JP3361390B2 - 分繊性複合繊維、及びこれを用いた繊維シート - Google Patents
分繊性複合繊維、及びこれを用いた繊維シートInfo
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Description
れを用いた繊維シートに関する。
織布としては、捕集効率に優れるように、緻密な構造の
ものが使用されていた。例えば、緻密な構造の不織布と
して、非相溶性の2成分以上の重合体からなる芯鞘型長
繊維でウエブを形成した後、加圧水流によって、この長
繊維の鞘成分の破壊、長繊維の開繊、及び交絡を行なっ
たものがある(特公平1−47585号)。しかしなが
ら、この不織布は長繊維の鞘成分を破壊しているもの
の、そのほとんどが除去されるため、緻密性が低く、強
度が低下しやすく、長繊維の鞘成分の破壊前に比べて、
大幅には表面積が広くならないものであった。
を解決するためになされたものであり、緻密で強度に優
れ、しかも分繊後の表面積の広い繊維シートを得ること
のできる分繊性複合繊維、及びこの繊維を用いた繊維シ
ートを提供することを目的とする。
は、主として繊維表面を占める、シンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体成分(以下、「SPS成
分」ということがある)と、SPS成分とは非相溶性の
重合体成分(以下、単に「非相溶性成分」ということが
ある)であるポリオレフィン系成分とを主体とする、前
記シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体成
分自体が機械的外力を受けて繊維の長さ方向に沿った繊
維に分繊されるものである。
と、SPS成分を分繊しやすく、特に、繊維断面におい
て、SPS成分と非相溶性成分であるポリオレフィン系
成分とが、同心円状に配置していると、SPS成分を均
一に分繊することのできる分繊性複合繊維である。
あるポリオレフィン系成分が分散していると、分繊性複
合繊維を分繊しやすく、更に、繊維の長さ方向に連続
し、繊維内部を占める非相溶性成分であるポリオレフィ
ン系成分を含むと、よりSPS成分を分繊しやすい分繊
性複合繊維である。
維が分繊され、細繊度化した繊維を含むものである。
を占めるSPS成分と、非相溶性成分とを主体としてい
るため、この分繊性複合繊維に水流やニードルなどの機
械的外力を加えると、SPS成分が容易に分繊され、分
繊されたSPS成分繊維は非相溶成分繊維及び他のSP
S成分繊維と結合できるため、この分繊性複合繊維が分
繊され、細繊度化した繊維を含む繊維シートは緻密で強
度があり、しかもSPS成分の分繊前に比べて、飛躍的
に表面積の広いものである。
どの機械的外力を受けて、粉末状に破壊されるのではな
く、繊維の長さ方向に沿った繊維に分繊されるため、こ
のSPS成分繊維が非相溶成分繊維及び他のSPS成分
繊維と結合できる。このSPS成分は、分繊されやすい
ように、主として繊維表面を占めている。
レン系重合体成分とは、主鎖に対して、側鎖であるベン
ゼン環や置換ベンゼン環が交互に反対方向に位置する、
立体規則性を有するものをいい、このシンジオタクチッ
ク構造はIRスペクトルや、 13C−NMRスペクトルに
より、容易に分析することができる。
沿って分繊されやすいように、高度のシンジオタクチッ
ク構造を有するのが好ましく、より具体的には、13C−
NMRスペクトルで分析して、ラセミダイアッドで75
%以上、より好ましくは85%以上、また、ラセミペン
タッドで30%以上、より好ましくは50%以上のシン
ジオタクティシティーを有するものが好ましい。
チレンや、ポリメチルスチレン、ポリエチルスチレン、
ポリイソプロピルスチレンなどのポリアルキルスチレン
や、ポリクロロスチレン、ポリブロモスチレン、ポリフ
ルオロスチレンなどのポリハロゲン化スチレンや、ポリ
クロロメチルスチレンなどのポリハロゲン化アルキルス
チレン、ポリメトキシスチレン、ポリエトキシスチレン
などのポリアルコキシスチレンや、ポリビニル安息香酸
エステルなどがあり、これらを単独で又は混合して、或
いは水素化重合、又は共重合して使用できる。これらの
中でも、ポリスチレン、ポリアルキルスチレン、水素化
