JP3907712B2 - 不織布及の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は不織布及びこの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械的に極細繊維に分割できる分割性繊維は、分割することにより繊維表面積を広くできるため、払拭性の向上、塵埃保持性の向上、液体保持性の向上など、様々な効果を発揮する。そのため、この分割性繊維を分割した極細繊維を含む不織布が数多く開発されている。しかしながら、単に分割性繊維を分割した極細繊維を含む不織布は、分割性繊維の極細化により風合は優れているものの、伸びやすく、用途によっては使用しずらいため、分割して得た極細繊維を融着することが提案されている。しかしながら、極細繊維を融着すると、極細繊維の自由度を損うことになるため、風合が硬くなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、風合に優れ、低伸度の極細繊維を含む不織布、及びこの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段
【0005】
本発明の不織布の製造方法は、二種類以上の樹脂成分からなる分割性繊維を含む繊維ウエブを全体的に熱風で熱処理して、該分割性繊維の、少なくとも最も融点の低い樹脂成分を融着させた後、流体流を作用させて、該分割性繊維を分割する方法である。
【0006】
【作用】
本発明の分割性繊維は分割されて、二種類以上の極細繊維及び極細繊維束を得る。この分割性繊維は二種類以上の極細繊維に分割できるように、二種類以上の樹脂成分からなる。この分割性繊維としては、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアクリロニトリルなどの異系の樹脂成分を二種類以上組み合わせたものであっても良いし、ポリエチレンとポリプロピレンとを組み合わせた場合のように、同系の樹脂成分同士を組み合わせたものであっても良い。
【0007】
本発明においては、後述のように、分割性繊維を構成する樹脂成分の中で、最も融点の低い樹脂成分(以下、「低融点成分」という)を少なくとも融着させるが、分割性繊維を構成する樹脂成分全部を融着させると、後工程の流体流処理によって、極細繊維に分割しにくいため、分割性繊維を構成する樹脂成分全部が融着しないように、分割性繊維を構成する樹脂成分の中で、低融点成分と最も融点の高い樹脂成分(以下、「高融点成分」という)との融点差を10℃以上、より好ましくは15℃以上となるように、分割性繊維の樹脂成分を選択するのが好ましい。例えば、分割性繊維が二種類の樹脂成分からなる場合、ポリアミド成分とポリエステル成分、ポリアミド成分とポリオレフィン成分、ポリエステル成分とポリオレフィン成分、或いはポリプロピレン成分とポリエチレン成分などの組み合わせがある。
【0008】
この分割性繊維の断面形状としては、例えば、二種類の樹脂成分からなる分割性繊維の断面形状を表す図1の(a)〜(d)に示すように、一樹脂成分1を他樹脂成分2の間に配した菊花状のものや、図1(e)に示すように、一樹脂成分1と他樹脂成分2とを交互に層状に積層したものを使用できる。図1(a)の場合には、楔形状の断面形状を有する極細繊維のみに分割し、図1(b)の場合には、略楕円形状と楔形状の断面形状を有する極細繊維に分割し、図1(c)の場合、楔形状と円形状の断面形状を有する極細繊維に分割し、図1(d)の場合、略楕円形状と楔形状と円形状の断面形状を有する極細繊維に分割し、図1(e)の場合、扁平形状の断面形状を有する極細繊維のみに分割するが、扁平形状、略楕円形状、楔形状などの断面形状であって、繊維断面における長軸の長さが2〜20μm、短軸の長さが0.1〜10μmの極細繊維が50%以上存在していると、風合が向上すると同時に、液保持性が向上したり、塵埃などの捕集効率が向上するなどの効果を奏するため、好適である。これらの中でも、菊花状の繊維断面を有する分割性繊維は、樹脂成分が均一に繊維表面に露出しており、低融点成分により均一に融着できるため、より好適に使用できる。また、低融点成分の分割性繊維表面を占める面積が狭いと、融着を効率的に行うことができず、伸度のある不織布となりやすいため、低融点成分が分割性繊維表面の20〜100%、より好ましくは60〜80%を占めているのが好ましい。
