンクの底にワイパーが沈み、回収が困難となる。特に、原子力発電所での水槽やタンクでは、危険性も高く、厳重な管理を必要とし、例えば、使用済み燃料プールやキャビティ周辺で使用されたワイパーが沈降して異物化すると、大事故を誘発する虞がある。そこで、拭き取り性が高く、水に沈まないワイパーが提案されている。
実開平6−66553号公報(特許文献1)には、木綿繊維などのウエス素材で構成された正方形状ウエスであって、その一角に発泡ポリエチレンで構成された三角形状フロート材を包み込んで縫製したウエスが開示されている。しかし、このワイパーでは、吸水性は良好であるもの、一角に発泡ポリエチレンを有するため、ワイパーの柔軟性が不均一であり、清掃作業性が低い。
実開平6−66553号公報(実用新案登録請求の範囲、考案の詳細な説明、図−1)
従って、本発明の目的は、吸水性を有し、柔軟性が高く、かつ水に浮く積層不織布及びこの積層不織布で形成されたワイパーを提供することにある。
本発明の他の目的は、ワイパーとしての清掃作業性、取り扱い性及び耐久性に優れ、水槽に落下しても水面に浮いて回収し易い積層不織布及びこの積層不織布で形成されたワイパーを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、親水性繊維を含む不織布と非親水性繊維を含む不織布とを接着層を介して積層し、各層の目付を調整することにより、吸水性を有し、柔軟性が高いにも拘わらず、水に浮く不織布が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層不織布は、親水性繊維を含む不織布で形成された表層と、非親水性繊維を含む不織布で形成された裏層と、前記表層と前記裏層との間に介在する接着層とで構成された積層不織布であって、前記表層の目付と、前記裏層及び前記接着層の合計の目付との比が、前者/後者=55/45〜40/60である。前記表層の不織布は、親水性繊維を50質量%以上含んでいてもよく、特に、親水性繊維100質量部に対して非親水性繊維10〜50質量部を含んでいてもよい。前記表層の不織布は、前記親水性繊維がセルロース系繊維を含み、かつ非親水性繊維がポリオレフィン繊維を含んでいてもよい。特に、前記親水性繊維はセルロース系繊維及び表面が親水化されたポリエステル繊維であってもよく、前記非親水性繊維はポリプロピレン系樹脂で構成された芯部及びポリエチレン系樹脂で構成された鞘部からなる芯鞘型ポリオレフィン繊維であってもよい。前記表層の不織布は水流絡合不織布であってもよい。前記裏層の不織布は、ポリオレフィン繊維及び/又はポリエステル繊維で構成されていてもよい。前記裏層の不織布はポリプロピレン系繊維で構成され、かつ積層不織布の見掛け密度が0.5g/cm以下であってもよい。前記接着層は、表層及び裏層を構成する繊維よりも融点が低いポリエチレン系繊維で構成された不織布で形成されていてもよい。前記表層の目付と接着層の目付との比は、前者/後者=90/10〜50/50であってもよい。本発明の積層不織布の吸水率は200%以上であってもよく、JIS L1907−7.1.1の滴下法に準拠した表層の表面吸水速度が10秒以下であってもよい。本発明の積層不織布は、積層不織布全体において、親水性繊維と非親水性繊維との割合(質量比)は、前者/後者=20/80〜50/50であってもよい。本発明の積層不織布は、目付量が60〜100g/mであり、厚みが0.40〜0.65mmであり、かつ見掛け密度が0.1〜0.2g/cmであってもよい。本発明の積層不織布は、真密度(真比重)が水(1g/cm)よりも大きくてもよい。本発明の積層不織布は、各層がエンボス加工により熱接着していてもよい。本発明の積層不織布は、φ500mmの円柱タンク内に100リットルの水を充填し、水面に20cm×20cm角の積層不織布を載置し、φ25mmのパイプ状物で90回転/分で2分間攪拌した後、10分経過しても水面に浮いている。
本発明には、前記積層不織布で構成されたワイパーも含まれる。このワイパーは、水を充填した槽又はタンクの清掃に用いてもよい。
本発明では、親水性繊維を含む不織布と非親水性繊維を含む不織布とが接着層を介して積層し、前記表層の目付と、前記裏層及び前記接着層の合計の目付との比が、前者/後者=55/45〜40/60に調整されているため、吸水性を有し、柔軟性が高い不織布であるにも拘わらず、水に浮く。特に、微細な空気相又は気泡相が不織布の繊維構造間に保持されているためか、積層不織布の真密度が水よりも大きくても、水に浮くワイパーを調製でき、高いワイピング性を保持できる。さらに、裏層の不織布を真比重が1g/cm未満のポリオレフィン繊維で構成すると、ワイパーの沈降又は沈下を確実に防止できる。そのため、ワイパーとして用いた場合、拭き取り性が高く、層間の剥離もないため、清掃作業性、取り扱い性及び耐久性に優れ、水槽に落下しても水面に浮いて回収し易い。従って、原子力発電所における水槽やタンクなど、ワイパーの沈下が問題となる用途に適している。
[積層不織布]
本発明の積層不織布は、水に浮くこと特徴とし、親水性繊維を含む不織布(不織繊維集合体)で形成された表層と、非親水性繊維を含む不織布(不織繊維集合体)で形成された裏層と、前記表層と前記裏層との間に介在する接着層とで構成され、かつ前記表層の目付と、前記裏層及び前記接着層の合計の目付との比が、前者/後者=55/45〜40/60に調整されている。
(表層)
表層は、吸水性を有し、ワイパーとして利用された場合に拭き取り層(ワイピング層)としての役割を有している。表層は、吸水性を発現させるために、親水性繊維を含む不織布で形成されている。
親水性繊維としては、親水性を有する限り、特に限定されず、合成繊維、天然繊維、天然の植物繊維や動物性のタンパク質繊維などを一旦溶解してから化学的に処理して繊維化した再生繊維などが選択できる。さらに、親水性繊維は、少なくとも表面が親水性樹脂や親水成分で構成されていればよく、例えば、繊維の表面を親水化処理したり、親水性樹脂で繊維の表面を覆った複合繊維であってもよい。
合成繊維としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、エーテル結合などの親水性基(特に水酸基)を分子中に有する樹脂、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、(メタ)アクリルアミド単位を含む(メタ)アクリル系共重合体などで構成された合成繊維が挙げられる。これらの合成繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの合成繊維のうち、モノマー単位に水酸基を有する親水性樹脂が好ましく、特に、分子内に均一に水酸基を有する点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体で構成された繊維が好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体において、エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、10〜60モル%、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。ビニルアルコール単位のケン化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。粘度平均重合度は、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。後述するように、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの湿熱接着性樹脂を用いると、スチームジェット法により嵩高で安定な保液層も形成できる。