ポリスチレン、及びこれら構造単位を含む共重合体が好
適に使用でき、これらの中でもポリスチレンが最も好適
である。
400万であるのが好ましい。1万未満では繊維形成性
に劣り、400万を越えると、粘度が高く、紡糸性に劣
るためであり、より好ましくは5〜80万、最も好まし
くは10〜30万である。
剤を添加する、他の分子を共重合する、或いは他の官能
基を側鎖に導入するなどの方法により、ガラス転移温度
を5℃以上低下させると、紡糸後の延伸処理がより容易
になるばかりでなく、SPS成分を化学修飾しやすくな
るという利点がある。一方、ガラス転移温度が30℃を
越えて低下した変性SPS成分は、物性が著しく低下す
るので、ガラス転移温度の低下は30℃以内に抑えるの
が好ましい。より好ましくは、5〜20℃以内の低下に
する。例えば、SPS成分がガラス転移温度100℃程
度のポリスチレンの場合には、ガラス転移温度を70〜
95℃に低下させた変性ポリスチレンとし、より好まし
くは、80〜95℃に低下させた変性ポリスチレンとす
る。
中でも、可塑剤を添加する方法は、SPS成分の物性変
化が生じにくく、操作も簡単なため、好適な方法であ
る。この可塑剤としては、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールな
どのアルキレングリコール、ヒドロベンゾイン、ベンズ
ピコールなどの芳香族グリコール、シクロペンタン1,
2−ジオール、シクロヘキサン1,2−ジオールなどの
炭素環状グリコール、フタル酸ジメチルやフタル酸ジエ
チルなどのフタル酸エステル、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシルやアジピン酸ジ−n−デシルなどの脂肪族二
塩基酸エステル、或いはリン酸トリブチル、リン酸トリ
−2−エチルヘキシルなどのリン酸エステルなどを使用
できる。これらの中でも、アルキレングリコールはSP
S成分との相溶性が良く、可塑化効率が高いため好適に
使用でき、これらの中でもエチレングリコールが最も好
適に使用できる。
ではなく、ガラス転移温度の低下が5〜30℃となるよ
うに、適宜添加すれば良い。例えば、ポリスチレンにエ
チレングリコールを添加する場合は、ポリスチレン重量
に対して、0.5〜10重量%、より好ましくは1〜6
重量%添加する。
機械的外力によって分繊されやすいように、主として
(つまり繊維表面の50%以上)繊維表面を占めてい
る。より好ましくは、80%以上、最も好ましくは90
%以上である。
である図1〜図4をもとに説明すると、図1(a)はS
PS成分1が100%繊維表面を占めており、しかも、
SPS成分1と非相溶性成分2とが、同心円状に配置し
た分繊性複合繊維である。この場合、分繊されるSPS
成分1の厚さが一定のため、均一に分繊したSPS成分
繊維を得ることができるので、好適に使用できる。
表面を占めており、非相溶性成分2を2つ以上有する分
繊性複合繊維である。この場合、SPS成分1が分繊さ
れた後に、多数の非相溶性成分繊維を生じるので、分繊
後の表面積がより広く、好適な分繊性複合繊維である。
表面を占めており、SPS成分1と非相溶性成分2と
が、同心円状にはなく、偏心した分繊性複合繊維であ
る。この場合であっても、SPS成分1を効率的に分繊
することができる。
2が繊維表面の一部を占めている分繊性複合繊維であ
る。このように、SPS成分1が100%繊維表面を占
めていなくても良い。
混合紡糸して得られる、非相溶性成分2がSPS成分中
に分散した分繊性複合繊維である。この場合には、分繊
性複合繊維全体が分繊されやすい。なお、この場合であ
っても、SPS成分1は繊維に分繊され、他の繊維との
結合に関与することができる。
を占め、繊維表面に露出していない、いわゆる芯部分の
非相溶性成分2と、非相溶性成分2がSPS成分中に分
散している、いわゆる鞘部分とを有した分繊性複合繊維
である。この場合、非相溶性成分2の存在により、機械
的外力によって、容易に分繊することができる。なお、
芯部分の非相溶性成分2とSPS成分中に分散している
非相溶性成分2は同じであっても、異なっていても良
い。
を、同じか又は異なる非相溶性成分2によって菊花状に
略分割した断面形状を有する分繊性複合繊維である。こ
の分繊性複合繊維の場合、非相溶性成分2を含むSPS