【0009】
この分割性繊維を分割して生じる極細繊維の直径により、風合に差が生じるため、円形断面換算における平均繊維径が0.1〜6μmの極細繊維に分割できる分割性繊維を使用するのが好ましい。0.1μm未満では不織布が伸びやすく、6μmを越えると風合が悪くなるためで、より好ましくは0.2〜5μmである。なお、この平均繊維径を有する極細繊維に分割するには、分割性繊維が太い場合、多くの極細繊維に分割できれば良いし、分割性繊維が細い場合、少ない極細繊維に分割できるものであっても良い。一般的な繊維ウエブの形成方法である湿式法又は乾式法において、均一に、しかも効率良く実施できる繊維の繊度は1デニール(比重1の時、直径12μm)以上、好ましくは1.5デニール(比重1の時、直径14.6μm)以上であるため、4本以上の極細繊維に分割できる分割性繊維を使用するが、好ましくは8本以上、より好ましくは16本以上の極細繊維に分割できる分割性繊維を使用する。
【0010】
本発明においては、このような分割性繊維を20重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上使用する。この分割性繊維以外に使用できる繊維としては、例えば、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ナイロン系、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリウレタン、ポリクラール、或いはエチレン−ビニルアルコール共重合体などの合成繊維、綿などの植物繊維、羊毛などの動物繊維などを使用できる。なお、不織布の伸度をより抑えるために、単一の樹脂成分又は芯鞘型、サイドバイサイド型、或いは偏芯型などの複数の樹脂成分からなる接着繊維を使用しても良いが、後述のように、少なくとも分割性繊維の低融点成分を融着させた後に流体流を作用させるため、接着繊維で接着した後に流体流を作用させると、接着繊維による接着も破壊されるため、接着繊維は流体流を作用させた後にも接着させるのが好ましい。そのため、流体流を作用させた後に、接着繊維のみを接着させ、極細繊維を融着して風合を硬くしないように、分割性繊維の低融点成分よりも10℃以上、より好ましくは15℃以上低い融点を有する接着繊維を使用するのが好ましい。
【0011】
本発明の繊維ウエブはカード法、エアレイ法などの乾式法により得た繊維ウエブ、湿式法により得た繊維ウエブ、又はメルトブロー法やスパンボンド法などの直接法により得た繊維ウエブを単独で、又は適宜複合して得ることができる。本発明で使用する繊維の平均繊維長は繊維ウエブの形成方法によって異なり、湿式法により形成する場合には3〜22mmであるのが好ましく、乾式法により形成する場合には、20〜110mmであるのが好ましい。なお、前者の湿式法によれば、より均一で緻密な繊維ウエブ、結果としてより均一で緻密な不織布を得ることができるので、より好適である。
【0012】
次いで、この繊維ウエブを全体的又は部分的に熱処理して、少なくとも分割性繊維の低融点成分を融着する。この融着により、不織布の伸度を抑制すると共に、次工程の流体流の作用により極細繊維及び極細繊維束を効率的に得ることが可能となる。つまり、分割性繊維の自由度が高いと、流体流を作用させても、分割性繊維が流体流から逃げて、極細繊維及び極細繊維束が得られにくいが、融着により分割性繊維の自由度が低くなり、流体流が作用しやすくなるため、極細繊維及び極細繊維束を得やすくなる。しかも、最初から高圧力の流体流を作用させても分割性繊維が流体流から逃げないため、流体流の作用回数を減らすことができ、また、融着によりある程度の強度があるため、流体流を作用させる際の搬送時に形状変化が生じないので、生産上も好適である。特に、繊維ウエブ構成繊維の平均繊維長が3〜22mm程度と短い場合には、流体流の作用により繊維が移動しやすく、均質な繊維ウエブを乱してしまったり、極細繊維及び極細繊維束を得ることが困難であったが、この融着により極細繊維及び極細繊維束が容易に得られる。このように、予め少なくとも分割性繊維の低融点成分を融着することにより、目付が10〜30g/m2という従来得ることのできなかった低目付であっても、繊維ウエブを乱すことなく、極細繊維と極細繊維束を含む、優れた風合を有する不織布を得ることが可能となった。このように、分割性繊維の自由度は低い方がより好ましいので、繊維ウエブを全体的に融着するのが好ましい。なお、分割性繊維の分割により、極細繊維及び極細繊維束を得やすいように、無圧下で熱処理するのが好ましい。