天然繊維としては、例えば、綿又はコットン、絹、麻、シルク、ウールなどが挙げられる。これらの天然繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、綿などが汎用される。
再生繊維としては、例えば、ビスコースレーヨンなどのレーヨン、アセテート、リヨセルなどのテンセル、キュプラ、ポリノジックなどのセルロース系繊維が挙げられる。これらの天然繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、レーヨン繊維やテンセル繊維などが汎用される。
表面が親水性樹脂又は親水成分で構成された複合繊維において、繊維の表面に親水性を付与する方法としては、繊維の表面を親水化剤で処理して親水層を形成する方法、繊維形成性樹脂と共に親水性樹脂を繊維化し、繊維表面の少なくとも一部を親水性樹脂で覆う方法であってもよい。
親水化剤で処理して親水層を形成する方法において、親水化剤としては、ノニオン界面活性剤が汎用され、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC6−18アルキルフェニルエーテルなど)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル[例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレングリセリンC8−24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンC8−24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖C8−24脂肪酸エステルなど]、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリンモノステアリン酸エステルなどのポリグリセリンC8−24脂肪酸エステル)などが挙げられる。親水化剤は、生産性などの点から、紡糸工程で使用される油剤であってもよく、紡糸油剤として親水性油剤を選択することにより繊維表面を親水化してもよい。親水化剤の割合は、繊維100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部(特に0.2〜2質量部)程度である。
親水性樹脂で繊維の表面を覆う方法としては、繊維の全表面を親水性樹脂で鞘状に覆う方法であってもよい。この方法で得られた芯鞘型構造の複合繊維は、繊維の全表面を親水性樹脂で鞘状に覆われているため、長時間に亘り使用しても親水性能の劣化が少ない上に、繊維形成性樹脂と共に親水性樹脂を繊維化する方法は製造工程が短くなるとともに均一に高い親水性を付与できる。鞘部の親水性樹脂は、嵩高で安定な不織布を生産できる点などから、合成繊維を構成する樹脂、特に、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。芯鞘型複合繊維において、芯部と鞘部との割合(質量比)は、例えば、鞘部/芯部=90/10〜10/90(例えば、60/40〜10/90)、好ましくは80/20〜15/85、さらに好ましくは60/40〜20/80程度である。
親水化剤の処理や親水性樹脂での被覆に供される繊維は、親水性繊維であってもよいが、非親水性繊維であってもよい。これらのうち、耐久性が高く、ワイパーの拭き取り層としての腰が強い点などから、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの非親水性繊維が好ましく、耐熱性や繊維形成性などのバランスに優れる点から、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維が特に好ましい。
これらの親水性繊維のうち、吸水性能が高く、ワイパーとしての拭き取り性に優れる点から、セルロース系繊維、例えば、コットンなどの天然セルロース系繊維、レーヨンやテンセルなどの再生セルロース系繊維などが好ましい。これらのセルロース系繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、セルロース系繊維は、前記複合繊維(特に、表面が親水化されたポリエステル繊維)と組み合わせてもよい。複合繊維の割合は、セルロース系繊維100質量部に対して、例えば、100質量部以下であってもよく、例えば、10〜90質量部、好ましくは30〜80質量部、さらに好ましくは50〜70質量部程度である。
表層は、接着層との密着性を向上させる点などから、さらに非親水性繊維(極性がそれほど高くなく、疎水性が比較的強い繊維)を含んでいてもよい。非親水性繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維(例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリブテン繊維、ポリメチルペンテン繊維など)、ポリエステル系繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維など)、ポリアミド系繊維(例えば、ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維など)、ポリウレタン系繊維(例えば、ポリエステルポリオール型ウレタン系繊維など)などが挙げられる。これらのうち、ホットメルト接着性が高く、かつ比重も小さい点から、ポリオレフィン繊維が好ましい。
ポリオレフィン繊維は、ある程度のホットメルト接着性を有し、接着層との密着性を向上できるとともに、接着層との接着のために加熱しても繊維形態を保持し、ワイピング性を保持できる点から、ポリプロピレン系樹脂(特にポリプロピレン)で構成された芯部及びポリエチレン系樹脂(特にポリエチレン)で構成された鞘部からなる芯鞘型ポリオレフィン繊維が特に好ましい。