成分繊維に分割されると同時に、非相溶性成分2を含む
SPS成分1が更に分繊され、非相溶性成分繊維とSP
S成分繊維とを生じ、より微細に分繊できるので、好適
な分繊性複合繊維である。なお、図4とは異なり、SP
S成分中に非相溶性成分2が分散していても良いし、S
PS成分中に図3に示すような非相溶性成分2が配置し
ていれば、より微細に分繊しやすい。
成分は、水流やニードルなどの機械的外力によって、S
PS成分が分繊されやすいように分繊性複合繊維に含ま
れている。例えば、図1の場合、SPS成分が機械的外
力と非相溶性成分とに挟まれた状態になるため、より分
繊しやすく、図2の場合、SPS成分中に非相溶性成分
が分散し、SPS成分を区分しているため分繊しやす
く、図3の場合、図1と図2の場合を組み合わせた相乗
効果により、より一層分繊しやすく、図4の場合、SP
S成分が非相溶性成分によって規則正しく分割されてい
るため分割しやすく、更に、非相溶性成分を含むSPS
成分は細く、SPS成分が機械的外力と非相溶性成分と
に挟まれた状態になるため、分繊しやすい分繊性複合繊
維である。
の混合物を、示差熱分析(DTA)又は示差走査熱量計
(DSC)により測定を行い、ガラス転移点が2つ現わ
れる場合をいう。
プロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチ
レン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン系成
分、6ナイロン、66ナイロンなどのポリアミド系成
分、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル系成分、ポリスチレン系共
重合体成分、或いはこれら樹脂成分の共重合体、混合物
などがある。
レン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン
−プロピレン共重合体などのポリオレフィン系成分、或
いはこの混合物は、溶融時と固化時の収縮差がSPS成
分よりも大きく、分繊性複合繊維を紡糸した際に、SP
S成分と非相溶性成分との間に僅かな空隙を形成しやす
く、より一層、物理的外力によって分繊しやすくなるた
め、好適に使用できる。これらの中でも、ポリプロピレ
ンは収縮差が大きく、繊維形成性にも優れているため、
最も好適に使用できる。特に、図1(a)〜(c)に示
すような、繊維表面が100%SPS成分で占められて
いる場合には、分繊しやすいので、上記の非相溶性成分
を使用するのが好ましい。
分との重量比は、非相溶性成分の配置状態によって異な
り、機械的外力によりSPS成分を分繊しやすいよう
に、繊維の長さ方向に連続した非相溶性成分は、分繊性
複合繊維の10〜80重量%であるのが好ましく、SP
S成分中に非相溶性成分が分散している場合には、SP
S成分:非相溶性成分=99:1〜30:70であるの
が好ましい。
性成分以外に、SPS成分と相溶性のある重合体成分
や、非相溶性成分と相溶性のある重合体成分を混合する
こともできる。
公知の溶融紡糸法によって容易に紡糸することができ
る。つまり、図1の繊維断面形状を有する分繊性複合繊
維は複合紡糸法によって、図2の繊維断面形状を有する
分繊性複合繊維は混合紡糸法によって、図3の繊維断面
形状を有する分繊性複合繊維は複合紡糸法と混合紡糸を
組み合わせることによって、そして図4の繊維断面形状
を有する分繊性複合繊維は複合紡糸法と複合紡糸法とを
組み合わせることによって、容易に紡糸することができ
る。このように、本発明の分繊性複合繊維は従来のノズ
ルを使用して製造できるという利点もある。
く、三角形、四角形、六角形などの多角形状、楕円形
状、長円形状などでも良く、特に限定するものではな
い。
ら直接繊維ウエブを形成しても良いし、紡糸した後に切
断した短繊維を使用して繊維ウエブを形成しても良い
が、後者の方が、より均一性に優れているため、より好
適である。なお、長繊維から織物、編物などを形成して
も良い。
も特徴の1つである。通常、繊維に強度を付与するため
に、紡糸した後に延伸処理を行なうが、通常のスチレン
系重合体は脆く、延伸することが困難であったが、本発
明のSPS成分は繊維が膠着することなく、1.3〜3.