【0013】
次いで、この融着した繊維ウエブに流体流を作用させて、極細繊維と極細繊維束を得るが、流体流を作用させる前に、融着した繊維ウエブを、ロール間を通すなどの固体押圧手段を作用させて分割性繊維に歪みを生じさせると、容易に極細繊維束を形成することができ、しかも後の流体流を効率的に作用させることができるので、好適な前処理である。特に、分割性繊維がポリエチレンとポリプロピレンの組み合わせのように、分割しにくい相溶性の樹脂成分のみからなる場合には、極細繊維及び極細繊維束を得やすくなるため、好適な前処理である。また、この前処理により極細繊維及び極細繊維束を得やすくなるため、流体流の合計エネルギーを低くすることが可能となる。
【0014】
必要であれば、このような固体押圧手段を作用させた後、融着した繊維ウエブに流体流を作用させて、少なくとも分割性繊維の低融点成分による融着を部分的に破壊し、二種類以上の極細繊維及び極細繊維束を得る。この極細繊維束は分割性繊維を構成する樹脂成分による融着が完全に破壊されず、少なくとも一つの樹脂成分(一般的には分割性繊維の低融点成分)からなる極細繊維により融着し、束状になったものであり、1本の分割性繊維の50%以上が分割したものをいい、分割とは隣接する樹脂成分が剥離した状態をいう。他方、極細繊維は分割性繊維を分割して得たものをいい、極細繊維束から完全に分離した状態にあっても良いし、極細繊維の一部が極細繊維束に拘束された状態にあっても良い。この極細繊維と極細繊維束は混在した状態にあり、極細繊維束が不織布の表面近傍に存在していても良いが、不織布表面の均一性の点から、主として不織布内部に存在しているのが好ましい。また、この極細繊維と極細繊維束は流体流の作用により、極細繊維同士、極細繊維と極細繊維束、或いは極細繊維束同士が絡合しているため、より伸長しにくい不織布を得ることができる。更に、繊維ウエブの熱処理による融着が流体流により部分的に破壊されるが、極細繊維同士、極細繊維と極細繊維束、或いは極細繊維束同士の融着が残存しているため、伸長しにくい不織布であるが、風合の点から、できるだけ融着箇所が少ない方が好ましい。このように、本発明の不織布は極細繊維束の存在、極細繊維及び/又は極細繊維束の交絡及び/又は融着により、低伸度で、極細化した極細繊維の存在による優れた風合を有するものである。
【0015】
この流体流としては、取り扱い易い水流であるのが好ましく、通常の水流絡合の条件、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、好適には0.08〜0.2mm、ピッチ0.2〜3mm、好適には0.4〜2mmで一列に配列したノズルプレートや、ノズルを2列以上に配列したノズルプレートを使用し、圧力10〜300kg/cm2、好適には50〜250kg/cm2の流体流を噴出し、1回以上、少なくとも片面に作用させれば良い。なお、前述のように、固体押圧手段を前処理として施した場合には、作用回数を減らすことができるという特長がある。
【0016】
なお、流体流を作用させる際に、繊維ウエブを載置する支持体によって、実質的に無孔の不織布や、大きな孔を有する不織布を得ることができる。具体的には、支持体として、空間率20〜40%のネットや多孔板、より具体的には、線径0.1〜0.26mmで、55〜120メッシュのネットや、孔径0.2〜0.5mmの多孔板を使用すれば、実質的に無孔の不織布を得ることができ、線径0.26mm以上で、55メッシュ未満の目の粗いネットや、孔径0.5mmを越える多孔板を使用すれば、大きな孔を有する不織布を得ることができる。
【0017】
このようにして、本発明の不織布を得ることができるが、前述の接着繊維を繊維ウエブに混合しておき、流体流を作用させた後に、熱処理により接着させると、より低伸度の不織布を得ることができる。なお、前述のように、この熱処理により極細繊維を融着させないように、分割性繊維の低融点成分よりも10℃以上低い融点を有する接着繊維を使用するのが好ましく、この接着繊維は分割性繊維量を減らさないように、50重量%以下、より好ましくは30重量%以下とする。