芯部を構成するポリプロピレン系樹脂は、他の共重合性単量体(例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−C2−12オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系単量体など)を含んでいてもよい。他の共重合性単量体の割合は、例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
鞘部を構成するポリエチレン系樹脂も、他の共重合性単量体(例えば、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−C3−12オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系単量体など)を含んでいてもよい。他の共重合性単量体の割合は、例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
芯部と鞘部との割合(質量比)は、例えば、鞘部/芯部=90/10〜10/90(例えば、60/40〜10/90)、好ましくは80/20〜15/85、さらに好ましくは60/40〜20/80程度である。
ポリオレフィン繊維の融点は、接着層を構成する繊維の融点よりも高いのが好ましく、例えば、110℃以上、好ましくは115〜200℃、さらに好ましくは118〜150℃程度である。特に、前記芯鞘複合繊維の場合、鞘部を構成するポリエチレン系樹脂の融点は、接着層がホットメルト接着性樹脂で形成されている場合、接着層と加熱接着させるための温度で溶融する融点であってもよく、例えば、110〜130℃、好ましくは115〜125℃程度であってもよい。ポリエチレン系樹脂の融点が加熱処理温度と同程度であると、適度に溶融し接着層と接着するとともに、ポリプロピレン系樹脂で構成された芯部が繊維形状を保持するため、ワイピング性も保持できる。
親水性繊維の割合は、表層全体に対して、50質量%以上であればよく、例えば、50〜100質量%、好ましくは60〜95質量%、さらに好ましくは65〜90質量%(特に70〜85質量%)程度である。
非親水性繊維の割合は、親水性繊維100質量部に対して、例えば、10〜50質量部、好ましくは15〜45質量部、さらに好ましくは20〜40質量部(特に30〜40質量部)程度である。
表層の不織布を構成する各繊維は、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、分散剤、微粒子、着色剤又は体質顔料(酸化チタンなど)、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤、滑剤、抗菌剤、防虫・防ダニ剤、防カビ剤、つや消し剤、蓄熱剤、香料、蛍光増白剤、湿潤剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、表層表面に担持されていてもよく、繊維中に含まれていてもよい。これらの添加剤の割合は、不織布全体に対して、例えば、30質量%以下(例えば、0〜30質量%)、好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%程度であってもよい。
各繊維の断面形状は、特に制限されず、例えば、丸形断面、異形断面(扁平状、楕円状断面など)、多角形断面、多葉形断面(3〜14葉状断面)、中空断面、V字形断面、T字形断面、H字形断面、I字形(ドッグボーン形)断面、アレイ形断面などの各種断面形状であってもよい。これらのうち、丸型断面、楕円状断面などが汎用される。さらに、繊維の比重を小さくする点からは、断面形状は中空であってもよい。
各繊維の繊維長は特に制限はないが、短繊維であってもよく、カード法による乾式不織布の場合、20〜70mmが好ましく、特に25〜60mmであればカード通過性の観点から、均一な地合のウェブが得られやすい点で好ましく、用途に応じて適宜調節できる。
各繊維の繊維径は、機械的特性などの点から、5μm以上程度であればよく、例えば、9〜32μm、好ましくは10〜25μm、さらに好ましくは10〜20μm程度である。
表層の不織布の目付は、例えば、10〜60g/m、好ましくは20〜50g/m、さらに好ましくは25〜45g/m(特に30〜40g/m)程度である。
表層の見掛け密度(積層前の見掛け密度)は、例えば、0.03〜0.20g/cm、好ましくは0.04〜0.18g/cm、さらに好ましくは0.05〜0.15g/cm(特に0.06〜0.12g/cm)程度である。
表層の空隙率(積層前の空隙率)は、例えば、80%以上であってもよく、例えば、80〜99%、さらに好ましくは82〜98%、さらに好ましくは85〜95%程度であってもよい。
表層の厚み(積層前の厚み)は、例えば、0.3〜0.8mm、好ましくは0.35〜0.7mm、さらに好ましくは0.4〜0.65mm(特に0.45〜0.6mm)程度である。
(表層の製造方法)
表層を構成する不織布又は不織繊維集合体は、複数種の繊維を用いる場合、各種の方法で得られた繊維を混綿した後、慣用の方法、例えば、スパンレース法、ニードルパンチ法、サーマルボンド法、スチームジェット法などにより一体化して製造できる。これらの方法のうち、経済性を重視する場合であれば、工業的に高速で生産が可能なスパンレース法を用いてもよい。また、嵩高にすることにより保液性能を高める場合には、サーマルボンド法やスチームジェット法(特に、厚み方向で均一な接着を実現でき、形態保持性と嵩高性とを高度に両立できる点から、スチームジェット法)などを用いてもよい。
スパンレース法の場合、複数の繊維を混綿し、例えば、カード機によるカーディングにて開繊して不織布ウェブを作成してもよい。この不織布ウェブは、ウェブを構成する繊維の配合割合によりカード機の進行方向に配列されたパラレルウェブ、パラレルウェブがクロスレイドされたクロスウェブ、ランダムに配列したランダムウェブ、あるいはパラレルウェブとランダムウェブとの中間程度に配列したセミランダムウェブのいずれであってもよいが、横方向で繊維の絡みが発生し、横方向への伸びが阻害されるため、柔軟性が低下する傾向のあるランダムウェブやクロスウェブよりも、不織布の横方向の柔らかさと伸び性を確保できるパラレルウェブ、セミランダムウェブが好ましい。
さらに、スパンレース法では、得られた不織布ウェブに水流絡合処理を行う。水流絡合処理では、例えば、径0.05〜0.20mm、間隔0.30〜1.50mm程度の噴射孔を1〜2列に配列したノズルプレートから高圧で柱状に噴射される水流を多孔性支持部材上に載置した不織布ウェブに衝突させて、不織布ウェブを構成する繊維を相互に三次元交絡せしめ一体化させる。不織布ウェブに三次元交絡を施すに際しては、移動する多孔性支持部材上に不織布ウェブを載置して、例えば、水圧10〜150kg/cm(≒1〜15MPa)、好ましくは20〜120kg/cm(≒2〜12MPa)、さらに好ましくは30〜100kg/cm(≒3〜10MPa)程度の水流で1回又は複数回処理する方法が好ましい。噴射孔は不織布ウェブの進行方向と直交する方向に列状に配列し、この噴射孔が配列されたノズルプレートを多孔性支持部材上に載置された不織布ウェブの進行方向に対し直角をなす方向に噴射孔間隔と同一間隔で振幅させて水流を不織布ウェブに均一に衝突させるのが好ましい。不織布ウェブを載置する多孔性支持部材は、例えば、金網などのメッシュスクリーンや有孔板など、水流が不織布ウェブを貫通することができるものであれば特に制限されない。噴射孔と不織布ウェブとの距離は、水圧に応じて選択できるが、例えば、1〜10cm程度である。この範囲外の場合には不織布の地合いが乱れやすくなったり、三次元交絡が不十分だったりする。