0倍延伸できるので、裁断し、短繊維にすれば、均一性
に優れた繊維ウエブを形成することが可能となった。
するものではないが、機械的外力により分繊して、緻密
な構造の繊維シートとなるように、10デニール以下で
あるのが好ましい。また、短繊維とした時の繊維長は、
特に限定するものではないが、3〜110mmであるのが
好ましい。
かも表面積の広い繊維シートが得られるように、繊維シ
ート中に、分繊性複合繊維は5重量%以上含まれている
のが好ましく、より好ましくは50重量%以上である。
は、例えば、レーヨンなどの再生繊維、アセテート繊維
などの半合成繊維、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊
維、綿や麻などの植物繊維、羊毛や絹などの動物繊維、
6−ナイロン、66−ナイロンなどのナイロン系繊維、
ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル系繊維、アクリル、共重合アク
リルなどのアクリル系繊維、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重
合体などのポリオレフィン系繊維などの合成繊維、或い
は、繊維断面において、同心円状又は偏心状の芯鞘型複
合繊維、或いは一成分を他成分の間に配した菊花型、一
成分と他成分とを交互に2層以上に積層した多層型に組
み合わせた分割可能な複合繊維を使用できる。
繊性複合繊維を分繊した後、好適には分繊する前に、織
物、編物、不織布などの繊維シートを形成する。これら
繊維シートの中でも、不織布は繊維同士の接触点が多
く、機械的外力によって繊維同士が絡みやすく、強度が
あるので、好適に使用できる。
成方法としては、例えば、カード法やエアレイ法などの
乾式法、湿式法、或いは紡糸と同時に繊維ウエブとす
る、いわゆるスパンボンド法やメルトブロー法などがあ
る。
る場合、一方向に配向した繊維と、この繊維に交差した
繊維とを含んでいると、たて方向とよこ方向の強度差が
小さくなるので、好適な繊維ウエブの配向方向である。
し、水流やニードルなどの機械的外力を加えることによ
って、分繊性繊維を分繊し、細繊度化した繊維を含む繊
維シートを得ることができる。これらの中でも、機械的
外力としての水流は繊維ウエブの全体に作用させること
ができるので、より分繊性繊維の分繊を均一に行なうこ
とができ、好適である。
ノズル径0.05〜0.3mm、より好ましくは、0.10
〜0.18mm、ピッチ0.2〜3mm、より好ましくは、
0.4〜1.2mmで一列に配列したノズルプレートや、ノ
ズルを格子状、千鳥状などの二列以上に配列したノズル
プレートを使用し、水圧10〜300kg/cm2で、繊維ウ
エブの片面又は両面から処理する。
トを得る場合、水流処理する際の支持体として、50メ
ッシュ以上の細かいネットや、1個当りの孔面積が0.
06mm2以下の多孔板を使用するのが好ましく、逆に、
開孔した繊維シートを得るのであれば、50メッシュ未
満の目の粗いネットや、1個当りの孔面積が0.06mm2
を越える多孔板を使用するのが好ましい。
分繊性複合繊維が細繊度化された状態にあるが、機械的
外力の強度により、既に絡合した繊維シートであった
り、未だ絡合していない繊維シートである。この絡合し
た繊維シートであっても、繊維シートを構成する熱融着
性繊維による融着や、バインダーによって結合したり、
他方、未だ絡合していない繊維シートは、更に機械的外
力を加えたり、繊維シートを構成する熱融着性繊維によ
る融着や、バインダーによって結合する。このように、
本発明の繊維シートは、細繊度化したSPS成分繊維と
非相溶性成分繊維とが、緻密に結合しているため強度が
あり、しかも表面積の広いものである。そのため、本発
明の繊維シートは、例えば、芯地、中入綿、電池用セパ
レータ、エアフィルタ、液体フィルタ、マスク、ワイピ
ング材、ガウン、シーツ、微生物担体、イオン交換体な
どの各種用途に使用することができる。なお、本発明の
繊維シートは、分繊性複合繊維の一成分として、SPS
成分を使用しているため、スルホン化して電池用セパレ
ータとしての親水性を付与するなど、容易に化学修飾し
たり、エレクトレット化してエアフィルタとしての捕集
効率を向上させるなど、効率的に電気的処理できるの
で、各種用途に適合させることができる。
下の実施例に限定されるものではない。なお、樹脂の溶
融粘度は320℃、シェアレート103S-1におけるも
ので、フローテスター(島津製作所製、フローテスター
CFT−500C)で、直径1.0mm、長さ10.0mm
のノズルを用いて測定した。
レン(出光石油化学社製、ガラス転移温度100℃)9
6部に対して、可塑剤としてポリエチレングリコールを
4部添加し、ガラス転移温度を90℃に変性した、溶融
粘度430ポイズ、重量平均分子量17万のSPS成分
と、溶融粘度250ポイズのポリプロピレン(非相溶性
成分)とを、1:1の重量比で別々に溶融させた後、公
知の芯鞘型複合ノズルの鞘部分からSPS成分を、芯部
分からポリプロピレンを320℃で、1ホール当り0.