【0018】
このようにして得られる本発明の不織布は、少なくとも一方向における、目付50g/m2換算での引張強度7kg/5cm幅以上、破断伸度30%以下の性能を有する。この引張強度は5cm幅の不織布を引張強伸度試験機((株)オリエンテック製)のチャック間(10cm)に挟み、引張速度100mm/分で引張った時の、破断時の強度をいい、破断伸度は同様に破断する時の伸度をいう。なお、目付50g/m2の引張強度(T50)に換算する方法は、不織布の目付をW、破断時強度をTとした場合に、T50=(50/W)×T、の式により行う。
【0019】
このような方法により、目付10g/m2という低目付の不織布から、70g/m2という高目付の不織布まで製造することができるので、本発明の不織布は衣料用芯地、衣料用中入綿、貼付剤用基布、医療用衣服用基材、電池用セパレータ、気体又は液体フィルタ、自動車用天井材、FRP用基材、ワイピング材など、様々な用途に使用することができる。なお、これら用途に適合させるために、他の素材と複合するなど、様々な後加工を施すことができる。
【0020】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、風合はJIS 1096-19906.19.1 A法(45゜カンチレバー法)により測定した。また、厚さは500g/cm2荷重下の値をいう。
【0021】
【実施例】
(実施例1)
図1(d)に示すような菊花状の断面形状を有し、長軸の長さ7μm、短軸の長さ1μmで、略楕円形状を有するポリプロピレン成分(融点160℃、分割後の平均繊維径3.5μm)と、長軸の長さ7μm、短軸の長さ0.5μmで、楔形状を有する高密度ポリエチレン成分(融点138℃、分割後の平均繊維径3.5μm)と、直径2.4μmの円形状を有するポリプロピレン成分(融点160℃)とからなり、この高密度ポリエチレン成分が繊維表面の75%を占める、17分割可能な分割性繊維(繊度1.3デニール、繊維長10mm)を100%使用し、湿式法により繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを140℃の熱風乾燥機を通して、この分割性繊維の高密度ポリエチレン成分のみを融着させた。次いで、この融着した繊維ウエブを線圧190kg/cmのカレンダー間を15m/分の速度で通した後、空間率28%、たて方向の線径0.132mm、よこ方向の線径0.152mmで構成された100メッシュのネットに載置し、このネットを6m/分で移動させながら、直径0.13mm、ピッチ0.6mmで配置したノズルから水圧82kg/cm2の水流で3回処理した後、この繊維ウエブを反転させ、同様のノズルから水圧82kg/cm2の水流で2回処理、次いで、同様のノズルから水圧20kg/cm2の水流で1回処理した。この極細繊維に分割し、絡合した繊維ウエブを123℃の熱風乾燥機で乾燥して、目付50g/m2、厚さ0.18mmで、内部に極細繊維束を有する不織布を得た。この不織布の長さ方向の5%モジュラス強度、10%モジュラス強度、破断時の引張強度、破断伸度、及び不織布の長さ方向の風合の物性を測定した結果は表1に示す通りであった。
【0022】
【表1】
Figure 0003907712
【0023】
(実施例2)
目付を20g/m2、厚さ0.08mmとした以外は、実施例1と全く同様にして、内部に極細繊維束を有する不織布を得た。この不織布の物性も表1に示す。
【0024】
(実施例3)
実施例1と同じ17分割可能な分割性繊維75重量%と、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点120℃)からなる芯鞘型接着繊維(繊度2デニール、繊維長10mm)25重量%とから、湿式法により繊維ウエブを形成した後、実施例1と同様にして、分割性繊維及び芯鞘型接着繊維の融着、カレンダー処理、及び水流を作用させた後、この分割し、絡合した繊維ウエブを123℃の熱風乾燥機で乾燥すると同時に、芯鞘型接着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着させて、目付50g/m2、厚さ0.21mmで、内部に極細繊維束を有する不織布を得た。この不織布の物性も表1に示す。