水流絡合処理を施した後は乾燥処理を施してもよい。乾燥処理としては、まず、処理後の不織布ウェブから過剰水分を除去するのが好ましく、過剰水分の除去は公知の方法を用いることができる。例えば、マングルロールなどの絞り装置を用いて過剰水分をある程度除去し、続いてサクションバンド方式の熱風循環式乾燥機などの乾燥装置を用いて残りの水分を除去してもよい。
スチームジェット法の場合、得られた不織布ウェブに高温水蒸気(高圧スチーム)を噴射することにより繊維同士を交絡させて密着層を形成してもよい。スチームジェット法では、繊維同士の交絡に加えて、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの湿熱接着性樹脂を少なくとも表面に有する親水性繊維(湿熱接着性繊維)を含むウェブを用いることにより繊維同士を湿熱接着してもよい。すなわち、スチームジェット法では、ベルトコンベアで運搬された繊維ウェブを、蒸気噴射装置のノズルから噴出される高速高温水蒸気流の中を通過する際、吹き付けられた高温水蒸気により、繊維同士を交絡でき、湿熱接着性繊維を含む場合、湿熱接着性繊維が融着し、繊維同士(湿熱接着性繊維同士、又は湿熱接着性繊維と疎水性繊維)が厚み方向で均一に三次元的に接着される。
繊維ウェブに水蒸気を供給するためには、慣用の水蒸気噴射装置が用いられる。この水蒸気噴射装置は、繊維ウェブの両面から高温水蒸気を噴射するために、繊維ウェブを挟み込めるように2台のベルトコンベアを組み合わせて、各々ベルトコンベアに水蒸気噴射装置を装着してもよい。コンベアに用いるエンドレスベルトは、通常、概ね90メッシュより粗いネット(例えば、10〜60メッシュ程度のネット)が使用される。
高温水蒸気を噴射するためのノズルは、所定のオリフィスが幅方向に1列又は複数列で連続的に並んだプレートやダイスを用い、これを供給される繊維ウェブの幅方向にオリフィスが並ぶように配置すればよい。オリフィスの直径は、例えば、0.05〜2mm(特に0.1〜1mm)程度であり、オリフィスのピッチは、例えば、0.5〜3mm(特に1〜2mm)程度である。
高温水蒸気の圧力は、例えば、0.1〜2MPa、好ましくは0.2〜1.5MPa、さらに好ましくは0.3〜1MPa程度である。高温水蒸気の温度は、例えば、70〜150℃、好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃程度である。高温水蒸気の処理速度は、例えば、200m/分以下、好ましくは0.1〜100m/分、さらに好ましくは1〜50m/分程度である。
(裏層)
裏層は、積層不織布を水に浮かせるための浮力層(水浮き層)としての役割を有している。裏層は、不織布繊維構造の内部に水が浸透するのを抑制でき、繊維構造の内部に空気を保持できる点から、非親水性繊維を含む不織布で形成されている。
非親水性繊維としては、表層で例示された非親水性繊維などが利用できる。これらの非親水性繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの非親水性繊維のうち、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が汎用される。
ポリオレフィン繊維としては、例えば、ポリC2−4オレフィン繊維が汎用され、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、エチレン−プロピレン共重合体繊維、ポリブテン繊維などが挙げられる。
ポリエステル繊維としては、ポリC2−4アルキレンアリレート繊維が汎用され、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などが挙げられる。これらのうち、PET繊維やPBT繊維(特にPBT繊維)などが好ましい。
ポリアミド繊維としては、脂肪族ポリアミドが汎用され、例えば、ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリアミド610繊維、ポリアミド10繊維、ポリアミド12繊維、ポリアミド6−12繊維などが挙げられる。これらのうち、ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維が好ましい。
これらの非親水性繊維の中でも、水に浮き易い点から、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維が好ましく、疎水性が高く、かつ真密度が小さい点から、ポリオレフィン繊維が特に好ましい。ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、エチレン−プロピレン共重合体繊維が好ましく、表層で例示された複合繊維(ポリプロピレン系樹脂で構成された芯部及びポリエチレン系樹脂で構成された鞘部からなる芯鞘型複合繊維など)であってもよいが、耐熱性に優れ、接着層がホットメルト接着性樹脂で形成され、加熱処理により積層化しても繊維構造を保持し易い点から、ポリプロピレン系繊維が好ましい。ポリプロピレン系繊維は、通常、アイソタクチックポリプロピレンを主成分とするポリプロピレン系樹脂で構成されており、ポリプロピレンの特性を損なわない範囲で、他の共重合性単量体(例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−C2−12オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系単量体など)を含んでいてもよい。他の共重合性単量体の割合は、例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。本発明では、水に浮きやすい点から、真密度が水よりも小さいポリオレフィン繊維を用いるのが好ましいが、特定の積層不織構造とすることにより、積層不織布全体の真密度が水よりも大きい場合であっても、水に浮くワイパーを調製できる。従って、ワイピング層の割合を大きくできるため、高い拭き取り性を維持しながら、水に浮くワイパーを調製できる。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、例えば、120〜200℃、好ましくは130〜180℃、さらに好ましくは150〜170℃(特に160〜170℃)程度であってもよい。