6g/分で径0.3mmのノズルから押し出し、複合した
後、540m/分で巻取り、図1(a)に示すように、
同心円状芯鞘型で断面円形状を有する(SPS成分が1
00%繊維表面を占めている)、繊度10デニールの未
延伸繊維を得た。
ター上で加熱しながら、1.8倍延伸し、次いで、10
個/インチの捲縮を付与した後、50mmに裁断し、繊度
5.6デニールの分繊性複合繊維を得た。
より開繊し、一方向に配向した繊維ウエブと、クロスレ
イヤーにより一方向性の繊維ウエブに対して交差する繊
維ウエブとを積層した。次いで、この積層繊維ウエブを
針密度200本/cm2でニードルパンチし、分繊性複合
繊維の分繊と同時に、繊維同士を絡合し、目付120g/
m2の不織布を得た。この不織布を構成する分繊性複合繊
維を、電子顕微鏡写真により観察したところ、SPS成
分が分繊され、分繊されたSPS成分がポリプロピレン
成分や他のSPS成分と絡合していることが確認され
た。
層繊維ウエブを、100メッシュの支持体上に載置した
後、径0.13mm、ピッチ0.6mmで一列に配列したノズ
ルから水圧90kg/cm2の水流で処理した後、積層繊維ウ
エブを反転させ、同様のノズルから水圧90kg/cm2の水
流で処理し、目付120g/m2の不織布を得た。この不織
布を構成する分繊性複合繊維を、電子顕微鏡写真により
観察したところ、実施例1よりも、より均一に、しかも
より細かくSPS成分が分繊され、分繊されたSPS成
分がポリプロピレン成分や他のSPS成分と絡合してい
ることが確認された。
維表面を占める、シンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体成分と、シンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体成分とは非相溶性の重合体成分である
ポリオレフィン系成分とを主体としているため、この分
繊性複合繊維に水流やニードルなどの機械的外力を加え
ると、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体成分が容易に分繊され、分繊されたシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体成分繊維が、非相溶成
分繊維(ポリオレフィン系成分繊維)及びシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体成分繊維と結合で
きるため、この分繊性複合繊維が分繊され、細繊度化し
た繊維を含む繊維シートは、緻密で強度があり、しかも
表面積の広いものである。
を有するスチレン系重合体成分のみが占めていると、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体成分を
分繊しやすく、特に、繊維断面において、シンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体成分と非相溶性成
分であるポリオレフィン系成分とが、同心円状に配置し
ていると、シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体成分を均一に分繊することができ、均一な繊維シ
ートを得ることができる。
あるポリオレフィン系成分が分散していると、分繊性複
合繊維を分繊しやすく、更に、繊維の長さ方向に連続
し、繊維内部を占める非相溶性成分であるポリオレフィ
ン系成分を含むと、よりシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体成分を分繊しやすい分繊性複合繊維
である。
成分 2 シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
成分とは非相溶性の重合体成分
Claims (6)
- 【請求項1】 主として繊維表面を占める、シンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体成分と、ポリオ
レフィン系成分とを主体とする、前記シンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体成分自体が機械的外力
を受けて繊維の長さ方向に沿った繊維に分繊されること
を特徴とする分繊性複合繊維。 - 【請求項2】 繊維表面を、シンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体成分のみが占めていることを特
徴とする、請求項1記載の分繊性複合繊維。 - 【請求項3】 繊維断面において、シンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体成分とポリオレフィン系
成分とが、同心円状に配置していることを特徴とする、
請求項2記載の分繊性複合繊維。 - 【請求項4】 繊維内部において、ポリオレフィン系成
分が分散していることを特徴とする、請求項1記載の分
繊性複合繊維。 - 【請求項5】 繊維の長さ方向に連続し、繊維内部を占
めるポリオレフィン系成分を含むことを特徴とする、請
求項4記載の分繊性複合繊維。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の分繊性
複合繊維が分繊され、細繊度化した繊維を含むことを特
徴とする繊維シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24460094A JP3361390B2 (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 分繊性複合繊維、及びこれを用いた繊維シート |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0881829A JPH0881829A (ja) | 1996-03-26 |
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---|---|---|---|---|
WO1998054382A1 (en) * | 1997-05-30 | 1998-12-03 | The Dow Chemical Company | Fibers made from long chain branched syndiotactic vinyl aromatic polymers |
-
1994
- 1994-09-12 JP JP24460094A patent/JP3361390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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