【0025】
(比較例1)
実施例1と全く同様にして分割し、絡合した繊維ウエブを、140℃の熱風乾燥機で乾燥すると同時に、分割性繊維の高密度ポリエチレン成分も融着して、目付50g/m2、厚さ0.18mmの不織布を得た。この不織布は極細繊維束を有しないものであった。この不織布の物性も表1に示す。
【0026】
(比較例2)
実施例3と同様にして得た繊維ウエブを、123℃の熱風乾燥機を通して、芯鞘型接着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着させた後、実施例1と同様にして、カレンダー処理及び水流を作用させた後、この絡合した繊維ウエブを123℃の熱風乾燥機で乾燥すると同時に、再度、芯鞘型接着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着させて、目付20g/m2、厚さ0.08mmの不織布を得た。この不織布は水流を作用させる前の接着箇所が少ないため、水流の作用によって繊維ウエブが乱れて大きな孔を列状に有し、しかも極細繊維束を有しないものであった。この不織布の物性も表1に示す。
【0027】
【発明の効果】
本発明の不織布は二種類以上の樹脂成分からなり、極細繊維に分割可能な複合繊維(分割性繊維)の、少なくとも最も融点の低い樹脂成分を全体的に融着させた分割性繊維の破壊により得た、二種類以上の極細繊維と、この極細繊維の中の少なくとも一種類の極細繊維が融着した極細繊維束とが混在し、この極細繊維及び/又はこの極細繊維束が、融着及び/又は絡合した構造を有しているため、低伸度で、風合にも優れたものである。
【0028】
本発明の不織布の製造方法は、二種類以上の樹脂成分からなる分割性繊維を含む繊維ウエブを全体的に熱処理して、この分割性繊維の、少なくとも最も融点の低い樹脂成分を融着させた後、流体流を作用させる方法であるため、容易に上記不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の極細繊維に分割可能な複合繊維の模式的な断面図
(b) 本発明の他の極細繊維に分割可能な複合繊維の模式的な断面図
(c) 本発明の他の極細繊維に分割可能な複合繊維の模式的な断面図
(d) 本発明の他の極細繊維に分割可能な複合繊維の模式的な断面図
(e) 本発明の他の極細繊維に分割可能な複合繊維の模式的な断面図
【符号の説明】
1 一樹脂成分
2 他樹脂成分

Claims (7)

  1. 二種類以上の樹脂成分からなり、極細繊維に分割可能な複合繊維(分割性繊維)を含む繊維ウエブを全体的に熱風で熱処理して、該分割性繊維の、少なくとも最も融点の低い樹脂成分を融着させた後、流体流を作用させて、該分割性繊維を分割することを特徴とする不織布の製造方法。
  2. 最も融点の低い樹脂成分が、分割性繊維表面の20〜100%占めていることを特徴とする請求項記載の不織布の製造方法。
  3. 繊維ウエブを湿式法により形成することを特徴とする請求項又は請求項記載の不織布の製造方法。
  4. 繊維ウエブが、分割性繊維の最も融点の低い樹脂成分よりも10℃以上低い融点を有する接着繊維を含むことを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
  5. 流体流を作用させて分割性繊維を分割した後、熱処理により、分割性繊維の最も融点の低い樹脂成分よりも10℃以上低い融点を有する接着繊維のみを接着することを特徴とする請求項記載の不織布の製造方法。
  6. 最も融点の高い樹脂成分は融着させないことを特徴とする、請求項〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
  7. 少なくとも最も融点の低い樹脂成分を融着させた後で、流体流を作用させる前に、固体押圧手段を作用させて融着した分割性繊維に歪みを生じさせることを特徴とする、請求項〜請求項のいずれかに記載の不織布の製造方法。
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