裏層には、非親水性繊維の特性を損なわない範囲であれば、親水性繊維が含まれていてもよい。親水性繊維としては、表層で例示された親水性繊維などが挙げられる。親水性繊維の割合は、裏層全体に対しては、例えば、10質量%以下、好ましくは5質量%以下であってもよい。
裏層の不織布を構成する繊維も、表層と同様の慣用の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の割合は、表層の割合と同様である。なお、疎水性を向上させるために撥水剤を含有させてもよいが、撥水剤の添加は有害な成分として揮発される問題点を有している。本発明では、特に、疎水性の高いポリオレフィン繊維を用いることにより、撥水剤を実質的に含有しなくても、高い疎水性を発現できる。
繊維の断面形状は、特に制限されず、表層と同様の形状から選択でき、丸型断面、扁平状断面、楕円状断面などが汎用される。さらに、繊維の比重を小さくする点からは、断面形状は中空であってもよい。
繊維の繊維径は、微細な空隙を形成するため、例えば、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは8〜30μm(特に10〜20μm)程度である。
裏層の不織布の目付は、例えば、10〜50g/m、好ましくは12〜45g/m、さらに好ましくは15〜40g/m(特に20〜35g/m)程度である。
裏層の見掛け密度(積層前の見掛け密度)は、例えば、0.03〜0.20g/cm、好ましくは0.04〜0.18g/cm、さらに好ましくは0.05〜0.15g/cm(特に0.06〜0.12g/cm)程度である。
裏層の空隙率(積層前の空隙率)は、例えば、80%以上であってもよく、例えば、80〜99%、さらに好ましくは82〜98%、さらに好ましくは85〜95%程度であってもよい。
裏層の厚み(積層前の厚み)は、例えば、0.1〜0.7mm、好ましくは0.2〜0.6mm、さらに好ましくは0.3〜0.5mm程度である。
(裏層の製造方法)
裏層を構成する不織布又は不織繊維集合体は、慣用の方法、例えば、スパンボンド法、メルトブローン法などにより製造できる。これらの方法のうち、嵩高い不織布を容易に生産できる点から、スパンボンド法が好ましい。さらに、スパンボンド法では、紡糸工程由来の油剤が混入しないため、ポリオレフィン繊維などの疎水性繊維のポリマー自体による撥水性(疎水性)の効果が効率よく発現する。
スパンボンド不織布は、市販のスパンボンド不織布を利用してもよく、慣用の方法で製造してもよい。慣用のスパンボンド法としては、まず、裏層を構成する樹脂を押出機で溶融混練し、溶融したポリマーの流れを紡糸頭に導き、流量を計量して、紡糸ノズル孔から吐出させる。次に、この吐出糸条を冷却装置により冷却せしめた後、エアジェット・ノズルのような吸引装置を用いて、目的の繊度となるように、高速気流により牽引細化させる。その後、開繊させながら移動式の捕集面の上に堆積させて不織ウェブを形成させる。最後に、このウェブを部分熱圧着して巻き取ることによってスパンボンド不織布を得ることができる。
(接着層)
接着層は、前記表層と裏層とを接着する役割を有している。本発明では、接着層を設けることにより、表層と裏層との接着に対して強固なエンボス加工をする必要がなく、表層の拭き取り性や裏層の水浮き性を損なうことなく、表層と裏層との間にワイパーとして必要な接着力を付与できる。
接着層は、表層と裏層とを接着できればよく、粘着性樹脂で構成してもよいが、拭き取り作業中でも強固に接着できる点から、ホットメルト接着性樹脂で構成するのが好ましい。ホットメルト接着性樹脂の融点又は軟化点は、表層と裏層を構成する樹脂の種類に応じて選択できるが、例えば、120℃未満、例えば、60〜119℃、好ましくは80〜118℃、さらに好ましくは90〜115℃(特に100〜110℃)程度である。
ホットメルト接着性樹脂としては、表層及び裏層を構成する繊維よりも融点又は軟化点が低い樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーなどが挙げられる。これらのホットメルト接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのホットメルト接着性樹脂のうち、表層及び裏層との接着性に優れ、かつ真密度も小さい点から、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系エラストマーが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂が好ましく、エチレンと他の共重合性単量体とを重合成分とするエチレン系共重合体が特に好ましい。他の共重合性単量体としては、例えば、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−C3−12オレフィン系単量体、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、無水マレイン酸などの他のビニル系単量体などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。エチレン単位と他の共重合性単量体単位との割合は、エチレン/他の共重合性単量体=99/1〜1/99、好ましくは95/5〜5/95、さらに好ましくは90/10〜10/90程度である。これらの共重合性単量体のうち、ブテン、オクテンなどのα−C4−10オレフィン系単量体、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸などが好ましい。
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)などが挙げられる。これらのオレフィン系エラストマー単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。SEP、SEPS、SEBSとしては、市販品であるクラレ(株)製「セプトン」などが利用できる。
ポリオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマーの中でも、表層及び裏層との接着性と、積層不織布の水浮き性とのバランスに優れる点から、エチレン−α−C6−10オレフィン(オクテンなど)共重合体が特に好ましい。エチレン−α−C6−10オレフィン(オクテンなど)共重合体としては、市販のダウケミカル社製「エンゲージ」などが利用できる。
接着層の接着形態は、特に限定されないが、ホットメルト接着性樹脂が層状に介在する形態、繊維状のホットメルト接着性樹脂が介在する形態などが挙げられる。
層状に介在する場合、ホットメルト接着性樹脂は、表層又は裏層の全面に亘り層状に介在する態様に限定されず、表層又は裏層の一部の面に介在する態様であってもよい。一部の面に介在する場合、接着層は、表層又は裏層の表面に点状(スポット状)で規則的又はランダムに形成してもよく、線状又は格子状に形成してもよい。
繊維状のホットメルト接着性樹脂が介在する場合、ホットメルト接着性繊維は、表層又は裏層の一部の面に介在する態様であってもよいが、織布又は不織布の形態で、表層又は裏層の全面に介在する態様であってもよい。さらに、織布や不織布の形態で介在した場合、接着のための加熱処理により、少なくとも一部が繊維形状を消失してフィルム状に形成されていてもよい。
これらのうち、簡便に接着層を形成できるとともに、ワイパーとしての柔軟性を損なうことなく、均一に接着できる点から、前記ホットメルト接着性樹脂で構成された接着性繊維(バインダー繊維)で構成された接着層、特に、前記接着性繊維(表層及び裏層を構成する繊維よりも融点が低いポリエチレン系繊維)で構成された不織布で形成された接着層が好ましい。
接着層が不織布で構成されている場合、接着層には、接着性繊維の特性を損なわない範囲であれば、非接着性繊維が含まれていてもよい。非接着性繊維の割合は、接着層全体に対しては、例えば、10質量%以下、好ましくは5質量%以下であってもよい。
接着層も、表層と同様の慣用の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の割合は、表層の割合と同様である。
接着層がバインダー繊維で構成されている場合、繊維の断面形状は、特に制限されず、表層と同様の形状から選択でき、丸型断面、扁平状断面、楕円状断面などが汎用される。
繊維の繊維径は、例えば、1〜40μm、好ましくは2〜35μm、さらに好ましくは3〜30μm程度である。
接着層が不織布で構成されている場合、目付は、例えば、5〜30g/m、好ましくは6〜25g/m、さらに好ましくは7〜20g/m(特に8〜15g/m)程度である。
接着層の見掛け密度(積層前の見掛け密度)は、例えば、0.03〜0.2g/cm、好ましくは0.05〜0.15g/cm、さらに好ましくは0.06〜0.10g/cm程度である。
接着層の空隙率(積層前の空隙率)は、例えば、80〜99%、好ましくは82〜98%、さらに好ましくは85〜95%であってもよい。
接着層の厚み(積層前の厚み)は、例えば、0.05〜0.5mm、好ましくは0.08〜0.3mm、さらに好ましくは0.1〜0.2mm程度である。
(接着層の製造方法)
接着層は、その形態に応じて製造できるが、接着層が不織布である場合、目付を小さくし易いため、メルトブローン法が好ましい。
メルトブローン法では、通常、紡糸された繊維をネット上に向けて吹き飛ばすためには、通常、紡糸口の近傍に形成されたスリットから高温の空気を吹き付ける方法が利用される。空気の温度は、紡糸温度±50℃(特に±30℃)程度の範囲から選択でき、通常、紡糸温度と同様の温度である。
紡糸温度は、樹脂の種類に応じて選択でき、例えば、150〜350℃(特に250〜320℃)程度である。紡糸口のノズル孔径は、例えば、0.1〜1mm(特に0.2〜0.5mm)程度であり、単孔吐出量は、例えば、0.01〜0.5g/分(特に0.1〜0.3g/分)程度である。
吹き付ける空気のノズル長1m当たりの流量(エアー流量)は、例えば、2〜30N・m/m、好ましくは3〜25N・m/m、さらに好ましくは4〜20N・m/m(特に5〜15N・m/m)程度である。熱風温度は、例えば、160〜350℃(特に260〜320℃)程度である。
ノズル口と捕集ネットとの距離(捕集距離)は、例えば、10〜50cm(特に15〜30cm程度である。捕集距離が小さすぎると、風綿飛散の量が多くなり、ウェブの形成が困難となる傾向がある一方で、捕集距離が大きすぎると、ウェブ地合が粗くなる傾向がある。
[積層不織布]
本発明の積層不織布の製造方法は、接着層を介して表層と裏層とを一体化できる方法であれば特に限定されないが、接着層としてホットメルト接着性樹脂を用いる場合、慣用の熱圧着を利用した方法で一体化する方法であってもよい。熱圧着の方法としては、加熱ロールを用いた圧着方法(カレンダ加工)を利用でき、例えば、ゴムロール/スチールロールを用いた方法、エンボスロール/スチールロールを用いた方法を利用できる。圧着する際の加熱温度は、ホットメルト接着性樹脂が溶融し、表層及び裏層を構成する繊維が溶融しない温度であればよく、例えば、100〜140℃、好ましくは105〜130℃、さらに好ましくは110〜130℃程度である。これらの方法のうち、柔軟性と接着性とを両立できる点から、エンボスロールなどを用いたエンボス加工が好ましい。エンボス加工における圧着面積は、例えば、不織布表面の面積に対して、例えば、5〜50%、好ましくは10〜40%、さらに好ましくは15〜30%(特に15〜25%)程度である。
このようにして得られた本発明の積層不織布は、表層が親水性繊維を含むため、吸水性が高く、吸水率は200%以上であり、例えば、200〜1000%、好ましくは250〜800%、さらに好ましくは300〜500%程度である。さらに、吸水速度も高く、JIS L1907−7.1.1の滴下法に準拠した表層の表面吸水速度は10秒以下であり、例えば、0.1〜10秒、好ましくは0.5〜8秒、さらに好ましくは1〜5秒程度である。
一方、本発明の積層不織布は、このような優れた吸水性を有するにも拘わらず、親水性繊維を含む表層に対して、接着層を介して非親水性繊維を含む裏層を組み合わせているため、水に浮く。例えば、φ500mmの円柱タンク内に100リットルの水を充填し、水面に20cm×20cm角の積層不織布を載置し、φ25mmのパイプ状物で90回転/分で2分間攪拌した後、10分経過しても水面に浮いている。
本発明の積層不織布の目付は、例えば、50〜120g/m、好ましくは60〜100g/m、さらに好ましくは62〜90g/m(特に65〜80g/m)程度である。
積層不織布の見掛け密度は、例えば、1g/cm未満であればよく、例えば、0.05〜0.9g/cm、好ましくは0.08〜0.5g/cm程度であってもよく、高度な拭き取り性と水浮き性とを両立できる点から、さらに好ましくは0.1〜0.3g/cm(特に0.1〜0.2g/cm)程度であってもよい。積層不織布の見掛け密度は、裏層を構成する非親水性繊維の種類に応じても選択でき、例えば、裏層がポリオレフィン繊維(特にポリプロピレン系繊維)で構成されている場合、0.5g/cm以下(例えば、0.1〜0.5g/cm)であってもよく、例えば、0.1〜0.3g/cm、好ましくは0.1〜0.2g/cm、さらに好ましくは0.12〜0.2g/cm(特に0.12〜0.15g/cm)程度であってもよい。また、裏層がポリエステル繊維(特にPBT繊維)で構成されている場合、0.1〜0.4g/cm(特に0.12〜0.4g/cm)程度であってもよい。さらに、裏層がポリアミド繊維(特にポリアミド6繊維)で構成されている場合、0.1〜0.13g/cm(特に0.1〜0.12g/cm)程度であってもよい。
積層不織布の真密度(真比重)は、例えば、0.95〜1.08g/cm程度、0.96〜1.07g/cm、0.97〜1.06g/cm、0.98〜1.05g/cm程度である。本発明では、真密度が水より大きい場合(1g/cmを超える場合)、例えば、1.01〜1.3g/cm(特に1.15〜1.25g/cm)程度であっても水に浮くことができる。
積層不織布の厚みは、例えば、0.1〜1mm程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜0.8mm、好ましくは0.3〜0.7mm程度であるが、高度な拭き取り性と水浮き性とを両立できる点から、さらに好ましくは0.4〜0.65mm(特に0.45〜0.60mm)程度である。
本発明の積層不織布において、表層の目付と、裏層及び接着層の合計の目付との比は、前者/後者=60/40〜30/70程度の範囲から選択でき、例えば、55/45〜40/60程度であるが、高度な拭き取り性と水浮き性とを両立できる点から、好ましくは55/45〜45/55、さらに好ましくは50/50〜45/55程度である。
表層の目付と接着層の目付との比は、例えば、前者/後者=90/10〜50/50、好ましくは85/15〜60/40、さらに好ましくは80/20〜70/30程度である。両層の目付がこの範囲にあると、層間の接着性に優れるとともに、積層不織布の柔軟性も保持し、拭き取り性に優れる。
積層不織布全体において、親水性繊維と非親水性繊維との割合(質量比)は、前者/後者=20/80〜50/50、好ましくは25/75〜55/45、さらに好ましくは30/70〜40/60(特に35/65〜40/60)程度である。本発明では、目付比を前記範囲に調整するとともに、親水性繊維と非親水性繊維との割合を調整することにより、ワイピング特性と水浮き性とを両立できる。
接着層が不織布で形成されている場合、通気性にも優れ、フラジール形法による積層不織布の通気度が1cm3/(cm2・秒)以上であり、例えば、1〜1000cm3/(cm2・秒)、好ましくは10〜500cm3/(cm2・秒)、さらに好ましくは30〜300cm3/(cm2・秒)(特に50〜200cm3/(cm2・秒))程度であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、各物性における測定方法又は評価方法、実施例に用いた原料を以下に示す。なお、特にことわりのない限り、「%」は「質量%」を表す。
(1)目付(g/m2
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて測定した。
(2)厚み(mm)、見掛け密度(g/cm3
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて厚みを測定し、この値と目付けの値とから見かけ密度を算出した。
(3)不織布の平均繊維径
不織布を走査型顕微鏡で拡大撮影し、任意の100本の繊維径を測定し、平均値を算出した。
(4)通気度
JIS L1096に準じ、フラジール形法にて測定した。
(5)吸水率
不織布をイオン交換水中に30秒間浸漬した後、吸水前後の不織布の重量を測定し、下記式からイオン交換水の吸水率を算出した。
吸水率(%)=(吸水後の重量−吸水前の重量)/吸水前の重量×100。
(6)表面吸水速度
JIS L1907−7.1.1の滴下法に準じて測定した。
(7)水浮き性
φ500mmの円柱タンク内に100リットルの水を充填し、水面に20cm×20cm角の積層不織布を載置し、φ25mmのパイプ状物で90回転/分で2分間攪拌した後、10分間放置して、不織布の浮沈状態を下記の基準で測定した。
○:水面に浮いている
△:水面に浮いているが、部分的に水中に沈んでいる
×:水底に沈んでいる。
(8)層間接着性
ワイパーとして拭き取り作業を行ない、拭き取り時の負荷による層間の剥離状態を下記の基準で評価した。
○:剥離しない
△:一部剥離している
×:剥離している。
[積層不織布の原料]
(表層)
ビスコースレーヨン繊維(レーヨン):オーミケンシ(株)製「ホープ」、平均繊維径12μm(1.7dtex)、繊維長40mm
PET繊維(親水PET):東レ(TORAY)(株)製「テトロン 471」、平均繊維径12μm(1.7dtex)、繊維長51mm
PP・PE芯鞘複合繊維(PP・PE):宇部日東化成(株)製「HR−NTW」、平均繊維径1.7dtex、繊維長51mm
(裏層)
ポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布A:旭化成せんい(株)製「エルタスクリンプPC8030」、目付30g/m、厚み0.4mm、融点163℃
ポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布B:旭化成せんい(株)製「エルタスクリンプ8020」、目付20g/m、厚み0.3mm、融点163℃
ポリアミド(PA)スパンボンド不織布:旭化成せんい(株)製「N01020」、目付20g/m、厚み0.13mm、融点205℃
PETスパンボンド不織布:東洋紡(株)製「3301A」、目付30g/m、厚み0.2mm、融点253℃
PBTスパンボンド不織布:目付30g/m
PP・PE芯鞘複合繊維の(PP・PE)サーマルボンド不織布:シンワ(株)製「9513F−S」、目付13g/m、厚み0.1mm、融点165℃(芯部)/130℃(鞘部)。
(接着層)
ポリエチレン系樹脂(エンゲージ):ダウケミカル社製「エンゲージ8402」、融点105℃
実施例1
(1)表層の調製
レーヨン繊維45質量部、PET繊維30質量部及びPP・PE芯鞘複合繊維25質量部を均一に混綿した後、目付35g/mのセミランダムカードウェブを常法により作製し、このカードウェブを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度50m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流で噴射して交絡処理を行って、交絡した繊維ウェブを製造した。この交絡処理においては、ウェブの幅方向に沿って0.6mm間隔で、孔径0.10mmのオリフィスが設けられたノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を3.0MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を4.0MPaとして行った。さらに、120℃で乾燥して、目付が35g/m、厚み0.5mmのスパンレース不織布を得た。
(2)接着層の調製
ポリエチレン系樹脂(エンゲージ)を原料として、孔径0.3mm、孔数1500孔/mの紡糸ノズルへ単孔吐出量0.2g/分で溶融押出し、紡糸温度310℃、熱風温度(一次エアー温度)310℃、ノズル長1m当たりエアー量10N・m/m、ノズルと成形捕集機金網との距離を20cmの条件で金網上に吹き付け、下部より吸引捕集して、目付10g/mのメルトブローン不織布を得た。
(3)積層不織布の調製
表層としてのスパンレース不織布、接着層としてのメルトブローン不織布、裏層としてのPPスパンボンド不織布Aをこの順序で積層し、圧着面積18%のエンボス柄ロール/スチールロールを用いて熱圧着して積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
実施例2
裏層として、PPスパンボンド不織布Aの代わりに、PPスパンボンド不織布Bを用いる以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
実施例3
表層の調製において、レーヨン繊維80質量部及びPP・PE芯鞘複合繊維20質量部を用いる以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
参考例4
実施例3で得られた積層不織布を、さらにゴム/金属カレンダーロールにて120℃、60kgf/cm、3m/分でプレスした。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
参考例5
参考例4でプレスされ積層不織布を、さらに金属/金属カレンダーロールにて80℃、400kgf/cm、2m/分でプレスした。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
参考例6
裏層として、PPスパンボンド不織布Bの代わりに、PAスパンボンド不織布を用いる以外は、実施例2と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
実施例7
裏層として、PPスパンボンド不織布Aの代わりに、PETスパンボンド不織布を用いる以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
実施例8
裏層として、PPスパンボンド不織布Aの代わりに、PBTスパンボンド不織布を用いる以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
実施例9
実施例8でプレスされ積層不織布を、さらに金属/金属カレンダーロールにて80℃、400kgf/cm、2m/分でプレスした。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
比較例1
裏層として、PPスパンボンド不織布Aの代わりに、目付13g/mのPP・PEサーマルボンド不織布を用いる以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
比較例2
接着層を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
比較例3
裏層及び接着層を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして積層不織布を得た。得られた積層不織布の各層の構成を表1に示し、積層不織布の特性を表2に示す。
Figure 0005481314
Figure 0005481314
表2の結果から、本発明の積層不織布は、吸水性が高く、水浮き性も優れるのに対して、比較例1及び3の積層不織布は、水浮き性が低く、比較例2の積層不織布は、層間接着性が低い。
本発明の積層不織布は、工場設備などにおける貯水槽や貯水タンクの清掃に利用されるワイパーに利用され、特に、原子力発電所の炉心やその周辺機器(例えば、使用済み燃料プールやキャビティ周辺など)において水が充填されている槽やタンクに利用されるワイパーに有用である。

Claims (14)

  1. 親水性繊維を50質量%以上含む不織布で形成された表層と、非親水性繊維を90質量%以上含む不織布で形成された裏層と、前記表層と前記裏層との間に介在する接着層とで構成された積層不織布であって、
    前記非親水性繊維がポリオレフィン繊維及び/又はポリエステル繊維であり、
    目付量が60〜100g/m であり、
    前記表層の目付と、前記裏層及び前記接着層の合計の目付との比が、前者/後者=55/45〜40/60であり、
    厚みが0.40〜0.65mmであり、
    見掛け密度が0.1〜0.2g/cm であり、
    真密度が水よりも大きく、かつ
    φ500mmの円柱タンク内に100リットルの水を充填し、水面に20cm×20cm角の積層不織布を載置し、φ25mmのパイプ状物で90回転/分で2分間攪拌した後、10分経過しても水面に浮いている積層不織布。
  2. 表層の不織布が、親水性繊維100質量部に対して非親水性繊維10〜50質量部を含む請求項1記載の積層不織布。
  3. 親水性繊維がセルロース系繊維を含み、かつ非親水性繊維がポリオレフィン繊維を含む請求項記載の積層不織布。
  4. 親水性繊維がセルロース系繊維及び表面が親水化されたポリエステル繊維であり、非親水性繊維がポリプロピレン系樹脂で構成された芯部及びポリエチレン系樹脂で構成された鞘部からなる芯鞘型ポリオレフィン繊維である請求項記載の積層不織布。
  5. 表層の不織布が水流絡合不織布である請求項1〜のいずれかに記載の積層不織布。
  6. 裏層の不織布が、ポリオレフィン繊維及び/又はポリエステル繊維で構成されている請求項1〜のいずれかに記載の積層不織布。
  7. 裏層の不織布がポリプロピレン系繊維で構成され、かつ積層不織布の見掛け密度が0.5g/cm以下である請求項1〜のいずれかに記載の積層不織布。
  8. 接着層が、表層及び裏層を構成する繊維よりも融点が低いポリエチレン系繊維で構成された不織布で形成されている請求項1〜のいずれかに記載の積層不織布。
  9. 表層の目付と接着層の目付との比が、前者/後者=90/10〜50/50である請求項1〜のいずれかに記載の積層不織布。
  10. 積層不織布の吸水率が200%以上であり、JIS L1907−7.1.1の滴下法に準拠した表層の表面吸水速度が10秒以下である請求項1〜のいずれかに記載の積層不織布。
  11. 積層不織布全体において、親水性繊維と非親水性繊維との割合(質量比)が、前者/後者=20/80〜50/50である請求項1〜10のいずれかに記載の積層不織布。
  12. 各層がエンボス加工により熱接着している請求項1〜11のいずれかに記載の積層不織布。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の積層不織布で構成されたワイパー。
  14. 水を充填した槽又はタンクの清掃に用いられる請求項13記載のワイパー。
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